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【発明の名称】 線路枕木
【発明者】 【氏名】マルセル・ジラルディー

【氏名】チャールズ・ペティット

【氏名】フェデリック・ル・コレ

【氏名】アイアン・ロバートソン

【要約】 【課題】250Hzまでの範囲の振動減衰性能を向上させ、線路システムに影響を及ぼす疲労および応力を制限すること。

【解決手段】線路枕木(8)は、底面および少なくとも1本の長手方向のレール(4)を収容する上面を有する剛体ブロック(9)と、底部(48)および前記底部(48)を囲む周辺リム(50)を具備する剛体シェルの形態をしており、前記剛体ブロック(9)を収容するカバー(20)と、前記剛体ブロック(99の前記底面と、前記カバー(20)の前記底部(48)との間に配置された弾性底板(22)と、を備える。弾性底板(22)は、6kN/mm〜10kN/mmの範囲、好ましくは6kN/mm〜8kN/mmの範囲の動剛性を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線路枕木において、
底面、および、少なくとも1本の長手方向のレールを収容する上面を有する、剛体ブロックと、
前記剛体ブロックを収容するためのカバーであって、底部、および、前記底部を囲む周辺リムを具備する、剛体シェルの形態をしている、カバーと、
前記剛体ブロックの前記底面と、前記カバーの前記底部との間に配置された弾性底板と、
を備え、
前記弾性底板が、6kN/mm〜10kN/mmの範囲、好ましくは6kN/mm〜8kN/mmの範囲の動剛性k2を有する、枕木。
【請求項2】
請求項1に記載の枕木において、
前記弾性底板は、実質的に平坦な上面、および、実質的に平坦な底面を有する、枕木。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の枕木において、
前記ブロックは、前記上面を前記底面に接続する4つの周辺面を有し、
前記枕木は、前記ブロックの各周辺面と、前記カバーの前記周辺リムとの間に配置された弾性パッドを具備する、枕木。
【請求項4】
請求項3に記載の枕木において、
前記弾性パッドは、
20kN/mm〜25kN/mmの範囲の動剛性を有する少なくとも2つの長手方向の弾性パッドと、
15kN/mm〜18kN/mmの範囲の動剛性を有する少なくとも2つの横断方向の弾性パッドと、
を備える、枕木。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の枕木において、
前記枕木は、前記剛体ブロックの前記上面に、120kN/mm〜300kN/mmの範囲、好ましくは200kN/mm〜300kN/mmの範囲の動剛性を有する弾性支持部材を備え、
前記弾性支持部材は、前記レールを受容してこの弾性支持部材で支持するように設計されている、枕木。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の枕木において、
前記枕木は、単一のブロック、および、単一のカバーを備える、枕木。
【請求項7】
請求項6に記載の枕木において、
前記ブロックは、350kg〜450kgの範囲、好ましくは400kg〜450kgの範囲の重量である、枕木。
【請求項8】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の枕木において、
前記枕木は、
2つのブロックと、
前記ブロックと結合された対応する2つのカバーと、
前記2つのブロックを相互連結する横断方向のスペーサと、
を備える、枕木。
【請求項9】
請求項8に記載の枕木において、
前記各ブロックは、100kg〜150kgの範囲、好ましくは130kg〜150kgの範囲の重量を有する、枕木。
【請求項10】
線路セグメントであって、
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の枕木と、
前記枕木に支持された少なくとも1本のレールと、
を備える、セグメント。
【発明の詳細な説明】【開示の内容】
【0001】
〔分野〕
本発明は、線路枕木もしくは「スリーパー」であって、
底面と、少なくとも1本の長手方向のレールを収容するための上面と、を有する剛体ブロックと、
