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【発明の名称】 複合繊維およびそれを用いた繊維製品
【発明者】 【氏名】中村 浩太

【氏名】三原 崇晃

【氏名】二井 克典

【要約】 【課題】従来のポリ乳酸繊維で大きな問題となっていた加水分解による劣化問題を解決するだけでなく、さらに耐摩耗性等の機能を付与した複合繊維を提供する。

【構成】(A)トリアジン骨格を有する1〜3官能のグリシジル変性化合物によってカルボキシル末端の一部又は全部が封鎖されてなるポリ乳酸樹脂を含有するポリ乳酸樹脂組成物と、少なくとも1種以上の(B)熱可塑性樹脂組成物を複合してなる複合繊維。複合形式は芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型あるいはブレンド型とすることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(I)で表される、少なくとも1種の化合物によってカルボキシル末端の一部又は全部が封鎖されてなるポリ乳酸樹脂を含有するポリ乳酸樹脂組成物と、少なくとも1種以上のポリ乳酸樹脂以外の熱可塑性樹脂を含有する(B)熱可塑性樹脂組成物を複合してなる複合繊維。
【化1】


(ここで、R〜Rの内、少なくとも1つはグリシジル基であり、残りは水素、炭素原子数1〜10のアルキル基、水酸基、アリル基から選ばれた基を表す。)
【請求項2】
複合形式が芯鞘複合型または海島複合型であることを特徴とする請求項1記載の複合繊維。
【請求項3】
複合形式がサイドバイサイド型であることを特徴とする請求項1記載の複合繊維。
【請求項4】
複合形式がブレンド型であることを特徴とする請求項1記載の複合繊維。
【請求項5】
一般式(I)で表される化合物の添加量がポリ乳酸樹脂組成物全体の0.1〜5重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の複合繊維。
【請求項6】
一般式(I)で表される化合物がジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、またはトリグリシジルイソシアヌレートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の複合繊維。
【請求項7】
(B)熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂と、(A)ポリ乳酸樹脂組成物中のポリ乳酸樹脂との融点差が150℃以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の複合繊維。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の複合繊維を少なくとも構成要素の一部とする繊維製品。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ乳酸樹脂組成物を用いた複合繊維に関するものであり、詳しくは耐加水分解 性に優れるだけでなく、耐摩耗性等の様々な機能を付与することができるポリ乳酸樹脂組成物を用いた複合繊維に関する。
【背景技術】
【0002】
非石油系原料から得られるポリ乳酸樹脂は、燃焼や廃棄を行っても環境負荷の小さい樹脂として近年注目されている。また、このポリ乳酸樹脂を用いたポリ乳酸繊維は独特の光沢を有し、染色した時の発色性や触感が良く、独特の風合いを有することから、シャツ、ハンカチ等の衣料用や車用オプションマット、カーテン、家庭用ロールカーペットやラグ等のインテリア用途、さらには水切りゴミ袋、育苗マット、土木用織編物、植生用防草シート、安全ネット、建築用ネット等の産業用途等、各種の繊維製品として実用化に向けた検討が進められている。
【0003】
上記の如く各種用途に展開されているポリ乳酸繊維であるが、その原料となるポリ乳酸樹脂は従来の汎用樹脂と比較して耐加水分解性に劣る、耐摩耗性に劣る、得られる繊維が硬い等、様々な課題を抱えている。中でも最も問題となっているのは耐加水分解性の低さであり、例えば農業用資材や土木用資材に用いた場合には、加水分解により必要とされる期間の強度を保持できないという問題がある。
【0004】
従来技術の中で、ポリ乳酸繊維の耐加水分解性に優れたポリ乳酸繊維を得る技術として特許文献1〜5等が提案されている。
【0005】
特許文献1には、カルボジイミド化合物を添加してポリ乳酸の加水分解を抑制する技術が開示されている。また特許文献2および3には、それぞれオキサゾリン化合物、エポキシ化合物を添加することでポリ乳酸の加水分解を抑制する技術が開示されている。また特許文献4には、ポリ乳酸を芯部に、ナイロン6を鞘に配した複合繊維とすることで、通常のポリ乳酸単成分繊維と比較して耐加水分解性を向上させる技術が記載されている。さらに特許文献5には、芯部を形成する熱可塑性樹脂が脂肪族ポリエステル、鞘部を形成する熱可塑性樹脂が融点200℃以上の結晶性ポリエステルである芯鞘複合繊維の芯部および/または鞘部に相溶化剤としてトリグリシジルイソシアヌレートを使用することが記載されている。
【特許文献1】特開2003−301327号公報
【特許文献2】特開2001−323056号公報
【特許文献3】特開2001−335626号公報
【特許文献4】特開2004−197276号公報
【特許文献5】特開2005−187950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載のカルボジイミド化合物(以下、PCIと略す場合がある)を添加してポリ乳酸繊維を得ようとした場合には、ポリ乳酸繊維製造工程において、カルボジイミド化合物に由来するイソシアネートが発生するため、作業環境が悪化するという問題を有していた。また本発明者らが特許文献2および3記載の方法を追試したところ、該化合物とカルボキシル末端との反応性が悪く、通常の紡糸方法ではカルボキシル末端の封鎖性が不十分であるとの結果であった。
【0007】
また特許文献4記載の技術を用いた場合、吸湿性に優れる鞘のナイロン6を通じてポリ乳酸が水分を取り込んでしまうため、単成分のポリ乳酸繊維と比べると耐加水分解効果が得られるものの、いまだ市場要求を満足しないものであった。さらに特許文献5の技術はポリ乳酸を用いた複合繊維の耐摩耗性のみを向上させる技術であり、他の様々な機能の付与の点で不十分であった。さらに、特許文献5の技術では、鞘部の皮膜厚さが0.4μm以上である必要があるが、鞘部の厚さが制限され、効果が発現しない。
【0008】
また、特許文献5にはトリグリシジルイソシアヌレートの使用が示唆されているが、トリグリシジルイソシアヌレートは通常の溶融紡糸方法では製糸方法が悪く、工業的に生産可能なレベルでの製糸が困難であった。
【0009】
