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【発明の名称】 トルクロッド
【発明者】 【氏名】川瀬 誠

【要約】 【課題】構成部品の大幅な削減が可能で、しかも、各車種ごとに取付け長さが異なる場合であっても、容易に各車種に対応することのできるトルクロッドを提供する。

【構成】内筒30、36と外筒32、38との間にゴム弾性体34、40が介装され、車両のエンジン側と車体側に取り付けられる一対のブッシュ24、26と、これら一対のブッシュ24、26を連結する連結部28とを有するトルクロッド22において、一対のブッシュ24、26の外筒32、38と連結部28とは、一枚の環状金属板をプレス成形して一体に形成され、連結部28においてスポット溶接により接合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内筒と外筒との間にゴム弾性体が介装され、車両のエンジン側と車体側に取り付けられる一対のブッシュと、これら一対のブッシュを連結する連結部とを有するトルクロッドにおいて、
前記一対のブッシュの外筒と連結部とは、一枚の環状金属板をプレス成形して一体に形成され、前記連結部においてスポット溶接により接合されることを特徴とするトルクロッド。
【請求項2】
請求項1において、
前記環状金属板は、前記連結部形成位置が幅広部として形成され、前記環状金属板のプレス成形時に前記幅広部を両側部を曲折して前記連結部に補強フランジ形成することを特徴とするトルクロッド。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のエンジンの防振金具として使用されるトルクロッドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にトルクロッドは、内筒と外筒との間にゴム弾性体が介装され、車両のエンジン側と車体側に取り付けられる一対のブッシュと、これら一対のブッシュを連結する連結ロッドとを有し、車両のエンジン側と車体側とに跨って介装され、エンジンのロール方向及び前後方向の変位を規制し、併せてエンジン側と車体側との振動絶縁を行うようになっている。
【0003】
このようなトルクロッドにおいては、連結ロッドを外筒とは別に製造して溶接接合することが必要であり、構成部品点数が多くなり、加工工数が多く、コスト高になってしまうこととなる。
【0004】
そのため、連結部を板状に形成し、その両端部に外筒を一体に形成することにより、加工の工程数を少なくして、コストを安価にする提案もなされている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−163843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなトルクロッドにあっては、各車種ごとに取付け長さが異なる場合、長さの異なるトルクロッドを新設しなければならないという問題があった。
【0006】
また、連結部を板状に形成し、その両端部に外筒を一体に形成した一対の金属板を用いるようにしているため、少なくとも2部品が必要であった。
【0007】
本発明の目的は、構成部品の大幅な削減が可能で、しかも、各車種ごとに取付け長さが異なる場合であっても、容易に各車種に対応することのできるトルクロッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明のトルクロッドは、内筒と外筒との間にゴム弾性体が介装され、車両のエンジン側と車体側に取り付けられる一対のブッシュと、これら一対のブッシュを連結する連結部とを有するトルクロッドにおいて、
前記一対のブッシュの外筒と連結部とは、一枚の環状金属板をプレス成形して一体に形成され、前記連結部においてスポット溶接により接合されることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、一枚の環状金属板をプレス成形して、一対の外筒と連結部とを一体に形成しすることで、構成部品の大幅な削減ができ、しかも、連結部をスポット溶接にて接合することで、簡単な治具で加工ができて、生産性が向上し、さらには、各車種ごとに外筒の径や取付け長さが異なる場合であっても、柔軟に対応が可能となり、原価低減を図ることができる。
【0010】
本発明においては、前記環状金属板は、前記連結部形成位置が幅広部として形成され、前記環状金属板のプレス成形時に前記幅広部を両側部を曲折して前記連結部に補強フランジ形成することができる。
【0011】
このような構成とすることにより、幅広部を曲折して連結部に補強フランジを形成することで、容易に連結部の補強を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1〜図3は、本発明の一実施の形態にかかるトルクロッドを示す図である。
【0014】
図1は、本実施の形態にかかるトルクロッドの車両への取付け状態を示す斜視図で、この車両は車体側に取り付けられたサスペンションメンバ10上に、エンジンマウント12を介して、エンジン14及びトランスミッション16を含むパワーユニット18が弾性支持された状態となっている。
