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【発明の名称】 レール支持装置
【発明者】 【氏名】石原 暉久

【氏名】朴 明日

【氏名】茅原 則明

【要約】 【課題】軌条式運搬車の軌条を支える支柱において、地面が硬いコンクリートや岩盤等の傾斜地でも安定して支柱を支えることができるようにする。

【解決手段】地上に架設されたレールを支持する支柱を地面上で支持するレール支持装置であり、支柱が挿通できる長孔が形成された支持板から上面にU溝が形成された受板を長孔を挟んで対向して起立させた支持金具と、支柱が挿通され、対向する外周にU溝に嵌入できる軸部が突出した段付きのナットが突設されて受板間に挿入される受けパイプと、受板の外からナットに螺入されてナットの段とその頭部とで受板を締め付けるとともに、先端が支柱に食い込む尖り先を有する固定ボルトとからなることを特徴とするレール支持装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上に架設されたレールを支持する支柱を地面上で支持するレール支持装置であり、支柱が挿通できる長孔が形成された支持板から上面にU溝が形成された受板を長孔を挟んで対向して起立させた支持金具と、支柱が挿通され、対向する外周にU溝に嵌入できる軸部が突出した段付きのナットが突設されて受板間に挿入される受けパイプと、受板の外からナットに螺入されてナットの段とその頭部とで受板を締め付けるとともに、先端が支柱に食い込む尖り先を有する固定ボルトとからなることを特徴とするレール支持装置。
【請求項2】
地上に架設されたレールを支持する支柱を地面上で支持するレール支持装置であり、支柱が挿通できる長孔が形成された支持板から側面に丸孔が形成された受板を長孔を挟んで対向して起立させた支持金具と、支柱が挿通され、対向する外周にナットが突設されて受板間に挿入される受けパイプと、受板の外からナットに螺入されてナットの面とその頭部とで受板を締め付けるとともに、先端が支柱に食い込む尖り先を有する固定ボルトとからなることを特徴とするレール支持装置。
【請求項3】
地上に架設されたレールを支持する支柱を地面上で支持するレール支持装置であり、対向する外周に軸部が突出した段付きのナットが突設されて支柱を挿通できる受けパイプと、支柱が挿通できる長孔が形成された支持板から側面に丸孔が形成された受板を長孔を挟んで対向して起立させ、受けパイプの軸部を丸孔に嵌入して受板間で保持する支持金具と、受板の外からナットに螺入されてナットの段とその頭部とで受板を締め付けるとともに、先端が支柱に食い込む尖り先を有する固定ボルトとからなることを特徴とするレール支持装置。
【請求項4】
支持板にアンカーボルトが通される孔が形成された請求項1〜3いずれかのレール支持金具。
【請求項5】
長孔の下方に穴が掘られ、支柱が長孔を挿通して穴に挿入される請求項1〜4いずれかのレール支持装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、単軌条運搬車等のレールを地上に架設するに際し、レールの沈下を防止して支持するレール支持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レール式車両の中にはレールを地上に架設するものがある。傾斜地又は平地の果樹園や工事現場等と基地との間で摘果した果樹や資材を運搬する車両がそうであるが、これらのレールは、地面に対して垂直に立てたレール支柱(以下、支柱)によってレールを支持している。このような架設方法によると、地面を整地しなくてもよいから、架設コストが安くつく利点がある。一方で、この種の車両は、登坂力を出すために、レールにラックを貼設し、これにピニオンを噛み合わせて推進する噛合式車両が多い。
【0003】
この場合の支柱は地面下に打ち込んでいるが、車両の重量や地盤の緩み等で沈下したり、位置がずれたりすることがある。このため、支柱を挿通できる挿通筒の下端から外方へ張出する沈下防止板(支持板)を有する支持装置を設け、支持板を地面に置いて支柱の途中を挿通筒に固定することで、支柱の支持と安定を補完していた。ところで、レールを地面の傾斜に沿った傾斜に架設したとしても、支柱は垂直でなければ十分な支持力が出せない。このため、挿通筒と支持板が垂直になった従来の支持装置では支柱を受けられないから、支持板が載置される範囲を水平に整地していた。
【0004】
しかし、このようなことは地面が土の場合は可能であるが、硬いコンクリートや岩盤等の場合は実際問題不可能である。このような硬い地盤であっても、支柱を差し込む穴はあけるが、あまり深い穴は作業が手間取ることから敬遠される。また、穴の径も支柱の径とピッタリというわけにはゆかず、支柱が穴の中で動いたり、傾いたり或いは位置がずれたりすることは往々にしてある。このため、支柱の途中を地面上で受ける上記した支持装置は必要である。
【0005】
そこで、本出願人は、挿通筒を長孔にしてこの中で支柱を傾けられるようにした案件を下記特許文献1として提案している。ところが、この先行例のものは、挿通筒を長孔状にしているから、その製作に手間がかかってコストが高くなるといった問題がある。また、挿通筒が長孔である故に挿通筒にネジ止めされた固定ボルトと支柱との位置(芯)合わせが難しいという問題もある。
