トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F02 燃焼機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの

【発明の名称】 タービンエンジン用のヒートパイプベースの冷却装置
【発明者】 【氏名】カッタライチェリ・スリニヴァサン・ヴェンカッタラマニ
【氏名】トーマス・オーリー・モニズ
【氏名】ジャスティン・ピー・スティーブンソン
【氏名】ウィリアム・アンドリュー・ベイリー
【課題】外部空気流に曝される外板15によって形成された外表面17を有するカウリング14を備えたタイプのタービンエンジン用の冷却装置18を提供する。

【構成】本冷却装置18は、カウリング14内に配置された少なくとも1つのヒートパイプ20を含む。ヒートパイプ20は、ケーシングの外表面17と熱的に結合した第1の端部29と熱源に熱的に結合した第2の端部44とを有しており、熱源からの熱を、ヒートパイプ20を通して外部空気流に移送することができるようになっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部空気流に曝される外板(15)によって形成された外表面(17)を有するカウリング(14)を備えたタービンエンジン用の冷却装置(18)であって、
前記カウリング(14)の外表面(17)と熱的に結合した第1の端部(29)と熱源に熱的に結合した第2の端部(44)とを有する少なくとも1つのヒートパイプ(20)を含み、
前記熱源からの熱を、前記ヒートパイプ(20)を通して前記外部空気流に移送することができるようになっている、
冷却装置(18)。
【請求項2】
内側パネル(24)及び周壁(26)を備えかつ開口部(27)を形成したトレー(22)をさらに含み、
前記開口部(27)が、前記外表面(17)と熱連通状態で配置され、
前記少なくとも1つのヒートパイプ(20)の各々の第1の端部(29)が、前記トレー(22)内に収容される、
請求項1記載の冷却装置(18)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのヒートパイプ(20)の第2の端部が、それを通して加熱流体の流れを受けるようになった熱交換器の中空内部内に配置される、請求項2記載の冷却装置(18)。
【請求項4】
前記トレー(22)内部の前記少なくとも1つのヒートパイプ(20)の端部が、非円形断面形状を有する、請求項2記載の冷却装置(18)。
【請求項5】
前記トレー(22)内部にかつ前記少なくとも1つのヒートパイプ(20)の周りに配置された熱伝導性充填材料(32)をさらに含む、請求項2記載の冷却装置(18)。
【請求項6】
前記充填材料(32)の外面が、前記カウリング(14)の外表面(17)の一部分を形成するような形状になっている、請求項5記載の冷却装置(18)。
【請求項7】
前記カウリング(14)の外板(15)が、前記トレー(22)の開口部を覆って延びる、請求項2記載の冷却装置(18)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのヒートパイプ(20)が、前記外板(15)の内部表面に当接して配置される、請求8記載の冷却装置(18)。
【請求項9】
各ヒートパイプ(20)が、作動流体を収容する空洞(30)を形成した閉端部付きの細長い外壁(28)を含む、請求項1記載の冷却装置(18)。
【請求項10】
前記熱源が、前記タービンエンジンからの潤滑オイルであり、
該冷却装置(18)が、前記潤滑オイルを許容作動温度に維持するのを可能にする、
請求項1記載の冷却装置(18)。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、総括的にはタービンエンジン関し、より具体的には、ガスタービンエンジンから過剰な熱を移送する冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンでは、加圧オイルを使用して様々な構成部品(例えば、軸受など)を潤滑しかつ冷却する。潤滑オイルは、その過程において大量の熱を収集するが、この大量の熱は、廃棄して潤滑オイル温度を許容限界値内に維持しなければならない。先行技術のガスタービンエンジンは、多くの場合、ファン吐出空気のような比較的低温の空気ストリームを使用してエンジン潤滑オイルを冷却する熱交換器を利用する。ターボファン式エンジンでは、この熱交換器は、ファンダクト流路内に設置されることが多い。このような構成により、圧力損失が発生し、従って燃料燃焼上の大きな不利益が生じる。このタイプの構成と関連した燃料消費率(SFC)の低下は、1%もの大きさになる可能性がある。また、この構成と関連した費用及び重量上の不利益も発生する。
