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【発明の名称】 レール転倒防止装置
【発明者】 【氏名】若月 修

【氏名】手代木 卓也

【氏名】山根 寛史

【氏名】佐古 武彦

【氏名】岩佐 裕一

【氏名】吉田 謙一

【要約】 【課題】仮に列車がレールより脱輪したとしても、その列車の車輪よってレールが倒される、又はタイプレートが敷設面から外れることを防止するレール転倒防止装置を提供する。

【解決手段】タイプレート11上に固定されたブロック状金具12のベース支持部12Aによって、レールRのベース部R1・R2を支持する。これにより地震などにより列車がレールより脱輪しかつその列車の車輪よってレール締結装置が破壊されたとしても、そのベース支持部12Aによってレールが転倒することを防止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール締結装置とともに使用されてレールの転倒を防止するレール転倒防止装置であって、レールが敷設される敷設面上に設置されるタイプレートと、レールのベース部を係止するベース支持部を上部に有しかつその下部がタイプレート上に固定されるブロック状金具と、このブロック状金具から離れた位置のタイプレートに設けられて当該タイプレートを敷設面に締結固定するタイプレート締結手段と、から構成されることを特徴とするレール転倒防止装置。
【請求項2】
レール締結装置とともに使用されてレールの転倒を防止するレール転倒防止装置であって、レールが敷設される敷設面上に設置されるタイプレートと、レールの一方側ベース部を係止する第1ベース支持部を有しかつその下部がタイプレート上に固定されるブロック状金具と、レールの他方側ベース部を係止する第2ベース支持部を有しかつその下部がタイプレート上に固定されるプレート状金具と、これらブロック状金具及びプレート状金具から離れた位置のタイプレートに設けられて当該タイプレートを敷設面に締結固定するタイプレート締結手段と、から構成されてなり、前記プレート状金具は、レールの他方側ベース部を係止する第2ベース支持部が先端部に位置し、かつその下端部がプレート金具締結手段によりタイプレートに脱着自在に固定されることを特徴とするレール転倒防止装置。
【請求項3】
前記ブロック状金具において、レールのベース部を係止するベース支持部の上面は平坦に形成され、その平坦部は、列車の車輪が走行されるレール上端の軌道部側面の下方に位置することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載されるレール転倒防止装置。
【請求項4】
前記プレート状金具の第2ベース支持部は、その上面が平坦に形成されて、かつ列車の車輪が走行されるレール上端の軌道部側面の下方に位置することを特徴とする請求項2に記載されるレール転倒防止装置。
【請求項5】
レール締結装置の近傍に配置されるレール転倒防止装置であって、レールの外側ベース部を支持してレールの外側への転倒を防止する外側レール支持手段と、レールの内側ベース部を支持してレールの内側への転倒を防止する内側レール支持手段とからなり、これら各レール支持手段は、レールが敷設される敷設面上に設置されるタイプレートと、レールのベース部を係止するベース支持部を有しかつその下部がタイプレート上に固定されるブロック状金具と、このブロック状金具から離れた位置のタイプレートに設けられて当該タイプレートを敷設面に締結固定するタイプレート締結手段と、から構成されることを特徴とするレール転倒防止装置。
【請求項6】
前記外側レール支持手段及び内側レール支持手段のブロック状金具において、前記ベース支持部の上面は平坦に形成され、その平坦部は、列車の車輪が走行されるレール上端の軌道部側面の下方に位置することを特徴とする請求項5に記載されるレール転倒防止装置。
【請求項7】
前記タイプレートの上流側には、当該タイプレートに隣接配置されて、列車の移動方向に沿って高さが高くなる傾斜板が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載されるレール転倒防止装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は鉄道レールの締結装置とともに使用され、脱線した車輪よりレールが転倒することを防止するレール転倒防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特開平7−238501号公報に示されるようなレール締結装置が知られている。このレール締結装置1は、図4に示されるように敷設面2上に絶縁板3を介して設置されたタイプレート4に、板バネ締結手段5により締結支持された板バネ6を備えた構成である。この板バネ6は図4を参照して判るように、全体として2つに折り曲げられた形状であり、その先端部6Aが、タイプレート4上に設置されたレールRのベース部RBを上方より押えて支持する。また、板バネ6の近傍に位置するタイプレート4には、プレート締結手段7が設けられており、このプレート締結手段7によってタイプレート4が敷設面2上の絶縁板3に締結固定される。なお、図4において符号8で示すものはレールRの高さ調整用の樹脂パッド、符号9で示すものは軌道パッドである。
