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【発明の名称】 内燃機関の廃熱利用装置
【発明者】 【氏名】粕谷 潤一郎

【氏名】狩野 靖明

【要約】 【課題】内燃機関の作動状況に応じて内燃機関の冷却水加熱回路とランキンサイクル回路との両方を適正に機能させることができる内燃機関の廃熱利用装置を提供する。

【解決手段】冷却水を冷却するラジエータ(26)を有する冷却水回路(8)と、蒸発器(8)及び熱交換器(12)で熱交換領域を形成するとともに、膨張機(14)と凝縮器(16)でエネルギ発生領域(56)を形成するランキンサイクル回路(4)とを備え、ランキンサイクル回路は、エネルギ発生領域をバイパスするバイパス路(4c,4e)と、該バイパス路に切り換えることにより、熱交換器で加熱された作動流体を蒸発器に流入させ、作動流体で冷却水を加熱するヒートパイプ経路(54)を形成する流路切換手段とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却水により冷却される内燃機関と、
前記冷却水を冷却するラジエータを有し、該ラジエータで冷却された冷却水が前記内燃機関を経由して循環する冷却水回路と、
前記内燃機関を経由した冷却水と熱交換して作動流体を加熱する蒸発器、該蒸発器を経由した作動流体を熱媒体と熱交換して更に加熱する熱交換器、該熱交換器を経由した作動流体を膨張させて駆動力を発生する膨張機、該膨張機を経由した作動流体を凝縮させる凝縮器を有し、前記蒸発器及び前記熱交換器で熱交換領域を形成するとともに、前記膨張機と前記凝縮器でエネルギ発生領域を形成し、該エネルギ発生領域と該熱交換領域との間で作動流体を循環させるポンプを更に含むランキンサイクル回路とを備え、
前記ランキンサイクル回路は、前記エネルギ発生領域をバイパスするバイパス路と、該バイパス路に切り換えることにより、前記熱交換器で加熱蒸発された作動流体を前記蒸発器に流入させ、凝縮する作動流体で冷却水を加熱し、前記ポンプで再び前記熱交換器に作動流体を循環させるするヒートパイプとして機能させるヒートパイプ経路を形成する流路切換手段とを有することを特徴とする内燃機関の廃熱利用装置。
【請求項2】
前記流路切換手段は、前記冷却水回路を循環する冷却水の温度を検出する温度センサと、該温度センサで検出された冷却水の温度が所定の温度以下のときには、前記バイパス路に切り換えて前記ヒートパイプ経路を形成する切換弁と含むことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の廃熱利用装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の廃熱利用装置に係り、詳しくは、車両に好適な内燃機関の廃熱利用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の廃熱利用装置としては、例えば車両用内燃機関において、冷凍サイクルの構成部品を利用してランキンサイクル回路を形成することで内燃機関の廃熱を動力回収し、その回収した動力で内燃機関の軸出力をアシストする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この技術によると、冷凍サイクル回路はコンプレッサと蒸発器とを含んで構成されており、このコンプレッサは、内燃機関を駆動源とする圧縮機、及び内燃機関をアシストする膨張機として使用されている。また、この蒸発器は、内燃機関の冷却水回路に組み込まれた高温蒸発器と選択的に切り換えられるように構成され、この高温蒸発器を蒸発器に換えて冷凍サイクル回路に接続することでランキンサイクル回路が形成される。
【特許文献1】特許第2540738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術のランキンサイクル回路では、内燃機関の暖機に排ガスの熱を利用する点については格別な配慮がなされていない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、内燃機関の作動状況に応じて内燃機関の冷却水加熱回路とランキンサイクル回路との両方を適正に機能させることができる内燃機関の廃熱利用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の内燃機関の廃熱利用装置は、冷却水により冷却される内燃機関と、冷却水を冷却するラジエータを有し、該ラジエータで冷却された冷却水が内燃機関を経由して循環する冷却水回路と、内燃機関を経由した冷却水と熱交換して作動流体を加熱する