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【発明の名称】 簡易ポンプゲート並びに簡易ポンプゲートの水路への設置方法
【発明者】 【氏名】安藤 繁樹

【氏名】本田 隆治

【氏名】吉田 智紀

【氏名】渡辺 誠司

【氏名】渡邉 典明

【要約】 【課題】ゲートのない水路途中、或いは水路終端に設置が可能な簡易ポンプゲートを提供する。

【構成】水路幅の大きさに製作した架台(2)を地上開口部の水路(A)の水路管(38)に連結して共通ベース(3)を架台(2)に載置し、駆動筒(5)に嵌着した取付アーム(6、6)にポンプ取付扉(7)を連結し、駆動筒(5)を外嵌した駆動軸(4)に軸受座(8)と開閉装置座(9)を外挿した後、軸受座(8)と開閉装置座(9)を共通ベース(3)に立設してポンプ取付扉(7)を揺動旋回自在に吊設し、ポンプ取付扉(7)を回動上至点で仮止めし、次に、水中ポンプ(10)をポンプ取付扉(7)に搭載して、開閉装置座(9)に開閉駆動装置(11)を支架させて駆動軸(10)に連結したので、ゲートのない水路途中、或いは水路終端に設置が可能となる。そして、ユニット化して短期施工が可能となり、設置スペースのコンパクト化が図れる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート扉体に水中ポンプを配設し、水路の制水または強制排水を行うポンプゲートにおいて、水路(A)に設置した水路幅の大きさの架台(2)に共通ベース(3)を載置して、共通ベース(3)に配設した駆動軸(4)にポンプ取付扉(7)を吊設すると共に、ポンプ取付扉(7)に水中ポンプ(10)を搭載し、ポンプ取付扉(7)を架台(2)の前面と、水面上方に移動可能としたことを特徴とする簡易ポンプゲート。
【請求項2】
上記駆動軸(4)に駆動筒(5)を外嵌し、駆動筒(5)に嵌着したL字状の取付アーム(6、6)にポンプ取付扉(7)を連結し、駆動軸(4)を軸支する軸受座(8)と開閉装置座(9)を共通ベース(3)に立設し、開閉駆動装置(11)を駆動軸(7)に連動連結したことを特徴とする請求項1に記載の簡易ポンプゲート。
【請求項3】
上記水路(A)の地上開口部の水路管(38)に基礎ボルト(39)を埋設し、接続部に止水処理を施した架台(2)を連結したことを特徴とする請求項1又は2に記載の簡易ポンプゲート。
【請求項4】
上記ポンプ取付扉(7)に搭載する水中ポンプ(10)を横軸ポンプで構成し、ポンプケーシング(13)の外周壁の上下にケーブル室(25)と浸水溜室(30)を付設して、浸水溜室(30)に浸水検知器(33)を配設すると共に、ポンプケーシング(13)に内設したモーターケーシング(19)に電動機室(28)と漏液を溜める漏液室(29)を形成して、ケーブル室(25)を電動機室(28)に連通し、浸水溜室(30)を漏液室(29)に連通させたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の簡易ポンプゲート。
【請求項5】
上記ポンプケーシング(13)とモーターケーシング(19)を連結する一本のアーム(16)に、ケーブル室(25)と電動機室(28)を連通させるケーブル連通穴(26)を開口し、ポンプケーシング(13)とモーターケーシング(19)を連結する他のアーム(17)に、モーターケーシング(19)の漏液室(29)と浸水溜室(30)を連通させる漏水ドレン穴(34)を開口し、漏水ドレン穴(34)を羽根車(23)側から電動機(14)側に向かって下り勾配に形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の簡易ポンプゲート。
【請求項6】
上記ポンプケーシング(13)にモーターケーシング(19)を支架する一対のアーム(16,17)に、メカニカルシール(22)に潤滑油を供給するオイル供給孔(36)と、メカニカルシール(22)から廃油を排出するオイル排出孔(37)を開口し、オイル供給孔(36)をオイル排出孔(37)より羽根車(23)側に配設したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の簡易ポンプゲート。
【請求項7】
