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【発明の名称】 蒸気エゼクタ、および蒸気エゼクタを用いて構成された減圧システム
【発明者】 【氏名】茅原 敏広

【氏名】板橋 明吉

【氏名】二神 一浩

【要約】 【課題】外気温度等にかかわらず、年間を通じて最適な駆動蒸気圧力で運転することによって、運転効率を高めランニングコストを低減することができる、蒸気エゼクタを提供することを課題とする。

【解決手段】本発明は、蒸気を噴出させる噴出部61,62を有する蒸気エゼクタ6であって、複数の前記噴出部61,62から成る噴出部群が設けられており、前記噴出部群の上流側条件および下流側条件の少なくとも一方の条件に基づいて、前記噴出部群中の一つあるいは二つ以上の噴出部61,62が選択的に用いられることを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気を噴出させる噴出部を有する蒸気エゼクタであって、
複数の前記噴出部から成る噴出部群が設けられており、
前記噴出部群の上流側条件および下流側条件の少なくとも一方の条件に基づいて、前記噴出部群中の一つあるいは二つ以上の噴出部が選択的に用いられる
ことを特徴とする蒸気エゼクタ。
【請求項2】
前記噴出部群が、異なる種類の噴出部を用いて構成されている
請求項1に記載の蒸気エゼクタ。
【請求項3】
前記噴出部群が、異なるノズルスロート径を有する噴出部を用いて構成されている
請求項1または2に記載の蒸気エゼクタ。
【請求項4】
前記噴出部群が、異なるノズル膨張比を有する噴出部を用いて構成されている
請求項1から3のいずれか1項に記載の蒸気エゼクタ。
【請求項5】
蒸気を噴出させる噴出部を有する蒸気エゼクタであって、
一つ以上の噴出部を有する単位蒸気エゼクタが複数設けられており、
前記単位蒸気エゼクタの上流側条件および下流側条件の少なくとも一方の条件に基づいて、一つあるいは二つ以上の前記単位蒸気エゼクタが選択的に用いられる
ことを特徴とする蒸気エゼクタ。
【請求項6】
蒸気エゼクタを用いて構成された減圧システムであって、
前記蒸気エゼクタが、請求項1から5のいずれか1項に記載の蒸気エゼクタである
ことを特徴とする蒸気エゼクタを用いて構成された減圧システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気エゼクタ、および蒸気エゼクタを用いて構成された減圧システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、エネルギの有効利用を行うシステムについては、種々のシステムが提案されており、例えば、その一つとして、エンジンから排出される排ガスの保有熱を排ガスボイラにより回収するシステムが知られている。このシステムは、排ガスボイラにより生成された蒸気を冷暖房等に用いることによって、エネルギの有効利用を図っている。
【0003】
上記のようなシステムにおいては、エンジンから排出される排ガスの発生量や温度に基づいて、蒸気を使用する機器の種類,数量等のシステム全体の構成が設計されているが、エンジンの稼働状況や排ガスボイラにて生成される蒸気を使用する機器の負荷状況等によって、蒸気が余分に生成される場合がある。つまり、システムを構成するそれぞれの機器の状況に応じて、排ガスボイラにて生成される蒸気が余る場合がある。このような場合には、システム中にバイパス経路を設けてエンジンからの排ガスを排ガスボイラへ入力しないようにして蒸気の生成を中断させたり、排ガスボイラが生成した余分な蒸気を大気中へ放出させたりしていた。すなわち、このような従来のシステムにおいては、エネルギの有効利用が十分にはなされていなかった。
【0004】
排ガスボイラにて生成される蒸気を利用するシステムとしては、例えば、特許文献1に記載されたシステム(以下、「従来技術にかかるシステム」という。)がある。この従来技術にかかるシステムにおいては、エンジンにより発電機を作動させることで電力を得、エンジンから排出される排ガスを排ガスボイラへ送っている。そして、排ガスボイラにて生成された蒸気を蒸気エゼクタに通過させ、減圧蒸発缶から蒸気を得ると共に、これらの蒸気を蒸気利用設備へ送り、そこで得られた凝縮水をドレンタンクおよび軟水器を経由させて排ガスボイラに循環させている。
【0005】
つまり、従来技術にかかるシステムにおいては、蒸気エゼクタを用いて、エネルギの有効利用が図られている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−4943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術にかかるシステムを含めた、蒸気エゼクタを用いたシステムには、次のような問題があった。
【0008】
蒸気エゼクタの作動範囲は、通常、蒸気エゼクタの吐出側圧力(凝縮器側圧力)(Pout)が最も高い夏場を基準に、蒸気エゼクタの最高放射圧力(Pmax)が設定されるため(「Pmax>Pout」となるように設定されるため)、一年間を通じて効率よくエネルギの利用を行うことができないという問題があった。
