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【発明の名称】 多孔質体の洗浄方法および洗浄装置
【発明者】 【氏名】神田 裕之

【氏名】牧野 夏木

【氏名】野村 和史

【要約】 【課題】例え気孔径が小さく、高密度で体積の大きな多孔質体であっても、この内部まで効率よく洗浄できるようにする。

【構成】密閉空間内に多孔質体110を配し、多孔質体110の内部を通過する加圧した洗浄液124で該多孔質体110の内部を洗浄し、その後、前記/又は別の密閉空間内に多孔質体110を配し、多孔質体110の内部を通過する加圧した純水を多孔質体110の内部に供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉空間内に多孔質体を配し、多孔質体の内部を通過する加圧した洗浄液で該多孔質体の内部を洗浄し、その後、
前記/又は別の密閉空間内に前記多孔質体を配し、前記多孔質体の内部を通過する加圧した純水を前記多孔質体の内部に供給することを特徴とする多孔質体の洗浄方法。
【請求項2】
前記密封空間内に流入した洗浄水及び/または純水に気体をバブリングすることを特徴とする請求項1記載の多孔質体の洗浄方法。
【請求項3】
前記洗浄水は、硫酸、硝酸、ふっ酸、塩酸、過酸化水素水、純水、またはそれらの混合液、及びアルカリ洗浄液及び中性洗剤の1つまたは2つ以上の組合せからなることを特徴とする請求項1または2記載の多孔質体の洗浄方法。
【請求項4】
前記多孔質体は、炭化ケイ素、アルミナ、窒化アルミ、ジルコニアまたは酸化バナジウムからなるポーラス状のセラミックス、またはポーラス状の樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の多孔質体の洗浄方法。
【請求項5】
前記多孔質体の気孔率は40%以下であり、気孔径は100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の多孔質体の洗浄方法。
【請求項6】
前記洗浄液および前記純水の温度は、20〜120℃であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の多孔質体の洗浄方法。
【請求項7】
多孔質体を取付けて内部に密封空間を形成する密封容器と、
前記密封容器に接続され、該密封容器内に加圧した洗浄液及び純水の一方を選択的に注入して前記多孔質体の内部を通過させる加圧流体注入部と、
前記多孔質体の内部を通過した洗浄液または純水を外部に排出する流体排出部を有することを特徴とする多孔質体の洗浄装置。
【請求項8】
前記密封容器内に注入された洗浄液及び/または純水にバブリング用の気体を供給する気体供給部を更に有することを特徴とする請求項7記載の多孔質体の洗浄装置。
【請求項9】
基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部で保持した基板表面の周縁部に当接して該周縁部を水密的にシールするシール材と前記基板に接触して通電させるカソード接点とを有するカソード部と、
前記基板保持部の上方のプロセス位置と該プロセス位置の側方の多孔質体洗浄位置との間を移動自在で、前記プロセス位置に位置する時に、前記基板保持部で保持した基板と対向する位置に配置されるアノードと該アノードと基板との間に配置される多孔質体とを有するアノード部を備え、
前記多孔質体洗浄位置には、前記アノード部の前記多孔質体の内部に洗浄液と純水とを順次を導入して多孔質体の内部を洗浄液で洗浄し該多孔質体の内部の洗浄液を純水に置換する多孔質体洗浄部が設けられていることを特徴とするめっき装置。
【請求項10】
前記多孔質体洗浄部は、前記基板保持部の側方のアイドリングに使用されるめっき液を溜めるめっき液トレーに付設されていることを特徴とする請求項9記載のめっき装置。
【請求項11】
基板保持部の上方のプロセス位置に位置する時に、前記基板保持部で保持した基板と対向する位置に配置されるアノードと該アノードと基板との間に配置される多孔質体とを有するアノード部を基板保持部の側方の多孔質体洗浄位置に移動させ、
