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【発明の名称】 回転式ゲートの底部シール装置
【発明者】 【氏名】賀谷 丈茂

【氏名】由井 孝昌

【氏名】高遠 典宏

【要約】 【課題】扉体が水圧により撓んでも水路底部との間の水密状態を保持できるようにする。

【構成】左右の支持円盤の周辺部同士の間に扉体5を取り付けてゲート本体を形成する。左右の支持柱部材の間の水路1に、ゲート本体を横切るよう配置し、水平軸を中心に回転動作できるようにして回転式ゲートを形成する。水路1の底部に設けた堀込みピット11の上流側端部に、径間方向に延びる水密ゴム取付座13を設けて水密ゴム14を取り付ける。水密ゴム14の長手方向中間部分における本体部15と、水密ゴム取付座13との間に、圧縮コイルばね24a,24b,24cを介装する。圧縮コイルばね24a,24b,24cにより水密ゴム14の長手方向中間部分を扉体5のスキンプレート5a側へ常時付勢することで、扉体5が撓んでスキンプレート5aが下流側へ変位しても、水密ゴム14を追従させて圧着量を確保させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の支持円盤と、該左右の支持円盤の周辺部間に取り付けた扉体とからなるゲート本体を、水路内で回転させて上記扉体を開閉動作できるようにし、更に、上記水路底部に、ゲート本体の最下端部に配する扉体を収容するための堀込みピットを設けてなる回転式ゲートにおける上記堀込みピットの上流側端部に、水密ゴム取付座を径間方向に設け、該水密ゴム取付座に扉体のスキンプレートに密着させるための水密ゴムを取り付け、且つ該水密ゴムの長手方向中間部分と、上記水密ゴム取付座との間に、ばね部材を介装して、該ばね部材の弾性力により、上記水密ゴムの長手方向中間部分を、上記扉体のスキンプレート側へ常時付勢できるようにしたことを特徴とする回転式ゲートの底部シール装置。
【請求項2】
左右の支持円盤と、該左右の支持円盤の周辺部間に取り付けた扉体とからなるゲート本体を、水路内で回転させて上記扉体を開閉動作できるようにし、更に、上記水路底部に、ゲート本体の最下端部に配する扉体を収容するための円弧状断面の堀込みピットを設けてなる回転式ゲートにおける上記扉体のスキンプレートの所要位置に、水密ゴム取付座を径間方向に設け、該水密ゴム取付座に上記堀込みピットの内面に密着させるための水密ゴムを取り付け、且つ該水密ゴムの長手方向中間部分と、上記水密ゴム取付座との間に、ばね部材を介装して、該ばね部材の弾性力により、上記水密ゴムの長手方向中間部分を、上記堀込みピットの内面側へ常時付勢できるようにしたことを特徴とする回転式ゲートの底部シール装置。
【請求項3】
水密ゴムの長手方向中間部分と、水密ゴム取付座との間に介装するばね部材の圧縮量が異なるようにして、水密ゴムの長手方向中央位置に近づくにつれて圧縮量の大きなばね部材を介装するようにした請求項1又は2記載の回転式ゲートの底部シール装置。
【請求項4】
ばね部材を、圧縮コイルばねとし、且つ該ばね部材を、水密ゴムの長手方向中間部分と、水密ゴム取付座との間に水密ゴムの長手方向に所要間隔で多数配設するようにした請求項1、2又は3記載の回転式ゲートの底部シール装置。
【請求項5】
複数本の圧縮コイルばねの基端部を、所要の長さ寸法を有するベースプレートの長手方向所要間隔位置に該ベースプレートの表面に対し直角方向に配して取り付けると共に、該ベースプレートを介し基端側が互いに連結された上記複数本の圧縮コイルばねの先端部同士を、先端側に配した先端プレートを介して連結してなるばねユニットを形成し、水密ゴムの長手方向中間部分と、水密ゴム取付座との間に、上記ばねユニットを水密ゴムの長手方向に並べて介装させるようにした請求項1、2、3又は4記載の回転式ゲートの底部シール装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、河川や水路の途中位置に設置して水平軸を中心とする扉体の回転動作により開閉を行うようにしてある回転式ゲートにおける上記扉体と水路底部との間を水密構造とするための回転式ゲートの底部シール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
河川や水路の途中位置に設けられて流量調節等を行うゲートとしては、ローラゲート方式のものが一般的に用いられている。かかるローラゲートは、ゲート躯体として、河川の幅方向に所要間隔で鉛直な支持柱部材(ピア)を設置し、隣接する各支持柱部材間にゲート扉体を昇降可能に設けると共に、該ゲート扉体を支持柱部材の上端部に設置した開閉装置により昇降(開閉)できるようにしたものである。
【0003】
しかし、上記ローラゲートでは、上記各支持柱部材に、ゲート扉体の水面上への引き上げに対応した高さ寸法を確保する必要があると共に、支持柱部材の上端部に昇降装置を設置するようにしてあることから、大きな構造物が水面上に突出することとなり、周囲環境や景観に少なからず影響を与え、好ましくない場合が生じていた。
【0004】
そのために、近年、支持柱部材の上端部に昇降装置を設ける必要をなくして上記した如きローラゲートの有する問題点を解消できるようにしたゲート形式の1つとして、回転式ゲートが開発されてきている。
【0005】
かかる回転式ゲートは、図5及び図6(イ)(ロ)(ハ)にその一例の概略を示す如く、河川の幅方向に所要間隔で躯体としての支持柱部材(ピア)2を設置して、隣接する支持柱部材2の間に水路1を形成してある。又、左右一対の支持円盤4の周辺部同士の間に、上記支持円盤4の外周面とほぼ同様の湾曲率で所要の角度範囲に亘り湾曲するスキンプレート5aを備えた弓形(略三日月形)断面形状のシェル構造で左右方向に延びる扉体5を配置して、該扉体5の左右両端部をそれぞれ支持円盤4に取り付けることによりゲート本体3を構成してある。更に、上記ゲート本体3は、上記左右の支持柱部材2の間に水路1を横切るよう配置すると共に、上記水路1を挟んで相対向する左右の支持柱部材2の内側面部(水路1中央側面部)に、上記ゲート本体3の左右の支持円盤4を、該各支持円盤4の中心に配した左右水平方向の支持軸6を介して回転自在に支持させて、上記ゲート本体3が、上記左右の支持柱部材2の間の水路1内で支持軸6を中心に回転できるようにしてある。
