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【発明の名称】 梯子のゴムライニング方法およびこれに用いる治具
【発明者】 【氏名】佐々木 公彦

【氏名】佐々木 勉

【氏名】工藤 光夫

【要約】 【課題】ゴムシートを交差部であっても癖付けして圧着することができ、施工も容易な梯子のゴムライニング方法およびこれに用いる治具を提供すること。

【解決手段】梯子10の手摺用部材11、足掛用部材12、脚部用部材13をそれぞれ覆うことができる形状に裁断されたライニング用ゴム部材21,22,23、でこれらの部材を覆った後、3種類の圧着治具を用いて手摺用部材と足掛用部材との交差部A、手摺用部材と足掛用部材と脚部用部材との交差部B、足掛用部材の外周部Cそれぞれを外側から覆って圧着してライニング用ゴム部材を固定した後、圧着治具をそれぞれ取り外し、次いで、ゴムライニングされた梯子を加硫するようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本の平行な手摺用部材と、これら手摺用部材の間に一定間隔で取り付けられる複数の足掛用部材と、前記手摺用部材の少なくとも4箇所に設けられて梯子の設置面からの間隔を保持する脚部用部材とを組み立ててなる梯子にゴムライニングを施すに際し、
前記手摺用部材、足掛用部材、脚部用部材をそれぞれ覆うことができる形状に裁断されたライニング用ゴム部材で当該それぞれの部材を覆った後、
前記手摺用部材と前記足掛用部材との交差部、前記手摺用部材と前記足掛用部材と前記脚部用部材との交差部、前記足掛用部材の外周部それぞれを外側から覆って圧着し得る3種類の圧着治具を用いて前記ライニング用ゴム部材を圧着固定した後、前記圧着治具をそれぞれ取り外し、
次いで、ゴムライニングされた梯子を加硫するようにしたことを特徴とする梯子のゴムライニング方法。
【請求項2】
前記圧着治具に手動また流体圧駆動による加圧圧着手段を設けて前記ライニング用ゴム部材を圧着固定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の梯子のゴムライニング方法。
【請求項3】
前記足掛用部材の外周部の前記ライニング用ゴム部材を圧着する圧着治具に、凹凸部を形成して前記ゴムライニング表面にすべり止めを施すようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の梯子のゴムライニング方法。
【請求項4】
2本の平行な手摺用部材と、これら手摺用部材の間に一定間隔で取り付けられる複数の足掛用部材と、前記手摺用部材の少なくとも4箇所に設けられて梯子の設置面からの間隔を保持する脚部用部材とを組み立ててなる梯子の前記手摺用部材と前記足掛用部材との交差部、前記手摺用部材と前記足掛用部材と前記脚部用部材との交差部、前記足掛用部材の外周部それぞれを外側から覆ってライニング用ゴム部材を圧着する梯子のゴムライニング用治具であって、
前記交差部または前記外周部の部材空間と、これら部材空間に前記覆ったライニング用ゴム部材を圧着し得る圧着空間とを備える治具本体を、開閉可能に連結して構成したことを特徴とする梯子のゴムライニング用治具。
【請求項5】
前記治具本体に、外側から圧着力を加える加圧圧着手段を設けて構成したことを特徴とする請求項4記載の梯子のゴムライニング用治具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、梯子のゴムライニング方法およびこれに用いる治具に関し、鉄などの金属を芯材とし、耐候性や耐薬品性などの向上を図るためのゴムライニングを施す梯子で、ゴムライニングの密着性を高めたり、すべり止め効果を高めることができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
高所への昇り降りのため使用される梯子は、設置される環境によって耐候性や耐薬品性が要求される場合などがあり、鉄などの金属材料を組み立てて構成した梯子をゴムなどで覆ってゴムライニングすることが行なわれている。
【0003】
従来、梯子へのゴムライニングは、手摺部分や足掛部分、さらには固定用の脚部分などの形状に合わせて裁断したゴムシートを梯子の各部を覆うように接着剤を介して取り付けてゴムライニングを施した後、テープなどにより全体を締め付けて加硫缶で加硫して鉄芯とゴムとの接着力を確保するようにしていた。
【0004】
