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【発明の名称】 室内用二重窓
【発明者】 【氏名】新山 秀一

【要約】 【課題】安価で軽量で断熱効率が大きい中空な断熱構造体を用いることにより、ガラス製の二重窓と同等の効果をもたらし、普及度を高め省力エネルギ−に貢献する室内用二重窓を提供する。

【構成】ガラスの代わりに、透明または半透明の薄いシ−ト材で、隔離体を挟んで成型し、内部が中空な断熱構造体と成したものを使用して窓部を二重窓にし、断熱効果を高め、室内の煖房・冷房効率を上げることを特徴とする室内用二重窓で、既存のガラス窓からの冷気の侵入を防ぎ断熱効果を上げる。以上を特徴とする簡易型の二重窓である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明または半透明の合成樹脂製の薄いシ−ト材で、隔離体を挟んで成型し、内部が中空な空気層を有する断熱構造体としたものを使用して窓とし、既存窓の窓枠の上下に設けたレ−ルに設置し、窓部を二重窓にし、既存のガラス窓からの冷気の侵入を防ぎ断熱効果を上げることを特徴とする簡易型の室内用二重窓。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の二重窓において、合成樹脂製の薄いシ−ト材で、隔離体を挟んで成型し、内部が中空な断熱構造体と成したものを使用して、断熱効果を高め、室内の煖房・冷房効率を上げることを特徴とする室内用二重窓で、安価で軽量で断熱効率が大きい中空な断熱構造体を用いることにより、ガラス製の二重窓と同等の断熱効果をもたらし、普及度を高め、省力エネルギ−に貢献する、簡易型の室内用二重窓に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、室内の断熱、防音、防露の目的で室内を二重窓にすることが有功なことは周知のことである。
近年、地球温暖化防止対策として様々な省力エネルギ−対策が論じられている。
そうした中で住宅においての、特に煖房にかかるエネルギ−は大きな割合を占めているが、室内の熱の逃げ道の半分はガラス窓からであることは分っているので、その対策として、主に室内の煖房効率を高めるため、二重窓でない、他の方法が色々と考えられている。
【0003】
一般的に設置しやすく、安価なものが喜ばれ、その例として、断熱材を窓に貼り付ける、方法、窓際に断熱材を立て掛ける方法、窓際にヒ−タ−を設置する方法、などが考え出されているが、これらは、後始末が面倒、窓の開け閉めや出入りに邪魔になる。
ヒ−タ−を使用するのでは省力エネルギ−にならず不満足な点が多く、様々な観点から二重窓にするのが最もよい方法であることは明らかであるが、現状を見るとあまり普及していないのが実情である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
その理由は、次のような問題点があるからである。
二重窓としての目的は断熱だけでなく、防音性能が大きな必要要素となっているため、厚いガラス板を使用するので、必然的に頑丈に作られており、結果的にサッシ部も厚くて重く、高価格なものになっている。
【0005】
複層二重窓として、ガラスが二層になっている二層窓もあるが、これは既存の窓を外して交換工事となり、現在の窓が無駄になり、かつ工事費が高価格になる。
【0006】
ガラスの代わりにアクリル合成樹脂を使用した二重窓もあるが、効果と丈夫さの必要性からやはり厚みを必要とするので高価格になる。
また割れやすく、傷も付きやすい。
【0007】
新築の場合はまだ良いのであるが、後工事で設置すると、二重窓の枠の厚さが25mm以上あるため、窓枠の幅が7cm以上ないと取り付け出来ないので、制約される。
本発明は以上の問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はこのような課題を解決することを目的とするもので、ガラスの代わりに、透明または半透明の合成樹脂製の薄いシ−ト材で、隔離体を挟んで成型し、内部が中空な空気層を有する断熱構造体としたものを使用して窓とし、既存窓の窓枠の上下に設けたレ−ルに設置する。
これによって窓部を二重窓にし、既存のガラス窓からの冷気の侵入を防ぎ断熱効果を上げる。
以上を特徴とする簡易型の室内用二重窓である。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、内部が中空の空気層がある断熱構造体であるため構造的に強く、またこれだけで丁度ガラスの複層窓に近い構造になり、しかも合成樹脂であるのでガラスよりむしろ熱伝導率が小さいため、大きな断熱効果をもたらす。
さらに、隔離体で空気層が細かく分離されているので対流が起きにく、熱貫流率が良くなり断熱効果をより高めているので、二重窓として既存の窓に設ければ、室内の煖房効率をより高めて、エネルギ−の省力になる。
【0010】
重量が軽くて薄いので扱いやすく、幅の狭い窓枠にも取り付けられ、ふかし枠を取り付けなくても設置できるなど、設置条件が広がり普及し易くなる。
【0011】
ガラスやアクリル板ではカット技術が難しく、またグレチャンパッキンを必要とするが、本発明は合成樹脂の薄いシ−ト材で、かつ内部が空洞なので、カットが簡単にでき、穴開けも容易に出来るので、後工事で接着剤やビスで簡単に設置でき、また小さな修正も容易に出来るので、設置工事が簡単になる。
【0012】
ガラスやアクリル板であると割れて室内に飛散し、怪我の心配があるが、本発明は割れの心配がない。
むしろ地震などでガラスが割れても、ガラスやアクリル板の飛散を防止する壁の役目を果たす。