蒸発器、該蒸発器を経由した作動流体を熱媒体と熱交換して更に加熱する熱交換器、該熱交換器を経由した作動流体を膨張させて駆動力を発生する膨張機、該膨張機を経由した作動流体を凝縮させる凝縮器を有し、蒸発器及び熱交換器で熱交換領域を形成するとともに、膨張機と凝縮器でエネルギ発生領域を形成し、該エネルギ発生領域と該熱交換領域との間で作動流体を循環させるポンプを更に含むランキンサイクル回路とを備え、ランキンサイクル回路は、エネルギ発生領域をバイパスするバイパス路と、該バイパス路に切り換えることにより、熱交換器で加熱蒸発された作動流体を蒸発器に流入させ、凝縮する作動流体で冷却水を加熱し、ポンプで再び熱交換器に作動流体を循環させるヒートパイプとして機能させるヒートパイプ経路を形成する流路切換手段とを有することを特徴としている。
【0005】
また、請求項2記載の発明では、流路切換手段は、冷却水回路を循環する冷却水の温度を検出する温度センサと、該温度センサで検出された冷却水の温度が所定の温度以下のときには、バイパス路に切り換えてヒートパイプ経路を形成する切換弁と含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の本発明の内燃機関の廃熱利用装置によれば、ランキンサイクル回路は、ポンプの作動により作動流体が循環する熱交換領域とエネルギ発生領域とを含んで構成され、エネルギ発生領域をバイパスすることにより、熱交換領域のみからなるヒートパイプ経路を形成する。このヒートパイプ経路は、熱交換器で加熱された作動流体を蒸発器に流入させて冷却水を加熱する。これにより、ランキンサイクル回路は、通常のランキンサイクルとして機能するとともに、冷却水を加熱するヒートパイプとしても機能させることができる。従って、排ガスの熱を蒸発器に積極的に導入することが可能となる。
【0007】
また、請求項2記載の発明によれば、ランキンサイクル回路のヒートパイプ経路は、温度センサで検出された冷却水の温度が所定の温度以下のときには、エネルギ発生領域をバイパスするバイパス路に切り換えて形成される。これにより、特に内燃機関の始動時には、排ガスの熱が冷却水に導入されるため、その暖機が迅速に且つ確実に実施され、内燃機関の作動状況に応じた冷却水回路及びランキンサイクル回路の両方の機能の適正化を迅速に図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面により本発明の一実施形態について説明する。
図1は本実施形態の内燃機関の廃熱利用装置2の構成を示す模式図であって、この廃熱利用装置2は、ランキンサイクル回路4と、例えば車両のエンジン(内燃機関)6を冷却する冷却水が循環する冷却水回路8とを含んで構成されている。
ランキンサイクル回路4は、蒸発器10、排ガス熱交換器(熱交換器)12、膨張機14、凝縮器16、受液器18、及びポンプ20を含んで構成され、ポンプ20の作動によって作動流体が蒸発器10、排ガス熱交換器12、膨張機14、凝縮器16、受液器18を順次流れて循環する。
【0009】
蒸発器10は、主としてポンプ20から送出される作動流体と冷却水回路8を流通する高温の冷却水との間で熱交換することにより作動流体を加熱する熱交換器である。蒸発器10内には、いずれも図示しないが、冷却水を導く冷却水経路と、作動流体を導く作動流体経路とを備え、冷却水経路と作動流体経路と間には冷却水経路と作動流体経路とを区画する境界壁が設けられている。
【0010】
排ガス熱交換器12は、エンジン6の排ガスが流出される排ガス管22内に設けられ、蒸発器10で加熱された作動流体と排ガス管22を流れる排ガスとの間で熱交換することにより作動流体が更に加熱される。
膨張機14は、蒸発器10、及び排ガス熱交換器12で加熱され過熱蒸気の状態となる作動流体の膨張によって回転等に係る駆動力を発生させる流体機器である。また、膨張機14には例えば発電機24が接続され、発電機24を介して膨張機14で発生した駆動力を廃熱利用装置2の外部で使用可能である。
【0011】
凝縮器16は、膨張機14から吐出される作動流体を外気との熱交換によって凝縮液化する熱交換器である。また、受液器18は、凝縮器16で凝縮された作動流体を気液二層に分離するレシーバであり、ここで分離された液化作動流体のみがポンプ20側に流出され、再びポンプ20の作動によって蒸発器10に流入することにより閉回路としてのランキンサイクル回路4が形成される。
【0012】
一方、冷却水回路8は、ラジエータ26、サーモスタット28、リニア三方弁34、ポンプ30を含んで構成され、冷却水が蒸発器10においてランキンサイクル回路4の作動流体と熱交換する際には、冷却水がポンプ30の作動によってエンジン6、リニア三方弁34、蒸発器10、ラジエータ26、サーモスタット28を順次流れて循環する。