【0009】
より具体的には、冬場での運転時には凝縮器冷却水温度が低くなり、蒸気エゼクタの吐出側圧力(凝縮器側圧力)は低くなる。しかし、蒸気エゼクタは夏場と同様の昇圧仕事を行うため、冬場(すなわち気温が低いとき)の蒸気エゼクタは、必要以上の昇圧仕事を行う。つまり、従来技術にかかる蒸気エゼクタにおいては、気温が低いときでも気温が高いときと同様の駆動蒸気を消費することとなって、エネルギの有効利用を図ることができなかった。
【0010】
また、例えば、一つのノズル部(噴出部)を有する蒸気エゼクタを用いて冷水製造システム(減圧システムの一例)を構成した場合、冷水製造温度が高くなると吸引側圧力は高くなり昇圧圧力は低くなり、同じ駆動蒸気量なら必要以上の昇圧仕事をしてしまうという問題があった。
【0011】
さらに、一方の季節(例えば、夏)で最適なノズル膨張比で最適な駆動蒸気量でノズル部(噴出部)を設計した場合、他方の季節(例えば、冬)では、駆動蒸気量を減らすため駆動蒸気圧力を低くする場合、駆動蒸気は過大膨張となり性能が低下するという問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、外気温度等にかかわらず、年間を通じて最適な状態で運転し、運転効率を高めランニングコストを低減することができる、蒸気エゼクタを提供することを課題とする。
【0013】
また、本発明は、上述した蒸気エゼクタを用いて構成された減圧システム(例えば、冷水製造システム)を提供することを課題とする。例えば、このような蒸気エゼクタを用いて冷水製造システム(減圧システム)であれば、余剰蒸気を使用して冷水を製造可能であるため、システム全体としてランニングコストを低く抑えることができる。また、冷媒を一切使用せずに冷水を製造可能であるため、環境にやさしい冷水製造システム(減圧システム)を構成することができる。さらに、冷水製造システム(減圧システム)全体として、ボイラ(例えば、排ガスボイラ)の稼働率の向上と、契約電力量の低減を図ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、蒸気を噴出させる噴出部を有する蒸気エゼクタであって、複数の前記噴出部から成る噴出部群が設けられており、前記噴出部群の上流側条件および下流側条件の少なくとも一方の条件に基づいて、前記噴出部群中の一つあるいは二つ以上の噴出部が選択的に用いられることを特徴としている。ここで、上流側条件としては、例えば、蒸気エゼクタを用いて構成された冷水製造システムの冷水製造温度等があげられる。また、下流側条件としては、例えば、凝縮器冷却水温度等があげられる。
【0015】
このような構成によれば、蒸気エゼクタが複数の噴出部を備えた前記噴出部群を有し、記噴出部群の上流側条件および下流側条件の少なくとも一方の条件に基づいて、前記噴出部群中の一つあるいは二つ以上の噴出部が選択的に用いられるため、外気温度等の諸条件にかかわらず、年間を通じて最適な状態で運転し、運転効率を高めランニングコストを低減することができる、蒸気エゼクタを得ることができる。
【0016】
また、本発明にかかる蒸気エゼクタにおいては、前記噴出部群が、異なる種類の噴出部を用いて構成されていることが好ましい。本発明は、前記噴出部群が、異なる種類の噴出部のみから構成される場合のみならず、異なる種類の噴出部と同じ種類の噴出部とを複合的に用いて構成される場合も含む概念である。
【0017】
また、本発明にかかる蒸気エゼクタにおいては、前記噴出部群が、異なるノズルスロート径を有する噴出部を用いて構成されていることが好ましい。
【0018】
この好ましい構成によれば、ノズルスロート径が異なる複数の噴出部が設けられているため、必要に応じて、これらの一つあるいは二つ以上の噴出部を選択的に用いることによって、外気温度等にかかわらず最適な状態で運転し、運転効率を高めランニングコストを低減することができる。より具体低には、例えば、季節により凝縮器冷却水温度が変動しても、ノズルスロート径が異なる噴出部を選択的に使用することによって、効果的な駆動蒸気量での運転が可能となるため、過大膨張や膨張不足がなくなり、運転効率を高めることができる。
【0019】
また、本発明にかかる蒸気エゼクタにおいては、前記噴出部群が、異なるノズル膨張比を有する噴出部を用いて構成されていることが好ましい。
【0020】
この好ましい構成によれば、ノズル膨張比が異なる複数の噴出部が設けられているため、必要に応じて、これらの一つあるいは二つ以上の噴出部を選択的に用いることによって、年間を通じて最適な状態で運転し、運転効率を高めランニングコストを低減することができる。より具体的には、例えば、この蒸気エゼクタを用いて冷水製造システムを構成した場合、冷水製造温度が変動しても、ノズル膨張比が異なる噴出部を選択的に使用することによって、効果的な駆動蒸気量での運転が可能となるため(例えば、駆動蒸気の使用量を低減できるため)、運転効率を高めることができる。
