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【発明の名称】 液体圧送装置
【発明者】 【氏名】広谷 昌久

【要約】 【課題】揺動軸とすべり軸受けとの間の隙間に異物が噛み込まれないようにして、動作が円滑な液体圧送装置を提供する。

【構成】スナップ機構5は、密閉容器2内に支持された揺動軸37と、揺動軸37の周りに回転するフロートアーム51及び副アーム52と、フロートアーム51に支持された第1の軸58と、副アーム52に支持された第2の軸59と、第1及び第2の軸58,59の間に取り付けられたコイルバネ54と、揺動軸37とフロートアーム51の支持部材61との間に配置されたすべり軸受け62を有し、すべり軸受け62は、揺動軸37と摺動する内面形状を揺動軸37の外面形状に一致する曲面に形成し、揺動軸37とフロートアーム51の支持部材61とが圧接する部分のみに部分的に配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉容器に作動流体導入口と作動流体排出口と液体流入口及び液体排出口が設けられ、密閉容器内にフロートと切替え弁及びスナップ機構が内蔵され、スナップ機構は、密閉容器内に支持された揺動軸と、揺動軸の周りに回転するフロートアーム及び副アームと、フロートアームに支持された第1の軸と、副アームに支持された第2の軸と、第1及び第2の軸の間に取り付けられたバネを有し、フロートがフロートアームに連結され、切替え弁が動力伝達軸を介して副アームに連結された液体圧送装置において、揺動軸とフロートアームの間に、揺動軸と摺動する内面形状を揺動軸の外面形状に一致する曲面としたすべり軸受けを、揺動軸とフロートアームが圧接する部分のみに部分的に配置したことを特徴とする液体圧送装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、温水や燃料等の液体を圧送する液体圧送装置に関するものである。本発明の液体圧送装置は、各種蒸気使用装置で発生した復水をボイラーや廃熱利用箇所に送る装置として特に適するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の液体圧送装置は、密閉容器に作動流体導入口と作動流体排出口と液体流入口及び液体排出口が設けられ、密閉容器内にフロートと切替え弁及びスナップ機構が内蔵され、スナップ機構は、密閉容器内に支持された揺動軸と、揺動軸の周りに回転するフロートアーム及び副アームと、フロートアームに支持された第1の軸と、副アームに支持された第2の軸と、第1及び第2の軸の間に取り付けられたバネを有し、フロートがフロートアームに連結され、切替え弁が動力伝達軸を介して副アームに連結されたものである。
【0003】
上記従来の液体圧送装置においては、揺動軸とフロートアームとの間の摩擦力による抵抗を低減させるために、揺動軸とフロートアームの間にリング状のすべり軸受けが配置される。しかしながら、揺動軸とフロートアームの間にリング状のすべり軸受けを配置すると、揺動軸とすべり軸受けとの間の隙間が小さくなり、液体圧送装置内に流入するゴミやスケール等の異物が揺動軸とすべり軸受けとの間の隙間に噛み込まれ易く、動作の円滑性を欠く問題点があった。
【特許文献1】アメリカ特許5141405号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、揺動軸とすべり軸受けとの間の隙間に異物が噛み込まれないようにして、動作が円滑な液体圧送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、密閉容器に作動流体導入口と作動流体排出口と液体流入口及び液体排出口が設けられ、密閉容器内にフロートと切替え弁及びスナップ機構が内蔵され、スナップ機構は、密閉容器内に支持された揺動軸と、揺動軸の周りに回転するフロートアーム及び副アームと、フロートアームに支持された第1の軸と、副アームに支持された第2の軸と、第1及び第2の軸の間に取り付けられたバネを有し、フロートがフロートアームに連結され、切替え弁が動力伝達軸を介して副アームに連結された液体圧送装置において、揺動軸とフロートアームの間に、揺動軸と摺動する内面形状を揺動軸の外面形状に一致する曲面としたすべり軸受けを、揺動軸とフロートアームが圧接する部分のみに部分的に配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、揺動軸とすべり軸受けの間及び揺動軸とフロートアームの間に異物が噛み込まれることがないので、動作が円滑な液体圧送装置を提供できるという優れた効果を生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の液体圧送装置は、揺動軸とフロートアームの間に、揺動軸と摺動する内面形状を揺動軸の外面形状に一致する曲面としたすべり軸受けを、揺動軸とフロートアームが圧接する部分のみに部分的に配置したものである。そのため、揺動軸とすべり軸受けの間には隙間がなく、異物が噛み込まれることがない。また、揺動軸とフロートアームとの間の隙間は大きくできるので、異物が流入しても噛み込まれることがない。