ラジエータ26は、蒸発器10と直列に配列され、ポンプ30の作動によって循環される冷却水を外気との熱交換により冷却する。
【0013】
サーモスタット28には、蒸発器10とラジエータ26との間における冷却水回路8の流路8aから分岐するとともにラジエータ26を迂回してラジエータ26の下流に合流するバイパス路32が接続されている。これより、サーモスタット28は、冷却水をその冷却水温度に応じてラジエータ26へ通水させるかバイパス路32へ通水させるかを択一的に選択可能な機械式の切換弁であって、サーモスタット28が冷却水温度に応じて流路を切り換え或いはラジエータ26へ通水する冷却水の流量を配分制御することによりエンジン6の本体温度を略一定に保持し、エンジン6の過熱が防止される。
【0014】
ポンプ30は、エンジン6に装着され、エンジン6の回転数に応じて作動することによりエンジン6の冷却に要する冷却水量を冷却水回路8に循環させる。
リニア三方弁34は、エンジン6と蒸発器10との間に設置され、1つの入口ポートと2つの出口ポートとを有し、三方弁34の駆動部に入力される入力信号に比例して1つの弁体を連続的に可変駆動することにより、入口ポートに流入する冷却水を各出口ポートに配分して流出させるとともに、これら各配分流量を微調整可能な電動弁である。
【0015】
詳しくは、三方弁34の入口ポートには、エンジン6から延設される冷却水回路8の流路8bが接続され、各出口ポートには、流路8bから三方弁34を介して分岐されるとともに蒸発器10を迂回して蒸発器10の下流に合流するバイパス路36、流路8bから三方弁34を介して蒸発器10まで延設される流路8cがそれぞれ接続されている。
これより、流路8bを流れる冷却水は、三方弁34によってバイパス路36と流路8cとに配分される。流路8bを流れる冷却水流量を全流量Ft、バイパス路36を流れる冷却水流量をバイパス路配分流量Fb、流路8cを流れる冷却水流量を蒸発器配分流量Feとすると、全流量Ft=バイパス路配分流量Fb+蒸発器配分流量Feの関係式が略成立し、三方弁34は冷却水回路8の全体からみて大きな圧力損失要素とはならない構造となっている。
【0016】
一方、バイパス路36はラジエータ26のバイパス路32と一部が共用されており、この共用路8dと流路8cとからはそれぞれ冷却水圧力が導出され、これら導出された圧力は差圧センサ38に入力されている。すなわち、差圧センサ38は蒸発器10の前後における差圧ΔPを検出している。
他のセンサとしては、バイパス路32における冷却水温度Tを検出する温度センサ40が設けられる他、エンジン6に流入する冷却水の温度を直接検出する温度センサ42やエンジン6の回転数を検出する回転数センサ44がエンジン6に装着されている。
【0017】
ところで、ランキンサイクル回路4において、排ガス熱交換器12と膨張機14との間、及びポンプ20と蒸発器10との間にはそれぞれ三方切換弁(切換弁)48,50が設置されている。
これら切換弁48,50は、作動流体の入口ポート及び出口ポートとして兼用可能な3つのポートを有し、各切換弁48,50の駆動部に入力される入力信号に応じてそれぞれ1つの弁体を駆動するとともに、作動流体の流れ方向に拘らず、それぞれ異なる2つの流路のいずれか一方を択一的に選択して切換可能な電動式の切換弁である。なお、切換弁48,50の切換は同時に且つ円滑になされ、切換弁48,50は三方弁34と同様にランキンサイクル回路4の全体からみて大きな圧力損失要素とはならない構造となっている。
【0018】
詳しくは、切換弁48の各ポートには、排ガス熱交換器12から切換弁48に亘って延設される流路4a、膨張機14から切換弁48に亘って延設される流路4b、切換弁50から切換弁48に亘って延設される流路4c(バイパス路)が接続されている。
一方、切換弁50の各ポートには、蒸発器10から切換弁50に亘って延設される流路4d、受液器18から切換弁50に亘って延設される流路4e(バイパス路)、並びに上記流路4cが接続されている。また、流路4cにはポンプ20から延設される流路4fが接続され、これら各流路4a〜4fはランキンサイクル回路4の一部を構成している。
【0019】
ここで、本実施形態のランキンサイクル回路4は、切換弁48,50の切換によって作動流体の流路及び流れ方向を変更することにより、一般的なランキンサイクルとして機能するランキンサイクル経路52と、蒸発器10において冷却水を加熱するヒートパイプとして機能するヒートパイプ経路54との両方を形成できる。
