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【発明の名称】 熱接着加工用ポリアミド繊維
【発明者】 【氏名】藤田 友一

【氏名】西尾 俊幸

【氏名】西村 雅樹

【氏名】北村 和裕

【要約】 【課題】低温での熱処理により溶融して接着剤として機能し、各種の繊維素材やフィルム等の素材を接着加工する際に用いることができ、接着した素材は剥離しにくく、接着強力が高いものとなる熱接着加工用ポリアミド繊維を提供する。

【構成】ナイロン6、ナイロン11及びナイロン12成分を必須の共重合成分とし、かつ、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン613成分の中から選ばれる一つの成分を共重合成分として含有する共重合ポリアミド(ポリアミドA)を構成成分とする単糸からなるポリアミド繊維であって、単糸の長手方向に垂直に切断した横断面において、ポリアミドAが繊維表面に存在していることを特徴とする熱接着加工用ポリアミド繊維。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナイロン6、ナイロン11及びナイロン12成分を必須の共重合成分とし、かつ、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン613成分の中から選ばれる一つの成分を共重合成分として含有する共重合ポリアミド(ポリアミドA)を構成成分とする単糸からなるポリアミド繊維であって、単糸の長手方向に垂直に切断した横断面において、ポリアミドAが繊維表面に存在していることを特徴とする熱接着加工用ポリアミド繊維。
【請求項2】
ポリアミドAの融点が80〜100℃、湿融点が50〜75℃である請求項1記載の熱接着加工用ポリアミド繊維。
【請求項3】
ポリアミドAの相対粘度が2.3〜2.8である請求項1又は2記載の熱接着加工用ポリアミド繊維。
【請求項4】
接着加工温度120℃における、綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、アクリル繊維布帛との接着強度が10cN/dtex以上である請求項1〜3いずれかに記載の熱接着加工用ポリアミド繊維。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理することにより溶融し、繊維素材やフィルム状の素材を接着加工する際に用いることが好適なポリアミド繊維である。さらに詳細には、低温での熱処理により溶融し、かつ接着後の強力(接着強力)も高いものであって、種々の化学繊維や天然繊維素材との接着性に優れる熱接着加工用ポリアミド繊維に関するものである。
【背景技術】
【0002】
繊維製品やシート類、各種部品等において、熱処理することにより溶融するホットメルト型の接着剤が多く用いられている。
【0003】
このような接着剤として特許文献1には、繊維布帛を接着するのに好適なものであって、ナイロン成分の粉末からなるホットメルト型の接着剤が提案されている。
【0004】
また、このような接着剤を繊維状にすると、布帛に織り込んで使用することができるため、各種衣料用の製品やインテリア用の製品を得る際には有用なものとなる。そして、特許文献2には、ホットメルト型の接着性繊維が記載されている。
【0005】
特許文献2記載の接着性繊維は、接着時の熱処理を低温で行うことができ、多種類の素材との接着を行うことができるものであった。しかしながら、この接着性繊維は、特定の融点の共重合ポリアミドを用い、強伸度を特定の範囲にしただけのものであったので、製糸性よく得ることができ、加工性にも優れていたが、接着により剥離のしにくい、高接着性を要求される用途においては、接着強力が十分ではないものであった。
【特許文献1】特開平7−157743号公報
【特許文献2】特開2004−149971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題を解決し、低温での熱処理により溶融して接着剤として機能し、各種の繊維素材やフィルム等の素材を接着加工する際に用いることができ、接着した素材は剥離しにくく、接着強力が高いものとなる熱接着加工用ポリアミド繊維を提供することを技術的な課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決するために検討した結果、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明は、ナイロン6、ナイロン11及びナイロン12成分を必須の共重合成分とし、かつ、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン613成分の中から選ばれる一つの成分を共重合成分として含有する共重合ポリアミド(ポリアミドA)を構成成分とする単糸からなるポリアミド繊維であって、単糸の長手方向に垂直に切断した横断面において、ポリアミドAが繊維表面に存在していることを特徴とする熱接着加工用ポリアミド繊維を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の接着加工用ポリアミド繊維は、低温での熱処理により溶融して接着剤として機能し、各種の繊維素材やフィルム等の素材を接着加工する際に用いることができる。接着した素材は剥離しにくく、接着強力が高いものとなるため、各種の素材を用いて接着加工して製品を得る際に好適に使用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
本発明の熱接着加工用ポリアミド繊維(以下、ポリアミド繊維という。)は、ポリアミドAを構成成分とする単糸(以下、単糸Mという。)からなるものである。そして、ポリアミドAは、ナイロン6、ナイロン11及びナイロン12成分を必須の共重合成分とし、かつ、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン613成分の中から選ばれる一つの成分を共重合成分として含有する共重合ポリアミドである。
【0012】
ポリアミドAにおけるこれらの共重合比率(質量%)は、ナイロン6成分が20〜40質量%、ナイロン11成分が15〜35質量%、ナイロン12成分が20〜35質量%であることが好ましく、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン613成分の中から選ばれる一つの共重合成分の割合は15〜40質量%であることが好ましく、中でも20〜30質量%であることが好ましい。
【0013】
ポリアミドAを上記のような成分からなる共重合ポリアミドとすることにより、ポリアミドAの融点、湿融点及び相対粘度を特定の範囲のものとすることができるので、接着加工の処理温度を従来よりも低温とすることができ、かつ、高い接着強度を示すポリアミド繊維とすることができる。
【0014】
そして、ポリアミドAは融点が80〜100℃、湿融点が50〜75℃であることが好ましい。
【0015】
通常、接着強度を高くするためには、接着加工する場合の処理温度を、繊維を構成するポリマーの融点よりも20℃以上高くすることが望ましいが、接着加工時の熱処理により、被接着素材は少なからず熱履歴を経て、変質や性能低下を起こす。このため、接着成分となるポリマーの融点は低い方が望ましい。
【0016】
そこで、本発明におけるポリアミドAの融点は100℃以下とすることが好ましい。これにより、接着加工時の熱処理温度を120℃以下に抑えることができ、被接着素材の変質や性能低下を最小限に軽減することができる。また、エネルギー消費の観点、コストの点から見ても、接着加工時の熱処理温度は低い方が好ましい。
【0017】
また、用途によってはスチームを当てながら熱処理する場合等、湿熱条件下で接着加工する場合があるが、この場合、上記したような通常の接着加工時(乾熱加工時)よりも被接着素材はダメージを受けやすいため、湿熱条件下での熱処理条件は乾熱加工時よりもさらに低温とすることが好ましい。このため、ポリアミドAの湿融点は75℃以下とすることが好ましい。
【0018】
一方、融点が80℃未満であったり、湿融点が50℃未満になると、保管中や輸送中に高温多湿の環境になると、ポリアミド繊維の糸条同士が融着を起こし、解舒不良や糸質低下が発生するおそれがあり、また接着加工を施した被接着素材に熱処理を施すと、剥離したり、耐久性が乏しくなるため好ましくない。
【0019】
なお、本発明におけるポリアミドAの融点は、JIS−K7121に記載の方法に準じて、パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−2型を使用し、昇温速度20℃/分で測定した(DSC法)。
【0020】