【実施例1】
【0008】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する(図1乃至図3参照)。本実施例の液体圧送装置1は密閉容器2内にフロート3と切替え弁4及びスナップ機構5が配されたものである。密閉容器2は本体部7と蓋部8が図示しないネジによって結合され、内部に液体溜空間10が形成されたものである。蓋部8には作動流体導入口11,作動流体排出口13,液体流入口16,液体排出口17が設けられている。
【0009】
作動流体導入口11の内側に給気弁20が取り付けられ、作動流体排出口13の内側に排気弁21が取り付けられている。給気弁20は弁ケース22と弁体23及び昇降棒24によって構成される。弁ケース22は軸方向に貫通孔を有し、貫通孔の上端面は弁座25として機能する。弁ケース22の中間部には貫通孔と外部とを連通する4つの開口26が設けられている。弁体23は半球状で昇降棒24の先端に一体的に取り付けられている。給気弁20の弁ケース22が作動流体導入口11の中にねじ込まれ、弁体23は作動流体導入口11側にあり、昇降棒24は弁ケース22の貫通孔を通って密閉容器2側に抜け、連設板27に当接するようになっている。連設板27は弁軸操作棒28に連結され、弁軸操作棒28はスナップ機構5と連結されている。排気弁21は弁ケース29と弁体30と昇降棒31によって構成される。弁ケース29は軸方向に貫通孔を有し、貫通孔の内部に弁座32があり、弁座32の下から昇降棒31の上端に保持固定された弁体30が当接して開閉を行うものである。昇降棒31の下端はピン33で弁軸操作棒28に連結されている。給気弁20と排気弁21で切替え弁4が構成され、給気弁20が開くと排気弁21は閉じ、給気弁20が閉じると排気弁21は開く。
【0010】
フロート3はレバー34及び軸35を介してブラケット36によって支持され、スナップ機構5は揺動軸37を介してブラケット38によって支持されている。ブラケット36とブラケット38は図示しないネジによって結合され、密閉容器2の蓋部8に一体的に取り付けられている。レバー34は図2のように板を「U」字状に曲げ加工して作られたものであり、2枚の板が平行に対向し、曲げ加工された部分にフロート3が結合されている。レバー34の他端部には軸40が取り付けられている。ブラケット36は図3の様に「L」字状をした2枚の板よりなり、軸35及び軸41,42が掛け渡されて連結されたものである。軸35を中心としてフロート3は回転する。軸41,42はそれぞれフロート3の上下限のストッパを兼用している。ブラケット38も同様に「L」字状をした2枚の板よりなり、揺動軸37及び軸43が掛け渡されて連結されたものである。軸43は下記の副アーム52のストッパを兼ねている。
【0011】
スナップ機構5はフロートアーム51、副アーム52、圧縮状態のコイルバネ54、バネ受け部材55及びバネ受け部材56からなる。フロートアーム51は図3の様に平行に対向した2枚の板よりなり、2枚の板の左端部には溝57が設けられている。フロートアーム51の溝57にはレバー34の軸40が嵌合している。フロートアーム51は揺動軸37によって右端部が回転可能に支持されている。そのためフロートアーム51はフロート3の浮沈に追従し、揺動軸37を中心として上下に揺動する。フロートアーム51には揺動軸37により回転可能に支持される部分に支持部材61が圧入により固定され、支持部材61がフロートアーム51に一体に形成されている。揺動軸37とフロートアーム51の支持部材61との間に、揺動軸37と摺動する内面形状を揺動軸37の外面形状に一致する曲面としたすべり軸受け62を、揺動軸37と支持部材61が圧接する部分のみに部分的に配置する。揺動軸37とすべり軸受け62の間には隙間がなく、異物が噛み込まれることがない。揺動軸37と支持部材61との間の隙間は大きくできるので、異物が流入しても噛み込まれることがない。
【0012】
