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【発明の名称】 排気熱回収器
【発明者】 【氏名】村松 憲志郎

【氏名】宮川 雅志

【氏名】山中 保利

【氏名】井上 誠司

【氏名】小原 公和

【要約】 【課題】簡易な構成で過剰な熱量の回収を抑制できる排気熱回収器を提供する。

【解決手段】内燃機関から排出された排気ガスが流通する排気ガス経路内に配置され、排気ガスと内部に封入された蒸発および凝縮可能な作動流体との間で熱交換を行い、作動流体を蒸発させる蒸発部1と、内燃機関の冷却水が流通する冷却水経路内に配置され、蒸発部1で蒸発した作動流体と冷却水との間で熱交換を行い、作動流体を凝縮させる凝縮部2と、蒸発部1で蒸発した作動流体を凝縮部2に導く蒸発側連結部61と、凝縮部2で凝縮した作動流体を蒸発部1に導く凝縮側連結部62とを備え、蒸発側連結部61に固定絞り7を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関から排出された排気ガスが流通する排気ガス経路内に配置され、前記排気ガスと内部に封入された蒸発および凝縮可能な作動流体との間で熱交換を行い、前記作動流体を蒸発させる蒸発部(1)と、
前記内燃機関の冷却水が流通する冷却水経路内に配置され、前記蒸発部(1)で蒸発した前記作動流体と前記冷却水との間で熱交換を行い、前記作動流体を凝縮させる凝縮部(2)と、
前記蒸発部(1)で蒸発した前記作動流体を前記凝縮部(2)に導く蒸発側連結部(61)と、
前記凝縮部(2)で凝縮した前記作動流体を前記蒸発部(1)に導く凝縮側連結部(62)とを備え、
前記蒸発側連結部(61)には、絞り機構(7、7a〜7c)が設けられていることを特徴とする排気熱回収器。
【請求項2】
前記絞り機構は、固定絞り(7)であることを特徴とする請求項1に記載の排気熱回収器。
【請求項3】
前記絞り機構は、前記冷却水の温度もしくは前記作動流体の温度に応じて絞り開度を変化する可変絞り(7a〜7c)であることを特徴とする請求項1に記載の排気熱回収器。
【請求項4】
前記可変絞り(7a〜7c)は、前記冷却水の温度上昇もしくは前記作動流体の温度上昇に応じて前記絞り開度を小さくするように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の排気熱回収器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両に用いられる排気熱回収器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ヒートパイプの原理を利用して車両のエンジンの排気系から排気ガスの排気熱を回収して、この排気熱を暖機促進等に利用する技術が知られている。
【0003】
このような排気熱回収器は、エンジンの排気管内にヒートパイプの蒸発部を配設するとともに、エンジンの冷却水経路内にヒートパイプの凝縮部を配設し、排気ガスの排気熱によって冷却水を加熱している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、ヒートパイプの原理を利用した熱交換器として、ループ型ヒートパイプ式熱交換器が提案されている(例えば、特許文献2参照)。これは、閉ループを形成する密閉された循環経路と、循環経路内に封入され、蒸発および凝縮可能な作動流体と、循環経路に配設され、外部からの入熱により作動流体を蒸発させる蒸発部と、循環経路の蒸発部より高い位置に配設され、蒸発部で蒸発した作動流体と外部からの被伝熱流体との間で熱交換を行う凝縮部とを有するものである。
【特許文献1】特開昭62−268722号公報
【特許文献2】特開平4−45393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような排気熱回収器の一例を図5に示す。図5は、排気熱回収器の断面図である。
【0006】
図5に示す排気熱回収器では、熱交換部である蒸発部J1と凝縮部J2を水平方向に隣接して配置し、蒸発部J1および凝縮部J2のヒートパイプJ3の鉛直方向両端部をそれぞれ連通させるヘッダ(連通部)J5を設けている。
【0007】
ところで、排気熱回収器は、例えば冬季の始動時等には、排気熱を回収することで早期に冷却水温度を上昇させることができるため、燃費や暖房性能を向上させることができる。一方、夏季のエンジン高負荷時等には、オーバーヒートを回避するために排気熱の回収を停止する必要がある。
【0008】
