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【発明の名称】 脱線防止用のガードレールの取付装置および前記ガードレールの取り扱い方法
【発明者】 【氏名】小倉 雅彦

【氏名】柳川 秀明

【氏名】鬼 憲治

【氏名】藤澤 憲三

【氏名】横田 直樹

【要約】 【課題】ガードレールの取り外し、取り付け作業を容易、迅速かつ確実にできるようにするとともに前記作業の自動化を可能にする。

【解決手段】本線レール1に沿って間隔をおいて敷設する脱線防止用のガードレール2と、ガードレール2を取り付ける取付台3とからなる。ガードレール2の下面に凹弧状受部4aを有する脚片4を一体的に垂下する。スラブ板のような固定物5に固定される取付台3に脚片4が差し込まれる第1差込孔6と第2差込孔7とを間隔をおいて並設する。第1差込孔6には常時は脚片4を介してガードレールを固定する方向に付勢する凸弧状の板ばね60を埋設する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本線レールに沿って間隔をおいて敷設する脱線防止用のガードレールと、前記ガードレールを取り付ける取付台とからなり、前記ガードレールの下面に凹弧状受部を有する脚片を一体的に垂下し、また固定物に固定される前記取付台に前記脚片が差し込まれる第1差込孔と第2差込孔とを間隔をおいて並設し、前記第1差込孔には常時は前記脚片を介して前記ガードレールを固定する方向に付勢する凸弧状の板ばねを埋設することを特徴とする脱線防止用のガードレールの取付装置。
【請求項2】
ガードレールを断面L字状に形成し、前記ガードレール外縁に複数個の水平片を等間隔に延出し、前記各水平片に対応し、しかも上面を前記ガードレールの下面に、外向縁をガードレール脚に一体化した脚片を垂下し、また複数の取付台を前記各水平片に対応する位置に配設し、各凸弧状の板ばねの先端を前記脚片および前記ガードレール脚の下端の差込みにより収縮する位置に設け、前記ガードレール脚および脚片の差込終了時には前記板ばねの凸弧部が前記脚片の凹弧状受部に当接するとともに前記板ばねの付勢力で前記ガードレール脚を第1差込孔の孔壁に圧接することを特徴とする請求項1の脱線防止用のガードレールの取付装置。
【請求項3】
常時は凹弧状受部を有する脚片を板ばねで付勢して取付台の第1差込孔にガードレール脚を圧接したガードレールをばね圧に抗して垂直に引上げ、次に前記ガ−ドレールを第2差込孔の上方に水平に移動し、続いて前記ガードレールを垂直に降下して脚片付きガードレール脚を第2差込孔に差し込むことを特徴とする脱線防止用のガードレールの取り扱い方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪が本線レールから外れないように誘導する脱線防止レールの取付手段と、前記レールの取り扱い方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の脱線防止用のガードレール2は、図5で示すように座金aを介してボルトb、ナットcなどを用いて固定されている。
【特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
軌道材料の交換作業や軌道狂い補修作業時には脱線防止用ガードは従来から人手により、例えばボルトb、ナットcの脱着、座金aの取り外しをする等手間がかかり、しかも取り外したガードレール2等をその近傍に不揃に置いておくだけで、置かれた各種部材の角度、高さ等がそれぞれ異なり、再度設置するときに容易かつ迅速に作業することができず、作業コストも高くなり、将来、機械等による自動化には何等の展望が見られない。
【0004】
本発明は前記不都合を解消することを課題とし、特に人力作業による容易性、迅速性、確実性の効率が良いことは勿論、機械、電気等による自動化を可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の本発明は、本線レールに沿って間隔をおいて敷設する脱線防止用のガードレールと、前記ガードレールを取り付ける取付台とからなり、前記ガードレールの下面に凹弧状受部を有する脚片を一体的に垂下し、また固定物に固定される前記取付台に前記脚片が差し込まれる第1差込孔と第2差込孔とを間隔をおいて並設し、前記第1差込孔には常時は前記脚片を介して前記ガードレールを固定する方向に付勢する凸弧状の板ばねを埋設することを特徴とするものである。
【0006】
請求項2の本発明は、請求項1の手段に加えて、ガードレールを断面L字状に形成し、前記ガードレール外縁に複数個の水平片を等間隔に延出し、前記各水平片に対応し、しかも上面を前記ガードレールの下面に、外向縁をガードレール脚に一体化した脚片を垂下し、また複数の取付台を前記各水平片に対応する位置に配設し、各凸弧状の板ばねの先端を前記脚片および前記ガードレール脚の下端の差込みにより収縮する位置に設け、前記ガードレール脚および脚片の差込終了時には前記板ばねの凸弧部が前記脚片の凹弧状受部に当接するとともに前記板ばねの付勢力で前記ガードレール脚を第1差込孔の孔壁に圧接することを特徴とするものである。
【0007】
請求項3の本発明は、常時は凹弧状受部を有する脚片を板ばねで付勢して取付台の第1差込孔にガードレール脚を圧接したガードレールをばね圧に抗して垂直に引上げ、次に前記ガ−ドレールを第2差込孔の上方に水平に移動し、続いて前記ガードレールを垂直に降下して脚片付きガードレール脚を第2差込孔に差し込むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の本発明によると、ガードレールの取り外し、取り付け作業は隣接する1対の差込孔への入れ替えで足り、その容易性、迅速性は極めて有効である。
【0009】
請求項2の本発明によると、請求項1の発明の効果に加え、ガードレール自体の堅牢性を損なうことがないとともに板ばねを損傷することが少なく、経年使用が可能になる。
【0010】