本発明は、従来のポリ乳酸繊維で大きな問題となっていた加水分解による劣化問題を解決するだけでなく、さらに製糸性の良さ、耐磨耗性等の機能を付与できる複合繊維を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らが前述の課題について鋭意検討した結果、(A)下記一般式(I)で表される、少なくとも1種の化合物によってカルボキシル末端の一部又は全部が封鎖されてなるポリ乳酸樹脂を含有するポリ乳酸樹脂組成物と、少なくとも1種以上のポリ乳酸樹脂以外の熱可塑性樹脂を含有する(B)熱可塑性樹脂組成物を複合してなる複合繊維が前述の課題を解決することを見出した。
【0011】
【化1】


【0012】
(ここで、R〜Rの内、少なくとも1つはグリシジル基であり、残りは水素、炭素原子数1〜10のアルキル基、水酸基、アリル基から選ばれた基を表す。)
さらに、本発明の複合繊維は以下の(1)〜(6)を好ましい形態とする。
(1)複合形式が芯鞘複合型、または、海島複合型であること。
(2)複合形式がサイドバイサイド型であること。
(3)複合形式がブレンド型であること。
(4)上記式(I)で表される化合物の添加量がポリ乳酸樹脂組成物全体の0.1〜5重量%であること。
(5)上記式(I)で表される化合物がジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、およびトリグリシジルイソシアヌレートから選ばれる1種以上であること。
(6)熱可塑性樹脂と、上記式(I)で表される少なくとも1種の化合物によってカルボキシル末端の一部又は全部が封鎖されてなるポリ乳酸樹脂との融点差が150℃以下であること。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、ポリ乳酸繊維において大きな問題となっていた加水分解による劣化問題を解決するだけでなく、さらに耐摩耗性等の機能を付与した複合繊維が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の複合繊維に用いるポリ乳酸樹脂は、L−乳酸および/またはD−乳酸を主成分とする乳酸を重合してなるポリ乳酸樹脂であって、その分子量に特に限定は無い。しかしながら、分子量が高すぎると製糸性が悪化する可能性が、分子量が低すぎると繊維として必要な強度が得られない可能性があることから、重量平均分子量(Mw)は10万〜50万の範囲にあることが好ましい。また、さらに好ましいMwの範囲としては15万〜30万の範囲を例示できる。
【0015】
本発明の複合繊維に用いるポリ乳酸樹脂は乳酸と共重合可能な成分との共重合体であってもよい。ポリ乳酸を主体とする共重合物としては、前記乳酸と、例えばε−カプロラクトン等の環状ラクトン類、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸等のα−オキシ酸類、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のジオール類、コハク酸、セバシン酸、等のジカルボン酸類から選ばれるモノマーの一種又は二種以上を共重合したもの等を例示することができる。共重合の割合としては特に限定されないが、乳酸100重量部に対して、共重合させるモノマーは100重量部以下が好ましく、1〜50重量部がより好ましい。
【0016】
また、本発明の複合繊維に用いるポリ乳酸樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂とブレンド可能な物をブレンドしても良く、ブレンド可能な熱可塑性ポリマーとしては、溶融粘度を低減させるため、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、およびポリエチレンサクシネートのような脂肪族ポリエステルポリマーを例示することができる。
【0017】
更には、本発明の複合繊維に用いるポリ乳酸樹脂組成物には艶消し剤、難燃剤、耐熱剤、耐光剤、紫外線吸収剤、着色顔料等として無機微粒子や有機化合物を必要に応じて添加することができる。しかしながら、昨今の環境問題を鑑みると、石油系ポリマーのブレンド、該成分の共重合等は極力避け、また各種添加剤も、重金属化合物や環境ホルモン物質は勿論、現時点でその懸念が予想される化合物の一切を用いないものであることが好ましい。
【0018】
本発明の複合繊維に用いるポリ乳酸樹脂は、上記式(I)で表される少なくとも1種の化合物によってカルボキシル末端基の一部又は全部が封鎖されてなることが必要である。上記式(I)で表される少なくとも一種の化合物によってカルボキシル末端基の一部又は全部が封鎖されることで、本発明の複合繊維の耐加水分解特性が飛躍的に向上する。
【0019】
上記式(I)で示される化合物は、トリアジン骨格を有する1〜3官能のグリシジル変性化合物であり、上記式(I)で示される化合物の内、R〜Rの少なくとも1つがグリシジル基である必要がある。トリアジン骨格に前記グリシジル基が1〜3個有することで、比較的低温で成形するポリ乳酸を含む複合繊維の紡糸においても高効率でカルボキシル末端基と反応する。また、カルボジイミド化合物のように増粘することがないため、溶融紡糸や延伸工程で分子鎖の配向を阻害することなく、末端封鎖した後も優れた力学特性、製糸性を示す。また、該化合物は耐熱性が高く、高温で成形しても着色の問題がない。
【0020】
なお、R〜Rのうちグリシジル基は好ましくは1〜2個であり、さらに好ましくは1個である。勿論、グリシジル基の数が異なる化合物が複数混合されていてもよい(通常は上記式(I)の合成段階でグリシジル基の数が1〜3個の混合物が分布を持って形成される)。
【0021】
また、R〜Rのうち、グリシジル基以外の基は水素、炭素原子数1〜10のアルキル基、水酸基、アリル基から選ばれる基である。ここで、アルキル基中の炭素原子数は少ない方がよく、炭素原子数1〜5であることが好ましい。上記の中でも、特に末端封鎖性と繊維の力学特性が優れるという点で、上記式(I)で表される化合物としてジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(以下、DAMGICと記載)、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート(以下、MADGICと記載)、トリグリシジルイソシアヌレート(以下、TGICと記載)が好ましく用いられる。
【0022】
また、本発明の複合繊維に用いるポリ乳酸樹脂は、前記の上記式(I)の化合物によりポリ乳酸樹脂末端のカルボキシル基の一部又は全部が封鎖されていることから、カルボキシル基末端濃度が低いものである。ここで、カルボキシル基末端濃度とは、ポリマーのカルボキシル基末端だけでなく、残存オリゴマーやモノマー由来のものも併せたトータルのカルボキシル基末端量を指す。本発明において、十分な耐加水分解性を与えるためにはカルボキシル基末端濃度は25当量/t以下にすることが好ましく、より好ましくは15当量/t以下、さらに好ましくは10当量/t以下、特に好ましくは5当量/t以下である。
【0023】
カルボキシル基末端濃度は以下の方法で測定することができる。
【0024】