【0021】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、蒸気を噴出させる噴出部を有する蒸気エゼクタであって、一つ以上の噴出部を有する単位蒸気エゼクタが複数設けられており、前記単位蒸気エゼクタの上流側条件および下流側条件の少なくとも一方の条件に基づいて、一つあるいは二つ以上の前記単位蒸気エゼクタが選択的に用いられることを特徴としている。つまり、本発明は、複数の単位蒸気エゼクタを用いて蒸気エゼクタが構成されており、前記単位蒸気エゼクタの上流側条件および下流側条件の少なくとも一方の条件に基づいて、前記単位蒸気エゼクタを切り換えて使用すべく構成されている。また、単位蒸気エゼクタ内に複数の噴出部を設け、単位蒸気エゼクタ内においても、必要に応じて噴出部を選択的に切り換え可能に構成してもよい。
【0022】
このような構成によれば、前記単位蒸気エゼクタの上流側条件および下流側条件の少なくとも一方の条件に基づいて、一つあるいは二つ以上の前記単位蒸気エゼクタが選択的に用いられるため、外気温度等の諸条件にかかわらず、年間を通じて最適な状態で運転し、運転効率を高めランニングコストを低減することができる、蒸気エゼクタを得ることができる。
【0023】
さらに、本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、蒸気エゼクタを用いて構成された減圧システムであって、前記蒸気エゼクタが、上述したいずれかの構成にかかる蒸気エゼクタであることを特徴としている。
【0024】
このような構成によれば、上述した蒸気エゼクタを用いて減圧システムを構成することによって、外気温度等にかかわらず、効率的に駆動する減圧システムを得ることができる。例えば、冷水製造システム(減圧システムの一例)を構成する場合には、余剰蒸気を使用して冷水を製造可能であるため、システム全体としてランニングコストを低く抑えることができる。また、冷媒を一切使用せずに冷水を製造可能であるため、環境にやさしい冷水製造システムを構成することができる。さらに、冷水製造システム全体として、ボイラ(例えば、排ガスボイラ)の稼働率の向上と、契約電力量の低減を図ることができる。また、当然のことながら、上述した蒸気エゼクタ自身が高効率での運転が可能であるため、これに起因して、冷水製造システムの効率も向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、外気温度等にかかわらず、年間を通じて最適な状態で運転し、運転効率を高めランニングコストを低減することが可能な、蒸気エゼクタを得ることができる。また、本発明によれば、システム全体としてランニングコストを低減できる等の種々の効果を実現可能な、減圧システムを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0027】
本実施形態の第一態様にかかる蒸気エゼクタは、蒸気を噴出させる噴出部を有する蒸気エゼクタであって、複数の前記噴出部から成る噴出部群が設けられており、前記噴出部群の上流側条件および下流側条件の少なくとも一方の条件に基づいて、前記噴出部群中の一つあるいは二つ以上の噴出部が選択的に用いられるべく構成されている。
【0028】
また、本実施形態の第二態様にかかる蒸気エゼクタは、第一態様の構成において、前記前記噴出部群が、異なる種類の噴出部を用いて構成されている。
【0029】
また、本実施形態の第三態様にかかる蒸気エゼクタは、第一態様または第二態様の構成において、前記噴出部群が、異なるノズルスロート径を有する噴出部を用いて構成されている。
【0030】
また、本実施形態の第四態様にかかる蒸気エゼクタは、第一態様から第三態様のいずれかの構成において、前記噴出部群が、異なるノズル膨張比を有する噴出部を用いて構成されている。
【0031】
また、本実施形態の第五態様にかかる蒸気エゼクタは、蒸気を噴出させる噴出部を有する蒸気エゼクタであって、一つ以上の噴出部を有する単位蒸気エゼクタが複数設けられており、前記単位蒸気エゼクタの上流側条件および下流側条件の少なくとも一方の条件に基づいて、一つあるいは二つ以上の前記単位蒸気エゼクタが選択的に用いられるべく構成されている。
【0032】
さらに、本実施形態の第六態様にかかる減圧システム(例えば、冷水製造システム)は、蒸気エゼクタを用いて構成された減圧システムであって、前記蒸気エゼクタが、第一態様から第五態様のいずれかの蒸気エゼクタを用いて構成されている。
【0033】
次に、図面に基づき、本発明の実施例にかかる冷水製造システム(本発明の「減圧システム」に相当)について説明する。
【0034】
なお、以下の実施例においては、後述すべく、蒸気エゼクタを用いて構成されるシステム(減圧システム)として「冷水製造システム(冷水製造装置)」を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。すなわち、本発明にかかる蒸気エゼクタ(エネルギを有効利用可能な蒸気エゼクタ)を用いて構成される減圧システムは、冷水製造システムに限定されるものではなく、例えば、真空解凍システム(真空解凍機)、真空冷却システム(真空冷却機)、蒸煮冷却システム(蒸煮冷却機)等、被減圧部(例えば、真空冷却塔)内を減圧するために蒸気エゼクタを用いて構成される減圧システムであれば、どのようなシステムであってもよく、いずれの減圧システムも本発明の技術的範囲に属する。
