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【発明の名称】 エゼクタの成形型およびエゼクタの製造方法
【発明者】 【氏名】河盛 裕

【氏名】西谷 勤

【氏名】伊藤 嘉樹

【氏名】築地 清

【要約】 【課題】ノズルとディフューザとの同軸性を精度良く確保するとともに、エゼクタ通路内にバリが発生することを防止することができるエゼクタの成形型およびエゼクタの製造方法を提供すること。

【解決手段】流入口11と流出口12が形成された本体10a内に、ノズル15とディフューザ17と負圧取出孔14とを有するエゼクタ10を成形する成形型において、本体10aを成形するための成形型30と、負圧取出孔14を含む減圧室16を成形するための減圧室用スライド型50と、ディフューザ17を成形するためのディフューザ用スライド型60と、ノズル15を成形するためのノズル用スライド型40とを有し、各スライド型40,50,60が、貫通穴54に、ディフューザ用スライド型60の嵌合部62とノズル用スライド型40の嵌合部42とが同軸上で対向しつつ嵌合した状態で一体化されて本体成形型30内に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体入口と流体出口が形成された本体内に、前記流体入口側に設けられたノズルと、前記流体出口側に設けられたディフューザと、前記ノズルと前記ディフューザとの間に設けられた負圧取出孔とを有するエゼクタを成形する成形型において、
前記本体を成形するための本体成形型と、
前記負圧取出孔を成形するための負圧取出孔用スライド型と、
前記ディフューザを成形するためのディフューザ用スライド型と、
前記ノズルを成形するためのノズル用スライド型とを有し、
前記負圧取出孔用スライド型、前記ディフューザ用スライド型、および前記ノズル用スライド型が、前記負圧取出孔用スライド型に形成されている貫通穴に、前記ディフューザ用スライド型の先端と前記ノズル用スライド型の先端とが、同軸上で対向しつつ嵌合した状態で、前記本体成形型内に配置されることを特徴とするエゼクタの成形型。
【請求項2】
請求項1に記載するエゼクタの成形型において、
前記ディフューザ用スライド型の先端と前記ノズル用スライド型の先端とが突き合わされて前記本体成形型内に配置されることを特徴とするエゼクタの成形型。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載するエゼクタの成形型において、
前記ディフューザ用スライド型の先端部外周および前記ノズル用スライド型の先端部外周には、前記負圧取出孔用スライド型の貫通穴の直径よりも大きい内径を持つ環状部がそれぞれ形成されており、
前記各環状部が、前記負圧取出孔用スライド型と面接触した状態で当接することを特徴とするエゼクタの成形型。
【請求項4】
流体入口と流体出口が形成された本体内に、前記流体入口側に設けられたノズルと、前記流体出口側に設けられたディフューザと、前記ノズルと前記ディフューザとの間に設けられた負圧取出孔と有するエゼクタの製造方法において、
請求項1から請求項3に記載するいずれか1つのエゼクタの成形型を用い、前記本体成形型内に成形樹脂を射出することによりエゼクタを一体成形することを特徴とするエゼクタの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、負圧を発生させるためのエゼクタを製造する際に使用する成形型、およびエゼクタの製造方法に関する。より詳細には、ノズルとディフューザとの同軸性を精度良く確保することができるとともに、エゼクタ通路内へのバリの発生を防止することができるエゼクタの成形型および製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から負圧を発生させるためにエゼクタが利用されている。エゼクタでは、ノズルによって噴出された空気によって負圧を発生させるようになっている。そして、このようなエゼクタを射出成形により1パーツで製造する技術が提案されている。具体的には、本体を成形するための成形型内に、負圧取出孔を成形するための負圧取出孔用スライド型を設置する。そして負圧取出孔用のスライド型に設けられた貫通穴に、ディフューザを成形するためのディフューザ用のスライド型を貫通させ、そのディフューザ用のスライド型の先端とノズルを成形するためのノズル用のスライド型の先端とを突き合わせる。