フロートアーム51の右端部は下方に脹れ、その下端部には揺動軸37と平行な第1の軸58が掛け渡され、バネ受け部材55が第1の軸58によって回転可能に支持されている。揺動軸37に副アーム52の上端部が回転可能に支持されている。副アーム52は図3の様に平行に対向した2枚の板よりなり、夫々の板は逆「L」字状をしている。副アーム52の下端部には揺動軸37及び第1の軸58と平行な第2の軸59が掛け渡され、バネ受け部材56が第2の軸59によって回転可能に支持されている。両バネ受け部材55,56の間に圧縮状態のコイルバネ54が取り付けられている。また副アーム52の上左端部に軸60が掛け渡され、弁軸操作棒28の下端が連結されている。フロートアーム51には、軸60の動きを妨げないように、窓81が開けられている。
【0013】
次に本実施例の液体圧送装置1の作用について、作動流体として蒸気を用いた場合の一連の動作手順を追うことによって説明する。まず液体圧送装置1の外部配管は作動流体導入口11が高圧の蒸気源に接続され、作動流体排出口13は蒸気循環配管に接続される。液体流入口16は外部から液体溜空間10に向かって開く逆止弁(図示せず)を介して蒸気使用装置等の負荷に接続され、液体排出口17は液体溜空間10から外部に向かって開く逆止弁(図示せず)を介してボイラー等の液体圧送先へ接続される。
【0014】
本実施例の液体圧送装置1の液体溜空間10内に復水が無い場合は、図1に示すようにフロート3は底部に位置する。このとき、切替え弁4における給気弁20が閉じられ、排気弁21が開かれている。そして、蒸気使用装置等の負荷内で復水が発生すると、復水は圧送液体流入口16から液体圧送装置1に流下して、液体溜空間10内に溜まる。液体溜空間10内に溜まった復水によってフロート3が浮上すると、レバー34が軸35を中心に時計回り方向に回転し、レバー34の回転による軸40の下方への移動に連動して、フロートアーム51が揺動軸37を中心に反時計回り方向に回転し、コイルバネ54との連結部である第1の軸58が右方に移動して揺動軸37と第2の軸59を結ぶ線に近付き、コイルバネ54は圧縮変形する。そしてフロート3が更に上昇し、第1の軸58が揺動軸37と第2の軸59を結ぶ線上に並び、なおもフロート3が上昇して第1の軸58が揺動軸37と第2の軸59を結ぶ線よりも右方に移動すると、コイルバネ54は急激に変形を回復し、副アーム52が時計回り方向に回転して第2の軸59が左方にスナップ移動する。その結果、副アーム52の軸60に連結された弁軸操作棒28が上側に移動し、給気弁20が開口されると共に排気弁21が閉じられる。
【0015】
給気弁20が開かれて作動流体導入口11が開放されると、密閉容器2内に高圧蒸気が導入され、内部の圧力が上昇し、液体溜空間10に溜まった復水は、蒸気圧に押されて圧送液体排出口17から図示しない逆止弁を介して外部のボイラーや廃熱利用装置へ排出される。復水の排出によって復水溜空間10内の水位が低下すると、フロート3が降下して、レバー34が軸35を中心に反時計回り方向に回転し、レバー34の回転による軸40の上方への移動に連動して、フロートアーム51が揺動軸37を中心に時計回り方向に回転し、コイルバネ54との連結部である第1の軸58が左方に移動して揺動軸37と第2の軸59を結ぶ線に近付き、コイルバネ54は圧縮変形する。そしてフロート3が更に降下し、第1の軸58が揺動軸37と第2の軸59を結ぶ線上に並び、なおもフロート3が降下して第1の軸58が揺動軸37と第2の軸59を結ぶ線よりも左方に移動すると、コイルバネ54は急激に変形を回復し、副アーム52が反時計回り方向に回転して第2の軸59が右方にスナップ移動する。その結果、副アーム52の軸60に連結された弁軸操作棒28が下側に移動し、給気弁20が閉じ、排気弁21が開口する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例の液体圧送装置の断面図。
【図2】図1のA−A拡大断面図。
【図3】図2のすべり軸受け部分のB−B断面図。
【符号の説明】
【0017】
1 液体圧送装置
2 密閉容器
3 フロート
4 切替え弁
5 スナップ機構
10 液体溜空間
11 作動流体導入口
13 作動流体排出口
16 液体流入口
17 液体排出口
20 給気弁
21 排気弁
28 動力伝達軸
37 揺動軸
51 フロートアーム
52 副アーム
54 コイルバネ
58 第1の軸
59 第2の軸
61 支持部材
62 すべり軸受け

【出願人】 【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−45453(P2008−45453A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−220120(P2006−220120)