【0035】
また、後述する実施例に示された冷水製造システムは、本発明にかかる蒸気エゼクタを用いて構成された、エネルギを有効利用可能なシステムの一例を示すものであって、有効利用するエネルギとしてエンジン(エネルギ源)にて生成されるエネルギを用いる例を示している。より具体的には、このエンジンからの排ガスを排ガスボイラにて回収して蒸気を生成し、この排ガスおよび蒸気を有効に利用可能なシステムの例を示している。しかし、当然のことながら、本発明はこの構成に限定されず、本発明にかかる蒸気エゼクタを用いて、他のエネルギ源にて生成されたエネルギを有効利用すべく構成されたシステムであっても本発明の技術的範囲に属する。
【0036】
<第一実施例>
図1は、本発明の第一実施例にかかる蒸気エゼクタを用いて構成された冷水製造システム(本発明の「減圧システム」に相当)の概略図を示したものである。この図1に示された冷水製造システムは、上述したように、本発明にかかる蒸気エゼクタを用いて構成されたエネルギを有効利用可能なシステムの一例を示すものである。
【0037】
この図1に示すように、本実施例にかかる冷水製造システム(エネルギの有効利用システム)は、エンジン1、このエンジン1の排ガスを利用して蒸気を作り出す蒸気生成部の具体例としての排ガスボイラ2、この排ガスボイラ2から蒸気使用箇所(図示省略)へ蒸気を供給する主蒸気供給ライン3、この主蒸気供給ライン3とは別個の第一副蒸気供給ライン4、この第一副蒸気供給ライン4から分岐した第二副蒸気供給ライン5、第一副蒸気供給ライン4の下流側に設けられた蒸気エゼクタ6、この蒸気エゼクタ6に接続された被減圧部の具体例としての真空式冷却塔7、蒸気エゼクタ6を通過した蒸気を凝縮させる凝縮器8、この凝縮器8内を減圧する減圧手段の具体例としての水封式真空ポンプ9、凝縮器8から凝縮水8aを排出する凝縮水排出手段の具体例としての排出ポンプ10、および凝縮器8との間で熱交換を行う冷却塔11等を用いて構成されている。
【0038】
エンジン1は、例えば、発電機(図示省略)を作動させると共に、エンジン1作動時に排出される排ガスを排ガスボイラ2へ送るべく構成されている。つまり、エンジン1は、メインとなる機能(ここでは「発電機を作動させる」という機能)を発揮することに加えて、その際に発生する排ガスを有効利用すべく、排ガスボイラ2と接続されている。
【0039】
排ガスボイラ2は、蒸気生成部に相当するものであって、エンジン1からの排ガスを利用して蒸気を生成する。本実施例にかかる排ガスボイラ2には、生成された蒸気を使用する箇所に供給する主蒸気供給ライン3と、余剰蒸気を蒸気エゼクタ6に供給する第一副蒸気供給ライン4とが接続されており、さらに第一副蒸気供給ライン4から分岐して第二副蒸気供給ライン5が設けられている。第一副蒸気供給ライン4には、蒸気エゼクタ6へ供給される駆動蒸気圧力を制御するために、モータバルブ16が設けられている。また、この排ガスボイラ2へは、例えば、後述する凝縮器8からの補給水(凝縮水)と、軟水器(図示省略)や脱気装置(図示省略)を経由した脱気された軟水とを合流させたものが給水として送られる。
【0040】
真空式冷却塔7は、被減圧部に相当し、処理水供給ライン12を介して、真空式冷却塔7の本体内部へ処理水が供給されるべく構成されている。そして、このようにして供給された処理水が本体の上方位置に設けられた処理水散布部7Aから散布されると、処理水は蒸発潜熱を奪われて冷水7aとなる。このようにして得られた冷水7aは、冷水送水ポンプ13を用いて、冷水使用箇所(あるいは冷水貯留箇所)に送られて、適宜利用されることとなる。
【0041】
凝縮器8としては、例えば、シェルアンドチューブ式熱交換機が用いられる。シェルアンドチューブ式熱交換機は、蒸気を導入可能な複数のチューブが所定間隔を有して立設されており、冷却塔11から供給される冷却用の水が冷却水ライン14から供給されて、この冷却水がチューブの外側に接触することにより、蒸気と冷却水とが間接的に熱交換を行うように構成されている。冷却用の水は、蒸気との間で熱交換を行った後に、冷却塔11に戻され、冷却塔11で冷却されて、再び凝縮器8(シェルアンドチューブ式熱交換機)へ循環される。
【0042】
水封式真空ポンプ9は、減圧手段に相当するもので、凝縮器8内を減圧状態にすることによって、蒸気エゼクタ6からの蒸気を積極的に凝縮器8内へ導入すると共に、非凝縮性ガスである空気を排出する役割を有している。この水封式真空ポンプ9は、凝縮水8aを吸い込んで排出するのを防止するために、凝縮器8内における凝縮水8aの貯留水位より上方位置に接続されている。また、この水封式真空ポンプ9と凝縮器8との接続箇所は、凝縮器8と蒸気エゼクタ6との接続箇所から可能な限り離れた位置に設けられている。これは、凝縮器8内へ導入された凝縮前の蒸気を排出しにくくするためである。さらに、水封式真空ポンプ9は、封水の温度を調整することによって真空ポンプの処理能力を制御することができる。
【0043】
