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【発明の名称】 電解めっき方法
【発明者】 【氏名】二宗 啓介

【氏名】飯嶌 守雄

【氏名】安藤 直美

【要約】 【課題】非貫通孔を金属で充填するのに好適な新規な電解めっき方法の提供。

【構成】界面活性剤、光沢剤、平滑化剤などの添加剤を含むめっき液を用いた電解めっき方法において、被めっき部材の表面および非貫通孔内における添加剤の吸着および離脱を制御するパルスめっき工程と、これに引続いて非貫通孔内を充填する直流めっき工程とからなる、非貫通孔を金属で充填する電解めっき方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤、光沢剤、平滑化剤などの添加剤を含むめっき液を用いた電解めっき方法において、めっき工程が被めっき部材の表面および非貫通孔内における添加剤の吸着および離脱を制御するパルスめっき工程と、これに引続いて非貫通孔内を充填する直流めっき工程とからなることを特徴とする電解めっき方法。
【請求項2】
パルスめっきによって形成されるめっきの厚さが15μm以下である、請求項1に記載の電解めっき方法。
【請求項3】
めっき液が、添加剤として、少なくとも、めっき析出を促進する作用を有する成分を含む、請求項1または2に記載の電解めっき方法。
【請求項4】
被めっき部材の対向電極に不溶性電極を用いる、請求項1から4のいずれか1項に記載の電解めっき方法。
【請求項5】
めっきとして析出する金属が銅である、請求項1から4のいずれか1項に記載の電解めっき方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法により電解めっきされた、少なくとも1つの非貫通孔を有するプリント配線板。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法により電解めっきされた半導体ウェハー。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電子機器などに用いられるプリント配線板や半導体ウェハーに適用可能な、非貫通孔を充填する新規の電解めっき方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器における高機能化、小型化の要求に対応して、半導体やチップ部品等の電子部品の軽薄小型化とともに、実装密度の高いプリント配線板の製造技術が求められている。そのための方法のひとつに、一層ごとに回路配線を形成しこれを逐次積層するとともにブラインドビアホール(これを含め、以下広義に「非貫通孔」ということがある)によって層間を電気的に接続するビルドアッププリント配線板があるが、層間の電気的接続の信頼性向上に加え、ブラインドビアホールの部位にも部品を実装して実装密度と配線密度を向上させる目的で、このブラインドビアホールを金属で充填する方法が提案され、実用化されつつある。
【0003】
このような非貫通孔を金属で充填する方法として、電解めっき法は生産効率、配線金属としての電気的特性の面で極めて有望と考えられており、これまで種々のめっき法やめっき液組成が提案されてきた(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
【0004】
しかるに電解めっきで非貫通孔内を充填するためには、非貫通孔の開口部よりも内部におけるめっきの成長速度が高くなるように制御する必要がある。ところが直流めっき法では、めっき析出速度は被めっき部材形状による対向電極との距離に依存するのみで、非貫通孔の開口部と内部におけるめっきの析出速度を設定電流によって電気(電気量)的に制御することができないため、非貫通孔内に空隙や凹みを残さず完全にめっきを充填することが困難である。一方パルスめっき法の場合には、非貫通孔の開口部と内部におけるめっきの析出速度の電気的な制御が原理的には可能であるが、非貫通孔内におけるめっきの充填には厳密なめっき条件の管理が必要であり、また一般にめっき表面が粗い凹凸となるため回路形成や部品実装の弊害になるという欠点がある。さらに特開2002−164656ではパルスめっきと直流めっきとを組み合わせた電解めっき方法が提唱されているが、この場合には、直流めっきはパルスめっきの表面の凹凸を平滑化する目的だけに用いられ、めっきによる非貫通孔への充填はもっぱらパルスめっきの特性に依拠するものである。
【0005】
