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【発明の名称】 コージェネレーション装置
【発明者】 【氏名】櫛谷 和夫

【氏名】太田 一義

【氏名】吉井 克巳

【要約】 【課題】熱交換器を流れる冷却液の流量を求めることができるコージェネレーション装置を提供する。

【構成】装置は、エンジン2と、冷却液循環路3と、熱エネルギ回収系4と熱交換する熱交換器5と、並列通路6と、エンジン出口の冷却液の温度T1を検知する温度センサ81と、熱交換器5の出口側の冷却液の温度T2を検知する温度センサ82と、並列通路6の出口側の冷却液の温度T3を検知する温度センサ83とをもつ。エンジン入口温度検知手段は、冷却液循環路3のうちエンジン2の入口側の冷却液の温度T0を間接的または直接的に求める。流量検知手段は、温度T0と温度T2と温度T3とに基づいて、熱交換器5を流れる冷却液の流量V2を求める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギを発生させる発電機を駆動させるエンジンと、前記エンジンに接続され冷却液を循環させて前記エンジンを冷却する冷却液循環路と、前記冷却液循環路の冷却液を循環させる冷却液搬送源と、前記冷却液循環路に設けられ熱エネルギ回収系の熱媒体と熱交換する回収用熱交換器と、前記冷却液循環路において前記回収用熱交換器に対して並列に配置された並列通路と、前記冷却液循環路において前記エンジン出口側の冷却液の温度を検知するエンジン出口温度センサと、前記冷却液循環路において前記回収用熱交換器の出口側の冷却液の温度を検知する熱交換器出口温度センサと、前記並列通路の出口側の冷却液の温度を検知する並列通路出口温度センサと、前記回収用熱交換器を流れる冷却液の流量と、前記並列通路を流れる冷却液の流量とを、前記エンジン出口側の冷却液の温度に応じて調整する流量調整部と、を具備するコージェネレーション装置において、
前記エンジンの入口側の冷却液の温度をT0とし、前記回収用熱交換器の出口側の冷却液の温度T2とし、前記並列通路の出口側を流れる冷却液の温度T3とするとき、
前記冷却液循環路のうち前記エンジンの入口側の冷却液の温度T0を間接的または直接的に求めるエンジン入口温度検知手段と、
前記冷却液循環路における前記エンジンの入口側の冷却液の温度T0と、前記回収用熱交換器の出口側の冷却液の温度T2と、前記並列通路の出口側を流れる冷却液の温度T3とに基づいて、前記回収用熱交換器を流れる冷却液の流量を求める流量検知手段を具備することを特徴とするコージェネレーション装置。
【請求項2】
請求項1において、前記エンジン出口温度センサで検知される前記エンジンの出口側の冷却液の温度をT1とするとき、前記エンジンの出口側の冷却液の温度T1と前記回収用熱交換器の出口側の温度T2との差(T1−T2)と、前記流量検知手段で求められた前記回収用熱交換器を流れる冷却液の流量とに基づいて、
前記回収用熱交換器から前記熱エネルギ回収系の熱媒体へ熱交換されて回収される回収エネルギ量を求める回収エネルギ量演算手段が設けられていることを特徴とするコージェネレーション装置。
【請求項3】
請求項1において、前記並列通路は、前記冷却液循環路において前記回収用熱交換器に対して並列に配置されたラジエータと、前記回収用熱交換器および前記ラジエータに対して並列に配置された分岐通路とを具備しており、
前記温度T3を、前記ラジエータの出口側の冷却液の温度とするとき、
前記流量検知手段は、冷却液が前記回収用熱交換器および前記ラジエータに流れるとき、前記冷却液循環路における前記エンジンの入口側の冷却液の温度T0と、前記回収用熱交換器の出口側の冷却液の温度T2と、前記ラジエータの出口側の冷却液の温度T3とに基づいて、前記回収用熱交換器を流れる冷却液の流量を求め、
前記回収エネルギ量演算手段は、前記エンジンの出口側の冷却液の温度T1と前記回収用熱交換器の出口側の温度T2との温度差と、前記流量検知手段で求められた前記回収用熱交換器を流れる冷却液の流量とに基づいて、前記回収用熱交換器から前記熱エネルギ回収系へ回収される回収エネルギ量を求めることを特徴とするコージェネレーション装置。
【請求項4】
請求項3において、前記流量調整部は、前記回収用熱交換器に冷却液を流し始める第1開弁温度と、前記ラジエータに冷却液を流し始める第2開弁温度とを備えており、前記第2開弁温度をTh2とするとき、
T1>Th2が満足され、且つ、T2>T0および/またはT3<T0が満足されるとき、冷却液が前記ラジエータおよび前記回収用熱交換器に流れていると判定する判定手段が設けられていることを特徴とするコージェネレーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちの一項において、前記エンジン入口温度検知手段は、
前記発電機の発電出力に対応する前記エンジンの発熱量に関するデータと、前記エンジンを流れる冷却液の流量に関するデータと、前記エンジン出口温度センサで検知された前記エンジンの出口側の冷却液の温度とに基づいて、前記冷却液循環路における前記エンジンの入口側の冷却液の温度を求めることを特徴とするコージェネレーション装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はエンジンで発電機を駆動させるコージェネレーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コージェネレーション装置では、電気エネルギを生成する発電機と、発電機を駆動させるエンジンと、エンジンで冷却した冷却液の熱を熱交換する熱交換器とを備えている。そして熱交換器の二次側通路に、温水を貯める貯湯槽を設け、熱交換器から回収した熱エネルギを温水として回収し、二次側通路の貯湯槽に蓄えることにしている。このものでは、貯湯槽に蓄えた温水エネルギの利用状況を知ることが好ましい。
