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【発明の名称】 緊結用金具
【発明者】 【氏名】後藤 昭一
【課題】コンクリート基礎とこのコンクリート基礎上の土台に立設する柱や壁の縦桟などの縦材とを簡単にして堅固に緊結できる画期的な緊結用金具を提供する。

【構成】貫通孔2aに嵌挿した打込杆や止着ボルトなどの止着杆3を、コンクリート基礎1の側面に打入するか若しくはこの側面に形成した挿入部5に挿入固定して、このコンクリート基礎1の側面に基礎沿設取付板部2を沿設状態に取り付け固定し、この基礎沿設取付板部2に螺子杆部4の基端部にして下部を固定し、この螺子杆部4の先端部にして上部は、コンクリート基礎1上に横設する土台6の側方上方ではなくこの土台6の巾方向中央部の上方に立設状態に配設して、この立設状態の螺子杆部4の先端部のネジ部4aを、前記土台6に立設する縦材7の側面に付設されたホールダウン金物などの連結金具8に螺着固定して縦材7とコンクリート基礎1とを緊結する構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
打込杆や止着ボルトなどの止着杆を嵌挿する貫通孔を形成し、この貫通孔に嵌挿した前記止着杆を、コンクリート基礎の側面に打入することで,若しくはコンクリート基礎の側面に形成した挿入部に挿入固定することでこのコンクリート基礎の側面に沿設状態に取り付け固定するように構成した基礎沿設取付板部と、この基礎沿設取付板部から上方に向けて突出状態に設ける螺子杆部とから成り、前記螺子杆部は、基端部にして下部を前記基礎沿設取付板部に固定し、先端部にして上部は、前記基礎沿設取付板部を取り付け固定したコンクリート基礎上に横設する土台の側方上方ではなく、この土台の巾方向中央部の上方に立設状態に配設した構成とし、この立設状態の螺子杆部の先端部のネジ部を、前記土台に立設する縦材の側面に付設した連結金具に螺着固定することでこの縦材と前記コンクリート基礎とを緊結するように構成したことを特徴とする緊結用金具。
【請求項2】
前記螺子杆部は、基端側にして下部を、前記基礎沿設取付板部を取り付け固定した前記コンクリート基礎の側方に配設し、先端側にして上部を、前記土台の巾方向中央部の上方に立設状態に配設し、この基端部と先端部とを湾曲部若しくは屈曲部を介して連設して成る湾曲形状若しくは屈曲形状に形成したことを特徴とする請求項1記載の緊結用金具。
【請求項3】
前記螺子杆部は、前記土台の上方にしてこの土台の近接位置に、この螺子杆部を前記土台の巾方向に湾曲若しくは屈曲する湾曲部若しくは屈曲部を有する形状に形成したことを特徴とする請求項2記載の緊結用金具。
【請求項4】
前記基礎沿設取付板部は、前記貫通孔とは異なる第二の貫通孔を形成し、この第二の貫通孔に嵌挿した第二の止着杆を、土台の側面に打入することで,若しくは土台の側面に形成した挿入部に挿入固定することでこの土台の側面に沿設状態に前記基礎沿設取付板部を取り付け固定し得るように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の緊結用金具。
【請求項5】
前記基礎沿設取付板部の前記貫通孔は、前記止着杆の上下動を許可せず左右動を許可する遊嵌状態にこの止着杆を嵌挿する長孔形状に形成し、この基礎沿設取付板部の前記第二の貫通孔は、この第二の貫通孔に嵌挿する第二の止着杆と略合致する孔形状に形成したことを特徴とする請求項4記載の緊結用金具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物のコンクリート基礎と、このコンクリート基礎上に横設する土台に立設される柱や壁の縦桟などの縦材とを緊結する緊結用金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築物のコンクリート基礎上に横設する土台と、この土台に立設する柱とを補強金具により連結する構造が従来から実施されているが、このように、単に土台と柱とを連結する構造の場合、地震や強風などの外力に対して十分な強度が得られない場合がある。特に、大地震などにより大きな揺れがあった場合、柱が土台から引きずり上げられ(引き外れ)、これにより倒壊してしまう木造建築が多く見られる。
