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【発明の名称】 パンチングメタルの塗装方法、及び該方法により得られたパンチングメタル製品
【発明者】 【氏名】笠原 秀之

【要約】 【課題】微小孔を有する鋼板パンチングメタルの孔近辺及び、孔内部側面への塗装を均一化し、該メタルの腐食を防止する事。

【構成】微小孔を有する鋼板パンチングメタル(10a)に於いて、浸漬脱脂工程と、酸処理工程と、防錆工程と、そしてアニオン電着塗装工程と、焼き付け塗装工程、以上の工程から構成され、微小孔エッジ部分(21a)と孔内部表面(22a)への均一な塗装を実現した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小孔を有する鋼板パンチングメタルに於いて、浸漬脱脂工程と、酸処理工程と、防錆工程と、そしてアニオン電着塗装工程と、焼き付け乾燥工程から構成されることを特徴とするパンチングメタルの塗装方法。
【請求項2】
微小孔を有する鋼板パンチングメタルに於いて、浸漬脱脂工程と、酸及び酸処理添加剤による酸処理工程と、そしてアニオン電着塗装工程と、焼付け乾燥工程から構成されることを特徴とするパンチングメタルの塗装方法。
【請求項3】
微小孔を有する鋼板パンチングメタルに於いて、浸漬脱脂工程と、硫酸による表面の中和工程と、カチオン電着塗装工程と、焼付け乾燥工程から構成されることを特徴とするパンチングメタルの塗装方法。
【請求項4】
微小孔を有する表面処理鋼板パンチングメタルに於いて、浸漬脱脂工程と、表面処理剥離工程と、防錆工程と、そしてアニオン電着塗装工程と、焼き付け乾燥工程から構成されることを特徴とするパンチングメタルの塗装方法。
【請求項5】
微小孔を有する表面処理鋼板パンチングメタルに於いて、浸漬脱脂工程と、酸及び酸処理添加剤による表面処理剥離工程と、そしてアニオン電着塗装工程と、焼付け乾燥工程から構成されることを特徴とするパンチングメタルの塗装方法。
【請求項6】
微小孔を有する表面処理鋼板パンチングメタルに於いて、浸漬脱脂工程と、硫酸による表面の中和工程と、カチオン電着塗装工程と、焼付け乾燥工程から構成されることを特徴とするパンチングメタルの塗装方法。
【請求項7】
前記鋼板の表面処理は、亜鉛メッキであることを特徴とする請求項3から6に記載の塗装方法。
【請求項8】
上記請求項1から7の何れか一つの塗装方法により得られた事を特徴とするパンチングメタル製品。
【請求項9】
前記微小孔のエッジから孔内側面にほぼ均一に塗装膜が形成された事を特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のパンチングメタルの塗装方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は微小孔を有するパンチングメタルの塗装方法及び該方法により得られたパンチングメタル製品に関する。
【背景技術】
【0002】
微小孔を有する表面処理鋼板パンチングメタルの従来の塗装方法としては吹き付け塗装が用いられて来た。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記吹き付け塗装によると、図1の様にパンチングメタル基材10に設けられた微小孔20のエッジ部分21や孔内部表面22に均一の厚さに塗装23が出来なく、エッジ部分や孔内側部表面から腐食が始まりパンチングメタル製品の品質は勿論のことそれを用いた製品の品質も問われかねない事態となっていた。図2は図1の表面矢印方向から見た正面側エッジ部の顕微鏡写真(×1500)であり、エッジ部分の斑になっている所が塗装が均一にされていない状態で、パンチングメタル基材の表面が露出しているのを表している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決する為に本発明に於いては、先ず、第一に、微小孔を有する表面処理鋼板パンチングメタルに於いて、浸漬脱脂工程と、表面処理剥離工程と、防錆工程と、そしてアニオン電着塗装工程と、焼き付け乾燥工程から構成されることを特徴とするパンチングメタルの塗装方法を提供し、エッジ部分と孔内側部表面への均一な塗装を実現し、更に該方法により得られたパンチングメタル製品の提供を図った。
【0005】
第二に、微小孔を有する表面処理鋼板パンチングメタルに於いて、浸漬脱脂工程と、酸及び酸処理添加剤による表面処理剥離工程と、そしてアニオン電着塗装工程と、エッジ部分と孔内部表面への均一な塗装を実現し、焼付け乾燥工程から構成されることを特徴とするパンチングメタルの塗装方法の提供を図り、エッジ部分と孔内側部表面への均一な塗装を実現し、更に該方法により得られたパンチングメタル製品の提供を図った。
【0006】
