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【発明の名称】 嵌合部材の取り外し装置
【発明者】 【氏名】佐々木 重春

【要約】 【課題】固定部材から嵌合部材を簡単に取り外すことができる嵌合部材の取り外し装置を提供する。

【構成】床板5の接合面5dとフランジ部18の接合面18aとの間の間隙部Δ1に差し込み部27a,27bを差し込み、締結ボルト28bを締め付けて、手動操作部34のハンドル部34dを回転する。ハンドル部34dの回転方向と逆方向に作用する抵抗力が小さいときには、このハンドル部34dの回転を停止して手動操作部36を回転させる。その結果、送りねじ部32aが上昇して引き上げ力が保持部27に作用して、フランジ部18を保持部27が保持した状態で保持部27が上昇する。挿入孔5eから挿入部15が徐々に引き抜かれて、不良品の摩擦抵抗低減装置10が床板5から取り外された後に、新品の摩擦抵抗低減装置10を床板5に取り付けて交換作業を終了する
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部材の挿入口に挿入部を挿入させてこの固定部材に嵌合する嵌合部材をこの固定部材から取り外すための嵌合部材の取り外し装置であって、
互いに接合する前記固定部材の接合面と前記嵌合部材のフランジ部の接合面との間に衝撃力を加えながら差し込まれる差し込み部と、
前記差し込み部が前記挿入部に衝突するのを阻止するストッパ部と、
を備える嵌合部材の取り外し装置。
【請求項2】
請求項1に記載の嵌合部材の取り外し装置において、
前記差し込み部は、前記嵌合部材のフランジ部の接合面を押し上げること、
を特徴とする嵌合部材の取り外し装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の嵌合部材の取り外し装置において、
前記ストッパ部は、前記嵌合部材のフランジ部の外周部と接触して前記差し込み部の先端部が前記挿入部に衝突するのを阻止すること、
を特徴とする嵌合部材の取り外し装置。
【請求項4】
固定部材の挿入口に挿入部を挿入させてこの固定部材に嵌合する嵌合部材をこの固定部材から取り外すための嵌合部材の取り外し装置であって、
互いに接合する前記固定部材の接合面と前記嵌合部材のフランジ部の接合面との間の間隙部に差し込まれてこのフランジ部を保持する保持部と、
前記保持部が前記フランジ部を保持した状態で前記挿入部を前記挿入口から引き抜くようにこの保持部を駆動する駆動部と、
を備える嵌合部材の取り外し装置。
【請求項5】
固定部材の挿入口に挿入部を挿入させてこの固定部材に嵌合する嵌合部材をこの固定部材から取り外すための嵌合部材の取り外し装置であって、
前記嵌合部材に後付けされた後付フランジ部を保持する保持部と、
前記保持部が前記後付フランジ部を保持した状態で前記挿入部を前記挿入口から引き抜くようにこの保持部を駆動する駆動部と、
を備える嵌合部材の取り外し装置。
【請求項6】
請求項5に記載の嵌合部材の取り外し装置において、
前記保持部は、前記固定部材と接合する前記嵌合部材のフランジ部がこの嵌合部材から分離したときに、この嵌合部材に後付けされた前記後付フランジ部を保持すること、
を特徴とする嵌合部材の取り外し装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の嵌合部材の取り外し装置において、
前記後付フランジ部は、前記嵌合部材に固定された固定ボルトに締結された締結ナットによってこの固定ボルトに装着された座金を備えること、
を特徴とする嵌合部材の取り外し装置。
【請求項8】
請求項4から請求項7までのいずれか1項に記載の嵌合部材の取り外し装置において、
前記固定部材に着脱自在に装着されて前駆駆動部を昇降自在に支持する支持部を備えること、
を特徴とする嵌合部材の取り外し装置。
【請求項9】
請求項8に記載の嵌合部材の取り外し装置において、
前記支持部は、前記駆動部を水平方向に移動自在に支持すること、
を特徴とする嵌合部材の取り外し装置。
【請求項10】
請求項4から請求項9までのいずれか1項に記載の嵌合部材の取り外し装置において、
前記駆動部は、前記保持部を昇降する送りねじ部を備えること、
を特徴とする嵌合部材の取り外し装置。
【請求項11】
請求項4から請求項10までのいずれか1項に記載の嵌合部材の取り外し装置において、
前記駆動部は、手動操作部の手動操作に連動して前記保持部を駆動すること、
を特徴とする嵌合部材の取り外し装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の嵌合部材の取り外し装置において、
前記嵌合部材は、
移動部材を移動自在に支持するボールと、
前記固定部材の挿入口に挿入されて前記ボールを回転自在に収容する収容部とを備えること、
を特徴とする嵌合部材の取り外し装置。
【請求項13】
請求項12に記載の嵌合部材の取り外し装置において、
前記移動部材は、分岐器のトングレールであり、
前記固定部材は、前記トングレールを移動自在に支持する床板であり、
前記嵌合部材は、前記トングレールの底部下面を移動自在に支持するボールベアリングであること、
を特徴とする嵌合部材の取り外し装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、固定部材の挿入口に挿入部を挿入させてこの固定部材に嵌合する嵌合部材をこの固定部材から取り外すための嵌合部材の取り外し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の摩擦抵抗低減装置は、分岐器のトングレールの底部下面を移動自在に支持するボールと、分岐器の床板の挿入孔に挿入されてこのボールを回転自在に収容する収容部とを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の摩擦抵抗低減装置では、トングレールが転換動作するときに、このトングレールの底部下面とボールとが回転接触する。このため、従来の摩擦抵抗低減装置では、トングレールの底部下面が床板上を接触移動する場合に比べて、トングレールに作用する摩擦抵抗が低減されて、トングレールを円滑に転換動作させることができる。
【0003】
【特許文献1】特開平8-246402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図17は、従来の嵌合部材の取り外し装置の差し込み部を床板の接合面とフランジ部の接合面との間に差し込んでいる状態を概略的に示す概略図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
図17に示す摩擦抵抗低減装置110のボール112の陥没や回転不良などの不具合が発生すると、トングレール102を転換するときに転てつ機に過大な負荷が加わり、転てつ機に転換不良が発生するおそれがある。このため、摩擦抵抗低減装置110に不具合が発生したときには、災害予備品として配備されている平たがね(専用の取り外し器具)124を使用して、不良品の摩擦抵抗低減装置110を新品の摩擦抵抗低減装置110に交換している。例えば、摩擦抵抗低減装置110のフランジ部118の接合面118aと床板105の接合面105dとの間に、平たがね124に打撃を加えて平たがね124の先端部を押し込み、接合面118aと接合面105dとの間に間隙部を形成して、摩擦抵抗低減装置110を床板105から抜き出している。しかし、平たがね124に打撃を加えると、摩擦抵抗低減装置110の収容部114の外周面に平たがね124の先端部が刺さり込み、摩擦抵抗低減装置110からフランジ部118が分離し、摩擦抵抗低減装置110を床板105から取り出すことができない問題点がある。また、冬季の電熱ヒータによる床板105の加熱や台風による塩害などによって、摩擦抵抗低減装置110と床板105との接触部に錆が発生してこれらが密着していると、摩擦抵抗低減装置110を容易に引き抜いて交換することができない問題点がある。さらに、平たがね124を使用して摩擦抵抗低減装置110を床板105から抜き出すための作業に手間がかかり作業時間が長くなってしまう問題点がある。
【0005】