【0003】
特許文献1においても、貯湯槽に蓄えた温水エネルギのデータを求め、表示することにしている。この場合、熱交換器の二次側通路の温水を貯める貯湯槽の入口及び出口に温度センサを装備すると共に、二次側通路を流れる水の水量を検知する流量センサを装備することにしている。そして、流量センサで検知した二次側通路を流れる水量と、温度センサで検知した温度とに基づいて、貯湯槽に回収された熱エネルギ回収量を求めることにしている。
【特許文献1】特開2003−239806号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したコージェネレーション装置では、熱エネルギ回収量を求めることができるが、熱交換器の二次側通路を流れる水量を検知する流量センサが必要とされる。
【0005】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、様相1は、回収用熱交換器を流れる冷却液の流量を求めることができるコージェネレーション装置を提供することを課題とする。更に、様相2,3は、熱交換器の二次側通路を流れる水量を検知する流量センサを必要とすることなく、回収用熱交換器から貯湯槽等の熱エネルギ回収系へ回収される回収エネルギ量を求めることができるコージェネレーション装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)様相1に係るコージェネレーション装置は、電気エネルギを発生させる発電機を駆動させるエンジンと、エンジンに接続され冷却液を循環させてエンジンを冷却する冷却液循環路と、冷却液循環路の冷却液を循環させる冷却液搬送源と、冷却液循環路に設けられ熱エネルギ回収系の熱媒体と熱交換する回収用熱交換器と、冷却液循環路において回収用熱交換器に対して並列に配置された並列通路と、冷却液循環路においてエンジン出口側の冷却液の温度を検知するエンジン出口温度センサと、冷却液循環路において回収用熱交換器の出口側の冷却液の温度を検知する熱交換器出口温度センサと、並列通路の出口側の冷却液の温度を検知する並列通路出口温度センサと、回収用熱交換器を流れる冷却液の流量と、並列通路の出口側を流れる冷却液の流量とを、エンジン出口側の冷却液の温度に応じて調整する流量調整部と、を具備するコージェネレーション装置において、
エンジンの入口側の冷却液の温度をT0とし、回収用熱交換器の出口側の冷却液の温度T2とし、並列通路の出口側を流れる冷却液の温度T3とするとき、
冷却液循環路のうちエンジンの入口側の冷却液の温度T0を間接的または直接的に求めるエンジン入口温度検知手段と、
冷却液循環路におけるエンジンの入口側の冷却液の温度T0と、回収用熱交換器の出口側の冷却液の温度T2と、並列通路の出口側を流れる冷却液の温度T3とに基づいて、回収用熱交換器を流れる冷却液の流量を求める流量検知手段を具備することを特徴とする。
【0007】
エンジン入口温度検知手段は、冷却液循環路のうちエンジンの入口側の冷却液の温度T0を間接的または直接的に求める。温度T0を間接的に求めるとは、温度T0以外の他のパラメータから演算により温度T0を求める意味である。温度T0を直接的に求めるとは、温度センサで温度T0を求める意味である。
【0008】
流量検知手段は、冷却液循環路におけるエンジンの入口側の冷却液の温度T0と、回収用熱交換器の出口側の冷却液の温度T2と、並列通路の出口側を流れる冷却液の温度T3とに基づいて、回収用熱交換器を流れる冷却液の流量を演算により求める。
【0009】
(2)様相2に係るコージェネレーション装置によれば、上記した様相において、エンジンの出口側の冷却液の温度をT1とするとき、エンジンの出口側の冷却液の温度をT1と回収用熱交換器の出口側の温度との温度T2との差ΔT(ΔT=T1−T2)と、流量検知手段で求められた回収用熱交換器を流れる冷却液の流量V2とに基づいて、回収用熱交換器から熱エネルギ回収系へ回収される回収エネルギ量を求める回収エネルギ量演算手段が設けられていることを特徴とする。
【0010】
回収エネルギ量演算手段は、温度差ΔT(ΔT=T1−T2)と、流量検知手段で求められた回収用熱交換器を流れる冷却液の流量V2とに基づいて、回収用熱交換器から熱エネルギ回収系へ回収される回収エネルギ量を求める。
【0011】
図5は様相1,2に係る冷却液循環路の概念図を示す。図5において、エンジンの入口側の冷却液の温度をT0とし、回収用熱交換器の出口側の冷却液の温度T2とし、並列通路の出口側を流れる冷却液の温度をT3とし、エンジンを流れる冷却液の流量をV0とし、回収用熱交換器を流れる冷却液の流量V2とし、並列通路を流れる冷却液の流量V3とする。本明細書では、流量は単位時間あたり流れる冷却液の流量を意味する。温度T0、温度T2、温度T3の単位は℃とすることができる。
【0012】
図5において、冷却液循環路においては、V3・T3+V2・T2=VO・T0が基本的には成立する。また、熱交換器を流れる冷却液と、並立通路を流れる冷却液とはエンジンの入口側において合流する。このためV2+V3=V0が基本的には成立する。故にV3=V0−V2が基本的には成立する。これを代入すると、
(V0−V2)T3+V2・T2=VO・T0
V0・T3−V2・T3+V2・T2=VO・T0
V2・T2−V2・T3=VO・T0−V0・T3
V2(T2−T3)=VO(T0−T3)
V2/V0=(T0−T3)/(T2−T3)=αが成立する。
【0013】