そしてその状態において成形型内に成形材料を射出することで本体を成形することにより、エゼクタを1パーツで製造するようになっている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−171885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した従来技術では、負圧取出孔用のスライド型に設けられた貫通穴にディフューザ用のスライド型を貫通させ、ディフューザ用のスライド型の先端とノズル用のスライド型の先端とを突き合わせた状態でエゼクタが製造されるため、エゼクタ通路内において型の合わせ面にバリが発生するおそれがあるという問題があった。具体的には、負圧取出孔用のスライド型に設けられた貫通穴に、ディフューザを成形するためのディフューザ用のスライド型を貫通させているため、負圧取出孔用のスライド型とディフューザ用のスライド型との合わせ面2カ所、およびディフューザ用のスライド型とノズル用のスライド型との合わせ面1カ所の計3カ所においてバリが発生するおそれがあった。
そして、エゼクタ通路内にバリが生じてしまうと、エゼクタ通路内を流れる流体の抵抗となってノズル出口における流速を低下させるため、エゼクタの性能が低下してしまう。
【0004】
また、上記した従来技術では、ノズルとディフューザとの同軸性を確保することができないおそれがあるという問題もあった。なぜなら、負圧取出孔用のスライド型に設けられた貫通穴にディフューザ用のスライド型を貫通させ、ディフューザ用のスライド型の先端とノズル用のスライド型の先端とを突き合わせているが、突き合わせ部分の位置を規制するものがないため、両方の型の軸芯がずれてしまう可能性が高いからである。
そして、ノズルとディフューザとの同軸性を確保することができないと、エゼクタ通路内を流れる流体の抵抗を増加させることになるので、ノズル出口における流速を低下させ、エゼクタの性能を低下させてしまう。
【0005】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、ノズルとディフューザとの同軸性を精度良く確保するとともに、エゼクタ通路内にバリが発生することを防止することができるエゼクタの成形型およびエゼクタの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するためになされた本発明に係るエゼクタの成形型は、流体入口と流体出口が形成された本体内に、前記流体入口側に設けられたノズルと、前記流体出口側に設けられたディフューザと、前記ノズルと前記ディフューザとの間に設けられた負圧取出孔とを有するエゼクタを成形する成形型において、前記本体を成形するための本体成形型と、前記負圧取出孔を成形するための負圧取出孔用スライド型と、前記ディフューザを成形するためのディフューザ用スライド型と、前記ノズルを成形するためのノズル用スライド型とを有し、前記負圧取出孔用スライド型、前記ディフューザ用スライド型、および前記ノズル用スライド型が、前記負圧取出孔用スライド型に形成されている貫通穴に、前記ディフューザ用スライド型の先端と前記ノズル用スライド型の先端とが、同軸上で対向しつつ嵌合した状態で、前記本体成形型内に配置されることを特徴とする。
【0007】
このエゼクタの成形型には、本体を成形するための本体成形型と、負圧取出孔を成形するための負圧取出孔用スライド型と、ディフューザを成形するためのディフューザ用スライド型と、ノズルを成形するためのノズル用スライド型とが備わっており、本体成形型内に、負圧取出孔用スライド型、ディフューザ用スライド型、およびノズル用スライド型が配置されて、エゼクタを製造するための空間が形成される。そして、この空間に樹脂が中にされることにより、エゼクタが製造される。
【0008】
ここで、本体成形型内に各スライド型が配置される際には、負圧取出孔用スライド型に形成されている貫通穴にて、ディフューザ用スライド型の先端とノズル用スライド型の先端とが、同軸上で対向した状態で嵌合させられて配置される。このため、ディフューザ用スライド型の先端とノズル用スライド型の先端とが、負圧取出孔用スライド型の貫通穴の中に位置決め規制されて配置される。これにより、ディフューザ用スライド型とノズル用スライド型との同軸性を高精度に確保することができる。従って、このエゼクタの成形型によれば、ノズルとディフューザとの同軸性が精度良く確保されたエゼクタを製造することができる。
【0009】