この発明の課題は、固定部材から嵌合部材を簡単に取り外すことができる嵌合部材の取り外し装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図6〜図8に示すように、固定部材(5)の挿入口(5f)に挿入部(15)を挿入させてこの固定部材に嵌合する嵌合部材(10)をこの固定部材から取り外すための嵌合部材の取り外し装置であって、互いに接合する前記固定部材の接合面(5d)と前記嵌合部材のフランジ部(18)の接合面(18a)との間に衝撃力を加えながら差し込まれる差し込み部(24a)と、前記差し込み部が前記挿入部に衝突するのを阻止するストッパ部(24b)とを備える嵌合部材の取り外し装置(24)である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の嵌合部材の取り外し装置において、図7及び図8に示すように、前記差し込み部は、前記嵌合部材のフランジ部の接合面(18a)を押し上げることを特徴とする嵌合部材の取り外し装置である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の嵌合部材の取り外し装置において、図8に示すように、前記ストッパ部は、前記嵌合部材のフランジ部の外周部(18b)と接触して前記差し込み部の先端部が前記挿入部に衝突するのを阻止することを特徴とする嵌合部材の取り外し装置である。
【0009】
請求項4の発明は、図9及び図12に示すように、固定部材(5)の挿入口(5f)に挿入部(15)を挿入させてこの固定部材に嵌合する嵌合部材(10)をこの固定部材から取り外すための嵌合部材の取り外し装置であって、互いに接合する前記固定部材の接合面(5d)と前記嵌合部材のフランジ部(18)の接合面(18a)との間の間隙部(Δ1)に差し込まれてこのフランジ部を保持する保持部(27)と、前記保持部が前記フランジ部を保持した状態で前記挿入部を前記挿入口から引き抜くようにこの保持部を駆動する駆動部(32)とを備える嵌合部材の取り外し装置(26)である。
【0010】
請求項5の発明は、図15及び図16に示すように、固定部材(5)の挿入口(5f)に挿入部(15)を挿入させてこの固定部材に嵌合する嵌合部材(10)をこの固定部材から取り外すための嵌合部材の取り外し装置であって、前記嵌合部材に後付けされた後付フランジ部(37)を保持する保持部(27)と、前記保持部が前記後付フランジ部を保持した状態で前記挿入部を前記挿入口から引き抜くようにこの保持部を駆動する駆動部(32)とを備える嵌合部材の取り外し装置(26)である。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載の嵌合部材の取り外し装置において、前記保持部は、前記固定部材と接合する前記嵌合部材のフランジ部(18)がこの嵌合部材から分離したときに、この嵌合部材に後付けされた前記後付フランジ部を保持することを特徴とする嵌合部材の取り外し装置である。
【0012】
請求項7の発明は、請求項5又は請求項6に記載の嵌合部材の取り外し装置において、前記後付フランジ部は、前記嵌合部材に固定された固定ボルト(37a)に締結された締結ナット(37c〜37e)によってこの固定ボルトに装着された座金(37b)を備えることを特徴とする嵌合部材の取り外し装置である。
【0013】
請求項8の発明は、請求項4から請求項7までのいずれか1項に記載の嵌合部材の取り外し装置において、図9及び図15に示すように、前記固定部材に着脱自在に装着されて前駆駆動部を昇降自在に支持する支持部(35)を備えることを特徴とする嵌合部材の取り外し装置である。
【0014】
請求項9の発明は、請求項8に記載の嵌合部材の取り外し装置において、前記支持部は、前記駆動部を水平方向に移動自在に支持することを特徴とする嵌合部材の取り外し装置である。
【0015】
請求項10の発明は、請求項4から請求項9までのいずれか1項に記載の嵌合部材の取り外し装置において、前記駆動部は、前記保持部を昇降する送りねじ部(32a)を備えることを特徴とする嵌合部材の取り外し装置である。
【0016】
請求項11の発明は、請求項4から請求項10までのいずれか1項に記載の嵌合部材の取り外し装置において、前記駆動部は、手動操作部(34,36)の手動操作に連動して前記保持部を駆動することを特徴とする嵌合部材の取り外し装置である。
【0017】
請求項12の発明は、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の嵌合部材の取り外し装置において、図4及び図5に示すように、前記嵌合部材は、移動部材(2a,2b)を移動自在に支持するボール(12)と、前記固定部材の挿入口に挿入されて前記ボールを回転自在に収容する収容部(14)とを備えることを特徴とする嵌合部材の取り外し装置である。
【0018】
請求項13の発明は、請求項12に記載の嵌合部材の取り外し装置において、図1〜図3に示すように、前記移動部材は、分岐器(S)のトングレール(2a,2b)であり、前記固定部材は、前記トングレールを移動自在に支持する床板(5)であり、前記嵌合部材は、前記トングレールの底部下面(2d)を移動自在に支持するボールベアリング(10)であることを特徴とする嵌合部材の取り外し装置である。
【発明の効果】
【0019】
この発明によると、固定部材から嵌合部材を簡単に取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置が使用される分岐器を一例として概略的に示す平面図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置が使用される分岐器の床板を概略的に示す平面図である。図3は、この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置が使用される分岐器の床板を概略的に示す側面図である。図4は、この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置によって取り外される摩擦抵抗低減装置の正面図である。図5は、この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置によって取り外される摩擦抵抗低減装置の縦断面図である。
【0021】
図1に示す分岐器Sは、一つの線路を二つ以上の線路に分ける装置でありポイント部Pを備えている。ポイント部Pは、車両の進路を転換する部分であり、図1〜図3に示す分岐まくらぎ1と、図1に示すトングレール2a,2bと、基本レール3a,3bと、転てつ棒4と、図1〜図3に示す床板5と、図2及び図3に示すレールプレス6と、ボルト7と、ナット8と、座金9と、図1〜図3に示す摩擦抵抗低減装置10などを備えている。図1〜図3に示す分岐まくらぎ1は、分岐器Sを支持する支持体(支承体)であり、図1に示すように基本レール3a,3bの長さ方向に所定の間隔をあけて配置されている。トングレール2a,2bは、先端部を尖らせた可動レールであり図中A,B方向に転換可能である。トングレール2a,2bは、図3に示すように基本レール3a,3bと接触したときには床板5上に支持され、基本レール3a,3bから分離したときには摩擦抵抗低減装置10に支持されるレール底部2cを備えており、このレール底部2cは床板5及び摩擦抵抗低減装置10と接触する底部下面2dを備えている。図1に示す基本レール3a,3bは、トングレール2a,2bの先端部が密着及び分離する固定レールであり、分岐まくらぎ1上に締結されている。基本レール3a,3bは、図2及び図3に示すように、鉄道車両の車輪と接触するレール頭部3cと、床板5上に設置されるレール底部3dと、レール頭部3cとレール底部3dとを繋ぐレール腹部3eなどを備えている。図1に示す転てつ棒4は、トングレール2a,2bを転換する部材であり、電気転てつ機11が発生する転換力によって駆動してトングレール2a,2bをA,B方向に転換動作させる。
【0022】
