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【発明の名称】 浮遊物回収支援要具及び浮遊物回収方法
【発明者】 【氏名】駒田 周治

【氏名】下田 義守

【氏名】三浦 学

【要約】 【課題】ダイバーによる作業をなくし、浮遊物への浮力体を有する浮遊物装着用リングの装着が容易で、浮遊物装着用リングの取付位置の微調整が簡単に行え、しかも浮力体へのエアの供給の際に姿勢変更や揺動によるエア漏れがないようにすることを目的とする。

【構成】開閉自在な浮遊物装着用リング2と、浮遊物装着用リング2の外周に取り付けられたエアの充填により膨らむ浮力体4と、浮遊物装着用リング2に4つの連結部材である板バネ5を介して接続された浮遊物固縛用ベルト6とを備え、その浮遊物装着用リング2の内周に2つの従動輪7と1つの駆動輪8とを所定間隔を置いて設け、駆動輪8に走行エアモータ9を接続し、その浮遊物装着用リング2に当該浮遊物装着用リングを開閉させる開閉シリンダ10を取り付け、その浮遊物固縛用ベルト6に吊上用吊輪12を設けて構成したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉自在な浮遊物装着用リングと、該浮遊物装着用リングの外周に取り付けられたエアの充填により膨らむ浮力体と、該浮遊物装着用リングに複数の連結部材を介して接続された浮遊物固縛用ベルトとを備え、
前記浮遊物装着用リングの内周に複数の従動輪と1つの駆動輪とを所定間隔を置いて設け、該駆動輪に走行機構を接続し、
前記浮遊物装着用リングに当該浮遊物装着用リングを開閉させる開閉機構を取り付け、
前記浮遊物固縛用ベルトに吊上用吊輪を設けたことを特徴とする浮遊物回収支援要具。
【請求項2】
前記走行機構と前記開閉機構は船内に設けられた駆動源によって駆動され、
前記浮力体には船内に設けられたエア源からエアが供給されることを特徴とする請求項1記載の浮遊物回収支援要具。
【請求項3】
請求項1〜2記載の浮遊物回収支援要具を2つ搭載した船を浮遊物に近づけて水面から出ている浮遊物の一端に開いている1つの浮遊物装着用リングを嵌め付け、その後に船から駆動源を操作して開閉機構を駆動させて開いた状態の浮遊物装着用リングを閉じ、浮遊物装着用リングを浮遊物に装着する工程と、
船から駆動源を操作して走行機構を駆動させ、駆動輪を回転させて浮遊物装着用リングを浮遊物の表面上を他端に向けて走行させ、該浮遊物装着用リングが浮遊物の他端に達したところで走行機構の駆動を停止させる工程と、
水面から出ている浮遊物の一端に開いているもう1つの浮遊物装着用リングを嵌め付け、その後に船から駆動源を操作して開閉機構を駆動させて開いた状態の浮遊物装着用リングを閉じ、もう1つの浮遊物装着用リングを浮遊物に装着する工程と、
これら2つの浮遊物装着用リングの浮力体にそれぞれ船内に設けられたエア源からエアを供給して浮力体に浮力を持たせることによって浮遊物を水面に略水平に浮かばせる工程と、
浮遊物が略水平に浮かんだ状態で各浮遊物装着用リングに連結されている浮遊物固縛用ベルトをそれぞれ締め付けて浮遊物に固定し、その後に浮遊物固縛用ベルトの吊上用吊輪にロープをそれぞれ接続し、これらロープを船に固定して浮遊物を回収することができる工程と、
からなることを特徴とする浮遊物回収方法。
【請求項4】
前記浮遊物を水面に略水平に浮かばせる工程において、浮遊物が水平になるよう少なくとも1つの浮力体へのエアの供給量を調整するか、少なくとも1つの浮遊物装着用リングの走行機構を駆動させて浮遊物上を走行させ、浮遊物が水平になるよう浮遊物装着用リングの取り付け位置を調整するようにしたことを特徴とする請求項3記載の浮遊物回収方法。
【請求項5】
前記浮遊物を水面に略水平に浮かばせる工程において、浮遊物固縛用ベルトに吊上用吊輪を浮力体と併設するよう取り付け、エアの供給により浮力体が水平状態になった時に該吊上用吊輪が上方を向くようにしたことを特徴とする請求項3記載の浮遊物回収方法。





