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【発明の名称】 開閉装置並びにその開閉装置を使用した液体の送液方法
【発明者】 【氏名】馬渕 和三

【氏名】馬渕 健

【氏名】馬渕 陽子

【要約】 【課題】送水用ポンプが斜めに傾いた場合であっても、分岐吸水管を閉鎖して、空気の進入を確実に阻止することができる開閉装置を提供すること。

【解決手段】装置本体61と、前記装置本体61の通液路61a内に設けた回動軸62に軸支される開閉弁63と、障害物である締切部の一方の側に溜った水面位置の変動に連動して前記開閉弁63を回動させて通液路61aを開閉させる連動部材66とを備えたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
障害物の両側に誇設された送液管を通じて、前記障害物の一方の側に溜まった液体をサイホン作用を利用して他方側へ移動させる送液用ポンプに直接的又は間接的に接続される開閉装置であって、
前記送液管に繋がる通液路を構成する装置本体と、
前記装置本体内において回動又は摺動することで前記通液路を開閉する開閉弁と、
前記障害物の一方の側に溜った水面位置の変動に連動して前記開閉弁を開閉動させる連動部材と、
を備えたことを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
連動部材が、前記障害物の一方の側に溜った水面上に配されるフロートと、
障害物の一方の側に溜った水面位置の変動に伴うフロートの位置変化に従って引張弛緩される連結部材と、
前記連結部材の引張弛緩に伴って装置本体の通液路内に設けた回動軸周りに回動する開閉コックと、
からなり、前記障害物の一方の側に溜った水面位置の変動に伴う前記フロートの位置変化に従って前記連結部材が引張弛緩され、これに伴って前記開閉コックが前記回動軸周りに回動することで同軸に軸支された開閉弁が回動し、前記装置本体の通液路を開閉するようにしたことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
【請求項3】
開閉コックの一方端が回動軸に軸支され、かつ他方端にフロートからの連結部材の一端が接続されており、該開閉コックが前記フロートの自重によって弛緩方向に付勢されていることを特徴とする請求項2記載の開閉装置。
【請求項4】
連動部材が、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動を検知する水位センサーと、
前記水位センサーからの信号を受けて開閉弁を開閉動させる駆動部と、
からなり、前記障害物の一方の側に溜った水面位置の変動を検知した水位センサーからの信号を受けて前記駆動部が駆動して前記開閉弁を回動軸周りに回動させて装置本体の通液路を開閉するようにしたことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
【請求項5】
開閉弁の回動軸と直交する方向の一方端部表面に液流を受ける羽根部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の開閉装置。
【請求項6】
装置本体内に開閉弁の回動範囲を規制するストッパーが設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の開閉装置。
【請求項7】
連動部材が、障害物の一方の側に溜った水面上に配されるフロートと、
フロート上面に立設固定され、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動に伴うフロートの位置変化に従って昇降動する連結杆と、
からなり、前記障害物の一方の側に溜った水面位置の変動に伴う前記フロートの位置変化に従って前記連結杆が昇降動し、これに伴って開閉弁が摺動して装置本体の通液路を開閉するようにしたことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
【請求項8】
連動部材が、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動を検知する水位センサーと、
前記水位センサーからの信号を受けて開閉弁を摺動させる駆動部と、
からなり、前記障害物の一方の側に溜った水面位置の変動を検知した水位センサーからの信号を受けて前記駆動部が駆動して前記開閉弁を摺動させて装置本体の通液路を開閉するようにしたことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