床板5は、トングレール2a,2bを移動自在に支持する部材である。床板5は、トングレール2a,2bの底部下面2dを摺動自在に支持する板状の金具であり、図示しないボルト又は犬くぎなどの固定部材によって分岐まくらぎ1上に取り付けられ固定されている。床板5は、図3に示すように、基本レール3a,3bのレール底部3dを設置する設置面5aと、レール底部3dの側面を掛け止めする切欠部5bと、トングレール2a,2bの底部下面2dが接触移動する上面(しゅう動面)5cと、図3〜図5に示すように設置面5aよりも低い位置に形成され摩擦抵抗低減装置10のフランジ部18の接合面18aと接合する平坦な接合面5dと、図4及び図5に示すように床板5を貫通するように接合面5dに形成され摩擦抵抗低減装置10の収容部14を挿入する挿入孔5eと、この挿入孔5eの上方に形成された開口部であり収容部14を挿入するための挿入口5fなどを備えている。レールプレス6は、基本レール3a,3bの転倒を防止する部材であり、ボルト7はレールプレス6を床板5に締結する部材であり、ナット8はボルト7に締結される部材であり、座金9はナット8とレールプレス6との間に挟み込まれる部材である。
【0023】
図4及び図5に示す摩擦抵抗低減装置10は、トングレール2a,2bが転換動作するときにこのトングレール2a,2bに作用する摩擦抵抗を低減させる装置である。摩擦抵抗低減装置10は、例えば、図1に示すように、分岐まくらぎ1に着脱自在に装着されており、図2に示すように所定の間隔をあけて互い違いに2列(一方の列に2個、他方の列に3個)装着されている。摩擦抵抗低減装置10は、図4及び図5に示す大径ボール12と、図5に示す小径ボール13と、図4及び図5に示す収容部14と、挟み込み部23などを備えている。摩擦抵抗低減装置10は、図3に示すように、トングレール2a,2bが転換動作するときにトングレール2a,2bを移動自在に支持し、図4及び図5に示すようにトングレール2a,2bの底部下面2dと大径ボール12とを転がり接触させてこれらの間の摩擦抵抗を軽減させる玉軸受(ボールベアリング)である。摩擦抵抗低減装置10は、トングレール2a,2bが上面5cから転換動作したときに、大径ボール12に僅かに乗り上げるように、大径ボール12の頂点部の高さが上面5cよりも僅かに高く設定されている。
【0024】
図4及び図5に示す大径ボール12は、トングレール2a,2bの底部下面2dを移動自在に支持する部材であり、この底部下面2dと点接触して転動する転動体である。図5に示す小径ボール13は、大径ボール12を回転自在に支持する部材であり、1個の大径ボール12と点接触して転動する複数個の転動体である。小径ボール13は、大径ボール12よりも小径であり、大径ボール12の下側の半球面を囲むように大径ボール12とガイド面20aとの間に配置されている。
【0025】
図4及び図5に示す収容部14は、大径ボール12及び小径ボール13を回転自在に収容する部分であり、床板5の挿入口5fから挿入されて挿入孔5eに装着される外観が略柱状の部材である。収容部14は、図5に示すように、挿入部15と、蓋部16,17と、フランジ部18と、押さえ部19と、ガイド部20と、密封部21と、挟み込み部22などを備えている。
【0026】
図4及び図5に示す挿入部15は、床板5の挿入孔5eに挿入される部材であり、横断面が円形の筒状部材である。図5に示すように、挿入部15の上部には大径ボール12の上部を回転自在に露出させるための開口部15aが形成されており、挿入部15の下部には収容部14内に浸入した水を外部に排出するための水抜き用の貫通孔15bが形成されている。挿入部15の外径は、挿入孔5eの内周部と挿入部15の外周部との間に僅かに隙間が形成されるように、挿入孔5eの内径よりも小さく形成されている。挿入部15の下面は、ガイド部20の下部と密着するように湾曲して形成されている。
【0027】
蓋部16,17は、挿入部15の開口部15aを塞ぐ部材であり、中心部から周縁部に向かって低くなるように傾斜面状に形成されている。蓋部16は、下縁部が挿入部15と接合され固定される外蓋であり、蓋部17は蓋部16と挿入部15との間に挟み込まれる中蓋である。蓋部16,17は、大径ボール12の上側の半球面の一部を収容部14から露出させるための開口部16a,17aを備えており、大径ボール12が回転可能なように大径ボール12の外周部と開口部16a,17aの内周部との間には隙間が形成されている。
【0028】
図4及び図5に示すフランジ部18は、収容部14の外周部から突出する部分である。フランジ部18は、挿入孔5e内に収容部14が没入するのを阻止するストッパ機能と、接合面5dから大径ボール12の頂点までの高さが一定になるように大径ボール12を位置決めする位置決め機能とを有する。フランジ部18は、図5に示すように、蓋部16の周縁部を内側に折り曲げられて形成された内側フランジ部分と、挿入部15の周縁部を外側に折り曲げて形成された外側フランジ部分とを接合した接合部分である。フランジ部18は、床板5の接合面5dと接合する接合面18aと、フランジ部18の側面部分を構成する外周部18bとを備えている。
【0029】
押さえ部19は、大径ボール12とガイド部20との間から小径ボール13が脱落するのを防止するために、この小径ボール13を押さえる部材である。押さえ部19は、円環状の部材であり、大径ボール12が回転可能なように大径ボール12の外周部と押さえ部19の内周部との間に隙間が形成されている。押さえ部19の外周部は、収容部14の内周部に嵌め込まれている。
【0030】
ガイド部20は、小径ボール13を回転自在にガイドする部分であり外観が椀状の部材である。ガイド部20の上部には、小径ボール13が転がり接触する半球状のガイド面(ボール受け面)20aが形成されており、ガイド部20の下部には挿入部15の貫通孔15bと接続するように、収容部14内に浸入した水を外部に排出するための水抜き用の貫通孔20bが形成されている。ガイド部20の外周部は、挿入部15の内周部に圧入され嵌め込まれている。
【0031】
密封部21は、大径ボール12の外周部と蓋部16,17の開口部16a,17aとの間の間隙部を密封する部材であり、水や塵埃などの異物が収容部14内に外部から浸入するのを防止するパッキンなどのシール材である。密封部21は、蓋部17と押さえ部19との間に挟み込まれている。
【0032】
挟み込み部22は、挿入部15とガイド部20との間に挟み込まれる部材であり、上端部がガイド部20の下面と密着し、下端部が収容部14の上面と密着する円環状の部材である。挟み込み部22は、大径ボール12に過大な荷重が作用したときに、この荷重によって挿入部15及びガイド部20が変形するのを阻止する。
【0033】
挟み込み部23は、床板5の挿入孔5eの内周部と摩擦抵抗低減装置10の挿入部15の外周部との間に挟み込まれる部材である。挟み込み部23は、挿入孔5eから挿入部15が容易に抜け出すのを防止するために、挿入孔5eの内周部と挿入部15の外周部との間に挟み込まれており、これらを密着させるばねとして機能する。挟み込み部23は、挿入孔5eの内周部と挿入部15の外周部との間の交差を調整する交差調整リングなどの隙間調整部であり、挟み込み部23の内周部には円周方向に沿って所定の間隔をあけて突起部23aが形成されている。突起部23aは、挿入部15の外周部と接触する部分であり、挿入孔5eの内周部と挿入部15の外周部との間に挟み込まれることによって弾性変形して挿入部15の外周部と密着する。
【0034】
図6は、この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置の外観図であり、図6(A)は平面図であり、図6(B)は側面図である。図7は、この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置の差し込み部を床板の接合面とフランジ部の接合面との間に差し込んでいる状態を概略的に示す概略図であり、図7(A)は平面図であり、図7(B)は側面図である。図8は、この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置の差し込み部がフランジ部の外周部と接触した状態を概略的に示す概略図であり、図8(A)は平面図であり、図8(B)は側面図である。
【0035】
