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【発明の名称】 液体圧送装置
【発明者】 【氏名】広谷 昌久

【要約】 【課題】フロートアームの変位抵抗を小さくして、動作が円滑な液体圧送装置を提供する。

【構成】作動流体導入口11と作動流体排出口13と液体流入口16及び液体排出口17が設けられた密閉容器2内にフロート3とスナップ機構5が配置される。スナップ機構5はフロート3の昇降に応じて揺動するフロートアーム34と、フロートアーム34の揺動軸35に回転可能に取り付けられたカム37と、フロートアーム34の揺動に応じてフロートアーム34の軸線方向に圧縮あるいは伸張変形する圧縮コイルバネ38と、揺動軸37に対して圧縮コイルバネ38とは対称な第2圧縮コイルバネ51と、圧縮コイルバネ38の変形に応じてカム37を押圧しながらフロートアーム34の軸線方向に移動するローラ39と、揺動軸37に対してローラとは対称な第2ローラとを具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動流体導入口と作動流体排出口と液体流入口及び液体排出口が設けられた密閉容器内にフロートとスナップ機構が配置され、フロートの昇降に応じてスナップ機構を動作させて作動流体導入口と作動流体排出口の開閉を切り換えることにより、密閉容器内に溜った液体を液体排出口から圧送する液体圧送装置において、スナップ機構は、フロートの昇降に応じて揺動するフロートアームと、フロートアームの揺動軸に回転可能に取り付けられたカムと、フロートアームの揺動に応じてフロートアームの軸線方向に圧縮あるいは伸張変形する圧縮コイルバネと、圧縮コイルバネの変形に応じてカムを押圧しながらフロートアームの軸線方向に移動するローラと、フロートアームの揺動に応じて揺動軸に対して圧縮コイルバネとは対称にフロートアームの軸線方向に圧縮あるいは伸張変形する第2圧縮コイルバネと、第2圧縮コイルバネの変形に応じてカムを押圧しながら揺動軸に対してローラとは対称にフロートアームの軸線方向に移動する第2ローラと、を具備し、ローラ及び第2ローラの移動によりカムをスナップ回転させて作動流体導入口と作動流体排出口の開閉を切り換えることを特徴とする液体圧送装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、温水や燃料等の液体を圧送する液体圧送装置に関するものである。本発明の液体圧送装置は、各種蒸気使用装置で発生した復水をボイラーや廃熱利用箇所に送る装置として特に適するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の液体圧送装置は、作動流体導入口と作動流体排出口と液体流入口及び液体排出口が設けられた密閉容器内にフロートとスナップ機構が配置され、フロートの昇降に応じてスナップ機構を動作させて作動流体導入口と作動流体排出口の開閉を切り換えることにより、密閉容器内に溜った液体を液体排出口から圧送する液体圧送装置において、スナップ機構は、フロートの昇降に応じて揺動するフロートアームと、フロートアームの揺動軸に回転可能に取り付けられた副アームと、フロートアームに支持された第1の軸と副アームに支持された第2の軸との間に配置された圧縮コイルバネとを具備し、フロートアームの移動により副アームをスナップ回転させて作動流体導入口と作動流体排出口の開閉を切り換えるものである。
【0003】
上記従来の液体圧送装置は、フロートアームと揺動軸との間の摩擦力による抵抗が大きいために、動作の円滑性を欠く問題点があった。これは、フロートアームは圧縮コイルバネの弾性力によって揺動軸との連結部において揺動軸の右端部に圧接しているためである。
【特許文献1】アメリカ特許5141405号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、フロートアームの変位抵抗を小さくして、動作が円滑な液体圧送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、作動流体導入口と作動流体排出口と液体流入口及び液体排出口が設けられた密閉容器内にフロートとスナップ機構が配置され、フロートの昇降に応じてスナップ機構を動作させて作動流体導入口と作動流体排出口の開閉を切り換えることにより、密閉容器内に溜った液体を液体排出口から圧送する液体圧送装置において、スナップ機構は、フロートの昇降に応じて揺動するフロートアームと、フロートアームの揺動軸に回転可能に取り付けられたカムと、フロートアームの揺動に応じてフロートアームの軸線方向に圧縮あるいは伸張変形する圧縮コイルバネと、圧縮コイルバネの変形に応じてカムを押圧しながらフロートアームの軸線方向に移動するローラと、フロートアームの揺動に応じて揺動軸に対して圧縮コイルバネとは対称にフロートアームの軸線方向に圧縮あるいは伸張変形する第2圧縮コイルバネと、第2圧縮コイルバネの変形に応じてカムを押圧しながら揺動軸に対してローラとは対称にフロートアームの軸線方向に移動する第2ローラと、を具備し、ローラ及び第2ローラの移動によりカムをスナップ回転させて作動流体導入口と作動流体排出口の開閉を切り換えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、フロートアームの変位抵抗が小さく動作が円滑であるので、長期に渡って作動流体導入口と作動流体排出口の開閉を切り換えて液体を確実に圧送できるという優れた効果を生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の液体圧送装置では、揺動軸に対して圧縮コイルバネと第2圧縮コイルバネが対称に設けられ、また揺動軸に対してローラと第2ローラが対称に設けられている。そのため、フロートアームは圧縮コイルバネによって付勢される方向と反対向きに第2圧縮コイルバネによって付勢され、揺動軸との連結部において揺動軸に局部的に圧接しない。そのため、フロートアームは変位抵抗が小さくなり、動作が円滑になる。
【実施例1】
【0008】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する。図1は本発明の具体的実施例の液体圧送装置の断面図である。図2は図1のA−A拡大断面図である。図3は図1のスナップ機構部分の拡大断面図である。図1において、本実施例の液体圧送装置1は密閉容器2内にフロート3と切替え弁4及びスナップ機構5が配されたものである。密閉容器2は本体部7と蓋部8が図示しないネジによって結合され、内部に液体溜空間10が形成されたものである。蓋部8には作動流体導入口11,作動流体排出口13,液体流入口16,液体排出口17が設けられている。
【0009】
図2に拡大して示すように、作動流体導入口11の内側に給気弁20が取り付けられ、作動流体排出口13の内側に排気弁21が取り付けられている。給気弁20は弁ケース22と弁体23及び昇降棒24によって構成される。弁ケース22は軸方向に貫通孔を有し、貫通孔の上端面は弁座25として機能する。弁ケース22の中間部には前記した貫通孔と外部とを連通する4つの開口26が設けられている。給気弁20の弁ケース22の先端は作動流体導入口11の中にねじ込まれている。弁体23は球状で作動流体導入口11側にあり、昇降棒24の上端が当接することにより開閉される。昇降棒24は弁ケース22の貫通孔を通って密閉容器2側に抜け、下端に連接軸27を介して連接板28に連結されている。排気弁21は弁ケース29と弁体30と昇降棒31によって構成される。弁ケース29は軸方向に貫通孔を有し、該貫通孔の内部に弁座32があり、弁座32の下から昇降棒31の上端に保持固定された弁体30が当接して開閉を行うものである。昇降棒31の下端は連接軸27を介して連接板28に連結されている。給気弁20と排気弁21で切替え弁4が構成され、給気弁20が開くと排気弁21は閉じ、給気弁20が閉じると排気弁21は開く。
【0010】
フロート3はフロートアーム34と揺動軸35を介してブラケット36によって支持されている。ブラケット36は図示しないネジによって密閉容器2の蓋部8に一体的に取り付けられている。スナップ機構5はフロートアーム34、カム37、圧縮コイルバネ38、ローラ39、第2圧縮コイルバネ51、第2ローラ52で構成される。フロートアーム34は平行に対向した2枚の板よりなり、左端にフロート3が固着され、中央部が前記した揺動軸35によって回転可能に支持されている。従って、フロート3は揺動軸35を中心として上下に揺動する。また、揺動軸35にはカム37が回転可能に支持されている。カム37の左端部と右端部には夫々凸部40と凸部53が設けられている。カム37の下部には長孔41が設けられ、長孔41内に揺動軸35と平行なストッパー軸42がブラケット36によって支持されている。ストッパー軸42はカム37の回転範囲を規制する。カム37の右寄部には揺動軸35と平行な連結軸43が貫通して取り付けられ、連結軸43に連接板28の下端が連結されている。
【0011】
フロートアーム34の左端部には揺動軸35と平行な第1の軸44が掛け渡され、第1の軸44に第1のバネ受け部材45が回転可能に支持されている。フロートアーム34の中央左部にはフロートアーム34の軸方向に長孔46が設けられ、長孔46内に揺動軸35と平行な第2の軸47が掛け渡され、第2の軸47に第2のバネ受け部材48が回転可能に支持されている。第2の軸47には第2のバネ受け部材48の内側にローラ39が回転可能に支持されている。ローラ39は圧縮コイルバネ38の変形に応じてカム37を押圧しながらフロートアーム34の軸線方向に移動する。第1及び第2のバネ受け部材45,48の間にフロートアーム34の軸線方向に圧縮あるいは伸張変形する圧縮状態のコイルバネ38が配置されている。フロートアーム34の右端部には揺動軸35と平行な第3の軸54が掛け渡され、第3の軸54に第3のバネ受け部材55が回転可能に支持されている。