【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は浮遊物回収支援要具及び浮遊物回収方法に係り、例えば水面近くの浮遊物をクレーン等を有しない小型の作業艇により回収できるようにしたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の水面近くの浮遊物を回収する方法は、例えば投げ網のような重りを付けた網を用い、この網をヘリコプターで吊り下げ、水面から頭が出て大部分が水中にあるような垂直姿勢で浮遊している浮遊物に上から被せ、浮遊物を網と共に吊り上げて回収するものである。
また、もう1つの従来の水面近くの浮遊物を回収する方法は、水面から頭が出て大部分が水中にあるような垂直姿勢で浮遊している浮遊物に小型艇などで接近し、ダイバーが浮遊物の上下にそれぞれ口の開いた浮き袋を取り付け、浮き袋の口からダイバーが背負っているエアボンベのエアを充填して浮遊物を水平状態にし、水平状態の浮遊物に回収時にクレーン等で吊り下げるための固縛用のバンドをダイバーが取り付け、そのバンドを緩まないようにラチェット機構で締め付け、しかる後に小型艇から曳航ロープをバンドに結んで浮遊物を小型艇でクレーン船まで曳航し、クレーンで浮遊物を吊り上げて回収するというものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の重りを付けた網とヘリコプターとを用いて水面近くの浮遊物を回収する方法では、網の重り等が浮遊物を傷付けるおそれがあり、ヘリコプターを使用するために大掛かりなものとなるという問題があった。
また、クレーン船から同網を用いて、浮遊物の上方からクレーンを用いて網を被せ、浮遊物を回収しようとした場合、クレーン船と浮遊物との距離(位置関係)の把握が難しく、容易に浮遊物に網を被せることができないという問題があった。
さらに、もう1つの従来の口の開いた浮き袋と固縛用のバンドとをダイバーが用いて水面近くの浮遊物を回収する方法では、次のような問題があった。
第1に、ダイバーによる作業を必要とするため、波浪等の環境下では大変危険であること、
第2に、ダイバーが遊泳した状態で、海面近くに浮遊している浮遊物にバンド等を装着し固定するのは作用・反作用の関係で大変困難であること、
第3に、口の開いた浮き袋へのダイバーによるエアー供給のため、浮遊物の姿勢が垂直から水平に変更していく過程で、エアーが抜け易く、姿勢が安定しないこと、
第4に、ダイバーが背負っているエアボンベのエアをダイバーが浮き袋の口に充填して供給していたため、供給量の把握が難しく浮き袋の浮力調整が困難であること、
第5に、ダイバー作業では浮遊物に固縛したバンドの取り付け位置の微調整、即ちバランス良く吊り上げるためにバンドを所定の位置に固縛するのが困難であった。
そこで、本発明はかかる問題を解決するためになされたもので、ダイバーによる作業をなくし、浮遊物への浮力体を有する浮遊物装着用リングの装着が容易で、浮遊物装着用リングの取付位置の微調整が簡単に行え、しかも浮力体へのエアの供給の際に姿勢変更や揺動によるエア漏れがないようにした浮遊物回収支援要具及び浮遊物回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る浮遊物回収支援要具は、開閉自在な浮遊物装着用リングと、該浮遊物装着用リングの外周に取り付けられたエアの充填により膨らむ浮力体と、該浮遊物装着用リングに複数の連結部材を介して接続された浮遊物固縛用ベルトとを備え、前記浮遊物装着用リングの内周に複数の従動輪と1つの駆動輪とを所定間隔を置いて設け、該駆動輪に走行機構を接続し、前記浮遊物装着用リングに当該浮遊物装着用リングを開閉させる開閉機構を取り付け、前記浮遊物固縛用ベルトに吊上用吊輪を設けたものである。
さらに、前記走行機構と前記開閉機構は船内に設けられた駆動源によって駆動され、前記浮力体には船内に設けられたエア源からエアが供給されるようにしている。
【0005】