複合繊維からポリ乳酸樹脂のみを取り出し、精秤した試料をo−クレゾール(水分5%)に溶解し、この溶液にジクロロメタンを適量添加した後、0.02規定のKOHメタノール溶液にて滴定することにより求めた。この時、乳酸の環状2量体であるラクチド等のオリゴマーが加水分解し、カルボキシル基末端を生じるため、ポリマーのカルボキシル基末端およびモノマー由来のカルボキシル基末端、オリゴマー由来のカルボキシル基末端の全てを合計したカルボキシル基末端濃度が求まる。また、ブレンド繊維等、複合繊維中のポリ乳酸を取り出すことが困難な場合は、複合繊維製造マシンを用いて、上記式(II)で表される化合物を含むポリ乳酸樹脂を単成分系にすること以外は同一条件で紡糸して得られた繊維のカルボキシル末端濃度を求めても良い。
【0025】
また、耐加水分解性を持続させるために、未反応の上記式(I)で表される化合物を残存させることが好ましい。そのように設計することで、新たに加水分解でできたカルボキシル基末端も封鎖されるのである。カルボキシル基末端濃度は、上記式(I)で表される化合物の添加量によって、制御することができる。ここで、上記式(I)の化合物の添加量は、エポキシ基当量としてポリ乳酸樹脂のトータルカルボキシル基末端量の1.05倍当量以上にすることが好ましい。そのため、該化合物の添加量は原料となるポリ乳酸樹脂のトータルカルボキシル基末端量に依存するが、上記式(I)で表される化合物の添加量はポリ乳酸樹脂の全体に対する含有量は通常0.1〜5重量%である。なお、上記式(I)で表される化合物のR〜Rのうち、グリシジル基の数が2乃至3の場合には脂肪族ポリエステルの鎖連結や架橋反応により、ポリマーのMw/Mnが大きくなる傾向にある。また、未反応物があまりに過剰であると、溶融紡糸や布帛製造工程にて繊維系外へ排出され、本来の目的として使われることがなくなる。そのため、上記式(I)で表される化合物の添加量はポリ乳酸樹脂との合計量に対して0.2〜5重量%であることが好ましく、0.3〜3重量%であることがより好ましい。さらに好ましくは0.4〜2重量%である。
【0026】
また、上記上記式(I)で表される化合物の他、カルボキシル基末端と反応性のあるオキサゾリン基、カルボジイミド基、アジリジン基、イミド基、イソシアナート基を持つ化合物を併用して添加してもよい。このような化合物の具体例としては、ジイソプロピルフェニルカルボジイミドやフェニレンビスオキサゾリン等が挙げられる。
【0027】
また、上記式(I)で表される化合物とカルボキシル末端基とを効率よく反応させるために、カルボン酸の金属塩、特に金属をアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、さらに3級アミン化合物、イミダゾール化合物、第4級アンモニウム塩、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩、リン酸エステル、有機酸、ルイス酸が挙げられ、その具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、水素化ほう素ナトリウム、水素化ほう素リチウム、フェニル化ほう素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、同二カリウム塩、同二リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、同カリウム塩、同リチウム塩、同セシウム塩などのアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウムなどのアルカリ土類金属化合物、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリアミルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリエチレンジアミン、ジメチルフェニルアミン、ジメチルベンジルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルアニリン、ピリジン、ピコリン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの3級アミン、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−フェニル−2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリプロピルベンジルアンモニウムクロライド、N−メチルピリジニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィンなどのホスフィン化合物、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルベンジルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリ(p−ヒドロキシ)フェニルホスフェート、トリ(p−メトキシ)フェニルホスフェートなどのリン酸エステル、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの有機酸、三フッ化ホウ素、四塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズなどのルイス酸などが挙げられ、これらは1種または2種以上使用することができる。中でも、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、ホスフィン化合物、リン酸エステルを使用するのが好ましく、特にアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の有機塩を好ましく使用することができる。特に好ましい化合物は、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムである。さらにアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭素数6以上の有機塩が好ましく、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウムとした触媒を添加すると、反応効率を高めることができ好ましい。また、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム、乳酸マグネシウムなどの乳酸をベースとした触媒を用いることもポリ乳酸との相溶性がよく好ましい。その他、触媒添加による樹脂の耐熱性低下を防止する目的で、ステアリン酸金属塩などの比較的分子量の大きな触媒を単独または併用することもできる。なお、該触媒の添加量は、分散性、反応性を制御する上で、繊維に対して5〜2000ppm添加することが好ましい。より好ましくは10〜1000ppm、さらに好ましくは20〜500ppmである。
【0028】