【特許文献1】米国特許第6,990,797号公報
【特許文献2】米国特許第6,308,524号公報
【特許文献3】米国特許第5,979,220号公報
【特許文献4】米国特許第5,975,841号公報
【特許文献5】米国特許第5,964,279号公報
【特許文献6】米国特許第5,878,808号公報
【特許文献7】米国特許第5,439,351号公報
【特許文献8】米国特許第5,192,186号公報
【特許文献9】米国特許第5,178,514号公報
【特許文献10】米国特許第5,046,920号公報
【特許文献11】米国特許第4,419,044号公報
【特許文献12】米国特許第4,240,257号公報
【特許文献13】米国特許第4,218,179号公報
【特許文献14】米国特許第4,207,027号公報
【特許文献15】米国特許第4,199,300号公報
【特許文献16】米国特許第4,186,559号公報
【特許文献17】米国特許第3,965,681号公報
【特許文献18】英国特許出願公開第2,136,880 A号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
先行技術における上述の欠点は、エンジン潤滑オイルから不用の熱を取除き、その熱を外部環境に廃棄する冷却装置を提供する本発明によって解決される。この熱は、弁類又はポンプ類を全く必要としない軽量で密閉式かつ受動式のヒートパイプを使用して移送される。さらに、ヒートパイプは、エンジン内部での火災原因となるのを回避するために非可燃性の作動流体を使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの態様によると、外部空気流に曝される外板によって形成された外表面を有するカウリングを備えたタイプのタービンエンジン用の冷却装置を提供する。本冷却装置は、カウリング内に配置された少なくとも1つのヒートパイプを含み、ヒートパイプは、ケーシングの外表面と熱的に結合した第1の端部と熱源に熱的に結合した第2の端部とを有しており、熱源からの熱を、ヒートパイプを通して外部空気流に移送することができるようになっている。
【0005】
本発明の別の態様によると、ガスタービンエンジンは、ケーシングと、ケーシングを囲みかつ外部空気流に曝される外板によって形成された外表面を含むカウリングと、カウリング内に配置された少なくとも1つのヒートパイプとを含み、ヒートパイプは、外表面と熱的に結合した第1の端部と熱源に熱的に結合した第2の端部とを有しており、熱源からの熱を、ヒートパイプを通して外部空気流に移送することができるようになっている。
【0006】
またここでは、外部空気流に曝される外板によって形成された外表面を有するカウリングを備えたタイプのタービンエンジンにおいて流体を冷却する方法を開示する。この方法は、カウリング内に配置された状態で少なくとも1つのヒートパイプを設ける段階と、少なくとも1つのヒートパイプの第1の端部を外表面と結合する段階と、少なくとも1つのヒートパイプの第2の端部をエンジン内部の加熱流体源に結合する段階と、少なくとも1つのヒートパイプ内の流体から熱を受けかつその熱を外表面を通して外部空気流に移送する段階とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、添付図面の図と関連してなされた以下の説明を参照することによって最もよく理解することができる。
【0008】
様々な図全体を通して同一の参照符号が同じ要素を示している図面を参照すると、図1及び図2は、ガスタービンエンジンを囲むナセル10を示す。この実施例では、ナセル10は、外板15(図3参照)を有するファンカウリング14を含み、外板15は、外部空気流に曝されるファンカウリング14の外表面17を形成する。ファンカウリング14はファンケーシング16を囲み、ファンケーシング16は次に、回転ファン(図示せず)を囲む。ファンカウリング14は、ファンによって噴出される空気のうちのエンジンの「コア部」に流入しない部分のための流路を形成する。本発明は、例えばファンカウリングがない純ターボジェットエンジンのような他のエンジン構成にも同様に適用可能である。冷却装置18は、ファンカウリング14上の外部流れと熱連通状態で該ファンカウリング14内に配置される。図1では、明瞭に示すために、冷却装置18の構成部品は露出させているが、冷却装置は、使用時には以下に説明するように、空気流に対して空気力学的に滑らかな外板で覆われている。