【0006】
更に、上記ゲート本体3の回転駆動機構7として、上記左右の支持円盤4のうちの一方(図上右側)の支持円盤4の外周端部に、ピンラック等のラック部8を周方向に延びるよう設けると共に、対応する側の支持柱部材2内に設置してある油圧モータ等の駆動装置9の出力軸に取り付けたピニオン10を、上記ラック部8に噛合させた構成としてある。
【0007】
上記左右の支持柱部材2間の水路1の底部における上記ゲート本体3の配設位置と対応する個所には、扉体収容凹部としての掘込みピット11を設けて、上記扉体5をゲート本体3の最下端部に配置すると、該扉体5が上記掘込みピット11に収容されて、扉体5の背面が水路1の底面と一致するようにしてある。
【0008】
上記構成としてある回転式ゲートによれば、上記駆動装置9によりピニオン10を回転駆動させると、上記ラック部8が設けてある一方の支持円盤4と一体に上記ゲート本体3を回転させることができて、該ゲート本体3に設けてある上記扉体5の角度及び高さ位置を自在に変更できるようにしてある。したがって、たとえば、図6(イ)に示す如く、回転駆動機構7によりゲート本体3を所要量回転させて、扉体5をゲート本体3の最下端部に配置して上記水路1底部の掘込みピット11に収容させた状態として固定することにより、水路1を全開状態とさせて、水路上流側(河川上流側)Uより下流側Dへ水を自然流下させることができるようにしてある。
【0009】
又、図6(ロ)に示す如く、上記回転駆動機構7により、上記ゲート本体3を、図6(イ)に示した状態より図上反時計方向へ所要角度回転させ、上記扉体5を水路1の底面より所要高さ位置まで突出させた状態として固定することにより、該扉体5を堰として作用させて上流側Uの水位調節を行うことができるようにしてある。
【0010】
更に、図6(ハ)に示す如く、回転駆動機構7により、上記ゲート本体3を、図上反時計方向へ更に回転させて、扉体5のスキンプレート5aの後端部(下端部)のみが上記堀込みピット11の水路1上流側端部にかかるように配置して、該扉体5の上端(天端)位置を更に引き上げた状態で固定することにより、水路1を全閉状態として、上流側Uの水位を更に高いレベルに保持することができるようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
【0011】
ところで、上記回転式ゲートは、ゲート本体3の扉体5の所要個所と、水路1の底部との間を径間方向(扉体5の長手方向)の全長に亘りシールするための底部シール装置と、上記ゲート本体3の両端部とその左右に位置する支持柱部材2との間をシールするための側部シール装置とを備えて、水密構造となるようにしてある。
【0012】
上記回転式ゲートの底部シール装置としては、図7に示す如き形式の底部シール装置12が従来提案されている。これは、上記水路1底部の掘込みピット11における水路1上流側端部(図では左端部)寄りの所要個所に、水密ゴム取付座(支持金具)13を径間方向の全長に亘り水密に設けて、該水密ゴム取付座13の上面と、上記扉体5のスキンプレート5aとの間に、水密ゴム14の高さ寸法よりもやや狭い隙間を形成するようにしてある。更に、上記水密ゴム取付座13の上側に、径間方向の全長に亘って延びる水密ゴム14を取り付けてなる構成としてある。
【0013】
更に又、上記水密ゴム14を、中空の本体部15と、該本体部15の基端側より幅方向の両側に突出するよう延設した装着部16とからなる断面形状略Ω字状の構成として、上記各装着部16を、それぞれ長手方向所要間隔で上記水密ゴム取付座13に対しボルト止めすることで、該水密ゴム14の上記水密ゴム取付座13への取り付けを行うことも提案されている。
【0014】
以上の如き構成としてある底部シール装置12によれば、上記水密ゴム取付座13に取り付けられた上記水密ゴム14は、水密ゴム取付座13と上記扉体5のスキンプレート5aとの間にて、高さ方向に多少圧縮された状態となるため、水密ゴム14の本体部15の先端部(突出端部)を、上記ゲート本体3の扉体5のスキンプレート5aに圧着(密着)させることができて、上記扉体5と水路1底部との間の水密状態を保持できるようにしてある。又、上記ゲート本体3を回転させて扉体5の角度配置を変更するときには、上記水密ゴム14の本体部15の先端部に対し、上記扉体5のスキンプレート5aを摺動させることで、上記扉体5と水路1底部との間の水密状態を保持しながら扉体5を動かすことができるようにしてある。17は上記水密ゴム取付座13における水密ゴム14の取り付け位置よりも水路1上流側寄りの位置に設けた土砂進入防止ゴムである(たとえば、特許文献2参照)。
【0015】
又、回転式ゲートの底部シール装置の別の形式のものとしては、図8に示す如く、回転式ゲートの水路1底部に設けてある堀込みピット11が、上記扉体5のスキンプレート5aの湾曲形状に沿う湾曲形状としてある場合に、ゲート本体3の扉体5のスキンプレート5aにおける後端部寄りの所要個所に、図7に示したと同様の水密ゴム14を、水密ゴム取付座13を介して扉体5の左右幅方向の全長に亘り取り付けてなる形式の底部シール装置12aも考えられている。
【0016】