また、ディフューザ用スライド型の先端とノズル用スライド型の先端との対向部分が、負圧取出孔用スライド型の貫通穴の中に存在する。そして、負圧取出孔用スライド型に形成された貫通穴に、ディフューザ用スライド型およびノズル用スライド型のそれぞれの先端が嵌合した状態で、各スライド型が配置される。このため、貫通穴はディフューザ用スライド型およびノズル用スライド型によって完全に塞がれる。従って、貫通穴内、つまりディフューザ用スライド型の先端とノズル用スライド型の先端との対向部分が存在する部分に、樹脂が流れ込むことを防止することができる。
【0010】
さらに、このエゼクタの成形型では、各型の合わせ面が、ディフューザ用スライド型と負圧取出孔用スライド型との1カ所と、ノズル用スライド型と負圧取出孔用スライド型との1カ所との計2カ所となる。そして、上記したように、貫通穴内に樹脂が流れ込むことを防止することができるので、この2カ所の合わせ面において、バリが生じることを抑制することができる。これにより、このエゼクタの成形型によれば、エゼクタ通路内にバリが発生することを防止することができる。
【0011】
本発明に係るエゼクタの成形型においては、前記ディフューザ用スライド型の先端と前記ノズル用スライド型の先端とが突き合わされて前記本体成形型内に配置されることが望ましい。
【0012】
このように、ディフューザ用スライド型の先端とノズル用スライド型の先端とを突き合わせて配置することにより、ディフューザ用スライド型とノズル用スライド型との同軸性をより高精度に確保することができるからである。その結果、ノズルとディフューザとの同軸性をより精度良く確保したエゼクタを製造することができる。
【0013】
また、本発明に係るエゼクタの成形型においては、前記ディフューザ用スライド型の先端部外周および前記ノズル用スライド型の先端部外周には、前記負圧取出孔用スライド型の貫通穴の直径よりも大きい外径を持つ環状部がそれぞれ形成されており、前記各環状部が、前記負圧取出孔用スライド型と面接触した状態で当接することが望ましい。
【0014】
このエゼクタの成形型では、ディフューザ用スライド型の先端部外周およびノズル用スライド型の先端部外周に、負圧取出孔用スライド型の貫通穴の直径よりも大きい外径を持つ環状部がそれぞれ形成されている。そして、これらの環状部が、負圧取出孔用スライド型と面接触した状態で当接するため、樹脂が貫通穴に流れ込むことを確実に防止することができる。これにより、エゼクタ通路内にバリが発生することを確実に防止することができる。
【0015】
上記問題点を解決するためになされた本発明に係るエゼクタの製造方法は、流体入口と流体出口が形成された本体内に、前記流体入口側に設けられたノズルと、前記流体出口側に設けられたディフューザと、前記ノズルと前記ディフューザとの間に設けられた負圧取出孔と有するエゼクタの製造方法において、上記したいずれか1つのエゼクタの成形型を用い、前記本体成形型内に成形樹脂を射出することによりエゼクタを一体成形することを特徴とする。
【0016】
このエゼクタの製造方法では、上記したいずれか1つのエゼクタの成形型を用いて、本体成形型内に成形樹脂を射出することによりエゼクタを一体成形するので、ノズルとディフューザとの同軸性が精度良く確保されるとともに、エゼクタ通路内にバリが発生していないエゼクタを製造することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るエゼクタの成形型およびエゼクタの製造方法によれば、上記した通り、ノズルとディフューザとの同軸性を精度良く確保するとともに、エゼクタ通路内にバリが発生することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明のエゼクタの成形型および製造方法を具体化した最も好適な実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。そこで、本発明の成形型を使用した本発明の製造法によって製造されたエゼクタについて、図1を参照しながら説明する。図1は、実施の形態に係るエゼクタの概略構成を示す断面図である。
【0019】
エゼクタ10は、図1に示すように、本体10aと、接続部材10bと、第1チェックバルブ21および第2チャックバルブ22とを備えている。本体10aには、流体が流れ込む流入口11、流体が流れ出す流出口12、ノズル15と、減圧室16と、ディフューザ17と、連通路18と、吸引室19とが形成されている。一方、接続部材10bには、負圧供給対象に接続される接続口13が形成されている。そして、第1チェックバルブ21および第2チャックバルブ22が取り付けられた本体10aに、接続部材10bが接合されて、エゼクタ10が構成されている。なお、本実施の形態では、本体10aと接続部材10bとの接合は、振動溶着により行っている。