本発明の複合繊維は前述の(A)ポリ乳酸樹脂組成物と、少なくとも1種以上の(B)熱可塑性樹脂組成物を複合してなることが必要である。(A)ポリ乳酸樹脂組成物と、少なくとも1種以上の(B)熱可塑性樹脂組成物を複合することで、非石油原料由来であるため環境に非常に優しいポリ乳酸樹脂製品を高機能化することが可能となる。(A)ポリ乳酸樹脂組成物と複合する(B)熱可塑性樹脂組成物として特に限定は無く、必要な機能に応じて適宜変更すればよい。このように、(A)ポリ乳酸樹脂組成物と複合する(B)熱可塑性樹脂組成物を自由に変更できる点も本発明の優れた点である。
【0029】
(A)ポリ乳酸樹脂組成物と複合する(B)熱可塑性樹脂組成物としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート(以下、PPTと略す)、ポリ乳酸(以下、PLAと略す)、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリアリレート等の脂肪族および/または芳香族ポリエステル系樹脂、ナイロン6(以下、N6と略す)、ナイロン66、ナイロン610、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド等のポリアミド樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−塩化ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン等のポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、PPS樹脂等を使用することで、ポリ乳酸樹脂を改質するよりも遥かに低コストで、例えば弾性率の向上、耐摩耗性の向上、耐熱性の向上、難燃性の付与、高強度化等が可能となる。
【0030】
(A)ポリ乳酸樹脂組成物と複合する(B)熱可塑性樹脂組成物は、共重合体であっても、熱可塑性樹脂とブレンド可能な有機および/または無機物質とのブレンド物であっても良く、また、さらなる高機能化のために、艶消し剤、難燃剤、耐熱剤、耐光剤、紫外線吸収剤、着色顔料等として無機微粒子や有機化合物を必要に応じて添加することができる。
【0031】
(A)ポリ乳酸樹脂組成物と(B)熱可塑性樹脂組成物の複合化の方法に特に限定は無く、溶融複合、溶液複合等、繊維形成時に複合化する方法や、一度得られた繊維に溶融被覆を施す被覆法等を自由に採用すればよい。
【0032】
複合形状に特に限定は無く、芯鞘複合、海島複合、サイドバイサイド、ブレンドといった複合形状を採用することができ、例えば、本発明複合繊維の耐摩耗性や難燃性を向上させたい場合には芯鞘複合型や海島複合型が好ましい。また、自己捲縮機能を付与したい場合にはサイドバイサイド型が、ポリ乳酸樹脂と他の熱可塑性樹脂を相溶したい場合、または、一方の樹脂を微分散させたい場合にはブレンド型を採用することが好ましい。特に、耐摩耗性向上効果の期待できる芯鞘複合型、海島複合型、ブレンド型複合繊維においてはポリアミド系樹脂等の耐摩耗性に優れる樹脂を使用することで更なる耐摩耗性向上効果を得ることができる。また、本発明の複合成分は3成分以上のポリマーよりなる複合繊維でも良い。
【0033】
本発明の複合繊維は複合形態、使用ポリマー種、複合比率の変更により分解速度をコントロールできる特徴も有している。
【0034】
複合する樹脂の比率としても特に限定は無いが、(A)ポリ乳酸樹脂組成物の有する非石油原料由来の特徴を活かすために、(A)ポリ乳酸樹脂組成物の比率が5〜99体積%が好ましく、さらに好ましくは20〜90体積%、より好ましくは30〜90体積%の範囲を例示することができる。
【0035】
また、本発明の複合繊維の断面形状もなんら制限されるものではなく、扁平断面、三葉断面、中空断面、Y型断面、田型断面、C型断面、W型断面、三角断面、またはそれらの組み合わせ等を自由に採用することができる。
【0036】
本発明の複合繊維で用いるポリ乳酸樹脂と熱可塑性樹脂の融点の差は150℃以下の範囲であることが好ましい。ポリ乳酸樹脂と熱可塑性樹脂の融点差が前記範囲を超える場合には、例えば溶融紡糸の際に低融点側の樹脂が熱分解を起こす可能性や複合異常が発生する可能性がある。さらに好ましい融点差の範囲として60℃以下を例示することができる。
【0037】
本発明の複合繊維はモノフィラメント、マルチフィラメント、スリットヤーン、短繊維、不織布等の形態を採用できる。繊度に関しても特に限定は無く、用途に応じて適宜繊度を変更することができる。使用できる総繊度の範囲としては20〜10000dtex、好ましくは300〜3000dtexの範囲を例示でき、単糸繊度の範囲としては0.02dtex〜10000dtex、好ましくは0.1dtex〜3000dtexの範囲を例示することができる。
【0038】
本発明の複合繊維は、実用的な観点から強度が1.5cN/dtex以上、より好ましくは2.5cN/dtex以上、さらに好ましくは3.0cN/dtexである。一方、強度に上限は無いが、現在の技術で安定して製造できる範囲として10.0cN/dtex以下を例示することができる。また、伸度は用途により適宜選択すれば良く、例えば10〜300%の範囲を例示することができる。さらに好ましい範囲として10〜100%とすれば高強度で寸法安定性に優れた複合繊維を得ることが可能であり、100〜300%とすれば複合繊維の柔軟性を付与することが可能である。複合繊維の沸騰水収縮率は0〜20%であれば繊維および繊維製品の寸法安定性が良好であり好ましい。前述の複合繊維物性は紡糸温度、紡糸速度、延伸温度、延伸倍率等により制御することが可能である。沸騰水収縮率の測定方法としては、試料を沸騰水に15分間浸積し、浸積前後の寸法変化から次式により求める。
沸騰水収縮率(%)=[(L0−L1)/L0]×100
L0:試料をかせ取りし、初荷重0.088cN/dtex下で測定したかせ長。
L1:L0を測定したかせを荷重フリーの状態で沸騰水処理し、風乾後、初荷重0.088cN/dtex下で測定されるかせ長。
【0039】
本発明の複合繊維は、以下に説明する製造方法によって製造することができる。
前述のポリ乳酸樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく。特開平6−65360号記載の方法(直接脱水縮合法)、特開平7−173266号に記載の方法(少なくとも2種類のホモポリマーを重合触媒の存在下、共重合並びにエステル交換反応させる方法)、米国特許第2,703,316号明細書に記載されている方法(乳酸を一旦脱水し、環状二量体とした後に開環重合する間接重合法)等を採用することができる。
【0040】
前述の上記上記式(I)で表される化合物は、例えばTGICの場合はイソシアヌル酸とエピクロロヒドリンを触媒下で反応させて製造することができる。なお、TGIC中の残留エピクロロヒドリンの量は少ないほど溶融成型時の揮発が少なく好ましい。TGIC中のエピクロロヒドリンの濃度は好ましくは0〜1000ppm、より好ましくは0〜500ppm、さらに好ましくは0〜200ppmである。
【0041】