水路幅の大きさに製作した架台(2)を地上開口部の水路(A)の水路管(38)に連結して共通ベース(3)を架台(2)に載置し、駆動筒(5)に嵌着した取付アーム(6、6)にポンプ取付扉(7)を連結し、駆動筒(5)を外嵌した駆動軸(4)に軸受座(8)と開閉装置座(9)を外挿した後、駆動軸(4)を軸支する軸受座(8)と開閉装置座(9)を水路(A)の共通ベース(3)に立設してポンプ取付扉(7)を揺動旋回自在に吊設し、ポンプ取付扉(7)を回動上至点で仮止めし、次に、水中ポンプ(10)をポンプ取付扉(7)に搭載して、開閉装置座(9)に開閉駆動装置(11)を支架させて駆動軸(4)に連結することを特徴とする簡易ポンプゲートの水路への設置方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、河川等に灌漑用や排水用に設置して、河川の制水または強制排水を行うポンプゲートに関し、詳しくは、ゲートのない水路途中、或いは水路終端に設置が可能な簡易ポンプゲートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、昇降自在なゲート扉体や揺動旋回自在なゲート扉体に水中ポンプを配設し、閉鎖状態で強制排水を行なうポンプゲートはよく知られている。ポンプゲートに使用する水中ポンプは、立軸型ポンプあるいは横軸型ポンプが使用され、排水側から取水側に水の逆流を防止するために水中ポンプの吐出口にフラップ弁を配設している。例えば、排水樋に設置した昇降自在なゲート扉体に横形水中ポンプを設置して、その吐出口に逆止弁を設けたゲートボンプ設備は、特許文献1に記載してあるように公知である。また、平坦な水路底に設置可能な揺動旋回自在なゲート本体と、ゲート本体を揺動可能に支持する支持体と、ゲート本体の開閉駆動装置を設けたポンプゲートも、例えば、特許文献2に記載してあるように公知である。
【特許文献1】特開2002−294675号公報(段落番号0013乃至段落番号0016、図1及び図2)
【特許文献2】特開2005−171691号公報(段落番号0024乃至段落番号0027、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の排水樋に昇降自在なゲート扉体に横形水中ポンプを設置するゲートポンプは、強制排水と放流側からの逆流を防止できるものであるが、水路にゲート設備がないとポンプを設置できない。水中ポンプの点検と故障の際にはゲート扉体の引上げが必要であり、排水樋の足場の悪い高所での緊急を要するメンテナンスには危険を伴う。この様なゲートポンプは、ゲートのない水路途中や水路終端には設置できない。そして、揺動旋回自在なポンプゲートは、水路にゲートがなくても平坦な水路にポンプの設置が可能であるが、水路にゲート本体を揺動させて設置する前後方向のスペースと、開閉駆動装置を据付ける構造物のスペースが水路の側部に必要となる。この発明は、ゲートのない水路途中、或いは水路終端に設置が可能であり、設置スペースのコンパクト化とユニット化して短期施工が可能な簡易ポンプゲートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために本願発明の要旨は、ゲート扉体に水中ポンプを配設し、水路の制水または強制排水を行うポンプゲートにおいて、水路に設置した水路幅の大きさの架台に共通ベースを載置して、共通ベースに配設した駆動軸にポンプ取付扉を吊設すると共に、ポンプ取付扉に水中ポンプを搭載し、ポンプ取付扉を架台の前面と、水面上方に移動可能としたもので、ゲートのない水路に設置してフラップ弁で水路の川表から川裏への逆流を防止して、水中ポンプによる強制排水が行える。そして、ポンプ取付扉を水面上方に移動させれば、水中ポンプの点検が可能となり、修理のための水中ポンプの脱着も簡単に行える。
【0005】
ポンプ取付扉の吊設手段が、駆動軸に駆動筒を外嵌し、駆動筒に嵌着したL字状の取付アームにポンプ取付扉を連結し、駆動軸を軸支する軸受座と開閉装置座を共通ベースに立設し、開閉駆動装置を駆動軸に連動連結して、揺動旋回自在としたもので、開閉駆動装置を作動してポンプ取付扉を下動させれば、架台の前面にポンプ取付扉を合着させて水路を堰き止めて、強制排水が可能となり、ポンプ取付扉を上方に旋回すれば、水路は自然流下状態となる。水路への架台の設置手段が、水路の地上開口部の水路管に基礎ボルトを埋設し、接続部に止水処理を施した架台を連結したもので、ゲートがなくても水路途中、或いは水路終端に架台を設置できる。