【特許文献1】特開平7−238501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のように構成されたレール締結装置1では、地震によって列車が脱線した場合に、列車の車輪が符号Wで示すようにレールRより脱落し、脱輪後の列車走行によって、車輪Wが締結手段5及び7のボルト上を通過して、次々にボルトを破壊することもあり得る。そして、レール締結装置1の締結手段5が破壊されることにより板バネ6が外れ、また、締結手段7が破壊されることによりタイプレート3が敷設面2より外れ、これにより符号RWで示すようにレールが転倒又は敷設面2から外れてしまう。その結果、脱線した列車が、レールRによって案内されなくなって、軌道より大きく外れることもあり得る。
【0004】
本発明は、従来の有していた問題を解決しようとするものであって、仮に列車がレールより脱輪したとしても、その列車の車輪よってレールが倒される、又はタイプレートが敷設面から外れることを防止するレール転倒防止装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そして、上記目的を達成するために本発明の課題解決手段では、レール締結装置の近傍に配置されるレール転倒防止装置であって、レールが敷設される敷設面上に設置されるタイプレートと、レールのベース部を係止するベース支持部を上部に有しかつその下部がタイプレート上に固定されるブロック状金具と、このブロック状金具から離れた位置のタイプレートに設けられて当該タイプレートを敷設面に締結固定するタイプレート締結手段と、から構成する。
【0006】
また、本発明の課題解決手段では、レール締結装置の近傍に配置されるレール転倒防止装置であって、レールが敷設される敷設面上に設置されるタイプレートと、レールの一方側ベース部を係止する第1ベース支持部を有しかつその下部がタイプレート上に固定されるブロック状金具と、レールの他方側ベース部を係止する第2ベース支持部を有しかつその下部がタイプレート上に固定されるプレート状金具と、これらブロック状金具及びプレート状金具から離れた位置のタイプレートに設けられて当該タイプレートを敷設面に締結固定するタイプレート締結手段とから構成し、前記プレート状金具について、レールの他方側ベース部を係止する第2ベース支持部を先端部に配置し、かつその下端部をプレート金具締結手段によりタイプレートに脱着自在に固定する。
【0007】
また、本発明の課題解決手段では、前記ブロック状金具について、レールのベース部を係止するベース支持部上面を平坦に形成し、その平坦部を、列車の車輪が走行されるレール上端の軌道部側面の下方に配置する。
【0008】
また、本発明の課題解決手段では、前記プレート状金具の第2ベース支持部について、その上面を平坦に形成し、かつ列車の車輪が走行されるレール上端の軌道部側面の下方に配置する。
【0009】
また、本発明の課題解決手段では、レール締結装置の近傍に配置されるレール転倒防止装置であって、レールの外側ベース部を支持してレールの外側への転倒を防止する外側レール支持手段と、レールの内側ベース部を支持してレールの内側への転倒を防止する内側レール支持手段とを具備し、これら各レール支持手段を、レールが敷設される敷設面上に設置されるタイプレートと、レールのベース部を係止するベース支持部を有しかつその下部がタイプレート上に固定されるブロック状金具と、このブロック状金具から離れた位置のタイプレートに設けられて当該タイプレートを敷設面に締結固定するタイプレート締結手段と、から構成する。
【0010】
また、本発明の課題解決手段では、前記外側レール支持手段及び内側レール支持手段の各ブロック状金具について、前記ベース支持部の上面を平坦に形成し、その平坦部を、列車の車輪が走行されるレール上端の軌道部側面の下方に配置する。
【0011】
また、本発明の課題解決手段では、前記タイプレートの上流側に、当該タイプレートに隣接配置し、列車の移動方向に沿って高さが高くなる傾斜板を設ける。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成された本発明のレール転倒防止装置では、タイプレート上に固定されたブロック状金具のベース支持部によって、レールのベース部が支持されることから、地震などにより列車がレールより脱輪しかつその列車の車輪よって近傍のレール締結装置が破壊されたとしても、ブロック状金具のベース支持部の支持によってレールが倒されることが防止される。