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【発明の名称】 刳り孔付き石膏ボード及び刳り孔付き石膏ボード製造方法
【発明者】 【氏名】長岩 均
【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不燃建材として多用される石膏ボード(1)(2)ほか板状建材につき、製造工程において、ボード端部に付加成型された半円筒形切欠き(10A1・10A2)
(10B・10C) が隣接する石膏ボード(1)(2)継ぎ目において丸孔を形成し(以下「刳り孔」(11)という)、該丸孔=「刳り孔」(11)と相対する支持躯体軽量鉄骨スタッド(5)(6)に穿たれた丸孔(30)とを貫き、ボード用アンカー(20)を装着し、該ボード用アンカー(20)の螺合力をもって該スタッド(5)(6)及び石膏ボード(1)両材を一体的に挟持固定し、地震加速度耐力ほか中重量物固定・繋止に提供されることを特徴とする、石膏ボードほか板状建材。
【請求項2】
前記請求項1記載の石膏ボード(1)ほか板状建材につき、予め製造工程において該成形用型枠に対し、1)冶具または型枠を追加装着させ、2)または新規に設計した型枠を用いて、該石膏ボード左右端部(10A1・10A2)及び上下端部(10B・10C)にボード用アンカー装着のための「刳り孔」(11)を成型することを特徴とする、石膏ボードほか板状建材製造方法。
【請求項3】
前記請求項1記載の石膏ボード(1)ほか板状建材につき、水溶き石膏射出工程において、半円筒形(12)または円筒形(13)抜き枠を定置の上、硬化後、該抜き枠(12)(13)を取り去り、該石膏ボード左右端部(10A1・10A2)及び上下端部(10B・10C)にボード用アンカー(20)装着のための「刳り孔」(11)を成型することを特徴とする、石膏ボードほか板状建材製造方法。
【請求項4】
前記請求項1記載の石膏ボード(1)ほか板状建材につき、水溶き石膏射出工程において、石膏ほかの材料から成型された半円筒形(12G)または円筒形(13G)部品・部材を定置・埋設し、保護紙(40)で表面被覆の上、硬化させ、ボード用アンカー(20)装着のための「刳り孔」(11)を該石膏ボード左右端部(10A1・10A2)及び上下端部(10B・10C)に設けるものであって、ボード用アンカー(20)設立必要箇所のみ、該半円筒形または円筒形部品・部材を、いつでも、簡便に除去できるとともに、一方、アンカー不要箇所においては、保護紙(40)により、該半円筒形(12G)または円筒形(13G)部品・部材と本体ボード(1)とが一体的板状製品であることを特徴とする、石膏ボードほか板状建材製造方法。
【請求項5】
前記請求項1記載の石膏ボード(1)ほか板状建材につき、水溶き石膏射出工程において、半円筒形(12)または円筒形(13)抜き枠を定置させ硬化後、該抜き枠(12)(13)を取り去り、該石膏ボード左右端部(10A1・10A2)及び上下端部(10B・10C)にボード用アンカー(20)装着のための「刳り孔」(11)を成型するものであって、空隙となった「刳り孔」(11)に離型剤塗布の上、水溶き石膏を注入し保護紙(40)で表面被覆の上、硬化させることにより、本体ボード(1)と一体化させ、アンカー設立時いつでも離型剤塗布境界面から脱落分離可能とすることを特徴とする、石膏ボードほか板状建材製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