第三に、微小孔を有する表面処理鋼板パンチングメタルに於いて、浸漬脱脂工程と、硫酸による表面の中和工程と、カチオン電着工程と、焼付け乾燥工程から構成されることを特徴とするパンチングメタルの塗装方法の提供を図り、エッジ部分と孔内側部表面への均一な塗装を実現し、更に該方法により得られたパンチングメタル製品の提供も図った。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、パンチングメタルの微小孔のエッジ部分や孔内部表面にも均一の厚さの塗装が可能となり、腐食が予防でき、製品の品質の向上に大いに有用となる。製品の寿命も延び、ひいては省資源にも繋がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
微小孔を有する亜鉛メッキ鋼板パンチングメタルに於いて、浸漬脱脂工程と、亜鉛剥離工程と、防錆工程と、そしてアニオン電着塗装工程と、焼き付け塗装工程から構成され、微小孔エッジ部分と孔内部表面への均一な塗装を実現したことを特徴とするパンチングメタルの塗装方法及び該方法により得られたパンチングメタル製品。
【実施例1】
【0009】
本発明の第一の実施例を詳述する。以下の数値に限定されるものではない。先ず、ニッカサンクリーンL55(日華化学(株)社製、主成分;界面活性剤)10%溶液で亜鉛メッキ鋼板パンチングメタルの表面を約1分間浸漬脱脂し、次に亜鉛剥離として、35%塩酸を10%溶液に薄めて約1分間酸洗いを施し、次に防錆剤としてテクノクリーナーDR−1((株)シミズ社製、主成分;ジエタノールアミン)の約3%溶液に約1分間浸漬し、そして約1分間のアニオン電着塗装を行った。そして最後に焼付け乾燥を約180℃で約30分施した。その結果得られたパンチングメタル断面図が図3であり、図4はその正面矢印の方向から見たエッジ近辺の顕微鏡写真であり、図5は孔内側部表面の顕微鏡写真である。図4のエッジ近辺で孔の外側に皺状になっている所が塗装されている部分で前記図2の状態とは明らかに異なっている。図5からは、a−bの地点で塗装の厚さmが11.48μmで、c-dの地点で塗装の厚さが10.75μmでほぼ一定の厚さを有している。
【実施例2】
【0010】
本発明の第二の実施例として、先ず、ニッカサンクリーンL55(日華化学(株)社製、主成分;界面活性剤)10%溶液で亜鉛メッキ鋼板パンチングメタルの表面を約1分間浸漬脱脂し、次に亜鉛剥離工程として、35%塩酸を10%溶液に薄め、そして、酸化抑制の為にアサヒクリーナー600(上村工業(株)社製、主成分;界面活性剤)3%溶液を加えて約1分間酸洗い処理を施し、アニオン電着塗装を行い、そして、最後に焼付け乾燥を約180℃で約30分施した。その結果は第一の実施例とほぼ同じ結果が得られた。(図は省略)
【実施例3】
【0011】
本発明の第三の実施例として、先ず、ニッカサンクリーンL55(日華化学(株)社製、主成分;界面活性剤)10%溶液で亜鉛メッキ鋼板パンチングメタルの表面を約1分間浸漬脱脂し、表面を硫酸3%溶液で酸中和処理を行い、この場合はカチオン電着塗装を約1分間行った。そして、最後に焼付け乾燥を約180℃で約30分施した。この結果も第一の実施例とほぼ同じ結果が得られた。(図は省略)
【0012】
本発明の第一の実施例の電着塗装のパンチングメタル製品と従来の吹き付け塗装のパンチングメタル製品とを、塩水噴霧による耐食試験を行った。
【0013】
試験機はスガ試験機(株)製のガス腐食試験機GS−IEC−S型を使用し、塩水組成は5%の塩化ナトリューム水溶液でph中性で、塩水噴霧温度は35℃、塩水噴霧圧力は98KPaで、試験時間48時間で行った。
【0014】
その結果が図6と図7であり、図6は本発明の実施例の電着塗装の製品であり、表面に変化は見られず、塗装された儘の良好な状態が保持されている。
【0015】
図7は従来の吹き付け塗装によるものであり、明らかに表面右側にムラがあるように錆等の腐食が現れており、その差は歴然としている。
【産業上の利用可能性】
【0016】
パンチングメタル製品を利用したスピーカーグリル等の幅広い利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来の吹きつけ塗装のパンチングメタル断面図
【図2】図1の正面顕微鏡写真(×1500)
【図3】本発明の電着塗装のパンチングメタル断面図
【図4】図3の正面のエッジ近辺の顕微鏡写真(×1500)
【図5】図3の正面の孔内側面近辺の顕微鏡写真(×1500)
【図6】本発明の電着塗装のパンチングメタル製品の試験後の表面写真
【図7】従来の吹きつけ塗装のパンチングメタル製品の試験後の表面写真
【符号の説明】
【0018】
10,10a パンチングメタル基材
20、20a 孔
21,21a 孔エッジ部
22,22a 孔内側面
23,23a 塗装部分
【出願人】 【識別番号】391015638
【氏名又は名称】アイテック株式会社
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−31514(P2008−31514A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−205588(P2006−205588)