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【発明の名称】 高さ調整装置
【発明者】 【氏名】濱田 成悟

【要約】 【課題】アジャスターボルト頭部の高さ位置を下げ、走行レール等を他の高さ調整装置にて支持した状態で、破損などの不具合の生じた高さ調整装置のみの取り外し、交換を可能とした高さ調整装置を提供すること。

【構成】アジャスターパッド1と、このアジャスターパッド1に対して下端部を抜け止めとし、かつ回動可能にしてアジャスターパッド1に支持したアジャスターボルト2とより構成する高さ調整装置において、アジャスターボルト2の下端部をアジャスターパッド1内に挿入可能とすることで、アジャスターパッド1より上部に突出するアジャスターボルト2の長さを調整できるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アジャスターパッドと、該アジャスターパッドに対して下端部を抜け止めとし、かつ回動可能にして前記アジャスターパッドに支持したアジャスターボルトとより構成する高さ調整装置において、アジャスターボルトの下端部をアジャスターパッド内に挿入可能とすることで、アジャスターパッドより上部に突出するアジャスターボルトの長さを調整できるように構成したことを特徴とする高さ調整装置。
【請求項2】
アジャスターボルトの上部位置に支持物を支持し、かつ回動操作用の回動操作片をアジャスターボルトと一体に形成したことを特徴とする請求項1記載の高さ調整装置。
【請求項3】
アジャスターパッドを、カップ形とし、内部に挿通するにアジャスターボルトの底面と床面との空間長を、アジャスターボルトの回動操作片上に突出するボルト上端長よりも大となるように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の高さ調整装置。
【請求項4】
アジャスターボルトのアジャスターパッドに接する側に、アジャスターボルトによる支持物の支持高さを調整するための高さ調整用ナット及び固定用ナットをダブルナット状に螺合したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の高さ調整装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、高さ調整装置に関し、特に、床面レベルに対して水平度、或いは所定の高さや角度にて調整して床面上に棚、レール等の支持物を支持するとともに、高さ調整装置の破損時等においてもレール等の支持物を持ち上げずに簡易に交換できるようにした高さ調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特に限定されるものではないが、例えば、スタッカークレーンなどにおいて、自動倉庫内をスタッカークレーンが予め定めた走行路(コース)に導かれて走行する場合、このスタッカークレーンの走行路に沿って走行レールを敷設している。
しかし、この走行レールを敷設するコンクリート床面の水平レベルは必ずしも一定ではないので、走行レールの水平レベルを保持するため、図2に示すように、走行レールを所定の高さ位置になるよう敷設するように、複数の高さ調整装置(アジャスター)を床面上に配設し、これらの高さ調整装置を用いて走行レールの高さレベルを一定となるように支持している。
【0003】
ところで、従来より汎用されている高さ調整装置として、例えば、図3に示すような構造のものがある。
この高さ調整装置は、カップ形をしたアジャスターパッド1にアジャスターボルト下部の一部をかしめて抜け止めとし、かつこれを回転可能にして挿通し、アジャスターボルト2の下部位置、特に、アジャスターパッド1に接する位置に六角ボルト頭部形状の回動操作片21を一体的に形成し、アジャスターボルト2にかかる荷重をアジャスターパッド1にて支持するとともに、ボルトの上部に螺合する高さ調整用ナット3を介してレール等の支持物の高さを調節可能にして支持するように構成している。
【0004】
しかしながら、走行レールのように長期間に亘って使用する際、高さ調整装置にかかる過負荷により破損したり、腐食の問題が生じることがある。このように破損或いは腐食により高さ調整装置にかかる荷重を適正に支持できなくなるような場合には、安全性の点から鑑みて高さ調整装置を新しいものと交換する必要が生じる。
