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【発明の名称】 レールの防音装置
【発明者】 【氏名】松田 芳文

【氏名】越雲 利亘

【氏名】村田 三大

【要約】 【課題】レールに両防音材を簡単に固定し、この後のメンテナンスをフリーとする。

【構成】レール腹部Rw両側面に、一対の防音材11がそれぞれ被覆されている。両防音材11は、固定具12によってレールRに固定されている。固定具12は、両防音材11を挟み付けている線バネ51によって構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール腹部両側面に、一対の防音材がそれぞれ被覆されており、両防音材が、固定具によってレールに固定されており、固定具が、両防音材を挟み付けている線バネによって構成されているレールの防音装置。
【請求項2】
各防音材が、レール腹部の対応する側の側面上端部からレール底部上面先端部かけて渡された平板状遮音カバーを有しており、線バネが、一方の側の遮音カバー外面から、レール底部の下面を経て、他方の側の遮音カバー外面まで渡り、かつ、両遮音カバー外面およびレール底部の下面にそれぞれそう形状に形成されている請求項1に記載のレールの防音装置。
【請求項3】
線バネが、一方の遮音カバーの外面に当接させられた端部を有しており、同端部に、把持部が設けられている請求項2に記載のレールの防音装置。
【請求項4】
把持部が、かぎ状に形成されている請求項3に記載のレールの防音装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄道のレールから発生する騒音を防止するレールの防音装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のレールの防音装置としては、レール腹部両側面に、一対の防音材がそれぞれ被覆されており、両防音材が、固定具によってレールに固定されており、固定具が、両防音材を挟み付けている第1固定部材および第2固定部材と、両固定部材を着脱自在に締め付けているボルトおよびナットとよりなるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記従来装置では、レールに両防音材を固定する際に、両固定部材をボルトおよびナットによって締め付けているが、ボルトおよびナットの締付作業が繁雑であるし、時間の経過とともに、ボルトおよびナットが緩む可能性があり、その確認の作業が必要である。
【特許文献1】特開2006−002443号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の目的は、レールに両防音材を固定する作業を簡単に行うことができ、長時間が経過しても、ボルトおよびナットのように緩み等を確認する作業も不要であるレールの防音装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明によるレールの防音装置は、レール腹部両側面に、一対の防音材がそれぞれ被覆されており、両防音材が、固定具によってレールに固定されており、固定具が、両防音材を挟み付けている線バネによって構成されているものである。
【0006】
この発明によるレールの防音装置では、バネ材で固定具をつくることにより、ボルトおよびナットのように緩みの恐れがなく、バネ材を線バネにすることにより軽量かつ固定作業も簡単に行える。
【0007】
さらに、各防音材が、レール腹部の対応する側の側面上端部からレール底部上面先端部かけて渡された平板状遮音カバーを有しており、線バネが、一方の側の遮音カバー外面から、レール底部の下面を経て、他方の側の遮音カバー外面まで渡り、かつ、両遮音カバー外面およびレール底部の下面にそれぞれそう形状に形成されていることが好ましい。
【0008】
また、線バネが、一方の遮音カバーの外面に当接させられた端部を有しており、同端部に、把持部が設けられていると、線バネによって両遮音カバーを挟み付ける際に、把持部を手で持ち引っ張りながら、線バネを両遮音カバーに嵌めることができる。
【0009】
また、把持部が、かぎ状に形成されていると、把持部を手で持ちやすい。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、レールに両防音材を固定する作業を簡単に行うことができ、長時間が経過しても、ボルトおよびナットのように緩み等を確認する作業も不要であるレールの防音装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の実施の形態を図面を参照しながらつぎに説明する。
【0012】
図1および図2を参照すると、レールRは、上から下にかけて順次連なる頭部Rt、腹部Rwおよび底部Rbよりなる。
【0013】
防音装置は、レール腹部Rwの両側面にそれぞれ被覆されている左右一対の防音材11と、両防音材11をレールRに固定している固定具12とを備えている。
【0014】
両防音材11は、左右の向きは逆であるが、同一構造のものである。以下、一方の側の防音材11について、説明する。
【0015】
防音材11は、内側から順に層をなして重ね合わされている吸音マット21、制振シート22および遮音カバー23によって構成されている。
【0016】