プリント配線板や半導体ウェハーのブラインドビアホールの充填に対しては一般に硫酸銅めっきが用いられるが、これに関する従来の技術では、ブラインドビアホール内へのめっきの充填を達成するために、金属濃度の高いめっき液(通常硫酸銅・五水和物として200g/L以上)を用い低い電流密度(通常最大2A/dm)で電解めっきを行う必要がある。そのため、生産性の点で非効率的であるばかりか、スルーホール(これを含め、以下広義に「貫通孔」ということがある)が混在するようなプリント配線板ではスルーホール内での良好なめっき付き回り性を同時に達成することが困難である。すなわち従来の電解めっき法によって非貫通孔を充填する場合には、実際に適用できるめっき液の組成やめっき条件がごく限られている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−55800号公報
【特許文献2】特開2003−183879号公報
【特許文献3】特開2003−183883号公報
【特許文献4】特開2003−213489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、被めっき部材上の非貫通孔内への優れためっき充填性と表面平滑性を、種々のめっき液組成やめっき条件において、効率的且つ安定的に達成することができ、なお且つ被めっき部材の表面および貫通孔内での良好なめっき付き回り性を与える電解めっき方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、界面活性剤、光沢剤、平滑化剤などの添加剤を含むめっき液を用いた電解めっき方法において、めっき工程が被めっき部材の表面および非貫通孔内における添加剤の吸着および離脱を制御するパルスめっき工程と、これに引続いて非貫通孔内を充填する直流めっき工程とからなることを特徴とする電解めっき方法である。
【0009】
本発明では、パルスめっきによって、めっき析出を促進する作用を有する成分(以下「促進剤」という)を効率的、選択的に非貫通孔内および貫通孔内(以下、両者を併せて、あるいは単独で、「ホール」ということがある)に吸着・濃縮させると同時に、被めっき部材表面の促進剤濃度をホール内と比較して低くなるように制御し、次工程の直流めっきにおいて、被めっき部材の表面よりも非貫通孔内におけるめっきの析出速度を高くすることによって、非貫通孔内を平滑性の高いめっきによって完全に充填し、同時に貫通孔内における良好なめっき付き回り性を与えることができる。
【0010】
さらに本発明では、被めっき部材の表面、ホール内の促進剤吸着量を制御するために、非貫通孔や貫通孔の形状(径、深さ、など)、およびホール内や被めっき部材表面におけるめっきの付き回り性に対する要求に応じて、めっき液組成(金属濃度など)の選定や、パルスめっきおよび直流めっきの電流密度およびめっきの厚さ構成における条件設定の選択自由度が極めて高く、その結果非貫通孔に対する電解めっきによる充填を効率的且つ安定的に達成することができる。
【0011】
本発明において、めっき液に添加する促進剤とは、一般に光沢剤、アクセレレーターなどと呼ばれ、電気化学的な非分極作用によってめっきの析出を促進する作用がある化合物全般を指し、本発明においては、これらのひとつまたは複数を任意に選択することができる。
【0012】
例えば、本発明方法を用いて、プリント配線板や半導体ウェハーのブラインドビアホールを充填する場合には、通常硫酸銅めっきを使用し、その場合の促進剤は一般に、分子中に−SO−、−S−、−S−S−、=Sなどの構造を含む有機硫黄化合物であって、分子中に炭素、酸素、水素の他に窒素原子を有するものや金属の塩が好ましく用いられる。
【0013】
パルスめっきにおいて、被めっき部材が陽極となる場合を正電解、陰極となる場合を逆電解とすれば、これらの促進剤は、正電解によって被めっき部材上に吸着するが、電流を反転させて逆電解すると離脱する。このとき、被めっき部材表面は非貫通孔や貫通孔の内面に比べ電流が流れやすいので、促進剤はより容易に離脱する。したがってパルスめっきによって、正電解と短時間の逆電解を繰り返すことにより、被めっき部材表面の促進剤吸着量を少なくし、ホール内の吸着量を多くすることができる。その結果、次工程の直流めっきにおいて、非貫通孔内のめっき析出速度が表面における析出速度よりも大きくなり、めっき析出物による非貫通孔の充填が可能になる。
【0014】
貫通孔においても、パルスめっきによってホール内、特にアスペクト比の大きいホール内において、促進剤が吸着・濃縮されるので、単に直流めっきした場合に比べてめっきの析出速度を大きくすることができ、高い均一電着性を得ることができる。
【0015】