そして、直立状態が保持されたレールがガイドとなり、脱線した車輪がレールに沿って案内されることから、列車が軌道から大きく逸脱することが防止され、列車が転覆する又は高架橋から落下するといった事故を未然に防止することが可能となる。また、このレール転倒防止装置は、ブロック状金具から離れた位置のタイプレート締結手段によって、タイプレートを敷設面に対して固定したものであるので、仮に脱輪した列車の車輪が、ブロック金具上を走行したとしても、タイプレート締結手段が破壊されることは無く、脱線時においてもブロック金具に対してレールを安定した状態で支持させることができる。また、前記タイプレート締結手段は、レール支持に必須のレール締結手段による間欠的な締結箇所の間の位置に、レール締結手段から独立した構造によって敷設面に取り付けられるものであるから、現状(既設)のレール締結手段に何ら影響を与えることなく、事後的に設置して行くことによって、上記レール転倒防止機能を発揮することができる。
【0013】
本発明のレール転倒防止装置では、まず、タイプレート上に固定されているブロック状金具の第1ベース支持部を、レールの一方側ベース部に係止させた後、プレート状金具の第2ベース支持部を、同レールの他方側ベース部に係止させるようにし、この状態で、プレート状金具をプレート金具締結手段によってタイプレート上に固定する。これにより、レールのベース部が、ブロック状金具の第1ベース支持部及びプレート状金具の第2ベース支持部によって両側から挟み込むように押えられ、レールがタイプレート上に直立した状態で強固に支持される。これにより、地震などにより列車がレールより脱輪しかつその列車の車輪よって近傍のレール締結装置が破壊されたとしても、ブロック状金具の第1ベース支持部及びプレート状金具の第2ベース支持部の支持によってレールが倒されることが防止される。そして、直立状態が保持されたレールがガイドとなり、脱線した車輪がレールに沿って案内されることから、列車が軌道から大きく逸脱する防止され、列車が転覆する又は高架橋から落下するといった事故を未然に防止することが可能となる。また、このレール転倒防止装置は、ブロック状金具及びプレート状金具から離れた位置に設けられたタイプレート締結手段により、タイプレートを敷設面に対して固定したものであるので、仮に脱輪した列車の車輪が、ブロック状金具及びプレート状金具上を走行したとしても、タイプレート締結手段が破壊されることは無く、脱線時においてもブロック状金具及びプレート状金具に対してレールを安定した状態で支持させることができる。
【0014】
本発明のレール転倒防止装置では、レールのベース部を係止するブロック状金具のベース支持部が、列車の車輪が走行されるレール上端の軌道部側面の下方に配置されているので、レールの軌道部を走行する車輪が脱輪した場合に、ブロック状金具のベース支持部上に落下、又はブロック状金具のベース支持部上を走行することがあるが、前記ブロック状金具のベース支持部の上面が平坦に形成されているので、脱落した車輪の小径部(車輪の平坦な箇所)が衝突したとしても、ブロック状金具のベース支持部が壊れることが無く、当該ブロック状金具の破損を最小限に抑えることができる。
【0015】
本発明のレール転倒防止装置では、レールの他方側ベース部を係止するプレート状金具の第2ベース支持部が、列車の車輪が走行されるレール上端の軌道部側面の下方に配置されているので、レールの軌道部を走行する車輪が脱輪した場合に、プレート状金具の第2ベース支持部上に落下、又はプレート状金具の第2ベース支持部上を走行することがあるが、前記プレート状金具の第2ベース支持部の上面が平坦に形成されているので、脱落した車輪の小径部(車輪の平坦な箇所)が衝突したとしても、プレート状金具の第2ベース支持部及びプレート金具締結手段が壊れることが無く、当該プレート状金具の破損を最小限に抑えることができる。
【0016】
本発明のレール転倒防止装置では、外側レール支持手段に設けられたブロック状金具のベース支持部によってレールの外側ベース部が支持され、かつ内側レール支持手段に設けられたブロック状金具のベース支持部によってレールの内側ベース部が支持される。これにより、レールのベース部が、これらレール支持手段のベース支持部によって両側から挟み込むように押えられ、レールがタイプレート上に直立した状態で強固に支持される。その結果、地震などにより列車がレールより脱輪しかつその列車の車輪よって近傍のレール締結装置が破壊されたとしても、両方のブロック状金具の支持によってレールが倒されることが防止される。そして、直立状態が保持されたレールがガイドとなり、脱線した車輪がレールに沿って案内されることから、列車が軌道から大きく逸脱する防止され、列車が転覆する又は高架橋から落下するといった事故を未然に防止することが可能となる。また、このレール転倒防止装置は、ブロック状金具から離れたタイプレート締結手段によってタイプレートを敷設面に対して固定したものであるので、仮に脱輪した列車の車輪が、ブロック金具上を走行したとしても、タイプレート締結手段が破壊されることは無く、脱線時においてもブロック金具に対してレールを安定した状態で支持させることができる。
