トップ :: E 固定構造物 :: E02 水工;基礎;土砂の移送

【発明の名称】 荷役車両の荷役安全装置
【発明者】 【氏名】堀部 悟史
【課題】スキッドステアローダ等の荷役車両に適用され、運転者が乗降時等に誤って荷役装置を作動させない様にした荷役安全装置に於て、容易に設置できると共に、安全性を大幅に向上させる。

【構成】シート2、安全バー3、荷役装置4、アクチュエータ5、コントロールバルブ6、荷役ペダル7、シート検出器8、安全バー検出器9、バイパス電磁弁10とで構成し、とりわけシート2に運転者Aが着席した事を検出するシート検出器8と、安全バー3を拘束位置にした事を検出する安全バー検出器9と、シート検出器8と安全バー検出器9に依り制御されて運転者Aがシート2に着席して安全バー3が拘束位置にされた時にはポンプ19からの作動油がコントロールバルブ6へ供給されると共にそれ以外の時にはポンプ19からコントロールバルブ6への作動油の通流を遮断するバイパス電磁弁10とを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に設けられて運転者が着席し得るシートと、車体に設けられてシートに着席した運転者を拘束する拘束位置と運転者を開放する開放位置とをとり得る安全バーと、車体に設けられて荷役作業を行なう為の荷役装置と、荷役装置を駆動する為のアクチュエータと、アクチュエータを制御する為のコントロールバルブと、コントロールバルブを操作する為の荷役ペダルと、シートに運転者が着席した事を検出するシート検出器と、安全バーを拘束位置にした事を検出する安全バー検出器と、シート検出器と安全バー検出器に依り制御されて運転者がシートに着席して安全バーが拘束位置にされた時にはポンプからの作動油がコントロールバルブへ供給されると共にそれ以外の時にはポンプからコントロールバルブへの作動油の通流を遮断するバイパス電磁弁と、から構成した事を特徴とする荷役車両の荷役安全装置。
【請求項2】
シート検出器は、シートに設けられた単一のものにしてあると共に、安全バー検出器は、安全バーに呼応して設けられた左右のものにしてあり、これらがバイパス電磁弁のソレノイドに直列に接続されている請求項1に記載の荷役車両の荷役安全装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばスキッドステアローダ等の荷役車両に適用され、運転者が乗降時等に誤って荷役装置を作動させない様にした荷役安全装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の荷役車両の荷役安全装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
これは、基本的には、車体に設けられて運転者が着席し得るシートと、車体に設けられてシートに着席した運転者を拘束する拘束位置と運転者を開放する開放位置とをとり得る安全バーと、車体に設けられて荷役作業を行なう為の荷役装置と、荷役装置を駆動する為のアクチュエータと、アクチュエータを制御する為のコントロールバルブと、コントロールバルブを操作する為の荷役ペダルと、安全バーを開放位置にした時には荷役ペダルをロックすると共に安全バーを拘束位置にした時には荷役ペダルのロックを解除し得る機械的ロック手段と、から構成されている。
而して、この様なものは、安全バーを開放位置にした時には、機械的ロック手段に依り荷役ペダル及びコントロールバルブが中立位置にロックされるので、運転者が乗降時等に誤って荷役装置を作動させる事がなく、安全性を確保できる。
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第2513278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この様なものは、機械的ロック手段を安全バーと荷役ペダルとの間に設けねばならなかったので、設置場所に制約を受けてこれが容易に設置できないばかりでなく、安全バーの動作のみに依り荷役ペダル及びコントロールバルブを中立位置に機械的にロックする様にしていたので、安全バーの動作加減に依りロック状態にバラツキが生じて充分な安全性を確保する事ができなかった。
【0005】
本発明は、叙上の問題点に鑑み、これを解消する為に創案されたもので、その課題とする処は、容易に設置できると共に、安全性を大幅に向上させる様にした荷役車両の荷役安全装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の荷役車両の荷役安全装置は、基本的には、車体に設けられて運転者が着席し得るシートと、車体に設けられてシートに着席した運転者を拘束する拘束位置と運転者を開放する開放位置とをとり得る安全バーと、車体に設けられて荷役作業を行なう為の荷役装置と、荷役装置を駆動する為のアクチュエータと、アクチュエータを制御する為のコントロールバルブと、コントロールバルブを操作する為の荷役ペダルと、シートに運転者が着席した事を検出するシート検出器と、安全バーを拘束位置にした事を検出する安全バー検出器と、シート検出器と安全バー検出器に依り制御されて運転者がシートに着席して安全バーが拘束位置にされた時にはポンプからの作動油がコントロールバルブへ供給されると共にそれ以外の時にはポンプからコントロールバルブへの作動油の通流を遮断するバイパス電磁弁と、から構成した事に特徴が存する。