底部、および底部を囲む周辺リムを具備する、剛体シェルの形態をしており、かつ、剛体ブロックを収容するための、カバーと、
剛体ブロックの底面とカバーの底部との間に配置された弾性底板と、
を備えた、線路枕木もしくは「スリーパー」に関する。
【0002】
〔背景〕
このような枕木は、例えば、枕木を土台もしくはスラブで支持するトンネルもしくは高架橋などの構造において、砂利なしで線路を敷設するために頻繁に利用される。
【0003】
EP-A-0 919 666 はこの種の枕木を開示している。剛体カバーはコンクリートスラブ中に埋め込まれ、コンクリートスラブと共に剛体アセンブリを形成する。
【0004】
各レールは、通常、各レールと剛体ブロックとの間に配置された弾性支持部材上に置く。このようにして弾性支持部材は第1の弾性段階を形成する。これらの弾性支持部材は、線路が敷設されるとき、もしくはその前、例えば枕木を敷設されるときに取り付けられる。
【0005】
ブロックと剛体カバーとの間に配置された弾性底板は、第2の弾性段階を形成する。
【0006】
列車の通過時にレールによって発生する振動は、第1および第2の弾性段階で本質的に減衰させられる。
【0007】
しかしながら、現在知られているこのような線路システム上を列車が通過している場合、機械的振動の減衰は完全に十分とはいえない。例えば、カットオフ周波数および挿入利得の両方が、フローティングスラブ上の線路システムのものより大きい。
【0008】
〔概要〕
本発明の目的は、特に250Hzまでの範囲において、周囲の構造物に対する擾乱を引き起こすと思われる上記枕木の振動減衰性能を向上させることであり、また、線路システムに影響を及ぼす疲労および応力を制限することである。
【0009】
この目的を達成するため、本発明は、弾性底板が6キロニュートン・パー・ミリメートル(kN/mm)〜10kN/mm、好ましくは6kN/mm〜8kN/mmの範囲の動剛性k2を有することを特徴とする、上述のタイプの枕木を備える。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、
弾性底板は実質的に平坦な上面および実質的に平坦な底面を有し、
ブロックは上面を底面に接続する4つの周辺面を有し、枕木はブロックの各周辺面とカバーの周辺リムとの間に配置された弾性パッドを具備し、
弾性パッドは、20kN/mm〜25kN/mmの範囲の動剛性を有する少なくとも2つの長手方向の弾性パッドと、15kN/mm〜18kN/mmの範囲の動剛性を有する少なくとも2つの横方向の弾性パッドとを具備し、
枕木は、剛体ブロックの上面に、120kN/mm〜300kN/mm、好ましくは200kN/mm〜300kN/mmの範囲の動剛性を有する弾性支持部材を備え、弾性支持部材はレールを受容してこの弾性支持部材で支持するように設計され、
枕木は単一のブロックおよび単一のカバーを備え、
ブロックは350kg〜450kgの範囲、好ましくは400kg〜450kgの範囲の重量を有し、
枕木は、2つのブロックと、これらのブロックと結合された対応する2つのカバーと、2つのブロックを相互連結する横断方向のスペーサとを備え、
各ブロックは100kg〜150kgの範囲、好ましくは130kg〜150kgの範囲の重量を有する。
【0011】
本発明は、上記の枕木と、枕木に支持された少なくとも1本のレールと、を備えたことを特徴とする線路セグメントも提供する。
【0012】
本発明は、上記の例示による記述および図面に関してなされた以下の説明を読めば一層理解することができる。
【0013】
〔詳細な説明〕
図1は、本発明の第1の実施例における線路のセグメント2を概略的に示す。セグメント2は、枕木8に固定された2本の長手方向のレール4を備える。枕木8は、単一の堅固なコンクリートブロック9および各レール4とブロック9との間に配置された2つの弾性支持部材10を備える。
【0014】
長手方向のレール4は、慣例によって長手方向の基準を画定している。
【0015】
弾性支持部材10は、実質的に直方体の形状をなす。図1に示す例において、弾性支持部材の幅は、実質的にレール4の土台の幅と同等であり、その長さはブロック9の幅と実質的に同等である。
【0016】
弾性支持部材10は、ブロック9のそれぞれの凹部12に収容される。断面における各凹部12の外形は、実質的に長方形である。図1に示す例の各凹部12の幅および長さは、それぞれ弾性支持部材10の幅および長さと実質的に同等である。