詳しくは、ランキンサイクル経路52は、切換弁48が流路4aと流路4bとを連通させてなる経路52aを形成すべく切り換えられるとともに、切換弁50が流路4cと流路4dとを連通させてなる経路52bを形成すべく切り換えられて閉成される。なお、図1はランキンサイクル経路52が形成された状態を示しており、切換弁48,50の白抜きされたポートは全開ポートを示し、黒塗りされたポートは全閉ポートを示している。
【0020】
すなわち、ランキンサイクル経路52は、蒸発器10及び排ガス熱交換器12(熱交換領域)、並びに受液器18、ポンプ20以外のランキンサイクル回路4の構成要素である膨張機14、凝縮器16、発電機24からなるユニット(エネルギ発生領域)56を含んで構成されている。
一方、図2にはヒートパイプ経路54が形成された状態が示されており、この場合には、切換弁48が流路4aと流路4cとを連通させてなる経路54aを形成すべく切り換えられるとともに、切換弁50が流路4dと流路4eとを連通させてなる経路54bを形成すべく切り換えられて閉成される。なお、図1と同様に、図2中の切換弁48,50の白抜きされたポートは全開ポートを示し、黒塗りされたポートは全閉ポートを示している。
【0021】
すなわち、ヒートパイプ経路54は、上記ユニット56をバイパスして構成されており、排ガス熱交換器12で加熱された作動流体が蒸発器10において冷却水回路8を循環する冷却水を加熱する。蒸発器10で冷却水を加熱した後の作動流体は、切換弁50、受液器18、ポンプ20、切換弁48を順次経由し、再び排ガス熱交換器12に到達する。
このように、ランキンサイクル回路4は、ポンプ20を駆動源として排ガス熱交換器12で加熱蒸発された作動流体が蒸発器で放熱凝縮し循環するヒートパイプとして機能するヒートパイプ経路54を構成する。
【0022】
なお、ヒートパイプ経路54を循環する作動流体は、ランキンサイクル経路52における作動流体の流れ方向と逆方向に流れ、蒸発器10で熱交換される冷却水と作動流体との流れ方向は、ランキンサイクル経路52では対向する流れ方向であるのに対し、ヒートパイプ経路54では同一の流れ方向となる。
以下、上記した各センサ及び電動弁の制御について説明する。
【0023】
検出端たる各センサ38,40,42,44及び操作端たる三方弁34、切換弁48,50は車両及び廃熱利用装置2の総合的な制御を行う電子コントロールユニット(ECU)46に電気的に接続されており、ECU46は、差圧センサ38から検出される入力信号に基づいて三方弁34の所望の出口ポートを所望の開度に駆動制御すべく信号を出力し、温度センサ40から検出される入力信号に基づいて切換弁48,50の所望のポートを全開または全閉に同時に切換駆動すべく信号を出力する。
【0024】
詳しくは、ECU46では、差圧センサ38で検出される蒸発器10の前後の差圧ΔPに応じて三方弁34を駆動する差圧バルブ開度制御たる制御ルーチンが実行される。すなわち、差圧ΔPがECU46で予め設定された所定の差圧設定値ΔPH以下となるように三方弁34を駆動することにより、冷却水の全流量Ftが変動してもその変動分を蒸発器10へ流さずにバイパス路36に流すことにより、蒸発器配分流量Feを略一定或いはそれ以下に制限することができる。
【0025】
同じくECU46では、温度センサ40で検出される冷却水温度Tに応じて切換弁48,50を同時に切換駆動する温度バルブ切換制御(流路切換手段)たる制御ルーチンが実行され、この制御ルーチンは差圧バルブ開度制御とは独立した制御ルーチンとしてECU46内で処理されている。
以下、図3に示されるフローチャートを参照して温度バルブ切換制御について説明する。
【0026】
先ず、S0(以下、Sはステップを表す)で温度バルブ切換制御が開始されると、S1に移行する。
S1では、温度センサ40で検出された冷却水温度Tが所定の温度設定値TL以下であるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)で冷却水温度Tが所定の温度設定値TL以下と判定された場合にはS2に移行し、判別結果が偽(No)で冷却水温度Tが温度設定値TLより大きいと判定された場合にはS3に移行する。
【0027】
S2に移行した場合には、ランキンサイクル経路52を形成すべく切換弁48,50が同時に切り換えられる。既にランキンサイクル経路52が形成されている場合には、切換弁48,50の切換状態はそのまま保持される。
一方、S1においてS3に移行した場合には、ヒートパイプ経路54を形成すべく切換弁48,50が同時に切り換えられる。既にヒートパイプ経路54が形成されている場合には、切換弁48,50の切換状態はそのまま保持される。