【0017】
本発明のレール転倒防止装置では、レールのベース部を係止する外側レール支持手段及び内側レール支持手段において、これらブロック状金具のベース支持部が、列車の車輪が走行されるレール上端の軌道部側面の下方にそれぞれ配置されているので、レールの軌道部を走行する車輪が脱輪した場合に、ブロック状金具のベース支持部上に落下、又はブロック状金具のベース支持部上を走行することがあるが、これらブロック状金具のベース支持部の上面が平坦に形成されているので、脱落した車輪の小径部(車輪の平坦な箇所)が衝突したとしても、ブロック状金具のベース支持部が壊れることが無く、当該ブロック状金具の破損を最小限に抑えることができる。
【0018】
本発明のレール転倒防止装置では、タイプレートの上流側に、当該タイプレートに隣接配置されかつ列車の移動方向に沿って高さが高くなる傾斜板が設けられているので、レールから脱落した車輪が、この傾斜板の案内によって、ブロック状金具又はプレート状金具を乗り越えることができ、これにより車輪がこれら金具を直撃することを回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
<実施例1>
以下に本発明の実施例1を図1及び図2に基づいて説明する。これらの図において符号10で示すものは、レール締結装置(背景技術で説明した図4参照)の近傍に配置される実施例1のレール転倒防止装置であって、レールRが敷設される敷設面上に設置されるタイプレート11と、レールRの一方側ベース部R1を係止する第1ベース支持部12Aを有しかつその下部がタイプレート11上に固定されるブロック状金具12と、レールRの他方側ベース部R2を係止する第2ベース支持部13Aを有しかつその下部がタイプレート11上に固定されるプレート状金具13と、このブロック状金具12及びプレート状金具13から離れた位置のタイプレート11に設けられて当該タイプレート11を敷設面に締結固定するタイプレート締結手段14と、から構成されたものである。
【0020】
ブロック状金具12において、レールRのベース部R1を係止するベース支持部12Aの上面は平坦に形成されており、その平坦部12Bは、列車の車輪Wが走行されるレール上端の軌道部R3の側面(符号(イ)で示す)の下方に位置している。
【0021】
プレート状金具13は湾曲した平板状の金属板により形成されたものであって、その先端に位置する第2ベース支持部13AでレールRの他方側ベース部R2を押圧し、かつその下部が、ボルト・ナットからなるプレート金具締結手段15によりタイプレート11に脱着自在に固定される。なお、このプレート状金具13は、プレート金具締結手段15によりタイプレート11上に締結固定した場合、バネ作用によってその先端部の第2ベース支持部13Aが、レールRの他方側ベース部R2を押圧、係止する。一方、プレート状金具13の先端に位置する第2ベース支持部13Aは、その上面が平坦に形成されており、かつ列車の車輪Wが走行されるレール上端の軌道部R3の側面(符号(ウ)で示す)の下方に配置される。
【0022】
タイプレート締結手段14は、図2に示すようにレールRを挟んだブロック状金具12及びプレート状金具13の外側にそれぞれ配置されているものであるが、その設置箇所は、列車が脱線した場合に、レールRから落下した車輪Wの直撃を避けるために、ブロック状金具12及びプレート状金具13から離れた位置に設定されている。
【0023】
タイプレート11の上流側には、当該タイプレート11に隣接配置されて、列車の移動方向(矢印(ア)で示す)に沿って高さが高くなる傾斜面16Aを有するタイプレート16が設けられている。そして、このようなタイプレート16の傾斜面16Aの案内によって、レールRから脱落した車輪Wが、ブロック状金具12又はプレート状金具13を乗り越えさせることができ、これにより車輪Wがこれらブロック状金具12及びプレート状金具13を直撃することを回避できる。
【0024】
そして、以上のように構成された実施例1のレール転倒防止装置10では、まず、タイプレート11上に固定されているブロック状金具12の第1ベース支持部12Aを、レールRの一方側ベース部R1に係止させた後で、プレート状金具13の第2ベース支持部13Aを、同レールRの他方側ベース部R2に係止させるようにし、この状態で、プレート状金具13をプレート金具締結手段15によってタイプレート11上に固定させる。これにより、レールRのベース部R1・R2が、ブロック状金具12の第1ベース支持部12A及びプレート状金具13の第2ベース支持部13Aによって両側から挟み込むように押えられ、レールRがタイプレート11上に直立した状態で強固に支持される。これにより、地震などにより列車がレールRより脱輪しかつその列車の車輪Wよってレール締結装置(図4参照)が破壊されたとしても、ブロック状金具12の第1ベース支持部12A及びプレート状金具13の第2ベース支持部13Aの支持によってレールRが倒されることが防止される。