また、本発明における湿融点は、次のような方法で測定する。本発明のポリアミド繊維(長さ30cm)の先端に繊度×1/30gのクリップ形状の荷重を取り付け、水温20℃の水槽中にポリアミド繊維の荷重を取り付けた方を下にし、長さ20cm分を完全に浸漬させて吊す。次に水温を12℃/分で昇温し、ポリアミド繊維が溶融し、荷重が落下した時点の水温を湿融点とする。
【0021】
さらに、接着強度に影響を与える要因として、ポリマーの相対粘度が挙げられる。ポリマーの相対粘度は低い方が、被接着物への浸透性が向上し、高い接着強度を得ることができる。繊維の糸質特性及び紡糸時の操業性に悪影響が出ない範囲で相対粘度を低く制御することで、低温熱処理で高い接着強度を得ることができる。
【0022】
このため、ポリアミドAは、相対粘度が2.3〜2.8であることが好ましい。相対粘度が2.8を超えると、接着加工時の熱処理により溶融したポリアミドAの粘度が高いものとなるため、結果的に被接着素材への浸透性が悪くなりやすい。このため、高い接着強度を得ることが困難となりやすい。一方、相対粘度が2.3未満であると、紡糸時の操業性や糸質特性が悪化しやすくなるため、好ましくない。
【0023】
なお、ポリアミドAの相対粘度は、97%硫酸を溶媒としてポリアミドの濃度が1g/dlになるように調整し、ウベローデ粘度管を用いて25℃で測定するものである。
【0024】
そして、本発明のポリアミド繊維は、前記したようなポリアミドAを構成成分とするものであるため、低温での接着加工が可能となり、接着加工温度120℃における各種素材との接着強度が10cN/dtex以上であることが好ましい。
【0025】
さらには、接着加工温度120℃における、綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、アクリル繊維布帛との接着強度が10cN/dtex以上であり、中でも12cN/dtex以上であることが好ましい。
【0026】
具体的には、綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、アクリル繊維布帛として、JIS L0803の染色堅ろう度試験用添付白布の表3「単一繊維布(1)の組成」に示される、綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、アクリル繊維の布帛を用い、これらをタテ11cm×ヨコ20cmの被接着布を2枚用意する。1枚の被接着布の上にタテ方向に1cm間隔で10本のサンプル(本発明のポリアミド繊維 長さ11cm)を並べ、その上にもう1枚の被接着布を重ね、この積層物をローラ温度120℃(接着加工温度)、ローラスピード0.5m/分、プレス圧力0.7kg/cmの条件で熱ローラに通し、布帛の片面を加熱することで熱圧着する。熱圧着後、室温で24時間放置した後、2枚の被接着布を島津製作所製のオートグラフAGS−50Dのチャックで挟み、剥がし速度25cm/分の条件で強力を測定し、サンプル(本発明のポリアミド繊維)の繊度で除した値とする。
【0027】
接着強度が10cN/dtex未満であると、本発明のポリアミド繊維を用いて接着させて得られた製品は、短期間の使用で被接着物間に剥離が生じ、製品価値を失ったり、機能が低下することとなる。接着強度の上限としては特に限定するものではないが、ポリアミドAを構成成分とするものであることから、10〜30cN/dtexとすることが好ましい。
【0028】
次に、本発明のポリアミド繊維の形態について説明する。本発明のポリアミド繊維は、マルチフィラメントであってもモノフィラメントであってもよい。つまり、本発明のポリアミド繊維が単糸M1本のみからなる場合はモノフィラメントであり、単糸Mを複数本、もしくは単糸Mと他の単糸複数本とからなる場合はマルチフィラメントである。マルチフィラメントの一部の単糸のみが単糸Mであるマルチフィラメントとしては、他の単糸と単糸Mとを引き揃えたものや混繊、共紡糸して得られたものが挙げられる。
【0029】
本発明のポリアミド繊維を構成する単糸Mは、ポリアミドAのみからなる単一型のものとすることが好ましいが、ポリアミドA以外の他の構成成分も含有するものであってもよく、ポリアミドAと他の構成成分との複合繊維であってもよい。複合繊維とする場合は、ポリアミドAの割合を単糸M中の50質量%以上とすることが好ましい。
【0030】