かかる形式の底部シール装置12aによれば、上記扉体5側に取り付けてある水密ゴム14の本体部15の先端部を、上記水路1底部の掘込みピット11の内面に圧着させることで、上記扉体5と水路1底部との間の水密状態を保持できるようにしてあり、又、上記ゲート本体3を回転させて扉体5の角度配置を変更するときには、上記水密ゴム14の本体部15の先端部を、上記掘込みピット11の内面に対して摺動させることで、上記扉体5と水路1底部との間の水密状態を保持しながら扉体5を動かすことができるようにしてある。18は水路1底部における上記掘込みピット11の上流側近傍位置に設けた土砂進入防止板である(たとえば、特許文献3参照)。
【0017】
更に、従来提案されている回転式ゲートの底部シール装置の更に別の形式のものとしては、図9に示す如き底部シール装置19もある。これは、中空状で且つ上下方向の中間部がくびれた断面形状としてなる弾性体20を、ゲート本体3(図5及び図6(イ)(ロ)(ハ)参照)の扉体5のスキンプレート5aおける後端部寄りの所要個所に、左右幅方向の全長に亘って延びるよう配置すると共に、該弾性体20の下端部を、所要の取付部材(部分扇状体)21を介して上記扉体5のスキンプレート5aに取り付け、更に、上記弾性体20の先端側の中空部22に、長手方向に延びるチューブ状の空気袋23を挿入してなる構成としてある。
【0018】
かかる形式の底部シール装置19によれば、上記扉体5を水路1(図5及び図6(イ)(ロ)(ハ)参照)内で所要の角度姿勢に配置して、扉体5側に取り付けてある上記弾性体20を、水路1底部の掘込みピット11の内面の所要個所に対峙させた状態にて、上記弾性体20の先端部の空気袋23に空気を供給して該空気袋23の中の気圧を大気圧以上にすることで、上記弾性体20の先端部を上記掘込みピット11の内面に密着させて、上記扉体5と水路1底部との間で水密状態を保持できるようにしてあり、又、上記ゲート本体3を回転させて扉体5の角度配置を変更するときには、上記空気袋23の中の気圧を大気圧又はそれ以下にすることで、上記弾性体20を上記掘込みピット11の内面に無接触とさせることができるとされている(たとえば、特許文献4参照)。
【0019】
【特許文献1】特開2003−155731号公報
【特許文献2】特開平10−183586号公報
【特許文献3】特開平9−158159号公報
【特許文献4】特開平11−81286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところが、図7に示した底部シール装置12、及び、図8に示した底部シール装置12aは、いずれも回転式ゲートの扉体5と水路1底部との水密状態を保持することができるものであるが、上記回転式ゲートを長径間ゲートとする場合には、上記扉体5と水路1底部との間の水密状態を保持することが難しくなる可能性が生じる。
【0021】
すなわち、回転式ゲートの扉体5は、図5に示したように、左右の両端部のみが支持円盤4によって支持されているものであるため、回転式ゲートの径間が長くなることに伴って扉体5の左右幅寸法が大きくなると、該扉体5を堰として作用させるときに、堰き止められた水の水圧によって扉体5が水路1下流側へ撓むときの撓み量が大きくなる。このように扉体5が下流側へ大きく撓むと、該扉体5の左右幅方向の中間部が下流側へ大きく変位させられるようになる。
【0022】
そのために、上記図7に示した形式の底部シール装置12では、上記のように扉体5が下流側へ大きく変位させられる部分では、扉体5のスキンプレート5aが、水路1底部の掘込みピット11における水路1上流側端部寄りの水密ゴム14の設置個所から離反する方向(図中矢印xで示す方向)へ変位されることに起因して、上記水密ゴム14の本体部15の扉体5のスキンプレート5aに対する圧着量が不十分になる虞が生じる。
【0023】
一方、図8に示した形式の底部シール装置12aを採用している場合、扉体5を水路1底部より所要高さ位置まで突出するような角度姿勢に配置して堰として作用させるときには、該扉体5のスキンプレート5aの後端部寄りに設けてある水密ゴム14は、掘込みピット11の上流側端部寄りの内面に接している。このため、上記のように堰として作用させている扉体5が下流側へ大きく変位させられる部分では、該扉体5のスキンプレート5aにおける上記水密ゴム14の設置個所が、上記掘込みピット11の上流側端部寄りの内面から離反する方向(図中矢印xで示す方向)へ変位されるようになることから、この場合にも、水密ゴム14の本体部15の上記掘込みピット11の内面に対する圧着量が不十分になる虞が生じる。
【0024】
上記特許文献4に示された底部シール装置19は、図9に示した如く、弾性体20の先端側の中空部22に空気袋23を挿入した構成としてあるため、扉体5が撓んでスキンプレート5aにおける上記弾性体20の設置個所と、上記弾性体20の先端部を接触させる対象となる堀込みピット11の内面との間隔が多少増加しても、上記空気袋23に供給する空気量を増加させることで、上記弾性体20の先端部を膨張させて対応することが可能になるとも考えられるが、上記空気袋23は、単に弾性体20の長手方向に延びるものとしてあって、上記扉体5が水圧によって撓むときの該扉体5幅方向における変形量の分布を考慮したものとはなっていない。
【0025】
更に、上記底部シール装置19は、水密状態を形成させるときには、上記空気袋23の中の圧力を大気圧以上にし、一方、ゲート本体3を回転させるときには、上記空気袋23の中の圧力を大気圧又はそれ以下にするため、扉体5の角度姿勢を変更して該扉体5を開閉させる操作が非常に煩雑なものとなっている。又、空気の給排装置や、該給排装置と上記空気袋23とを接続する空気給排ラインを設けなければならず、しかも、該空気給排ラインは、ゲート本体3の回転に対応できる構造にする必要があることから、構成が複雑化するという問題もある。
【0026】