従って、冷却液循環路を流れる冷却液全体の流量V0を相対表示で1とし、回収用熱交換器を流れる冷却液の流量比率をαとする。αとしては、α=(T0−T3)/(T2−T3)となる。この結果、流量V0が把握できれば、上記した冷却液循環路によれば、温度T0、温度T2、温度T3を求めることより、温度T0と温度T3との差と、温度T2と温度T3との差とに基づいて、上記した流量比率αは演算により求められる。なお現実には弁の内部漏れがあることがある。内部漏れが大きい場合には、補正項およびまたは補正係数を追加することが好ましい。
【0014】
ここで、流量V0は、基本的には、冷却液搬送源の搬送能力と、冷却液循環路における流過抵抗に基づいて求められる。従って、流量V0としては、固定値としても良いし、あるいは、演算式で求めても良い。あるいは、メモリ等の記憶要素に格納されているマップに固定値あるいは可変値として内蔵しておいても良い。冷却液搬送源としてはポンプが例示される。ポンプの単位時間当たりの回転数は、供給される電流の周波数および/または電流値に基づいて定まる。
【0015】
ここで、回収用熱交換器から熱エネルギ回収系へ回収される回収エネルギ量をQとすると、エンジンを経て回収用熱交換器を流れる冷却液の流量V2が大きいほど、回収エネルギ量Qは増加する。またエンジンの出口側の冷却液の温度T1が高いほど、回収エネルギ量Qは増加する。従って本様相によれば、回収用熱交換器を流れる冷却液の流量V2と、エンジンの出口側の冷却液の温度T1とに基づいて、回収エネルギ量演算手段は、回収用熱交換器から熱エネルギ回収系(例えば貯湯系)の熱媒体(例えば水)へ回収される回収エネルギ量Qを演算により求める。従って、本様相によれば、従来技術とは異なり、回収用熱交換器の二次側通路を流れる水量を検知する流量センサを必要とすることなく、熱交換器から貯湯槽に回収される回収エネルギ量Qを求めることができる。
【0016】
(3)様相3に係るコージェネレーション装置によれば、上記した様相において、並列通路は、冷却液循環路において回収用熱交換器に対して並列に配置されたラジエータと、回収用熱交換器およびラジエータに対して並列に配置された分岐通路とを具備しており、
温度T3を、ラジエータの出口側の冷却液の温度とするとき、
流量検知手段は、冷却液が回収用熱交換器およびラジエータに流れるとき、冷却液循環路におけるエンジンの入口側の冷却液の温度T0と、回収用熱交換器の出口側の冷却液の温度T2と、ラジエータの出口側の冷却液の温度T3とに基づいて、回収用熱交換器を流れる冷却液の流量V2を求め、
回収エネルギ量演算手段は、エンジンの出口側の冷却液の温度T1と回収用熱交換器の出口側の温度T2との温度差(T1−T2)と、流量検知手段で求められた回収用熱交換器を流れる冷却液の流量V2とに基づいて、回収用熱交換器から熱エネルギ回収系へ回収される回収エネルギ量を求めることを特徴とする。
【0017】
本様相によれば、流量検知手段は、冷却液循環路におけるエンジンの入口側の冷却液の温度T0と、回収用熱交換器の出口側の冷却液の温度T2と、ラジエータの出口側の冷却液の温度T3とに基づいて、回収用熱交換器を流れる冷却液の流量V2を求める。
【0018】
図6は様相3に係る冷却液循環路の概念図を示す。図6において、エンジンの入口側の冷却液の温度をT0とし、回収用熱交換器の出口側の冷却液の温度T2とし、ラジエータの出口側の冷却液の温度T3とし、エンジンを流れる冷却液の全部の流量をV0とし、回収用熱交換器を流れる冷却液の流量V2とし、ラジエータを流れる冷却液の流量V3とする。
【0019】
ここで、冷却液が回収用熱交換器およびラジエータに流れる場合には、前述同様に、V3・T3+V2・T2=VO・T0が基本的には成立する。またV3=V0−V2が成立する。これを展開すると、
(V0−V2)T3+V2・T2=VO・T0
V0・T3−V2・T3+V2・T2=VO・T0
V2・T2−V2・T3=VO・T0−V0・T3
V2(T2−T3)=VO(T0−T3)
V2/V0=(T0−T3)/(T2−T3)=α
【0020】
従って、冷却液循環路を流れる冷却液全体の流量V0を相対表示で1とし、回収用熱交換器を流れる冷却液の流量比率をαとするとき、α=(T0−T3)/(T2−T3)となる。このように冷却液循環路における温度T0、温度T2、温度T3をそれぞれ求めることより、流量V0が把握できれば、熱交換器を流れる冷却液の流量比率αは求められる。流量V0は、基本的には、冷却液搬送源の搬送能力と冷却液循環路における流過抵抗とに基づいて求められる。前記した場合は、V1=0となる温度領域である。但し現実には弁の内部漏れがあることがある。内部漏れが大きい場合には、補正項およびまたは補正係数を追加することが好ましい。
【0021】
回収用熱交換器から熱エネルギ回収系へ回収される回収エネルギ量をQとすると、回収用熱交換器を流れる冷却液の流量V2が大きいほど、回収エネルギ量Qは増加する。なお、冷却液は熱交換器側(流量V2)とラジエータ側(流量V3)とに流れるが、熱エネルギが回収されるのは熱交換器側を流れる冷却液のみが関係している。また、エンジンの出口側の冷却液の温度T1が高いほど、回収エネルギ量Qは増加する。従って、回収用熱交換器を流れる冷却液の流量V2と、エンジンの出口側の冷却液の温度T1とに基づいて、回収エネルギ量演算手段は、回収用熱交換器から貯湯槽回収される回収エネルギ量Qを求める。
【0022】
従って、本様相によれば、回収エネルギ量Qを求めるにあたり、従来技術とは異なり、回収用熱交換器の二次側通路(貯湯系の貯湯通路)を流れる水量を検知する流量センサを必要とすることなく、熱交換器から熱エネルギ回収系に回収される回収エネルギ量Qを演算により求めることができる。
【0023】
(4)様相4に係るコージェネレーション装置によれば、上記様相において、流量調整部は、回収用熱交換器に冷却液を流し始める第1開弁温度と、ラジエータに冷却液を流し始める第2開弁温度とを備えており、第2開弁温度をTh2とし、エンジン出口側の冷却液の温度をT1とし、回収用熱交換器の出口側の冷却液の温度をT2とし、ラジエータの出口側の冷却液の温度をT3とするとき、