【請求項9】
装置本体内に開閉弁の摺動範囲を規制するストッパーが設けられていることを特徴とする請求項7又は8に記載の開閉装置。
【請求項10】
請求項1〜9に記載の開閉装置を使用したことを特徴とする液体の送液方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば河川の橋脚工事や堰堤工事等において、障害物を設けて河川をせき止めたとき上流側に溜った水などをサイホン作用を利用して下流側へと移動させる送液用ポンプに接続される開閉装置、並びにその開閉装置を使用した液体の送液方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば河川の橋桁や堰堤等の工事を行なう場合は、図10に示すように、工事箇所1の上流側及び下流側で、河川を横断する方向に障害物2を設けて締切工事を行っている。上流側に溜った水は、一般にエンジン式発電機3により発電し、水中ポンプ4を駆動してホース5を通して下流側に流している。また、砂防工事においても、同様に、締切工事をした障害物2部分に溜った水は、水中ポンプ4を利用してホース5を通して下流側に流している。
【0003】
上記工事においては、エンジン式発電機3及び水中ポンプ4を連続して運転するため、つぎのような問題が発生する。
(1)定期的に給油作業を行わなければならないので、保守に手間がかかる。排水作業は昼夜を問わず行なうので、給油作業を行なう作業員の負担が大きい。
(2)エンジンの排ガスにより環境汚染が発生する。
(3)騒音が大きく、特に夜間においては近隣の迷惑になる。
(4)燃費等の運転費用が嵩む。
【0004】
本発明者は、上記の問題の解決を目的として、水中ポンプの稼働時間を短縮して運転費用を節約し、簡単な装置で水を移動させることができる送水装置に使用される送水用ポンプを提供した(特許文献1参照)。
【0005】
図11〜図13に示すように、この送水用ポンプ20は、障害物の両側に跨設され一方の端部が水中に浸漬され他方側の端部が一方の端部の水位面よりも下方に位置する送水管14を通じて一方側に溜った水を障害物の他方側へ移動させる送水装置10に使用されるものであって、水中に浸漬され吐出側が送水管14の一方の下端部14bに接続された水中ポンプ21と、この水中ポンプ21の吐出側を囲んでその外側に設けられる吸水孔22aを有する分岐吸水管22と、前記水中ポンプ21の吐出側に設けられ前記送水管14と分岐吸水管22とを連通する連通孔(図示しない)とを備えたことを特徴とするものである。
【0006】
上記構成を備えた送水用ポンプを用いた場合、該送水用ポンプを初期の期間だけ駆動させれば送水管内の水の流れが定常状態になり、そこで送水用ポンプを停止させれば、サイホン作用によって引き続き、送水が行われるので、水中ポンプの運転時間を著しく短縮することができ、運転費用を節約し、排ガスによる環境汚染や騒音等の公害の発生を防止することができるという優れた効果を奏する。
【0007】
また特許文献1には、別の形態として図12及び図13に示すように、送水管14からほぼ直角に分岐吸水管25を分岐させ、この分岐吸水管25の支点26を中心に回動可能とした第2の開閉弁27を設け、水位に連動して分岐吸水管25を開閉させるようにした送水用ポンプが示されている。
【0008】
第2の開閉弁27は、軟質弾性材例えば軟質ゴム或は合成樹脂から中空体に形成されたフロート状の浮上部27aと、分岐吸水管25の端面に当接する弁座27bを一体に形成したものであるため、構成が簡単であり、分岐吸水管25の閉鎖時期が的確に実施されて、送水を効率的に実施できるという効果を奏する。
【0009】
またこの開閉弁27によれば、上流側の水位が下がると、該第2の開閉弁27が分岐吸水管25を閉鎖(図13参照)するようになっているので、サイホン作用による送水は一旦停止することになる。その後、水位が上昇すれば、再び第2の開閉弁27が浮上して分岐吸水管25が開放され、サイホン作用を利用した送水が再開するので、送水が継続して実施されるという効果も奏する。