芯鞘複合マルチフィラメントを例にとり、上記本発明の複合繊維の製造方法を詳述するため、典型的な直接溶融紡糸延伸プロセスの一例を図1に示した。図1のプロセスは、「プレストレッチ−3段延伸−リラックス」法であるが、もちろん上記要件を満足する限り本発明の複合繊維の製造方法はこのプロセスに限定されるものではなく、未延伸糸を一旦巻き取った後に延伸工程に供する方法や、高速紡糸法等を自由に採用することができる。
【0042】
上記上記式(I)で表される化合物によってカルボキシル末端が封鎖されたポリ乳酸樹脂は、ポリ乳酸樹脂に上記式(I)で表される化合物を添加し、溶融状態、もしくは溶液状態で混合し、両者を反応させることにより製造することができ、例えば、ポリ乳酸樹脂の重縮合反応終了直後の溶融状態において上記式(I)で表される化合物を添加し攪拌して反応させる方法、ポリ乳酸樹脂のチップに上記式(I)で表される化合物を添加して混合した後に反応缶あるいはエクストルーダーなどで溶融混練して反応させる方法、エクストルーダーでポリ乳酸樹脂に液状化した上記式(I)で表される化合物を連続的に添加し、溶融混練して反応させる方法、上記式(I)で表される化合物を高濃度含有させたポリ乳酸樹脂のマスターチップと、ポリ乳酸樹脂のホモチップとを混合したブレンドチップを、紡糸時にエクストルーダーなどで混練・反応させる方法などにより行うことができる。
【0043】
マスターチップを製造する場合の、上記式(I)で表される化合物の添加量は、ポリ乳酸樹脂との合計量に対して1〜40重量%であることが好ましく、3〜20重量%であることがより好ましい。
【0044】
また、溶融紡糸に供する場合には、ポリ乳酸樹脂の水分率はポリ乳酸樹脂の加水分解を抑制するために200ppm以下であることが好ましい。
【0045】
紡糸温度は、用いるポリ乳酸樹脂の融点や(A)ポリ乳酸樹脂組成物と共に複合化される(B)熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の融点に左右されるが、高融点側樹脂の融点よりも少なくとも20℃以上高い温度で紡糸をすることが製糸性の観点から好ましい。
【0046】
以下、本発明の複合繊維の製造方法を図1を参照して具体的に説明する。
【0047】
ホッパー(1)(図示せず)より充填してエクストルーダー(2)(図示せず)にて溶融混練した上記式(I)で示される化合物を高粘度で含有した(A)ポリ乳酸樹脂組成物のマスターチップとポリ乳酸樹脂のホモチップと、別のホッパー(1)(図示せず)より充填して別のエクストルーダー(2)(図示せず)を用いて溶融混練した(B)熱可塑性樹脂組成物を、芯鞘複合紡糸パック(3)に導入し、複合口金などの紡糸口金(4)より吐出する。
【0048】
上記式(1)で示される化合物、特にトリグリシジルイソシアヌレートは通常の溶融紡糸方法では製糸方法が悪く、工業的に生産可能なレベルでの製糸が困難であり、かかる問題を解決すべく、本発明の複合繊維の製造方法では2軸エクストルーダーの如く2つ以上の軸を有するエクストルーダーを用いて製糸することが重要である。すなわち、上記式(1)で示される化合物はポリ乳酸との反応性が低く、通常の溶融紡糸で使用される1軸エクストルーダーやプレッシャーメルター型溶融装置を用いた製造方法では未反応部と反応部が混在するため製糸性が悪くなる問題を有している。上記式(1)で示される化合物とポリ乳酸との反応は、目的の最終濃度となるように混合した上記式(1)の化合物とポリ乳酸樹脂を2軸エクストルーダーで溶融混練して得られる、所謂オールマスターチップを通常の溶融紡糸装置を用いて静止することもできるが、製造コスト、ハンドリングの観点から、予め、上記式(1)で示される化合物が高濃度となる様に2軸エクストルーダーで溶融混練して得られたマスターバッチとポリ乳酸樹脂とを混合し、2軸エクストルーダーを組み込んだ紡糸装置で紡糸することが好ましい。
【0049】
紡糸口金の直下は、紡糸口金面より0〜15cmを上端とし、その上端から5〜100cmの範囲を加熱筒および/または断熱筒で囲み、紡出糸条を200〜280℃の高温雰囲気中を通過させることが好ましい。紡出した糸条を直ちに冷却せず、上記加熱筒および/または断熱筒で囲まれた高温雰囲気中の徐冷ゾーン(5)を通して徐冷することにより、紡出された糸条の配向が緩和され、かつ単繊維間の分子配向均一性を高めることができる。一方、高温雰囲気中を通過させることなく直ちに冷却すると、未延伸糸の配向が高まり、かつ単繊維間の配向度分布が大きくなる。かかる未延伸糸条を熱延伸すると、結果として高強度な複合繊維が得られない可能性がある。
【0050】
高温雰囲気中を通過した未延伸糸条は、次いで冷却装置(6)中で10〜100℃、好ましくは15〜75℃の風を吹きつけて冷却固化することが好ましい。冷却風が10℃未満の場合には通常装置とは別に大型の冷却装置が必要となるため好ましくない。また、冷却風が100℃を超える場合には紡糸時の単繊維揺れが大きくなるため、単繊維同士の衝突等が発生し製糸性良く繊維を製造することが困難となる。冷却装置(6)は横吹き出しタイプでも良いし、環状型吹きだしタイプを用いても良い。また、モノフィラメントの様に高い冷却効果が求められる際には、水冷等の冷却方法を採用することができる。
【0051】
冷却固化された未延伸糸条は、次いで給油装置(7)で油剤が付与される。油剤は、水系であっても非水系であっても良いが、平滑剤を主成分とし、界面活性剤、制電剤、極圧剤成分等を含み、ポリ乳酸樹脂に活性な成分を除いた油剤組成とすることが好ましい。例えば、水エマルジョンに含まれる乳化成分は、ポリ乳酸繊維の繊維構造を変化させる作用があり、延伸時に表面凹凸を生成し易く働く。従って、非水系油剤を用いることが好ましい。更に、好ましい油剤組成は、例えば、平滑剤成分としてアルキルエーテルエステル、界面活性剤成分として高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物、極圧剤成分として有機ホスフェート塩等を鉱物油で希釈した非水系油剤である。
【0052】
油剤を付与された未延伸糸条は、引取りローラ(1FR)(8)に捲回して引き取る。1FRの表面速度、即ち引取り速度は300m/分以上が好ましく、さらに好ましくは500m/分以上である。300m/分未満の引取り速度でも本発明の複合繊維を得ることができるが、生産効率が低いため採用し難い。引取り速度に特に上限は無いものの、工業的に安定して生産する場合には引取り速度は10000m/分以下が好ましく、より好ましくは3000m/分以下である。
【0053】
上記引取り速度で引き取られた未延伸糸条は一旦巻き取った後、若しくは一旦巻き取ることなく連続して延伸する。1FRと同様に、2ケのローラを1ユニットとするネルソン型ローラを、引き取りローラ(2FR)(9)、延伸ローラ(1DR)(10)、延伸ローラ(2DR)(11)、延伸ローラ(3DR)(12)および弛緩ローラ(RR)(13)と並べて配置し、順次糸条を捲回して延伸熱処理を行う。この時、製糸性を向上させるために、ローラ表面の粗さとしてはRa=0.3〜5μm、好ましくはRa=0.5〜3μmのクロムメッキされたものを好適に使用することができる。通常、1FRと2FR間では糸条を集束させるためにストレッチを行う。好ましいストレッチ率は1〜7%、さらに好ましくは1〜5%の範囲である。1FRは50〜80℃、好ましくは50〜70℃に加熱して、引き取り糸条を予熱して次の延伸工程に送る。