【0020】
ここで、ノズル15は、流入口11に連通し、テーパ状の内壁面によって通路断面積が漸次減少する絞り形状をなし、流入口11から流入した流体の速度を高めるようになっている。このようなノズル15は、減圧室16の負圧取出孔14を介してディフューザ17に連通している。
ディフューザ17は、ノズル15とは逆に、テーパ状の内壁面によって通路断面積が漸次増大する末広がり形状をなしており、ノズル15から噴出される流体の流れ損失を小さくしてノズル15における流速の低下を防止するようになっている。そして、ディフューザ17の他端が流出口12に連通している。これにより、流入口11からエゼクタ10内に流れ込んだ流体は、ノズル15、減圧室16の一部(ノズル15およびディフューザ17との連通部分)、およびディフューザ17を通過して流出口12から流れ出るようになっている。
【0021】
減圧室16は、ノズル15およびディフューザ17に連通する一方で、第1チェックバルブ21を介して吸引室19に接続されている。この吸引室19は、第2チャックバルブ22を介して連通路18にも接続されている。そして、このような吸引室19が接続口13に連通している。
【0022】
このようなエゼクタ10では、流入口11に流体が流れ込むと、ノズル15を通過する流体の流れによって減圧室16に負圧が発生して、その負圧が第1チェックバルブ21に作用し第1チェックバルブ21が開き、減圧室16から吸引室19および接続口13を通じて、減圧室16に発生した負圧が負圧供給対象に供給されるようになっている。
【0023】
ここで、本体10aは、射出成形により形成されている。そこで、本体10aを成形するための成形型について、図2〜図5を参照しながら説明する。図2は、エゼクタ本体の成形型を示す平面図である。図3は、各スライド型を示す平面図である。図4は、各スライド型の一部分を拡大して示す斜視図である。
【0024】
エゼクタ10の本体10aを成形するための型は、図2に示す成形型30と、図3に示すノズル用スライド型40と、減圧室用スライド型50と、ディフューザ用スライド型60とを備えている。
【0025】
成形型30には、図2に示すように、キャビティ31が形成されている。そして、このキャビティ31内に、ノズル用スライド型40、減圧室用スライド型50、およびディフューザ用スライド型60が配置されるようになっている(図5参照)。
【0026】
ノズル用スライド型40は、ノズル15および流入口11を成形するためのスライド型である。このノズル用スライド型40は、エゼクタ通路(流入口11からノズル15まで)を成形するための通路成形部41と、後述する貫通穴54に嵌合する嵌合部42とを備えている。
【0027】
減圧室用スライド型50は、減圧室16(負圧取出孔14)、連通路18、および吸引室19を成形するためのスライド型である。この減圧室用スライド型50は、負圧取出孔14および減圧室16を成形するための減圧室成形部部51と、連通路18を成形するための連通路成形部52と、吸引室19を成形するための吸引室成形部53とを備えている。そして、減圧室成形部51の負圧取出孔14を形成する部分に貫通穴54が形成されている。
【0028】
ディフューザ用スライド型60は、ディフューザ17および流出口12を成形するためのスライド型である。このディフューザ用スライド型60は、エゼクタ通路(ディフューザ17から流出口12まで)を成形するための通路成形部61と、減圧室用スライド型50の貫通穴54に嵌合する嵌合部62とを備えている。
【0029】
これらのスライド型40,50,60は、図4に示すように、減圧室用スライド型50の貫通穴54を介して一体化されるようになっている。具体的には、ノズル用スライド型40の嵌合部42が貫通穴54に嵌合されるとともに、ディフューザ用スライド型60の嵌合部62が貫通穴54に嵌合されるため、嵌合部42と嵌合部62とが、貫通穴54により位置決め規制されて突き合わされる。このとき、ディフューザ用スライド型60の通路成形部61が、減圧室用スライド型50の連通路成形部52に当接する。これにより、ノズル用スライド型40とディフューザ用スライド型60とが確実に同軸上に配置された状態で、各スライド型40,50,60が一体化される。つまり、本実施の形態に係るスライド型40,50,60によれば、これらの型を一体化させたときに、ノズル用スライド型40とディフューザ用スライド型60との同軸性を精度良く確保することができる。
【0030】
