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【発明の名称】 |
冷媒圧縮機 |
| 【発明者】 |
【氏名】中西 博志 |
【課題】高いヤング率を確保しつつ、加工性のよいクランクシャフト材の開発により、被削性と剛性の向上を図り、クランクシャフト運転中のタワミによる、軸受けとの摺動摩耗を低減させる。
【構成】冷媒圧縮機のクランクシャフトを、Cr0.2〜0.7%、Mo0.15〜0.40%、Ni0.30%以下の合金鋳鉄とし、共晶黒鉛化促進のためTi0.10〜0.15%含有した金型鋳造品であり、共晶黒鉛が晶出し、基地中のパーライトが20%以上で、ヤング率が139GPa以上の材料で構成することにより、生産性がよく、かつクランクシャフト運転中のタワミによる、軸受けとの摺動摩耗を低減を実現した冷媒圧縮機を提供できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダと、クランクシャフトにより駆動されて前記シリンダ内で偏心回転するローラと、前記シリンダに半径方向に形成した溝に出没可能に挿入されて前記ローラと摺接するベーンとを備えたロータリ圧縮機であって、前記クランクシャフトが、Cr0.2〜0.7%、Mo0.15〜0.40%、Ni0.30%以下、Ti0.10〜0.15%を含有した金型鋳造品で、共晶黒鉛が晶出し、基地中のパーライトが20%以上で、ヤング率が139GPa以上の材料で構成された冷媒圧縮機。 【請求項2】 冷媒がR134a、R22、R410A、R407Cのいずれかである請求項1記載の冷媒圧縮機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、業務用および家庭用の冷凍空調に使用される冷媒圧縮機に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来の冷媒圧縮機としては、クランクシャフトは一般にはCr、Mo、Niを含有した砂型鋳造の低合金鋳鉄で構成されており、片状黒鉛が晶出し、パーライト基地に合金炭化物が析出したものであり、ヤング率は合金添加のない一般のねずみ鋳鉄に比べやや高いものの、圧縮機の電動機の積厚が大きい場合は、クランクシャフトの振れが大きくなりクランクシャフトの回転を受ける軸受けとの間で摺動摩耗が大きくなる傾向にあった。 【0003】 一方、上記の問題を解決すべくクランクシャフトの大幅な剛性(ヤング率)アップを図るためダクタイル鋳鉄が用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開平11−022686号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、前記片状黒鉛系のクランクシャフトと比較して、軸受け材との安定した摺動摩耗を図るためには、ダクタイル鋳鉄自身の基地組織のフェライトを低減しパーライトを増加させなければならいため、硬さが大きくなるため被削性等に問題があった。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明のクランクシャフトは、前記の課題を解決すべく、Cr、Mo,Niを含有した低合金鋳鉄で高いヤング率を確保しつつ、加工性のよい材料を確立すべく、金型鋳造による低合金鋳鉄とした。 【発明の効果】 【0006】 本発明のクランクシャフトは、ダクタイル鋳鉄より加工性の優れた材料を開発すべく、前記低合金鋳鉄の溶湯を金型に鋳込み、共晶黒鉛を晶出化させることにより、前記片状黒鉛鋳鉄の晶出した砂型鋳造の低合金鋳鉄より剛性を向上させ、前記課題を解決したものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 第1の発明は、クランクシャフトを、Cr0.2〜0.7%、Mo0.15〜0.40%、Ni0.30%以下の合金鋳鉄とし、共晶黒鉛化促進のためTi0.10〜0.15%含有した金型鋳造品であり、共晶黒鉛が晶出し、基地中のパーライトが20%以上で、ヤング率が139GPa以上の材料で構成した冷媒圧縮機であり、被削性と剛性の向上を図り、クランクシャフト運転中のタワミによる、軸受けとの摺動摩耗を低減させたものである。 【0008】 第2の発明は、冷媒がR134a、R22、R410A、R407Cのいずれかであることを特徴としたものである。 【0009】 (実施の形態1) 従来の冷媒圧縮機として代表的な例はロータリ圧縮機であり、図1は本発明の実施の形態における冷媒圧縮機の機構部の縦断面図である。 【0010】 図1において1は密閉容器であり、電動機部2と圧縮機構部3が配置されている。電動機部2は回転子2aと固定子2bから構成され、回転子2aには主軸受9と副軸受10により回転自在に支持されたクランクシャフト8が圧入等の方法により固定されている。クランクシャフト8に圧入された電動機回転子2aと固定子2bには、一定量のギャップがあるため、運転時には、回転子2aによる半径方向の振れ廻りの為、クランクシャフト8はたわみながら回転する。