更に又、上記したように、扉体5の撓みに応じて弾性体20の高さ寸法を変化させるためには、上記空気袋23へ供給する空気量を、上記扉体5の撓み方に応じて変化させる必要が生じることから、上記空気袋23に対する空気の給排量の制御も複雑化してしまう。更には、空気の給排装置の故障や、空気給排ライン、空気袋23のいずれかに、一個所でも空気漏れが生じると、回転式ゲートの扉体底部の水密構造が全く機能しなくなる虞もある。
【0027】
そこで、本発明は、ゲート本体の扉体が水圧により撓んでも、自動的に上記扉体と水路底部との間の水密状態を保持できて、回転式ゲートを長径間に適用する場合に有利なものとすることができ、しかも、構造をシンプルなものとすることができる回転式ゲートの底部シール装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、左右の支持円盤と、該左右の支持円盤の周辺部間に取り付けた扉体とからなるゲート本体を、水路内で回転させて上記扉体を開閉動作できるようにし、更に、上記水路底部に、ゲート本体の最下端部に配する扉体を収容するための堀込みピットを設けてなる回転式ゲートにおける上記堀込みピットの上流側端部に、水密ゴム取付座を径間方向に設け、該水密ゴム取付座に扉体のスキンプレートに密着させるための水密ゴムを取り付け、且つ該水密ゴムの長手方向中間部分と、上記水密ゴム取付座との間に、ばね部材を介装して、該ばね部材の弾性力により、上記水密ゴムの長手方向中間部分を、上記扉体のスキンプレート側へ常時付勢できるようにした構成とする。
【0029】
又、請求項2に対応して、左右の支持円盤と、該左右の支持円盤の周辺部間に取り付けた扉体とからなるゲート本体を、水路内で回転させて上記扉体を開閉動作できるようにし、更に、上記水路底部に、ゲート本体の最下端部に配する扉体を収容するための円弧状断面の堀込みピットを設けてなる回転式ゲートにおける上記扉体のスキンプレートの所要位置に、水密ゴム取付座を径間方向に設け、該水密ゴム取付座に上記堀込みピットの内面に密着させるための水密ゴムを取り付け、且つ該水密ゴムの長手方向中間部分と、上記水密ゴム取付座との間に、ばね部材を介装して、該ばね部材の弾性力により、上記水密ゴムの長手方向中間部分を、上記堀込みピットの内面側へ常時付勢できるようにした構成とする。
【0030】
更に、上記各構成において、水密ゴムの長手方向中間部分と、水密ゴム取付座との間に介装するばね部材の圧縮量が異なるようにして、水密ゴムの長手方向中央位置に近づくにつれて圧縮量の大きなばね部材を介装するようにした構成とする。
【0031】
上述の各構成におけるばね部材を、圧縮コイルばねとし、且つ該ばね部材を、水密ゴムの長手方向中間部分と、水密ゴム取付座との間に水密ゴムの長手方向に所要間隔で多数配設するようにした構成とする。
【0032】
更に、上述の各構成において、複数本の圧縮コイルばねの基端部を、所要の長さ寸法を有するベースプレートの長手方向所要間隔位置に該ベースプレートの表面に対し直角方向に配して取り付けると共に、該ベースプレートを介し基端側が互いに連結された上記複数本の圧縮コイルばねの先端部同士を、先端側に配した先端プレートを介して連結してなるばねユニットを形成し、水密ゴムの長手方向中間部分と、水密ゴム取付座との間に、上記ばねユニットを水密ゴムの長手方向に並べて介装させるようにした構成とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明の回転式ゲートの底部シール装置によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)左右の支持円盤と、該左右の支持円盤の周辺部間に取り付けた扉体とからなるゲート本体を、水路内で回転させて上記扉体を開閉動作できるようにし、更に、上記水路底部に、ゲート本体の最下端部に配する扉体を収容するための堀込みピットを設けてなる回転式ゲートにおける上記堀込みピットの上流側端部に、水密ゴム取付座を径間方向に設け、該水密ゴム取付座に扉体のスキンプレートに密着させるための水密ゴムを取り付け、且つ該水密ゴムの長手方向中間部分と、上記水密ゴム取付座との間に、ばね部材を介装して、該ばね部材の弾性力により、上記水密ゴムの長手方向中間部分を、上記扉体のスキンプレート側へ常時付勢できるようにした構成、又は、上記と同様の回転式ゲートにおける上記扉体のスキンプレートの所要位置に、水密ゴム取付座を径間方向に設け、該水密ゴム取付座に上記堀込みピットの内面に密着させるための水密ゴムを取り付け、且つ該水密ゴムの長手方向中間部分と、上記水密ゴム取付座との間に、ばね部材を介装して、該ばね部材の弾性力により、上記水密ゴムの長手方向中間部分を、上記堀込みピットの内面側へ常時付勢できるようにした構成としてあるので、扉体を堰として作用させるときに、該扉体が水圧により下流側へ大きく撓んで、スキンプレートの長手方向中間部分が下流側へ大きく変位しても、その変位に追従して上記水密ゴムの長手方向中間部分を押し出すように変位させることができて、水密ゴムの圧着量を長手方向の全長に亘って確保することができる。このため、扉体と水路底部との間の水密状態を良好に保持できて、リークが生じる虞を未然に防止することができる。したがって、回転式ゲートを長径間ゲートとする場合の底部シール装置として好適なものとすることができる。
(2)しかも、水密ゴムの長手方向中間部分を扉体のスキンプレートの下流側への変位に追従させる作動は、ばね部材の弾性力により自動的に行わせることができるため、ゲート本体を回転させて扉体の角度姿勢を変更する操作が煩雑化する虞はない。又、装置構成をシンプルなものとすることができる。
(3)水密ゴムの長手方向中間部分と、水密ゴム取付座との間に介装するばね部材の圧縮量が異なるようにして、水密ゴムの長手方向中央位置に近づくにつれて圧縮量の大きなばね部材を介装するようにした構成とすることにより、水密ゴムの長手方向中間部分に対し、扉体の水圧による撓み形状に応じた変位ストロークを備えた状態で付勢できる。又、水密ゴムの長手方向両端部については、ばね部材による付勢を行っていない。このため、ゲート本体を回転させて扉体の角度姿勢を変更するときの抵抗が過大となる虞を防止できる。よって、ゲート本体の回転駆動機構に要求される性能を抑えることができる。