排出ポンプ10は、凝縮器8内の凝縮水8aを排出するための凝縮水排出手段に相当する。そして、この排出ポンプ10は、必要に応じて、水封式真空ポンプ9により減圧状態となった凝縮器8内の凝縮水8aを排出すべく機能する。この排出ポンプ10にて凝縮器8内から排出された凝縮水8aは、例えば、所定の貯留タンク(図示省略)等に貯留された後、排ガスボイラ2や冷却塔11等に供給されて循環利用される。
【0044】
冷却塔11としては、一般的に公知である開放式の冷却塔を例示している。この冷却塔11は、上部に開口部を有し下部に貯留槽を有する本体と、この本体内に気流を発生させるために開口部に設けられたファン11Aと、本体内に冷却水を散布させる散布部11B等とを用いて構成されている。冷却水は、ファン11Aの下方位置に設けられた散布部11Bから散布され、散布された冷却水は、ファン11Aによる気流と接触することによって冷却される。冷却水は、本体下部の貯留槽に貯留された後、冷却水ライン14を介して凝縮器8内を経由し、再び冷却塔11へ戻る。戻った冷却水は、凝縮器8内での熱交換により熱を保有しているが、この熱は、冷却塔11内で散布されることによって一部は蒸発して開口部から大気へ放出される。
【0045】
排ガスボイラ2により生成された蒸気の一部は、第一副蒸気供給ライン4を介して蒸気エゼクタ6に導入され、この蒸気は蒸気エゼクタ6を通過した後、凝縮器8内へ導かれる。このように、第一副蒸気供給ライン4から蒸気エゼクタ6に蒸気が導入される際には、蒸気エゼクタ6内のノズル部(本発明の「噴出部」に相当)から蒸気が噴出されることとなり、この蒸気の噴出エネルギによって、蒸気エゼクタ6に接続された蒸気吸引ライン15を介して、真空式冷却塔7内が減圧される。また、蒸気エゼクタ6内における蒸気の噴出エネルギに起因する減圧作用により、真空式冷却塔7内の蒸気は吸引され、蒸気エゼクタ6内で混合し、これらの蒸気は、蒸気エゼクタ6を介して凝縮器8側に供給される。凝縮器8内は、水封式真空ポンプ9により非凝縮性ガスである空気が排出されるので、凝縮器8内の凝縮水8aには空気が溶存せず、これにより凝縮水8aは脱気されたものになる。また、蒸気エゼクタ6から凝縮器8側へ放出された蒸気は、冷却塔11から凝縮器8へ導入される冷却水との間で熱交換を行うことによって凝縮され、凝縮水8aとして凝縮器8内に貯留される。このようにして得られた凝縮水8aは、排ガスボイラ2および真空式冷却塔7からの不純物のない蒸気が凝縮されたものであり、非凝縮性ガスである空気を含んでいない。つまり、この凝縮水8aは脱気された純水であるため、必要に応じて、補給水として排ガスボイラ2や冷却塔11に対してそれぞれ供給され、エネルギの有効利用が図られることとなる。
【0046】
以上のように、凝縮水8aを排ガスボイラ2に補給水として用いると、この凝縮水8aは純水であるから、濃縮水の排水量(ブロー量)を低減することが可能になると共に、カルシウム、マグネシウム等の硬度分がないのでスケール付着を抑制することができる。また、純水であることから、排ガスボイラ2を構成する水管等の腐食因子である硫酸イオン、塩化物イオンがなく、しかも脱気されているので、水管等の腐食の発生を抑制することができる。さらに、凝縮水8aは温水であるため、給水予熱のためのエネルギを抑えることができる。
【0047】
また、この凝縮水8aを冷却塔11に対する補給水として用いた場合は、凝縮水8a中には硬度分が含まれていないため、藻類、スライム、レジオネラ属菌の繁殖を抑制することができる。さらに、凝縮水8aは純水なので、循環水の濃縮を低減でき、濃縮水の排水量(ブロー量)を低減することができる。また、硫酸イオン、塩化物イオンがないため、腐食の発生を抑制することができる。
【0048】
さて、以上のように構成された本実施例にかかる冷水製造システムにおいては、エネルギをより有効に活用するために、蒸気エゼクタ6が機能的に構成されている。以下、図面を用いて、蒸気エゼクタの構成を具体的に説明する。
【0049】
図2は、本実施例にかかる冷水製造システムを構成する蒸気エゼクタ6の一例を示す概略図である。また、図3は、図2における蒸気エゼクタ6を構成するノズル部(本発明の「噴出部」に相当)の破断拡大図を示している。さらに、図4は、図3の部分拡大図(IV部の拡大図)を示している。
【0050】
図2に示すように、本実施例にかかる蒸気エゼクタ6は、上方位置において、第一副蒸気供給ライン4および蒸気吸引ライン15が接続されており、下方位置において、凝縮器8が接続されている。本実施例によれば、先にも説明した通り、排ガスボイラ2により生成された蒸気の一部が、この第一副蒸気供給ライン4を介して蒸気エゼクタ6に導入され、この蒸気によって蒸気吸引ライン15を介して、真空式冷却塔7(図1参照)内が減され、蒸気エゼクタ6を通過した蒸気は、凝縮器8内へ導かれることとなる。
【0051】
図3は、蒸気エゼクタ6を構成するノズル部の概略図を示したものであり、本実施例においては、二本のノズル部(第一ノズル部61、第二ノズル部62)を有する場合について説明する。この図3においては、図面の複雑化を避けるために、部分断面図として、二本のノズル部を切り替える際に使用する切換手段等の構成は省略している。
【0052】