【0028】
このようにして、S0において温度バルブ切換制御が開始されると、S1及びS2、またはS1及びS3の一連の制御ルーチンが繰り返し実行される。
以上のように、本実施形態では、ランキンサイクル回路4は、膨張機14、凝縮器16、発電機24を含むユニット56をバイパスすることにより、蒸発器10、排ガス熱交換器12、受液器18、ポンプ20のみからなる、いわば熱交換領域たるヒートパイプ経路54を形成する。このヒートパイプ経路54は、排ガス熱交換器12で加熱された作動流体を蒸発器10に流入させて冷却水回路8の冷却水を加熱する。すなわち、ランキンサイクル回路4は、通常のランキンサイクルとして機能するとともに、冷却水を加熱するヒートパイプとしても機能させることができる。
【0029】
これにより、ランキンサイクル回路4における排ガス熱交換器12の熱を蒸発器10に積極的に導入することが可能となる。
また、ランキンサイクル回路4のヒートパイプ経路54は、温度センサ40で検出された冷却水の温度Tが所定の温度設定値TLのときには、ユニット56をバイパスすべく切換弁48,50が切り換えられる。これにより、特に、冷却水温度Tが低下しているエンジン6の始動時には、ランキンサイクル回路4の機能を停止してエンジン6が冷却水で過冷却されることが防止されるのみならず、加熱された冷却水でエンジン6を迅速に暖機させることができ、エンジン6の始動時における燃費の悪化が大幅に改善される。従って、エンジン6の作動状況に応じて冷却水回路8及びランキンサイクル回路4の両方の機能を適切な時期に適切な環境でのみ適正に機能させることができる。
【0030】
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、検出端として温度センサ40を設置しているが、冷却水回路8を循環する冷却水温度が測定可能であれば良く、代わりにエンジン6に装着される温度センサ42を使用する場合にも上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0031】
また、上記実施形態では、冷却水温度に基づいて切換弁48,50を作動させ、ヒートパイプ経路を形成することにより冷却水を加熱しているが、主にエンジン6の始動時の暖機が迅速に実施されれば良く、例えばエンジン6の始動をから所定の時間だけ切換弁48,50を切り換えてヒートパイプ経路を形成するようにしても上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0032】
更に、上記実施形態では、三方切換弁たる切換弁48,50を使用しているが、ヒートパイプ経路56が形成されれば良く、例えば図4、5に示されるように切換弁48の代わりに電磁弁58,60、切換弁50の代わりに電磁弁62,64を使用して同様に制御しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の廃熱利用装置おいてランキンサイクル経路が形成された状態を示す模式図である。
【図2】図1の廃熱利用装置においてヒートパイプ経路が形成された状態を示す模式図である。
【図3】図1のECUで実行される温度バルブ切換制御の制御ルーチンを示したフローチャートである。
【図4】図1の切換弁を電磁弁に置き代えた変形例を示す模式図である。
【図5】図2の切換弁を電磁弁に置き代えた変形例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0034】
2 廃熱利用装置
4 ランキンサイクル回路
4c,4e 流路(バイパス路)
6 エンジン(内燃機関)
8 冷却水回路
10 蒸発器
12 排ガス熱交換器(熱交換器)
14 膨張機
16 凝縮器
20 ポンプ
26 ラジエータ
40 温度センサ
48,50 三方切換弁(切換弁)
54 ヒートパイプ経路
56 エネルギ発生領域
【出願人】 【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
【出願日】 平成18年11月27日(2006.11.27)
【代理人】 【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二

【識別番号】100116447
【弁理士】
【氏名又は名称】山中 純一


【公開番号】 特開2008−133728(P2008−133728A)
【公開日】 平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願番号】 特願2006−318334(P2006−318334)