このため、排気熱回収器に、作動流体の循環を停止させる弁機構を設けることが望ましい。弁機構としては、例えば、作動流体の圧力に応じて変位するダイアフラムによって弁体を駆動するダイアフラム式の弁機構が考えられる。このように、排気熱回収器に弁機構を設けることにより、過剰な熱量を回収することを抑制できる。
【0009】
しかしながら、排気熱回収器に上記のような弁機構を設けると、ダイアフラム、弁体等が必要となり構成が複雑になるため、製造コストが増加するという問題がある。
【0010】
本発明は、上記点に鑑み、簡易な構成で過剰な熱量の回収を抑制できる排気熱回収器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明では、内燃機関から排出された排気ガスが流通する排気ガス経路内に配置され、排気ガスと内部に封入された蒸発および凝縮可能な作動流体との間で熱交換を行い、作動流体を蒸発させる蒸発部(1)と、内燃機関の冷却水が流通する冷却水経路内に配置され、蒸発部(1)で蒸発した作動流体と冷却水との間で熱交換を行い、作動流体を凝縮させる凝縮部(2)と、蒸発部(1)で蒸発した作動流体を凝縮部(2)に導く蒸発側連結部(61)と、凝縮部(2)で凝縮した作動流体を蒸発部(1)に導く凝縮側連結部(62)とを備え、蒸発側連結部(61)には、絞り機構(7、7a〜7c)が設けられていることを特徴としている。
【0012】
蒸発部(1)で蒸発した作動流体は、絞り機構(7、7a〜7c)を通過する際に流速が最大となる。そして、絞り機構(7、7a〜7c)通過時の作動流体の流速が音速に達すると、流れは閉塞し、絞り機構(7、7a〜7c)を通過する作動流体の流量はそれ以上増加しない。すなわち、絞り機構(7、7a〜7c)通過時の作動流体の流速が音速になったとき、絞り機構(7、7a〜7c)を通過する作動流体の流量が最大となり、排気熱回収器の回収熱量が最大となる。
【0013】
したがって、絞り機構(7、7a〜7c)通過時の作動流体の流速が音速に達するときに所望の最大回収熱量が得られるように、予め絞り機構(7、7a〜7c)の絞り開度を設定することで、回収熱量の上限を決定することができる。このとき、ダイアフラム等の弁機構を構成する部材を廃止することができるため、簡易な構成で過剰な熱量の回収を抑制することが可能となる。
【0014】
また、上記特徴の排気熱回収器において、絞り機構は、固定絞り(7)であってもよい。これによれば、より簡易な構成で過剰な熱量の回収を抑制することができる。
【0015】
また、上記特徴の排気熱回収器において、絞り機構は、冷却水の温度もしくは作動流体の温度に応じて絞り開度を変化する可変絞り(7a〜7c)であってもよい。
【0016】
これによれば、冷却水もしくは作動流体の温度が高温になったときに、絞り機構(7a〜7c)の絞り開度を小さくして、回収熱量を制限するようにできる。このため、冷却水および作動流体の温度が高温になる夏季のエンジン高負荷時等には、回収熱量を制限することができるため、オーバーヒートを回避することができる。一方、冷却水および作動流体の温度が低温になる冬季の始動時等には、回収熱量が制限されることはないため、早期に冷却水温度を上昇させることができ、燃費や暖房性能を向上させることができる。
【0017】
また、上記特徴の排気熱回収器において、可変絞り(7a〜7c)は、冷却水の温度上昇もしくは作動流体の温度上昇に応じて絞り開度を小さくするように構成されていてもよい。
【0018】
これによれば、冷却水および作動流体の温度が高温になる夏季のエンジン高負荷時等には、絞り機構(7a〜7c)の絞り開度が小さくなるため、回収熱量を制限することができる。これにより、オーバーヒートを回避することができる。一方、冷却水および作動流体の温度が低温になる冬季の始動時等には、絞り機構(7a〜7c)の絞り開度が大きくなるため、回収熱量が制限されることはない。これにより、早期に冷却水温度を上昇させることができるので、燃費や暖房性能を向上させることができる。
【0019】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1に基づいて説明する。本実施形態の排気熱回収器は、車両のエンジン(内燃機関)の排気系から排気ガスの排気熱を回収して、この排気熱を暖機促進等に利用するものである。
【0021】
図1は、本第1実施形態に係る排気熱回収器を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の排気熱回収器は、蒸発部1と凝縮部2とを備えている。
【0022】
蒸発部1は、図示しないエンジンの排気ガス経路(本実施形態では、排気筒)に配置される第1の筐体100内に設けられている。また、蒸発部1は、排気ガスと後述する作動流体との間で熱交換を行い、作動流体を蒸発させるようになっている。