この図3に示すように、第一副蒸気供給ライン4から蒸気エゼクタ6に蒸気が導入される際には、蒸気エゼクタ6内の選択されたノズル部から蒸気が噴出されることとなり、この蒸気の噴出エネルギによって、蒸気エゼクタ6に接続された蒸気吸引ライン15を介して、真空式冷却塔7内が減圧される。また、蒸気エゼクタ6内における蒸気の噴出エネルギに起因する減圧作用により、真空式冷却塔7内の蒸気は吸引され、この吸引された蒸気は蒸気と蒸気エゼクタ6内で混合し、これらの混合された蒸気は、蒸気エゼクタ6を介して凝縮器8側に供給される。蒸気エゼクタ6から凝縮器8側へ放出された蒸気(混合蒸気)は、冷却塔11(図1参照)から凝縮器8へ導入される冷却水との間で熱交換を行うことによって凝縮され、凝縮水8aとして凝縮器8内に貯留される。なお、この図3においては、両方のノズル部61,62からそれぞれ蒸気(第一蒸気S41、第二蒸気S42)が噴出される場合が示されているが、本実施例はこの構成に限定されず、必要に応じて、いずれかのノズル部(第一ノズル部61あるいは第二ノズル部62)が選択的に機能する場合もある。
【0053】
さて、図3に示すように、本実施例にかかる蒸気エゼクタ6は、二本のノズル部61,62を有することを特徴としている。これまでに従来技術として知られている蒸気エゼクタ内に設けられているノズル部は一本である。しかしながら、本件の発明者らは、本実施例に示すべく、複数の異なる性能を有するノズル部を設け、これらのノズル部を選択的に使用することによって、エネルギをより効率的に利用可能である蒸気エゼクタ6を構成可能であることに想到した。なお、蒸気エゼクタの性能は、質量流量比(=吸引蒸気量G/駆動蒸気量G)(図1参照)にて表すことができる。
【0054】
図4は、図3の部分拡大図(IV部の拡大図)を示しており、具体的には、第一ノズル部61の性能を規定する、ノズルスロート径d01とノズル出口内径d11とを示した図である。また、ノズル部の性能を規定する指標として「ノズル膨張比α」が知られているが、この図4における「ノズル膨張比α」は「ノズル膨張比α=(ノズル出口内径d/ノズルスロート径d01」として得られる。
【0055】
本実施例にかかる蒸気エゼクタ6を構成するノズル部61,62は、上記ノズル膨張比αを同一として、ノズルスロート径dとノズル出口内径dとが異なるように構成されている。すなわち、第一ノズル部61のノズル膨張比αと第二ノズル部62のノズル膨張比αとを同一とし(α=α)、第一ノズル部61のノズルスロート径d01よりも第二ノズル部62のノズルスロート径d02が大きく構成されており(d02>d01)、それぞれのノズル出口内径d(第一ノズル部61のノズル出口内径d11および第二ノズル部62のノズル出口内径d12)は、ノズル膨張比αを上記の条件(α=α)に規定すべく構成されている。
【0056】
つまり、本実施例においては、ノズル膨張比αとノズルスロート径dが、以下のような関係を有することとなる。
第一ノズル部61・・・ノズル膨張比α・・・ノズルスロート径d01
第二ノズル部62・・・ノズル膨張比α・・・ノズルスロート径d02
ここで、「α=α」、「d02>d01」である。
【0057】
本実施例にかかる蒸気エゼクタ6は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
【0058】
先述したように、蒸気エゼクタの作動範囲は、通常、蒸気エゼクタの吐出側圧力(凝縮器側圧力)(Pout)が最も高い夏場を基準に、蒸気エゼクタの最高放射圧力(Pmax)が設定されている。つまり、夏は、凝縮器冷却水温度(本発明の「噴出部の下流側条件」に相当)が高いため蒸気エゼクタ6の吐出側圧力が高くなり、多くの駆動蒸気量が必要となる。一方、冬は、夏ほどの駆動蒸気量を必要としない。よって、一つのノズル部にて構成された蒸気エゼクタ(従来技術にかかる蒸気エゼクタ)においては、一方の季節(夏あるいは冬)に適したノズル部として設計がなされると、他方の季節において性能が低下するという問題があった。
【0059】
これに対し、本実施例においては、ノズルスロート径dが異なる複数のノズル部61,62から成るノズル部群(本発明の「噴出部群」に相当)を用いて蒸気エゼクタ6が構成されているため、従来技術の問題を容易に解決することができる。
【0060】
本実施例にかかる蒸気エゼクタ6は、例えば、第一ノズル部61と第二ノズル部62とを季節に応じて使い分けることによって、夏および冬においても性能が低下しない。より具体的には、多くの駆動蒸気量を必要とする「夏」には、ノズルスロート径の大きな第二ノズル部62(ノズルスロート径d02)を用い、夏ほどは多くの駆動蒸気量を必要としない「冬」には、ノズルスロート径の小さな第一ノズル部61(ノズルスロート径d01)を用いる。このように、ノズル部を切り換え可能な構成とすれば、その季節に応じた駆動蒸気量で運転できるため、年間を通じて最適な状態で運転し、運転効率を高めランニングコストを低減することが可能な、蒸気エゼクタ6を得ることができる。つまり、本実施例によれば、夏であっても冬であっても、蒸気エゼクタ6の効率を示す質量流量比(G2/G1(=吸引蒸気量/駆動蒸気量))を高めることが可能となる。