図6〜図8に示す取り外し装置24は、床板5の挿入口5fに挿入部15を挿入させてこの床板5に嵌合する摩擦抵抗低減装置10をこの床板5から取り外すための装置である。取り外し装置24は、図7及び図8に示すように、床板5の接合面5dとフランジ部18の接合面18aとの間に所定の長さの間隙部Δ1を形成するために使用される。取り外し装置24は、手仕上げ用のはつり工具の一種であるたがねに近似した構造であり、外観が棒状の部材であり先端部が平坦に形成されている。取り外し装置24は、靭性の高い工具鋼の一種であるたがね鋼によって形成されており、鋳物などの表面を削るときに使用される平たがねの先端部の形状を加工して形成されている。取り外し装置24は、図6に示すように、差し込み部24aと、ストッパ部24bと、打撃部24cなどを備えている。
【0036】
差し込み部24aは、互に接合する床板5の接合面5dと摩擦抵抗低減装置10のフランジ部18の接合面18aとの間に衝撃力を加えながら差し込まれる部分である。差し込み部24aは、図7及び図8に示すように、フランジ部18の接合面18aを押し上げて、接合面5dと接合面18aとの間に間隙部Δ1を形成する。差し込み部24aは、例えば、既存の平たがねの先端部(下端部)を切削加工して形成されており、図6〜図8に示すように凹部24dと凸部24eとを備えている。凹部24dは、接合面5d及び接合面18aと接触する部分であり、フランジ部18の外周部18bの形状に合わせて円弧状に形成されている。凸部24eは、凹部24dの先端部であり、接合面5d,18aの表面を傷つけないようにR面が形成されている。
【0037】
ストッパ部24bは、差し込み部24aが挿入部15に衝突するのを阻止する部分であり、図8に示すようにフランジ部18の外周部18bと接触して差し込み部24aの前進を阻止し、差し込み部24aの先端部が挿入部15に衝突するのを阻止する。ストッパ部24bは、フランジ部18の外周部18bと接触することによって、挿入部15の外周部と差し込み部24aの凸部24eとの間に間隙部Δ2を形成する。ストッパ部24bは、図6に示すように、差し込み部24aの凹部24dの上側にこの凹部24dから後退して形成された段差部であり、フランジ部18の外周部18bと密着するように、この外周部18bの形状に合わせて曲線状に形成されている。ストッパ部24bの半径は、図8(A)に示すように、フランジ部18の外周部18bと1箇所で接触するように、フランジ部18の外周部18bの半径よりも大きく形成されている。
【0038】
図6〜図8に示す打撃部24cは、床板5の接合面5dとフランジ部18の接合面18aとの間に差し込み部24aを差し込むための打撃力を作用させる部分である。打撃部24cは、差し込み部24aとは反対側の端部(頭部)に形成された平坦面であり、作業者が操作する打撃装置25の高硬度面25aによって打撃が加えられる。
【0039】
図7及び図8に示す打撃装置25は、取り外し装置24に打撃力を作用させる装置であり、衝撃吸収機能と防振機能とを有する防振ハンマーなどである。打撃装置25は、取り外し装置24の打撃部24cに打撃力を加える硬度が高い高硬度面25aと、この高硬度面25aよりも硬度が低い低硬度面25bと、作業者が把持する柄部25cなどを備えている。
【0040】
次に、この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置の使用方法を説明する。
例えば、図1に示す分岐器Sのトングレール2a及び基本レール3a側の摩擦抵抗低減装置10に回転不良又は陥没などが発生したときには、トングレール2a,2bをA方向に転換動作させて、トングレール2aを基本レール3aに密着させる。次に、不良品の摩擦抵抗低減装置10を交換する前段階の準備として、床板5上のごみや汚れなどを落すとともに、摩擦抵抗低減装置10に雪や氷が付着しているときにはこれらを溶かす。図1〜図3に示すように、トングレール2aを基本レール3aに密着させたときに、基本レール3a側(分岐まくらぎ1の端部側)の摩擦抵抗低減装置10をトングレール2aが覆った状態になることがある。この場合には、トングレール2aのレール底部2cと摩擦抵抗低減装置10とが干渉するため、不良品の摩擦抵抗低減装置10を交換する前にトングレール2aを取り外したり、分岐まくらぎ1又は床板5を長さ方向にずらしたりする必要がある。次に、図4及び図5に示す挿入部15を挿入孔5eから容易に取り出せるように、床板5の接合面5dとフランジ部18の接合面18aとの間に油性浸透液などの潤滑剤を必要に応じて事前に塗布する。
【0041】
図7及び図8に示すように、取り外し装置24及び打撃装置25をそれぞれ二本ずつ用意し、取り外し装置24及び打撃装置25を一本ずつ二名の作業者が使用して、不良品の摩擦抵抗低減装置10の取り外し作業を実施する。先ず、大径ボール12を中心として二本の取り外し装置24の差し込み部24aを対称に配置して、床板5の接合面5dとフランジ部18の接合面18aとの間に差し込み部24aの凹部24dを接触させる。次に、図7に示すように、それぞれの作業者が打撃装置25を使用して取り外し装置24の打撃部24cを高硬度面25aによって同時に打撃して、取り外し装置24に打撃力を作用させる。接合面5dと接合面18aとの間に差し込み部24aの凹部24dが衝撃力を加えながら徐々に押し込まれると、差し込み部24aの凸部24eの上部がフランジ部18の接合面18aを押し上げる。このため、挿入孔5eから挿入部15が徐々に抜け出し摩擦抵抗低減装置10が押し上げられて、接合面5dと接合面18aとの間に間隙部Δ1が形成される。
【0042】
打撃装置25を使用して取り外し装置24の打撃部24cに打撃力を繰り返し作用させると、接合面5dと接合面18aとの間に差し込み部24aの凹部24dがさらに押し込まれて、差し込み部24aのストッパ部24bがフランジ部18の外周部18bと衝突する。図8に示すように、差し込み部24aの凹部24dが挿入部15の外周部に衝突する前に、ストッパ部24bがフランジ部18の外周部18bと衝突するため、差し込み部24aの凹部24dが挿入部15の外周部に衝突することがなく、挿入部15を破損することがない。
【0043】
この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、互いに接合する床板5の接合面5dと摩擦抵抗低減装置10のフランジ部18の接合面18aとの間に衝撃力を加えながら差し込み部24aが差し込まれ、この差し込み部24aが挿入部15に衝突するのをストッパ部24bが阻止する。このため、例えば、不良品の摩擦抵抗低減装置10を交換するときにこの摩擦抵抗低減装置10を簡単な操作によって押し上げて、摩擦抵抗低減装置10の交換作業を短時間で容易に実施することができる。また、差し込み部24aが挿入部15に衝突するのを防ぐことができるため、挿入部15を破損したり差し込み部24aの先端部を破損したりするのを防ぐことができる。
【0044】
(2) この第1実施形態では、摩擦抵抗低減装置10のフランジ部18の接合面18aを差し込み部24aが押し上げる。その結果、床板5の接合面5dとフランジ部18の接合面18aとの間に間隙部Δ1を形成することができるため、その後の引き抜き作業を容易に実施することができる。
【0045】
(3) この第1実施形態では、摩擦抵抗低減装置10のフランジ部18の外周部18bとストッパ部24bが接触して、差し込み部24aの先端部が挿入部15に衝突するのをこのストッパ部24bが阻止する。このため、挿入部15に差し込み部24aが衝突する前に、フランジ部18の外周部18bにストッパ部24bを衝突させることができる。その結果、差し込み部24aの先端部と挿入部15との間に間隙部Δ2が形成されて、挿入部15を破損したり差し込み部24aの先端部を破損したりするのを防ぐことができる。
【0046】
(第2実施形態)
図9は、この発明の第2実施形態に係る嵌合装置の取り外し装置の正面図である。図10は、この発明の第2実施形態に係る嵌合装置の取り外し装置の平面図である。図11は、この発明の第2実施形態に係る嵌合装置の取り外し装置の側面図である。図12は、図11のXII-XII線で切断した状態を示す断面図である。図13は、図12のXIII-XIII線で切断した状態を示す断面図である。図14は、図12のXIV-XIV線で切断した状態を示す断面図である。以下では、図1〜図8に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