【0023】
凝縮部2は、排気筒の外部に設けられており、図示しないエンジンの冷却水経路に配置される第2の筐体200内に設けられている。また、凝縮部2は、蒸発部1で蒸発した作動流体とエンジン冷却水との間で熱交換を行い、作動流体を凝縮させるようになっている。第2の筐体200には、エンジンの冷却水出口側に接続される冷却水流入口201と、エンジンの冷却水入口側に接続される冷却水流出口202とが設けられている。
【0024】
本実施形態では、第1の筐体100と第2の筐体200は、隣接するように配置されている。また、第1の筐体100と第2の筐体200の間には、クリアランスが設けられている。
【0025】
次に、蒸発部1の構成について説明する。
【0026】
蒸発部1は、複数本の蒸発側ヒートパイプ3aと、蒸発側ヒートパイプ3aの外表面に接合された蒸発側コルゲートフィン4aとを有している。蒸発側ヒートパイプ3aは、排気ガスの流通方向(紙面垂直方向)が長径方向と一致するように扁平状に形成されているとともに、その長手方向が鉛直方向に一致するように複数本平行に配置されている。
【0027】
蒸発部1において、蒸発側ヒートパイプ3a長手方向両端部には、蒸発側ヒートパイプ3a積層方向に延びて、全ての蒸発側ヒートパイプ3aと連通する蒸発側ヘッダ5aがそれぞれ設けられている。二つの蒸発側ヘッダ5aのうち、排気熱回収器の上端側に配置される蒸発側ヘッダ5aを第1の蒸発側ヘッダ51aといい、下端側に配置される蒸発側ヘッダ5aを第2の蒸発側ヘッダ52aという。
【0028】
次に、凝縮部2の構成について説明する。
【0029】
凝縮部2は、複数本の凝縮側ヒートパイプ3bと、凝縮側ヒートパイプ3bの外表面に接合された凝縮側コルゲートフィン4bとを有している。凝縮側ヒートパイプ3bは、蒸発部1における排気ガスの流通方向(紙面垂直方向)が長径方向と一致するように扁平状に形成されているとともに、その長手方向が鉛直方向に一致するように複数本平行に配置されている。
【0030】
凝縮部2において、凝縮側ヒートパイプ3b長手方向両端部には、凝縮側ヒートパイプ3b積層方向に延びて、全ての凝縮側ヒートパイプ3bと連通する凝縮側ヘッダ5bがそれぞれ設けられている。二つの凝縮側ヘッダ5bのうち、排気熱回収器の上端側に配置される凝縮側ヘッダ5bを第1の凝縮側ヘッダ51bといい、下端側に配置される凝縮側ヘッダ5bを第2の凝縮側ヘッダ52bという。
【0031】
蒸発側ヘッダ5aと凝縮側ヘッダ5bは、筒状の連結部6を介して連通状態に接続されている。そして、蒸発側、凝縮側ヒートパイプ3a、3b、蒸発側、凝縮側ヘッダ5a、5bおよび連結部6によって閉ループが形成されており、これらの内部に水やアルコール等の蒸発・凝縮可能な作動流体が封入されている。これにより、作動流体は蒸発部1および凝縮部2を循環するようになっている。
【0032】
ここで、二つの連結部6のうち、上方側に配置され、第1の蒸発側ヘッダ51aと第1の凝縮側ヘッダ51bとを接続し、蒸発部1で蒸発した作動流体を凝縮部2に導くものを蒸発側連結部61という。また、二つの連結部6のうち、下方側に配置され、第2の蒸発側ヘッダ52aと第2の凝縮側ヘッダ52bとを接続し、凝縮部2で凝縮された作動流体を蒸発部1に導くものを凝縮側連結部62という。
【0033】
また、蒸発側連結部61内には固定絞り7が設けられている。本実施形態では、固定絞り7は絞り部材70に形成されており、この絞り部材70が蒸発側連結部61に挿入されている。
【0034】
絞り部材70は、蒸発部1で蒸発した作動流体が通過する流路の断面積を徐々に縮小させた後、徐々に拡大させるような形状に形成されている。すなわち、絞り部材70は、作動流体流れ上流側から下流側に向かって縮径した第1のテーパ面701と、第1のテーパ面701の作動流体流れ下流側に連続的に形成され、作動流体流れ上流側から下流側に向かって拡径した第2のテーパ面702とを有して構成されている。
【0035】
本実施形態では、蒸発部1で蒸発した作動流体は、固定絞り7を通過する際に流速が最大となる。そして、固定絞り7通過時の作動流体の流速が音速に達すると、流れは閉塞し、固定絞り7を通過する作動流体の流量はそれ以上増加しない。すなわち、固定絞り7通過時の作動流体の流速が音速になったとき、固定絞り7を通過する作動流体の流量が最大となり、排気熱回収器の回収熱量が最大となる。
【0036】