該多孔質体洗浄位置に位置する前記アノード部の前記多孔質体の内部に洗浄液と純水とを順次を導入して多孔質体の内部を洗浄液で洗浄し該多孔質体の内部の洗浄液を純水に置換することを特徴とするめっき装置における多孔質体の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質体の洗浄方法及び洗浄装置に関し、例えば半導体ウェハなどの基板の表面に形成された微細配線パターン(凹部)に銅等の導電性金属を埋込んで配線を形成する電解めっき装置に備えられている多孔質体や、CMPや洗浄装置に使用される多孔質体を洗浄するのに使用される多孔質体の洗浄方法および洗浄装置、並びに該洗浄装置を備えためっき装置に関する。
【背景技術】
【0002】
出願人等は、基板とアノードとの間に多孔質体(高抵抗構造体)を配置し、この多孔質体の内部にめっき液を含浸させ、めっき液を含浸させた多孔質体自身の電気抵抗率をめっき液の電気抵抗率よりも高くすることで、基板表面のシート抵抗の影響を無視して、基板の表面に該表面に全面に亘ってより均一な膜厚のめっき膜を成膜できるようにしためっき装置(電解処理装置)を提案した(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の多孔質体の表面や内部(ポーラス内周面)には、この加工に伴って生じる切削屑や有機物等が付着するため、めっき装置に実際に組込んで使用する前に、多孔質体を予め洗浄する必要がある。また多孔質体の使用に伴って、例えば溶解アノードの表面に形成されたブラックフィルムが、非めっき時に溶解アノードから脱落して多孔質体のポーラスの内部に入り込んだり、めっき液中に含まれる添加物との二次生成物が多孔質体のポーラスの内部に入り込んだりして、多孔質体のポーラスの内部が詰まることがあり、このため多孔質体を定期的または必要に応じて洗浄する必要がある。
【0004】
従来、この種の多孔質体の洗浄は、図15に示すように、通常の一般的な基板の超音波洗浄とほぼ同様に、洗浄容器300の内部に多孔質体302を配置し、洗浄容器300の下部から該洗浄容器300の内部に導入しオーバーフロー槽306にオーバーフローさせた洗浄液304中に多孔質体302を浸漬させながら、超音波発振器308から洗浄容器300内の洗浄液304中に超音波を照射して多孔質体302を洗浄し、しかる後、洗浄容器300の内部に、リンス液としての純水を導入して、洗浄後の多孔質体302を純水でリンスすることによって一般に行われていた。
【特許文献1】特開2002−235192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポーラス状の多孔質体を超音波洗浄で洗浄すると、多孔質体の内部まで十分に洗浄することが一般に困難であった。このため、特に気孔径が小さく体積の大きな多孔質体にあっては、この内部まで十分に洗浄するに長時間を要していた。近年、基板の表面に該表面の全面に亘ってより均一な膜厚のめっき膜を成膜することが求められており、この要求に応えるため、めっき液を多孔質体を通過させて基板により均一に供給するようにすると、多孔質体の気孔率及び気孔径のスペックが厳しくなり、それに伴い多孔質体の内部を均一に洗浄することがより厳しくなってきている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みて為されたもので、例え気孔径が小さく、高密度で体積の大きな多孔質体であっても、この内部まで効率よく洗浄できるようにした多孔質体の洗浄方法及び洗浄装置、並びに該洗浄装置を備えためっき装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、密閉空間内に多孔質体を配し、多孔質体の内部を通過する加圧した洗浄液で該多孔質体の内部を洗浄し、その後、前記/又は別の密閉空間内に前記多孔質体を配し、前記多孔質体の内部を通過する加圧した純水を前記多孔質体の内部に供給することを特徴とする多孔質体の洗浄方法である。
【0008】
このように、超音波洗浄等の外力を使用することなく、多孔質体の内部を通過する洗浄液で該内部(ポーラス内周面)を直接的に洗浄することで、多孔質体の内部における洗浄効果を上げ、しかも、多孔質体の内部に残った洗浄液を純水に置換することで、洗浄液がめっき等の処理に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記密封空間内に流入した洗浄水及び/または純水に気体をバブリングすることを特徴とする請求項1記載の多孔質体の洗浄方法である。