【0006】
ポンプ取付扉に搭載する水中ポンプは、横軸ポンプで構成し、水中ポンプの損傷や劣化を察知するために、ポンプケーシングの外周壁の上下にケーブル室と浸水溜室を付設して、浸水溜室に浸水検知器を配設すると共に、ポンプケーシングに内設したモーターケーシングに電動機室と漏液を溜める漏液室を形成して、ケーブル室を電動機室に連通し、浸水溜室を漏液室に連通させたもので、浸水溜室はケーブル室と隔壁を隔てて設置したので、浸水検知器の配線が容易となり、ケーブル室と浸水溜室の高さが押えられ、電源ケーブと検出コードの取り回しが容易となる。そして、浸水溜室と浸水検知器をポンプケーシングの外部側方に配置したので、水中ポンプに占める比率が小さくなり、水中ポンプの全長が短縮される。ポンプゲートに水中ポンプの設置スペースを容易に確保でき、水中ポンプの下部に邪魔な構造物がなく、ポンプ取付扉への水中ポンプの取付け位置も下げることができる。更に、水中ポンプは横軸ポンプを使用するため、ポンプ取付扉で水路を閉鎖していても、流水の自然流下が行える。
【0007】
具体的な検知手段の構造は、ポンプケーシングとモーターケーシングを連結する一本のアームに、ケーブル室と電動機室を連通させるケーブル連通穴を開口し、ポンプケーシングとモーターケーシングを連結する他のアームに、モーターケーシングの漏液室と浸水溜室を連通させる漏水ドレン穴を開口し、漏水ドレン穴を羽根車側から電動機側に向かって下り勾配に形成したもので、ポンプ取付扉が上方に旋回しても、浸水ドレン穴が漏液室から浸水溜室に僅かに傾斜した姿勢となり、浸水溜室に流下した漏液が逆流することがない。
【0008】
また、電動機の主軸の潤滑剤の供給装置が、ポンプケーシングにモーターケーシングを支架する一対のアームに、メカニカルシールに潤滑油を供給するオイル供給孔と、メカニカルシールから廃油を排出するオイル排出孔を開口し、オイル供給孔をオイル排出孔より羽根車側に配設したもので、ポンプ取付扉を上方に旋回させても潤滑油が逆流することがなく、オイル交換が行える。そして、オイル供給孔とオイル排出穴を水中ポンプの側面に配置したので、点検等のメンテナンスが容易となる。
【0009】
ポンプゲートの水路への設置方法は、水路幅の大きさに製作した架台を地上開口部の水路の水路管に連結して共通ベースを架台に載置し、駆動筒に嵌着した取付アームにポンプ取付扉を連結し、駆動筒を外嵌した駆動軸に軸受座と開閉装置座を外挿した後、駆動軸を軸支する軸受座と開閉装置座を水路の共通ベースに立設してポンプ取付扉を揺動旋回自在に吊設し、ポンプ取付扉を回動上至点で仮止めし、次に、水中ポンプをポンプ取付扉に搭載して、開閉装置座に開閉駆動装置を支架させて駆動軸に連結して、水路に設置したポンプゲートを構成するもので、ユニット化して短期施工が可能となり、ゲートのない水路途中、或いは水路終端に設置が可能で、設置スペースのコンパクト化が図れる
【発明の効果】
【0010】
この発明は上記のように構成してあり、架台とポンプ取付扉、水中ポンプ、開閉駆動装置から構成される簡易ポンプ設備となり、水路上に直接設置するポンプゲートと比較して施工が容易となる。そして、ポンプ取付扉を上方に旋回すれば、ポンプ内部の点検が容易とり、ポンプ取付扉から水中ポンプの吊り上げと、点検修理後の水中ポンプの装着が簡単に行える。緊急を要するメンテナンスにも危険を伴うことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の実施の形態を図面に基づき詳述すると、図1及び図2は簡易ポンプゲートの側面図と正面図であって、簡易ポンプゲート1は、架台2を水路幅の大きさの四角枠状に製作し、水路Aに架台2を設置して上部に共通ベース3を載置してある。図2に示すように、駆動軸4に外嵌した駆動筒5にL字状の一対の取付アーム6、6が嵌着してあり、取付アーム6、6に角形状のポンプ取付扉7を連結してある。駆動筒5を外嵌した駆動軸4に軸受座8と開閉装置座9を外挿し、水路Aに設置してある架台2の共通ベース3に軸受座8と開閉装置座9を立設して駆動軸4を軸支し、架台2の前面にポンプ取付扉7を吊設してある。