【0003】
このような観点から、近年では、十分な強度(耐震強度)を得るべく、土台と柱とではなく、コンクリート基礎(以下、単に基礎と呼ぶ)と柱とを連結する連結構造の実施が強く望まれている。
【0004】
ところで、このように基礎と柱とを連結する連結構造としては、例えば、特開2000−064422号公報(特許文献1)や、特開2003−3006974号公報(特許文献2)に開示されているように、柱の側面に付設した連結金物(ホールダウン金物)と、基礎から土台を貫通し上方に向けて突出状態に立設したアンカーボルトとを連結固定することでこの基礎と柱とを緊結する構造が一般的である。
【0005】
従って、上記の基礎と柱との連結構造を実施するには、柱に付設されたホールダウン金物と連結するために、この柱の立設位置に応じてアンカーボルトが立設されていることが必須となる。
【0006】
しかしながら、アンカーボルトは本来、基礎の施工時(コンクリートを打設して基礎を成形する際)にこのアンカーボルトの下部側を基礎に埋め込んで一体化してこの基礎に埋設状態に立設するものなので、既に建築済みの建築物に後付けはできない。
【0007】
そこで、建築済みの建築物の基礎に後付けするための後付けタイプのアンカーボルトも従来から提案されているが、しかし、この後付けタイプは、基礎に上方から縦溝を穿設し、この縦溝にアンカーボルトを差し込み、溝内に接着剤を充填して止着固定する構造のため、どうしても、基礎の施工時に埋め込んで基礎と一体化する本来のアンカーボルトに比して強度(特に上方への引き抜き強度)に劣る。
【0008】
また、例えば特開平06−065931号公報(特許文献3)に開示されているように、基礎に穿設する縦溝を、単にストレート形状とせず下部に拡張スペースを有する形状とし、この縦溝に差し込んだアンカーボルトの下部を前記拡幅スペース内で拡張することで、アンカーボルトの下部を縦溝の下部の拡張スペース内に抜け止めする構成(特許文献3,図4参照)など、引き抜き強度の向上を図った後付けタイプも従来から提案されているものの、どうしても構成が複雑で施工も面倒となる上に、結局上述した基礎の施工時に埋め込んで基礎と一体化する本来のアンカーボルトと同様の高い引き抜き強度を得ることは困難であった。
【0009】
このように、近年では、耐震性などの強度上の観点から基礎と柱との連結が強く望まれており、既に建築済みの建築物に追加でアンカーボルトが要求される場合が多々ある(特に、旧来の建築工法で建築された建築物の場合、大黒柱や隅柱など主要な縦材の立設位置には予めアンカーボルトが立設されるが、それ以外の例えば壁の縦桟などの各縦材にアンカーボルトが立設されることは殆ど無く、これら主要以外の縦材にホールダウン金物を付設して基礎と連結したい場合には追加でアンカーボルトが要求される)ものの、これまでには、十分な強度(引き抜き強度)を有するアンカーボルトを基礎の所望の位置に簡単に後付けできる有効な手段が無いのが現状であった。
【0010】
【特許文献1】特開2000−064422号公報
【特許文献2】特開2003−306974号公報
【特許文献3】特開平06−065931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような現状に鑑みて完成したものであり、コンクリート基礎に基礎沿設取付板部を取り付け固定することでこのコンクリート基礎上の土台の上方に螺子杆部を立設状態に配設し、この螺子杆部の立設状態の先端部のネジ部に例えば柱や壁の縦桟などの縦材の側面に付設した連結金具(例えばホールダウン金物)を螺着固定して縦材とコンクリート基礎とを緊結することができ、しかもたとえ大きな外力が付与しても基礎沿設取付板部はコンクリート基礎の側面に沿設状態に取り付け固定する取り付け構造を採用したので、上方への引き抜き強度が極めて高くコンクリート基礎から縦材が上方に引き外されることを堅固に阻止することができ、よって、縦材の立設位置に応じて簡単にコンクリート基礎の所望の位置にアンカーボルトの代替としての螺子杆部を立設でき、このコンクリート基礎と縦材との堅固な連結構造を簡便に実現でき、しかも量産性にも秀れるなど画期的で極めて実用性に秀れた緊結用金具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0013】