(4)ばね部材を、圧縮コイルばねとし、且つ該ばね部材を、水密ゴムの長手方向中間部分と、水密ゴム取付座との間に水密ゴムの長手方向に所要間隔で多数配設するようにした構成とすることにより、水密ゴムの長手方向中間部分を容易に付勢できる。更に、複数本の圧縮コイルばねの基端部を、所要の長さ寸法を有するベースプレートの長手方向所要間隔位置に該ベースプレートの表面に対し直角方向に配して取り付けると共に、該ベースプレートを介し基端側が互いに連結された上記複数本の圧縮コイルばねの先端部同士を、先端側に配した先端プレートを介して連結してなるばねユニットを形成し、水密ゴムの長手方向中間部分と、水密ゴム取付座との間に、上記ばねユニットを水密ゴムの長手方向に並べて介装させるようにした構成とすることにより、各圧縮コイルばねを水密ゴムの長手方向中間部分と、水密ゴム取付座との間に介装させる作業を容易なものとすることができる。又、上記各圧縮コイルばねの先端側には、先端プレートが設けてあるため、上記各圧縮コイルばねの弾性力を、水密ゴムに対して長手方向に偏在させることなく作用させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0035】
図1乃至図3(イ)(ロ)(ハ)(ニ)は本発明の回転式ゲートの底部シール装置の実施の一形態を示すもので、図5及び図6(イ)(ロ)(ハ)に示したと同様の回転式ゲートにおける水路1底部の掘込みピット11の水路上流側の端縁部に、図7に示したと同様の水密ゴム取付座13を、径間方向の全長に亘り設ける。更に、上記水密ゴム取付座13に、水密ゴム14を径間方向の全長に亘り取り付けると共に、該水密ゴム14の長手方向中間部における所要の長さ領域(以下、長手方向中間部分と云う)14aにおける水密ゴム14と、上記水密ゴム取付座13との間に、ばね部材としての圧縮コイルばね24a,24b,24cを水密ゴム14の長手方向に所要間隔で多数介装して、上記水密ゴム14の長手方向中間部分14aを、上記圧縮コイルばね24a,24b,24cの弾性力により上記ゲート本体3の扉体5側(ゲート本体3の回転軸心方向)へ付勢できるようにする。
【0036】
更に、回転式ゲートの扉体5が水圧で撓むときには、該扉体5の左右幅方向の中央位置、すなわち、径間方向の中央位置Cに近付くほど初期状態からの変位量が大きくなる。このことに鑑みて、上記圧縮コイルばね24a,24b,24cは、自由高さ寸法が相違する複数種の圧縮コイルばね、たとえば、図3(ロ)(ハ)(ニ)に示す如く、自由高さ寸法がLa>Lb>Lcの関係にある3種の圧縮コイルばね24a,24b,24cを用意して、上記水密ゴム14の長手方向中間部分14aと水密ゴム取付座13との間に圧縮コイルばね24a,24b,24cを介装させる際には、図3(イ)に示す如く、径間方向の中央位置C付近には、自由高さ寸法Laが最も大きい圧縮コイルばね24aを、又、径間方向中央位置C付近から左右両側へ離れるにしたがって、自由高さ寸法Lb,Lcが徐々に小さくなる圧縮コイルばね24b,24cを、それぞれ同様の圧縮高さ寸法まで圧縮した状態で配設するようにする。これにより、上記水密ゴム14の長手方向中間部分14aに対し、径間方向中央位置Cに近付くほど大きな変位ストロークを備えた状態で扉体5側へ付勢できるようにしてある。
【0037】
詳述すると、上記水密ゴム14は、図7に示したと同様に、中空の本体部15の両側に、上記水密ゴム取付座13にボルト止めするための装着部16が延設された断面形状略Ω字状としてある。上記各装着部16には、表面側と裏面側に、長手方向に延びる薄板状の補強部材25と26をそれぞれ取り付けて補強するようにしてある。更に、上記表面側の補強部材25は、上記本体部15寄りの幅方向の片側を、本体部15の先端側へ屈曲させて該本体部15の側面に所要寸法に亘り沿わせるようにして、水密ゴム14の本体部15の先端部と、上記扉体5のスキンプレート5aとを摺動させる際に、該水密ゴム14の本体部15が、上記扉体5のスキンプレート5aの動きに同伴されて幅方向へ過剰に変形する虞を阻止できるようにしてある。
【0038】
上記水密ゴム14において圧縮コイルばね24a,24b,24cによる扉体5側への付勢を行うべき長手方向中間部分14aは、扉体5を最も高い堰として作用させる場合に該扉体5の上流側に堰き止められる水の水圧によって該扉体5が下流側へ撓むときの該扉体5の下流側への変位量の幅方向の分布と、初期状態で水密ゴム取付座13と扉体5のスキンプレート5aとの間に多少押し潰された状態で配設してある上記水密ゴム14の弾性変形量とを考慮して定めるようにすればよい。具体的には、扉体5の剛性と左右幅寸法等を基に、上記のように扉体5が下流側へ撓むときのスキンプレート5aが初期状態から下流側、すなわち、水密ゴム取付座13より離反する方向へ変位するときの変位量の左右幅方向の分布を求めて、該求められたスキンプレート5aの初期状態からの変位量が、水密ゴム取付座13に取り付けてある上記水密ゴム14の弾性変形では追従できなくなって、該水密ゴム14の本体部15と、上記扉体5のスキンプレート5aとの間に圧着不足の虞が生じるような変位量に達する部分を、扉体5の左右幅方向の中間部に選定し、該選定された扉体5の左右幅方向の中間部分に圧着させるべき水密ゴム14の長手方向中間部の所要の長さの領域を、上記長手方向中間部分14aとして設定するようにしてある。たとえば、回転式ゲートの径間が約22mの場合、径間方向中央位置Cから左右にそれぞれ5mの範囲として設定するようにすればよい。
【0039】