ポンプ取付扉7に水中ポンプ10が搭載してあり、水中ポンプ10の装着はポンプ取付扉7を90度程度上方に旋回して仮止めすれば容易に行える。ポンプ取付扉7の開閉駆動装置11が開閉装置座9に支架させて駆動軸4に連結してある。開閉駆動装置11を作動して駆動軸4に外嵌した駆動筒5を回動し、取付アーム6、6に連結したポンプ取付扉7を揺動旋回自在としてある。開閉駆動装置11を作動して、ポンプ取付扉7を下動させて水路Aを堰き止めれば、簡易ゲートポンプ1を構成する。水中ポンプ10を運転すれば、強制排水を行うことができ、ポンプ取付扉7を上動させれば、水路Aは自然流下状態となり、水中ポンプ10の点検・修理が容易となる。図1に示すように、架台2の前面枠部にゴム等のシール部材12が貼着してあり、開閉駆動装置11を作動してポンプ取付扉7を下動させた時に、架台2の前面にポンプ取付扉7を合着させて水路Aを堰き止める。ゲートのない水路途中、或いは水路終端に架台2が設置でき、簡易ポンプ設備となる。水路上に直接設置するポンプゲートと比較して施工が容易である。なお、駆動軸4と開閉駆動装置11の連動連結は、チエーンを利用して減速回転させてもよい。
【0012】
図3は簡易ポンプゲートの縦断面図であって、ポンプ取付扉7の下方部或いは中央部に排水口7bが開口してあり、排水口7bの取付面7aに水中ポンプ10のポンプケーシング13に形成したフランジ部13aが数本のボルトで着脱自在に連結してある。水中ポンプ10は電動機14をポンプ取付扉7の排水口7bから架台2の内部に水平状に突設した横軸ポンプを使用しており、ポンプケーシング13の後端に逆流を防止するフラップ弁15を吊設してある。図4は横軸ポンプを使用した水中ポンプの縦断面図であって、ポンプケーシング13に配設した整流を兼ねた複数のアーム16,17、18にモーターケーシング19が連結してあり、モーターケーシング19に電動機14を支架させてある。電動機14の主軸20が軸受21に軸支されて、メカニカルシール22でモーターケーシング19を水封し、主軸20の先端部に羽根車23を止着してある。電動機14で羽根車23を回転させれば、流水を吸込流路24に吸引し、水圧でフラップ弁15を開放して排水する。
【0013】
図5はポンプケーシングに付設したケーブル室の拡大図であって、水中ポンプ10のポンプケーシング13の外周側壁に上下方向の筒状のケーブル室25が配設してある。ポンプケーシング13とモーターケーシング19を連結する一本のアーム16に、モーターケーシング19とケーブル室25を連通させるケーブル連通穴26が開口してあり、地上からケーブル室25に配設した電源ケーブル27を電動機14の電動機室28に接続してある。ポンプケーシング13の外周側壁に設けたケーブル室25は、その高さが押えられ、電源ケーブル27の取り回しが容易となる。ケーブル室25をポンプケーシング13の外部側方に筒状に上下に配置したので、水中ポンプ10に占める比率が小さくなり、水中ポンプ10の全長が短縮される。なお、符号25aはケーブル室25の上部に嵌着したケーブル取付台である。
【0014】
図4に示すように、電動機14の主軸20を軸支する軸受21と水封するメカニカルシール22の間のモーターケーシング19に漏液室29が配設してあり、軸受21から漏れる潤滑液と、メカニカルシール22からの汚水等の漏液を漏液室29に溜めるようにしてある。図5に示すように、筒状のケーブル室25の下端に浸水溜室30が配設してあり、ケーブル室25と浸水溜室30の間を仕切る隔壁31を貫通してセンサーサポート32が配設してあり、センサーサポート32に支架させた浸水検知器33が浸水溜室30に垂下してある。なお、符号30aは浸水溜室30の底部に止着した漏液排出用の蓋である。ポンプケーシング13とモーターケーシング19を連結する他のアーム17に、モーターケーシング19の漏液室29の底部と浸水溜室30の上部を連通させる斜め勾配の漏水ドレン穴34が開口してあり、羽根車23側から電動機14側に向かって下り勾配の漏水ドレン穴34を形成してある。水中ポンプの損傷や劣化した時に、モーターケーシング19の漏液室29に溜まった軸受21からの潤滑液とメカニカルシール22からの汚水等の漏液を、漏液室29の底部から浸水溜室30に流下させるようにしてある。