【0007】
運転者がシートに着席して安全バーが拘束位置にされた時には、シート検出器と安全バー検出器に依りこれらの事が検出され、バイパス電磁弁が制御されてポンプからの作動油がコントロールバルブへ供給される。この為、荷役ペダルが操作されると、コントロールバルブに依りアクチュエータが制御されて荷役装置が作動される。この時、安全バーは、拘束位置にされているので、衝突時等に際してシートに着座した運転者の前方飛出しを防止して安全を図る事ができる。
運転者及び安全バーが前記以外の時、つまり運転者がシートから離座したり、安全バーが開放位置にされた時には、シート検出器と安全バー検出器に依りこれらの事が検出され、バイパス電磁弁が制御されてポンプからコントロールバルブへの作動油の通流が遮断される。この為、荷役ペダルに依りコントロールバルブが操作できるものの、ポンプからの作動油がバイパス電磁弁に依りアクチュエータに供給される事がないので、運転者が誤って荷役ペダルを操作しても、荷役装置が作動される事がない。
【0008】
シート検出器は、シートに設けられた単一のものにしてあると共に、安全バー検出器は、安全バーに呼応して設けられた左右のものにしてあり、これらがバイパス電磁弁のソレノイドに直列に接続されているのが好ましい。この様にすれば、運転者がシートに着席して左右の安全バーを拘束位置にしなければ、荷役装置を作動させる事ができないので、より一層安全性が向上される。
【発明の効果】
【0009】
本発明に依れば、次の様な優れた効果を奏する事ができる。
(1) シート、安全バー、荷役装置、アクチュエータ、コントロールバルブ、荷役ペダル、シート検出器、安全バー検出器、バイパス電磁弁とで構成し、とりわけシートに運転者が着席した事を検出するシート検出器と、安全バーを拘束位置にした事を検出する安全バー検出器と、シート検出器と安全バー検出器に依り制御されて運転者がシートに着席して安全バーが拘束位置にされた時にはポンプからの作動油がコントロールバルブへ供給されると共にそれ以外の時にはポンプからコントロールバルブへの作動油の通流を遮断するバイパス電磁弁とを設け、所謂電気的に検出して流体圧的にロックする様にしたので、容易に設置できると共に、安全性を大幅に向上させる事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の荷役安全装置を適用した荷役車両を示す側面図。図2は、運転席付近を示す正面図。図3は、荷役安全装置を示す回路図である。
【0011】
荷役安全装置1は、シート2、安全バー3、荷役装置4、アクチュエータ5、コントロールバルブ6、荷役ペダル7、シート検出器8、安全バー検出器9、バイパス電磁弁10とからその主要部が構成されて居り、スキッドステアローダ等の荷役車両50に適用される。
荷役車両50は、車体51と、これに回転可能に設けられた前後の車輪52と、車体51の上部に設けられて前面を除く部分に防護金網が付設されたヘッドガード53と、これに依り形成されて前方に出入口を有する運転室54とを備えている。
【0012】
シート2は、車体11に設けられて運転者Aが着席し得るもので、この例では、運転室54の内部に設けられている。
【0013】
安全バー3は、車体2に設けられてシート2に着席した運転者Aを拘束する拘束位置と運転者Aを開放する開放位置とをとり得るもので、この例では、シート2の左右両側に位置する固定側に前後軸廻りに俯仰可能に設けられた左右のものにしてあり、左右方向の横片と前後方向の縦片とを備えて平面略L型を呈する芯材11と、これの横片に被覆されたクッション材12と、固定側であるヘッドガード53に設けられて芯材11の縦片を前後軸廻りに回動可能に支持するブラケット13とを備えて居り、芯材11を俯伏させると、図2の実線で示す如く、運転者Aを拘束する拘束位置になると共に、芯材11を仰起させると、運転者Aを開放する開放位置になる様にしてある。
【0014】
荷役装置4は、車体2に設けられて荷役作業を行なう為のもので、この例では、車体2に俯仰可能に設けられたブーム14と、これに俯仰可能に設けられたバケット15とを備えている。
【0015】
アクチュエータ5は、荷役装置4を駆動する為のもので、この例では、車体2とブーム14との間に設けられてブーム14を俯仰させるブームシリンダ16と、ブーム14とバケット15との間に設けられてバケット15を俯仰させるバケットシリンダ17とを備えている。
【0016】
コントロールバルブ6は、アクチュエータ5を制御する為のもので、この例では、ブームシリンダ16を制御するブームコントロールバルブと、バケットシリンダ17を制御するバケットコントロールバルブとを備えて居り、二連式のものにしてある。
【0017】
荷役ペダル7は、コントロールバルブ6を操作する為のもので、この例では、ブームコントロールバルブを操作するブームペダルと、バケットコントロールバルブを操作するバケットペダルとを備えて居り、夫々コントロールロッド18を介してブームコントロールバルブとバケットコントロールバルブに連繋されている。
【0018】