また、本発明に係る浮遊物回収方法は、前記記載の浮遊物回収支援要具を2つ搭載した船を浮遊物に近づけて水面から出ている浮遊物の一端に開いている1つの浮遊物装着用リングを嵌め付け、その後に船から駆動源を操作して開閉機構を駆動させて開いた状態の浮遊物装着用リングを閉じ、浮遊物装着用リングを浮遊物に装着する工程と、船から駆動源を操作して走行機構を駆動させ、駆動輪を回転させて浮遊物装着用リングを浮遊物の表面上を他端に向けて走行させ、該浮遊物装着用リングが浮遊物の他端に達したところで走行機構の駆動を停止させる工程と、水面から出ている浮遊物の一端に開いているもう1つの浮遊物装着用リングを嵌め付け、その後に船から駆動源を操作して開閉機構を駆動させて開いた状態の浮遊物装着用リングを閉じ、もう1つの浮遊物装着用リングを浮遊物に装着する工程と、これら2つの浮遊物装着用リングの浮力体にそれぞれ船内に設けられたエア源からエアを供給して浮力体に浮力を持たせることによって浮遊物を水面に略水平に浮かばせる工程と、浮遊物が略水平に浮かんだ状態で各浮遊物装着用リングに連結されている浮遊物固縛用ベルトをそれぞれ締め付けて浮遊物に固定し、その後に浮遊物固縛用ベルトの吊上用吊輪にロープをそれぞれ接続し、これらロープを船に固定して浮遊物を回収することができる工程とからなる。
さらに、前記浮遊物を水面に略水平に浮かばせる工程において、浮遊物が水平になるよう少なくとも1つの浮力体へのエアの供給量を調整するか、少なくとも1つの浮遊物装着用リングの走行機構を駆動させて浮遊物上を走行させ、浮遊物が水平になるよう浮遊物装着用リングの取り付け位置を調整するようにしている。
また、前記浮遊物を水面に略水平に浮かばせる工程において、浮遊物固縛用ベルトに吊上用吊輪を浮力体と併設するよう取り付け、エアの供給により浮力体が水平状態になった時に該吊上用吊輪が上方を向くようにしている。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように、本発明の浮遊物回収支援要具によれば、開閉自在な浮遊物装着用リングと、該浮遊物装着用リングの外周に取り付けられたエアの充填により膨らむ浮力体と、該浮遊物装着用リングに複数の連結部材を介して接続された浮遊物固縛用ベルトとを備え、前記浮遊物装着用リングの内周に複数の従動輪と1つの駆動輪とを所定間隔を置いて設け、該駆動輪に走行機構を接続し、前記浮遊物装着用リングに当該浮遊物装着用リングを開閉させる開閉機構を取り付け、前記浮遊物固縛用ベルトに吊上用吊輪を設けて構成されているので、かかる浮遊物回収支援要具を使用することにより、浮遊物の回収が船からの作業で行うことができ、従来のようなダイバーの必要は解消されるという効果がある。
さらに、前記走行機構と前記開閉機構は船内に設けられた駆動源によって駆動され、前記浮力体には船内に設けられたエア源からエアが供給されるようにしているので、浮遊物装着用リングの開閉や浮遊物に対する浮遊物装着用リングの走行を船からの遠隔操作によって行うことができるという効果がある。
【0007】
また、本発明の浮遊物回収方法によれば、船に2つの浮遊物回収支援要具を搭載した船から水面の浮遊物の一端に1つの浮遊物回収支援要具の開いた浮遊物装着用リングを被せ、その後に開閉機構を駆動させて浮遊物装着用リングを閉じ、浮遊物装着用リングを浮遊物に装着し、その後に走行機構を駆動して駆動輪を回転させ、それに伴い従動輪も回転して浮遊物装着用リングを浮遊物に対して走行させることができるので、船から浮遊物回収支援要具の浮遊物装着用リングの浮遊物の適宜位置への装着作業が容易に行え、従来のようなダイバーは必要なく、また浮遊物に装着された浮遊物装着用リングに設けられた浮力体に船内に設けられたエア源からエアを供給して浮力体に浮力を持たせることにより、浮遊物を水面に略水平に遠隔操作により簡単に浮かばせることができ、さらに浮遊物が略水平に浮かんだ後は各浮遊物装着用リングに連結されている浮遊物固縛用ベルトをそれぞれ締め付けて浮遊物に固定し、その後に浮遊物固縛用ベルトの吊上用吊輪にロープをそれぞれ接続し、これらロープを船に固定することにより、浮遊物を容易に回収することができるという効果がある。