【特許文献1】特許第3099227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、上記開閉弁27の場合、上流側の水位の変化に伴ってフロート状の浮上部27aが浮き沈みし、水位が下がることで開閉弁27が分岐吸水管25を閉鎖するようになっていることから、送水用ポンプが斜めに傾いた場合には、開閉弁27によって分岐吸水管25を閉鎖できない場合も生じていた。この場合、空気の進入によってサイホン作用が働かず、再度水中ポンプを駆動させなければならないという煩雑さがあった。また、図13に示すフロート状の浮上部27aは、軟質ゴムなどのフレキシブルな素材から成る袋状物であるため、吸水時に分岐吸水管25の中まで吸い込まれてしまうことがある。この場合、水位が上昇しても、その部分が分岐吸水管25内に吸着されて浮上部27aが浮上できないため、分岐吸水管25が開放されず、サイホン作用を利用した送水が再開できない事態に至るおそれがあった。
【0011】
本発明は、上記送水用ポンプの開閉弁をさらに改良したものであり、送水用ポンプが斜めに傾いた場合であっても、分岐吸水管を閉鎖して、空気の進入を確実に阻止することができ、しかも水位が上昇したときには、サイホン作用を利用した送液が確実に再開されるようにした開閉装置、並びにその開閉装置を使用した液体の送液方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明は、障害物の両側に誇設された送液管を通じて、前記障害物の一方の側に溜まった液体をサイホン作用を利用して他方側へ移動させる送液用ポンプに直接的又は間接的に接続される開閉装置であって、
前記送液管に繋がる通液路を構成する装置本体と、前記装置本体内において回動又は摺動することで前記通液路を開閉する開閉弁と、前記障害物の一方の側に溜った水面位置の変動に連動して前記開閉弁を開閉動させる連動部材とを備えたことを特徴とする開閉装置をその要旨とした。
【0013】
本発明の開閉装置において、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動に連動して開閉弁を開閉動させる連動部材としては、例えば図1〜図6に示すように、障害物の一方の側に溜った水面上に配されるフロートと、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動に伴うフロートの位置変化に従って引張弛緩される連結部材と、前記連結部材の引張弛緩に伴って装置本体の通液路内に設けた回動軸周りに回動する開閉コックとからなるものを挙げることができる。
【0014】
このような連動部材を採用した場合、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動に伴う前記フロートの位置変化に従って連結部材が引張弛緩され、これに伴って前記開閉コックが回動軸周りに回動することで同軸に軸支された開閉弁が回動し、装置本体の通液路を開閉するようになる。
【0015】
また別の連動部材としては、例えば図7に示すように、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動を検知する水位センサーと、前記水位センサーからの信号を受けて開閉弁を開閉動させる駆動部とからなるものを挙げることができる。
【0016】
このような連動部材を採用した場合、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動を検知した水位センサーからの信号を受けて駆動部が駆動して開閉弁を回動軸周りに回動させて装置本体の通液路を開閉するようになる。
【0017】
また別の連動部材としては、例えば図8に示すように、障害物の一方の側に溜った水面上に配されるフロートと、フロート上面に立設固定され、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動に伴うフロートの位置変化に従って昇降動する連結杆とからなるものを挙げることができる。
【0018】
このような連動部材を採用した場合、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動に伴う前記フロートの位置変化に従って連結杆が昇降動し、これに伴って開閉弁が摺動して装置本体の通液路を開閉するようになる。
【0019】
さらに別の連動部材としては、例えば図9に示すように、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動を検知する水位センサーと、前記水位センサーからの信号を受けて開閉弁を摺動させる駆動部とからなるものを挙げることができる。
【0020】