また地震の場合、二重窓がガラスであると重く、頑丈になるため、開かなくなる可能性が非常に大きいが、本発明は柔軟性があり、軽量なので、窓を開けるのに障害にならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(イ)合成樹脂製の薄いシ−ト材(1)を、隔離体の芯材で隔離して両面から張合わせた断熱構造体(3)である。
(ロ)シ−ト材(1)はポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂で柔軟性、耐光性にすぐれ、また半透明で、外光を取り入れられる。
またポリカ−ボネイトであれば、透明性が高いので、採光を重視したい場合はこれを用いる。
(ハ)隔離体としての芯材はストレ−トなリム芯材(2)の他に断面が波状の波状芯材(4)、蜂の巣型のハニカム芯材(5)、角型の格子芯材(6)などがあるが、シ−ト材(1)を確実に固定隔離し、空気層を形成するものであれば、形状は何でも良い。
芯材の厚さは、あまり薄いと、構造的に弱く、断熱効果も小さいので、数mm以上にしてある。厚くしておけば、断熱構造体(3)の空気層が厚くなるため断熱効果は高まるのであるが、幅が厚くなるため窓枠への設置条件が制約される。
【0014】
本発明は、以上の構成からなっており、これをを使用するときは、設置する窓の大きさに合わせてこの断熱構造体(3)をカットする。
この場合ガラスと違い、ノコギリあるいはカッタ−で簡単にカット出来る。
【0015】
カットした断熱構造体(3)の周囲に枠(7)を取り付ける。
本発明は非常に軽く、割れの心配もないので、枠はガラス窓に使用するような頑丈さは必要なく、適宜なアルミニュウムや合成樹脂のチャンネル材、山形材、あるいは角木材を、接着剤やネジで固定する程度で役目を果たすので、全体の厚さも10〜15mmぐらいに押さえられ、よって幅の狭い窓枠にも設置できる。
【0016】
上下の窓枠にレ−ルを取り付け、これにはめ込む。
本発明は軽量であるので、ガラス窓用のアルミサッシの様なしっかりしたものは必要なく、開け閉めの際、外れなければよいので、レ−ルは簡単なもので済み、車輪用レ−ルでなくコの字型の溝式のスライドレ−ルで良い。
これは、枠の下部に車輪を付けると、車輪によって二重窓の下部が浮き上がって隙間ができ、その間から冷気が侵入してくることを防止する意味からも良い。
軽量であるので摩擦抵抗も少ないので、レ−ルの内側面にフッソ樹脂などの低摩擦合成樹脂板を敷けば十分である。
左右の縦枠部に当たる部分には外気の侵入を防ぎ、断熱効果を落とさないために、隙間パッキンを付けてある。
【0017】
より寒冷地においては、断熱構造体(3)をカットして貼り合せ、ダブルにすれば良く、こうすることによりガラス二重窓における複層部が、さらにダブルとなった構造に近くなり、より断熱効果が高まる。
【本発明の具体的な実施例効果】
【0018】
実施条件は以下のような条件である。
(イ)東京都の54mの3Kマンションの10畳の和室。
(ロ)和室の掃き出し窓2枚、これだけを本発明の二重窓化した。
(ハ)煖房は全室すべて電気のみ使用し、灯油などの他の煖房は使用していない。
【0019】
実施結果は図6〜図9のようになった。
図6のグラフ−1は、外気温度と本発明による保温効果値の関係を測定し、断熱効果を測定したもので、比較のため5mm厚のアクリル樹脂板による実験も並行しておこなったが、その結果、測定値にほとんど差がみられず、本発明がアクリル樹脂板と同じ効果が得られることが証明された。
【0020】
図7のグラフ−2は、本発明の二重窓にして煖房した部屋と、二重窓無しで全く無煖房の部屋との室温を比較したものである。
煖房設定は18度℃、測定は煖房を切った後2時間後の夜0時と、煖房を入れる前の朝6時でおこなった。
結果はおよそ4.5℃の保温効果があった。
【0021】
図8の表−1は12月〜3月までの電気消費量の例年との比較した結果である。
(イ)全体の消費量:前3年平均消費量と比較して今冬期は75%で、25%の節電。
(ロ)煖房の消費量:前3年平均消費量と比較して今冬期は37%で、63%の節電。
結果が示すように大きな保温効果があり、省力エネルギ−となった。
【0022】
図9のグラフ−3は表−1を分かり易くするために、グラフ化したもので、斜線部が純粋に煖房に使用した電気消費量で、12月〜3月までの今冬期と、その前3年間の平均消費量を示す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例の断面図と正面図
【図2】本発明の他実施例の断面図と正面図
【図3】本発明の他実施例の正面縦断面図
【図4】本発明の他実施例の正面縦断面図
【図5】本発明を窓に取り付けた状態の縦断面図
【図6】グラフ−1…外気温度と本発明よる保温効果値の関係
【図7】グラフ−2…外気温度と本発明による煖房部屋・非煖房部屋の室温の比較
【図8】表−1…電気消費量の例年との比較
【図9】グラフ−3…表−1の電気消費量の例年との比較を示したグラフ
【符号の説明】
【0024】
1 シ−ト板
2 リム芯材
3 断熱構造体
4 波状芯材
5 ハニカム芯材
6 格子芯材
7 枠
8 レ−ル
9 窓上枠
10 窓下枠
11 ガラス窓

特許の図
【出願人】 【識別番号】594030786
【氏名又は名称】新山 秀一
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−14113(P2008−14113A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−207130(P2006−207130)