【0047】
図9〜図12に示す取り外し装置26は、床板5の挿入口5fに挿入部15を挿入させてこの床板5に嵌合する摩擦抵抗低減装置10をこの床板5から取り外すための装置である。取り外し装置26は、図12に示すように、摩擦抵抗低減装置10のフランジ部18を保持した状態でこのフランジ部18を引き上げて、挿入部15を挿入孔5eから引き抜き摩擦抵抗低減装置10を取り外す。取り出し装置26は、現場への持ち運びが容易なように軽量構造が採用されており、摩擦抵抗低減装置10を引き抜くための引き抜き用の治具(ベアリング交換器)として使用される。取り外し装置26は、図9及び図12〜図14に示す保持部27と、図9、図12及び図13に示す下側間隔調整部28と、図9及び図12に示す支持部29と、図9及び図12に示す抜け止め部30と、図9及び図12に示す上側間隔調整部31と、図9及び図12に示す駆動部32と、連結部33と、図9、図10及び図12に示す手動操作部34と、図9〜図12に示す支持部35などを備えている。
【0048】
図9及び図12〜図14に示す保持部27は、互に接合する床板5の接合面5dと摩擦抵抗低減装置10のフランジ部18の接合面18aとの間の間隙部Δ1に差し込まれてこのフランジ部18を保持する部分である。保持部27は、フランジ部18を吊り上げる引き抜き用のクランプである。保持部27は、図9及び図12〜図14に示す差し込み部27a,27bと、図13に示す雌ねじ部27c,27dと、図12に示す連結部27e,27fなどを備えている。
【0049】
図9及び図12〜図14に示す差し込み部27a,27bは、接合面5dと接合面18aとの間の間隙部Δ1に差し込まれる部分であり、図13及び図14に示すように摩擦抵抗低減装置10を中心としてそれぞれ対称にフランジ部18を挟み込むように一対配置されている。差し込み部27a,27bは、図9及び図12に示すように、下端部を屈曲させた略L字状の板状部材であり、図9及び図14に示すようにフランジ部18の接合面18a及び外周部18bと密着可能なように、接合面18a及び外周部18bの形状に合わせて円弧状に形成されている。図13に示す雌ねじ部27c,27dは、差し込み部27aの下端部側を貫通する貫通孔であり、雌ねじ部27cは差し込み部27aの中心線に対して等間隔に一対形成されており、雌ねじ部27dは雌ねじ部27cと対向して差し込み部27bの中心線に対して等間隔に一対形成されている。図12に示す連結部27e,27fは、差し込み部27a,27bを支持部29に回転自在に連結する部分である。連結部27e,27fは、差し込み部27a,27bの上端部側をそれぞれ貫通しており、連結部27eは差し込み部27aの中心線上に形成されており、連結部27fは連結部27eと対向して差し込み部27bの中心線上に形成されている。
【0050】
図9、図12及び図13に示す下側間隔調整部28は、差し込み部27aの下端部と差し込み部27bの下端部との間隔を調整する部分であり、フランジ部18の外径に応じてこれらの間隔を調整する。下側間隔調整部28は、図13に示すように、雌ねじ部27c,27dと噛み合う雄ねじ部を外周部に有する締結ボルト28a,28bを備えており、この締結ボルト28a,28bはボルト頭部に六角レンチを差し込み回転可能な六角穴付きボルトである。下側間隔調整部28は、締結ボルト28a,28bの雄ねじ部と雌ねじ部27c,27dとの噛み合い量を調整することによって、差し込み部27a,27bをフランジ部18に密着させる。
【0051】
図9及び図12に示す支持部29は、保持部27を支持する部分であり、図12に示すように差し込み部27aの連結部27eと差し込み部27bの連結部27fとを貫通する軸状部材である。支持部29は、両端部が半球状に形成されており、支持部29の中央部にはこの支持部29を貫通する貫通孔29aが形成され、支持部29の両端部には雌ねじ部29bが形成されている。
【0052】
図9及び図12に示す抜け止め部30は、保持部27が支持部29から抜け出すのを防止する部分である。抜け止め部30は、支持部29よりも大径の座金30aと、支持部29の雌ねじ部29bにねじ込まれてこの座金30aを支持部29の両端部に固定する固定ねじ30bとを備えている。
【0053】
上側間隔調整部31は、差し込み部27aの上端部と差し込み部27bの上端部との間隔を調整する部分であり、通常使用される摩擦抵抗低減装置10のフランジ部18の外径に略等しい長さの筒状部材である。上側間隔調整部31は、図12に示すように、軸方向に支持部29が貫通する貫通孔31aを備えており、上側間隔調整部31の内周部には支持部29の外周部が嵌合している。上側間隔調整部31は、差し込み部27aの上部側と差し込み部27bの上部側との間の間隔がフランジ部18の外径に応じて僅かに拡大可能なように、座金30aと差し込み部27a,27bとの間に間隙部Δ3を形成している。
【0054】
図9及び図12に示す駆動部32は、保持部27がフランジ部18を保持した状態で挿入部15を挿入口5fから引き抜くようにこの保持部27を駆動する部分である。駆動部32は、回転動作を直線動作に変換する動作変換部として機能し、中心軸回りに回転することによって保持部27を昇降駆動する軸状部材である。駆動部32は、手動操作部34,36の手動操作に連動して保持部27を駆動し、保持部27を昇降駆動する送りねじ部32aを備えている。送りねじ部32aの外周部には、下端部から上端部に向かって所定長さの雄ねじ部32bが形成されており、図12に示すように送りねじ部32aの下端部には貫通孔32cが形成されており、図9及び図10〜図12に示すように送りねじ部32aの上端部には装着部32dが形成されている。装着部32dは、手動操作部36を着脱自在に装着する部分であり、手動操作部36のソケット部36aが嵌合するように六角形状に形成されている。
【0055】
図9及び図12に示す連結部33は、保持部27と駆動部32とを連結する部分であり、駆動部32の昇降動作に連動して保持部27が昇降動作するように保持部27と駆動部32とを連結する。連結部33は、締結ナット33aと、軸受33bと、座金33cと、割ピン33dとを備えている。締結ナット33aは、送りねじ部32aに装着される部材であり、締結ナット33aの内周部には雄ねじ部32bと噛み合う雌ねじ部が形成されており、締結ナット33aの側面部にはこの締結ナット33aを貫通する貫通孔33eが形成されている。締結ナット33aは、この締結ナット33aの座面と上側間隔調整部31の下側外周面との間に軸受33b及び座金33cを挟み込むように、送りねじ部32aに装着される保持部受け用のナットである。軸受33bは、上側間隔調整部31と座金33cとが相互に回転可能なように、上側間隔調整部31を座金33c上に支持する部材であり、送りねじ部32aの軸方向に作用する荷重(ラジアル荷重)を受けるラジアル軸受である。軸受33bは、軽い回転力によって締結ナット33aが回転するように、この締結ナット33aの座面と座金33cの表面との間に発生する摩擦抵抗を低減する。座金33cは、締結ナット33aと軸受33bとの間に挟み込まれる部材であり、割ピン33dは送りねじ部32aの貫通孔32cと締結ナット33aの貫通孔33eとに差し込まれる部材であり、締結ナット33aが緩むのを防止する。
【0056】