これにより、気体をバブリングした洗浄液及び/または純水が多孔質体の内部を通過するようにすることで、多孔質体の内部、つまりポーラス内周面に付着したパーティクル等を該内周面からより確実に剥がして除去することができる。このバブリングには、例えばNなど不活性ガスが使用される。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記洗浄水は、硫酸、硝酸、ふっ酸、塩酸、過酸化水素水、純水、またはそれらの混合液、及びアルカリ洗浄液及び中性洗剤の1つまたは2つ以上の組合せからなることを特徴とする請求項1または2記載の多孔質体の洗浄方法である。
請求項4に記載の発明は、前記多孔質体は、炭化ケイ素、アルミナ、窒化アルミ、ジルコニアまたは酸化バナジウムからなるポーラス状のセラミックス、またはポーラス状の樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の多孔質体の洗浄方法である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記多孔質体の気孔率は40%以下であり、気孔径は100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の多孔質体の洗浄方法である。
請求項6に記載の発明は、前記洗浄液および前記純水の温度は、20〜120℃であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の多孔質体の洗浄方法である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、多孔質体を取付けて内部に密封空間を形成する密封容器と、前記密封容器に接続され、該密封容器内に加圧した洗浄液及び純水の一方を選択的に注入して前記多孔質体の内部を通過させる加圧流体注入部と、前記多孔質体の内部を通過した洗浄液または純水を外部に排出する流体排出部を有することを特徴とする多孔質体の洗浄装置である。
請求項8に記載の発明は、前記密封容器内に注入された洗浄液及び/または純水にバブリング用の気体を供給する気体供給部を更に有することを特徴とする請求項7記載の多孔質体の洗浄装置である。
【0013】
請求項9に記載の発明は、基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部で保持した基板表面の周縁部に当接して該周縁部を水密的にシールするシール材と前記基板に接触して通電させるカソード接点とを有するカソード部と、前記基板保持部の上方のプロセス位置と該プロセス位置の側方の多孔質体洗浄位置との間を移動自在で、前記プロセス位置に位置する時に、前記基板保持部で保持した基板と対向する位置に配置されるアノードと該アノードと基板との間に配置される多孔質体とを有するアノード部を備え、前記多孔質体洗浄位置には、前記アノード部の前記多孔質体の内部に洗浄液と純水とを順次を導入して多孔質体の内部を洗浄液で洗浄し該多孔質体の内部の洗浄液を純水に置換する多孔質体洗浄部が設けられていることを特徴とするめっき装置である。
【0014】
このように、多孔質体を備えためっき装置に該多孔質体を洗浄する多孔質体洗浄部を一体に組込むことで、多孔質体をめっき装置から一々取外すことなく、定期的または必要に応じて多孔質体を洗浄することができる。
【0015】
請求項10に記載の発明は、前記多孔質体洗浄部は、前記基板保持部の側方のアイドリングに使用されるめっき液を溜めるめっき液トレーに付設されていることを特徴とする請求項9記載のめっき装置である。
このように、多孔質体洗浄部を、アイドリングに使用されるめっき液を溜めるめっき液トレーに付設することで、めっき装置が大型化してしまうことを防止することができる。
【0016】