【0009】
図2及び図3は、冷却装置18の構造及び該冷却装置のエンジン潤滑オイルシステムに対する接続の細部を示す。冷却装置18は、複数のヒートパイプ20を含む。この図示した実施例では、ヒートパイプ20は、開口部27を形成する内側パネル24及び周壁26を有するオープントレー22の内部に並列平行アレイの形態で配置される。冷却装置18の軸方向及び半径方向の広がりは、必要に応じて特定の用途に適合するように変化させることができることに注目されたい。例えば、より多くの数のヒートパイプ20を使用して、冷却装置18がファンカウリング14の円周部の非常に大きな部分にわたって延びるようにすることができる。トレー22内部に配置されたヒートパイプ20の端部又は一部分は、「低温」すなわち「凝縮」端部29と呼ばれ、ファンカウリング14の外表面17と熱的に結合される。
【0010】
各ヒートパイプ20は、空洞30を形成した閉端部付きの細長い外壁28を有する。空洞30は、ウィック又は他の毛管構造体(図示せず)で内張りされかつ作動流体を保持する。ヒートパイプ内で使用するために、例えばガス、水、有機物質及び低融点金属のような様々な作動流体が知られている。作動流体は、ヒートパイプ20が漏洩又は破損した場合にファンケーシング16の領域内に火災原因が生じるのを回避するために非可燃性とすることができる。
【0011】
ヒートパイプ20は、トレー22内部に配置した充填材料32内に「埋め込む」ことができる。明瞭にするために、充填材料32は、図3にだけ示しており、図2には示していない。金属、伝導性ペースト又はプラスチックのような、その形状を維持することになりかつ比較的高い熱伝導性を有するあらゆる材料を使用することができる。充填材料32は、ヒートパイプ20を所望の位置及びスペース内に保持するように機能する。充填材料32の外面34は、ファンカウリング14の外板15によって形成された表面に一致しかつヒートパイプ20から外部空気流まで熱伝達経路を形成するような形状にされる。
【0012】
ヒートパイプ20は、熱の移送に極めて有効である。例えば、ヒートパイプの有効熱伝導率は、固体銅の熱伝導率よりも数オーダの大きさほど高い。ヒートパイプ20の数、長さ、直径、形状、作動流体及び他の性能パラメータは、エンジン運転時において所望の熱伝達度を達成するように選択される。ヒートパイプ20の作動については、以下により詳細に説明する。
【0013】
図3には円形として示しているが、トレー22内に位置するヒートパイプ20の部分は、パッケージングボリューム又は熱伝達を向上させながら所望の断面積に適応するような卵形、扁平又は他の非円形断面形状に形成することができる。例えば、図4は、トレー22’、ヒートパイプ20’及び充填材料32’を含む僅かに異なる冷却装置18’を示す。この変形例では、ファンカウリング14の外板15は、充填材料32’を覆って延びる。ヒートパイプ20’は、外板15の内部表面に当接して配置されかつ外板15への熱伝達を高めるために卵形形状に扁平化される。この構成を使用することにより、ファンカウリング14の空気力学的外部輪郭は、断続部がない状態に保たれる。
【0014】
再び図2を参照すると、熱交換器38は、ファンケーシング16の外側上に取付けられる。熱交換器38は単に、開いた内部を備えたハウジングとすることができる。この図示した実施例では、エンジン潤滑システムからの潤滑オイルは、掃気管路40を通って熱交換器38に流入する。熱交換器38から流出した後に、潤滑オイルは、必要になるまで貯蔵タンク42内に流れ、必要になった時には、潤滑オイルはエンジン潤滑システムに戻るように流れる。潤滑オイル貯蔵、循環及び分配システムの残りの部分は、ガスタービンエンジン技術における従来型のものであり、ここでは説明しない。必要に応じて、冷却装置18は、例えば該冷却装置をエンジン内部の他の流体システムに接続することによって他のタイプの熱源から熱を取除くように使用することができる。
【0015】