図9、図10及び図12に示す手動操作部34は、駆動部32を手動で回転操作する部分であり、送りねじ部32aが中心軸回りに回転駆動するための駆動力をこの送りねじ部32aに伝達する。手動操作部34は、締結ナット34aと、軸受34bと、座金34cと、ハンドル部34dとを備えている。締結ナット34aは、送りねじ部32aに装着される部材であり、締結ナット33aの内周部には雄ねじ部32bと噛み合う雌ねじ部が形成されている。締結ナット34aは、この締結ナット34aの座面と支持部35の座部35aとの間に軸受34b及び座金34cを挟み込むように、送りねじ部32aに装着される吊り上げ用のナットである。軸受34bは、締結ナット34aと座金34cとが相互に回転可能なように、締結ナット34aを座金34c上に支持する部材であり、送りねじ部32aの軸方向に作用する荷重(ラジアル荷重)を受けるラジアル軸受である。軸受34bは、軽い回転力によって締結ナット34aが回転するように、この締結ナット34aの座面と座金34cの表面との間に発生する摩擦抵抗を低減する。座金34cは、締結ナット34aと軸受34bとの間に挟み込まれる部材である。ハンドル部34dは、締結ナット34aを回転操作するときに作業者が把持する部分であり、締結ナット34aを回転させることによって送りねじ部32aを上下方向に駆動させて保持部27を昇降させる。座金34cの外径は、駆動部32が支持部35の座部35aから落下するのを防止するために、図10に示すように支持部35のガイド部35dの幅よりも大きく形成されている。ハンドル部34dは、基部側が締結ナット34aの側面に固定された回転操作用のハンドルであり、反時計回りに回転することによって保持部27を上昇させ、時計回りに回転させることによって保持部27を下降させる。ハンドル部34dは、送りねじ部32aの中心軸から作業者が力を加える作用点までの距離が手動操作部36よりも長くなるように形成されており、手動操作部36よりも大きな回転モーメントを送りねじ部32aに作用させる。
【0057】
図9〜図12に示す支持部35は、床板5に着脱自在に装着されて駆動部32を昇降自在に支持するとともに、駆動部32を水平方向に移動自在に支持する部分である。支持部35は、外観が門形に形成されたフレーム状の部材であり、図9〜図12に示す座部35aと、図9及び図12に示す脚部35b,35cと、図10及び図12に示すガイド部35dと、図9及び図12に示す装着部35e,35fとを備えている。図9〜図12に示す座部35aは、手動操作部34の座金34cを支持する部分であり、図9、図10及び図12に示すように床板5を跨ぐような長さに形成されている。図9及び図12に示す脚部35b,35cは、座部35aを支持する部分であり、座部35aの両端部に一体に形成されている。図10及び図12に示すガイド部35dは、駆動部32を水平方向に移動自在にガイドする部分であり、図12に示すように座部35aを貫通し、図10に示すように座部35aの長さ方向に所定の長さで形成された長孔である。ガイド部35dの幅は、駆動部32の送りねじ部32aの外径よりも僅かに大きく形成されている。図9及び図12に示す装着部35e,35fは、床板5に着脱自在に装着される部分であり、床板5の縁部角部と嵌合して床板5に掛け止め可能なように、脚部35b,35cの内側に形成されている。装着部35e,35fの間隔は、床板5の幅よりも僅かに広くなるように形成されており、装着部35e,35fの高さは床板5の厚さよりも低く形成されている。
【0058】
図9〜図12に示す手動操作部36は、手動操作部34と同様に駆動部32を手動で回転操作する部分であり、送りねじ部32aが中心軸回りに回転駆動するための駆動力をこの送りねじ部32aに伝達する。手動操作部36は、例えば、駆動部32の装着部32dと嵌合するソケット部36aを備えており、保持部27を上昇させる方向に装着部32dを回転するのを許容し、保持部27を下降させる方向に装着部32dを回転するのを規制するラチェットレンチなどの締結装置である。手動操作部36は、手動操作部34とは逆に、時計回りに回転することによって保持部27を上昇させ、反時計回りに回転させることによって保持部27を下降させる。
【0059】
次に、この発明の第2実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置の使用方法を説明する。
図8に示すように、床板5の接合面5dとフランジ部18の接合面18aとの間に取り外し装置24によって間隙部Δ1を形成した後に、図9〜図12に示す取り外し装置26によって挿入孔5eから挿入部15を完全に引き抜き摩擦抵抗低減装置10を交換する。先ず、図9及び図12に示すように、取り外し装置26の支持部35の装着部35e,35fを床板5の縁部角部に装着して、不良品の摩擦抵抗低減装置10を跨ぐように取り外し装置26を位置決めして設置する。この状態で、図10及び図12に示す支持部35のガイド部35dに沿って駆動部32の送りねじ部32aをスライドさせて、図9及び図12に示すように摩擦抵抗低減装置10の上方に保持部27が位置するように保持部27を位置決めする。次に、手動操作部34のハンドル部34dを作業者が手動で回転すると締結ナット34aが回転し、この締結ナット34aと噛み合いながら送りねじ部32aも中心軸回りに回転しながら下降する。送りねじ部32aが下降すると保持部27の差し込み部27a,27bも送りねじ部32aとともに下降し、差し込み部27a,27bがフランジ部18と対向する位置までハンドル部34dを回転させる。次に、図9及び図12に示すように、床板5の接合面5dとフランジ部18の接合面18aとの間の間隙部Δ1に差し込み部27a,27bを差し込み、図13及び図14に示すように差し込み部27a,27bがフランジ部18を挟み込むまで、六角レンチを使用して締結ボルト28a,28bを作業者が締め付ける。そして、挿入部15が挿入孔5eから容易に浮き上がるように、挿入孔5eと挿入部15との間に油性浸透液などの潤滑剤を塗布する。
【0060】
次に、図9〜図12に示す手動操作部34のハンドル部34dを作業者が反時計回りに回転した場合に、ハンドル部34dの回転方向と逆方向に作用する抵抗力が小さいときには、このハンドル部34dの回転を停止してハンドル部34dを停止位置に保持する。この状態で、手動操作部36のソケット部36aを駆動部32の装着部32dに嵌め込み、手動操作部36を時計回りに回転させると、送りねじ部32aが上昇して引き上げ力が保持部27に作用する。図9及び図12に示すように、差し込み部27a,27bによって接合面18a及び外周部18bが支持されているため、フランジ部18を保持部27が保持した状態で保持部27が上昇し、挿入孔5eから挿入部15が徐々に引き抜かれる。このとき、差し込み部27a,27bの下部を下側間隔調整部28が一定間隔に調整し、差し込み部27a,27bの上部を上側間隔調整部31が下側間隔調整部28に合わせて略一定間隔に調整している。このため、垂直方向の引き上げ力がフランジ部18に作用し、差し込み部27a,27bの姿勢が傾いてフランジ部18から差し込み部27a,27bが外れるのを下側間隔調整部28及び上側間隔調整部31が防止する。
【0061】
挿入孔5eと挿入部15との間に錆が発生して、ハンドル部34dの回転方向と逆方向に作用する抵抗力が大きいときには、手動操作部36よりも大きな回転モーメントを発生する手動操作部34のハンドル部34dを作業者が回転させる。その結果、手動操作部36を回転するときに発生する引き上げ力よりも、手動操作部34を回転するときに発生する引き上げ力のほうが大きいため、挿入孔5eと挿入部15との間の錆によってこれらが固着していても、挿入孔5eから挿入部15が引き抜かれる。挿入孔5eから挿入部15が完全に抜け出した後に、手動操作部34又は手動操作部36の回転を停止して、図13に示す締結ボルト28a,28bを緩め、差し込み部27a,27bをフランジ部18から離す。その結果、保持部27からフランジ部18が解放されて、不良品の摩擦抵抗低減装置10が床板5から完全に取り外される。
【0062】
挿入孔5eから挿入部15を引き抜いた後に、図12に示す挟み込み部23が挿入孔5e内に残存するときには、挟み込み部23を挿入孔5eから取り除き、挿入孔5e内を布などで拭き取り汚れを取り除く。次に、新品の挟み込み部23を作業者が挿入孔5e内に手で挿入して、挟み込み部23が挿入孔5e内に密着したのを確認した後に、新品の摩擦抵抗低減装置10の挿入部15を挿入孔5eに作業者が挿入可能な深さまで手で押し込む。そして、図5に示す摩擦抵抗低減装置10の蓋部16のみと接触する図示しない圧入用装置(圧入用治具)をこの蓋部16の上面に位置決めして、図7及び図8に示す打撃装置25の低硬度面25bによって、この接触面と反対側の打撃面を打撃する。その結果、床板5の接合面5dとフランジ部18の接合面18aとが隙間なく密着するまで打撃装置25によって圧入用装置に繰り返し打撃力を加えると、挿入孔5eに挿入部15が徐々に押し込まれる。挿入孔5eに挿入部15が完全に嵌合すると、新品の摩擦抵抗低減装置10が床板5に取り付けられて、不良品の摩擦抵抗低減装置10の交換作業が終了する。