T1>Th2が満足され、且つ、T2>T0および/またはT3<T0が満足されるとき、冷却液がラジエータおよび回収用熱交換器に流れていると判定することを特徴とする。
【0024】
この場合、T1>Th2であるため、流量調整部はラジエータ側を開放していると推定される。またT2>T0であるため、熱交換器で熱交換された冷却液と、熱交換器よりも放熱量が高いラジエータで放熱されて冷却された冷却液とが合流して、エンジンの入口側に到達していると推定される。またT3<T0であれば、熱交換器で熱交換された冷却液と、熱交換器よりも放熱量が高いラジエータで放熱されて冷却された冷却液とが合流して、エンジンの出口側に到達していると推定される。従って、冷却液が分岐通路には流れず、熱交換器およびラジエータの双方に流れていると、判定される。
【0025】
(5)様相5に係るコージェネレーション装置によれば、上記様相において、エンジン入口温度検知手段は、発電機の発電出力に対応するエンジンの発熱量に関するデータと、エンジンを流れる冷却液の流量V0に関するデータと、エンジン出口温度センサで検知されたエンジンの出口側の冷却液の温度T1とに基づいて、冷却液循環路におけるエンジンの入口側の冷却液の温度を求めることを特徴とする。この場合、エンジンの入口に供給される冷却液の温度T0を演算により求めることができる。このように温度T0を演算により求めることができるため、エンジンの入口に供給される冷却液の温度T0を検知する温度センサを廃止することができる。この場合、部品点数の削減、コスト低減に貢献できる。
【発明の効果】
【0026】
様相1に係る本発明によれば、冷却液流量検知手段は、温度T0,T2,T3に基づいて、回収用熱交換器を流れる冷却液の流量V2(冷却液循環路を流れる冷却液の流量V0に対する流量比率)を求めることができる。
【0027】
様相2等に係る本発明によれば、エンジンの出口側の冷却液の温度T1と熱交換器の出口側の温度T2との差ΔT(ΔT=T1−T2)と、流量検知手段で求められた回収用熱交換器を流れる冷却液の流量V2とに基づいて、熱交換器から熱エネルギ回収系に回収される回収エネルギ量Qを演算により求めることができる。
【0028】
このため従来技術とは異なり、回収エネルギ量Qを求めるにあたり、回収用熱交換器の二次側通路(貯湯系等の熱エネルギ回収系)を流れる流量を検知する流量センサを必要としない。但し、回収エネルギ量Qを求める以外の他の用途であれば、当該流量センサを設けても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態に係るコージェネレーション装置の概念図を示す。図1に示すように、コージェネレーション装置は、電気エネルギを発生させる発電機1と、発電機1を駆動させる駆動軸20をもつエンジン2と、エンジン2の内部の冷却空間21に接続され冷却液を循環させてエンジン2を冷却する冷却液循環路3と、冷却液循環路3の冷却液を循環させる冷却液搬送源としてのポンプ30と、冷却液循環路3を流れる冷却液の熱エネルギを回収する熱エネルギ回収系としての貯湯系4と、冷却液循環路3に設けられ貯湯系4に貯蔵される熱媒体としての水と熱交換する熱交換器5と、冷却液循環路3において熱交換器5に並列に配置された放熱用のラジエータ6と、冷却液循環路3において熱交換器5およびラジエータ6に対して並列に配置された分岐通路7とを備えている。図1に示すように、分岐通路7は熱交換器5およびラジエータ6を有してない。冷却液循環路3は、熱交換器5に連通する熱交換器通路32と、ラジエータ6に連通するラジエータ通路34とを備えている。
【0030】
エンジン2の燃料としては、ガスでも、液体でも、固体でも良い。ラジエータ6には図示しないものの、送風ファンが装備されており、単位時間あたり、ラジエータ6の放熱量は、熱交換器5における熱交換量(放熱量)よりも大きく設定されている。よってラジエータ6は、単位時間あたり、熱交換器5よりも放熱性が高いものであり、冷却液の温度が高いときに、冷却液の熱をラジエータ6を介して効果的に放出させることができるため、冷却液の過熱防止、ひいては、エンジン2の過熱防止に貢献できる。
【0031】
図1に示すように、貯湯系4は、温水を貯める貯湯槽40と、貯湯槽40に繋がる貯湯通路41と、貯湯通路41に設けられ水を熱交換器5の通路41aを介して貯湯槽40に移動させる送水手段として機能する送水ポンプ42とをもつ。貯湯系4は熱交換器5に対して二次側通路を形成する。貯湯通路41の通路41aを流れる熱媒体としての水は、熱交換器5の熱交換部5aにおいて熱交換され、エンジン2側の冷却液から熱エネルギを受け取り加熱される。加熱された貯湯通路41の水は、温水として貯湯槽40に貯留される。ここで図1に示すように、冷却液循環路3においてエンジン2に供給させる冷却液の流量をV0とし、分岐通路7を流れる冷却液の流量V1とし、熱交換器5を流れる冷却液の流量V2とし、ラジエータ6を流れる冷却液の流量V3とする。なお、冷却液循環路3において、貯湯系4の貯湯通路41、熱交換器5、熱交換器通路32、ラジエータ6、ラジエータ通路34、分岐通路7の各流路径は、既知である。
【0032】
本実施形態によれば、冷却液循環路3において、エンジン2の出口側の冷却液の温度T1を検知するエンジン出口温度センサ81が設けられている。冷却液循環路3において熱交換器5の出口側の冷却液の温度T2を検知する熱交換器出口温度センサ82が設けられている。ラジエータ6の出口側の冷却液の温度T3を検知するラジエータ出口温度センサ83が設けられている。
【0033】