請求項11に記載の発明は、基板保持部の上方のめっき位置に位置する時に、前記基板保持部で保持した基板と対向する位置に配置されるアノードと該アノードと基板との間に配置される多孔質体とを有するアノード部を基板保持部の側方の多孔質体洗浄位置に移動させ、該多孔質体洗浄位置に位置する前記アノード部の前記多孔質体の内部に洗浄液と純水とを順次を導入して多孔質体の内部を洗浄液で洗浄し該多孔質体の内部の洗浄液を純水に置換することを特徴とするめっき装置における多孔質体の洗浄方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、多孔質体の内部を通過する洗浄液で該内部(ポーラス内周面)を直接的に洗浄することで、多孔質体の内部における洗浄効果を上げ、高密度で体積の大きい多孔質体であっても、その内部まで効率よく洗浄することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態のめっき装置を備えた基板処理装置の全体配置図を示す。図1に示すように、この基板処理装置には、同一設備内に位置して、内部に複数の基板を収納する2基のロード・アンロード部10と、めっき処理を行う2基のめっき装置12と、ロード・アンロード部10とめっき装置12との間で基板Wの受渡しを行う搬送ロボット14と、めっき液タンク16を有するめっき液供給設備18が備えられている。
【0019】
めっき装置12には、図2に示すように、めっき処理及びその付帯処理を行う基板処理部20が備えられ、この基板処理部20に隣接して、アイドリングに使用されるめっき液を溜めるめっき液トレー22が配置されている。また、回転軸24を中心に揺動する揺動アーム26の先端に保持されて基板処理部20とめっき液トレー22との間を移動するアノード部28を有する電極アーム部30が備えられている。更に、基板処理部20の側方に位置して、プレコート・回収アーム32と、純水やイオン水等の薬液、または気体等を基板に向けて噴射する固定ノズル34が配置されている。この例にあっては、3個の固定ノズル34が備えられ、その内の1個を純水の供給用に用いている。
【0020】
基板処理部20には、図3に示すように、基板の表面(被めっき面)を上向きにして基板Wを保持する基板保持部36と、この基板保持部36の上方に該基板保持部36の周縁部を囲繞するように配置されたカソード部38が備えられている。更に、基板保持部36の周囲を囲繞して処理中に用いる各種薬液の飛散を防止する有底略円筒状のカップ40が、エアシリンダ(図示せず)を介して上下動自在に配置されている。
【0021】
基板保持部36は、エアシリンダ44によって、下方の基板受渡し位置Aと、上方のめっき位置Bと、これらの中間の前処理・洗浄位置Cとの間を昇降し、図示しない回転モータ及びベルトを介して、任意の加速度及び速度でカソード部38と一体に回転するように構成されている。この基板受渡し位置Aに対向して、めっき装置12のフレーム側面の搬送ロボット14側には、基板搬出入口(図示せず)が設けられ、また基板保持部36がめっき位置Bまで上昇した時に、基板保持部36で保持された基板Wの周縁部に下記のカソード部38のシール材90とカソード接点88が当接する。一方、カップ40は、その上端が基板搬出入口下方に位置し、図3に仮想線で示すように、上昇した時に基板搬出入口を塞いでカソード部38の上方に達する。
【0022】
めっき液トレー22は、めっき処理を実施していない時に、電極アーム部30の下記の多孔質体110及びアノード98をめっき液で湿潤させながらアイドリング(めっき液の置換及び泡抜き)を行うためのめっき液を溜めるもので、この多孔質体110が収容できる大きさに設定され、図示しないめっき液供給口とめっき液排水口を有している。また、フォトセンサがめっき液トレー22に取付けられており、めっき液トレー22内のめっき液の満水、即ちオーバーフローと排水の検出が可能になっている。
【0023】
電極アーム部30は、下記のように、図示しないサーボモータからなる上下動モータとボールねじを介して上下動し、旋回モータを介して、めっき液トレー22の上方のアイドリング位置と基板処理部20の上方のプロセス位置との間を旋回(揺動)するようになっているが、空気圧アクチュエータを使用しても良い。
【0024】
プレコート・回収アーム32は、図4に示すように、上下方向に延びる支持軸58の上端に連結されて、ロータリアクチュエータ60を介して旋回(揺動)し、エアシリンダ(図示せず)を介して上下動するよう構成されている。このプレコート・回収アーム32には、その自由端側にプレコート液吐出用のプレコートノズル64が、基端側にめっき液回収用のめっき液回収ノズル66がそれぞれ保持されている。そして、プレコートノズル64は、例えばエアシリンダによって駆動するシリンジに接続されて、プレコート液がプレコートノズル64から間欠的に吐出され、また、めっき液回収ノズル66は、例えばシリンダポンプまたはアスピレータに接続されて、基板上のめっき液がめっき液回収ノズル66から吸引される。