【特許文献1】特開2003−138502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような課題を解決するものであって、操作が容易で製作コストを低く抑えることができるレール支持金具を提供したものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題の下、本発明は、請求項1に記載された、地上に架設されたレールを支持する支柱を地面上で支持するレール支持装置であり、支柱が挿通できる長孔が形成された支持板の上面から上面にU溝が形成された受板を長孔を挟んで対向して起立させた支持金具と、支柱が挿通され、対向する外周にU溝に嵌入できる軸部が突出した段付きのナットが突設されて受板間に挿入される受けパイプと、受板の外からナットに螺入されてナットの段とその頭部とで受板を締め付けるとともに、先端が支柱に食い込む尖り先を有する固定ボルトとからなることを特徴とするレール支持装置を提供したものである。
【0008】
また、本発明は、請求項2に記載された、地上に架設されたレールを支持する支柱を地面上で支持するレール支持装置であり、支柱が挿通できる長孔が形成された支持板から側面に丸孔が形成された受板を長孔を挟んで対向して起立させた支持金具と、支柱が挿通され、対向する外周にナットが突設されて受板間に挿入される受けパイプと、受板の外からナットに螺入されてナットの面とその頭部とで受板を締め付けるとともに、先端が支柱に食い込む尖り先を有する固定ボルトとからなることを特徴とするレール支持装置を提供する。
【0009】
さらに、本発明は、請求項3に記載された、地上に架設されたレールを支持する支柱を地面上で支持するレール支持装置であり、対向する外周に軸部が突出した段付きのナットが突設されて支柱を挿通できる受けパイプと、支柱が挿通できる長孔が形成された支持板から側面に丸孔が形成された受板を長孔を挟んで対向して起立させ、受けパイプの軸部を丸孔に嵌入して受板間で保持する支持金具と、受板の外からナットに螺入されてナットの段とその頭部とで受板を締め付けるとともに、先端が支柱に食い込む尖り先を有する固定ボルトとからなることを特徴とするレール支持装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の手段により、支柱を通した受けパイプのナットをU溝に降ろすことで簡単に位置(芯)合わせができる。また、固定ボルトを締め付けることで、支柱(受けパイプ)の回転と抜けの両方が同時に規制できる。さらに、支持金具は支持板と二枚の受板とで構成されるものであるから、製作コストも安くてすむ。請求項3の手段によると、U溝の形成が不要であるから、製作コストが安くすむし、請求項2の手段によると、ナットの軸部も不要になるから、製作コストを更に安くできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図4はレール噛合式の車両の側面図、図5は要部の横断面図であるが、まず、レール噛合式の車両について説明しておくと、本例のものは単軌条であり、予定のルートに沿って下面にラック1を貼設したレール2を適宜間隔で設けた支柱3によって地上から一定高さ浮かせて架設する。このレール2で支持されて移動する車両は、牽引車両4と荷台車両5とからなり、荷台車両5に荷を載せて牽引車両4で牽引して目的地まで運搬する。
【0012】
牽引車両4にはラック1に噛み合う駆動輪(ピニオン)6が設けられており、この駆動輪6をエンジン・ミッション7で駆動してレール2上を移動する。このとき、駆動輪6は、ラック1をかわして上方に設けられた転動輪8とでレール2を挟持しており、これでその姿勢をレール2上に保持されるようになっている。荷台車両6も同様であり、荷台9に設けられた上下二つの転動輪10によってレール2を上下から挟持して姿勢が保持されている。
【0013】
レール2は支柱3で支架されるが、この支柱3は、地面下に打ち込んで支持力を出している。しかし、車両の重量や地盤の緩み等で沈下したり、位置がずれたりすることもあるから、これを防止するために地面にレール支持装置11を置き、この支持装置11に支柱3を固定することで支持力を補完している。この場合、支柱3は垂直でなければ良好な支持力を派生しないから、地面が傾斜していても、支柱3を垂直に保持できるようになっている。
【0014】
図1は本発明に係る支持装置11の斜視図、図2は一部断面平面図、図3は支柱を支持した場合の側面図であるが、この支持装置11は、支柱3(一般には丸パイプ)を支持する支持金具12と、支柱3と支持金具12とに介在する受けパイプ13と、受けパイプ13を支持金具に固定する固定ボルト14とからなる。
【0015】
このうち、支持金具12は、支柱3が挿通できる長孔15aが形成された支持板15から上面にU溝16a、16bが形成された受板16が長孔15aを挟んで対向して起立するものである。なお、支持板15の四隅には孔15bがあけられている。また、受けパイプ13は、支柱3が挿通され、180°対向する外周にU溝16a、16bに嵌入できる軸部17aが突出した段付きのナット17が突設されて受板16間に挿入されるものである。さらに、固定ボルト14は、ナット17に螺入されるものであり、ナット17の段の外面17bとその頭部とで受板16を締め付けるとともに、先端が支柱3に食い込む尖り先14aを有しているものである。
【0016】