温度T1,T2,T3の単位は℃とする。温度T1,T2,T3の温度信号は、それぞれ制御装置100に入力される。制御装置100は、各信号が入力される入力処理装置と、各制御信号を出力す出力処理装置と、メモリ等の記憶要素102と、CPU104とを搭載しており、流量検知手段、回収エネルギ量演算手段、判定手段を構成する。
【0034】
本実施形態によれば、エンジン2の駆動量に基づいて発電機1の発電出力Woutの値が定まる。故に、発電機1の発電出力Woutの値に対応するエンジン2の発熱量(コージェネ発熱量)Qpは、次の数式1に基づいて演算により求められる。数式1は、エンジン2の入口側の冷却液の温度T0が60℃の場合である。数式1は実験により求められるものであり、エンジン、システムが替われば、それに応じて変更される式である。
【0035】
【数1】


【0036】
また冷却液循環路3を流れる冷却液の比熱式は、次の数式2に基づいて求められる。ここで、冷却液の比熱式(kW/K)は、基本的には、冷却液流量V0(リットル/min)と、冷却液比熱c(kW/kgK)と、冷却液密度ρ(kg/リットル)とに基づいて演算により求められる。
【0037】
【数2】


【0038】
本実施形態によれば、エンジン入口温度検知手段を構成する制御装置100は、発電機1の発電出力Woutとエンジン2の発熱量Qp(コージェネ発熱量)との関係を示すデータと、エンジン2を流れる冷却液の流量V0に関するデータと、エンジン出口温度センサ81で検知されたエンジン2の出口側の冷却液の温度T1とに基づいて、冷却液循環路3におけるエンジン2の入口側の冷却液の温度T0(℃)を求める。具体的には、下記の数式3における(100)式のT0=T1−(Qp/C)に基づいて、エンジン2の入口側の冷却液の温度T0(℃)は求められる。
【0039】
【数3】


【0040】
本実施形態によれば、図1に示すように、冷却液循環路3には流量調整部9が設けられている。流量調整部9は、温度応答式の第1弁91および第2弁92を備えている。第1弁91および第2弁92は、ワックスの熱膨脹および熱収縮で開度を調整する弁で形成できるが、これに限定されるものではない。第1弁91は、エンジン2の出口側の冷却液の温度T1に応答して、分岐通路7に流れる流量V1と、熱交換器5に流れる流量V2とを調整する。具体的には、温度T1が低温側から第1弁91の第1開弁温度Th1に到達すると、第1弁91は、熱交換器5への冷却液の供給を開始する。従って、エンジン2の始動直後のように、エンジン2の出口側の冷却液の温度T1が第1開弁温度Th1よりも低いときには、冷却液の温度の低下を抑止すべく、冷却液は分岐通路7にのみ流れ、熱交換器5およびラジエータ6には流れない。温度T1が更に上昇して第1開弁温度Th1を越えると、冷却液は分岐通路7および熱交換器5の双方に流れる。温度T1が更に上昇すると(但し、第2開弁温度Th2未満)、冷却液は分岐通路7には流れず、熱交換器5のみに流れる。この場合、ラジエータ6にも流れない。
【0041】
第2弁92は、エンジン2の出口側の冷却液の温度T1に応答して、熱交換器5に流れる流量と、ラジエータ6に流れる流量とを調整する。具体的には、温度T1が低温側から第2弁92の第2開弁温度Th2(Th2>Th1)に到達すると、第2弁92は、ラジエータ6への冷却液の供給を開始する。従って、エンジン2の出口側の冷却液の温度T1が第2開弁温度Th2よりも低いときには、熱交換器5に流れるもの、ラジエータ6には流れない。温度T1が更に上昇して第2開弁温度Th2を越えると、冷却液は分岐通路7に流れず、熱交換器5およびラジエータ6の双方に流れる。温度T1が更に上昇すると、冷却液は分岐通路7および熱交換器5には流れず、ラジエータ6のみに流れ、ラジエータ6における放熱量を高める。これによりエンジン2で加熱された冷却液の過熱が防止される。
【0042】
制御装置100は、冷却液の温度T0,T1,T2,T3に応じて、次の(条件A1)〜(条件E1)の判定処理を行ない、冷却液循環路3における分岐通路7、熱交換器5、ラジエータ6のうち、いずれの通路を冷却液が流れているかを判定する。
【0043】
(条件A1)T1≦Th1が満足されるとき
T1<Th1であれば、第1弁91は分岐通路7側に開放しているもの、熱交換器5側へは開放していない。T1=Th1であれば、第1弁91が熱交換器5側へ開放する開放量はかなり少ないため、その開放量を無視することができる。このため、冷却液が実質的に分岐通路7のみに流れており、熱交換器5およびラジエータ6には流れていないと、制御装置100は判定する。なお、『≦』の記号は、『<』の記号または『=』の記号を意味する。『<』の記号の他に『=』を対象とするのは、第1弁91および第2弁92は昇温時と降温時とでは、ヒステリシス特性が発生することを考慮したものである。
【0044】
(条件B1)Th1<T1<Th2が満足され、且つ、T2≦T0が満足されるとき
Th1<T1<Th2であるため、第1弁91は熱交換器5側へ開放していると共に、第2弁92はラジエータ6側に開放していない。このため、冷却液はラジエータ6に流れず、熱交換器5に流れていると推定される。T2≦T0であれば、冷却液が熱交換器5における熱交換で冷却されているため、冷却液が分岐通路7および熱交換器5に流れていると推定される。従って、この場合には、冷却液が分岐通路7および熱交換器5の双方に流れており、ラジエータ6には流れていないと、制御装置100は判定する。
【0045】
(条件C1)T1≦Th2が満足され、且つ、T2≒T0が満足されるとき