また、金属のゴムライニング方法として、特許文献1に開示された方法では、金属との接着強度を確保できる金属面プライマーを用い、この上に塩化ゴム系プライマーを塗布することで、金属面プライマーと塩化ゴム系プライマーとの接着強度を確保すると同時に、ゴムシートとの接着強度を確保できるようにしている。
【特許文献1】特開2001−354912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の梯子のゴムライニング方法では、手摺部分と足掛部分との2つの部材の交差部や手摺部分と足掛部分と脚部分との3つの部材の交差部でゴムシートを密着させることが難しく、テープで締め付けるようにすると、工数が増大してしまうという問題がある。
【0006】
また、特許文献1のように、金属面プライマーと塩化ゴム系プライマーとを用いることで、接着強度を向上できるものの、接着前にゴムシートを鉄芯の上記各交差部の形状に癖付けして密着させることができないという問題がある。
【0007】
この発明は、かかる従来技術の問題に鑑みてなされたものであって、ゴムシートを交差部であっても癖付けして圧着することができ、施工も容易な梯子のゴムライニング方法およびこれに用いる治具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためこの発明の請求項1記載の梯子のゴムライニング方法は、2本の平行な手摺用部材と、これら手摺用部材の間に一定間隔で取り付けられる複数の足掛用部材と、前記手摺用部材の少なくとも4箇所に設けられて梯子の設置面からの間隔を保持する脚部用部材とを組み立ててなる梯子にゴムライニングを施すに際し、前記手摺用部材、足掛用部材、脚部用部材をそれぞれ覆うことができる形状に裁断されたライニング用ゴム部材で当該それぞれの部材を覆った後、前記手摺用部材と前記足掛用部材との交差部、前記手摺用部材と前記足掛用部材と前記脚部用部材との交差部、前記足掛用部材の外周部それぞれを外側から覆って圧着し得る3種類の圧着治具を用いて前記ライニング用ゴム部材を圧着固定した後、前記圧着治具をそれぞれ取り外し、
次いで、ゴムライニングされた梯子を加硫するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
この梯子のゴムライニング方法によれば、梯子の手摺用部材、足掛用部材、脚部用部材をそれぞれ覆うことができる形状に裁断されたライニング用ゴム部材でこれらの部材を覆った後、3種類の圧着治具を用いて手摺用部材と足掛用部材との交差部、手摺用部材と足掛用部材と脚部用部材との交差部、足掛用部材の外周部それぞれを外側から覆って圧着してライニング用ゴム部材を固定した後、圧着治具をそれぞれ取り外し、次いで、ゴムライニングされた梯子を加硫するようにしており、圧着治具でライニング用ゴム部材を交差部などの形状に癖付けして圧着でき、接着力を向上し、簡単に施工できるようになる。
【0010】
また、この発明の請求項2記載の梯子のゴムライニング方法は、請求項1記載の構成に加え、前記圧着治具に手動また流体圧駆動による加圧圧着手段を設けて前記ライニング用ゴム部材を圧着固定するようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
この梯子のゴムライニング方法によれば、圧着治具に手動また流体圧駆動による加圧圧着手段を設けてライニング用ゴム部材を圧着固定するようにしており、加圧圧着手段で一層強固に癖付けして圧着できるようになる。
【0012】
さらに、この発明の請求項3記載の梯子のゴムライニング方法は、請求項1または2記載の構成に加え、前記足掛用部材の外周部の前記ライニング用ゴム部材を圧着する圧着治具に、凹凸部を形成して前記ゴムライニング表面にすべり止めを施すようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
この梯子のゴムライニング方法によれば、足掛用部材の外周部のライニング用ゴム部材を圧着する圧着治具に、凹凸部を形成してゴムライニング表面にすべり止めを施すようにしており、ライニング用ゴム部材の癖付けと同時に凹凸によるすべり止めを施すことができるようになる。
【0014】