【0017】
一例として、弾性支持部材10は枕木8に接着により接合される。
【0018】
各レール4は、レール留め具(図示せず)によって、ブロック9に取り付けられている。このブロック9は、ブロック9に対する横方向のレールのあらゆる変位を防ぎ、レール4をブロック9および各弾性支持部材10に固定する。
【0019】
以下の説明全体を通して、対象となる周波数(250Hzもしくはこれ未満)の範囲を考えると、動剛性(dynamic stiffness)は、常に一定もしくは実質的に静剛性(static stiffness)の130%と同等であると考えられる。
【0020】
弾性支持部材10は、図4のモデルで示されるように、垂直方向の動剛性k1の第1の弾性段階を形成する。各レール4は、動剛性k1のばね16の第1の端部に浮くように設計されている。ばね16の第2の端部は、ブロック9に連結されている。
【0021】
各弾性支持部材10は、120kN/mm〜300kN/mm、好ましくは200kN/mm〜300kN/mmの範囲にある動剛性k1を有する。例として、各弾性支持部材10に用いられる材料は、ゴム、ポリウレタンもしくは他のあらゆる弾性材料である。
【0022】
図2および図3に詳細を示す図1の枕木8は、ブロック9を収容するためのカバー20、ブロック9とカバー20との間に実質的に水平な面に配置された弾性底板22、および、ブロック9とカバー20との間にそれぞれ実質的に垂直な面に配置された4つの弾性パッド24および26を備える。
【0023】
ブロック9は、実質的に直方体の形状をしており、上面32、置き面になる実質的に平坦な底面34、および、丸みを帯びた縁部44および面取りした面46のそれぞれを介して上面32を底面34と接続する4つの周辺面36および38を本質的に備える。周辺面36および38は、2つの縦周辺面36および2つの横周辺面38を備える。
【0024】
各周辺面36および38は、実質的に平坦な底部36Aおよび38A、実質的に平坦な上部36Bおよび38B、ならびに各底部36Aおよび38Aを対応する上部36Bおよび38Bと相互接続する実質的に平坦な中間部36Cおよび38Cを有する。縦上部36Bおよび横上部38Bは上方へ向かって相互に窄んでいる。縦底部36Aおよび横底部38Aは下へ向かって相互に近づいている。縦中間部36Cおよび横中間部38Cは、下へ向かって相互に近づき、対応する各底部36Aおよび38Aにより形成される角度よりも大きな、垂直面に対する角度を形成している。
【0025】
ブロック9は特に重量の大きいものが選択される。ブロック9の重量は、350kg〜450kg、好ましくは400kg〜450kgの範囲である。ブロック9は、一般的に、コンクリート中に金属成分を加えて重量を増加させる。
【0026】
カバー20は、実質的に剛体シェルによって形成される。カバー20は、基本的に、底部48および底部48の周囲を一周する連続的な周辺リム50を備える。
【0027】
底部48は、実質的に平坦で長方形の上面52を有する。
【0028】
カバー20の周辺リム50は4枚のパネル54および56を有する。4枚のパネル54および56は、それぞれがブロック9の縦面36に結合される2枚の縦パネル54と、それぞれが横面38に結合される2枚の横パネル56とを備える。各パネル54および56はそれぞれの内面62および64を有する。各内面62および64は、それぞれ弾性パッド24および26を収容するために設けられた、実質的に直方体の形状のハウジング66および68を有する。
【0029】
ハウジング66および68は、ブロック9の周面36および38に対応する底部36Aおよび38Aと実質的に並行である。各ハウジング66および68は、連続的な周辺肩部66Aおよび68Aによって画定される。各ハウジング66および68はまた、各ハウジング66および68が結合される底部36Aおよび38Aと実質的に同じ高さおよび同じ長さである。
【0030】
各内面62および64は、平坦であり、ブロック9の周辺面36および38の対応する中間部36Cおよび38Cの傾きと実質的に同等もしくはこれよりも大きい、垂線に対して傾いた上部62Aおよび64Aを有する。上部62Aおよび64Aは、ブロック9の結合される対応した中間部36Cおよび38Cと、実質的に同じ高さである。