打込杆や止着ボルトなどの止着杆3を嵌挿する貫通孔2aを形成し、この貫通孔2aに嵌挿した前記止着杆3を、コンクリート基礎1の側面に打入することで,若しくはコンクリート基礎1の側面に形成した挿入部5に挿入固定することでこのコンクリート基礎1の側面に沿設状態に取り付け固定するように構成した基礎沿設取付板部2と、この基礎沿設取付板部2から上方に向けて突出状態に設ける螺子杆部4とから成り、前記螺子杆部4は、基端部にして下部を前記基礎沿設取付板部2に固定し、先端部にして上部は、前記基礎沿設取付板部2を取り付け固定したコンクリート基礎1上に横設する土台6の側方上方ではなく、この土台6の巾方向中央部の上方に立設状態に配設した構成とし、この立設状態の螺子杆部4の先端部のネジ部4aを、前記土台6に立設する縦材7の側面に付設した連結金具8に螺着固定することでこの縦材7と前記コンクリート基礎1とを緊結するように構成したことを特徴とする緊結用金具に係るものである。
【0014】
また、前記螺子杆部4は、基端側にして下部を、前記基礎沿設取付板部2を取り付け固定した前記コンクリート基礎1の側方に配設し、先端側にして上部を、前記土台6の巾方向中央部の上方に立設状態に配設し、この基端部と先端部とを湾曲部若しくは屈曲部を介して連設して成る湾曲形状若しくは屈曲形状に形成したことを特徴とする請求項1記載の緊結用金具に係るものである。
【0015】
また、前記螺子杆部4は、前記土台6の上方にしてこの土台6の近接位置に、この螺子杆部4を前記土台6の巾方向に湾曲若しくは屈曲する湾曲部若しくは屈曲部を有する形状に形成したことを特徴とする請求項2記載の緊結用金具に係るものである。
【0016】
また、前記基礎沿設取付板部2は、前記貫通孔2aとは異なる第二の貫通孔2bを形成し、この第二の貫通孔2bに嵌挿した第二の止着杆10を、土台6の側面に打入することで,若しくは土台6の側面に形成した挿入部9に挿入固定することでこの土台6の側面に沿設状態に前記基礎沿設取付板部2を取り付け固定し得るように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の緊結用金具に係るものである。
【0017】
また、前記基礎沿設取付板部2の前記貫通孔2aは、前記止着杆3の上下動を許可せず左右動を許可する遊嵌状態にこの止着杆3を嵌挿する長孔形状に形成し、この基礎沿設取付板部2の前記第二の貫通孔2bは、この第二の貫通孔2bに嵌挿する第二の止着杆10と略合致する孔形状に形成したことを特徴とする請求項4記載の緊結用金具に係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように構成したから、コンクリート基礎の側面に基礎沿設取付板部を取り付け固定するだけで、このコンクリート基礎上の土台の巾方向中央部の上方にしてこの土台に立設された縦材の立設位置に応じた所望の位置に、簡単にアンカーボルトの代替としての螺子杆部を立設状態に配設でき、この螺子杆部の先端部のネジ部を、前記縦材の側面に付設した連結金具と螺着固定して、縦材とコンクリート基礎との連結構造を簡単に実現できる。
【0019】
しかも、基礎沿設取付板部は、コンクリート基礎の側面に固定する構成(コンクリート基礎に対して側方からの固定)であり、従来の後付けタイプのアンカーボルト(基礎に穿設した縦溝に差し込んで固定)に比してそれだけ上方への引き抜き強度に秀れ、よって、コンクリート基礎や土台から縦材が上方に引き外されてしまうことをそれだけ堅固に阻止でき、従来までの後付けタイプのアンカーボルトには無い秀れた耐震構造を実現することも可能である。
【0020】