上記各圧縮コイルばね24a,24b,24cは、同じ自由高さ寸法La,Lb,Lcのものごとに、上記水密ゴム14の各装着部16における水密ゴム取付座13へのボルト止め個所同士の間隔よりも狭い幅寸法で且つ所要の長さ寸法、たとえば、1m程度の長さ寸法を備えた細長い平板状のベースプレート27の表面側に、該ベースプレート27の表面に対して直角方向に伸縮できるよう長手方向所要間隔で複数個ずつ配列して、各圧縮コイルばね24a,24b,24cの基端部を、上記ベースプレート27の表面にそれぞれ溶接等により固定する。又、上記ベースプレート27によって基端部同士が連結された上記各圧縮コイルばね24a,24b,24cの先端側には、圧縮コイルばね24a,24b,24cの外径よりもやや大きな幅寸法で且つ上記ベースプレート27と同様の長さ寸法を有する細長い平板状とし、且つ表面側のすべてのコーナ部を滑らかな湾曲面としてなる先端プレート28を、上記ベースプレート27と平行となるように配置して、上記各圧縮コイルばね24a,24b,24cの先端部を、上記先端プレート28の裏面にそれぞれ溶接等により固定して一体とし、自由高さ寸法La,Lb,Lcの等しい圧縮コイルばね24a,24b,24c同士を、複数個ずつ上記ベースプレート27と先端プレート28との間に介在させてなるばねユニット29a,29b,29cを形成する。
【0040】
上記水密ゴム14の長手方向中間部分14aと対応する水密ゴム取付座13の長手方向中間部の上面には、上記ばねユニット29aと29bと29cを、長手方向に所要個数ずつ、たとえば、径間方向中央位置Cから1つのばねユニット29aと、2つのばねユニット29bと、2つのばねユニット29cを順に並べて配置して、該各ばねユニット29aと29bと29cのベースプレート27を、上記水密ゴム取付座13の上面に溶接等により取り付けるようにしてある。
【0041】
更に、上記水密ゴム取付座13の表面側に、径間方向の全長に亘って延びる上記水密ゴム14を、該水密ゴム14の長手方向中間部分14aで上記各ばねユニット29aと29bと29cの先端側を覆うように配置して、上記各ばねユニット29aと29bと29cの先端プレート28が、それぞれ上記水密ゴム14の長手方向中間部分14aにおける本体部15の裏面側に接するようにした状態にて、上記水密ゴム14の装着部16を、それぞれ水密ゴム取付座13にボルト止めして固定するようにしてある。
【0042】
その他、図5及び図6(イ)(ロ)(ハ)、並びに、図7に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0043】
以上の構成としてある底部シール装置を装備した回転式ゲートの場合、扉体5にあまり水圧が作用しておらず該扉体5が下流側へほとんど撓んでいない状態では、上記水路1底部の堀込みピット11の上流側寄り個所に水密ゴム取付座13を介して配設してある上記水密ゴム14の本体部15の先端側が、長手方向の全長に亘り扉体5のスキンプレート5aに圧着されるようになるため、扉体5と水路1底部との間が水密状態に保持される。
【0044】
上記扉体5を堰として作用させて、堰き止められた水の水圧が大きく作用するようになると、該扉体5が下流側へ撓む。この撓みにより扉体5の左右幅方向の中央部が水路1下流側へ大きく変位する場合には、上記扉体5の左右幅方向の中央部にて、スキンプレート5aが上記水密ゴム14を設置してある水密ゴム取付座13から離反するように水路1下流側へ大きく変位させられるようになるが、上記水密ゴム14の長手方向中間部分14aには、本体部15と水密ゴム取付座13との間に介在させて配設してある上記各ばねユニット29a,29b,29cの圧縮コイルばね24a,24b,24cの弾性力により上記本体部15が常に扉体5側へ付勢されるようにしてあることから、該水密ゴム14の長手方向中間部分14aにおける本体部15を、上記扉体5のスキンプレート5aの水路1下流側への変位に追従して扉体5側へ押し出すよう変位させることができる。
【0045】
しかも、上記のように扉体5が水圧の作用によって下流側へ撓むときの該扉体5の下流側への変位量は、左右幅方向の中央部で最も大きく、該中央部から左右方向に離れるにしたがって小さくなるが、上記底部シール装置では、上記水密ゴム14の長手方向中間部分14aにおける本体部15と、水密ゴム取付座13との間に、径間方向中央位置C付近には最も大きな自由高さ寸法Laの圧縮コイルばね24aを備えたばねユニット29aを介装させ、又、径間方向中央位置Cから左右方向へ離れるにしたがって、自由高さ寸法がLb,Lcと順に小さくなる圧縮コイルばね24b,24cを備えたばねユニット29bと29cを順に介装させるようにしてあることから、水密ゴム14の長手方向中間部分14aの本体部15に対し、径間方向中央位置C付近では大きな変位ストロークを、又、径間方向中央位置C付近から左右両側へ離れるにしたがって、順に小さくなるように変位ストロークをそれぞれ付与することができる。よって、上記水密ゴム14の長手方向中間部分14aにおける本体部15を、上記扉体5の撓み形状に対応した変位ストロークで扉体側へ押し出して変位させることができる。
【0046】
以上により、上記扉体5が水圧により撓んでも、扉体5の左右幅方向の中央部におけるスキンプレート5aに対する上記水密ゴム14の長手方向中間部分14における本体部15の先端部の圧着量を確保することができる。
【0047】
なお、上記扉体5は左右幅方向の両端部が左右の支持円盤4(図5参照)にそれぞれ取り付けられているものであるため、該扉体5に水圧が作用している状態であっても、扉体5の幅方向両端部は、あまり下流側へ変位することはない。よって、上記水密ゴム14の長手方向両端部においては、該水密ゴム14の本体部15の先端部と、扉体5のスキンプレート5aとの圧着量は、該水密ゴム14の弾性変形のみで確保される。
【0048】