【0031】
パネル54および56の内面62および64の上部62Aおよび64Aは、リム50の連続的な上縁部70に接続されている。図2及び図3に示す例において、上縁部70は、連続するシーリングガスケット72を固定するために働く2本の指部を有している。一例として、ガスケット72は天然もしくは合成ゴムで形成される。ガスケットは、カバー20でブロック9の変位を妨げることなしに、ブロック9とカバー20との間を密閉する。また、連続的なビードの形態でシリコンもしくはポリウレタンなどの材料を注入し、シーリングガスケット72を構成することも可能である。
【0032】
カバー20の剛性は、パネル54および56の外側の起伏部(relief)内であって、部分的に底部48の下側である部分に形成されたリブ74によって強化される。例えば、リブ74は、カバー20と一体成型される。これらのリブ74は、特にEP-A-0 919 666の従来技術で知られる方法で、適切な如何なる形状、および、カバー20に対して如何なる配置であってもよい。図2および図3に示す例には、カバー20を補強部材に固定できるようにするノッチ76が示されている。線路が敷設される場合、リブ74は、少なくとも一部がコンクリート内に埋め込まれる。従って、これらは充填コンクリートにカバー20を固定する役目をする。
【0033】
図2および図3に示す例において、カバー20は一体成型物として形成されている。図示していない方法で、カバー20は、従来技術(例えばEP-A-0 919 666)で開示されているように、複数の部分的なシェルを組み合わせることによって形成することが可能である。本発明の第1の実施例における一体的な枕木のために、これらのシェルは、例えば2つの半割シェル(half-shell)を各端部に1つ、および、2つの端部半割シェルを相互連結する中央シェルを備えてもよい。
【0034】
例えば、カバー20は、成型された熱可塑性材料もしくは樹脂コンクリートから形成される。
【0035】
弾性底板22は、実質的に直方体の形状であり、弾性底板22が受ける機械的応力を最小にして疲労の問題を防止するために、実質的に平坦な上面および底面を有する。弾性底板22の長さおよび幅は、それぞれブロック9の底面34の長さおよび幅と実質的に等しい。
【0036】
弾性底板22の厚さは、10mm〜20mm、好ましくは16mm〜20mmの範囲である。このように、弾性底板22は、弾性領域に留まり、40%以下の最大変形量に実質的に相当する。変形量は、無負荷状態と負荷状態との間で弾性底板22によって示される厚さ変化の比である。
【0037】
弾性底板22は、図4のモデルに示すように、垂直方向の動剛性k2の第2の弾性段階78を形成する。剛体ブロック9は、動剛性k2の2つのばね80の第1の端部に浮くように設計されている。ばね80の第2の端部はカバー20に連結されている。
【0038】
本発明の弾性底板22は、従来用いられている装置の動剛性よりも小さい動剛性k2を有する。動剛性k2は、6kN/mm〜10kN/mmの範囲であり、好ましくは8kN/mm〜10kN/mmの範囲である。
【0039】
一例として、弾性底板22は、多孔質の弾性材料で形成される。
【0040】
好ましい実施例において、弾性底板22は、実質的に全領域に亘って一様な、垂直方向の動剛性k2を有する。
【0041】
別の実施例において、弾性底板22はブロック9の中央領域では、k2と同等もしくはこれよりも小さい垂直方向の動剛性k3を有する。中央領域はブロック9の中間部を含み、ブロック9の領域の実質的に半分に亘って端部へ向けて、ブロック9の中間部のいずれの側にも横断方向に延びている。この中央領域はより小さい応力を受けるので、この領域にはより弾性的で、それ故、より安価な材料を使用することが可能である。
【0042】
弾性底板22は、カバー20の底部48で自由に置くことができる。従って、容易にカバー20から取り外し可能である。
【0043】
利点として、枕木は図2および図3に示すように、実質的に圧縮不可能な厚み部材82も備える。
【0044】
厚み部材82は実質的に直方体の形状である。この厚み部材82の長さおよび幅は、カバー20の底部48における上面52の長さおよび幅と実質的に同等である。厚み部材82の厚さは、10mm以下であり、好ましくは2mm〜4mmの範囲である。