そして、直立状態が保持されたレールRがガイドとなり、脱線した車輪WがレールRに沿って案内されることから、列車が軌道から大きく逸脱する防止され、列車が転覆する又は高架橋から落下するといった事故を未然に防止することが可能となる。また、このレール転倒防止装置10は、ブロック状金具12及びプレート状金具13から離れた位置に設けられたタイプレート締結手段14により、タイプレート11を敷設面に対して固定したものであるので、仮に脱輪した列車の車輪Wが、ブロック状金具12及びプレート状金具13上を走行したとしても、タイプレート締結手段14が破壊されることは無く、脱線時においてもブロック状金具12及びプレート状金具13に対してレールRを安定した状態で支持させることができる。
【0025】
また、上記レール転倒防止装置10では、レールRのベース部R1を係止するブロック状金具12のベース支持部12Aが、列車の車輪Wが走行されるレールR上端の軌道部R3側面(符号(イ)で示す)の下方に配置されているので、レールRの軌道部R3を走行する車輪Wが脱輪した場合に、ブロック状金具12のベース支持部12A上に落下、又はブロック状金具12のベース支持部12A上を走行することがあるが、ブロック状金具12のベース支持部12Aの上面が平坦に形成されているので、脱落した車輪Wの小径部W1(車輪Wの平坦な箇所)が衝突したとしても、ブロック状金具12のベース支持部12Aが壊れることが無く、当該ブロック状金具12の破損を最小限に抑えることができる。同様に、レールRの他方側ベース部R2を係止するプレート状金具13の第2ベース支持部13Aが、列車の車輪Wが走行されるレールR上端の軌道部R3側面(符号(ロ)で示す)の下方に配置されているので、レールRの軌道部R3を走行する車輪Wが脱輪した場合に、プレート状金具13の第2ベース支持部13A上に落下、又はプレート状金具13の第2ベース支持部13A上を走行することがあるが、プレート状金具13の第2ベース支持部13Aの上面が平坦に形成されているので、脱落した車輪Wの小径部W1(車輪Wの平坦な箇所)が衝突したとしても、プレート状金具13の第2ベース支持部13A及びプレート金具締結手段15が壊れることが無く、当該プレート状金具13の破損を最小限に抑えることができる。
【0026】
<実施例2>
以下に本発明の実施例2を図3に基づいて説明する。実施例2で示すレール転倒防止装置20が、実施例1のレール転倒防止装置10と異なる点は、2枚のタイプレートを使用してレールRを保持した点である。すなわち、実施例2のレール転倒防止装置20は、レールRの外側ベース部R1(実施例1では一方側ベース部)を支持してレールRの外側への転倒を防止する外側レール支持手段21と、レールRの内側ベース部R2(実施例1では他方側ベース部)を支持してレールRの内側への転倒を防止する内側レール支持手段22とから構成されるが、これら外側レール支持手段21及び内側レール支持手段22の基本構成は、実施例1と同じであるため、構成を共通とする部材には同一符号を付す。
【0027】
各レール支持手段21・22は、レールRが敷設される敷設面上に設置されるタイプレート11と、レールRのベース部R1・R2を係止するベース支持部12Aを有しかつその下部がタイプレート11上に固定されるブロック状金具12と、このブロック状金具12から離れた位置のタイプレート11に設けられて当該タイプレート11を敷設面に締結固定するタイプレート締結手段14と、から構成される。これら外側レール支持手段21及び内側レール支持手段22の各ブロック状金具12において、ベース支持部12Aの上面は平坦に形成され、その平坦部12Bは、列車の車輪Wが走行されるレールR上端の軌道部R3側面(符号(イ)及び(ウ)で示す)の下方にそれぞれ配置されている。
【0028】
タイプレート締結手段14は、レールRを挟んだブロック状金具12の外側にそれぞれ配置されているものであって、列車が脱線した場合に、レールRから落下した車輪Wの直撃を避けるために、ブロック状金具12から離れた位置に配置されている。また、タイプレート11の上流側には、当該タイプレート11に隣接配置されて、列車の移動方向(矢印(ア)で示す)に沿って高さが高くなる傾斜面16Aを有するタイプレート16が設けられている。そして、このようなタイプレート16の傾斜面16Aの案内によって、レールRから脱落した車輪Wが、ブロック状金具12を乗り越えることができ、これにより車輪Wがこれらブロック状金具12を直撃することを回避できる。
【0029】