よって、本発明は、面倒な施工や複雑な構造無しで、アンカーボルトが立設されていない箇所に立設された縦材とコンクリート基礎との連結を達成でき、しかも従来の後付けタイプのアンカーボルトに比して引き抜き強度に秀れそれだけ秀れた耐震構造を実現でき、しかも容易に設計実現可能な簡易構成にして量産性にも秀れるなど、極めて実用性に秀れた画期的で商品価値の高い緊結用金具となる。
【0021】
また、請求項2,3記載の発明においては、本発明を実現するにあたり、簡単な構成で本発明の上記秀れた緊結・連結機能を確実に発揮でき得ることとなり、一層簡易設計実現可能な量産性及び実用性に秀れた緊結用金具となる。
【0022】
また、請求項4,5記載の発明においては、基礎沿設取付板部を、コンクリート基礎の側面に一層確実にして堅固に取り付け固定できるから、それだけコンクリート基礎と縦材とを一層確実にして堅固に緊結・連結できる実用性に秀れた緊結用金具となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0024】
基礎沿設取付板部2の貫通孔2aに嵌挿した打込杆や止着ボルトなどの止着杆3を、コンクリート基礎1の側面に打入する,若しくはコンクリート基礎1の側面に形成した挿入部5に挿入固定することで、このコンクリート基礎1の側面に基礎沿設取付板部2を沿設状態に取り付け固定する。
【0025】
ここで、この基礎沿設取付板部2に上方に向けて突出状態に設けた螺子杆部4は、その基端部にして下部を前記基礎沿設取付板部2に固定し、先端部にして上部は、コンクリート基礎1上に横設する土台6の側方上方ではなく、この土台6の巾方向中央部の上方に立設状態に配設する。
【0026】
従って、この土台6の巾方向中央部の上方に立設状態の螺子杆部4の先端部のネジ部4aを、前記土台6に立設する縦材7(例えば柱や壁の縦桟など)の側面に付設した連結金具8(例えばホールダウン金物など)に螺着固定することで、この縦材7と前記コンクリート基礎1とを緊結できる。
【0027】
また、上記従来例に記載の通り、従来の後付けタイプのアンカーボルトは、コンクリート基礎に穿設した縦溝に差し込んで溝内に接着剤などで止着固定する構造なので、上方への引き抜き強度が弱いという問題があったが、この点、本発明は、基礎沿設取付板部2の貫通孔2aに嵌挿した止着杆3をコンクリート基礎1の側面に打入したり、この止着杆3をコンクリート基礎1の側面に形成した挿入部5に挿入固定したりして、基礎沿設取付板部2をコンクリート基礎1の側面に沿設状態に(密接状態に)取り付け固定する構成なので、上記従来例に比して極めて高い引き抜き強度を確保できる。
【0028】
従って、本発明は、コンクリート基礎1の側面の所望の位置に基礎沿設取付板部2を取り付け固定するだけで前記縦材7の立設位置に応じた所望の位置にアンカーボルトの代替としての螺子杆部4を簡単に立設状態に配設でき、よって、従来の後付けタイプのアンカーボルトに比して引き抜き強度に秀れるこの螺子杆部4aに前記縦材7の連結金具8を螺着固定することで、アンカーボルトが立設されていなかった箇所の縦材7もコンクリート基礎1と簡単にして堅固に固定でき、耐震性に秀れた連結構造を簡便に実施可能とする画期的な緊結用金具となる。
【0029】
また、例えば、前記螺子杆部4は、基端側にして下部を、前記基礎沿設取付板部2を取り付け固定した前記コンクリート基礎1の側方に配設し、先端側にして上部を、前記土台6の巾方向中央部の上方に立設状態に配設し、この基端部と先端部とを湾曲部若しくは屈曲部を介して連設して成る湾曲形状若しくは屈曲形状に形成した場合には、例えば、単に平板材で構成した基礎沿設取付板部2に、単に杆材を湾曲若しくは屈曲して構成した螺子杆部4を固定するだけの簡単な構成で本発明を設計実現できることとなり、一層量産性に秀れることとなる。
【0030】
特に、例えば、前記螺子杆部4は、前記土台6の上方にしてこの土台6の近接位置に、この螺子杆部4を前記土台6の巾方向に湾曲若しくは屈曲する湾曲部若しくは屈曲部を有する形状に形成した場合には、螺子杆部4が、コンクリート基礎1の側方から上方に延設し、土台6の上方位置に達したところで直ちにこの土台6の側方上方から巾方向中央部の上方へと湾曲若しくは屈曲するので、それだけこの土台6の巾方向中央部の上方に螺子杆部4の先端部の長範囲を立設状態に配設できる。即ち、アンカーボルトの代替として役割を発揮する部位(土台6の巾方向中央部の上方に立設状態に配設される部位)を螺子杆部4に長範囲に形成でき、よって、それだけ螺子杆部4と前記縦材7の連結金具との連結を一層良好に行えることとなる。