【0061】
また、本実施例によれば、ノズル膨張比が同じでノズルスロート径が異なる複数のノズル部(本発明の「噴出部」に相当)から成るノズル部群(本発明の「噴出部群」に相当)が構成されているため、外気温度等が変動したとしても、同じ駆動蒸気圧力で正常な膨張で駆動蒸気量を得ることができる。
【0062】
なお、本発明は、上記実施例に限定されず、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0063】
上記実施例においては、ノズル部を二本設ける場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、必要に応じて、三本以上のノズル部を設けてもよい。例えば、三本のノズル部を設ける場合、上述した第一ノズル部61と第二ノズル部62とのほぼ中間に位置するノズルスロート径d03(d02>d03>d01、ノズル膨張比αは同一)を有する第三ノズル部を設け、季節あるいはその日の気温等に応じて、ノズル部の切り換え運転を行ってもよい。このような構成であれば、例えば、「冬」には第一ノズル部61を用い、「夏」には第二ノズル部62を用いて、「春、秋」には第三ノズル部を用いることによって、年間を通じてより最適な状態で蒸気エゼクタを運転することが可能となる。また、当然のことながら、四本以上の蒸気ノズル部を設けて、気温等に応じてこれらを選択的に切り換えて使用する構成も本発明の技術的範囲に属する。
【0064】
<第二実施例>
次に、本発明の第二実施例について説明する。
【0065】
本発明の第二実施例にかかる蒸気エゼクタを用いて構成された冷水製造システム(本発明の「減圧システム」に相当)は、第一実施例と同様に、先に説明した図1と同様の機器を用いて構成されている。第一実施例との違いは、冷水製造システムを構成する蒸気エゼクタのみである。また、蒸気エゼクタの構成についても基本的には第一実施例と同様であり、部分的な構成要素のみが異なる。したがって、以下においては、図1乃至図4を参照しつつ、本実施例にかかる蒸気エゼクタについて主に説明し、第一実施例と同様の部分については、説明を割愛する。なお、図面は、第一実施例と同様の図面を用いるため、符号もそのまま使用するが、第一実施例とは異なる構成を有する部分もある。
【0066】
本実施例にかかる蒸気エゼクタ6も、第一実施例と同様、二本のノズル部61,62を有することを特徴としている。但し、第一実施例とは異なる構成を有している。
【0067】
具体的には、本実施例にかかる蒸気エゼクタ6を構成するノズル部61,62は、ノズル膨張比α(=(ノズル出口内径d/ノズルスロート径d)およびノズルスロート径dがそれぞれ異なるように構成されている。本実施例においては、第一ノズル部61のノズル膨張比αよりも第二ノズル部62のノズル膨張比αの方が大きくなるように構成されている(α>α)。また、本実施例においては、第一ノズル部61のノズルスロート径d01よりも第二ノズル部62のノズルスロート径d02の方が大きくなるように構成されている(d02>d01)。さらに、各ノズル部61,62のノズル出口内径d(第一ノズル部61のノズル出口内径d11および第二ノズル部62のノズル出口内径d12)は、ノズル膨張比αを上記の条件(α>α)に規定すべく構成されている。
【0068】
つまり、本実施例においては、ノズル膨張比αとノズルスロート径dが、以下のような関係を有することとなる。
第一ノズル部61・・・ノズル膨張比α・・・ノズルスロート径d01
第二ノズル部62・・・ノズル膨張比α・・・ノズルスロート径d02
ここで、「α>α」、「d02>d01」である。
【0069】
本実施例にかかる蒸気エゼクタ6は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
【0070】
先述したように、従来技術にかかる蒸気エゼクタは、通常一つのノズル部を用いて構成されているため、例えば、冷水製造システムを構成する真空式冷却塔7内の温度変化がある場合(あるいは温度変化を必要とする場合)、効率よい運転を行うことができなかった。つまり、従来技術にかかる蒸気エゼクタを用いた冷水製造システムにおいては、必要とされる冷水(必要とされる温度を有する冷水)を効率よく製造することができなかった。
【0071】
これに対し、本実施例においては、ノズル膨張比αおよびノズルスロート径dが異なる複数のノズル部61,62から成るノズル部群(本発明の「噴出部群」に相当)を用いて蒸気エゼクタ6が構成されているため、上記従来技術の問題を容易に解決することができる。
【0072】
本実施例にかかる蒸気エゼクタ6は、例えば、第一ノズル部61と第二ノズル部62とを必要とされる冷水温度に応じて使い分けることによって、蒸気エゼクタ6の運転効率を低減させることなく、製造される冷水温度を制御することができる。より具体的には、冷水製造温度を高めに設定する場合には、ノズル膨張比αの小さい第一ノズル部61を選択的に用いて、駆動蒸気量を減らして運転し、最高放射圧力を必要以上に高くしない。また、冷水製造温度を低めに設定する場合には、ノズル膨張比αの大きい第二ノズル部62を選択的に用いて、高効率での運転を行う。つまり、本実施例によれば、必要とされる冷水温度に応じて、最適な質量流量比(G2/G1(=吸引蒸気量/駆動蒸気量))で、蒸気エゼクタ6を運転することが可能となる。