【0054】
1段目の延伸は2FRと1DR間で行い、2FRの温度は80〜120℃、好ましくは80〜110℃とし、1DRの温度を90〜120℃、好ましくは100〜120℃とし、例えば、総延伸段数が3段の場合には1段目の延伸倍率を総合延伸倍率の20〜90%、好ましくは20〜50%に、総合延伸段数が2段の場合には1段目の延伸倍率を総合延伸倍率の30〜90%、好ましくは50〜90%の範囲に設定する。
【0055】
2段目の延伸は1DRと2DR間で行うが、2DRは110〜160℃、好ましくは115〜145℃である。2段延伸の場合は総合延伸倍率に対し、1段目の延伸倍率の残りの延伸をこの間で行う。3段延伸の場合は、残りの延伸倍率を2段に分けて行う。3段延伸を行う場合の3DRの温度は120〜160℃、好ましくは130〜150℃である。2段延伸または3段延伸を終えた糸条はRRとの間で0〜10%、好ましくは0〜7%、さらに好ましくは0.5〜5%の弛緩処理を行い、熱延伸によって生じた歪みを取るだけで無く、延伸によって達成された高配向構造を固定したり、非晶領域の配向を緩和させ熱収縮率を下げたりすることができる。RRは非加熱ローラまたは、160℃以下に加熱したローラを用いる。
【0056】
毛羽の発生を少なくして高品位の複合繊維を得るために、1段延伸が行われる2FRと1DRの間に、繊維糸条に高圧流体を吹き付けて、該繊維を構成する糸条に交絡を付与し、糸条を集束させながら延伸を行っても良い。糸条を交絡、集束させるための交絡付与装置(14)は、通常糸条を巻き取る直前に糸条に交絡を付与し、集束させるために用いられる交絡ノズルを用いることができる。該交絡付与装置(14)は1段目の延伸時に行うのが効果的であるが、1段目に加え、2段目の延伸時にも行っても良い。複合繊維に施す交絡度(CF値)としては5〜70であることが好ましく、10〜60であることがより好ましい。その後、複合繊維は巻き取り装置(15)により巻き取られる。
【0057】
本発明の複合繊維は上記方法によって得ることができ、土木資材、建築資材、農業資材、車両資材、水産資材等の産業用資材は勿論のこと、衣料用資材、インテリア資材等として好適に使用することができる。これら資材は、繊維単独で使用してもロープ、織物、編物、不織布等として使用しても良い。なかでも、自然環境下等の厳しい条件下で使用され、高温下において長期に渡る保管等の多い産業資材用のネット、ロープ、織物、編物等として好適である。
【0058】
ネットとして用いる場合には、菱目、亀甲目、角目、千鳥目、六角目等の網目形状を用いることができ、網地種としては蛙又、本目のような結節網、無結節網、ラッセル網、もじ網、織網等を利用することができ、なかでも結節を形成しない網地種を採用するほうが応力分散により破断し難いため好ましい。目合いは5〜200mmであること好ましく、好ましくは10〜150mm、さらに好ましくは15〜100mmである。目合いが5mm未満の場合には目詰まりを起こすという問題や細かい網構造となるためにコストが高くなるという問題があり、目合いが200mmを超える場合には所望の物体の捕捉が困難となる。目合いの測定法としては、50cm四方に切断した試料を垂直に保ち、0.8826cN/dtex相当の初荷重を加えた状態において、ひとつの節の中心から垂直方向に次の節の中心までの長さを測定し、その値を2倍して求める方法が挙げられる。なお、10個の節についての測定の平均値を採用するとよい。
【0059】
また、織編物として用いる場合にも織組織や編組織になんら制限は無く、織物の場合には平組織、斜文組織、朱子組織やそれらの応用組織、編物の場合には平編、リブ編、両面編、パール編等の緯編組織や、デンビー編、コード編、チェイン編、アトラス編等の経編等、通常用いられる織編組織を採用することができ、その使用用途に関してもなんら制限されるものではない。
【0060】
また、前述の資材は網地または織物または編物または撚糸品のみで構成される必要は無く、各種樹脂やフィルム等が被覆されていても良いし、多重になっていても不織布等が積層してあっても良い。
【実施例】
【0061】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
【0062】
[ポリ乳酸の重量平均分子量]:試料のクロロホルム溶液にテトラヒドロフランを混合し測定溶液とした。これをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウォーターズ社製GPC−150C)で測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mn、さらに分散度Mw/Mnを求めた。
【0063】
[カルボキシル基末端濃度]:精秤した試料(1g)をo−クレゾール(水分5%)20mlに浸漬して145℃で10分間溶解し、0.02規定のKOHメタノール溶液にて滴定することにより求めた。この時、乳酸の環状2量体であるラクチド等のオリゴマーが加水分解し、カルボキシル基末端を生じるため、ポリマーのカルボキシル基末端およびモノマー由来のカルボキシル基末端、オリゴマー由来のカルボキシル基末端の全てを合計したカルボキシル基末端濃度が求まる。
【0064】
[ラクチド量]:試料1gに2,6−dimethyl−gammma−pyroneを10000ppm含むジクロロメタン1ml、および、18mlのジクロロメタンを添加して攪拌・溶解した。溶解溶液を1ml計量し、3mlのアセトンと混合した後、16mlのシクロヘキサン溶液を加えた。得られた溶液を直径13mm、孔径0.45μmのシリンジフィルターで濾過した後、ヒューレットパッカード社製5890 SeriesII Plusを用いてガスクロマトグラフィー法で測定した。カラムは内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μmの島津社製BPX50を用いた。サンプル注入量は1μl、キャリアーガスとしては水素を用い、初期温度50℃から25℃/分の速度で325℃まで昇温して測定し、絶対検量線法により求めた。
【0065】
[98%硫酸相対粘度]:試料を98%硫酸に1重量%の濃度で溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定し、施行回数3回の平均を求めた。
【0066】
[固有粘度]:オルソクロロフェノール(以下OCPと略す)10ml中に試料ポリマーを0.8g溶かし、25℃にてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを次式により算出した値である。
ηr=η/η=(t×q)/(t×q
IV=0.0242ηr+0.2634