そして、単糸Mは、繊維の長手方向に垂直に切断した横断面において、ポリアミドAが繊維表面に存在していることが必要である。単糸Mが、ポリアミドAのみからなる単一型のものである場合は、ポリアミドAが繊維表面の全周長に存在するが、ポリアミドAと他の構成成分との複合繊維である場合は、ポリアミドAが繊維表面に存在しており、中でも周長の1/3以上、さらには1/2以上を占めるように存在していることが好ましい。
【0031】
単糸MがポリアミドAと他の構成成分との複合繊維である場合、複合形態としては、ポリアミドAと他の構成成分とがサイドバイサイド型に貼り合わされたものや、ポリアミドAが周長の全てを占め、芯部に他の構成成分を配した芯鞘型や海島型の複合繊維とすることが好ましい。
【0032】
なお、他の構成成分としては、繊維形成能のある熱可塑性樹脂であれば特に限定するものではないが、ポリアミドAとの相溶性を考慮すると、ポリアミド成分とすることが好ましい。
【0033】
本発明のポリアミド繊維は、前記したようにマルチフィラメントの一部の単糸のみが単糸Mであってもよいが、繊維質量に対するポリアミドAの割合を30質量%以上とすることが好ましく、中でも40質量%以上とすることが好ましい。30質量%未満であると、接着成分であるポリアミドAの割合が少なくなりすぎ、接着強度の低いものとなる。
【0034】
また、本発明のポリアミド繊維中には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて酸化防止剤のような安定剤や蛍光剤、顔料、抗菌剤、消臭剤、強化剤等を添加してもよい。
【0035】
そして、本発明のポリアミド繊維は、強度が1.5〜3.5cN/dtexであることが好ましく、伸度は50〜120%であることが好ましい。また、長繊維でも繊維長が100mm以下の短繊維状のものであってもよく、総繊度は20〜220dtexとすることが好ましい。
【0036】
本発明のポリアミド繊維の製造方法について、一例を用いて説明する。
【0037】
ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12成分及びナイロン66成分を共重合したポリアミドAを得る。このとき、カプロラクタム(ナイロン6成分)、11−アミノウンデカン酸(ナイロン11成分)、ラウリンラクタム(ナイロン12成分)、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル量付加物(ナイロン66成分)を撹拌機を備えた重縮合反応器に添加し、重縮合反応を行った。
【0038】
このポリアミドAを溶融紡糸し、一旦捲き取ることなく連続して延伸を行い捲き取る一工程化法と、紡糸後、延伸することなく一旦捲き取り、その未延伸糸を延伸工程に導き延伸を行う二工程法のいずれで製造してもよい。
【0039】
だだし、二工程法で製造する場合は未延伸糸を一旦捲き取る必要があり、延伸工程に導く際に延伸糸をパッケージから解除する必要がある。未延伸糸の状態では配向が進んでいないため、解舒性に劣る傾向があり、本発明の熱接着加工用ポリアミド繊維を製造する方法は一工程法とすることが好ましい。
【0040】
そこで、本発明のポリアミド繊維を製造する方法としては、ポリアミドAを溶融紡糸後、一旦捲き取ることなく、連続して延伸し、複数のローラ間で1.02〜1.2倍で延伸し、最終ローラとワインダー間の糸条の張力を1.0cN/dtex以下となるようにして捲き取ることが好ましい。延伸を行うことにより、繊維の結晶配向度を高め、糸条の膨潤を防ぐことができるので、捲姿よく捲き取ることができ、その後も膨潤が少なく、捲姿が乱れることがない。上記のような延伸倍率は、紡糸後糸条を引取、捲き取るまでの複数のローラ間で延伸を行った合計とすればよく、特に延伸する位置を限定するものではない。さらに、この際、最終ローラとワインダー間の糸条張力が高すぎると、製品の捲姿が剛直となり、解舒性、製品収率を悪化させるため、最終ローラとワインダー間の糸条の張力を1.0cN/dtex以下、より好ましくは0.05〜0.07cN/dtexの張力として捲き取ることにより、良好な製品として得ることが可能となる。最終ローラとワインダー間の糸条の張力が1.0cN/dtexを超えると、製品の捲姿が剛直となり、解舒性が悪くなりやすい。また、捲取時にも捲姿が乱れやすく、製品収率が悪化しやすい。
【実施例】
【0041】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、実施例における各物性値は、次の方法で測定した。