【0073】
なお、本発明は、上記実施例に限定されず、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0074】
上記実施例においては、ノズル部を二本設ける場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、必要に応じて、三本以上のノズル部を設けてもよい。例えば、三本のノズル部を設ける場合、上述した第一ノズル部61と第二ノズル部62とのほぼ中間に位置するノズル膨張比α(α>α>α)およびノズルスロート径d03(d02>d03>d01、ノズル膨張比αは同一)を有する第三ノズル部を設け、冷水温度を三段階(低め>中間>高め)に調整すべく、ノズル部の切り換え運転を行ってもよい。また、当然のことながら、四本以上の蒸気ノズル部を設けて、製造する冷水温度に応じてこれらを選択的に切り換えて使用する構成も本発明の技術的範囲に属する。
【0075】
<その他の実施例>
なお、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で必要に応じて種々の変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0076】
本発明は、上述した第一実施例および第二実施例においては、季節や冷水温度等に応じて、それぞれのノズル部を選択的に使用する場合について説明したが、本発明は、この構成に限定されない。したがって、例えば、それぞれの実施例においては、二つ以上のノズル部が同時に使用されるような構成としてもよい。
【0077】
また、本発明は、上述した第一実施例および第二実施例の構成に限定されず、必要に応じて、第一実施例にて用いられたノズル部と第二実施例にて用いられたノズル部とを適宜組み合わせたノズル部群(本発明の「噴出部群」に相当)を有する蒸気エゼクタとしてもよい。このような構成によれば、このノズル部群から必要に応じて(種々の条件に対応して)選択的に一つ以上のノズル部が使用されるため、より詳細な条件に応じた効率的な運転を行う蒸気エゼクタを得ることができる。
【0078】
さらに、上記実施例においては、蒸気エゼクタ中に複数のノズル部(噴出部)を設け、必要に応じて、選択的に一つ以上のノズル部が使用される構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、一つ以上のノズル部(噴出部)を有する蒸気エゼクタ(本発明の「単位蒸気エゼクタ」に相当)を複数備え、この単位蒸気エゼクタを選択的に使用する構成も本発明の技術的範囲に属する。すなわち、本発明は、一つ以上の噴出部を有する単位蒸気エゼクタが複数設けられており、この単位蒸気エゼクタの上流側条件および下流側条件の少なくとも一方の条件に基づいて、一つあるいは二つ以上の単位蒸気エゼクタが選択的に用いられるべく構成されてもよい。このような構成であっても、先に説明した実施例等と同様の効果を得ることができる。また、この発明においては、単位蒸気エゼクタ内に複数のノズル部(噴出部)を設け、この単位蒸気エゼクタ内においても、ノズル部が適宜切り換え可能に構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施例にかかる蒸気エゼクタを用いて構成された冷水製造システムの概略図を示したものである。
【図2】本実施例にかかる冷水製造システムを構成する蒸気エゼクタの一例を示す概略図である。
【図3】図2における蒸気エゼクタを構成するノズル部の破断拡大図である。
【図4】図3の部分拡大図(IV部の拡大図)である。
【符号の説明】
【0080】
1 エンジン
2 排ガスボイラ
3 主蒸気供給ライン
4 第一副蒸気供給ライン
5 第二副蒸気供給ライン
6 蒸気エゼクタ
7 真空式冷却塔
7A 処理水散布部
7a 冷水
8 凝縮器
8a 凝縮水
9 水封式真空ポンプ
10 排出ポンプ
11 冷却塔
11A ファン
11B 散布部
12 処理水供給ライン
13 冷水送水ポンプ
14 冷却水ライン
15 蒸気吸引ライン
16 モータバルブ
61 第一ノズル部
62 第二ノズル部
S41 蒸気(第一ノズル部61から噴出される蒸気)
S42 蒸気(第二ノズル部62から噴出される蒸気)
【出願人】 【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
【識別番号】504143522
【氏名又は名称】株式会社三浦プロテック
【出願日】 平成19年3月22日(2007.3.22)
【代理人】 【識別番号】100131897
【弁理士】
【氏名又は名称】荒木 憲一


【公開番号】 特開2008−232077(P2008−232077A)
【公開日】 平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願番号】 特願2007−75492(P2007−75492)