トップ :: D 繊維 紙 :: D06 繊維または類似のものの処理;ラウンドリ−;他に分類されない可とう性材料

【発明の名称】 液流式処理装置
【発明者】 【氏名】山下 浩

【要約】 【課題】液流式処理の処理過程において、布帛のもつれ、ねじれ、絡まり等といった不具合の発生を抑制することができ、また、処理済布帛を適切な速度で装置外へ排出することができる液流式処理装置、特には液流式染色装置を提供する。

【解決手段】液流式染色装置1は、無端状に繋がれた布帛61を一時滞留させる横長筒状の滞留部63と、その滞留部63の前端に設けられた布帛61の引上げ部3と、その布帛61の引上げ部3の前端に設けられた前記布帛61の方向転換部4と、その方向転換部4および前記滞留部63の後端部6に接続する移送管66とで構成される循環路内で処理液62と共に前記布帛61を循環させて処理する液流式染色装置1において、前記滞留部63の前部の一部が拡径部2を形成している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状に繋がれた繊維製品を一時滞留させる横長筒状の滞留部と、その滞留部の前端に設けられた繊維製品の引上げ部と、その繊維製品の引上げ部の前端に設けられた前記繊維製品の方向転換部と、その方向転換部および前記滞留部の後端部に接続する移送管とで構成される循環路内で処理液と共に前記繊維製品を一方向に循環させて処理する液流式処理装置において、前記滞留部の前部が拡径部を形成していることを特徴とする液流式処理装置。
【請求項2】
前記滞留部および前記拡径部は、中空円筒体であることを特徴とする請求項1に記載の液流式処理装置。
【請求項3】
前記拡径部の底は、その拡径部以外の前記滞留部の底よりも低位置にあることを特徴とする請求項1または2に記載の液流式処理装置。
【請求項4】
前記拡径部と前記滞留部は、略同軸の中空円筒体であることを特徴とする請求項2または3に記載の液流式処理装置。
【請求項5】
前記方向転換部には繊維製品の出入部が設けられ、その出入部には洗浄水の溢水部と、その溢水部から溢れ出て落下する洗浄水と共に繊維製品を下方に排出する排出管を設けたことを特徴とする請求項1ないし4に記載のうちいずれかに記載の液流式処理装置。
【請求項6】
前記滞留部の後端部に接続する移送管は、その接続部近傍においてテーパー状に拡径されていることを特徴とする請求項1ないし5に記載のうちいずれか一項に記載の液流式処理装置。
【請求項7】
前記方向転換部および前記滞留部の後端部に接続する移送管は、二ヶ所で方向転換しており、前記滞留部の後端部側の方向転換部の上流側で拡径され、その拡径された直径を維持しつつ前記テーパー状の拡径部に至るようにされていることを特徴とする請求項6に記載の液流式処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、布帛等の繊維製品に対して染色加工、風合い加工、減量加工等の加工処理を施すために用いられる液流式処理装置に関するものであり、特に染色加工に適した液流式処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な液流式処理装置60を図6、図7を用いて説明すると、その主要部は、無端状に繋がれた布帛61が蛇行状態になり処理液62と共に一時的に滞留する滞留部63と、その滞留部63の前部64と後部65との間に接続されて処理液62と共に布帛61を移送する移送管66とで構成されている。滞留部63の前部64には処理液を噴射させる噴射ノズル67が備わり、その噴射ノズル67から噴射された処理液62が、滞留部63において蛇行状に滞留している状態から引き上げられた布帛61と共に噴流となって移送管66の中を流れ、滞留部63の後部65へ布帛61を移送する。移送管66は、その下流側の端部68を略逆J形として、滞留部63の後部65の内側に入り込むように配置され、処理液62と共に移送された布帛61は、滞留部63の中で蛇行状に滞留している布帛61の後部へ噴流と共に押し込まれる。布帛61は液流式処理装置60内にあるときは常に染色等の処理可能状態にあるが、布帛61の主たる処理は、布帛61が処理液と共に滞留部63の後部65から前部64へ移動しながら処理液62に浸る間に行われる。そして、この工程を繰り返すために、布帛61は滞留状態から滞留部63の前部64へ引き上げられ、移送管66へと移動し循環する。
【0003】