(a)ポリアミドの融点、湿融点、相対粘度、
前記の方法で測定した。
(b)切断強度、伸度
JIS L−1013に従い、島津製作所製オートグラフDSS−500を用い、つかみ間隔25cm、引張速度30cm/分で測定した。
(c)接着強度
綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、アクリル繊維布帛との接着強度を前記の方法で測定した。
【0042】
実施例1
カプロラクタム(ナイロン6成分)30質量%、11−アミノウンデカン酸(ナイロン11成分)20質量%、ラウリンラクタム(ナイロン12成分)30質量%、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル量付加物(ナイロン66成分)20質量%を撹拌機を備えた重縮合反応器に添加した。反応器を窒素雰囲気下で290℃まで加熱しながら、25atmまで加圧した後、3時間撹拌し重縮合反応を行った。2時間かけて常圧まで戻した後、窒素雰囲気下でさらに2時間撹拌し、後重合を行った。得られた重縮合反応生成物を常法によりペレット化し、共重合ポリアミド(ポリアミドA)を得た。
このポリアミドAをエクストルーダー型溶融紡糸機を用い、ノズル孔径0.4mm、ホール数12の紡糸口金を通じて紡糸温度140℃で溶融紡糸を行った。紡出した糸条を第1ローラ速度3810m/分、第2ローラ速度を3890m/分とし、ローラ間で延伸を施した後、捲取速度3850m/分で捲き取り、110dtex/12fのポリアミド繊維を得た。
【0043】
実施例2〜5、比較例1〜3
カプロラクタム、11−アミノウンデカン酸、ラウリンラクタムの割合を表1に示すように変更し、さらには、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル量付加物、ヘキサメチレンジアミンとアゼライン酸の等モル量付加物(ナイロン69成分)、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の等モル量付加物(ナイロン610成分)、ヘキサメチレンジアミンとドデカンジカルボン酸の等モル量付加物(ナイロン612成分)、ヘキサメチレンジアミンとブラシリン酸の等モル量付加物(ナイロン613成分)の量を表1に示す値に変更して、重縮合反応器に添加した以外は、実施例1と同様に行い、ポリアミド繊維を得た。
【0044】
実施例1〜5、比較例1〜3で得られたポリアミドA、ポリアミドAからなるポリアミド繊維の特性値を表1に示す。
【0045】
【表1】


【0046】
表1から明らかなように、実施例1〜5で得られたポリアミド繊維は、本発明記載のポリアミドAを構成成分とする単糸からなるものであったため、接着加工温度120℃における、綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、アクリル繊維布帛との接着強度が10cN/dtex以上であり、強伸度特性も良好なものであった。
【0047】
一方、比較例1では、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン613成分の中から選ばれる一つの成分を共重合成分として含有していないため、比較例2では、ナイロン6成分を共重合成分として含有していないため、得られたポリアミドの融点、湿融点は高く、相対粘度も高いものとなり、得られたポリアミド繊維は、各素材に対する接着強度が低いものとなった。また、比較例3では、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン613成分の中から選ばれる二つの成分を共重合成分として含有しているため、得られたポリアミドの融点、湿融点が低く、相対粘度も低いものとなり、得られたポリアミド繊維は、強伸度が低く、解舒性も劣ったものとなった。

【出願人】 【識別番号】399065497
【氏名又は名称】ユニチカファイバー株式会社
【出願日】 平成18年8月1日(2006.8.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−38260(P2008−38260A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−209917(P2006−209917)