続いて、上記した型を用いたエゼクタ10の製造方法について、図5を参照しながら説明する。図5は、エゼクタ本体の成形型に各スライド型を配置した状態を示す説明図である。まず、上記したスライド型40,50,60を一体化した状態で、図5に示すように、成形型30のキャビティ31内に設置する。つまり、スライド型40,50,60が一体化されたものは、中子の役割を果たすのである。次に、成形型30に対し成形型30と対になる不図示の成形型を型合わせして、成形型30内のキャビティ31内および対の成形型のキャビティ内に成形樹脂を射出し、成形樹脂をキャビティ内に充填する。
【0031】
キャビティ内に形成樹脂が充填される際、ノズル用スライド型40の先端である嵌合部42と、ディフューザ用スライド型60の先端である嵌合部62との突き合わせ面が、減圧室用スライド型50の貫通穴54の中に位置する。また、それぞれの嵌合部42,62が貫通穴54に嵌合している。このため、貫通穴54は、ノズル用スライド型40とディフューザ用スライド型60とによって完全に塞がれる。従って、貫通穴54内、つまり嵌合部42と嵌合部62との突き合わせ面に、樹脂が流れ込むことがない。これにより、エゼクタ10の通路(流入口11から流出口12までの流体通路)にバリが生じない。
【0032】
そして、成形樹脂がキャビティ内に充填され後に、成形樹脂を冷却して型開きを行う。このようにして本体1aが射出成形される。なお、接続口13が形成された接続部材10bも、本体1aと同様にして射出成形によって成形される。
【0033】
その後、射出形成された本体10aに対して、第1チェックバルブ21および第2チェックバルブ22を取り付ける。具体的には、第1チェックバルブ21および第2チェックバルブが取り付けられたチェックバルブ固定部材23が吸引室19の端面(減圧室16と連通路18との連通口が設けられている面)に取り付けられる。そして、本体10aと接続部材10bとを振動溶着によって接合する。かくして、図1に示すエゼクタ10が製造される。
【0034】
このようにして製造されたエゼクタ10では、ノズル15とディフューザ17との同軸性が精度良く確保されるとともに、エゼクタ通路(流入口11から流出口12までの流体通路)にバリが生じていない。このため、エゼクタ通路内を流れる流体の抵抗が増加することなく、流体が流入口11から流出口12までスムーズに流れる。従って、ノズル15の出口における流速を低下させることがないので、性能の低下が防止される。
【0035】
ここで、各スライド型の変形例について、図6および図7を参照しながら説明する。図6は、減圧室用スライド型の貫通穴に段差を設けた場合における各スライド型の一部分を拡大して示す斜視図である。図7は、ノズル用スライド型およびディフューザ用スライド型にそれぞれ環状部を設けた場合における各スライド型の一部分を拡大して示す斜視図である。
【0036】
まず、第1変形例について図6を参照しながら説明する。第1変形例では、図6に示すように、減圧室用スライド型50aの貫通穴54aに段差が設けられている。つまり、貫通穴54aが大径穴と小径穴とで構成されている。具体的には、ディフューザ用スライド型60aの嵌合部62aの嵌合面側に大径部が形成され、ノズル用スライド型40aの嵌合部42aの嵌合面側に小径部が形成されている。これにより、ノズル出口径よりもディフューザ入口径が大きなエゼクタを製造することができる。そして、このような型を用いて製造したエゼクタでは、上記した効果に加えて、ノズル出口径よりもディフューザ入口径が大きくなるので、ノズル出口における流速の低下をより効果的に防止することができる。
【0037】
次に、第2変形例について図7を参照しながら説明する。第1変形例では、図7に示すように、ノズル用スライド型40bおよびディフューザ用スライド型60bにそれぞれ環状部43,63が設けられている。つまり、ノズル用スライド型40bおよびディフューザ用スライド型60bの先端部分(各嵌合部42b,62bの根元)に段差が形成されている。具体的には、ディフューザ用スライド型60bの先端部分(嵌合部62bの根元)に、減圧室用スライド型50bの貫通穴54bの直径よりも大きい外径を持つ環状部63が形成されている。また、ノズル用スライド型40bの先端部分(嵌合部42bの根元)に、貫通穴54bの直径よりも大きい外径を持つ環状部43が形成されている。
【0038】