【0015】
そして、エンジン14の下部と、サスペンションメンバ10のセンターフレーム20とに跨ってトルクロッド22が取り付けられている。
【0016】
このトルクロッド22は、一対の大小のブッシュ24、26と、これらのブッシュ24、26を連結する連結部28とを有し、大きなブッシュ24がセンターフレーム20に取り付けられ、小さなブッシュ26がエンジン14の下部に取り付けられるようになっている。
【0017】
このトルクロッド22の詳細を、図2の拡大斜視図に基づいて説明する。
【0018】
大きなブッシュ24は、内筒30と外筒32との間に円筒状のゴム弾性体34が介装され、それらが加硫接着により一体化された状態となっており、内筒30がセンターフレーム20にボルト・ナットで締結固定されて大きなブッシュ24がセンターフレーム20に弾性的に結合された状態となっている。
【0019】
小さなブッシュ26は、内筒36と外筒38との間に円筒状のゴム弾性体40が介装され、それらが加硫接着により一体化された状態となっており、内筒36がエンジン14にボルト・ナットで締結固定されて、小さなブッシュ26がエンジン14に弾性的に結合された状態となっている。
【0020】
連結部28は、大きなブッシュ24の外筒32及び小さなブッシュ26の外筒38と一体に曲折形成されている。
【0021】
具体的には、大きなブッシュ24の外筒32及び小さなブッシュ26の外筒38と連結部28とは、図3に示すような一枚の環状金属板42をプレス成形して、図4に示すように、一対の外筒32、38と連結部28とが一体に形成され、2枚の板が重ね合わされた連結部28においてスポット溶接により接合されるようになっている。
【0022】
このように、一枚の環状金属板42をプレス成形して、一対の外筒32、38と連結部28とを一体に形成しすることで、構成部品の大幅な削減ができ、しかも、連結部28をスポット溶接にて接合することで、簡単な治具で加工ができて、生産性が向上し、さらには、各車種ごとに外筒32、38の径や取付け長さが異なる場合であっても、柔軟に対応が可能となり、原価低減を図ることができる。
【0023】
また、このプレス成形時に、各外筒32、38と連結部28との境界部にリブ44を形成して強度を高めるようにしている。
【0024】
図5及び図6には、本発明の他の実施の形態にかかるトルクロッドの一対の外筒と連結部を示す。
【0025】
この実施の形態では、一対の外筒32、38間に位置する連結部28の両側部に連結部28と直交する方向に曲折形成された補強フランジ46が形成されて、連結部28の強度を向上させるようになっている。
【0026】
この補強フランジ46は、環状金属板の連結部28形成位置が幅広部として形成され、環状金属板のプレス成形時に幅広部の両側部を曲折して連結部の両側部に一体に形成されるようになっている。
【0027】
他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様につき、説明を省略する。
【0028】
本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の形態に変形可能である。
【0029】
例えば、前記実施の形態においては、一対の外筒と連結部の境界部にリブを形成し、あるいは、連結部の両側部に補強フランジを形成するようにしているが、この例に限らず、一対の外筒と連結部の境界部から連結部全体にわたって連続したリブを形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるトルクロッドの車両への取付け状態を示す斜視図である。
【図2】図1のトルクロッドの拡大斜視図である。
【図3】図1及び図2のトルクロッドのの製造に用いる環状金属板を示す斜視図である。
【図4】図3の環状金属板をプレス成形した一対の外筒及び連結部を示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施の形態にかかるトルクロッドの一対の外筒及び連結部を示す斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0031】
10 サスペンションメンバ
14 エンジン
20 センターフレーム
22 トルクロッド
24、26 ブッシュ
28 連結部
30、36 内筒
32、38 外筒
34、40 ゴム弾性体
42 環状金属板
44 リブ
46 補強フランジ
【出願人】 【識別番号】390005670
【氏名又は名称】豊生ブレーキ工業株式会社
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫

【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄


【公開番号】 特開2008−2615(P2008−2615A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−173901(P2006−173901)