また、この発明の請求項4記載の梯子のゴムライニング用治具は、2本の平行な手摺用部材と、これら手摺用部材の間に一定間隔で取り付けられる複数の足掛用部材と、前記手摺用部材の少なくとも4箇所に設けられて梯子の設置面からの間隔を保持する脚部用部材とを組み立ててなる梯子の前記手摺用部材と前記足掛用部材との交差部、前記手摺用部材と前記足掛用部材と前記脚部用部材との交差部、前記足掛用部材の外周部それぞれを外側から覆ってライニング用ゴム部材を圧着する梯子のゴムライニング用治具であって、前記交差部または前記外周部の部材空間と、これら部材空間に前記覆ったライニング用ゴム部材を圧着し得る圧着空間とを備える治具本体を、開閉可能に連結して構成したことを特徴とするものである。
【0015】
この梯子のゴムライニング用治具によれば、梯子のゴムライニング用治具で、交差部または外周部の部材空間と、これら部材空間に覆ったライニング用ゴム部材を圧着し得る圧着空間とを備える治具本体を、開閉可能に連結して構成しており、治具本体をライニング用ゴム部材の上から被せて閉じるようにすることで、簡単に交差部などでのライニング用ゴム部材を圧着して癖付けすることができるようになる。
【0016】
さらに、この発明の請求項5記載の梯子のゴムライニング用治具は、請求項4記載の構成に加え、前記治具本体に、外側から圧着力を加える加圧圧着手段を設けて構成したことを特徴とするものである。
【0017】
この梯子のゴムライニング用治具によれば、治具本体に、外側から圧着力を加える加圧圧着手段を設けて構成してあり、加圧圧着手段で一層強固に癖付けして圧着できるようになる。
【発明の効果】
【0018】
この発明の請求項1記載の梯子のゴムライニング方法によれば、梯子の手摺用部材、足掛用部材、脚部用部材をそれぞれ覆うことができる形状に裁断されたライニング用ゴム部材でこれらの部材を覆った後、3種類の圧着治具を用いて手摺用部材と足掛用部材との交差部、手摺用部材と足掛用部材と脚部用部材との交差部、足掛用部材の外周部それぞれを外側から覆って圧着してライニング用ゴム部材を固定した後、圧着治具をそれぞれ取り外し、次いで、ゴムライニングされた梯子を加硫するようにしたので、圧着治具でライニング用ゴム部材を交差部などの形状に癖付けして圧着することができ、接着力を向上し、簡単に施工することができる。
【0019】
また、この発明の請求項2記載の梯子のゴムライニング方法によれば、圧着治具に手動また流体圧駆動による加圧圧着手段を設けてライニング用ゴム部材を圧着固定するようにしたので、加圧圧着手段で一層強固に癖付けして圧着することができる。
【0020】
さらに、この発明の請求項3記載の梯子のゴムライニング方法によれば、足掛用部材の外周部のライニング用ゴム部材を圧着する圧着治具に、凹凸部を形成してゴムライニング表面にすべり止めを施すようにしたので、ライニング用ゴム部材の癖付けと同時に凹凸によるすべり止めを施すことができる。
【0021】
また、この発明の請求項4記載の梯子のゴムライニング用治具によれば、梯子のゴムライニング用治具で、交差部または外周部の部材空間と、これら部材空間に覆ったライニング用ゴム部材を圧着し得る圧着空間とを備える治具本体を、開閉可能に連結して構成したので、治具本体をライニング用ゴム部材の上から被せて閉じるようにすることで、簡単に交差部などでのライニング用ゴム部材を圧着して癖付けすることができる。
【0022】
さらに、この発明の請求項5記載の梯子のゴムライニング用治具によれば、治具本体に、外側から圧着力を加える加圧圧着手段を設けて構成したので、加圧圧着手段で一層強固に癖付けして圧着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1〜図5はこの発明の梯子のゴムライニング方法およびこれに用いる治具の一実施の形態にかかり、図1は梯子の概略斜視図、側面図および平面図、図2はライニング用ゴム部材の裁断形状の説明図、図3は手摺用部材と足掛用部材との交差部に用いる治具の説明図、図4は手摺用部材と足掛用部材と脚部用部材との交差部に用いる治具の説明図、図5は足掛用部材の外周部に用いる治具の説明図である。
【0024】
この梯子のゴムライニング方法が適用される梯子の一例は、図1に示すように、鉄などの金属材料で構成され、その外側全体をラインニング用ゴム部材で覆ってゴムライニングが施される。
【0025】
この梯子10では、2本の鉄パイプまたは鉄棒で構成された手摺用部材11が平行に配置され、これら2本の手摺用部材11の間に一定間隔で鉄パイプまたは鉄棒で構成された足掛用部材12が複数本、図示例では4本配置されて両端部が溶接などで取り付けられ、手摺用部材11と足掛用部材12との2つの部材が交差する状態で取り付けてある。
【0026】