【0005】
このような場合、従来の高さ調整装置を用いた走行レールの支持構造の点から鑑みて、走行レールを敷設した状態では、図3に示すように、支持位置を調整できてもアジャスターボルトの全長を縮小させることができないので、すなわち、ボルト頭部の高さ位置を下げることはできないので、破損或いは腐食した高さ調整装置のみを走行レール下部から取り外すことができない。従って、高さ調整装置にて支持された走行レールを一端取り外し、破損或いは腐食した不具合の生じた高さ調整装置を取り外した後、新しいものと交換するようにしている。
このため、不具合の生じた高さ調整装置の交換には多大の時間と労力を要し、かつ高さ調整装置の交換時においては長時間に亘ってスタッカークレーンの運行を停止しなければならないという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の高さ調整装置の有する問題点に鑑み、床面上に配設するアジャスターパッドに、抜け止め式回転可能に挿通するアジャスターボルト、特に、アジャスターパッドより上方に突出するアジャスターボルトの全長を縮小させることで、アジャスターボルト頭部の高さ位置を下げ、走行レール等を他の高さ調整装置にて支持した状態で、破損などの不具合の生じた高さ調整装置のみの取り外し、交換を可能とした高さ調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の高さ調整装置は、アジャスターパッドと、該アジャスターパッドに対して下端部を抜け止めとし、かつ回動可能にして前記アジャスターパッドに支持したアジャスターボルトとより構成する高さ調整装置において、アジャスターボルトの下端部をアジャスターパッド内に挿入可能とすることで、アジャスターパッドより上部に突出するアジャスターボルトの長さを調整できるように構成したことを特徴とする。
【0008】
この場合において、アジャスターボルトの上部位置に支持物を支持し、かつ回動操作用の回動操作片をアジャスターボルトと一体に形成することができる。
【0009】
また、アジャスターパッドを、カップ形とし、内部に挿通するにアジャスターボルトの底面と床面との空間長を、アジャスターボルトの回動操作片上に突出するボルト上端長よりも大となるように構成することができる。
【0010】
また、アジャスターボルトのアジャスターパッドに接する側に、アジャスターボルトによる支持物の支持高さを調整するための高さ調整用ナット及び固定用ナットをダブルナット状に螺合することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の高さ調整装置によれば、アジャスターパッドと、該アジャスターパッドに対して下端部を抜け止めとし、かつ回動可能にして前記アジャスターパッドに支持したアジャスターボルトとより構成する高さ調整装置において、アジャスターボルトの下端部をアジャスターパッド内に挿入可能とすることで、アジャスターパッドより上部に突出するアジャスターボルトの長さを調整できるように構成することにより、アジャスターパッドより上部に突出するアジャスターボルトの長さを縮小させることができ、他の高さ調整装置にて支持された支持物を取り除くことなく、不具合の生じた高さ調整装置を簡易に、迅速に交換することができる。
【0012】
また、アジャスターボルトの上部位置に支持物を支持し、かつ回動操作用の回動操作片をアジャスターボルトと一体に形成することにより、高さ調整をしても回動操作片より上部に突出するボルト長が常に一定となるため、支持物の取り付けが簡易に行うことができる。
【0013】
また、アジャスターパッドを、カップ形とし、内部に挿通するにアジャスターボルトの底面と床面との空間長を、アジャスターボルトの回動操作片上に突出するボルト上端長よりも大となるように構成することにより、アジャスターボルトの上端部を上下動させることができるので簡単にアジャスターパッドより上部に突出するアジャスターボルトの長さを縮小させることができ、不具合の生じた高さ調整装置の交換を、レールなどの支持物を取り除くことなく迅速に行うことができる。
【0014】