上記従来技術においては、蛇行状態に滞留している部分の布帛61は、移送管66から処理液62と共に勢いよく送り込まれる部分の布帛61によって、その後部を圧迫されている。また、布帛61の前方への移動を促すために滞留部63はその底69が下り傾斜になっているため、滞留部63の後部では処理液62の流勢が強まる。このため、布帛61に対する圧迫は更に強められ、蛇行状に滞留している布帛61が前後上下に絡まり捩れ、場合によっては団子状になることもある。そのような状況は布帛61に対して風合いを損なう等の悪影響を及ぼすものであり、それらの布帛61に対する状況を緩和するため、処理液62を減少して処理液62の流勢を緩やかにすることも試みられているが、有効な対策にはなっていない。
【0004】
そこで、滞留部63にもつれ合って処理液62と共に滞留している布帛61を引き上げる際、布帛61に過分の引張力が加わって布帛61に縦皺等ができたりしないように、滞留部63の下流側に上向き傾斜の略U字形をなす水切り用の多孔巣板を設けて、その多孔巣板に沿わせて布帛を引き上げることも行われている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、それとは別に、処理液が布帛滞留部の全長に亘って存在するようにした布帛滞留部の後部の底に移送管の端部を配置し、移送管から布帛滞留部へ入る布帛を処理液の中に送り込むようにした液流式処理装置がある。この液流式処理装置によれば、特許文献1に開示された技術と異なり、布帛が移送管の端部から噴流と共に布帛滞留部へ勢いよく送り出されることはなく、処理液と共に送り込まれた布帛が蛇行状に滞留した布帛の後部を圧迫することがないように思われる(例えば特許文献2参照)。
【0006】
一方、布帛処理のための所定時間経過後、布帛61を液流式処理装置60から排出する方法は、図5に示すように、循環経路の一部を開放して循環用リール51を経て排出用リール52により処理済みの布帛を処理装置外へ排出する方法が一般的である。この排出用リール52の回転速度をあげれば、それだけ処理済布帛の排出時間が早まるもののその高速化には限度がある。そこで、図示しないが、特許文献3には、処理済布帛を処理装置外へ排出する(搬出する)速度を高速化する技術が開示されている。その技術は、処理液を布帛搬出管内に高速で噴射することにより処理済布帛を処理液と共に処理装置外へ搬出するものである。
【特許文献1】特開平10−140462号公報
【特許文献2】特開平01−139859号公報
【特許文献3】特開昭60−199965号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に開示されている上向き傾斜の略U字形の多孔巣板は、傾斜に沿って上に行くに従い処理層内壁との空間を狭めるようになっている(公報;図2〜3参照)。その徐々に狭められる略U字形の多孔巣板に沿って引き上げられる布帛はスムーズにロープ状に形成されると共に、布帛の引き上げ引張力が液切れにより軽減され、布帛捌きが良好となる効果が示されている。しかし、布帛が処理液から引き上げられるとき、多孔巣板に案内される布帛の速度は高速になるため、多孔巣板表面の摩擦力や数多く開けられた孔の影響等が無視し得ない状態になる。そのため、布帛が扁平化、擦れ、目よれ等の品質不良になる虞が拭いきれない。
【0008】
また、特許文献2に開示されているように、移送管から布帛滞留部へ入る布帛を処理液の中に送り込むようにした液流式処理装置においては、布帛が移送管の端部から処理液と共に布帛滞留部の処理液面上の空間へ勢いよく噴出することはないと思われるが、布帛は処理液と共に噴流状態のまま布帛滞留部の処理液中に噴水のように流れ込むことになる。そのような状況に置かれた布帛は、流れる方向が定まらず前後上下に絡まる心配がある。
【0009】
一方、特許文献3に開示されている処理済布帛の高速搬出に関わる技術においては、液噴射部からのジェット流により200〜300m/分の高速で処理済布帛が搬出される旨開示されている。しかし、場合によっては布帛滞留部の前部に団子状に絡まった略静止状態の布帛をいきなり前記高速で引き上げることになり、そこで発生する布帛の損傷等の問題が懸念される。また、ジェット流として処理液が利用されるため、液流式処理装置外へ噴流となって排出される高温の処理液の扱いに十分な注意を払わなければならない問題もある。
【0010】