このように、本発明の回転式ゲートの底部シール装置によれば、回転式ゲートの扉体5を堰として作用させるときに、該扉体5が水圧により下流側へ大きく撓んでも、水密ゴム14の本体部15の先端部の上記扉体5のスキンプレート5aに対する圧着量を長手方向の全長に亘って確保することができることから、扉体5と水路1底部との間の水密状態を良好に保持できて、リークが生じる虞を未然に防止することができる。このため、上記底部シール装置を、回転式ゲートを長径間ゲートとする場合の底部シール装置として好適なものとすることができる。
【0049】
しかも、上記水密ゴム14の長手方向中間部分14aにおける本体部15を扉体5のスキンプレート5aの下流側への変位に追従させて下流側へ押し出す作動は、圧縮コイルばね24a,24b,24cの弾性力により自動的に行わせることができるため、ゲート本体3(図5及び図6(イ)(ロ)(ハ)参照)を回転させて扉体5の角度姿勢を変更する場合にも、上記水密ゴム14に対する特別な操作は必要ない。更に、図9に示した従来の底部シール装置19のように、空気の給排装置や、該給排装置と弾性体20の空気袋23とを接続する空気給排ライン等は全く必要ないため、構造をシンプルなものとすることができる。
【0050】
更に、上記水密ゴム14の長手方向中間部分14aに対し、扉体5の水圧による撓み形状に応じた変位ストロークを備えた状態で付勢するようにしてあると共に、水密ゴム14の長手方向両端部については、ばね部材による扉体5側への付勢を行っていないため、扉体5のスキンプレート5aを上記水密ゴム14と摺動させるときの抵抗が過大となる虞を防止できる。よって、回転式ゲートにおけるゲート本体3の回転駆動機構7(図5参照)に要求される性能を抑えることができる。
【0051】
上記各圧縮コイルばね24a,24b,24cは、複数個ずつ基端側のベースプレート27と先端側の先端プレート28を介して連結して形成してなるばねユニット29a,29b,29cの状態で、上記水密ゴム取付座13に設置するようにしてあるため、上記各圧縮コイルばね24a,24b,24cを水密ゴム14の長手方向中間部分14aと水密ゴム取付座13との間に介装させる作業を容易なものとすることができる。更に、上記各圧縮コイルばね24a,24b,24cの先端側には、細長い板状の先端プレート28を設けて、該先端側プレート28を、水密ゴム14の本体部15の裏面側に接触させるようにしてあるため、上記各圧縮コイルばね24a,24b,24cの弾性力を、水密ゴム14の本体部15に対して長手方向に偏在させることなく作用させることができて、該水密ゴム14の本体部15の先端部を、扉体5のスキンプレート5aに対し水密ゴム14の長手方向に均等に圧着させることができる。
【0052】
次に、図4(イ)(ロ)(ハ)(ニ)は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1乃至図3(イ)(ロ)(ハ)(ニ)に示したと同様の構成において、水密ゴム14の長手方向中間部分14aにおける本体部15と、水密ゴム取付座13との間に、自由高さ寸法がLa>Lb>Lcと順に小さくなる圧縮コイルばね24a,24b,24cを個々に具備したばねユニット29a,29b,29cを、径間方向中央位置Cに近い側から順に並べて介装させる構成に代えて、平行配置したベースプレート27と先端プレート28との間に、所要の自由高さ寸法を有する圧縮コイルばね24を、長手方向に所要間隔で複数個配列すると共に、該配列された各圧縮コイルばね24の基端部をベースプレート27に、又、先端部を先端プレート28にそれぞれ溶接等により固定してなるばねユニット29を形成する。更に、水密ゴム14の長手方向中間部分14aにおける本体部15と、水密ゴム取付座13との間に、径間方向中央位置Cから、上記ばねユニット29の下方に厚み寸法Taが大きいライナ30aを配したものを1組と、上記ばねユニット29の下方に上記ライナ30aよりも小さい厚み寸法Tb(Ta>Tb)のライナ30bを配したものを2組と、上記ばねユニット29のみを2つ順に並べて介装させるようにしたものである。
【0053】
その他の構成は図1乃至図3(イ)(ロ)(ハ)(ニ)に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
【0054】
本実施の形態の底部シール装置によれば、水密ゴム14の長手方向中間部分14aにおける本体部15と、水密ゴム取付座13との間に各ばねユニット29を介装する際に、径間方向中央位置Cに近付くにしたがって、厚み寸法が順次大きくなるライナ30a,30bを一緒に介装させる構成としてあることから、扉体5に下流側への撓みが生じていない初期状態のときには、該扉体5のスキンプレート5aに接する水密ゴム14の長手方向中間部分14aの本体部15と、水密ゴム取付座13との間で圧縮される上記各ばねユニット29のうち、径間方向中央位置C付近のばねユニット29では、各圧縮コイルばね24の自由高さ寸法からの圧縮量が大きく、径間方向中央位置Cから左右へ離れるにしたがって、ばねユニット29の各圧縮コイルばね24の自由高さ寸法からの圧縮量が順に小さくなっている。このため、これらの圧縮コイルばね29が自由高さ寸法まで延びようとするときの弾性力によって上記水密ゴム14の長手方向中間部分14aの本体部に対して付与される変位ストロークは、径間方向中央位置Cに近付くにつれて大きくなる。
【0055】
したがって、本実施の形態によっても、水密ゴム14の長手方向中間部分14aの本体部15に対し、上記扉体5が水圧によって撓むときの撓み形状に応じた変位ストロークを付与できるようにした状態で、該水密ゴム14の長手方向中間部分14aの本体部15を扉体5側へ付勢できることから、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。更に、使用する圧縮コイルばね24は、すべて均一なものとすることができるため、コストの削減化を図る効果が期待できる。