シート検出器8は、シート2に運転者Aが着席した事を検出するもので、この例では、シート2に設けられた単一のメンブレンスイッチ(シートスイッチ)にしてあり、運転者Aがシート2に着席した時にはオンになる様にしてある。
【0019】
安全バー検出器9は、安全バー3を拘束位置にした事を検出するもので、この例では、、安全バー3に呼応して設けられた左右のリミットスイッチにしてあり、安全バー3を拘束位置にした時にはオンになる様にしてある。
【0020】
バイパス電磁弁10は、シート検出器8と安全バー検出器9に依り制御されて運転者Aがシート2に着席して安全バー3が拘束位置にされた時にはポンプ19からの作動油がコントロールバルブ6へ供給されると共にそれ以外の時にはポンプ19からコントロールバルブ6への作動油の通流を遮断するもので、この例では、四ポート二位置型電磁切換弁にしてあり、その一次側ポートは、ポンプ19の吐出側とタンク20に接続されていると共に、二次側ポートは、コントロールバルブ6に接続されている。
ポンプ19は、エンジン等の原動機21に依り回転駆動されると共に、吸込側がタンク20に接続されている。
而して、バイパス電磁弁10のソレノイド22には、単一のシート検出器8と左右の安全バー検出器9が直列に接続されて居り、これら三つの検出器8,9が全てオンの時には、ソレノイド22が励磁されてパイパス電磁弁10が開弁されると共に、三つの検出器8,9のうちの一つでもオフの時には、ソレノイド22が消磁されてバイパス電磁弁10が閉弁される様にしてある。
【0021】
次に、この様な構成に基づいてその作用を述解する。
図1及び図2の実線で示す如く、運転者Aがシート2に着席して左右の安全バー3が拘束位置にされた時には、シート検出器8と左右の安全バー検出器9に依りこれらの事が検出され、バイパス電磁弁10が開弁制御されてポンプ19からの作動油がコントロールバルブ6へ供給される。この為、荷役ペダル7(ブームペダルやバケットペダル)が操作されると、コントロールバルブ6(ブームコントロールバルブやバケットコントロールバルブ)に依りアクチュエータ5(ブームシリンダ16やバケットシリンダ17)が制御されて荷役装置4(ブーム14やバケット15)が作動される。この時、安全バー3は、拘束位置にされているので、衝突時等に際してシート2に着座した運転者Aの前方飛出しを防止して安全を図る事ができる。
【0022】
運転者A及び安全バー3が前記以外の時、つまり運転者Aがシート2から離座したり、図2の鎖線で示す如く、安全バー3が開放位置にされた時には、シート検出器8と安全バー検出器9に依りこれらの事が検出され、バイパス電磁弁10が閉弁制御されてポンプ19からコントロールバルブ6への作動油の通流が遮断されると共に、コントロールバルブ6からタンク20への作動油の通流が遮断される。この為、荷役ペダル7(ブームペダルやバケットペダル)に依りコントロールバルブ6(ブームコントロールバルブやバケットコントロールバルブ)が操作できるものの、ポンプ19からの作動油がアクチュエータ5(ブームシリンダ16やバケットシリンダ17)に供給される事がないので、運転者が誤って荷役ペダル7(ブームペダルやバケットペダル)を操作しても、荷役装置4(ブーム14やバケット15)が作動される事がない。
【0023】
シート検出器8と安全バー検出器9とバイパス電磁弁10を設けて所謂電気的且つ流体圧的に荷役装置4をロックする様にしたので、機械的にロックするものに比べて、設置の自由度が大きくなって容易に設置できると共に、確実にロックする事ができて安全性が大幅に向上する。
【0024】
尚、シート検出器8は、先の例では、メンブレンスイッチ(シートスイッチ)を用いたが、これに限らず、例えばこれ以外のものを用いても良い。
安全バー検出器9は、先の例では、リミットスイッチを用いたが、これに限らず、例えばこれ以外のものを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の荷役安全装置を適用した荷役車両を示す側面図。
【図2】運転席付近を示す正面図。
【図3】荷役安全装置を示す回路図。
【符号の説明】
【0026】
1…荷役安全装置、2…シート、3…安全バー、4…荷役装置、5…アクチュエータ、6…コントロールバルブ、7…荷役ペダル、8…シート検出器、9…安全バー検出器、10…バイパス電磁弁、11…芯材、12…クッション材、13…ブラケット、14…ブーム、15…バケット、16…ブームシリンダ、17…バケットシリンダ、18…コントロールロッド、19…ポンプ、20…タンク、21…原動機、22…ソレノイド、50…荷役車両、51…車体、52…車輪、53…ヘッドガード、54…運転室、A…運転者。


特許の図
【出願人】 【識別番号】000003241
【氏名又は名称】TCM株式会社
【出願日】 平成18年8月4日(2006.8.4)
【代理人】 【識別番号】100082474
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 丈夫
【公開番号】 特開2008−38416(P2008−38416A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−212702(P2006−212702)