したがって、固定絞り7通過時の作動流体の流速が音速に達するときに所望の最大回収熱量が得られるように、予め固定絞り7の絞り開度を設定することで、回収熱量の上限を決定することができる。このとき、ダイアフラム、弁体等の弁機構を構成する部材を廃止することができるため、簡易な構成で過剰な熱量の回収を抑制することが可能となる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図2に基づいて説明する。上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】
図2は本第2実施形態に係る排気熱回収器の蒸気側連結部61を示す拡大断面図で、(a)は作動流体高温時、(b)は作動流体低温時を示している。
【0039】
図2(a)、(b)に示すように、蒸発側連結部61内には、作動流体の温度に応じて絞り開度を変化する可変絞り7aが配設されている。この可変絞り7aは、作動流体の温度上昇に応じて絞り開度を小さくする、すなわち作動流体の流通する通路の通路断面積を減少させるように構成されている。
【0040】
本実施形態では、可変絞り7aは周囲温度によって変形可能な素材からなっている。可変絞り7aの素材としては、例えばバイメタルや形状記憶合金等を用いることができる。なお、本実施形態では、蒸発側連結部61内の作動流体の温度が上昇しても、作動流体の流通する通路を完全に閉塞することがないように構成されている。
【0041】
本実施形態では、作動流体の温度が高温になったときには、可変絞り7aの絞り開度が小さくなるので、回収熱量が制限される。このため、作動流体の温度が高温になる夏季のエンジン高負荷時等に回収熱量を制限することができるので、オーバーヒートを回避することができる。
【0042】
一方、作動流体の温度が低温になったときには、可変絞り7aの絞り開度が大きくなるので、回収熱量が制限されることはない。このため、作動流体の温度が低温になる冬季の始動時等に早期に冷却水温度を上昇させることができ、燃費や暖房性能を向上させることができる。
【0043】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図3に基づいて説明する。上記第2実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
図3は、本第3実施形態に係る排気熱回収器の蒸気側連結部61を示す拡大断面図である。図3に示すように、本実施形態の可変絞り7bは、絞り穴71と、絞り穴71を開閉する弁体72と、弁体72における絞り穴71に対向する面と反対側の面に一端が固定された感温変形部材73とを有している。
【0045】
感温変形部材73の他端は、蒸発側連結部61内に配設された支持部材74に固定されている。また、感温変形部材73は、例えば、蒸気側連結部61を構成する金属よりも熱膨張率の高い金属からなるサーモメタルや、サーモワックス等から構成されており、蒸発側連結部61内の作動流体の温度が所定温度以上になると、熱膨張するようになっている。
【0046】
したがって、蒸発側連結部61内の作動流体の温度が上昇すると、弁体72が絞り穴71の開度を小さくする方向に移動する。一方、蒸発側連結部61内の作動流体の温度が低下すると、弁体72が絞り穴71の開度を大きくする方向に移動する。なお、本実施形態では、蒸発側連結部61内の作動流体の温度が上昇しても、弁体72が絞り穴71を完全に閉塞することがないように構成されている。
【0047】
本実施形態では、作動流体の温度が高温になったときには、可変絞り7bの絞り開度が小さくなるので、回収熱量が制限される。また、作動流体の温度が低温になったときには、可変絞り7bの絞り開度が大きくなるので、回収熱量が制限されることはない。これにより、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図4に基づいて説明する。上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
図4は、本第4実施形態に係る排気熱回収器を示す断面図である。図4に示すように、蒸発側連結部61内には、冷却水の温度に応じて絞り開度を変化させる可変絞り7cが配設されている。この可変絞り7cは、冷却水の温度上昇に応じて絞り開度を小さくする、すなわち作動流体の流通する通路の通路断面積を減少させるように構成されている。
【0050】
可変絞り7cは、蒸発側連結部61内に設けられた弁体75と、この弁体75が接離する弁座76とを有している。そして、可変絞り7cは、弁体75と弁座76と隙間により形成される最小作動流体通路Aの通路断面積を変化させることにより、絞り開度を調整するようになっている。
【0051】