【0063】
この発明の第2実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第2実施形態では、互いに接合する床板5の接合面5dとフランジ部18の接合面18aとの間の間隙部Δ1に差し込まれてフランジ部18を保持部27が保持し、保持部27がフランジ部18を保持した状態で挿入部15を挿入口5fから引き抜くように保持部27を駆動部32が駆動する。このため、簡単な操作によって短時間で摩擦抵抗低減装置10を取り外して交換作業を実施することができ、運転保守及び安定輸送に大きく貢献することができる。その結果、例えば、線路の保守作業などを実施する線路閉鎖間合いの限られた時間内に、一人の作業者によって容易に施工することができるとともに、分岐器S内の他の作業と平行して交換作業を実施することができる。また、複数の摩擦抵抗低減装置10の一部に不良品が発生しただけで床板5を交換したり、トングレール2a,2bを着脱して再調整したりする必要がなくなって、交換作業を簡単に実施することができる。
【0064】
(2) この第2実施形態では、支持部35が床板5に着脱自在に装着されて駆動部32を昇降自在に支持する。このため、取り外し装置26を床板5に簡単に装着して迅速に作業を実施することができるとともに、保持部27及び駆動部32を床板5に正確に位置決めすることができる。
【0065】
(3) この第2実施形態では、支持部35が駆動部32を水平方向に移動自在に支持する。このため、例えば、図1及び図2に示すように、摩擦抵抗低減装置10が床板5上に互い違いに設置されているような場合には、それぞれの摩擦抵抗低減装置10の設置位置に合わせて保持部27を簡単に水平移動させ、不良品の摩擦抵抗低減装置10に保持部27を正確に位置決めすることができる。
【0066】
(4) この第2実施形態では、保持部27を昇降する送りねじ部32aを駆動部32が備えている。このため、機構が簡単に安価な送りねじ機構を利用して保持部27を簡単に昇降動作させることができるとともに、取り外し装置26をコンパクトに構成することができる。
【0067】
(5) この第2実施形態では、手動操作部34,36の手動操作に連動して保持部27を駆動部32が駆動する。このため、電源を確保することが困難な作業現場においても手動操作によって使用可能になるとともに、高価な駆動装置を使用せずに簡単で安価な構造の手動操作部34,36によって保持部27を容易に駆動させることができる。
【0068】
(第3実施形態)
図15は、この発明の第3実施形態に係る嵌合装置の取り外し装置によって後付フランジ部を保持した状態を示す正面図である。図16は、この発明の第3実施形態に係る嵌合装置の取り外し装置によって保持される後付フランジ部の正面図である。
図15に示す取り外し装置26は、摩擦抵抗低減装置10からフランジ部18が分離して、フランジ部18を保持部27によって保持して引き抜くことができないようなときに、この摩擦抵抗低減装置10に後付フランジ部37を後付けして保持部27によってこの後付フランジ部37を保持して引き抜く。
【0069】
図15及び図16に示す後付フランジ部37は、摩擦抵抗低減装置10に後付けされた部分である。後付フランジ部37は、図4及び図5に示すフランジ部18が収容部14から分離したようなときに、図16に示すように挿入孔5e内に残存する収容部14のガイド部20に後付けされる。後付フランジ部37は、図15及び図16に示すように、固定ボルト37aと、座金37bと、締結ナット37c〜37eなどを備えている。
【0070】
固定ボルト37aは、摩擦抵抗低減装置10に後付けされる部材であり、ボルト頭部が下側になりボルト先端部が上側になるように、摩擦抵抗低減装置10の中心線上に配置される引き抜き用のボルトである。固定ボルト37aは、破損後の摩擦抵抗低減装置10のガイド面20aにボルト頭部の周囲を溶接することによって、このガイド面20aに固定される。座金37bは、固定ボルト37aに装着された部材であり、締結ナット37cと締結ナット37dとの間に挟み込まれている。座金37bは、図15に示すように、摩擦抵抗低減装置10から分離したフランジ部18の代わりに差し込み部27a,27bによって支持される引き抜き用の座金である。座金37bの外径は、フランジ部18を保持する保持部27によって座金37bも保持可能なように、フランジ部18の外径と略同一である。締結ナット37c〜37eは、固定ボルト37aに締結される部材である。締結ナット37cは、座金37bの下側に装着されて座金37bを支持する受け用のナットである。締結ナット37d,37eは、座金37bの上側に装着されて座金37bが固定ボルト37aから抜け出すのを阻止しており、締結ナット37dは座金37bを押さえる押さえ用のナットであり、締結ナット37eは締結ナット37dが緩むのを阻止する緩み止め用のナットである。
【0071】
次に、この発明の第3実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置の使用方法を説明する。
例えば、図17に示すような平たがね124の先端部を図9及び図12に示す接合面5dと接合面18aとの間に差し込むと、収容部14を破損して摩擦抵抗低減装置10からフランジ部18が分離するようなことがある。図15及び図16に示すように、不良品の摩擦抵抗低減装置10の交換作業に失敗したときには、摩擦抵抗低減装置10からフランジ部18を取り除くとともに、大径ボール12及び小径ボール13などを収容部14内から全て取り除く。そして、ガイド部20のガイド面20aを収容部14の上部から露出させた状態で、このガイド面20aの中心に固定ボルト37aのボルト頭部を垂直に位置決めし、固定ボルト37aのボルト頭部とガイド面20aとを小型溶接機などによってアーク溶接する。このとき、床板5との間でスパークが発生しないように注意するとともに、溶接作業中に発生するスラグや金属粒などのスパッタが床板5に付着しないように注意する。ガイド面20a上に固定ボルト37aが垂直に溶接した後に、締結ナット37cの雌ねじ部と固定ボルト37aの雄ねじ部とを噛み合わせて、床板5から所定の高さまで締結ナット37cを固定ボルト37aに締結する。その後に、固定ボルト37aに座金37bを挿入して締結ナット37c上に座金37bを装着し、締結ナット37d,37eの雌ねじ部と固定ボルト37aの雄ねじ部とを噛み合わせて、締結ナット37d,37eを固定ボルト37aに締結する。次に、第2実施形態と同様の操作手順によって、手動操作部34,36を作業者が回転して駆動部32によって保持部27を上昇させると、差し込み部27a,27bによって座金37bが支持された状態で上昇する。
【0072】
腐食の著しい箇所では挿入孔5eの内周部と挿入部15の外周部とが強固に密着するため、挿入部15からガイド部20が分離してガイド部20のみが引き抜かれて取り外され、挿入部15及び挟み込み部23などが挿入孔5e内に残存する。このため、作業者が平たがねを使用して挿入部15を切断し、切断後の挿入部15及び挟み込み部23などを挿入孔5e内から除去する。その後に、挿入孔5e内を布などで拭き取り汚れを取り除き、新品の挟み込み部23と新品の摩擦抵抗低減装置10とを挿入孔5e内に順次挿入し、圧入用装置を使用して摩擦抵抗低減装置10を挿入孔5e内に圧入して、一連の交換作業を終了する。
【0073】
この発明の第3実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第3実施形態では、摩擦抵抗低減装置10に後付けされた後付フランジ部37を保持部27が保持した状態で、挿入部15を挿入口5fから引き抜くように、この保持部27を駆動部32が駆動する。このため、例えば、不良品の摩擦抵抗低減装置10の交換作業を実施中に摩擦抵抗低減装置10が損傷して、保持部27によってフランジ部18を保持することができないようなときに、挿入部15を挿入孔5eから簡単な作業によって短時間で容易に引き抜くことができる。
【0074】