石膏ボードの製造・製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不燃材料として多用される石膏ボード貼り天井・壁等に対する、増設機材等の固定方法は「あと施工ビス」が一般的で、その際、脆性材料である石膏への孔開け及びビス装填作業は、安定した引張耐力獲得に充分応えるものではなかった。更に、脆性材料の特性から引張耐力が乏しく、中重量物繋止固定は不可とされていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明製造方法は、従来技術の難点であった、石膏ボード壁及び天井等においえる中重量物繋止固定につき、本発明出願人が発明開発した[特許文献1]特願2005-360363「ボード用アンカー」装着を前提に、石膏ボード製造工程において、該ボード用アンカー(20)挿入孔を形成する「刳り孔」(11)をボード左右端部または上下端部に設けるものである。該方法で製造された石膏ボードは1.施工現場での穿孔作業による石膏ボード強度劣化 及び2.追加施工時における石膏ボードと化粧用壁紙・クロス損傷 を回避・防止できる。また「ボード用アンカー(20)」は石膏ボードの躯体を構成する軽量鉄骨スタッドに対し穿孔貫通させ、軽量鉄骨スタッド及び石膏ボードごと挟み込み固定繋止することを目的とする製品・方法につき、従来技術に較べ格段の引張耐力を有するものとなる。特に中高層建築物における石膏ボード壁・フリーアクセス床構造に設置される自動販売機の耐震化補強施工に寄与するものである。[特許文献2]特願2006-282523「蟻溝アンカーによる自動販売機転倒防止固定方法」参照
【特許文献1】特願2005-360363「ボード用アンカー」
【特許文献2】特願2006-282523「蟻溝アンカーによる自動販売機転倒防止固定方法」
【0004】
石膏ボードの製造方法については、下記発明が公表されている。
【特許文献3】特開平11-12019号公報「内装壁用石膏ボード及びその製造方法」
【特許文献4】特開2006-56140号公報「石膏ボードの製造方法」しかしながら、ボード用アンカー装着を目的とした製造方法の発明提案はない。
【0005】
本発明は、1)[特許文献1]特願2005-360363「ボード用アンカー」の開発 2)隣り合った石膏ボード継ぎ目部処理方法 3)石膏ボード裏側で該ボードを支持する軽量鉄骨スタッドが等間隔モジュールを構成すること。 に着目し、製造工程において、ボード用アンカー(20)の口径に相応する半孔=刳り孔(ボード継ぎ目において左右半円=孔)をモジュール成形することにより、施工時において、脆性材料である石膏ボードを傷めることもなく、短時間でボルト設立ができ、自動販売機・金属ダクト・軽量配管・電気制御盤ほかの固定繋止が可能となる。特に地震発生時、建築物高層階における振幅の大きな揺れに対する耐震効果は顕著である。
【0006】
石膏ボード(1)ほか板状建材は不燃建材として建築物に多用される。特に石膏ボードは構造水を含有しているため、不燃材としての機能は高い。しかし、脆性材料であるため、安定的な中重量物に耐える引張強度を有するアンカーがなかった。[特許文献2]特願2005-360363「ボード用アンカー」の発明の本旨は石膏ボードほか板状母材に対する、従来技術にない大口径のボルト設立方法にある。実際の施工現場では軽量鉄骨スタッドを含め、大口径のボルト孔穿孔作業は不安定かつ作業性の低いものとなるし、何よりボード自身の劣化が著しいと想定できる。
【0007】
以上から、ボード用アンカー(20)挿入孔=「刳り孔」(11) (10A1・10A2) (10B・10C)を有する石膏ボードを予め工場で製造し、施工現場での穿孔作業を省略する方法を採用する。アンカー固定・繋止方法は左右または上下2枚の継ぎ目に形成された刳り孔(11)及び支持躯体である軽量鉄骨スタッド(5)(6)に穿たれた丸孔にボード用アンカー(20)を貫入装着し、該ボード用アンカー(20)の螺合作用で該スタッド及び石膏ボード両材を挟持固定し、地震加速度耐力ほか中重量物固定・繋止の目的を果たす。
【0008】
ボード用アンカー(20)挿入孔=「刳り孔」(11)を成形する方法の第一は、石膏ボード製造工程において、従来の成形用型枠に対し、冶具または型枠を付加装着させるか、または新規に設計した型枠を用い、該石膏ボード左右端部(10A1・10A2)及び上下端部(10B・10C)にボード用アンカー(20)装着のための「刳り孔」(11)を成型する。
【0009】
ボード用アンカー(20)挿入孔=「刳り孔」(11)を成形する方法の第二は、水溶き石膏射出工程において、半円筒形抜き枠(12)または円筒形抜き枠(13)を定置の上、硬化後、該抜き枠(12)(13)を取り去り、該石膏ボード左右端部(10A1・10A2)及び上下端部(10B・10C)に「刳り孔」(11)を成型する。