【0045】
厚み部材82は、カバー20の底部48の上に自由に載る。従って、線路のレベルを調整するために、容易にカバー20から取り外し可能、もしくはカバー20に追加可能である。
【0046】
利点として、弾性底板22は、この厚み部材82の上に自由に載る。
【0047】
厚み部品82の表面は、カバー20で弾性底板22が滑ることを防止するのに十分に粗い。一例として、この粗さは鋸歯状部、ダイヤモンドチップもしくは返し突起(barb)によって形成可能である。
【0048】
各弾性パッド24および26は、外面24Aおよび26Aならびに内面24Bおよび26Bを有し、4つの周辺面を有する。
【0049】
外面および内面24Aおよび26Aならびに24Bおよび26Bは、実質的に同一の寸法であり、実質的に長方形の輪郭を有する。
【0050】
外面および内面24Aおよび26Aならびに24Bおよび26Bは、カバー20の周辺リム50に設けられた対応するハウジング66および68の長さおよび幅と実質的に同一の長さおよび幅である。
【0051】
弾性パッド24および26は、対応するハウジング66および68に面している。一例として、弾性パッド24および26は、弾性パッド24および26の周辺面と、各ハウジング66および68の周辺肩部66Aおよび68Aとの間の摩擦によって保持される。従って、弾性パッド24および26は容易に取り外し可能である。
【0052】
各弾性パッド24および26はまた、スナップ式固定により保持することもできる。例えば、ハウジング66および68は溝(groove)を有してもよく、弾性パッド24および26は相補的な溝(fluting)を有してもよい。
【0053】
弾性パッド24および26は、ハウジング66および68の深さよりも大きな厚さを有しており、肩部66Aおよび68Aに対して突出している。
【0054】
内面24Bおよび26Bは、剛体ブロック9の周辺面36および38の対応する底部36Aおよび38Aに対して、ただ押し付けられているだけである。
【0055】
図2および図3に示すように、内面24Bおよび26Bは、これらの可撓性を増加させる溝を備える。
【0056】
弾性パッド24および26は、12kN/mm〜25kN/mmの範囲の動剛性を有する。一例として、弾性パッド24および26は、ゴム、ポリウレタンもしくは他の弾性材料で形成される。
【0057】
縦周辺面36に対応する縦パッド24は、横周辺面38に対応する横パッド26よりも大きな力を受ける。従って縦パッド24は、横パッド26の動剛性よりも大きな動剛性を持つよう有利に選択することが可能である。従って、例えば、横パッド26が15kN/mm〜18kN/mmの範囲の動剛性を有する場合、縦パッド24は20kN/mm〜25kN/mmの範囲の動剛性を有する。
【0058】
通常の作動条件下で、弾性パッド24および26は、カバー20の内面62および64から離してブロック9を保持する。
【0059】
弾性パッド24および26は、このようにブロック9のために水平方向の減衰(damping)をもたらす。この水平方向の減衰は、弾性支持部材10および弾性底板22によって得られる垂直方向の減衰とは分離されている。
【0060】
注意すべきは、多くの弾性パッドが制限を受けないことである。例えば、枕木8は、ブロック9の両側に並んだ2つの横パッド34を有していてもよい。
【0061】
図5は、従来技術の枕木および本発明における枕木の音響性能を示す。図5は、周波数の関数として挿入利得をプロットしている。この例における挿入利得は、弾性底板を含む場合に得られる測定された大きさ(measured magnitude)(速度、加速度、力など)の値と、弾性底板を含まない場合(フランスISO規格参照)に得られる測定値との間の、デシベル(dB)で表される比率である。説明した例では、この比率がカバー20に働く力である。測定値の減少は負の挿入利得で表わされている。
【0062】
さらに、カットオフ周波数は、それを超えたら挿入利得の減少が観察される周波数である。
【0063】
k1dynは弾性支持部材10の動剛性であり、k2dynは弾性底板22の動剛性であり、さらにMはブロック9の重量である。
【0064】