【0031】
また、例えば、前記基礎沿設取付板部2は、前記貫通孔2aとは異なる第二の貫通孔2bを形成し、この第二の貫通孔2bに嵌挿した第二の止着杆10を、土台6の側面に打入することで,若しくは土台6の側面に形成した挿入部9に挿入固定することでこの土台6の側面に沿設状態に前記基礎沿設取付板部2を取り付け固定し得るように構成した場合には、基礎沿設取付板部2をコンクリート基礎1の側面にだけでなく、土台6の側面にも固定し、これにより縦材7がコンクリート基礎1と土台6とに連結されることとなるので、縦材7とコンクリート基礎1及び土台6とによる一層高い連結強度が得られることとなる。
【0032】
特に、例えば前記基礎沿設取付板部2の前記貫通孔2aは、前記止着杆3の上下動を許可せず左右動を許可する遊嵌状態にこの止着杆3を嵌挿する長孔形状に形成し、この基礎沿設取付板部2の前記第二の貫通孔2bは、この第二の貫通孔2bに嵌挿する第二の止着杆10と略合致する孔形状に形成すれば、仮にコンクリート基礎1に含まれる小石などの硬い部材に邪魔されて前記基礎沿設取付板部2の貫通孔2aに嵌挿した止着杆3をコンクリート基礎1の側面に打入できなかかったり、この止着杆3を挿入する挿入部5を穿設できなかったりした場合、小石を避けるべく前記止着杆3の打入位置や挿入部5の穿設位置を左右にズラして位置調整したりでき、しかもこの貫通孔2aに対して止着杆3は左右動は許可するが上下動は許可しない孔形状に形成してあり、また第二の貫通孔2bは第二の止着杆10に略合致する孔形状としているので、前記貫通孔2aを長孔形状にしたことで基礎沿設取付板部2の取り付け強度(上方への引き抜き強度)が弱まることは無く、よって、基礎沿設取付板部2の取り付けを一層確実且つ良好に行えることとなる。
【実施例】
【0033】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0034】
本実施例は、建築物のコンクリート基礎1と、コンクリート基礎1上に横設する土台6に立設される柱や壁の縦桟などの縦材とを緊結するものであって、打込杆や止着ボルトなどの止着杆3を嵌挿する貫通孔2aを形成し、この貫通孔2aに嵌挿した前記止着杆3を、コンクリート基礎1の側面に打入することで,若しくはコンクリート基礎1の側面に形成した挿入部5に挿入固定することでこのコンクリート基礎1の側面に沿設状態に取り付け固定するように構成した基礎沿設取付板部2と、この基礎沿設取付板部2から上方に向けて突出状態に設ける螺子杆部4とから成り、前記螺子杆部4は、基端部にして下部を前記基礎沿設取付板部2に固定し、先端部にして上部は、前記基礎沿設取付板部2を取り付け固定したコンクリート基礎1上に横設する土台6の側方上方ではなく、この土台6の巾方向中央部の上方に立設状態に配設した構成とし、この立設状態の螺子杆部4の先端部のネジ部4aを、前記土台6に立設する縦材7の側面に付設した連結金具8に螺着固定することでこの縦材7と前記コンクリート基礎1とを緊結するように構成した緊結用金具である。
【0035】
基礎沿設取付板部2は、図1に図示したように、金属性板材をプレス成形により所定形状に型抜き形成した平板材から成る平板状の構成である。尚、この基礎沿設取付板部2は平板状に限らず、例えば断面コ字状やL字状に形成して前記コンクリート基礎1の隅部に被嵌状態に沿設固定し得る形状に形成しても良い。
【0036】
この基礎沿設取付板部2の板面には、図1に図示したように、止着杆3を嵌挿する貫通孔2aを二つ、後述の第二の止着杆10を嵌挿する第二の貫通孔2bを二つ形成している。
【0037】
また、本実施例では、図2に図示したように、コンクリート基礎1の側面に水平方向に挿入部5(挿入溝)を穿設し、基礎沿設取付板部2の貫通孔2aに嵌挿した止着杆3(止めボルト)を挿入し、前記挿入部5内に接着剤を充填して挿入部5内に止着杆3を挿入固定する止着構造を採用する。