また、アジャスターボルトのアジャスターパッドに接する側に、アジャスターボルトによる支持物の支持高さを調整するための高さ調整用ナット及び固定用ナットをダブルナット状に螺合することにより、高さ調整が簡易に、迅速に、かつ確固に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の高さ調整装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0016】
図1〜図2に、本発明の高さ調整装置の一実施例を示す。
図1は、本発明の高さ調整装置Aの右半を断面した正面図を示し、床面F上に配設するカップ形をしたアジャスターパッド1と、該アジャスターパッド内に下端部を抜け止め式で回動及び挿通可能としたアジャスターボルト2と、該アジャスターボルト2に螺合するダブルナット状の高さ調整用ナット3及び固定用ナット4とより構成する。
【0017】
アジャスターパッド1は、深いカップ形をしており、かつ高さ調整装置Aにかかる荷重を十分に支持できる強度を備え、頂片10の中央部にアジャスターボルト2の下端部を挿入するためのボルト挿入孔11を穿設するとともに、アジャスターパッド1内、特に頂片10の下方部分を空洞とし、この空洞部12の深さ(空間長)を、すなわち、アジャスターパッド1を床面F上に配設したとき、この床面Fとアジャスターパッド1内に挿通するアジャスターボルト2の下端面との空間長L1が、回動操作片21とボルト上端までの長さ、すなわち、回動操作片上に突出するボルト上端長L2よりも大となるようにする。
【0018】
アジャスターボルト2は、予め定めた所要の長さと径を有し、その下端部をアジャスターパッド1のボルト挿入孔11内に挿入した後、該端部をかしめなどにて抜け止め片13を形成し、かつ回動可能に係止してアジャスターパッド1と組み合わせるとともに、このアジャスターボルト2の上部位置に支持物、これは特に限定されるものではないが、例えば、走行レールR等を支持し、かつ回動操作用の回動操作片21をアジャスターボルト2と一体に形成する。
なお、走行レールRを支持する場合は、図2に示すように、高さ調整装置Aの上端に固定したレール取付台Bを介して走行レールRを取り付けるようにする。
この回動操作片21は、特に限定されるものではないが、例えば、六角ボルトの頭部形状、その他の多角形をし、外部からスパナ等の手動工具を掛けられるように形成し、これにて簡易に回動させることができるようにする。
なお、この回動操作片21を形成する位置は、回動操作片頂面とアジャスターボルト上端までの長さL2が、アジャスターパッド内に挿通するアジャスターボルト2の下端面と床面Fまでの空間長L1よりも小となるようにして設定する。これにより、アジャスターパッド内にアジャスターボルト内に引っ込めてアジャスターパッドより突出するアジャスターボルトの全長を短くすることができるようにする。
【0019】
また、アジャスターボルト2には、アジャスターパッド1の頂片10の上面と接するようにして高さ調整用ナット3と固定用ナット4とをダブルナット状に螺合し、これによりアジャスターパッド頂面より突出するアジャスターボルト2の長さ、より詳しくは床面Fより回動操作片21の頂面までの長さL3を調整して、回動操作片21にて支持する走行レールRなどの支持物の支持高さを調整するようにする。
【0020】
この高さ調整装置は、走行レールR等の支持物を新規に敷設配設する場合は、従来と同じようにして支持物側に形成した支持孔内にアジャスターボルト2の頂端部を嵌合或いは挿入するようにして配設する。この場合、ダブルナット状の2つのナット、すなわち、高さ調整用ナット3と固定用ナット4を弛めておくものとする。そして、高さ調整はダブルナット状の高さ調整用ナット3を回動させ、床面Fより回動操作片21の頂面までの長さL3を調整して行う。所定の高さ調整が完了するとこの高さ調整用ナット3に強く接するよう固定用ナット4を締め付けて高さ調整用ナット3を固定して高さ調整装置Aの取り付けを行う。
【0021】
ところで、長期間に亘って使用するにおいて、高さ調整装置Aにかかる過負荷により高さ調整装置が破損したり、或いは腐食したりすることがある。このような不具合が生じると高さ調整装置にかかる荷重を適正に支持できなくなる。
従って、このように破損或いは腐食などにより不具合が生じた場合、この破損或いは腐食した高さ調整装置を新しいものと取り替える必要がある。