k2dyn=21.3MN/m(メーターあたり21.3メガニュートン)、M=200kg、k1dyn=150MN/mである周波数の関数として挿入利得を表わす曲線は、従来技術の装置の性能を示す基準曲線S1を構成する。第2の曲線は本発明の枕木の性能を示し、k2dyn=8MN/m、M=400kg、k1dyn=270MN/mである。
【0065】
0〜10Hzの範囲において、振動減衰性能は実質的に同等である。10Hz〜25Hzの範囲においては、挿入利得が曲線S1より数dB高い。25Hz〜250Hzの範囲においては、曲線S1の挿入利得よりも数dB低い。
【0066】
さらに、カットオフ周波数は、曲線S1よりも低い(32Hzに対して20Hz)。
【0067】
このように、25Hz〜250Hzの範囲においては、本発明の枕木の性能は実質的により良好である。
【0068】
図6に示す第2の実施例において、枕木108は、スペーサ184によって相互接続された2つの剛体ブロック109を備えている。この2つのブロックの枕木108が単一ブロックの枕木8と極めて類似している場合、図1〜図4で用いられた参照符号と同一の参照符号が図6において、ただし、100を付加して用いられる。
【0069】
カバー120の長さは、ブロック109を収容するように構成されている。同じことが横パッド126および弾性底板122にもあてはまる。単一ブロック8を示す図2および図3もまた、枕木108を図示するためにすべて適用可能である。
【0070】
単一ブロックの枕木8と2つのブロックの枕木108との主な違いは、2つのブロック109内に差し込まれたスペーサ184の存在である。
【0071】
弾性底板122の動剛性k2の減少および/もしくはブロック109の重量の増加は、大きな縦方向に屈曲する動きを引き起こす。
【0072】
このように、スペーサ184は広い範囲の二次モーメントを得るように構成された形状をなす。例えば、山形継ぎ目板(angle bar)もしくは円柱の形状であってもよい。一例として、スペーサ184は、800mm2〜1500mm2の範囲の断面領域を有し、厚さは6mm〜10mmの範囲である。例えば、欧州規格EN-13230-3に準拠するスチールの中から形成してもよい。
【0073】
各ブロック109は、100kg〜150kgの範囲、好ましくは130kg〜150kgの範囲の重量を有する。
【0074】
注意すべきは、単一ブロックの枕木8は、本発明に起因する追加的な機械的応力に特によく耐えることができる。
【0075】
本発明の枕木を用いて、具体的には25Hz〜250Hzにおいて、カットオフ周波数を低くして挿入利得を下げることにより、弾性底板22および122の動剛性k2の減衰が、より良好な振動減衰性能を得るために役立つこと、が理解されるであろう。
【0076】
ブロック9および109の重量の増加もまた、弾性底板22および122の所定の動剛性k2に対して、カットオフ周波数を低くすることが可能であり、これによって枕木8および108の性能を低い周波数で改善することができる。それにもかかわらず、所定の重量を超えると、枕木8および108が受ける機械的応力が極めて大きくなる。
【0077】
弾性支持部材10および110の動剛性k1の増大は、200Hz〜250Hzの範囲において挿入利得を減少させ、共振周波数をより高い周波数へ移動させる。共振振動数は、挿入利得が上昇することが観察される振動数である。
【0078】
本発明により、14Hz〜20Hzの範囲のカットオフ周波数を有し、63Hzのとき−25dBの挿入利得を有するフローティングスラブで得られる振動減衰性能を提供することができる。
【0079】
〔実施の態様〕
(1)線路枕木(8; 108)において、
底面(34)、および、少なくとも1本の長手方向のレール(4; 104)を収容する上面(34)を有する、剛体ブロック(9; 109)と、
前記剛体ブロック(9; 109)を収容するためのカバー(20; 120)であって、底部(48; 148)、および、前記底部(48; 148)を囲む周辺リム(50; 150)を具備する、剛体シェルの形態をしている、カバー(20; 120)と、
前記剛体ブロック(9; 109)の前記底面(34)と、前記カバー(20; 120)の前記底部(48; 148)との間に配置された弾性底板(22; 122)と、
を備え、
前記弾性底板(22; 122)が、6kN/mm〜10kN/mmの範囲、好ましくは6kN/mm〜8kN/mmの範囲の動剛性k2を有する、枕木。