T1≦Th2であるため、第2弁92はラジエータ6側に開放していないか、あるいは、ラジエータ6側に開放していたとしても開放量は微小であり、ラジエータ6に流れる冷却液は実質的に無視できると推定される。またT2≒T0が満足されているため、熱交換器5で熱交換された冷却液の全部がエンジン2の入口側に到達しているものと考えられる。従って、冷却液が実質的に熱交換器5のみに流れていると、制御装置100は判定する。ここで、T2/T0の値としては、冷却液循環路3における分岐通路7、熱交換器5、ラジエータ6の形態に応じて選択できる。T2/T0の値は、例えば、0.85〜1.15の範囲の数字、0.95〜1.1の範囲の数字で設定できるが、これに限定されるものではない。
【0046】
(条件D1)T1>Th2が満足されているとき。更に、T2>T0、T3<T0のいずれか少なくとも一方が満足されるとき
T1>Th2であるため、第2弁92のラジエータ6側が開放していると推定される。またT2>T0であるため、熱交換器5で熱交換された冷却液と、熱交換器5よりも放熱量が高いラジエータ6で放熱されて冷却された冷却液とが合流して、エンジン2の入口側に到達していると推定される。またT3<T0であれば、熱交換器5で熱交換された冷却液と、熱交換器5よりも放熱量が高いラジエータ6で放熱されて冷却された冷却液とが合流して、エンジン2の入口側に到達していると推定される。従って、冷却液が分岐通路7には流れず、熱交換器5およびラジエータ6の双方に流れていると、制御装置100は判定する。T1>Th2によって第2弁92のラジエータ側が開放されていることは判断できるが、部品のばらつき、ヒステリシス、経年変化による影響等を考慮し、T2>T0、T3<T0のうちのいずれか少なくとも一方による判断が加えられている。
【0047】
(条件E1)T1>Th2が満足され、且つ、T3≒T0が満足されるとき
T1>Th2であるため、第2弁92のラジエータ6側が開放しており、ラジエータ6に冷却液が流れていると推定される。T3≒T0が満足されているため、ラジエータ6で放熱された冷却された冷却液の全部がエンジン2の入口側に到達しているものと考えられる。従って、冷却液が実質的にラジエータ6のみに流れていると、制御装置100は判定する。ここで、T3/T0の値としては、例えば、0.85〜1.15の範囲の数字、0.95〜1.1の範囲の数字で設定できるが、これに限定されるものではない。
【0048】
上記した条件A1〜条件E1における判定処理に基づいて、回収エネルギ量演算手段を構成する制御装置100は、次の(A2)〜(E2)における回収エネルギ量演算処理を行い、熱交換器5から貯湯系4へ温水として回収されている回収エネルギ量Qを求める。この場合、便宜上、冷却液を水として取り扱い、比熱γは実質的に1とみなし得るため、演算式では比熱γを無視している。
【0049】
(A2)
(A2)は条件A1に対応する。この場合、冷却液が分岐通路7に流れるもの、熱交換器5およびラジエータ6には流れていないと判定されている。この場合、熱交換器5から貯湯系4へ温水として回収される回収エネルギ量をQaとすると、冷却液が熱交換器5に流れていないため、Qa=0である。
【0050】
(B2)
(B2)は条件B1に対応する。この場合、冷却液が分配通路および熱交換器5の双方に流れていると判定されている。熱交換器5から貯湯系4へ温水として回収される回収エネルギ量をQbとすると、Qb=(T1−T0)×VO×γ×ηである。ηは補正係数であり、実質的に0.9〜1.1の範囲内の数字、特に実質的に1とすることができる。
【0051】
ここで、Qb=(T1−T0)×VO×γ×ηの式は、エンジン2の出口から排出された冷却液が熱交換器5に流れ、エンジン2の入口に戻る過程において失われる熱量に相当する。分岐通路7については、熱交換性が高い熱交換器5および放熱性が高いラジエータ6が装備されていないため、分岐通路7における放熱量は実質的に無視できる。また、熱交換器5を備える熱交換器通路32においても熱交換器5以外の配管においては、熱交換器5に比較してかなり放熱量は少ない。このため熱交換器通路32について、熱交換器5以外の配管においては、放熱量は実質的に無視できる。同様に、ラジエータ6を備えるラジエータ通路34においてもラジエータ6以外の配管においては、ラジエータ6に比較してかなり放熱量は少ない。このためラジエータ通路34について、ラジエータ6以外の配管においては、放熱量は実質的に無視できる。なお、いずれにおいても、もし放熱量が無視できない場合には、補正項を追加して対応することができる。
【0052】
(C2)
(C2)は条件C1に対応する。この場合、冷却液が熱交換器5のみに流れており、分岐通路7およびラジエータ6には流れていないと、判定されている。熱交換器5から貯湯系4へ温水として回収される回収エネルギ量をQcとすると、Qc=(T1−T2)×VO×γ×ηである。ここで、(T1−T2)×VO×γ×ηは、エンジン2出口から排出された冷却液が熱交換器5に流れ、エンジン2入口に戻る過程において失われる熱量に相当する。ここで、熱交換器通路32について、熱交換器5以外の配管における放熱量は、熱交換器5における放熱量に比較してかなり小さいので、実質的に無視できる。
【0053】
(D2)
(D2)は条件D1に対応する。この場合、冷却液が分岐通路7に流れず、熱交換器5およびラジエータ6の双方に流れていると判定されている。熱交換器5から貯湯系4へ温水として回収される回収エネルギ量をQdとすると、Qd=(T1−T2)×VO×α×γ×ηである。ここでαは、V0を1と相対表示するとき、熱交換器5に流れる冷却液の流量比率に相当する。従って、VO×αは、熱交換器5に流れる冷却液の流量に相当する。ここでも、熱交換器通路32において熱交換器5以外の配管における放熱量は、熱交換器5における放熱量に比較してかなり小さいので、実質的に無視できる。
【0054】
(E2)