より詳細には、弁体75における弁座76に対向する面と反対側の面には、感温変形部材77の一端が固定されている。感温変形部材77は第2の筐体200内に設けられており、冷却水と直接接触するようになっている。感温変形部材77の他端は、第2の筐体200内に配設された支持部材78に固定されている。また、感温変形部材77は、例えば、第2の筐体200を構成する金属よりも熱膨張率の高い金属からなるサーモメタルや、サーモワックス等から構成されており、冷却水の温度が所定温度以上になると、熱膨張するようになっている。
【0052】
したがって、冷却水の温度が上昇すると、弁体75が最小作動流体通路Aの通路断面積を小さくする方向に移動する。一方、冷却水の温度が低下すると、弁体75が最小作動流体通路Aの通路断面積を大きくする方向に移動する。なお、本実施形態では、冷却水の温度が上昇しても、弁体75と弁座76とが完全に接触することはない、すなわち最小作動流体通路Aの通路断面積が0にはならないように構成されている。
【0053】
本実施形態では、冷却水の温度が高温になったときには、可変絞り7cの絞り開度が小さくなるので、回収熱量が制限される。このため、冷却水の温度が高温になる夏季のエンジン高負荷時等に回収熱量を制限することができるので、オーバーヒートを回避することができる。
【0054】
一方、冷却水の温度が低温になったときには、可変絞り7cの絞り開度が大きくなるので、回収熱量が制限されることはない。このため、冷却水の温度が低温になる冬季の始動時等に早期に冷却水温度を上昇させることができ、燃費や暖房性能を向上させることができる。
【0055】
(他の実施形態)
なお、上記第1実施形態では、固定絞り7を絞り部材70に形成した例について説明したが、これに限らず、蒸発側連結部61の内径を部分的に小さくすることにより形成してもよい。この場合、絞り部材70が不要であり、部品点数の増加を抑制することができる。
【0056】
また、上記第1実施形態では、絞り部材70を、蒸発部1で蒸発した作動流体が通過する流路の断面積を徐々に縮小させた後、徐々に拡大させるような形状に形成した例について説明したが、これに限らず、絞り部材70を円筒形状に形成してもよい。
【0057】
また、上記第2、第3実施形態では、可変絞り7a、7bを作動流体に直接接触するように配置し、作動流体の温度に応じて可変絞り7a、7bの絞り開度が機械的に制御される例について説明したが、これに限らず、蒸発側連結部61内の作動流体温度を検出する温度センサを設け、この温度センサの検出温度に基づいて可変絞り7a、7bの絞り開度が電気的に制御されるようにしてもよい。
【0058】
同様に、上記第4実施形態では、可変絞り7cを冷却水に直接接触するように配置し、冷却水の温度に応じて可変絞り7a、7bの絞り開度が機械的に制御される例について説明したが、これに限らず、第2の筐体200内の冷却水温度を検出する温度センサを設け、この温度センサの検出温度に基づいて可変絞り7cの絞り開度が電気的に制御されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】第1実施形態に係る排気熱回収器を示す断面図である。
【図2】第2実施形態に係る排気熱回収器の蒸気側連結部61を示す拡大断面図で、(a)は作動流体高温時、(b)は作動流体低温時を示している。
【図3】第3実施形態に係る排気熱回収器の蒸気側連結部61を示す拡大断面図である。
【図4】第4実施形態に係る排気熱回収器を示す断面図である。
【図5】従来の排気熱回収器を示す断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1…蒸発部、2…凝縮部、7…固定絞り(絞り機構)、7a〜7c…可変絞り(絞り機構)、61…蒸発側連結部、62…凝縮側連結部。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成19年2月19日(2007.2.19)
【代理人】 【識別番号】100100022
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 洋二

【識別番号】100108198
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 高広

【識別番号】100111578
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 史博


【公開番号】 特開2008−202451(P2008−202451A)
【公開日】 平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願番号】 特願2007−37483(P2007−37483)