【0025】
基板保持部36は、図5乃至図7に示すように、円板状の基板ステージ68を備え、この基板ステージ68の周縁部の円周方向に沿った6カ所に、上面に基板Wを水平に載置して保持する支持腕70が立設されている。この支持腕70の1つの上端には、基板Wの端面に当接して位置決めする位置決め板72が固着され、この位置決め板72を固着した支持腕70に対向する支持腕70の上端には、基板Wの端面に当接し回動して基板Wを位置決め板72側に押付ける押付け片74が回動自在に支承されている。また、他の4個の支持腕70の上端には、回動して基板Wをこの上方から下方に押付けるチャック爪76が回動自在に支承されている。
【0026】
ここで、押付け片74及びチャック爪76の下端は、コイルばね78を介して下方に付勢した押圧棒80の上端に連結されて、この押圧棒80の下動に伴って押付け片74及びチャック爪76が内方に回動して閉じるようになっており、基板ステージ68の下方には、押圧棒80に下面に当接してこれを上方に押上げる支持板82が配置されている。
【0027】
これにより、基板保持部36が図3に示す基板受渡し位置Aに位置する時、押圧棒80は支持板82に当接し上方に押上げられて、押付け片74及びチャック爪76が外方に回動して開き、基板ステージ68を上昇させると、押圧棒80がコイルばね78の弾性力で下降して、押付け片74及びチャック爪76が内方に回転して閉じる。
【0028】
カソード部38は、図8及び図9に示すように、支持板82(図7等参照)の周縁部に立設した支柱84の上端に固着した環状の枠体86と、この枠体86の下面に内方に突出させて取付けた、この例では6分割されたカソード接点88と、このカソード接点88の上方を覆うように枠体86の上面に取付けた環状のシール材90とを有している。シール材90は、その内周縁部が内方に向け下方に傾斜し、かつ徐々に薄肉となって、内周端部が下方に垂下するように構成されている。
【0029】
これにより、図3に示すように、基板保持部36がめっき位置Bまで上昇した時に、この基板保持部36で保持した基板Wの周縁部にカソード接点88が押付けられて通電し、同時にシール材90の内周端部が基板Wの周縁部上面に圧接し、ここを水密的にシールして、基板の上面(被めっき面)に供給されためっき液が基板Wの端部から染み出すのを防止するとともに、めっき液がカソード接点88を汚染することを防止するようになっている。
【0030】
なお、この例において、カソード部38は、上下動不能で基板保持部36と一体に回転するようになっているが、上下動自在で、下降した時にシール材90が基板Wの被めっき面に圧接するように構成しても良い。
【0031】
電極アーム部30のアノード部28は、図10乃至図12に示すように、揺動アーム26の自由端にボールベアリングを介して連結したハウジング94と、このハウジング94の下端開口部を塞ぐように配置された多孔質体110とを有している。ハウジング94の下部には、内方に突出した内方突出部94aが、多孔質体110の上部にはフランジ部110aがそれぞれ設けられ、内方突出部94aとフランジ部110aとの間にシールリング(図示せず)を介装させた状態で多孔質体110がハウジング94に固定されている。これによって、周縁部をシールリングでシールした多孔質体110とハウジング94の内周面との間に中空のめっき液室100が区画形成されている。
【0032】
この多孔質体110は、例えば、炭化ケイ素、アルミナ、SiC、ムライト、ジルコニア、チタニア、コージライト、窒化アルミまたは酸化バナジウムからなるポーラス状のセラミックス、またはポリプロピレンやポリエチレンの焼結体等のポーラス状の樹脂や、スポンジから構成される。多孔質体110の気孔率は、好ましくは40%以下で、気孔径は、好ましくは100μm以下である。多孔質体110の厚みは、一般には1〜20mm、好ましくは5〜20mm、更に好ましくは8〜15mm程度である。この例では、例えば気孔率40%以下、平均気孔径100μm以下のアルミナ製の多孔質セラミックス板から構成されている。そして、この多孔質体110の内部にめっき液を含有させることで、つまり多孔質セラミックス板自体は絶縁体であるが、この内部にめっき液を複雑に入り込ませ、厚さ方向にかなり長い経路を辿らせることで、めっき液の電気伝導率より小さい電気伝導率を有するように構成されている。