そして、以上のように構成された実施例2のレール転倒防止装置20では、外側レール支持手段21に設けられたブロック状金具12のベース支持部12AによってレールRの外側ベース部R1・R2が支持され、かつ内側レール支持手段22に設けられたブロック状金具12のベース支持部12AによってレールRの内側ベース部R2が支持される。これにより、レールRのベース部R1・R2が、これらレール支持手段21・22のベース支持部12Aによって両側から挟み込むように押えられ、レールRがタイプレート11上に直立した状態で強固に支持される。その結果、地震などにより列車がレールRより脱輪しかつその列車の車輪Wよってレール締結装置が破壊されたとしても、両方のブロック状金具12の支持によってレールRが倒されることが防止される。そして、直立状態が保持されたレールRがガイドとなり、脱線した車輪WがレールRに沿って案内されることから、列車が軌道から大きく逸脱する防止され、列車が転覆する又は高架橋から落下するといった事故を未然に防止することが可能となる。また、このレール転倒防止装置20は、ブロック状金具12から離れたタイプレート締結手段14によってタイプレート11を敷設面に対して固定したものであるので、仮に脱輪した列車の車輪Wが、ブロック金具上を走行したとしても、締結手段が破壊されることは無く、脱線時においてもブロック金具に対してレールRを安定した状態で支持させることができる。
【0030】
また、実施例2のレール転倒防止装置20では、レールRのベース部R1・R2を係止する外側レール支持手段21及び内側レール支持手段22において、これらブロック状金具12のベース支持部12Aが、列車の車輪Wが走行されるレールR上端の軌道部R3側面(符号(イ)及び(ウ)で示す)の下方にそれぞれ配置されているので、レールRの軌道部R3を走行する車輪Wが脱輪した場合に、ブロック状金具12のベース支持部12A上に落下、又はブロック状金具12のベース支持部12A上を走行することがあるが、ブロック状金具12のベース支持部12Aの上面が平坦に形成されているので、脱落した車輪Wの小径部W1(車輪Wの平坦な箇所)が衝突したとしても、ブロック状金具12のベース支持部12Aが壊れることが無く、当該ブロック状金具12の破損を最小限に抑えることができる。
【0031】
なお、上記の実施例では以下のように設定、変更しても良い。すなわち、(一)上記実施例1及び実施例2においてレール転倒防止装置10又は20を、レール締結装置1(図4参照)に対してどれ位の間隔で設置するかは現場の状況に応じて任意に設定できるものとする。(二)実施例1のレール転倒防止装置10において、ブロック状金具12及びプレート状金具13のどちらをレールRの内側に配置するか、外側に配置するかは、現場にて自由に選択できるものとする。(三)実施例2のレール転倒防止装置20において、外側レール支持手段21及び内側レール支持手段22を隣接するように配置したが、これに限定されず、一定の間隔をおいて配置しても良い。(四)実施例1及び2のブロック状金具12は、タイプレート11と一体成型により製作する、又は締結手段をブロック状金具12内に埋没させることによりタイプレート11に固定するものであるが、その固定方式については特に限定されない。(五)実施例1及び2のタイプレート16について、傾斜面16Aの角度をどの程度とするかは任意に設定できる。例えば、傾斜面16Aの上端が、ブロック状金具12又はプレート状金具13の高さと同等となるように傾斜角度を増すようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施例1を示す斜視図
【図2】本発明の実施例1を示す側面図
【図3】本発明の実施例2を示す側面図
【図4】従来からあるレール締結装置を示す正断面図
【符号の説明】
【0033】
10 レール転倒防止装置
11 タイプレート
12 ブロック状金具
12A 第1ベース支持部
12B 平坦部
13 プレート状金具
13A 第2ベース支持部
14 タイプレート締結手段
15 プレート金具締結手段
16 タイプレート
20 レール転倒防止装置
21 外側レール支持手段
22 内側レール支持手段
R レール
R1 (一方側)ベース部
R2 (他方側)ベース部
R3 軌道部
W 車輪
W1 車輪の小径部
【出願人】 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
【出願日】 平成18年10月2日(2006.10.2)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男

【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和

【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義

【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉

【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦


【公開番号】 特開2008−88709(P2008−88709A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−271118(P2006−271118)