(E2)は条件E1に対応する。この場合、冷却液がラジエータ6に流れていると判定されている。熱交換器5から貯湯系4へ温水として回収される回収エネルギ量をQeとすると、熱交換器5に冷却液が流れていないため、Qe=0である。
【0055】
図2は、制御装置100が実行する回収エネルギ演算処理のフローチャートの一例を示す。フローチャートはこれに限定されるものではない。先ず、各温度センサ81〜83の温度T1,温度T2,温度T3を読み込む(ステップS102)。次にQpを求める(ステップS104)。次にCを求める(ステップS106)。次に、前記したようにT0=T1−(Qp/C)の演算式に基づいて、温度T0を求める(ステップS108)。温度条件が前記した条件A1に該当すれば(ステップS110)、Qaを演算で求める(ステップS112)。温度条件が前記した条件B1に該当すれば(ステップS114)、Qbを演算で求める(ステップS116)。温度条件が前記した条件C1に該当すれば(ステップS118)、Qcを演算で求める(ステップS120)。温度条件が前記した条件D1に該当すれば(ステップS122)、Qdを演算で求める(ステップS116)。温度条件が前記した条件E1に該当すれば(ステップS126)、Qeを演算で求める(ステップS128)。
【0056】
以上説明したように本実施形態によれば、熱交換器5を流れる冷却液の流量を検知する流量センサを用いることなく、温度T0,T2,T3に基づいて、熱交換器5を流れる冷却液の流量の比率αを演算で求めることができる。そして熱交換器5を流れる冷却液の流量をV2とするとき、エンジン2を流れる全体の流量V0は把握されているため、流量V2(流量V0×比率α)を演算で求めることができる。
【0057】
更に本実施形態によれば、熱交換器5から貯湯系4へ回収される回収エネルギ量をQとするとき、エンジン2の出口側の冷却液の温度T1と熱交換器5の出口側の冷却液の温度T2との温度差ΔT(ΔT=T1−T2)と、熱交換器5を流れる冷却液の流量V2とに基づいて、回収エネルギ量Qを演算で求めることができる。このため、特許文献1で用いられていた貯湯系4の貯湯通路41から熱交換器5に供給される水(熱媒体)の流量を求める流量センサの廃止、貯湯系4の貯湯通路41から熱交換器5に供給される水(熱媒体)の温度を求める温度センサの廃止を期待することもできる。但し、他の目的などで当該流量センサ、当該温度センサを装備しても良い。
【0058】
更に本実施形態によれば、冷却液循環路3におけるエンジン2の入口側の冷却液の温度をT0とするとき、エンジン入口温度検知手段を構成する制御装置100は、発電機1の発電出力Woutに対応するエンジン2の発熱量Qpに関するデータと、エンジン2を流れる冷却液の流量に関するデータと、エンジン出口温度センサ81で検知されたエンジン2の出口側の冷却液の温度T1とに基づいて、温度T0を求めることにしている。この場合、エンジン2の入口に供給される冷却液の温度T0を演算で把握することができる。従って、エンジン2の入口に供給される冷却液の温度を実際に検知する温度センサを廃止することができる。よって、部品点数の削減、コスト低減に貢献できる。但し、他の目的に使用する等のために、必要に応じて当該温度センサを用いても良い。更に本実施形態によれば、上記したように、熱交換器5から貯湯系4へ回収される回収エネルギ量Qを演算で求めることができるため、貯湯系4の貯湯通路41を流れる水の流量を検知する流量センサを廃止することができる。この結果、部品点数の削減、コスト低減に貢献できる。
【0059】
(実施形態2)
実施形態2は、実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。図3に示すように、制御装置100には、メモリ等の記憶要素102およびCPU104が搭載されている。記憶要素102の所定のエリアには、発電機1の発電出力Woutとエンジン2の発熱量Qp(kW)との関係を示すデータを格納する第1マップ201が搭載されている。更に、記憶要素102の所定のエリアには、エンジン2を流れる冷却液の流量V0(リットル/min)に関するデータを格納する第2マップ202が搭載されている。更に、冷却液の流量V0(リットル/min)と冷却液比熱式C(kW/K)との関係を示す第3マップ203が搭載されている。
【0060】
ここで、図4は、実際のコージェネレーション装置における実機データを示す。図4のデータを作成するにあたり、実際のコージェネレーション装置に用い、貯湯通路41を流れる水の流量を測定する流量センサを実際に取り付け、貯湯通路41のうち熱交換器5の前後に温度センサを実際に取り付けた。この状態において、エンジン2の出口側の温度T1を変更したとき、当該流量センサで検知された貯湯通路41を流れる水の流量と、熱交換器5から貯湯通路41が受熱して昇温した温度とに基づいて、貯湯槽40に回収された回収熱量を実際に求めた。更に発電機1の発電出力Wout(kW)を変更させた。そして、回収熱量(kW)と温度T1(℃)と発電機1の発電出力Wout(kW)との関係を図4に示した。図4に示すデータに基づいて、第1マップ201は作成されている。
【0061】
冷却液循環路3の通路構造が複雑である場合には、エンジン2を流れる冷却液の流量V0は、ポンプ30に通電される電流の周波数および電流値の他に、冷却液循環路3の通路構造にも影響を受ける。冷却液循環路3の通路構造は固定的構造である。ポンプ30に通電される電流の周波数および/または電流値に応じて、エンジン2を流れる冷却液の流量V0に関するデータが、第2マップ202に格納されている。従って、制御装置100のCPU104は、発電機1の発電出力Wout(kW)に対応するエンジン2の発熱量Qp(kW)に関するデータを第1マップ201から抽出し、エンジン2を流れる冷却液の流量V0(リットル/min)に関するデータを第2マップ202から抽出し、更に、T0=T1−(Qp/C)に従い、温度T0(℃)を演算で求める。CPU104は、上記したように温度T0(℃)を演算で求めるため、エンジン2の入口に供給される冷却液の温度T0を実際に検知する温度センサを廃止することができる。よって部品点数の削減、コスト低減に貢献できる。