地上からケーブル室25に垂下した検出コード35を浸水検知器33に接続してあり、漏液室29から浸水溜室30に流下した汚水や潤滑液を浸水検知器33で検知させる。浸水溜室30はケーブル室25と隔壁31を隔てて設置したので、浸水検知器33の配線が容易となる。簡易ポンプゲート1に水中ポンプ10の設置スペースを容易に確保でき、水中ポンプ10の下部に邪魔な構造物がなく、ポンプ取付扉7への水中ポンプ10の取付け位置も下げることができる。図4に示すように、ポンプケーシング13にモーターケーシング19を支架するアーム16,17に、メカニカルシール22に潤滑油を供給するオイル供給孔36と、メカニカルシール22から廃油を排出するオイル排出孔37が開口してあり、オイル供給孔をオイル排出孔より羽根車側に配設してある。オイル供給孔36とオイル排出孔37を水中ポンプの側面に配置したので、点検等のメンテナンスが容易となる。
【0015】
図6a及び図6bは、水路に設置した簡易ポンプゲートの概念図であって、上記のように構成した簡易ポンプゲート1は、図6aに示すように、水路Aを形成する水路管38の地上開口部の水路途中と、図6bに示すように、水路終端の水路管38に設置することができ、ゲートのない水路Aに簡易ポンプゲート1の設置が可能となる。水中ポンプ10の羽根車23を稼動させれば、水路Aの川裏から川表に強制排水が行える。図7a乃至図7cは水路に設置した簡易ポンプゲートの概念図であって、図7aは簡易ポンプゲートで水路を堰き止めた状態を示すもので、水路Aを形成する水路管38の後端壁面に簡易ポンプゲート1が設置してあり、架台2に載置した開閉駆動装置11を作動して、ポンプ取付扉7を下動させれば、水路Aの流水を堰き止める。内圧より外圧が高い時に、ポンプ取付扉7とフラップ弁15を閉じて下流から上流への逆流を防止する。図7bは、水路Aを堰き止めた簡易ポンプゲート1の可動状態を示すもので、電動機14を駆動してポンプ取付扉7に搭載した水中ポンプ10を運転すれば、強制排水を行うことができる。更に、水中ポンプ10は横軸ポンプを使用するため、堰き止めた状態で流水によりフラップ弁15を開放し、自然流下も行える。図7cは簡易ポンプゲートのポンプ取付扉を引き上げた状態を示すもので、水路Aに設置している簡易ポンプゲート1は、開閉駆動装置11を作動してポンプ取付扉7を上動させれば、水路Aは自然流下状態となる。水中ポンプ10の点検、修理等で引き上げる時には、ポンプ取付扉7を90度程度上方に旋回すれば、ポンプ内部の点検が容易となり、ポンプ取付扉7から水中ポンプ10の吊り上げと、点検修理後の水中ポンプ10の装着が容易となる。緊急を要するメンテナンスにも危険を伴うことがない。ポンプ取付扉7に水中ポンプ10が搭載してあり、水中ポンプ10の装着はポンプ取付扉7を90度程度上方に旋回して仮止めすれば容易に行える。図8はポンプ取付扉7を上方に旋回した時の水中ポンプの状態を示す縦断面図であって、ポンプ取付扉7が90度程度上方に旋回しても、漏水ドレン穴34が漏液室29から浸水溜室30に僅かに傾斜した姿勢となり、浸水溜室30に流下した漏液が逆流することがない。メカニカルシール22に連通するオイル供給孔36はオイル排出孔37よりも上方に位置する姿勢となり、ポンプ取付扉7を上方に旋回させても潤滑油が逆流することがなく、オイル交換が行える。
【0016】
図9a乃至図9fは簡易ポンプゲートの水路への設置方法であって、上記のように構成した簡易ポンプゲート1の水路Aへの設置方法は、図9aに示すように、水路途中、或いは、水路終端の水路Aを構成する水路管38の地上開口部の後端壁面に基礎ボルト39・・・を植設し、図9bに示すように、水路幅の大きさに製作した鋼材の四角枠状の架台2を水路Aに設置し、水路管38の接続部に止水処理を行って架台2を基礎ボルト39・・・で固定する。ゲートがなくても水路途中、或いは水路終端に架台2の設置が可能である。図9cに示すように、水路Aに設置してある架台2の上部に共通ベース3を取付けて、図9dに示すように、地上部で、駆動軸4に外嵌した駆動筒5に取付アーム6を嵌着して、取付アーム6にポンプ取付扉7を連結し、駆動軸4の両端部に軸受を内設した軸受座8と開閉装置座9を外嵌した後、水路Aの共通ベース3に、軸受座8と開閉装置座9を立設して、ポンプ取付扉7を回動上至点で仮止めする。架台2は、既設水路Aとポンプ取付扉7との取合いをシンプルにすることができる。