このような連動部材を採用した場合、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動を検知した水位センサーからの信号を受けて駆動部が駆動して開閉弁を摺動させて装置本体の通液路を開閉するようになる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の開閉装置は、障害物の両側に誇設された送液管を通じて、前記障害物の一方の側に溜まった液体をサイホン作用を利用して他方側へ移動させる送液用ポンプに直接的又は間接的に接続されるものであり、該開閉装置によれば、送液管に繋がる通液路を構成する装置本体内に設けた開閉弁が、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動に連動する連動部材によって装置本体内において回動又は摺動することで前記通液路を開閉するようになっていることから、送液用ポンプが斜めに傾いた場合であっても、水位が下がった場合には装置本体内の開閉弁が閉動して該装置本体の通液路を閉鎖するので、空気の進入を確実に阻止することができ、しかも水位が上昇したときには、サイホン作用を利用した送液が確実に再開される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の開閉装置、並びにその開閉装置を使用した液体の送液方法を図面に示した一実施の形態に従った詳細に説明する。尚、本発明の液体の送液方法は、本発明の開閉装置を説明する中で説明する。本発明は送液用ポンプに接続される開閉装置に関するものであり、図1には、この開閉装置を接続した送液用ポンプを河川の橋脚や堰堤の建設に行われる締切り工事に適用した具体例を示した。図1において、河川の締切部41の上流側には流下した水を貯留する上流側貯留部42が設けられ、締切部41の下流側には、前記上流側貯留部42の水位よりも低い位置に下流側貯留部43が設けられている。
【0023】
河川を締め切る締切部41を跨ぐように送液管44が配置され、この送液管44の一端44aが上流側貯留部42に配され、他端44bが下流側貯留部43に配されている。この送液管41の上流側貯留部42に配される一端44a側に送液用ポンプ50が接続されている。
【0024】
送液用ポンプ50は、サイホン作用を利用して送液するものであり、水中ポンプ51と分岐吸液管52とからなる。水中ポンプ51は従来周知のものであり、その吐出側51aが本発明の開閉装置60の装置本体61下端に接続されており、電力線またはエンジン発動機からの電力によって駆動するようになっている。
【0025】
分岐吸液管52は、前記水中ポンプ51の吐出側部分51aに開口し、この部分51aから略直角に分岐され、前記水中ポンプ51と共に上流側貯留部42の水面下に浸漬されている。この分岐吸液管52の水中ポンプ51の吐出側部分51aに形成された開口52aには、開閉蓋52bが回動可能に軸支されている。
この開閉蓋52bは、前記水中ポンプ51が駆動しているときは、吐出側部分51aへの開口52aを閉鎖し、水中ポンプ51が停止したときは、吐出側部分51aへの開口52aを開放するように動作するようになっている。またこの開閉蓋52bは、水中ポンプ51の駆動中、水中ポンプ51によって吸い上げられた液体が分岐吸液管52側へ逆流するのを防止する働きがあり、開口52a周辺での渦の発生を防ぎ、送液効率をより高める効果を奏する。
【0026】
上記の如く構成された送液用ポンプ50にあっては、上流側貯留部42の水位上昇に伴って水中ポンプ51を駆動させる。水中ポンプ51下部の吸入口51bから吸い込まれた液体は、図1中矢印Aに示すように、吐出側部分51aからこれに繋がる開閉装置60を経由して送液管44の一端44aから送液管44を通り、送液管44の他端44bから下流側貯留部43へと送液される。
【0027】
上記送液が定常状態となり、送液管44内が満水状態となったとき、水中ポンプ51を停止させる。するとサイホン作用の働きによって、開閉蓋52bが開いて吐出側部分51aへの開口52aが開放し、引き続き図1中矢印Bに示すように、分岐吸液管52下部に設けた吸入口52cから上流側貯留部42内の液体が吸い込まれ、吐出側部分51a、これに繋がる開閉装置60を経由して送液管44の一端44aから送液管44を通り、送液管44の他端44bから下流側貯留部43へと送液されるようになる。
【0028】
上記送液用ポンプ50によるサイホン作用を利用した送液は、上流側貯留部42内の水位が所定高さまで低下すると、開閉装置60の働きにより送液管44への流路が閉鎖され、送液が停止される。上流側貯留部42内の水位が所定高さまで回復したとき、開閉装置60の働きにより送液管44への流路が開放され、再びサイホン作用を利用した送液が再開される。次に、このような作用効果を奏する開閉装置60について詳説する。尚、本発明の開閉装置を接続した送液用ポンプは、河川の橋脚や堰堤の建設工事などの他に、水処理場の水処理設備、工場の排水処理設備や廃油処理設備における汚水や廃液の処理、廃油の処理の際の送液にも利用することができる。尚、本発明の開閉装置が直接的又は間接的に接続される送液用ポンプには、上述したものの他、従来公知の水中ポンプを利用することもできる。