さらに、この梯子10では、手摺用部材11の4箇所に設置面からの間隔を保持する脚部用部材13が設けられており、L字状の鉄板で構成されて溶接などで手摺用部材11と足掛用部材12との交差部に取り付けられ、手摺用部材11と足掛用部材12と脚部用部材13との3つの部材が交差する状態で取り付けてある。
【0027】
このような梯子10をゴムライニングするライニング用ゴム部材20は、図2に示すように、それぞれの形状に裁断されたものが用いられ、手摺用ゴム部材21は、手摺用部材11の長さと外周に対応した幅とされ、足掛用部材12に対応して円形孔21aが形成されるとともに、円形孔21aに連通して外側部との間にスリット21bが形成してある。
【0028】
また、手摺用部材11の両端部をゴムライニングするため手摺端部用ゴム部材21Aが用意してあり、円形に形成してある。なお、この手摺端部用ゴム部材21Aは、手摺用ゴム部材21と一体に裁断するようにしても良い。
【0029】
足掛用部材12をゴムライニングする足掛用ゴム部材22は、足掛部の長さ、すなわち梯子10の幅に対応した長さで、足掛用部材12の外周に対応した幅とされたものが用いられる。
【0030】
脚部用部材13をゴムライニングする脚部用ゴム部材23は、脚部用部材13の表裏の長さに対応した長さで、脚部用部材13の幅に対応した狭幅部分23aとこれに脚部用部材13の厚さを両側に加えた広幅部分23bとを備えた段差を有する幅に裁断したものが用いられる。
【0031】
次に、このように裁断したライニング用ゴム部材20を梯子の各部材11〜13を覆うように取り付け癖を付けて圧着するため3種類のゴムライニング用治具として圧着治具30が用いられる。すなわち、その1つは、手摺用部材11と足掛用部材12の2つの部材の交差部A用の圧着治具31であり、もう1つは、手摺用部材11と足掛用部材12と脚部用部材13との3つの部材の交差部B用の圧着治具32であり、最後の1つが足掛用部材12の外周部C用の圧着治具33である。
【0032】
2つの部材の交差部A用の圧着治具31は、図3に示すように、上下に2つ割りにされた治具本体31a,31aを備えており、治具本体31a、31aがヒンジ部31bで開閉可能に連結してある。そして、各治具本体31a、31a内には、手摺用部材11および足掛用部材12がT字状に交差する断面半円状の部材空間と、これらの部材11、12を覆うライニング用ゴム部材20の厚さに応じて圧着し得る圧着空間とを加えた空間31c、31cが形成してある。
【0033】
したがって、このゴムライニング用治具である圧着治具31を2つ割りにして開いた状態で、手摺用ゴム部材21が巻き付けられた手摺用部材11と、足掛用ゴム部材22が巻き付けられた足掛用部材12の交差部Aを空間31c、31cに位置させて上下から挟むようにし、これら治具本体31a、31aを締め付けるようにすることで、それぞれのゴム部材21、22をそれぞれの部材11、12の形状に癖付けして圧着することができる。この治具本体31a、31aの圧着には、例えば手動の加圧圧着手段としてシャコ万力34を利用したり、後述する流体圧シリンダ35を利用しても良く、小さな力や流体圧で、強固に加圧圧着することができる。
【0034】
次に、3つの部材の交差部B用の圧着治具32は、図4に示すように、上下に2つ割りにされた治具本体32a,32aを備えており、治具本体32a、32aがヒンジ部32bで開閉可能に連結してある。そして、各治具本体32a、32a内には、手摺用部材11および足掛用部材12がT字状に交差する断面半円状の部材空間および手摺用部材11から下方に突き出した脚部用部材13の板材に対応する部材空間と、これらの部材11、12、13を覆うライニング用ゴム部材20の厚さに応じて圧着し得る圧着空間とを加えた空間32c、32cが形成してある。
【0035】
したがって、このゴムライニング用治具である圧着治具32を2つ割りにして開いた状態で、脚部用ゴム部材23が巻き付けられた脚部用部材13の端部から下側の治具本体32aに入れるようにして手摺用ゴム部材21が巻き付けられた手摺用部材11と、足掛用ゴム部材22が巻き付けられた足掛用部材12の交差部Bを空間32c、32cに位置させて上下から挟むようにし、これら治具本体32a、32aを締め付けるようにすることで、それぞれのゴム部材21、22、23をそれぞれの部材11、12、13の形状に癖付けして圧着することができる。この治具本体32a、32aの圧着には、例えば流体圧シリンダ35を加圧圧着手段として利用したり、すでに説明した手動のシャコ万力34を利用しても良く、流体圧や小さな力で、強固に加圧圧着することができる。