【0010】
ボード用アンカー(20)挿入孔=「刳り孔」(11)を成形する方法の第三は、水溶き石膏射出工程において、石膏ほかの材料から成型された半円筒形部品・部材(12G)または円筒形部品・部材(13G)を予め製作しておき、水溶き石膏射出直後、指定の位置に離型剤塗布後、定置・埋設し、取り去ることなく、保護紙(40)で表面被覆の上、硬化させる。「刳り孔」(11)を該石膏ボード左右端部(10A1・10A2)及び上下端部(10B・10C)が成形できるとともに、現場状況に即して、ボード用アンカー(20)設立必要箇所のみ、該半円筒形部品・部材(12G)または円筒形部品・部材(13G)を施工時も施工後(竣工後)も必要の都度、簡便に除去・脱落できるようにした。一方、アンカー不要箇所においては、該半円筒形(12G)または円筒形(13G)部品・部材と本体ボード(1)とは保護紙(40)の被覆により一体的であるため、後作業工程である壁紙貼り・クロス貼りにも影響しない。
【0011】
ボード用アンカー(20)挿入孔=「刳り孔」(11)を成形する方法の第四は、水溶き石膏射出工程において、半円筒形抜き枠(12)または円筒形抜き枠(13)を定置し、硬化後、該抜き枠(12)(13)を取り去り、該石膏ボード左右端部(10A1・10A2)及び上下端部(10B・10C)にボード用アンカー(20)装着のための「刳り孔」(11)を成型し、更に空隙となった「刳り孔」(11)に離型剤塗布の上、水溶き石膏を注入硬化させ、本体ボード(1)と一体化させる方法である。アンカー設立時いつでも、被覆保護紙をカットするか除去した上で、離型剤塗布境界面から脱落分離可能とする。
【0012】
水溶き石膏射出固化工程において、半円筒形(12) 抜き枠は寸法決め切断しない箇所で使用する。また、予め切断代を加味した長円筒形(13)抜き枠はボード規格寸法切断箇所で使用される。
【0013】
また別の方法として、使用しない刳り孔(11)は 1)下地調整時、継ぎ目テープ貼り・パテ埋め。または 2)ブッシングを嵌める 等の方法で不活性にすることもできる。ブッシングによる方法は、化粧にも有効である。或いはまた、3)その後に使用の可能性が高い箇所には特願2005-360363「ボード用アンカー」の外層スリーブ及び内層プラグを装填の上(ボルトは装着しない)、化粧用ブッシングを装着しておいてもよい。
【0014】
アンカー耐力は軽量鉄骨スタッドの板厚を厚くすることで増強できる。更に重いものを固定・繋止するには主柱に使用されている重量鉄骨(例えばH型鋼)から相応する重量鉄骨を延伸緊結させることで対応可能である。特願2005-360363「ボード用アンカー」は適合する丸孔が開孔していれば、重量鉄骨にも使用できるため、汎用性は極めて高い。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、予め製造工程において、石膏ボード端部に刳り孔(11)が成形されたならば、1)新築施工現場でアンカー孔穿孔作業が省略できるとともに、2)ボード用アンカー(20)設立箇所がモジュール化され、水平方向ボード幅に相当する一定間隔でアンカー耐力が得られる。さらに、3)垂直方向には石膏ボード幅の中心に軽量鉄骨スタッド幅と同間隔モジュールでアンカー耐力が獲得できるため、冶具の活用により壁の全面(天井の全面)において、中重量工作物の固定ほか、より強度の高い・安定した地震耐力・引張応力が得られることになる。また、特定の該刳り孔(11)に予め特願2005-360363「ボード用アンカー」を装填・被覆しておけば、その後必要になった際、施工専門業者に委託することなく、安定確実なアンカー耐力が獲得保証される。
【0016】
アンカー設置に際し、現場での穿孔作業が不要になった効果は 1)作業粉塵・ゴミが発生しないため、養生・清掃がごく簡便になる。2)専門職が不要となる。従来施工方法「あと施工アンカー」が有する課題であった 1.粉塵2.振動3.騒音を一挙に解決する。但し、軽量鉄骨スタッド開孔作業は、従来工法において、「石膏ボード固定用ビス留め」に使用される工具・電気ドリル・電気ドライバーの刃先を刳り孔に相応する口径のドリルビットに替えて行う。