【0029】
本発明の開閉装置は、送液管に繋がる通水路を構成する装置本体と、装置本体装置本体内において回動又は摺動することで前記通液路を開閉する開閉弁と、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動に連動して前記開閉弁を開閉動させる連動部材とを備えたことで特徴付けられたものであり、障害物の一方の側に溜った水面位置が変動したとき、これに連動して装置本体の通液路内の開閉弁を開閉させる連動部材には、様々な形態のものを採用することができる。まず、図1〜図6に示す連動部材を採用した開閉装置60について説明する。
【0030】
図1〜図6に示す開閉装置60は、送液用ポンプ50に直接的に接続される形態を示すものであり、装置本体61と、前記装置本体61の通液路61a内に設けた回動軸62に軸支される開閉弁63と、障害物である締切部41の一方の側に溜った水面位置の変動に連動して前記開閉弁63を回動させて通液路61aを開閉させる連動部材66とを備えたことを特徴とするものである。
【0031】
この開閉装置60において、装置本体61は円筒状をなしており、送液用ポンプ50と前記送液管44とを繋ぐ通水路61aを構成するようになっている。この装置本体61の通液路61a内には、液体の通過方向と直交する方向に回動軸62が横設されており、この回動軸62に通液路61aを開閉する開閉弁63が回動可能に軸支されている。開閉弁63は、装置本体61の通液路61aを閉蓋することができるように、通液路61aの断面形状に対応する大きさの円盤状に設けられている。尚、開閉弁63は、装置本体61の通液路61a内で回動し、かつこの通液路61aを閉塞可能なものであるならば、その形状や大きさは特に限定されない。
【0032】
開閉弁63の回動軸62と直交する方向(液体の通過方向)の一方端部表面には液流を受ける羽根部材64が設けられている。羽根部材64は、開閉弁63の両表面から飛び出た状態に設けられているため、開閉弁63が開状態にあり、装置本体61の通液路61a内を液体が通過しているとき、開閉弁63の両表面から飛び出た羽根部材64がその液流を受けて開閉弁63を開状態に保持するようになっている。
【0033】
また装置本体61の通液路61a内には、前記開閉弁63の回動する両端部が当接するストッパー65が前記開閉弁63を軸支する回動軸62とほぼ同じ高さ位置にそれぞれ設けられており、開閉弁63が通液路61aを閉塞した状態を保持するように、その回動範囲が規制されるようになっている。
【0034】
次に、障害物である締切部の一方の側に溜った水面位置の変動に連動して上記開閉弁を開閉動させる連動部材について説明する。図1〜図6に示す連動部材66は、障害物(締切部41)の一方の側に溜った水面上に配されるフロート67と、障害物(締切部41)の一方の側に溜った水面位置の変動に伴うフロート67の位置変化に従って引張弛緩される連結部材68と、前記連結部材の引張弛緩に伴って装置本体61の通液路61a内に設けた回動軸62周りに回動する開閉コック69とからなる。
【0035】
フロート67は、上流側貯留部42に浮かべて、その水位に従って昇降動するものであれば何でも良く、例えば木、発泡樹脂ブロック、風船などを挙げることができる。このフロート67に接続される連結部材68はワイヤーなどからなり、その太さや長さは任意である。この連結部材68の先端は、装置本体61に設けたリング状の誘導金具70を経由して装置本体61の回動軸62に一方端が軸支された開閉コック69の他方端に繋がっている。図示の開閉コック69は棒状をなす重りであり、その自重によって前記連結部材68を弛緩方向に付勢するようになっている。
【0036】
この開閉装置60によれば、障害物(締切部41)の一方の側に溜った水面位置が低下したとき、これに伴ってフロート67の位置が下降すると、これに従って連結部材68が引張されることになる。連結部材68が引張されるのに伴って開閉コック69が回動軸62周りに回動し、同軸に軸支された開閉弁63が回動し、その開閉弁63の回動端部が装置本体61の通液路61a内に設けたストッパー65に当接し、該通液路61aを閉塞状態に保持する。
【0037】