【0038】
尚、この基礎沿設取付板部2の貫通孔2aは、図1に図示したように、前記止着杆3の上下動を許可せず左右動を許可する遊嵌状態にこの止着杆3を嵌挿する長孔形状に形成している。
【0039】
従って、例えば止着杆3を挿入する挿入部5を前記コンクリート基礎1の側面に穿設する際、このコンクリート基礎1内の小石などの硬い部材に突き当たって挿入部5を良好に穿設できなかった場合、前記嵌挿孔2aが長孔形状に形成されているぶんだけこの挿入部5の位置(嵌挿項2aに対して止着杆3を嵌挿する位置)を前記小石を避けるように長孔方向(左右方向)に位置調整できるので、土台2に立設した縦材7のこの立設位置に応じた所望の位置に確実に基礎沿設取付板部2の取り付けが可能である。
【0040】
また、この基礎沿設取付板部2には、図1に図示したように、前記貫通孔2aとは異なる第二の貫通孔2bを形成している。
【0041】
従って、図2に図示したように、この第二の貫通孔2bに嵌挿した第二の止着杆10を、土台6の側面に打入することで,若しくは土台6の側面に形成した挿入部9に挿入固定することでこの土台6の側面に沿設状態に前記基礎沿設取付板部2を取り付け固定できるので、この基礎沿設取付板部2の貫通孔2aに嵌挿した止着杆3と前記第二の貫通孔2bに嵌挿した第二の止着管10とにより、前記基礎沿設取付板部2をコンクリート基礎1の側面と土台6の側面の双方に一層堅固に取り付け固定できる。
【0042】
この第二の貫通孔2bに嵌挿する第二の止着杆10は、図2に図示したように、土台6の側面に水平方向に穿設した挿入部9(挿入溝)に挿入し、この挿入部9内に接着剤を充填して挿入部9内に第二の止着杆10を挿入固定する止着構造を採用する。尚、土台6は一般に木材で構成するので、例えば内周面に雌ネジ部を形成した挿入部9に、外周面に雄ネジ部を形成した第二の止着杆10を螺入してこの挿入部9に第二の止着杆10を挿入固定する止着構造を採用しても良い。
【0043】
尚、この基礎沿設取付板部2の前記第二の貫通孔2bは、この第二の貫通孔2bに嵌挿する第二の止着杆10と略合致する孔形状に形成しており、基礎沿設取付板部2が上下方向にも左右方向にもガタつきなくこの土台6の側面に取り付け固定されるようにしている。
【0044】
前記螺子杆部4は、図1及び図2に図示したように、所定の湾曲形状に湾曲して構成し杆体の基端部(下部)を基礎沿設取付板部2に固定(溶接固定)したものである。具体的には、基端部にして下部を直線状に形成し、この基端部から湾曲部を介して、先端部にして上部も直線状に形成している。また、前記基礎沿設取付板部2をコンクリート基礎1の側面に取り付け固定した際に、前記湾曲部は、前記土台6の側方上方からこの土台6の長さ方向と直交に交差する巾方向に沿って湾曲し、この土台6の巾方向中央部(土台6を巾方向に二等分する丁度中間部位置でなくとも良い)に達したところから、更に上方に向かって湾曲立ち上がり形状に形成している(即ち、基礎沿設取付板部2の取り付け面と直交方向に前記螺子杆部4の湾曲部が湾曲する形状である。)。
【0045】
また、図1及び図2に図示したように、前記基礎沿設取付板部2をコンクリート基礎1の側面に取り付け固定した際に、前記螺子杆部4は、前記土台6の上方にしてこの土台6の近接位置に前記湾曲部を有するように形成し、螺子杆部4の先端部の長範囲が前記土台6の巾方向中央部の上方に立直状態に配設されるように形成している。
【0046】
従って、アンカーボルトの代替となる前記螺子杆部4の先端部のネジ部4aを土台6上に長範囲に形成できるので、それだけこの螺子杆部4に、縦材7の連結金具8を良好に螺着固定できる。
【0047】