パルスめっきについては、正電解時の電流密度を正電流密度(以下「I」ということがある)、逆電解時の電流密度を逆電流密度(以下「I」ということがある)と定義した場合、電流密度は、電流密度比がI/I>1となるよう任意に設定できるが、好ましくはI=0.1〜10A/dm、I=0.1〜200A/dm、I/I=1〜20であり、より好ましくはI=0.5〜3A/dm、I=1〜30A/dm、I/I=2〜10である。
【0016】
正電解と逆電解の時間(それぞれ「t」「t」という)は、t>tおよび
(I×t−I×t)/(t+t)>0となるよう任意に設定できるが、好ましくはt=1〜100msec、t=0.1〜5msecであり、より好ましくはt=10〜50msec、t=0.5〜3msecである。
【0017】
被めっき部材のホール内に吸着・濃縮される促進剤の量はパルス電流の流れやすさによって変化し、ホール壁の導電性が低いほど、したがってパルスめっき工程で析出するめっきの厚さが小さいほどホール内の促進剤吸着量を多くすることができる。
【0018】
このとき、次工程の直流めっきで非貫通孔を充填することができるために必要なパルスめっきの最大厚さ(T:単位μm)は、経験的に下式で求めることができる。
/R=L−0.1logR
:非貫通孔の開口径(単位:μm)
L:直流めっきの電流密度、被めっき部材表面におけるめっきの厚さ、めっき液組成によって決まる定数
【0019】
上式においてLは、本発明方法による非貫通孔の充填が可能な限りにおいては0.5以下であり、直流めっきの電流密度が大きいほど、被めっき部材表面のめっき厚さが小さいほど、めっき液の金属濃度が低いほど、小さくなる。Lが0.5を超える場合には、非貫通孔内の促進剤濃度を制御するためのパルスめっきを必要とせず、直流めっきのみによって非貫通孔を充填できる可能性を示している。この場合には、極めて低い電流密度でめっきする、めっき厚を非常に大きくする、めっき液の金属濃度を高くする、などの条件が必要である。
【0020】
一方、上記の式は、Lの条件によっては、次工程の直流めっきを必要とすることなくパルスめっきのみで充填可能な開口径や、いくらパルスめっきのめっき厚を小さくしても次工程の直流めっきで充填することのできない開口径が存在することを示している。上記の式によれば、非貫通孔の開口径が大きいほど、次工程の直流めっきによる非貫通孔の充填を可能にするパルスめっきの最大厚さが大きくなるが、開口径に対するパルスめっきの厚さの比率T/Rは逆に小さくなる。したがって開口径の大きい非貫通孔では、開口径に対するパルスめっきの厚さの比率を小さくしないと、本発明の電解めっき方法による非貫通孔の充填は困難となり、例えばL=0.3の場合には開口径1mm以上の非貫通孔に対して、本発明の電解めっき方法による充填が不可能となる。
【0021】
例えば、プリント配線板のブラインドビアホールを硫酸銅めっきを用いて充填する場合には、表面のめっき厚さを通常25μmないしはそれ以下とすることが要求されるが、一般的な開口径100μmのブラインドビアホールを充填する場合には、パルスめっきの最大厚さは約15μmであり、好ましくは5μm以下とするのが望ましい。
【0022】
被めっき部材の一部または全部が絶縁体または半導体である場合には、無電解めっき法、ダイレクトプレーティング法、気相法など公知の導電化処理法によって予め電解めっきの下地として導体層(以下「下地導体層」ということがある)を形成するが、上記と同様の理由で、下地導体層の導電性も著しく高くないことが好ましく、したがって下地導体層の厚さは次工程の電解めっきが可能な限りにおいて小さいことが望ましい。
【0023】
通常ホール壁が絶縁体であるプリント配線板に形成されるブラインドビアホールでは、付与される電解めっき下地としての導体層の厚さは、プリント配線板表面に予め形成された銅配線の厚さに比べて十分に小さいために、めっき液中の促進剤はパルスめっきによってホール壁表面近傍に効率的に吸着・濃縮される。その結果、次工程の直流めっきでは、電流の流れにくいホール側壁、特にホール壁低端部におけるめっきの析出が速く、ホール内は底端部および側壁から充填されるため、ホール内に空隙を形成することなく完全充填することができる。
半導体ウェハーのブラインドビアホールに適用した場合も同様である。
【0024】
パルスめっきの後に直流めっきを行う場合、本発明では引き続き同一のめっき液を用いて、連続的または断続的に直流めっきを行うことができる。すなわち、被めっき部材固定式のめっき装置では、同一の整流器でパルスめっきを行い、引き続き直流めっきすればよく、また被めっき部材可動式(コンベアによる搬送など)の装置では、前段にパルス整流器、後段に直流整流器を、それぞれ設定した目標めっき厚が達成できるよう、配列すればよい。このような電流条件設定以外の方式において、本発明は、固定式、可動式の従来の一般的なめっき装置のいずれにも適用することができる。