但し、η:ポリマー溶液の粘度、η:OCPの粘度、t:溶液の落下時間(秒)、q:溶液の密度(g/cm)、t:OCPの落下時間(秒)、q:OCPの密度(g/cm)。
【0067】
[融点]:パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7型を用い、試料20mgを昇温速度 5℃/分にて測定して得た融解吸熱曲線の極値を与える温度を融点(℃)とした。
【0068】
[総繊度]:JIS L1013 8.3.1正量繊度 a)A法に従って、所定荷重としては5mN/tex×表示テックス数、所定糸長としては実施例2、比較例1では180m、実施例1、3〜5、比較例2、3は90mで測定した。
【0069】
[繊維強度および伸度]:試料をオリエンテック(株)社製“テンシロン”(TENSILON)UCT−100でJIS L1013 8.5.1標準時試験に示される定速伸長条件で測定した。この時の掴み間隔は25cm、引張り速度は30cm/分、試験回数10回であった。なお、破断伸度はS−S曲線における最大強力を示した点の伸びから求めた。
【0070】
[強度保持率]:耐加水分解性の加速試験として、試料1gを収縮しないように固定(ボビンに巻き)し、水300mlと共に密閉可能な容器に入れた後、昇温速度4℃/分にて容器内の水温が130℃となるように加熱した後、該温度で40分間保持し、引き続いて降温速度4℃/分にて冷却させ、水温が50℃以下になったら試料を取り出し、水洗を行い、前記熱処理前後での強度の比(下式参照)にて強度保持率を算出した。なお、強度保持率は施行回数3回の平均値を用いた。
強度保持率(%)=T1/T0×100
T0:熱処理前の引張強度
T1:熱処理後の引張強度。
【0071】
得られた強度保持率を元に、下記3段階で耐加水分解性を評価した。
◎:強度保持率が90%以上
○:強度保持率が80%以上90%未満
×:強度保持率80%未満
【0072】
[製糸性]:弛緩ロ−ル出口に設置した毛羽検知装置で毛羽の発生頻度を測定し、1t当たりの毛羽数を求め、1kg当たりの毛羽数に換算した。なお、この時小数点第2位で四捨五入を行った。
【0073】
[作業環境]:紡糸連続運転中、吐出部で作業している作業者5名の官能評価を実施し、2段階で評価した。
良:異臭を感じた作業員が1名以下。
悪:異臭を感じた作業員が2名以上。
【0074】
[基布の耐磨耗性]:織布から直径120mmの試験片を切り出し、ASTM D1175に規定されるテーバー摩耗試験機に取り付け、摩耗輪CS#10、荷重500gとして、1000回転摩耗を行った。その後、この試験片の表面摩耗状態を観察し、次の指標で耐摩耗性を評価した。
優:殆ど摩耗していない
良:少し摩耗している
可:かなり摩耗しているが、破れはない
不可:著しく摩耗しており、破れも目立つ。
【0075】
[製造例1](ポリ乳酸(PLLA)樹脂の製造)
光学純度99.5%のL乳酸から製造したラクチドを、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ触媒(ラクチド対触媒モル比=10000:1)存在させてチッソ雰囲気下180℃で230分間重合を行い、樹脂P1を得た。得られたポリ乳酸の重量平均分子量は22.1万であった。また、残留しているラクチド量は0.13重量%、トータルカルボキシル基末端濃度は30当量/ton、融点は173℃であった。
【0076】
[製造例2](DAMGICを10重量%含有したポリ乳酸樹脂の製造)
P1と四国化成(株)製ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸(以下、DAMGICと称する)を乾燥した後、P1:DAMGIC=90:10(重量比)となるように2軸混練押出機に供給し、シリンダー温度200℃で混練し樹脂P2を得た。得られたポリ乳酸の残留ラクチド量は0.15重量%であった。
【0077】
[製造例3](MADGICを10重量%含有したポリ乳酸樹脂の製造)
P1と四国化成(株)製モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸(以下、MADGICと称する)を乾燥した後、P1:MADGIC=90:10(重量比)となるように2軸混練押出機に供給し、シリンダー温度200℃で混練して樹脂P3を得た。得られたポリ乳酸の残留ラクチド量は0.15重量%であった。
【0078】
[製造例4](TGICを10重量%含有したポリ乳酸樹脂の製造)
P1と日産化学工業(株)製トリグリシジルイソシアヌル酸(以下、TGICと称する)を乾燥した後、P1:TGIC=90:10(重量比)となるように2軸混練押出機に供給し、シリンダー温度200℃で混練して樹脂P4を得た。得られたポリ乳酸の残留ラクチド量は0.15重量%であった。
【0079】
[製造例5](ポリカルボジイミドを10重量%含有したポリ乳酸樹脂の製造)
P1と日清紡(株)製ポリカルボジイミド“カルボジライト”HMV−8CA(以下、PCIと称する)を乾燥した後、P1:PCI=90:10(重量比)となるように2軸混練押出機に供給し、シリンダー温度200℃で混練して樹脂P5を得た。得られたポリ乳酸の残留ラクチド量は0.15重量%であった。
【0080】
(実施例1)
樹脂P1と樹脂P3をそれぞれ水分率が100ppm未満になるように真空乾燥し、P1:P3を9:1となるようにブレンドしたポリ乳酸ポリマーを芯成分に、98%硫酸相対粘度ηr=3.30のナイロン6ポリマーを鞘成分として、図1に示す二軸エクストルーダー型溶融紡糸装置に供給して、紡糸温度250℃で溶融紡糸した。溶融ポリマーは、ギヤポンプにて表1に示す体積分率、および、繊度となるように計量したのち、紡糸パック中で20μmの金属不織布フィルターで濾過し、孔経0.6mmφで96ホールの芯鞘複合用紡糸口金から紡出した。
【0081】
口金面より3cm下には15cmの加熱筒および15cmの断熱筒を取り付け、筒内雰囲気温度が250℃となるように加熱した。ここで筒内雰囲気温度とは、加熱筒長の中央部で、内壁から1cm離れた部分の空気層温度である。
【0082】
加熱筒の直下には環状吹きだし型チムニーを取付け、糸条に30℃の冷風を30m/分の速度で吹き付け冷却固化した後、糸条に油剤を付与した。油剤は竹本油脂株式会社製“TRN−4627”を、イオン交換水を用いて18%エマルジョンとしたものを用いた。
【0083】
油剤を付与された未延伸糸条は、表面速度650m/分の速度で回転する1FRに捲回して引取った。次いで、引取り糸条は一旦巻き取ることなく連続して該引取りローラと2FRとの間で1.5%のストレッチをかけた後、引き続いて3段熱延伸を行ない、1.5%の弛緩を与えてから2500m/分の速度で巻き取った。1FRは60℃、2FRは100℃、1DRは115℃、2DRは140℃、3DRは140℃とし、RRは非加熱とした。ローラへの糸条の捲周回数はそれぞれ、3回、4回、4回、4回、5回、4回とした。RRと巻き取り機の間には交絡付与ノズルを設置し繊維に交絡を付与した。交絡は、交絡付与装置内で走行糸条に対し略直角方向に3kg/cmの高圧空気を噴射することにより行い複合繊維を得た。得られた繊維物性を評価して表1に示した。なお、1段目の延伸倍率は、総合延伸倍率の34%、2段目の延伸倍率は3d3%、3段目の延伸倍率を33%に設定して延伸した。この繊維を総繊度が4480dtexとなるように合糸し、これを用いて経糸・緯糸ともに9本/インチ、目付320g/m、カバーファクター1194の平織物を作製した。得られた基布の耐摩耗性試験結果は表1に示す通りであった。