請求項3の本発明によると、ガードレールの取り外し、取り付け作業が垂直上昇、水平横移動、垂直降下で足り、単純な動作で済み、機械化、電動化等、自動化するのに最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1で示す本線レール1に沿って間隔をおいて脱線防止用のガードレール2を敷設する。なお通常、1本のガードレールのレール方向距離は5mで、3cmの間隔をおいてこれを繰り返し、複数本敷設されており、本発明もこの点では同様である。
【0012】
本発明のガードレール2は図2の点線で示すように基本的に断面L字状であり、本体部2aにガードレール脚21を直角に折り曲げてなる。
【0013】
また図1、図2で示すようにガードレール2の外縁に平面視台形の水平片20、20・・・を等間隔に延出し、各水平片20の位置に該当するガードレール脚21の内向面に脚片4の外向縁を溶着し、脚片4の上縁をガードレール2の本体部2aの下面に溶着して垂下し、脚片4とガードレール脚21の下端を等高位置にする。
【0014】
各脚片4内向縁における略中央に凹弧状受部4aを形成し、図2のように脚片4付きガードレール脚21は全体として上広下狭状にする。
【0015】
図1で示すように複数の取付台3、3・・・を各水平片20に対応する位置に配設する。各取付台3は図1、図2で示すように矩形板30にブロック31を突設して成り、各取付台3はまくらぎ(図示略)に固定された固定物5例えばスラブ板に可変パッド8を介し、しかも固定物5としてのスラブ板から植設された4ケ所の周知のボルトに各ナット32締めして固定する。なお固定物5はスラブ板に限るものではなく、設置場所によりまくらぎ自体や床板の場合もある。
【0016】
ブロック31の水平上面に、内側から順にガードレール2を載置する第1水平面33、第1差込孔6、第2水平面34、第2差込孔7および第3水平面35を設ける。第1差込孔6と第2差込孔7とは略同形であり、断面有底漏斗状であるが、この形状は脚片4付きガードレール脚21が差込めればよく、図示の形状に限定するものではなく、第2差込孔7は常時は不使用状態なので雨水、塵埃が溜まらないように下方若しくは外方へ連通する貫通孔にしてもよい。また第1差込孔6壁面に、後述する板ばね60が添接かつ係止するように段6a付き傾斜面6bを形成する。
【0017】
例えばSUP等のばね鋼により図2、図3で示すような板ばね60を形成する。この板ばね60は矩形板を略へ字状に折り曲げ、立ち上がり部分に間隔をおいて1対のスリット63、63を入れ、それらの中間片を凸弧状にして凸弧部62を形成するものであり、この板ばね60を第1差込孔6の壁面に添接するとともに上端を段6aに係止する。このとき図2の仮想線で示す凸弧部62の先端61と第1差込孔6壁間の距離L1を脚片4下端およびガードレール脚21下端の合計距離L2よりも大きくし、しかも凸弧部62が脚片4およびガードレール脚21の第1差込孔6への差込みにより収縮方向に排除されてゆくように第1差込孔6に凸弧部62頂部を突出させる。
【0018】
次に本実施の形態の組立法について説明すれば、各脚片4付きガードレール脚21を各第1差込孔6に差込む。このとき図2で示す各脚片4付きガードレール脚21の最下部合計距離L2が仮想線で示す先端61と第1差込孔6壁間の距離L1よりも小さいので先端61に損傷を与えることなく凸弧部62を収縮方向に排除して行き、実線で示すように本体部2aの一部は第1水平面33および第2水平面34に戴置され、本体部2aの内方残部がガードレールとして本線レール1のやや斜め上に水平に突出する。
【0019】
同時に凸弧部62は凹弧状受部4aに添接し、しかもばねの復元力により脚片4およびこれと一体のガードレール脚21を図示の実線で示すように第1差込孔6の壁面に付勢して圧接し、ガードレール2を取付台3に固定する。
【0020】
次に軌道材料の交換や軌道狂い補修等によりガードレール2を取り外す必要がある場合には、図4で示すようにガードレール2を板ばね60のばね圧に抗して垂直に引き上げる。このとき凸弧部62は図2の仮想線位置に復元する。
【0021】
続いてガードレール2を第2差込孔7の上方に水平に移動し、さらにガードレール2を垂直に降下して脚片4付きガードレール脚21を第2差込孔7に差込む。この結果、水平片20の外方部は第3水平面35に、水平片20の主要部は第2水平面34に戴置される。この状態で軌道材料の交換や軌道狂い補修等の作業をする。
【0022】
これらのガードレール2の一連の取り外し作業はガードレール2の垂直上昇、水平横移動、垂直降下という単純化した移動で足り、逆にガードレール2の取り付け作業を水平横移動の方向が逆になるだけで同様の移動で足り、例えば図4の点線で示す電磁石Mを垂直上下移動および水平左右移動するような油圧装置、鎖伝動装置に連結すれば人手を要しない自動化を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態を示す一部を切り欠いた平面図である。
【図2】A−A拡大断面図である。
【図3】本発明の一部品である板ばねの拡大側面図である。
【図4】本発明装置を取り扱う方法を示す説明図である。
【図5】従来例の説明図である。
【符号の説明】
【0024】
1 本線レール
2 ガードレール
3 取付台
4 脚片
4a 凹弧部
5 固定物
6 第1差込孔
6b 孔壁
7 第2差込孔
20 水平片
21 ガードレール脚
60 板ばね
61 先端
62 凸弧部
【出願人】 【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】591036893
【氏名又は名称】鉄道機器株式会社
【出願日】 平成18年11月10日(2006.11.10)
【代理人】 【識別番号】100073081
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 敏夫

【識別番号】100078709
【弁理士】
【氏名又は名称】浅賀 一樹


【公開番号】 特開2008−121247(P2008−121247A)
【公開日】 平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願番号】 特願2006−305000(P2006−305000)