フロートアーム34の中央右部にはフロートアーム34の軸方向に長孔56が設けられ、長孔56内に揺動軸35と平行な第4の軸57が掛け渡され、第4の軸57に第4のバネ受け部材58が回転可能に支持されている。第4の軸57には第4のバネ受け部材58の内側に第2ローラ52が回転可能に支持されている。第2ローラ52は第2圧縮コイルバネ51の変形に応じてカム37を押圧しながらフロートアーム34の軸線方向に移動する。第3及び第4のバネ受け部材55,58の間にフロートアーム34の軸線方向に圧縮あるいは伸張変形する圧縮状態の第2コイルバネ51が配置されている。揺動軸35に対して圧縮コイルバネ28と第2圧縮コイルバネ51は対称に設けられ、また揺動軸35に対してローラ39と第2ローラ52は対称に設けられている。
【0012】
次に本実施例の液体圧送装置1の作用について、作動流体として蒸気を用いた場合の一連の動作手順を追うことによって説明する。まず液体圧送装置1の外部配管は作動流体導入口11が高圧の蒸気源に接続され、作動流体排出口13は蒸気循環配管に接続される。液体流入口16は外部から液体溜空間10に向かって開く逆止弁(図示せず)を介して蒸気使用装置等の負荷に接続され、液体排出口17は液体溜空間10から外部に向かって開く逆止弁(図示せず)を介してボイラー等の液体圧送先へ接続される。
【0013】
本実施例の液体圧送装置1の液体溜空間10内に復水が無い場合は、図1に示す様にフロート3は底部に位置する。このとき、スナップ機構5はカム37の凸部40がローラ39の右上に位置し、またカム37の凸部53が第2ローラ52の左下に位置しており、連接板28は下がっている。そのため、切替え弁4における給気弁20が閉じられ、排気弁21が開かれている。そして、蒸気使用装置等の負荷内で復水が発生すると、復水は圧送液体流入口16から液体圧送装置1に流下して、液体溜空間10内に溜る。液体溜空間10内に溜った復水によってフロート3が浮上すると、フロートアーム34が揺動軸35を中心に時計回り方向に回転し、ローラ39が圧縮コイルバネ38を圧縮変形せしめてフロートアーム34の軸線方向に移動しカム37の凸部40の頂点に近付き、また第2ローラ52が第2圧縮コイルバネ51を圧縮変形せしめてフロートアーム34の軸線方向に移動しカム37の凸部53の頂点に近付く。そして、ローラ39及び第2ローラ52がカム37の凸部40及び凸部52の頂点を越えると、圧縮コイルバネ38及び第2圧縮コイルバネ51が急激に変形を回復し、カム37が反時計回り方向にスナップ回転して凸部40がフロートアーム34の軸線に対して反対側のローラ39の右下に移動し、凸部53がフロートアーム34の軸線に対して反対側の第2ローラ52の左上に移動し、給気弁20は作動流体導入口11を開放し、排気弁21は作動流体排出口13を閉じる。
【0014】
作動流体導入口11が開放されると、密閉容器2内に高圧蒸気が導入され、内部の圧力が上昇し、液体溜空間10に溜った復水は、蒸気圧に押されて圧送液体排出口17から図示しない逆止弁を介して外部のボイラーや廃熱利用装置へ排出される。復水の排出によって復水溜空間10内の水位が低下すると、フロート3が降下して、フロートアーム34が揺動軸35を中心に反時計回り方向に回転し、ローラ39が圧縮コイルバネ38を圧縮変形せしめてフロートアーム34の軸線方向に移動しカム37の凸部40の頂点に近付き、第2ローラ52が第2圧縮コイルバネ51を圧縮変形せしめてフロートアーム34の軸線方向に移動しカム37の凸部53の頂点に近付く。そして、ローラ39及び第2ローラ52がカム37の凸部40及び凸部52の頂点を越えると、圧縮コイルバネ38及び第2圧縮コイルバネ51が急激に変形を回復し、カム37が時計回り方向にスナップ回転して凸部40がフロートアーム34の軸線に対して反対側のローラ39の右上に移動し、凸部53がフロートアーム34の軸線に対して反対側の第2ローラ52の左下に移動し、給気弁20は作動流体導入口11を閉じ、排気弁21は作動流体排出口13を開放する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例の液体圧送装置の断面図。
【図2】図1のA−A拡大断面図。
【図3】図1のスナップ機構部分の拡大断面図。
【符号の説明】
【0016】
1 液体圧送装置
2 密閉容器
3 フロート
4 切替え弁
5 スナップ機構
10 液体溜空間
11 作動流体導入口
13 作動流体排出口
16 液体流入口
17 液体排出口
20 給気弁
21 排気弁
34 フロートアーム
35 揺動軸
37 カム
38 圧縮コイルバネ
39 ローラ
40 凸部
51 第2圧縮コイルバネ
52 第2ローラ

【出願人】 【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−45454(P2008−45454A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−220122(P2006−220122)