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、液流式処理の処理過程において、布帛のもつれ、ねじれ、絡まり等といった不具合の発生を抑制することができ、また、処理済布帛を適切な速度で装置外へ排出することができる液流式処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題を解決するために請求項1に記載の液流式処理装置の発明は、無端状に繋がれた繊維製品を一時滞留させる横長筒状の滞留部と、その滞留部の前端に設けられた繊維製品の引上げ部と、その繊維製品の引上げ部の前端に設けられた前記繊維製品の方向転換部と、その方向転換部および前記滞留部の後端部に接続する移送管とで構成される循環路内で処理液と共に前記繊維製品を一方向に循環させて処理する液流式処理装置において、前記滞留部の前部が拡径部を形成していることを特徴とするものである。ここでいう「繊維製品」とは布帛または他の繊維状物を包含するものとする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液流式処理装置において、前記滞留部および前記拡径部は、中空円筒体であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の液流式処理装置において、前記拡径部の底は、その拡径部以外の前記滞留部の底よりも低位置にあることを特徴とするものである。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の液流式処理装置において、前記拡径部と前記滞留部は、略同軸の中空円筒体であることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4に記載のうちいずれか一項に記載の液流式処理装置において、前記方向転換部には繊維製品の出入部が設けられ、その出入部には洗浄水の溢水部と、その溢水部から溢れ出て落下する洗浄水と共に繊維製品を下方に排出する排出管を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5に記載のうちいずれか一項に記載の液流式処理装置において、前記滞留部の後端部に接続する移送管は、その接続部近傍においてテーパー状に拡径されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の液流式処理装置において、前記方向転換部および前記滞留部の後端部に接続する移送管は、二ヶ所で方向転換しており、前記滞留部の後端部側の方向転換部の上流側で拡径され、その拡径された直径を維持しつつ前記テーパー状の拡径部に至るようにされていることを特徴とするものである。
【0016】
(作用)
本発明によれば、滞留部において処理液と共に蛇行状になって前方に送られる繊維製品は多少のもつれや絡み状態にはなるものの、深さが深くなり幅が広がった拡径部に至った繊維製品は、拡径部の壁面へ押し付けられてもその力は緩く、上下の重なりも緩くなるので、ほぐされて処理液に浮遊状態となる。そのため、繊維製品を引き上げる引張力が緩和される。また、そのように引張力が緩和されるため、処理済の繊維製品を装置外に排出するとき、出入部において溢れ落下する洗浄水に繊維製品を引き込ませて排出することができる。更に、移送管内を処理液と共に噴流となって滞留部の後端部へ移送される繊維製品は、移送管がテーパー状に拡径する部分でその移送速度を落とすので、滞留部の後端部へ流れ込む勢いが緩和される。そのため滞留部に蛇行状に滞留している繊維製品の後部に繊維製品が送り込まれるときの圧迫度は軽減される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、繊維製品を引き上げる引張力が緩和されるので、処理装置内を循環するうちに過分な引張力を受ける繊維製品が扁平化、擦れ、目よれ等の不良品質に陥る従来技術と異なり、風合いのよい処理済繊維製品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した布帛を染色処理する液流式染色装置の一実施形態を図1〜図4を用いて説明する。図1は本発明の液流式染色装置の全体を模擬的に示す正面図であり、図2は同じく液流式染色装置の一部を模擬的に示す平面図である。図3は処理済の布帛を排出する状況を模擬的に示す正面図であり、図4(A)、(B)は図3において符号Aで示した部分の構造および作用を示す一部断面詳細図である。なお、従来技術と同一構成の部分においては同一の符号を用いて説明するものとする。
【0019】
図1に示すように、丸パイプ状の滞留部63はわずかな下り勾配(例えば1/100)をもつ横長に配置され、布帛61が処理液62と共に流れる方向の前部(下流)には拡径部2が形成され、その拡径部2の前端には、布帛の引上げ部3、布帛の方向転換部4、布帛の出入部5がこの順に連結配置されている。方向転換部4の下部には処理液噴射部14が設けられ、その処理液噴射部14の内部に移送管66の端部が配置され、その端部付近には処理液62の流れを形成するために処理液62を噴射する噴射ノズル67が設けられている。移送管66は二ヶ所で方向転換され、下流側の端部は滞留部63の後端部6の内部にその開口端縁部を入り込ませて接続されている。このとき、移送管66は、図示されているように、方向転換部12で曲げられて滞留部63の後端部6に接続されているが、方向転換部12の上流側の移送管拡径部13で拡径されその直径を維持しつつ方向転換部12で方向転換され下流側に拡がるテーパー部11を経て滞留部63の後端部6に接続されている。