(2)実施態様1に記載の枕木(8; 108)において、
前記弾性底板(22; 122)は、実質的に平坦な上面、および、実質的に平坦な底面を有する、枕木。
(3)実施態様1または実施態様2に記載の枕木(8; 108)において、
前記ブロック(9; 109)は、前記上面(32)を前記底面(34)に接続する4つの周辺面(36, 38)を有し、
前記枕木(8; 108)は、前記ブロック(9; 109)の各周辺面(36, 38)と前記カバー(20; 120)の前記周辺リム(50; 150)との間に配置された弾性パッド(24, 26; 124, 126)を具備する、枕木。
(4)実施態様3に記載の枕木(8; 108)において、
前記弾性パッド(24, 26; 124, 126)は、
20kN/mm〜25kN/mmの範囲の動剛性を有する少なくとも2つの長手方向の弾性パッド(24; 124)と、
15kN/mm〜18kN/mmの範囲の動剛性を有する少なくとも2つの横断方向の弾性パッド(26; 126)と、
を備える、枕木。
(5)実施態様1ないし実施態様4のいずれかに記載の枕木(8; 108)において、
前記枕木は、前記剛体ブロック(9; 109)の前記上面(32)に、120kN/mm〜300kN/mmの範囲、好ましくは200kN/mm〜300kN/mmの範囲の動剛性を有する弾性支持部材(10; 110)を備え、
前記弾性支持部材(10; 110)は、前記レール(4; 104)を受容してこの弾性支持部材で支持するように設計されている、枕木。
(6)実施態様1ないし実施態様5のいずれかに記載の枕木(8)において、
前記枕木(8)は、単一のブロック(9)、および、単一のカバー(20)を備える、枕木。
(7)実施態様6に記載の枕木(8)において、
前記ブロック(9)は、350kg〜450kgの範囲、好ましくは400kg〜450kgの範囲の重量である、枕木。
(8)実施態様1ないし実施態様5のいずれかに記載の枕木(108)において、
前記枕木(108)は、
2つのブロック(109)と、
前記ブロックと結合された対応する2つのカバー(120)と、
前記2つのブロック(109)を相互連結する横断方向のスペーサ(184)と、
を備える、枕木。
(9)実施態様8に記載の枕木(108)において、
前記各ブロック(109)は、100kg〜150kgの範囲、好ましくは130kg〜150kgの範囲の重量を有する、枕木。
(10)線路セグメント(2; 102)であって、
実施態様1ないし実施態様9のいずれかに記載の枕木(8; 108)と、
前記枕木(8; 108)に支持された少なくとも1本のレール(4; 104)と、
を備える、セグメント。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】第1の実施例における線路のセグメントの概略断面図である。
【図2】断面で示した図1の枕木のより詳細な概略断面図である。
【図3】図1および図2の枕木の概略縦断面図である。
【図4】図1の線路のセグメントをモデル化した図である。
【図5】本発明の枕木の音響性能を示すグラフである。
【図6】第2の実施例における線路のセグメントを示す、図1に類似した図である。
【出願人】 【識別番号】507318004
【氏名又は名称】アルストム・トランスポート・エスエイ
【氏名又は名称原語表記】Alstom Transport SA
【住所又は居所原語表記】3,Avenue Andre Malraux−92300 Levallois−Perret France
【出願日】 平成19年9月21日(2007.9.21)
【代理人】 【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延

【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭

【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音


【公開番号】 特開2008−101456(P2008−101456A)
【公開日】 平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願番号】 特願2007−245794(P2007−245794)