【0084】
(実施例2)
P1:P4を6:4となるようにブレンドしたポリ乳酸ポリマーと固有粘度が1.4のPPTポリマーをエクストルーダー型溶融紡糸装置に供給して溶融紡糸したこと、および、ポリ乳酸ポリマーとPPTポリマーが面対称に合流する吐出孔を30ホール有するサイドバイサイド(SBS)糸紡糸用口金から紡出したこと、引き取り速度を700m/分、巻き取り速度を2500m/分にしたこと以外は実施例1と同様におこなった。得られた繊維を総繊度が4480dtexとなるように合糸し、これを用いて経糸・緯糸ともに9本/インチ、目付320g/m、カバーファクター1194の平織物を作製した。得られた基布の物性は表1に示す通りであった。
【0085】
(実施例3)
P1:P4を9.8:0.2となるようにブレンドしたポリ乳酸ポリマーと98%硫酸相対粘度ηr=3.30のナイロン6ポリマーを表1に示す割合でチップブレンドしたこと、吐出孔を60ホール有する単成分用紡糸口金 より吐出したこと、および、引き取り速度を700m/分、巻き取り速度を2500m/分にしたこと以外は実施例1と同様におこなった。
【0086】
(実施例4)
海成分として樹脂P1と樹脂P2をそれぞれ水分率が100ppm未満になるように真空乾燥し、P1:P3を9:1となるようにブレンドしたポリ乳酸ポリマーを、島成分として98%硫酸相対粘度ηr=3.30のナイロン6ポリマーを用いたこと、吐出孔を60ホール有する海島複合紡糸口金 (1ホールあたりの島数16個)より吐出したこと、および、引き取り速度を650m/分、巻き取り速度を3000m/分にしたこと以外は実施例1と同様におこなった。
【0087】
(実施例5)
水分率が80ppm未満となるまで真空乾燥した固有粘度1.14のPETポリマーをエクストルーダー型溶融紡糸装置に供給して、紡糸温度300℃で溶融紡糸した。溶融ポリマーは、ギヤポンプにて計量したのち、紡糸パック中で30μの金属不織布フィルターで濾過し、孔経1.3φで1ホールの単成分紡糸口金から紡出した。得られた紡出糸を20℃の水浴中で冷却し、ついで、100℃の温水浴中で3.5倍に第1段延伸し、次いで全延伸倍率が5倍となるように、140℃の加熱ゾ−ンを通過させながら第2段延伸し、さらに230℃の加熱ゾーンを通過させて0.97倍の弛緩熱処理を行い、繊度2100dtexのPETモノフィラメントを得た。この時の巻き取り速度は200m/分であった。また、樹脂P1と樹脂P3をそれぞれ水分率が100ppm未満になるように真空乾燥し、P1:P3が9:1となるようにチップブレンドしたポリ乳酸ポリマーをエクストルーダー型押出機で樹脂温度が250℃となるように加熱して0.8mmの径を有するダイスより押出し、クロスヘッド部で前述のPETモノフィラメントに紡糸速度100m/分で体積比率が表1記載の値になる様に溶融被覆した。得られたモノフィラメントの物性を表1に示した。
【0088】
(比較例1)
ポリ乳酸ポリマーとして、P1のみを用いたこと以外は実施例2と同様に実施した。
【0089】
(比較例2)
実施例1のポリ乳酸ポリマーのみを用い、単成分用口金を用いて吐出をしたこと以外は実施例1と同様におこなった。
【0090】
(比較例3)
樹脂P1と樹脂P5をそれぞれ水分率が100ppm未満になるように真空乾燥し、P1:P5を9:1となるようにブレンドしたポリ乳酸ポリマーを芯成分に用いたこと以外は実施例1と同様におこなった。
【0091】
(実施例6、7)
1軸エクストルーダーを使用したこと、及び、MADGICが表1記載の最終濃度となる様にP1とP3をブレンドしたこと以外は実施例1と同様におこなった。得られた繊維、及び、基布の物性を評価して表2に示した。
【0092】
(実施例8、9)
1軸エクストルーダーを使用したこと、及び、TIGICが表1記載の最終濃度となる様にP1とP4をブレンドしたこと以外は実施例2と同様におこなった。得られた繊維、及び、基布の物性を評価して表2に示した。
【0093】
(実施例10、11)
1軸エクストルーダーを使用したこと、及び、TGICが表1記載の最終濃度となるようにP1とP4をブレンドしたこと以外は実施例3と同様におこなった。得られた繊維、及び、基布の物性を評価して表2に示した。
【0094】
【表1】


【0095】
【表2】


【0096】
表1より明らかなように、MADGIC、TGIC、DAMGICよってカルボキシル末端の一部又は全部が封鎖されてなるポリ乳酸樹脂を含有するポリ乳酸樹脂組成物と、(B)熱可塑性樹脂を複合してなる本発明の複合繊維は、比較例1に示す通常の複合繊維と比較して耐加水分解性に非常に優れ、且つ、これまでに知られていた末端封鎖剤であるPCIを用いた比較例3の複合繊維と比較して大幅に職場環境が改善したものであった。
【0097】
また、実施例1〜5に示される複合繊維は比較例2に示した単成分のポリ乳酸繊維と比較して、それぞれ以下に示す特徴を有していた。実施例1:耐摩耗性に優れる。実施例2:捲縮加工を施さなくても自己捲縮性を有する。また、その自己捲縮性は熱処理により顕著に現れる。実施例3:耐摩耗性に優れる。また、ポリ乳酸ポリマーがゴム資材との接着性の良いN6ポリマー中に分散しているため、複合繊維とゴムとの接着性が良好であり、ゴム資材に適用可能な環境に優しい繊維である。実施例4:耐摩耗性に優れる。また、土中で長期保管した後、N6の極細繊維が現れる。実施例5:初期弾性率が非常に高く、耐熱性、寸法安定性に優れる。また、表2より明らかな様に2軸エクストルーダーを用いた複合繊維は通常の1軸エクストルーダーを用いた複合繊維よりもさらに優れた製糸性を有するものであった。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の複合繊維の製造プロセスの実施態様の一例の工程図である。
【符号の説明】
【0099】
3:紡糸パック
4:紡糸口金
5:除冷ゾーン
6:冷却装置
7:給油装置
8:1FR
9:2FR
10:1DR
11:2DR
12:3DR
13:RR
14:交絡付与装置
15:巻き取り装置
【出願人】 【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
【出願日】 平成19年6月29日(2007.6.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−31623(P2008−31623A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2007−173491(P2007−173491)