(2) この第3実施形態では、床板5と接合するフランジ部18が摩擦抵抗低減装置10から分離したときに、この摩擦抵抗低減装置10に後付けされた後付フランジ部37を保持部27が保持する。このため、差し込み部27a,27bによってフランジ部18を支持することができない場合であっても、摩擦抵抗低減装置10を挿入孔5eから除去することができる。
【0075】
(3) この第3実施形態では、摩擦抵抗低減装置10に固定された固定ボルト37aに締結される締結ナット37c〜37eによって、この固定ボルト37aに座金37bが装着されている。このため、摩擦抵抗低減装置10からフランジ部18が分離した場合であっても、摩擦抵抗低減装置10に固定ボルト37aを固定して、締結ナット37c〜37eによって固定ボルト37aに座金37bを簡単に装着することができる。その結果、後付フランジ部37を保持部27によって確実に保持し簡単に引き上げることができる。
【0076】
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、嵌合部材として摩擦抵抗低減装置10を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、固定壁面に形成されたブシュ孔と嵌合するフランジ付のブシュなどについてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、可動部材として片開き分岐器などの分岐器類を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、ダブルスリップスイッチ、シングルスリップスイッチ、可動K字クロッシング、可動ノーズクロッシングなどの他の分岐器類についてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、摩擦抵抗低減装置10としてトングレール2a,2bを転換自在に支持するボールベアリングを例に挙げて説明したが、搬送対象物又は加工対象物を移動自在に支持するために一般産業機械又は工作機械などで使用されるボールベアリングについてもこの発明を適用することができる。
【0077】
(2) この第1実施形態では、取り外し装置24がたがねに近似した外観形状である場合を例に挙げて説明したが、外観形状をたがねに限定するものではない。また、この第1実施形態では、二人の作業者がそれぞれ取り外し装置24を同時に使用して交換作業を実施する場合を例に挙げて説明したが、挿入孔5eから挿入部15が引っ掛からずに簡単に浮き上がるような場合には、一人の作業者が一つの取り外し装置24を使用して交換作業を実施することもできる。
【0078】
(3) この第2実施形態及び第3実施形態では、手動操作部34,36を作業者が手動で送りねじ部32aを回転する場合を例に挙げて説明したが、電動モータなどの駆動源を利用して送りねじ部32aを回転することもできる。また、この第2実施形態及び第3実施形態では、駆動部32として送りねじ部32aを使用して保持部27を昇降動作させる場合を例に挙げて説明したが、油圧シリンダや空気圧シリンダなどの他の駆動部によって保持部27を昇降動作させることもできる。
【0079】
(4) この第2実施形態及び第3実施形態では、床板5の幅に合わせて装着部35eと装着部35fとの間隔を設定しているが、例えば幅が異なる在来線用の床板と新幹線用の床板とに合わせて装着部35eと装着部35fとの間隔を調整可能な構造にしたり、取り外し装置26を二種類用意したりすることもできる。また、この第3実施形態では、フランジ部18が破損した摩擦抵抗低減装置10を取り外し装置26によって取り外す場合を例に挙げて説明したが、ねじ孔内で折損したボルト、リベット孔内で折損したリベット、基礎中で折損したアンカーボルトなどを引き抜く場合についてもこの発明を適用することができる。さらに、この第3実施形態では、固定ボルト37aの頭部をガイド面20aに溶接して固定する場合を例に挙げて説明したが、ガイド面20aに座金を溶接し、固定ボルト37aの頭部をこの座金に溶接して固定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置が使用される分岐器を一例として概略的に示す平面図である。
【図2】この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置が使用される分岐器の床板を概略的に示す平面図である。
【図3】この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置が使用される分岐器の床板を概略的に示す側面図である。
【図4】この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置によって取り外される摩擦抵抗低減装置の正面図である。
【図5】この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置によって取り外される摩擦抵抗低減装置の縦断面図である。
【図6】この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【図7】この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置の差し込み部を床板の接合面とフランジ部の接合面との間に差し込んでいる状態を概略的に示す概略図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【図8】この発明の第1実施形態に係る嵌合部材の取り外し装置の差し込み部がフランジ部の外周部と接触した状態を概略的に示す概略図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【図9】この発明の第2実施形態に係る嵌合装置の取り外し装置の正面図である。
【図10】この発明の第2実施形態に係る嵌合装置の取り外し装置の平面図である。
【図11】この発明の第2実施形態に係る嵌合装置の取り外し装置の側面図である。
【図12】図11のXII-XII線で切断した状態を示す断面図である。
【図13】図12のXIII-XIII線で切断した状態を示す断面図である。
【図14】図12のXIV-XIV線で切断した状態を示す断面図である。
【図15】この発明の第3実施形態に係る嵌合装置の取り外し装置によって後付フランジ部を保持した状態を示す正面図である。
【図16】この発明の第3実施形態に係る嵌合装置の取り外し装置によって保持される後付フランジ部の正面図である。
【図17】従来の嵌合部材の取り外し装置の差し込み部を床板の接合面とフランジ部の接合面との間に差し込んでいる状態を概略的に示す概略図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【符号の説明】
【0081】
2a,2b トングレール
2d 底部下面
3a,3b 基本レール
5 床板(固定部材)
5d 接合面
5e 挿入孔
5f 挿入口
10 摩擦抵抗低減装置(嵌合部材)
12 大径ボール
14 収容部
15 挿入部
18 フランジ部
18a 接合面
18b 外周部
20 ガイド部
20a ガイド面
24 取り外し装置
24a 差し込み部
24b ストッパ部
26 取り外し装置
27 保持部
27a,27b 差し込み部
32 駆動部
32a 送りねじ部
34 手動操作部
35 支持部
35e,35f 装着部
36 手動操作部
37 後付フランジ部
37a 固定ボルト
37b 座金
37c〜37e 締結ナット
S 分岐器
P ポイント部
Δ1,Δ2,Δ3 間隙部
【出願人】 【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
【出願日】 平成18年8月29日(2006.8.29)
【代理人】 【識別番号】100104064
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 岳人


【公開番号】 特開2008−57118(P2008−57118A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−232062(P2006−232062)