各ヒートパイプの一端部は、熱交換器38内部に配置される。この部分は、ヒートパイプ20の「高温」すなわち「蒸発」端部44と呼ばれる。ヒートパイプ20に関して使用する場合での「高温」、「蒸発」、「低温」及び「凝縮」という用語は、比較的高い又は低い温度の領域にヒートパイプ20を位置決めすることについて記述するものであり、ヒートパイプ20自体の構造の何らかの特定の態様に関するものではないことに注目されたい。
【0016】
明瞭にするために図示していないが、熱損失を防止するのが望ましい冷却器及び関連する構造体のあらゆる箇所の内部に、断熱材を設けることができる。例えば、断熱材は、トレー22の外部の周り、ヒートパイプ20の露出部分の周り及び熱交換器38の回りに配置することができる。
【0017】
運転中、エンジンの様々な部分から吸収した熱を有する潤滑オイルは、熱交換器38内に循環し、熱交換器38内において、潤滑オイルはヒートパイプ20の高温すなわち蒸発端部44を加熱する。熱除去により、潤滑オイルは許容作動温度まで冷却され、潤滑オイルは、貯蔵タンク42内に流れ、その後エンジン内に再循環することができるようになる。ヒートパイプ20内の作動流体は、潤滑オイルの熱を吸収しかつ蒸発する。発生した蒸気は次に、空洞30を通って移動し、ヒートパイプ20の低温端部29において凝縮し、それによって熱を低温端部29まで移送する。ヒートパイプ20の一端部から他端部まで延びるウィック又はその他の毛管構造体は、凝縮した液体を例えば毛管作用によって高温端部44まで輸送して戻し、それによって回路を完成させる。低温端部29の熱は、ファンカウリング14の充填材料32及び/又は外板15を通して外部空気流に移送される。
【0018】
本明細書に記載した冷却装置18は、受動式であり、弁を全く必要とせずかつシール式である。ヒートパイプ20の数、寸法及び位置は、必要に応じて熱除去及び移送を行うように選択することができる。この構成は、ファンダクト流路内部の先行技術型の熱交換器を排除しかつSFCを向上させる利点をもたらす。ファンダクト流路内部に衝突対象となる熱交換器露出部分が存在しないので、異物損傷もまた、先行技術と比較してその懸念がより少なくなる。さらに、ヒートパイプ作動流体として水を使用することができ、従って非毒性及び非可燃性設計を確保することができることになる。
【0019】
本発明の特定の実施形態について説明してきたが、本発明の技術思想及び技術的範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な改良を加えることができることは当業者には明らかであろう。従って、本発明の好ましい実施形態及び本発明を実行するための最良の形態についての上記の説明は、限定のためではなく単に例示のためのみに示したものであって、本発明は、特許請求の範囲によって定まる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の態様により構成したナセル及びバイパスダクトを含むガスタービンエンジンの一部分の斜視図。
【図2】図1のエンジン内部に取付けた、本発明の態様により構成した冷却装置の斜視図。
【図3】図2の線3−3に沿って取った冷却器の断面図。
【図4】本発明の別の態様により構成した冷却器の断面図。
【符号の説明】
【0021】
10 ナセル
14 ファンカウリング
15 外板
16 ファンケーシング
17 外表面
18 冷却装置
20 複数のヒートパイプ
22 オープントレー
24 内側パネル
26 周壁
27 開口部
28 外壁
29 凝縮端部
30 空洞
32 充填材料
34 外面
38 熱交換器
40 掃気管路
42 貯蔵タンク
44 蒸発端部

特許の図
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成19年8月28日(2007.8.28)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一

【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博

【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久

【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
【公開番号】 特開2008−57538(P2008−57538A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2007−220841(P2007−220841)