【0056】
図1乃至図3(イ)(ロ)(ハ)(ニ)の実施の形態、図4(イ)(ロ)(ハ)(ニ)の実施の形態では、いずれも水路1底部の堀込みピット11側に水密ゴム取付座13を介して取り付けてある水密ゴム14の先端部を、扉体5のスキンプレート5aに圧着させることで、該扉体5と水路1底部との間の水密状態を保持する形式の底部シール装置に適用する場合を示したが、図8に示した底部シール装置12aと同様に、扉体5のスキンプレート5a側に水密ゴム14を水密ゴム取付座13を介して取り付けて、扉体5側の水密ゴム14の先端部を、水路1底部の堀込みピット11の内面に圧着させることで、扉体5と水路1底部との間の水密状態を保持する形式の底部シール装置に適用してもよい。この場合は、扉体5のスキンプレート5a側に取り付けた水密ゴム取付座13と、該水密ゴム取付座13に取り付ける水密ゴム14の長手方向中間部分14aにおける本体部15との間に、図3(イ)(ロ)(ハ)(ニ)又は図4(イ)(ロ)(ハ)(ニ)に示したと同様に、径間方向中央位置Cに近付くにしたがって自由高さ寸法からの圧縮量が大きくなるように圧縮した状態の圧縮コイルばね24a,24b,24c又は圧縮コイルばね24をそれぞれ介装させるようにして、上記水密ゴム14の長手方向中間部分14aに対し、径間方向中央位置C付近では大きな変位ストロークを、又、径間方向中央位置C付近から左右両側へ離れるにしたがって、順に小さくなるように変位ストロークをそれぞれ付与することができるようにすればよい。
【0057】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、図1乃至図3(イ)(ロ)(ハ)(ニ)の実施の形態では、圧縮コイルばね24a,24b,24cの自由高さ寸法や、ばね定数等のばねとしての性能は、回転式ゲートの扉体5を堰として作用させるときに、該扉体5が水圧により下流側へ撓むときの撓み量の大小に応じて適宜変更してよい。同様に、図4(イ)(ロ)(ハ)(ニ)の実施の形態では、圧縮コイルばね24の自由高さ寸法や、ばね定数等のばねとしての性能、及び、該圧縮コイルばね24の初期状態での圧縮量を定めるためのライナ30a,30bの厚み寸法は、回転式ゲートの扉体5を堰として作用させるときに、該扉体5が水圧により下流側へ撓むときの撓み量の大小に応じて適宜変更してよい。
【0058】
扉体5が水圧によって撓むときの撓み量に応じた変位ストロークで、水密ゴム14の長手方向中間部分14aを扉体5側へ付勢することができれば、圧縮コイルばね以外の形式のばね部材を用いるようにしてもよい。
【0059】
扉体5を堰として作用させるときに、該扉体5のスキンプレート5aと、水路1底部に設けた堀込みピット11の上流側端部のいずれか一方の側に設けた水密ゴム14を、他方側に圧着させて上記扉体5と水路1底部との間の水密状態を保持させるための底部シール装置を備える回転式ゲートであれば、回転式ゲートの形式に関わらずにその底部シール装置として適用できる。
【0060】
図3(イ)における圧縮コイルばね24a,24b,24cの伸縮方向の寸法や、ベースプレート27及び先端プレート28の幅寸法、又、図4(イ)における圧縮コイルばね24の伸縮方向の寸法や、ライナ30a,30bの厚み寸法、更には、該ライナ30a,30b、ベースプレート27及び先端プレート28の幅寸法は、いずれも図示するための便宜的な寸法であって、実際の寸法を反映したものではない。その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の回転式ゲートの底部シール装置の実施の一形態を示すもので、径間方向中間部付近における概略切断側面図である。
【図2】図1における水密ゴムの部分を拡大して示す図である。
【図3】図1の装置の要部を示すもので、(イ)は径間方向中間部位置付近に配設するばねユニットの配置を示す図1のA−A方向矢視に対応する図、(ロ)(ハ)(ニ)は異なるばねユニットの圧縮されていない状態をそれぞれ示す図である。
【図4】本発明の実施の他の形態を示すもので、(イ)(ロ)(ハ)(ニ)は、それぞれ図3(イ)(ロ)(ハ)(ニ)に対応する図である。
【図5】回転式ゲートの一例の概略を示す正面図である。
【図6】図5の回転式ゲートの作用を示すもので、(イ)は扉体を全開とした状態、(ロ)は扉体を所要量閉じて堰として作用させている状態、(ハ)は扉体を全閉とした状態をそれぞれ示す概略切断側面図である。
【図7】従来提案されている回転式ゲートの底部シール装置の一例を示す概略切断側面図である。
【図8】従来提案されている回転式ゲートの底部シール装置の別の例を示す概略切断側面図である。
【図9】従来提案されている回転式ゲートの底部シール装置の更に別の例を示す概略切断側面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 水路
2 支持柱部材
3 ゲート本体
4 支持円盤
5 扉体
5a スキンプレート
6 水平軸
11 堀込みピット
13 水密ゴム取付座
14 水密ゴム
24,24a,24b,24c 圧縮コイルばね(ばね部材)
27 ベースプレート
28 先端プレート
29,29a,29b,29c ばねユニット
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
【出願日】 平成18年8月17日(2006.8.17)
【代理人】 【識別番号】100087527
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 光雄


【公開番号】 特開2008−45348(P2008−45348A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−222634(P2006−222634)