これにより、第2変形例では、各スライド型40b,50b,60bを一体化させたときに、環状部43,63が、減圧室用スライド型50に対して面接触した状態で当接する。このため、貫通穴54bへ成形樹脂が流れ込むことを、より確実に防止することができ、エゼクタ通路内にバリが発生することをより確実に防止することができる。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態に係るエゼクタ10を製造するための型30,40,50,60によれば、成形型30のキャビティ31内に各スライド型40,50,60を一体化して配置したときに、ノズル用スライド型40の先端である嵌合部42と、ディフューザ用スライド型60の先端である嵌合部62との突き合わせ面が、減圧室用スライド型50の貫通穴54の中に位置するとともに、それぞれの嵌合部42,62が貫通穴54に嵌合している。これにより、貫通穴54が、ノズル用スライド型40とディフューザ用スライド型60とにより完全に塞がれるため、貫通穴54内、つまり嵌合部42と嵌合部62との突き合わせ面に、成形樹脂が流れ込むことを防止することができる。従って、エゼクタ10の通路(流入口11から流出口12までの流体通路)にバリが生じることを防止することができる。
また、各スライド型40,50,60を一体化させたときに、嵌合部42と嵌合部62とが、貫通穴54によって位置決め規制されて突き合わされる。このため、ノズル用スライド型40とディフューザ用スライド型60との同軸性を精度良く確保することができる。
【0040】
よって、型30,40,50,60を用いて製造されたエゼクタ10では、エゼクタ通路(流入口11から流出口12までの流体通路)にバリが生じることもなく、またノズル15とディフューザ17との同軸性が精度良く確保される。これにより、エゼクタ10では、エゼクタ通路内を流れる流体の抵抗が増加することなく、流体が流入口11から流出口12までスムーズに流れ、ノズル15の出口における流速を低下させることがないため、性能の低下が防止される。
【0041】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
例えば、上記した実施の形態では、減圧室用スライド型50の貫通穴54内において、ノズル用スライド型40の嵌合部42とディフューザ用スライド型60の嵌合部62とを突き合わせている(先端面を接触させている)が、必ずしも嵌合部42と62とを突き合わせる必要はない。つまり、嵌合部42と62とが貫通穴54に正確に嵌合していれば、ノズル用スライド型40とディフューザ用スライド型との同軸性を確保することができるため、嵌合部42と62とを突き合わせなくても、上記した効果を得ることができる。
また、上記した実施の形態の変形例として、第1変形例と第2変形例とを例示したが、これらを組み合わせることもできる。第1変形例と第2変形例とを組み合わせることにより、相乗的な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施の形態に係るエゼクタの概略構成を示す断面図である。
【図2】エゼクタ本体の成形型を示す平面図である。
【図3】各スライド型を示す平面図である。
【図4】各スライド型の一部分を拡大して示す斜視図である。
【図5】エゼクタ本体の成形型に各スライド型を配置した状態を示す説明図である。
【図6】減圧室用スライド型の貫通穴に段差を設けた場合における各スライド型の一部分を拡大して示す斜視図である。
【図7】ノズル用スライド型およびディフューザ用スライド型にそれぞれ環状部を設けた場合における各スライド型の一部分を拡大して示す斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
10 エゼクタ
10a 本体
10b 接続部材
14 負圧取出孔
15 ノズル
16 減圧室
17 ディフューザ
18 連通路
19 吸引室
30 成形型
31 キャビティ
40 ノズル用スライド型
41 通路成形部
42 嵌合部
43 環状部
50 減圧室用スライド型
51 減圧室成形部
52 連通路成形部
53 吸引室成形部
54 貫通穴
60 ディフューザ用スライド型
61 通路成形部
62 嵌合部
63 環状部
【出願人】 【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
【出願日】 平成19年1月23日(2007.1.23)
【代理人】 【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所


【公開番号】 特開2008−180113(P2008−180113A)
【公開日】 平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願番号】 特願2007−12999(P2007−12999)