一方、障害物(締切部41)の一方の側に溜った水面位置が上がり、これに伴ってフロート67の位置が上昇すると、これに従って連結部材68が弛緩されることになる。連結部材68が弛緩されると、開閉コック69がその自重と液体の流れに押されて回動軸62周りに弛緩方向に回動する。回動軸62の回動に伴って同軸に軸支された開閉弁63が回動し、該通液路61aを開放する。通液路61aの開放により、再びサイホン作用によって送液が開始される。送液が開始されると、開閉弁63の両表面から飛び出た羽根部材64がその液流を受けて開閉弁63を開状態に保持するようになっている。
【0038】
次に、図7の開閉装置80について説明する。図7に示す開閉装置80は、図1〜図6に示すものと同じく、送液用ポンプ50に直接的に接続される形態を示すものであり、連動部材81が、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動を検知する水位センサー82と、前記水位センサー82からの信号を受けて開閉弁63を開閉動させる駆動部83とからなるものである。
【0039】
水位センサー82は、従来公知の赤外線を用いた水位計など、水位を測定できるものならば何でもよい。また水位センサー82には、該水位センサー82によって測定された水位情報を信号化して駆動部83へと発信する発信部82aを有しており、水位センサー82によって得られた水位情報が駆動部83へと発信されるようになっている。一方、駆動部83は、水位センサー82からの信号を受け取る受信部83aと、水位センサー82から受け取った水位情報に従って、その水位が予め設定された2つの設定水位、すなわち装置本体61の通液路61aを閉塞させるべき下限水位を下回るか否か、或いは通液路61aを開放すべき上限水位を上回るか否かを判断する制御部83bと、開閉弁63を軸支する回動軸62を回転させて駆動モータ83cとからなり、水位センサー82から受け取った水位情報に従って、制御部83bが下限水位を下回ると判断した場合には、駆動モータ83cを駆動させて回動軸62を回転させ、同軸に軸支される開閉弁63を通液路61aが閉塞されるように回動させる。一方、制御部83bが上限水位を上回ると判断した場合には、駆動モータ83cを駆動させて回動軸62を回転させて開閉弁63を通液路61aが開放されるように回動させる。
【0040】
尚、水位センサー、発信部、駆動部を構成する受信部、制御部、及び駆動モータとしては特に限定されず、送液ポンプ及び送液管の容量、大きさ(太さ)、使用状況、用途、送液ポンプ及び送液管を流れる液量などを考慮して適宜決定すればよい。
【0041】
次に、本発明の開閉装置の別の形態を説明する。図8に示す開閉装置100は、送液用ポンプ102に直接接続されず、送液用ポンプ102に接続される送液管101の端部近傍に接続される形態を示すものであり、内部に通液路を構成する箱形状の装置本体103と、前記装置本体101内を摺動して通液路を連通させる開放窓104aを下部に有する板状の開閉弁104と、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動に連動して前記開閉弁104を摺動させる連動部材105とを備えたものである。
【0042】
また図8に示す連動部材105は、障害物の一方の側に溜った水面上に配されるフロート106と、フロート106上面に立設固定され、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動に伴うフロート106の位置変化に従って昇降動する連結杆107からなる。
【0043】
連結杆107は、開閉弁104下部にその端部が取り付けられており、フロート106が水面位置の変動に伴って位置変化するのに従って昇降動するようになっている。このため、例えば水位が低下すると、フロート106が下方に位置を変え、これに伴ってフロート106上面に立設固定された連結杆107が下降し、これにより、該連結杆107に繋がる開閉弁104が装置本体103内を下動して該装置本体103の通液路が閉塞されることになる。
【0044】
一方、水位が上昇すると、フロート106が上方に位置を変え、これに伴ってフロート106上面に立設固定された連結杆107が上降することになる。これにより、該連結杆107に繋がる開閉弁104が装置本体103内を上動して該装置本体103の通液路の位置に開閉弁104の開放窓104aが位置するようにすることで前記通液路を連通させ、通液が再開されるようになっている。
【0045】