【0020】
中空円筒状の拡径部2は、テーパー部21を介して拡径部2やテーパー部21以外の滞留部63と同軸となるように結合され、その滞留部63の底よりも低位置に底板としての多孔板7を備えている。拡径部2の前端に設けられた布帛の引上げ部3は、斜め上方に先窄まりのテーパー状中空円筒に形成されている。また、拡径部2の底部には処理液溜り16が設けられ、その処理液溜り16は処理液の戻り管17を介してポンプ8に接続されている。ポンプ8には熱交換器が接続され、熱交換器9は処理液送出管15を介して処理液噴射部14に接続されている。
【0021】
出入部5の内部にはガイドロール31が設けられ、図4に示すように出入部5の下部には貯留部45で貯留した洗浄水が溢れ出るようになっている洗浄水の溢水部43が形成されている。溢水部43の底には排出管44が溢水部43の底を貫いて形成され、その排出管44の端部は、貯留部45を形成する高さ分だけ溢水部43の内部に入り込んでいる。溢水部43には洗浄水を導入する導入管41が開閉弁42を介して接続されている。排出管44の下方には、排出された布帛61を収容する収容箱32が設置され、その収容箱32の底部には布帛61から液体を分離する多孔板33が設けられ、収容箱32の底には処理液と洗浄水の混合液を排水する排水口34が形成されている。
【0022】
(布帛の染色工程)
本実施形態の液流式染色装置によって布帛が染色処理される工程を説明する。本装置に投入された布帛61は無端状に繋がれた後、噴射ノズル67で噴射される処理液62と共に噴流となって移送管66内を移送され滞留部63の後端部6に至る。噴射ノズル67で噴射される処理液62は、処理液溜り16から処理液戻り管17を介してポンプ8により吸引され更に熱交換器9に送り込まれ、熱交換器9で加熱された後、処理液送出管15を経て処理液噴射部14に供給されている。処理液62と共に移送される布帛61は、移送管拡径部13において流速が遅くなり始め、テーパー部11を通過して滞留部63の後端部6に至る間には更にその流速を落とすため、滞留部63の後端部6に処理液62と共に噴出されることなく、層流状態に流れ込む処理液62の中で浮上するようにして滞留部63内に流れ込む。滞留部63内の布帛61は、処理液62が漂うように緩やかに流れる中を蛇行状となって前方に送られるが、テーパー部21を経て拡径部2に至ると、拡径部2では処理液62の深さが深まるばかりか左右の広がりもあるため、前後を詰められ軽い押し付け状態にあったものがほぐれて浮遊状態となり、弱い引張力で引上げることが可能な状態になる。
【0023】
布帛を染色するための本実施形態の液流式染色装置1においては、滞留部63内の処理液62は130〜140°Cに維持する必要があるため、染色処理工程中は密閉容器となる滞留部63内の気圧は0.5Mpaに上昇している。そのため、滞留部63は元より拡径部2は内部圧力に十分耐えられる構造でなければならず、滞留部63および拡径部2が中空円筒状になっているのは内部圧力対応のためである。
【0024】
(布帛の排出工程)
次に処理済の布帛61を装置外へ排出する工程について説明する。図4(A)に示すように、布帛61の処理工程中は、蓋46が溢水部43を塞いでいる。このとき、蓋46は装置内の内圧を受けてパッキン48に押し付けられているため、装置内の圧力が減ずることがない。次に、図4(B)に示すように、装置内の圧力が大気圧まで下がった状態で、蓋46は、軸47を回転軸として内側に回転することが可能となり、開かれる。そこで、ガイドロール31に案内された布帛61を排出管44内に通した後、開閉弁42を開いて溢水部43内へ洗浄水を導入すると、洗浄水は溢水部43の貯留部45で液面を上昇させ、ついには排出管44の端部の高さに達し溢れることになる。溢れた洗浄水は排出管44の中を下方に流れ落ちることになり、予め排出管44内に配置されていた布帛61は流れ落ちる洗浄水に引き込まれて洗浄水と共に排出管44内部を伝って排出管44の外に排出され収容箱32に収容される。収容された布帛61に含まれる処理液と洗浄水の混合液は多孔板33により分離され排水口34から外部へ排出される。
【0025】
排出管44を流れ落ちる洗浄水を利用したこのような布帛61の排出方法は、その排出力が布帛61を滞留部63から引上げる力よりも強ければ可能となるが、本実施形態の拡径部2において布帛61は浮遊状態にあり、その布帛61を引上げる引張力は弱いものであるため、実現したものといえる。