さらに、前記浮遊物を水面に略水平に浮かばせる工程において、浮遊物が水平になるよう浮力体へのエアの供給を調整するか、少なくとも1つの浮遊物装着用リングの走行機構を駆動させて浮遊物上を走行させ、浮遊物が水平になるよう浮遊物装着用リングの取り付け位置を調整するようにしているので、容易に浮遊物の姿勢の調整を行うことができ、浮遊物の水面で水平状態に姿勢を安定させることができるという効果がある。
また、前記浮遊物を水面に略水平に浮かばせる工程において、浮遊物固縛用ベルトに吊上用吊輪を浮力体と併設するよう取り付け、エアの供給により浮力体が水平状態になった時に該吊上用吊輪が上方を向くようにしているので、吊上用吊輪にロープを接続するのを容易に行うことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は本発明の実施の形態1の浮遊物回収支援要具の構成を示す斜視図、図2は同浮遊物回収支援要具の浮遊物への装着前と装着後の状態を示す横断面図、図3は同浮遊物回収支援要具の一部を破断した側面図、図4は同浮遊物回収支援要具の空気系統図である。
図において、浮遊物回収支援要具1は、金属製の一対の半円リング2a、2aを開閉自在に開閉ヒンジ3で連結されて形成された走行可能な浮遊物装着用リング2と、浮遊物装着用リング2の外周に取り付けられたエアの充填により膨らむ、例えばビニール製の2つの浮力体4と、浮遊物装着用リング2に金属の4つの板バネ5を介して接続された、例えば強化合成繊維製の浮遊物固縛用ベルト6とから主として構成されている。
【0009】
その浮遊物装着用リング2は上下に内向きフランジ2bを有しており、浮遊物装着用リング2の内周面には2つの従動輪7と1つの駆動輪8が等角度間隔に取り付けられており、駆動輪8には走行機構である、例えば走行エアモータ9が接続されている。また、浮遊物装着用リング2の内周面には一対の半円リング2a、2aを開閉駆動する開閉機構である、例えば開閉エアシリンダ10が取り付けられている。
また、浮遊物固縛用ベルト6には、該ベルトを緩まないように締め付けるラチェット機構11と、浮遊物Fを吊り上げるための吊上用吊輪12と、浮遊物Fの揺れ防止のための案内ロープ接続リング13とが設けられている。
【0010】
浮遊物Fを回収するためには、2つの浮遊物回収支援要具1が必要とされる。従って、浮遊物Fを回収するために用いられる作業艇20には、図4に示すように、2つの浮力体4と、2つの走行エアモータ9と2つの開閉エアシリンダ10とを操作する手動操作ボックス21と、エアボンベ22と、予備のエアボンベ22と、手動操作ボックス21とエアボンベ22との間に設けられた減圧機23とが搭載されている、
その手動操作ボックス21には6つの手動切替弁25が設けられ、これら6つの手動切替弁25は図4に示すように、2つの浮力体4と、2つの走行エアモータ9と2つの開閉エアシリンダ10とにそれぞれエアホース26を介して接続されている。
【0011】
次に、本発明の実施の形態1の浮遊物回収支援要具1を用いて水面近くの浮遊物を回収する浮遊物回収方法について図5〜図7に基づいて説明する。
図5は本発明の実施の形態1の浮遊物回収支援要具を用いて実施する浮遊物回収方法の手順を示す説明図、図6は同浮遊物回収支援要具が装着された浮遊物の水面での水平状態を示す正面図、図7は同浮遊物回収支援要具が装着された浮遊物の水面での水平状態を示す側面図である。
【0012】
まず、2つの浮遊物回収支援要具1を搭載した作業艇20が浮遊物Fが浮遊している水面Wに到着したら、図5の(a)に示すように、水面Wから頭が出て大部分が水中にあるように垂直姿勢で浮遊している浮遊物Fの頭部に、1つの浮遊物回収支援要具1の浮遊物装着用リング2の一対の半円リング2a、2aが少し開いた状態で装着する(図2の(a)参照)。しかる後に、作業艇20に搭載されている手動操作ボックス21における開閉エアシリンダ10に対応する手動切替弁25を操作して開閉エアシリンダ10を駆動させて少し開いた状態の一対の半円リング2a、2aを閉じ、浮遊物装着用リング2を浮遊物Fの頭部に装着する。