この不具合の生じた高さ調整装置の交換は、走行レールR等の支持物はそのままにした状態で、まず固定用ナット4を、次いで高さ調整用ナット3を弛める。これはアジャスターボルト2に固定した回動操作片21と、固定用ナット4或いは高さ調整用ナット3にそれぞれスパナ等の工具を掛けて固定用ナット4或いは高さ調整用ナット3を回動させることにより簡易に行える。
【0022】
この高さ調整用ナット3を弛めるよう回動させることで、アジャスターボルト2の下端部がアジャスターパッド1内の空洞部12に挿入されるようになって、アジャスターパッド頂面より突出しているアジャスターボルト2の長さが短くなる。これは床面Fより回動操作片21の頂面までの長さL3が短くなる。この場合、アジャスターボルト2の下端部がアジャスターパッド1内の空洞部12に挿入されるが、実質的にはアジャスターボルト2の回動操作片21より上部に突出している長さL2の部分が、空洞部12内の空間長L1にて吸収されるようになり、アジャスターボルト2の上端部が支持物の支持孔より完全に抜出るようになる。
【0023】
この状態では、この不具合の生じた高さ調整装置による走行レールRの支持は完全に解除され、支持物の下面側の空間を経て不具合の生じた高さ調整装置を取り出すことが可能となる。このようにして破損或いは腐食などによる不具合の生じた高さ調整装置を取り外し、同様にアジャスターボルト2の下端部をアジャスターパッド1内の空洞部12に挿入してアジャスターパッド1より突出ボルト長を短くした新しい高さ調整装置を取り外した先の不具合の生じた高さ調整装置の位置に配設した後、高さ調整用ナット3の回動にて高さを調整し、次いで固定用ナット4を締め付け固定することで高さ調整装置Aの交換が完了する。
【0024】
なお、上記実施例は走行レールの取り付けについて説明したが、本発明の高さ調整装置を自動倉庫の棚や自動販売機など(いずれも図示省略)の設置に用いる場合は、アジャスターボルト2の回動操作片21より上部のボルト部を、棚や自動販売機などの下部に配設した取付フレーム(図示省略)の取付孔に挿通した後、この上部ボルト部に固定用のナットを螺合して取付フレームを上下より固定用のナット、回動操作片21にて挟持するようにする。この場合の高さ調整装置Aの交換も走行レールRと同じようにして行うものである。
【0025】
以上、本発明の高さ調整装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の高さ調整装置は、床面上に配設するアジャスターパッドに、抜け止め式回転可能に挿通するアジャスターボルト、特にアジャスターパッドより上方に突出するアジャスターボルトの全長を縮小させることでアジャスターボルト頭部の高さ位置を下げることができるので、不具合の生じた高さ調整装置のみの取り外し、交換可能という特性を有していることから、スタッカークレーンの走行レール敷設の用途に好適に用いることができるほか、例えば、自動倉庫の棚や自動販売機の据え付け等の用途にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の高さ調整装置の一実施例を示し、右半を破断した正面図である。
【図2】走行レールの取付状態を示す説明図である。
【図3】従来の高さ調整装置を示し、右半を破断した正面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 アジャスターパッド
10 頂片
11 ボルト挿入孔
12 空洞部
13 抜け止め片
2 アジャスターボルト
21 回動操作片
3 高さ調整用ナット
4 固定用ナット
A 高さ調整装置
L1 アジャスターパッド空洞部内の空間長
L2 アジャスターボルトの回動操作片より上部に突出している長さ
L3 床面より回動操作片の頂面までの長さ
R 走行レール
【出願人】 【識別番号】000005452
【氏名又は名称】株式会社日立プラントテクノロジー
【出願日】 平成18年9月12日(2006.9.12)
【代理人】 【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治


【公開番号】 特開2008−69513(P2008−69513A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−246671(P2006−246671)