このたわみ量は、クランクシャフト8の材料固有の剛性(ヤング率)および回転子2aの積厚(高さ)によって変化する。圧縮機部3は吸入孔5および径方向のシリンダ溝23を有するシリンダ20と、外周面をシリンダ20の内周面に摺動しながら偏芯回転するローラ7と、ローラ7の内周面に摺動自在に挿入されたクランクシャフト8の偏芯部と、シリンダ溝23に往復摺動自在に収納されてスプリング24による押圧力と背圧(吐出圧)により先端部がローラ7に押し付けられてシリンダ内部空間を吸入室25と圧縮室26に分割するベーン21と、シリンダ両端面を密閉する主軸受9および副軸受10とから構成されている。 【0011】 次に、本構成によるロータリ圧縮機の動作を説明する。電動機部2に外部から通電することにより回転子が回転してクランクシャフト8が回転駆動される。クランクシャフト8が回転すると偏芯部に摺動自在に取り付けられたローラ7がシリンダ内周面に摺接しながら遊星運動(図2で反時計方向回転)を行う。その結果、HFCなどの冷媒ガスが吸入管4から吸入孔5を介して吸入室25に吸い込まれ、同時に圧縮室26で圧力を上げられた冷媒ガスが吐出切り欠き22から吐出孔6を通して密閉容器1内に吐出される。 【0012】 なお、図1では見やすくするために吐出孔6の位置を吸入孔から離れた位置に描いたが、実際には図2に示すようにベーン21を挟んで吸入孔5の近くに配置されている。 この時、吸入室25と圧縮室26とを仕切るベーン21はスプリング24とベーン背部にかかる圧力によりローラ7の外周面に押し付けられており、先端部がローラ7の外周面と、側面部がシリンダ溝23の内壁面と摺動することになる。ベーン21とローラ7およびシリンダ溝23の潤滑は定常運転状態では密閉容器底部に貯留されている潤滑油12を使って行われるが、始動時には摺動部に十分な潤滑油が存在しておらず、吸入された冷媒ガスに僅かながら含まれている潤滑油12(潤滑油は僅かではあるが冷媒ガスと共に圧縮機から吐出され、冷凍サイクルを循環した後、再び吸入管4から圧縮機に戻ってくる)が使われることになる。 【0013】 前記クランクシャフト8は、一般にモリブデン、ニッケル、クロムを含む砂鋳造品で、片状黒鉛が晶出した低合金鋳鉄が使用されているが、前述のように、密閉型ロータリ圧縮機の始動時における摺動条件は潤滑油が十分に供給されない厳しいものであり、また近年環境対策のために採用されているHFC冷媒はそれ自身に潤滑性が乏しいので、HFC冷媒を使用したロータリ圧縮機の摺動条件は特に厳しいものであるといえる。 【0014】 従来の圧縮機においては、クランクシャフトの組織は、片状黒鉛が晶出し、基地がパーライトであることを特徴とするが、本発明は、溶湯を金型鋳造に適した成分に調整することで、共晶黒鉛を晶出化させ、ある一定量以上のパーライト基地を確保し、砂型低合金鋳鉄よりもヤング率を向上させることにより、圧縮機運転時におけるクランクシャフトのたわみを抑えることで、クランクシャフトの回転を保持する軸受けとの間の摺動摩耗を低減させるものである。 【産業上の利用可能性】 【0015】 本発明のベーンは、ロータリ圧縮機におけるクランクシャフトと軸受けの間の摺動摩耗を、クランクシャフトの加工性を確保しつつ、剛性(ヤング率)を向上させることで、R22、R134a、R407Cに限らず、R410A冷媒条件下での過酷な運転状況でも、信頼性の高いメカ材を供給することが可能となった。 【図面の簡単な説明】 【0016】 【図1】本発明の実施の形態におけるロータリ圧縮機を示す縦断面図 【図2】本発明の実施の形態における冷媒圧縮機の要部を示す横断面図 【符号の説明】 【0017】 1 密閉容器 2 電動機部 3 圧縮機部 4 吸入管 5 吸入孔 6 吐出孔 7 ローラ 8 シャフト 9 主軸受け 10 副軸受け 11 締め付けボルト 12 冷凍機油 20 シリンダ 21 ベーン 22 吐出切欠き 23 シリンダ溝 24 スプリング 25 吸入室 26 圧縮室
特許の図
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月10日(2006.7.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄
【識別番号】100109667 【弁理士】 【氏名又は名称】内藤 浩樹
【識別番号】100109151 【弁理士】 【氏名又は名称】永野 大介
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| 【公開番号】 |
特開2008−14285(P2008−14285A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2006−188895(P2006−188895) |
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