【0013】
次に、手動操作ボックス21における走行エアモータ8に対応する手動切替弁25を操作して走行エアモータ9を駆動させて駆動輪8を回転させる。そうすると、駆動輪8の回転と従動輪7との回転により、浮遊物装着用リング2は浮遊物Fの頭部から下部に向かって走行し、図2の(b)に示すように、浮遊物装着用リング2が浮遊物Fの下部に達したところで再び前記手動切替弁25を操作して走行エアモータ9の駆動を停止させる。
その後に、浮遊物Fの頭部に、もう1つの浮遊物装着用リング2を前述と同様の手順で装着する。
【0014】
しかる後に、今度は図2の(c)に示すように、手動操作ボックス21における2つの浮力体4にそれぞれ対応する2つ手動切替弁25を操作して2つの浮力体4にエアホース26を介してエアを供給してこれら浮力体4を膨張させる。
浮力体4が膨張すると、垂直に浮遊していた浮遊物Fは、エアにより膨張した浮力体4の浮力により、図2の(d)に示すように略水平になる。そこで、再び前記手動切替弁25を操作して浮力体4へのエアの供給を停止する。
【0015】
なお、浮力体4へのエアの供給量の程度は浮遊物Fによって異なるが、浮遊物Fが略水平になるまでエアを供給すればよい。
浮遊物Fを吊り下げる際のバランスを考慮して、浮遊物装着用リング2に取り付けられた浮遊物固縛用ベルト6の位置の調整が可能となるよう、手動切替弁25を操作して走行エアモータ9を駆動させて浮遊物F上を走行させ、浮遊物Fが安定して吊り下げられるように浮遊物装着用リング2の取り付け位置を変えて姿勢変更を行う。
なお、浮力体4により浮遊物Fが略水平状態になった際に、浮遊物固縛用ベルト6に取り付けられた吊上用吊輪12は容易に吊り上げることができるように調整されている。
このようにして、浮遊物Fが水面Wに水平に浮かんでいる状態を図6及び図7に示している。
【0016】
浮遊物Fが水面Wに水平に浮かんだ状態では、各浮遊物装着用リング2には4つの板バネ5を介して浮遊物固縛用ベルト6が取り付けられており、その浮遊物固縛用ベルト6には浮遊物装着用リング2に取り付けられた浮力体4と同じ方向の位置にラチェット機構11と、吊上用吊輪12とが併設されているから、図6及び図7に示すように、ラチェット機構11と、吊上用吊輪12とは上方を向いて水面Wに位置している。
次に、ラチェット機構11を操作して浮遊物固縛用ベルト6を浮遊物Fに締め付け固定し、しかる後に、図2の(e)に示すように、浮遊物固縛用ベルト6の吊上用吊輪12にワイヤ等のロープを接続し、そのロープを作業艇20に固定し、図2の(f)に示すように、浮遊物Fを作業艇20によってクレーン船のある位置まで曳航して回収することができる。
【0017】
本発明の実施の形態1の浮遊物回収支援要具1を用いて水面W近くの浮遊物を回収する浮遊物回収方法によれば、2つの浮遊物回収支援要具1を搭載した作業艇20から水面Wから頭が出て大部分が水中にあるように垂直姿勢で浮遊している浮遊物Fの頭部に、1つの浮遊物回収支援要具1の浮遊物装着用リング2の一対の半円リング2a、2aが少し開いた状態で装着し、しかる後に、作業艇20に搭載されている手動操作ボックス21における開閉エアシリンダ10に対応する手動切替弁25を操作して開閉エアシリンダ10を駆動させて少し開いた状態の一対の半円リング2a、2aを閉じ、浮遊物装着用リング2を浮遊物Fの頭部に装着することができるので、水面Wに浮遊物Fが浮遊していれば、作業艇20から浮遊物回収支援要具1である浮遊物装着用リング2の浮遊物Fへの装着作業が容易に行え、従来のようなダイバーは必要ない。
【0018】