【0025】
直流めっきの電流密度は任意に設定できるが、硫酸銅めっきの場合には0.1〜20A/dm、好ましくは0.1〜5Admである。電流密度が0.1A/dmより低い場合にはめっきの析出に長時間が必要で非効率的であり、20A/dmより高い場合にはめっき充填性が低下する他、ヤケが発生しやすくなるので、不適切である。
【0026】
上記に示したパルスめっきおよび直流めっきは、それぞれ単一の条件を組み合わせてもよいが、それぞれの単一および、または複数の条件を組み合わせることもできる。またそれぞれの条件におけるめっきを連続して行ってもよいし、それぞれの条件のめっきの間に停止時間を設けてもよい。
【0027】
硫酸銅めっきによって非貫通孔内の充填を行う場合、本発明方法は、種々の組成の硫酸銅めっき液、すなわち硫酸銅、硫酸、塩化物イオンを含む一般的に電解めっきに使用されるめっき液に広く適用することができる。
【0028】
例えば、一般に、めっき液中の銅濃度が低い場合(例えば硫酸銅・五水和物として100g/L以下の場合)めっきの均一電着性は高いが非貫通孔内へのめっき充填性が低くなる、一方銅濃度が高い場合(例えば硫酸銅・五水和物として200g/L以上の場合)には非貫通孔内へのめっき充填性はよいが被めっき部材の表面や貫通孔内での均一電着性が劣る、など、めっきの付き回り性はめっき液組成によって特性が異なるが、本発明は、パルスめっきの条件によって非貫通孔の充填性を制御できるので、次工程の直流めっきによるめっきの付き回り性に対する要求に応じて、めっき液組成を任意に選択することができる。
【0029】
本発明では、被めっき部材の対向電極として、可溶性、不溶性のいずれでも使用することができるが、不溶性電極を使用することにより、より広いめっき条件やめっき液条件において、良好なめっき充填性を安定的に得ることが可能である。不溶性電極を使用した場合、めっき液添加剤と可溶性電極との反応によって生成するような副生成物の発生がなく、パルスめっきにおける促進剤の吸着や直流めっきにおける促進剤の作用に影響を及ぼさないためと考えられる。
【0030】
パルスめっきの析出物は通常微細な凹凸のある無光沢ないしは半光沢の表面となるが、本発明では、パルスめっきで析出した金属の厚さが小さく、電解めっきされる金属の表層または大部分が直流めっきによって構成されるので、光沢のある平滑なめっき表面を得ることができる。
【0031】
本発明の電解めっき方法により、非貫通孔内に空隙を残すことなく完全且つ効率的に金属を充填することができる。特に、非貫通孔の充填を実現するために従来技術では実際的に適用が困難であった、金属濃度の低いめっき液や高いめっき電流密度を用いた場合でも、非貫通孔内への良好な充填性を達成することが可能である。
【0032】
上記においては、主に硫酸銅めっきを例に説明したが、本発明の電解めっき方法により、他の金属の場合にも同様に、非貫通孔を安定的に充填し、且つ平滑な表面を得ることができる。本発明の目的が達成される限りにおいては、めっきされる金属およびめっき液の組成は、通常の電解めっきに使用されるものであれば特に制限なく使用することができる。
以下、実施例により本発明の詳細を説明するが、かかる実施例は例示にすぎず、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0033】
以下に示す実施例では、いずれも、開口径100μm、表面銅箔の厚さを加えた深さ70μmのブラインドビアホールを有するプリント配線板を被めっき部材として用い、パルスめっきを行った後、引き続き同じめっき液・めっき槽内で直流めっきを行った。
【実施例1】
【0034】
(非貫通孔のめっき充填性に対するパルスめっきの影響)
めっき液組成
硫酸銅・5水和物 80g/L
硫酸 200g/L
塩化物イオン 60mg/L
ポリエチレングリコール 800mg/L
SPS(sodium bis−3−sulfopropyl disulfide)
5mg/L
【0035】
対向電極 可溶性電極
パルスめっき条件
電流密度 1.0A/dm
/I比 3/1
正電流時間 20msec
逆電流時間 1msec
めっき時間 0〜112分
直流めっき条件
電流密度 1.0A/dm
時間 0〜112分
総めっき厚 25μm
【0036】
図1に実施例1でめっきしたブラインドビアホール断面を示す。表面の総めっき厚を25μmとしたとき、パルスめっきのみ、および直流めっきのみでは、ホール内を充填することができなかったのに対して、パルスめっきした後に引続き直流めっきを行った場合にはホール内をめっきで充填することが可能であった。しかもパルスめっきの厚さが小さいほど、充填性は良好であった。本発明方法では、本実施例で使用したような金属濃度の低い組成のめっき液を用いても、非貫通孔を充填できることがわかる。