【0062】
(実施形態3)
実施形態3は、実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。但し、実施形態1では説明し易くするため、冷却液として水を使用して説明したが、実施形態3では、冷却液として、エチレングリコールと水とが共存する混合物が用いられている。このため、比熱の値の変動を考慮している。次の(条件A3)〜(条件E3)は、前記した(A1)〜(E1)にそれぞれ対応している。
【0063】
(条件A3)T1≦Th1が満足されるとき
T1<Th1であれば、第1弁91は熱交換器5側へは開放しておらず、冷却液が分岐通路7のみに流れていると、制御装置100は判定する。従って、熱交換器5から貯湯系4へ温水として回収される回収エネルギ量をQawとすると、熱交換器5には冷却液が流れていないため、Qaw=0である。
【0064】
(条件B3)Th1>T1>Th2が満足され、且つ、T2≦T0が満足されるとき
この場合、前述したように、冷却液が分岐通路7および熱交換器5の双方に流れており、ラジエータ6には流れていないと、制御装置100は判定する。熱交換器5から貯湯系4へ温水として回収される回収エネルギ量をQbwとすると、次の数式4に示すように、Qbw=(T1−T0)×C×ηである。補正係数ηは1とみなしている。ここで、Cには、前述した数式2から理解できるように、冷却液の密度ρと、冷却液の比熱cと、流量V0のパラメータが含まれている。
【0065】
【数4】


【0066】
(条件C3)T1≦Th2が満足され、且つ、T2≒T0が満足されるとき
この場合、前述したように、冷却液が分岐通路7およびラジエータ6に流れず、実質的に熱交換器5のみに流れていると、制御装置100は判定する。熱交換器5から貯湯系4へ温水として回収される回収エネルギ量をQcwとすると、Qcw=(T1−T2)×C×ηである。補正係数ηは1とみなしている。
【0067】
(条件D3)T1>Th2が満足され、且つ、T2>T0および/またはT3<T0が満足されるとき
この場合、前述したように、冷却液が分岐通路7に流れず、熱交換器5およびラジエータ6の双方に流れていると、制御装置100は判定する。熱交換器5から貯湯系4へ温水として回収される回収エネルギ量をQdwとすると、数式5に示すように、Qdw=(T1−T2)×C×α×ηである。補正係数ηは1とみなしている。ここで前述したように、α=(T0−T3)/(T2−T3)が成立する。
【0068】
【数5】


【0069】
(条件E3)T1>Th2が満足され、且つ、T3≒T0が満足されるとき
この場合、前述したように、冷却液がラジエータ6のみに流れていると、制御装置100は判定する。熱交換器5から貯湯系4へ温水として回収される回収エネルギ量をQewとすると、冷却液は熱交換器5に流れていないため、Qew=0である。上記した条件A3〜条件E3における処理に基づいて、回収エネルギ量演算手段を構成する制御装置100は、熱交換器5から貯湯系4へ温水として回収される回収エネルギ量Qを演算で求めることができる。このため貯湯通路41を流れる流量を検知する流量センサを廃止することができる。但し、回収エネルギ量Qの演算以外の用途であれば、当該流量センサを貯湯通路41に設けても良い。
【0070】
上記した実施形態では、流量調整部9は、第1弁91と第2弁92とで形成されているが、これに限らず、単一構造の三方弁等の弁としも良い。流量調整部9はワックス式に限らず、電磁弁としても良い。その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施可能である。ある実施形態に設けられている特有の構造および機能は、他の実施形態においても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明はコージェネレーション装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】コージェネレーション装置のブロック図である。
【図2】制御装置が実行するフローチャートの一例である。
【図3】制御装置の記憶要素に格納されているデータを示す図である。
【図4】エンジンの出口側の温度T1と、貯湯槽に回収された実際の回収熱量と、発電機の発電出力Woutとの関係を示すグラフである。
【図5】発明概念を説明する概念図である。
【図6】発明概念を説明する別の概念図である。
【符号の説明】
【0073】
1は発電機、2はエンジン、3は冷却液循環路、30はポンプ(冷却液搬送源)、32は熱交換器通路、34はラジエータ通路、4は貯湯系(熱エネルギ回収系)、40は貯湯槽、41は貯湯通路、6はラジエータ、7は分岐通路、81はエンジン出口温度センサ、82は熱交換器出口温度センサ、83はラジエータ出口温度センサ、9は流量調整部、91は第1弁、92は第2弁を示す。
【出願人】 【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
【出願日】 平成18年8月28日(2006.8.28)
【代理人】 【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏


【公開番号】 特開2008−51073(P2008−51073A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−230674(P2006−230674)