また、浮遊物装着用リング2は2つの従動輪7と1つの駆動輪8が等角度間隔に取り付けられており、駆動輪8には走行エアモータ9が接続され、その走行エアモータ9は作業艇20に搭載されている手動操作ボックス21における走行エアモータ9に対応する手動切替弁25を操作して走行エアモータ9を駆動させて駆動輪8を回転させ、駆動輪8の回転と従動輪7との回転により、浮遊物装着用リング2を浮遊物fに対して走行させることができるので、浮遊物装着用リング2は作業艇20から遠隔操作により、走行移動が自在である。
【0019】
さらに、浮遊物装着用リング2に設けられている浮力体4は、作業艇20の手動操作ボックス21における浮力体4に対応する手動切替弁25を操作して浮力体4にエアを供給して浮力体4を膨張させることができるので、浮力体4は作業艇20から遠隔操作により、膨張自在であり、手動切替弁25の操作によって浮力体4のエアー増減が可能で浮力調整を簡単に行うことができ、しかも浮力体4の浮力調整によって浮遊物Fの姿勢調整も可能である。
【0020】
また、浮力体4を有する浮遊物装着用リング2が浮遊物Fに装着された後に、作業艇20の手動操作ボックス21における走行エアモータ9に対応する手動切替弁25を操作して走行エアモータ9を駆動させ、浮遊物装着用リング2を浮遊物Fに対して走行させることにより、浮遊物Fに対する浮遊物装着用リング2の取付位置を調整して姿勢調整を簡単に行うことができる。
【0021】
上記実施の形態1では、走行機構として走行エアモータ9を使用しているが、走行電気モータや走行油圧モータを使用してもよく、開閉機構として開閉エアシリンダ10を使用しているが、開閉電動シリンダや開閉油圧シリンダを使用してもよいことはいうまでもない。
また、上記実施の形態1では、浮遊物装着用リング2は金属製であるが合成樹脂製でもよく、また浮力体4はビニール製であるあがゴム製でもよい、さらに浮遊物固縛用ベルト6は強化合成繊維製であるがゴム製でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態1の浮遊物回収支援要具の構成を示す斜視図。
【図2】同浮遊物回収支援要具の浮遊物への装着前と装着後の状態を示す横断面図。
【図3】同浮遊物回収支援要具の一部を破断した側面図。
【図4】同浮遊物回収支援要具の空気系統図。
【図5】本発明の実施の形態1の浮遊物回収支援要具を用いて実施する浮遊物回収方法の手順を示す説明図。
【図6】同浮遊物回収支援要具が装着された浮遊物の水面での水平状態を示す正面図。
【図7】同浮遊物回収支援要具が装着された浮遊物の水面での水平状態を示す側面図。
【符号の説明】
【0023】
1 浮遊物回収支援要具、2 浮遊物装着用リング、2a 半円リング、2b 内向きフランジ、3 開閉ヒンジ、4 浮力体、5 板バネ、6 浮遊物固縛用ベルト、7 従動輪、8 駆動輪、9 走行エアモータ(走行機構)、10 開閉エアシリンダ(開閉機構)、11 ラチェット機構、12 吊上用吊輪、13 案内ロープ接続リング、20 作業艇、21 手動操作ボックス、22 エアボンベ、23 減圧機、25 手動切替弁、26 エアホース、F 浮遊物、W 水面。

【出願人】 【識別番号】502116922
【氏名又は名称】ユニバーサル造船株式会社
【出願日】 平成18年8月7日(2006.8.7)
【代理人】 【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫

【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清

【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治

【識別番号】100070563
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 昇

【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫


【公開番号】 特開2008−38486(P2008−38486A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−214850(P2006−214850)