尚、この螺子杆部4は、基端部にして下部を基礎沿設取付板部2に固定し、この基礎沿設取付板部2をコンクリート基礎1の側面に取り付け固定した際にこの螺子杆部4の先端部にして上部が前記土台6の巾方向中央部の上方に立設状態に配設される形状であればどのような形状としても良い。また、本実施例では、上述のように基礎沿設取付板部2を平板状とし、螺子杆部4はコンクリート基礎1の側方から、土台6の巾方向中央部の上方に向けて湾曲(若しくは屈曲)した形状に構成したが、これに限らず、例えば、前記基礎沿設取付板部2が、コンクリート基礎1の側面から土台6の側面を越えてこの土台6の上面まで達し、この土台6の上面にして土台6の巾方向中央部に向けて折曲して更にこの土台6の巾方向中央部から上方に立ち上がり折曲した折曲板状に形成し、この折曲板状の基礎沿設取付板部2の前記土台6の上面の立ち上がり折曲部から上方に向けて直線状の螺子杆部4を固定して設けた構成としても良い。
【0048】
この螺子杆部4の先端部にして上部にはネジ部4aが設けられており、具体的には、図1に図示したように、この螺子杆部4の先端部外周面にネジ山を形成して前記ネジ部4aを設けた構成である。
【0049】
また、本実施例では、縦材7の側面に付着する連結金具8として、一般にアンカーボルトと螺着固定して使用される市販のホールダウン金物を採用する。ホールダウン金物には様々な構造があり、図示した本実施例は、前記螺子杆部4の先端部のネジ部4aを、挿通部8aに挿通し、このネジ部4aに上方から螺着したナット12の締め付け押圧によりこのホールダウン金物(連結金具8)を下方の土台6・コンクリート基礎1に向けて押さえ込み固定することで前記螺子杆部4とホールダウン金物とを螺着固定して、縦材7とコンクリート基礎1とを緊結するという連結構造のものを採用しているが、このような市販のホールダウン金物の構造は本発明の趣旨とは直接関係しないので省略する(一般にアンカーボルトと螺着固定して使用される市販のホールダウン金物であればどのような構造のものでも採用できる。)。
【0050】
上述のように構成した本実施例に係る緊結用金具は、図2に図示したように、基礎沿設取付板部2の貫通孔2aに嵌挿した止めボルト(止着杆3)をコンクリート基礎1に側方から穿設した挿入部5に挿入固定してこの止めボルトのネジ頭により基礎沿設取付板部2を前記コンクリート基礎1の側面に沿設(密着)状態に取り付け固定すると共に、この基礎沿設取付板部2の第二の貫通孔2bに嵌挿した止めボルト(第二の止着杆10)を土台6に側方から穿設した挿入部9に挿入固定してこの止めボルトのネジ頭により基礎沿設取付板部2を土台6の側面に沿設(密着)状態に取り付け固定することで基礎沿設取付板部2をコンクリート基礎1の側面及び土台6の側面に強固に(特に上方向の引き抜き強度に秀れる強固な取り付け強度で)取り付け固定でき、これにより、図2及び図3に図示したように、土台6に立設された縦材7の近接位置にして土台6の巾方向中央部の上方に螺子杆部4の先端部のネジ部4aを立設状態に配設できる。
【0051】
このネジ部4aを前記縦材7の側面に付設されたホールダウン金物(連結金具8)の挿通部8aに挿通してナット12で締め付け螺着固定することで、図2及び図3に図示したように縦材7と前記コンクリート基礎1(及び土台6)とを堅固に緊結できる。
【0052】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本実施例に係る緊結用金具の説明斜視図である。
【図2】本実施例に係る緊結用金具の使用状態を示す側断面図である。
【図3】本実施例に係る緊結用金具の使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
1 コンクリート基礎
2 基礎沿設取付板部
2a 貫通孔
2b 第二の貫通孔
3 止着杆
4 螺子杆部
4a ネジ部
5 挿入部
6 土台
7 縦材
8 連結金具
9 挿入部
10 第二の止着杆

特許の図
【出願人】 【識別番号】506034112
【氏名又は名称】株式会社 アイテック
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛

【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
【公開番号】 特開2008−2231(P2008−2231A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−175301(P2006−175301)