吸音マット21は、レール腹部Rw側面高さの中程からレール底部Rb上面幅方向中央にかけて渡されている。この吸音マット21の材料は、EPDM発砲体、(株)東洋クオリティワン社製「シルーラ」、厚み20mmのものである。吸音マット21は、横断面長方形ではなく、レールRとの接触部分において、長方形から切取られたように示されているが、これは、レールRに押圧されることにより、圧縮させられるように押し潰されたことによって形成されたものである。吸音マット21の吸音材充填率は、30%である。
【0017】
制振シート22は、遮音カバー23裏面に貼り合わされた制振樹脂層31と、吸音マット21表面に重ね合わされかつ制振樹脂層31に貼り合わされた拘束層32とよりなる。
【0018】
制振樹脂層21は、高密度ポリエチレンを水懸濁法により後塩素化して得た塩素化ポリエチレン(重量平均分子量50万、塩素含量40重量%、DSC法によって測定した結晶化度10J/g)100重量部と、塩素化パラフィン(味の素ファインケミカル社製、商品名「エンパラ「K50」)、塩素含量50重量%、数平均炭素数14)400重量部と、炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、商品名「R重炭」)400重量部とをロール練り機を用いて120℃で混練し、得られた樹脂混練物を140℃でプレスして、厚さ1.0mmのシートに成形したものである。
【0019】
拘束層22は、厚さ0.7mmのアルミ板よりなり、これを、制振樹脂層21にその粘着性を利用して貼り合わせたものである。
【0020】
遮音カバー23は、方形平板状のものであって、レール腹部Rw側面高さの上端近くからレール底部Rb上面先端近くにかけて渡されている。遮音カバー23の材質は、ガルバニウムメッキSPC鋼板である。その厚みは、0.8mm、面密度は、6.24kg/m、長さは、650mmである。
【0021】
図3を参照すると、防音装置をレールRに設置した例が示されている。遮音カバー23は隣り合うもの同士接するように連続して並べられている。枕木Mの上にレールRは締結部材Tによって固定され、レールRに遮音カバー23が固定具12によって固定されている。遮音カバー23の上下縁部は、レールRの対応部分と密に接触させられて押圧されている。遮音カバー23の下縁部両端には切欠41がそれぞれ形成されている。この切欠41によって、締結部材Tと遮音カバー23の干渉が避けられるようになっている。
【0022】
つぎに、固定具12について、詳細に説明する。固定具12は、線バネ51によって構成されている。線バネ51は、右側の遮音カバー23外面の高さの中程から、レール底部Rbの下面を経て、右側の遮音カバー23外面の底部まで渡り、かつ、両遮音カバー23外面およびレール底部の下面にそれぞれそう形状に形成されているものであって、右側の遮音カバー23外面に接触させられた左上りの右側傾斜部61、レール底部Rbの下面に接触させられた水平部62および左側の遮音カバー23外面に接触させられた右上りの左側傾斜部63よりなる。右側傾斜部61は、略逆V字状に形成されている。水平部62は、左に行くほど互いに間隔を拡げる2つの直線状に形成されている。左側傾斜部63は、概ね平行な2つの直線状に形成されている。左側傾斜部63の両端部には、かぎ状把持部71が設けられている。
【0023】
防音材11を固定具12によって固定するには、両防音材11を所要姿勢にセットしておいて、固定具12の水平部62および左側傾斜部63をレールRの下を潜らせ、把持部71を手で持ち、引き上げて、両防音材11を右側傾斜部61および左側傾斜部63によって挟み付けるようにすればよい。
【0024】
線バネ51の材料としては、SUS、SWR(ピアノ線材)、SWC(硬鋼線)、SWO(バネ用オイルテンパ線)等が挙げられ、とくに、限定されるものではないが、SUSが好適である。線バネ51の径は、2.0mm〜4.0mmであることが望ましい。2.0mm未満であると、固定力が弱く、4.0mmを超えると、弾性力が強すぎて、固定し辛い。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明による防音装置の破砕断面を含む斜視図である。
【図2】同垂直横断面図である。
【図3】同防音装置の設置状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0026】
11 防音材
12 固定具
51 線バネ
R レール
Rw レール腹部
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【識別番号】000190172
【氏名又は名称】信号器材株式会社
【出願日】 平成18年9月7日(2006.9.7)
【代理人】 【識別番号】100083149
【弁理士】
【氏名又は名称】日比 紀彦

【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助

【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 彰

【識別番号】100069338
【弁理士】
【氏名又は名称】清末 康子


【公開番号】 特開2008−63813(P2008−63813A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−242560(P2006−242560)