尚、図示はしないが、装置本体103内には開閉弁104の上端が当接するストッパーが設けられており、開閉弁104が上動したとき、その開放窓104aが通液路に位置するように、上動位置を規制するようになっている。
【0046】
図9は、連動部材111が、障害物の一方の側に溜った水面位置の変動を検知する水位センサー112と、開閉弁104を上下動させる駆動部113とからなる形態を示している。この形態における水位センサー112は、図8に示すものと同じであるため、ここでの説明は割愛する。
【0047】
駆動部113は、装置本体103に付設されており、水位センサー112からの信号を受け取る受信部113aと、水位センサー112から受け取った水位情報に従って、その水位が予め設定された2つの設定水位、すなわち装置本体103の通液路を閉塞させるべき下限水位を下回るか否か、或いは通液路を開放すべき上限水位を上回るか否かを判断する制御部113bと、前記開閉弁104を上下動させるシリンダー113cとからなり、水位センサー112から受け取った水位情報に従って、制御部113bが下限水位を下回ると判断した場合には、シリンダー113cを駆動させて開閉弁104を装置本体103内で下動させて、通液路が閉塞させる。
【0048】
一方、制御部113bが上限水位を上回ると判断した場合には、シリンダー113cを駆動させて開閉弁104を装置本体103内で上動させ、該装置本体103の通液路の位置に開閉弁104の開放窓104aが位置するようにすることで前記通液路を連通させ、通液が再開されるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の開閉装置の全体を示す模式図である。
【図2】本発明の開閉装置の装置本体を示す斜視図である。
【図3】本発明の開閉装置の開状態を示す一部断面拡大図である。
【図4】図3における開閉コック、開閉弁、及び羽根部材を位置を示す拡大平面図である。
【図5】本発明の開閉装置の閉状態を示す一部断面拡大図である。
【図6】図5における開閉コック、開閉弁、及び羽根部材を位置を示す拡大平面図である。
【図7】本発明の開閉装置の別例を示す斜視図である。
【図8】本発明の開閉装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【図9】本発明の開閉装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【図10】従来の送水用ポンプを示す模式図である。
【図11】従来の送水用ポンプの別例を示す模式図である。
【図12】図11に示す送水用ポンプとその開閉弁の送水状態(開状態)を示す拡大模式図である。
【図13】図11に示す送水用ポンプとその開閉弁の閉鎖状態(閉状態)を示す拡大模式図である。
【符号の説明】
【0050】
41・・・締切部
42・・・上流側貯留部
43・・・下流側貯留部
44、101・・・送液管
50、102・・・送液用ポンプ
51・・・水中ポンプ
52・・・分岐吸液管
60、80、100、110・・・開閉装置
61、103・・・装置本体
61a・・・通液路
62・・・回動軸
63、104・・・開閉弁
104a・・・開放窓
64・・・羽根部材
65・・・ストッパー
66、81、105、111・・・連動部材
67、106・・・フロート
68・・連結部材
69・・・開閉コック
82、112・・・水位センサー
82a・・・発信部
83、113・・・駆動部
83a、113a・・・受信部
83b、113b・・・制御部
83c・・・駆動モータ
107・・・連結杆
113c・・・シリンダー
【出願人】 【識別番号】391028155
【氏名又は名称】株式会社山辰組
【出願日】 平成19年3月19日(2007.3.19)
【代理人】 【識別番号】100083932
【弁理士】
【氏名又は名称】廣江 武典

【識別番号】100129698
【弁理士】
【氏名又は名称】武川 隆宣

【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一

【識別番号】100135585
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 務

【識別番号】100147038
【弁理士】
【氏名又は名称】神谷 英昭


【公開番号】 特開2008−231983(P2008−231983A)
【公開日】 平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願番号】 特願2007−70591(P2007−70591)