図9eに示すように、フラップ弁15を後端部に吊設した水中ポンプ10をクレーン等で吊下げて、ポンプ取付扉7に水中ポンプ10を数本のボルトで固定する。水中ポンプ10はポンプ取付扉7に数本のボルトだけで固定してあるので、脱着も簡単に行える。図9fに示すように、水路Aに設置してある架台2上部の開閉装置座9に開閉駆動装置11を支架させ、駆動軸10に開閉駆動装置11を連結すれば、水路Aに設置した簡易ポンプゲート1を構成する。開閉駆動装置11を駆動して、ポンプ取付扉7を下動させて架台2にポンプ取付扉7を合着すれば、簡易ポンプ設備となり、水路Aを閉塞して強制排水と逆流の防止が行える。ポンプ取付扉7を上動すれば、水路Aを開放して自然流下が行える。構成部品をユニット化して短期施工が可能となり、設置スペースのコンパクト化が図れ、水路上に直接設置するポンプゲートと比較して施工が容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
この発明に係る簡易ポンプゲートは、水路に設置した架台に、予めユニット化したポンプ取付扉と吊設装置を揺動旋回自在に吊設し、ポンプ取付扉の回動上至点で水中ポンプと開閉駆動装置を組付けるので、水路上に直接設置するポンプゲートと比較して施工が容易である。そして、ユニット化して短期施工が可能となり、ゲートのない水路途中、或いは水路終端に設置が可能で、設置スペースのコンパクト化が図れる。また、水中ポンプの点検、修理等で引き上げる時は、ポンプ取付扉を上方に旋回すれば、ポンプ取付扉から水中ポンプの吊り上げと、点検修理後の装着が容易となる。従って、簡易ポンプ設備となりゲートのない河川等の制水または強制排水を行うポンプゲートに適するものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明に係る簡易ポンプゲートの側面図である。
【図2】同じく、簡易ポンプゲートの正面図である。
【図3】同じく、簡易ポンプゲートの縦断面図である。
【図4】同じく、ポンプ取付扉に搭載する水中ポンプの縦断面図である。
【図5】同じく、ポンプケーシングに付設したケーブル室の拡大図である。
【図6a】同じく、水路途中に設置した簡易ポンプゲートの概念図である。
【図6b】同じく、水路終端に設置した簡易ポンプゲートの概念図である。
【図7a】同じく、水路に設置した簡易ポンプゲート、或いは、逆流を防止している状態を示す簡易ポンプゲートの概念図である。
【図7b】同じく、水路に設置した強制排水状態、或いは、自然流下状態を示す簡易ポンプゲートの概念図である。
【図7c】同じく、ポンプ取付扉を上方に回動して、ポンプ取付扉を介さない自然流下状態を示す簡易ポンプゲートの概念図である。
【図8】同じく、ポンプ取付扉を上方に旋回した時の水中ポンプの状態を示す縦断面図である。
【図9a】同じく、基礎ボルトを植設した水路管の概念図である。
【図9b】同じく、水路管に固定した架台の概念図である。
【図9c】同じく、共通ベースを取付けた架台の概念図である。
【図9d】同じく、架台に組込んだポンプ取付扉の概念図である。
【図9e】同じく、水中ポンプを搭載したポンプ取付扉の概念図である。
【図9f】開閉駆動装置を組み込んで、水路に設置した簡易ポンプゲートの概念図である。
【符号の説明】
【0019】
1 簡易ポンプゲート
2 架台
3 共通ベース
4 駆動軸
5 駆動筒
6 取付アーム
7 ポンプ取付扉
8 軸受座
9 開閉装置座
10 水中ポンプ
11 開閉駆動装置
14 電動機
16、17 アーム
19 モーターケーシング
23 羽根車
25 ケーブル室
26 ケーブル連通穴
27 電源ケーブル
28 電動機室
29 漏液室
30 浸水溜室
33 浸水検知器
34 漏水ドレン穴
36 オイル供給孔
37 オイル排出孔
38 水路管
39 基礎ボルト
A 水路
【出願人】 【識別番号】000197746
【氏名又は名称】株式会社石垣
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−14051(P2008−14051A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187447(P2006−187447)