【0036】
さらに、足掛用部材13の外周部C用の圧着治具33は、図5に示すように、上下に2つ割りにされた治具本体33a,33aを備えており、治具本体33a、33aがヒンジ部33bで開閉可能に連結してある。そして、各治具本体33a、33a内には、足掛用部材12の断面半円状の部材空間と、ライニング用ゴム部材20の厚さに応じて圧着し得る圧着空間とを加えた空間33c、33cが形成されるとともに、すべり止め用のギザギザを形成するため、一定間隔で凹凸部33dが形成してある。
【0037】
したがって、このゴムライニング用治具である圧着治具33を2つ割りにして開いた状態で、足掛用ゴム部材22が巻き付けられた足掛用部材12の外周部Cを空間33c、33cに位置させて上下から挟むようにし、これら治具本体33a、33aを締め付けるようにすることで、足掛用ゴム部材22を足掛用部材12の形状に癖付けして圧着するとともに、その表面に凹凸部33dによるギザギザを形成することができる。
【0038】
また、足掛用部材13の外周部C用の圧着治具の例としては、図6に示すように、圧着治具36が上下に2つ割りにされた治具本体36a,36aを備え、4本のノックピン36bで位置合わせして開閉可能としてある。そして、各治具本体36a、36a内には、足掛用部材12の断面半円状の部材空間と、ライニング用ゴム部材20の厚さに応じて圧着し得る圧着空間とを加えた空間36c、36cが形成されるとともに、すべり止め用のギザギザを形成するため、中心軸方向に沿う凹凸部36dが周方向に一定間隔で形成してある。
【0039】
さらに、この圧着治具36では、上下の治具本体36a、36aの空間36c、36cの表面にテフロン(登録商標)加工による離型層36eが設けてあり、離型剤の吹付けを省略できるようにしてある。
【0040】
したがって、このゴムライニング用治具30である圧着治具36を2つ割りにして開いた状態で、足掛用ゴム部材22が巻き付けられた足掛用部材12の外周部Cを空間36c、36cに位置させて上下から挟むようにし、これら治具本体36a、36aをノックピン36bで位置合わせして締め付けるようにすることで、足掛用ゴム部材22を足掛用部材12の形状に癖付けして圧着するとともに、その表面に凹凸部36dによるギザギザを形成することができる。
【0041】
なお、これら圧着治具33,36による圧着には、例えば流体圧シリンダを加圧圧着手段として利用したり、手動のシャコ万力を利用しても良く、流体圧や小さな力で、強固に加圧圧着することができる。
【0042】
次に、このように構成した3つのゴムライニング用治具である圧着治具31、32、33(36)を用いて行なう梯子のゴムライニング方法について説明する。
【0043】
まず、ライニング用ゴム部材20をそれぞれの部材形状に合わせて裁断し、手摺用ゴム部材21を2枚、手摺端部用ゴム部材21Aを4枚、足掛用ゴム部材22を4枚、脚部用ゴム部材23を4枚用意しておく。
【0044】
それぞれのライニング用ゴム部材21,22,23を梯子10のそれぞれの部材である手摺用部材11、足掛用部材12、脚部用部材13に接着剤を用いて貼り付けるようにする。この貼り付けには、例えば一液性の接着剤を用い、ハンドローラで圧着するとともに、接合部はステッシャーロールで圧着する。
【0045】
こうして梯子10の全体にライニング用ゴム部材20を貼り付けて覆った後、交差部Aには、ゴムライニング用治具である圧着治具31を2つ割りにして開いた状態で、手摺用ゴム部材21が巻き付けられた手摺用部材11と、足掛用ゴム部材22が巻き付けられた足掛用部材12の交差部Aを空間31c31cに位置させて上下から挟むようにし、これら治具本体31a、31aを締め付けてそれぞれのゴム部材21、22をそれぞれの部材11、12の形状に癖付けして圧着固定する。この治具本体31a、31aの圧着には、例えば手動の加圧圧着手段としてシャコ万力34を利用し、小さな力で強固に圧着する。
【0046】
また、交差部Bには、ゴムライニング用治具である圧着治具32を2つ割りにして開いた状態で、脚部用ゴム部材23が巻き付けられた脚部用部材13の端部から下側の治具本体32aに入れるようにして手摺用ゴム部材21が巻き付けられた手摺用部材11と、足掛用ゴム部材22が巻き付けられた足掛用部材12の交差部Bを空間32c、32cに位置させて上下から挟むようにし、これら治具本体32a、32aを締め付けてそれぞれのゴム部材21、22、23をそれぞれの部材11、12、13の形状に癖付けして圧着固定する。この治具本体32a、32aの圧着には、例えば流体圧シリンダ35を加圧圧着手段として利用し、強固に加圧圧着する。