【0017】
【特許文献5】特願2006-282523号「蟻溝アンカーによる自動販売機転倒防止固定方法」
【特許文献6】特願2005-363360号「ボード用アンカー」は私の発明である。以下、該特許を前提に述べる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1Aは中高層ビルにおける一般的な壁の構成斜視図である。主柱H型鋼に固定し引き出された下部ランナー(3)・上部ランナー(4)を結び、軽量鉄骨スタッド-1(5)・軽量鉄骨スタッド-2(6)を取り付け、更に軽量鉄骨胴ぶち-1(7)を組み付け、躯体・骨にし、石膏ボード{GPB-1(1)〜GPB-5(2)〜GPB-8}をビス留め固定してある。それぞれボード端部継ぎ目には継ぎ目テープ(8)を貼った後、ボード端部テーパ加工部にパテを塗布し、均してある。X-Y拡大図は本発明の本旨である、予め製造工程において成形された刳り孔(10A2)である。隣り合う石膏ボードに成形された刳り孔(10A1)(11)と密接し、特願2005-363360号「ボード用アンカー」挿入・装填用丸孔を形成する。図1Bは上下隣り合うボード(1)(2)の立面図である。ボード中心線上に成形された刳り孔(10B)(11)を形成し、水平方向X-Y拡大図と同様の形態でアンカー装着に備える。
【0019】
図2は特願2005-363360号「ボード用アンカー」ボルト緊結後断面図である。当該アンカーは表側からだけの一方向作業=螺合で固定・繋止できるアンカーであるため、いつでも施工可能な螺合部品である。更に螺合作用固定・繋止部品のため「締緩」により、何度でも着脱可能な部品でもある。
【0020】
例えば、地震の揺れ等「応力」が発生した場合以外、石膏ボード及び軽量鉄骨スタッドの母材に対し、「加重負荷」が掛かることはない。また、軽量鉄骨スタッドごとリベットアンカーし挟持するしくみは、引張応力が軽量鉄骨スタッドと上下ランナーが形作る「格子」構造に分散される効果を発揮する。従って石膏ボードに対し、該軽量鉄骨「格子構造」が応力に負け変形した時か、アンカー箇所の破壊が起った時以外、「曲げ」乃至「せん断力」は加わらない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】Aは石膏ボード施工状態斜視図。Bは該石膏ボード(1)(2)の立面図。Cは半円筒形抜き枠・部品・部材の斜視図、平面図。Dは円筒形抜き枠・部品・部材の斜視図、平面図である。
【図2】特願2005-363360号「ボード用アンカー」施工概念図(拡開断面図)である。
【符号の説明】
【0022】
1 石膏ボード GPB-1
2 石膏ボード GPB-2
3 下部ランナー
4 上部ランナー
5 軽量鉄骨スタッド-1
6 軽量鉄骨スタッド-2
7 軽量鉄骨胴ぶち-1
8 継ぎ目テープ
9 パテ塗り
10A1 ボード用アンカー(20)装填用半丸孔-横左
10A2 ボード用アンカー(20)装填用半丸孔-横右
10B ボード用アンカー(20)装填用半丸孔-天
11 刳り孔
12 半円筒形抜き枠・抜き型
12G 半円筒形部品・部材
13 円筒形抜き枠・抜き型
13G 円筒形部品・部材
20 特願2005-360363「ボード用アンカー」
30 支持躯体軽量鉄骨スタッド(5)(6)に穿たれた丸孔
40 保護紙

特許の図
【出願人】 【識別番号】305039253
【氏名又は名称】長岩 均
【出願日】 平成18年10月25日(2006.10.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−106490(P2008−106490A)
【公開日】 平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願番号】 特願2006−289463(P2006−289463)