【実施例2】
【0037】
(非貫通孔のめっき充填性に対するめっき液添加剤の影響)
めっき液組成
硫酸銅・5水和物 150g/L
硫酸 100g/L
塩化物イオン 60mg/L
ポリエチレングリコール 0または800mg/L
SPS(sodium bis−3−sulfopropyl disulfide)
0または5mg/L
【0038】
対向電極 可溶性電極
パルスめっき条件
電流密度 2.0A/dm
/I比 3/1
正電流時間 20msec
逆電流時間 1msec
めっき時間 10分
直流めっき条件
電流密度 2.0A/dm
時間 46分
総めっき厚 25μm
【0039】
ブラインドビアホールの断面を図2に示す。めっき液添加剤のうち、ポリエチレングリコールは抑制剤(サプレッサー、ウェッター、キャリアーなどともいう)であり、SPSが促進剤である。SPSを添加しためっき液では、ブラインドビアホールを完全にめっきで充填することができたが、SPSを添加しない場合には充填できなかった。
【実施例3】
【0040】
(非貫通孔のめっき充填性に対する直流めっき厚さの影響)
めっき液組成
硫酸銅・5水和物 150g/L
硫酸 100g/L
塩化物イオン 60mg/L
ポリエチレングリコール 800mg/L
SPS(sodium bis−3−sulfopropyl disulfide)
5mg/L
【0041】
対向電極 不溶性電極
パルスめっき条件
電流密度 1.0A/dm
/I比 3/1
正電流時間 20msec
逆電流時間 1msec
めっき時間 10分
直流めっき条件
電流密度 1.0A/dm
時間 0〜90分
めっき厚 0〜20μm
【0042】
ブラインドビアホールの断面を図3に示す。直流めっきは、ブラインドビアホールの低端部から成長するので、ホール内に空隙を形成することなく完全に充填できることがわかる。本実施例の条件では、プリント配線板表面における直流めっきのめっき厚が12μmで、ブラインドビアホール内をほぼ充填することができた。
【実施例4】
【0043】
(非貫通孔のめっき充填性に対する電流密度の影響)
めっき液組成
硫酸銅・5水和物 150g/L
硫酸 100g/L
塩化物イオン 60mg/L
ポリエチレングリコール 800mg/L
SPS(sodium bis−3−sulfopropyl disulfide)
5mg/L
【0044】
対向電極 不溶性電極
パルスめっき条件
電流密度 1.0A/dm
/I比 3/1
正電流時間 20msec
逆電流時間 1msec
めっき時間 10分
直流めっき条件
電流密度 1.0〜4.0A/dm
時間 25〜102分
総めっき厚 25μm
【0045】
ブラインドビアホールの断面を図4に示す。本実施例では、直流めっきの電流密度が1.0〜4.0A/dm2においてブラインドビアホールの充填が可能であった。対向電極として不溶性電極を用いることで、非貫通孔を充填することのできる条件範囲が広がること、本発明方法は高い電流密度においても非貫通孔を充填でき、極めて効率的な方法を提供できることを示している。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施例1においてめっきしたプリント配線板のブラインドビアホールの断面写真である。
【図2】実施例2においてめっきしたプリント配線板のブラインドビアホールの断面写真である。
【図3】実施例3においてめっきしたプリント配線板のブラインドビアホールの断面写真である。
【図4】実施例4においてめっきしたプリント配線板のブラインドビアホールの断面写真である。
【出願人】 【識別番号】594168850
【氏名又は名称】日本マクダーミッド株式会社
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】 【識別番号】100071755
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 武彦

【識別番号】100070530
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 泰之


【公開番号】 特開2008−31516(P2008−31516A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−205665(P2006−205665)