【0047】
さらに、外周部Cには、ゴムライニング用治具である圧着治具33あるいは圧着治具36を2つ割りにして開いた状態で、足掛用ゴム部材22が巻き付けられた足掛用部材12の外周部Cを空間33c、33cあるいは空間36c,36cに位置させて上下から挟むようにし、これら治具本体33a、33aあるいは治具本体36a、36aを締め付けて足掛用ゴム部材22を足掛用部材12の形状に癖付けして圧着するとともに、その表面に凹凸部33dあるいは凹凸部36dによるギザギザを形成する。
【0048】
それぞれの圧着治具31,32,33(36)によるライニング用ゴム部材20の癖付けおよび圧着固定を行った後、それぞれの圧着治具31、32、33(36)を取り外し、加硫缶で加硫することで、梯子10へのゴムライニングが完了する。
【0049】
このような梯子のゴムライニング方法によれば、ライニング用ゴム部材をテープなどによる全体を締め付けて圧着する工程を必要とせず、簡単に梯子各部の形状に合わせて癖付けして圧着固定することができる。
【0050】
また、圧着固定と同時に、足掛用ゴム部材22に凹凸部を形成することができ、ギザギザによってすべり止めを簡単に施すことができる。
【0051】
なお、上記実施の形態では、圧着治具36にのみ離型層を設けるようにしたが、他の圧着治具に離型層を設けるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明の梯子のゴムライニング方法およびこれに用いる治具の一実施の形態にかかる梯子の概略斜視図、側面図および平面図である。
【図2】この発明の梯子のゴムライニング方法およびこれに用いる治具の一実施の形態にかかるライニング用ゴム部材の裁断形状の説明図である。
【図3】この発明の梯子のゴムライニング方法およびこれに用いる治具の一実施の形態にかかる手摺用部材と足掛用部材との交差部に用いる治具の説明である。
【図4】この発明の梯子のゴムライニング方法およびこれに用いる治具の一実施の形態にかかる手摺用部材と足掛用部材と脚部用部材との交差部に用いる治具の説明図である。
【図5】この発明の梯子のゴムライニング方法およびこれに用いる治具の一実施の形態にかかる足掛用部材の外周部に用いる治具の説明図である。
【図6】この発明の梯子のゴムライニング方法およびこれに用いる治具の一実施の形態にかかる他の足掛用部材の外周部に用いる治具の説明図である。
【符号の説明】
【0053】
10 梯子
11 手摺用部材
12 足掛用部材
13 脚部用部材
20 ライニング用ゴム部材
21 手摺用ゴム部材
21a 円形孔
21b スリット
21A 手摺端部用ゴム部材
22 足掛用ゴム部材
23 脚部用ゴム部材
23a 狭幅部分
23b 広幅部分
30 圧着治具(ゴムライニング用治具)
31 圧着治具(交差部A用)
31a 治具本体
31b ヒンジ部
31c 空間
32 圧着治具(交差部B用)
32a 治具本体
32b ヒンジ部
32c 空間
33 圧着治具(外周部C用)
33a 治具本体
33b ヒンジ部
33c 空間
33d 凹凸部(すべり止め用のギザギザ)
34 シャコ万力(手動加圧圧着手段)
35 流体圧シリンダ(加圧圧着手段)
36 圧着治具(外周部C用)
36a 治具本体
36b ノックピン
36c 空間
36d 凹凸部(すべり止め用のギザギザ)
36e 離型層
A 交差部
B 交差部
C 外周部
【出願人】 【識別番号】000196624
【氏名又は名称】西武ポリマ化成株式会社
【出願日】 平成18年10月25日(2006.10.25)
【代理人】 【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治

【識別番号】100070747
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 徹


【公開番号】 特開2008−106492(P2008−106492A)
【公開日】 平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願番号】 特願2006−289535(P2006−289535)