【0026】
上記実施形態の液流式染色装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、滞留部63の前部に拡径部2を形成したので、滞留部63内を処理液62と共に蛇行状態となって流れ着いた布帛61は、拡径部2でほぐされ処理液62に浮遊する状態になる。そのため、布帛61を引上げる引張力が小さくて済み、布帛61の風合い等を保ったまま布帛61を引上げることができる。
【0027】
(2)上記実施形態では、滞留部63および拡径部2を中空円筒体としたので、従来技術の滞留部63が同一径で形成されていることと異なり、直径を大きくした拡径部2を形成しても、内部圧力に耐えられる液流式染色装置を提供できる。
【0028】
(3)上記実施形態では、拡径部2の底を、拡径部2以外の滞留部63の底よりも低くしたので、拡径部2に流れ着いた処理液62の流れはより遅くなるため、布帛のほぐし作用を高めることができる。
【0029】
(4)上記実施形態では、拡径部2と拡径部2およびテーパー部21以外の滞留部63を略同軸の中空円筒体としたので、特別に強固な構造としなくても高い内部圧力に耐えられる液流式染色装置が提供できる。
【0030】
(5)上記実施形態では、処理済の布帛61を装置外に排出する方法として、洗浄水が溢れ出て落下するときの流れに布帛61が引き込まれるようにしたので、処理済の布帛61の排出の高速化が実現したばかりか、洗浄水で処理液を洗い流すこともできる。
【0031】
(6)上記実施形態では、移送管66をテーパー状に拡径したテーパー部11で滞留部63の後端部6に接続したので、処理液62と共に噴流状態で移送管66を流れてきた布帛61がその流速を落とし滞留部63内に噴出することなく流れ込むことができる。
【0032】
(7)上記実施形態では、移送管66を拡径した後その直径を維持しつつテーパー部11に連結したので、予め流速を落とした布帛61がテーパー部11において更にその流速を落とすことになる。そのため、布帛61は、緩やかに流れ込む処理液62の中に浮き上がるようにして滞留部63内に流れ込むことができる。
【0033】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・滞留部63をわずかな下り勾配をもつ横長に配置したが、水平の横長に配置してもよい。
・移送管66の滞留部63の後端部6への接続について、移送管拡径部13で拡径しその直径を維持しつつテーパー部11に連結し、そのテーパー部11を介して接続するようにしたが、移送管拡径部13で拡径せずにテーパー部11のみを形成し、そのテーパー部11を介して接続してもよい。
・前記実施形態では本発明を布帛61を染色処理する液流式染色装置に具体化したが、布帛に限らず繊維製品として糸または他の繊維状物を無端状に繋いで液体に浸して処理する液流式処理装置としても適用しうる。
・前記実施形態では本発明を布帛61を染色処理する液流式染色装置に具体化したが、染色処理に限らず布帛のシボ立て処理や減量処理する液流式処理装置としても適用しうる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明を具体化した液流式染色装置の全体を模擬的に示す正面図。
【図2】本発明を具体化した液流式染色装置の一部を模擬的に示す平面図。
【図3】本発明の一実施形態における布帛を排出する状況を模擬的に示す正面図。
【図4】(A)は図3において符号Aで示した部分の布帛排出前の状況を示す一部断面詳細図であり、(B)は布帛が排出される状況を示す一部断面詳細図。
【図5】従来技術において布帛を排出する状況を模擬的に示す正面図。
【図6】従来技術における液流式処理装置の全体を模擬的に示す正面図。
【図7】従来技術における液流式処理装置の一部を模擬的に示す平面図。
【符号の説明】
【0035】
1…液流式染色装置、2…拡径部、3…引上げ部、4…方向転換部、6…後端部、61…布帛(繊維)、62…処理液、66…移送管
【出願人】 【識別番号】593203907
【氏名又は名称】株式会社テクサム技研
【出願日】 平成19年4月25日(2007.4.25)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣

【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠


【公開番号】 特開2008−274450(P2008−274450A)
【公開日】 平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願番号】 特願2007−115627(P2007−115627)