以上の支持装置11によると、地面が傾斜している場合にも、支柱3を垂直に支持することができる。レール2を架設するには、まず、路線に沿って支柱3を立て、これにレール2を止め付けて行く。そこで、地中に支柱3が挿入できる穴18を掘り、この穴18の周囲に支持金具12の長孔15aが位置するように支持板15を置く。このとき、地面が土であれば支柱3を槌で打ち込むことができるが、硬いコンクリートや岩盤の場合は穴あけを行う。なお、地面に傾斜があっても、穴18は垂直に掘るが、支持金具12は長孔15aの向きを傾斜に沿った向きにして地面に置けばよい。
【0017】
この場合の支持金具12は、一般的には地面に設置しただけでよいが、大きな荷重がかかるときには支持板15を固定しておくのが適する。支持板15の固定には、コンクリートや接着剤で止める方法もあるが、支持板15に形成された孔15bにアンカーボルト(図示省略)を通して固定する方法もある。特に、地面がコンクリートや岩盤等であって、穴18の深さが十分でないような場合には固定するのが適する。
【0018】
以上の作業が終了すると、支柱3を通した受けパイプ13を上から降ろし、そのナット17の軸部17aを受板16に形成されたU溝16a、16bに落とし込む。このとき、支柱3と受けパイプ13とは固定されていないから、支柱3を受けパイプ13中で所定の深さまで降ろし(多くの場合は穴18の底に当てる)、固定ボルト14をナット17にねじ込む。この場合、、支持板15が傾斜していたとしても、その長孔15aによって支柱3は穴18に垂直に入り込む。
【0019】
固定ボルト14をナット17にねじ込むと、受板16はナット17の段の外面17bと固定ボルト14に通されたワッシャ19とで内外を締め付けられて固定され、同時に固定ボルト14の尖り先14aは支柱3に食い込む。これにより、支柱3は固定ボルト14によって回転及び上下動が規制される。特に、運搬車が通過する前後にはレール2を持ち上げようとする力がかかるが、これによって支柱3が抜けるのを規制できる。
【0020】
一方、支柱3に対するレール2の取付けは、レール2の側面にあてがわれるプレート20aの一端に支柱3が挿通できる嵌合部20bを形成したホルダー20によっており、嵌合部20bに支柱3を通すとともに(20cは固定用のボルト)、プレート20aをボルト21によってレール2の側面に止め付けている。この場合、レール2が傾斜しているときには、支柱3が垂直になるようにホルダー20を調整してボルト21を締め付けることになる。
【0021】
以上は、本発明の基本的な形態であるが、これと異なる形態をとることがある。図6は第二実施例を示す支持装置の斜視図であるが、本例のものは、受板16に形成するU溝に代えて丸孔16d、16cにしたものであり、しかも、ナット17の軸部を廃したものである。これによると、U溝や軸部を形成する必要がないから、製作コストが安くてすむ利点がある。
【0022】
図7は第三実施例を示す支持装置の斜視図であるが、本例のものは、ナット17の軸部17aを残したものである。これによると、丸孔16c、16dとナット17との位置合わせが第一実施例と同様に容易になる利点がある。なお、この場合は、受けパイプ13を受板16間で保持した状態で受板16を支持板15に固着することになる。
【0023】
ところで、以上の説明は単軌条のレールの説明であるが、この種のレール噛合式車両には、牽引車両のみを単軌条の主レールで案内し、重い荷を載せる荷台車両はレールの外側に敷設した二本の副レールで案内するものがある。本発明に係る支持装置は、この主レールを直接地面上に支柱で支持する場合についても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】支持装置の斜視図である。
【図2】支持装置の一部断面平面図である。
【図3】支持装置で支柱を支持した場合の側面図である。
【図4】レール噛合式の車両の側面図である。
【図5】レール噛合式の車両の要部横断面図である。
【図6】支持装置の斜視図である。
【図7】支持装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
1 ラック
2 レール
3 支柱
4 牽引車両
5 荷台車両
6 駆動輪(ピニオン)
7 エンジン・ミッション
8 転動輪
9 荷台
10 転動輪
11 レール支持装置
12 支持金具
13 受けパイプ
14 固定ボルト
14a 〃 の尖り先
15 支持板
15a 長孔
15b 孔
16 受板
16a U溝
16b U溝
16c 丸孔
16d 丸孔
17 ナット
17a 〃 の軸部
17b 〃の段の外面
18 穴
19 ワッシャ
20 ホルダー
20a プレート
20b 嵌合部
20c ボルト
21 ボルト
【出願人】 【識別番号】000134981
【氏名又は名称】株式会社ニッカリ
【出願日】 平成18年12月12日(2006.12.12)
【代理人】 【識別番号】100088993
【弁理士】
【氏名又は名称】板野 嘉男

【識別番号】100107917
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 英俊


【公開番号】 特開2008−144503(P2008−144503A)
【公開日】 平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願番号】 特願2006−334326(P2006−334326)