【0033】
このように多孔質体110をめっき液室100内に配置し、この多孔質体110によって大きな抵抗を発生させることで、基板表面のシート抵抗の影響を無視できる程度となし、基板Wの表面の電気抵抗による電流密度の面内差を小さくして、面内均一性を向上させためっき膜を成膜することができる。
【0034】
めっき液室100内には、多孔質体110の上方に位置してアノード98が配置され、このアノード98の上方にめっき液導入管104が配置されている。そして、このめっき液導入管104には、めっき液導入口104aが設けられ、このめっき液導入口104aにめっき液供給設備18(図1参照)から延びるめっき液供給管102が接続されている。更に、ハウジング94の上面に設けられためっき液排出口94bにめっき液排出管106が接続されている。
【0035】
めっき液導入管104は、基板の被めっき面に均一にめっき液を供給できるように、マニホールド構造が採用されている。即ち、その長手方向に沿った所定の位置に、この内部に連通する多数の細管112を連結している。そして、アノード98及び多孔質体110のこの細管112に対応する位置には細孔が設けられ、細管112は、これらの細孔内を下方に延びて、多孔質体110の下面乃至該下面付近に達するように構成されている。
【0036】
これにより、めっき液供給管102からめっき液導入管104に導入されためっき液は、細管112を通過して多孔質体110の下方に達し、この多孔質体110の内部を通過してめっき液室100内を満たしてアノード98をめっき液中に浸漬させ、めっき液排出管106を吸引することで、めっき液排出管106から排出される。
【0037】
ここで、アノード98は、スライムの生成を抑制するため、含有量が0.03〜0.05%のリンを含む銅(含リン銅)で構成されているが、不溶解のものを使用してもよい。
また、カソード接点88はめっき電源の陽極に、アノード98はめっき電源の陰極にそれぞれ電気的に接続される。
【0038】
そして、電解めっきを行うときには、基板保持部36がめっき位置B(図3参照)にある時に、基板保持部36で保持した基板Wと多孔質体110との隙間が、例えば0.1〜3mm程度となるプロセス位置までアノード部28を下降させ、この状態で、めっき液供給管102からめっき液を供給して、多孔質体110にめっき液を含ませながら、基板Wの上面(被めっき面)からめっき液室100の内部をめっき液で満たす。そして、カソード接点88をめっき電源の陽極に、アノード98をめっき電源の陰極にそれぞれ電気的に接続し、これによって、基板Wの被めっき面にめっきを施す。
【0039】
めっき液トレー22には、図12に示すように、アノード部28の多孔質体110を洗浄する多孔質体洗浄部120が付設されている。この例では、めっき液トレー22内に該めっき液トレー22の開口部をアノード部28で覆った密封空間を形成し、この密封空間を区画する多孔質体110を、多孔質体洗浄部120からめっき液トレー22内に供給する洗浄液で洗浄し、更に多孔質体洗浄部120からめっき液トレー22内に供給する純水で多孔質体110内に残った洗浄液を純水(リンス液)に置換するようにしている。
【0040】
すなわち、アノード部28のハウジング94の上部には、フランジ部94cが設けられ、めっき液トレー22の上面の該フランジ部94cと当接する位置にはシールリング122が設けられている。これにより、アノード部28を下降させ、このフランジ部94cをめっき液トレー22の上面のシールリング122に圧接させることで、めっき液トレー22の内部がシールリング122でシールされて密閉空間が形成される。
【0041】
多孔質体洗浄部120には、例えば硫酸、硝酸、ふっ酸、塩酸、過酸化水素水、純水、またはそれらの混合液、及びアルカリ洗浄液及び中性洗剤の1つまたは2つ以上の組合せからなる洗浄液124を溜める洗浄液タンク126と、この洗浄液タンク126内の洗浄液124をめっき液トレー22内に供給する洗浄液供給管128と、めっき液導入口104a及びめっき液排出口94bに選択的に接続されて、ハウジング94内の洗浄液等を排出する洗浄液排出管130が備えられている。洗浄液供給管128には、圧送ポンプ132及びフィルタ134が設置されて、洗浄液排出管130には、送液ポンプ136が設置されている。
【0042】
めっき液トレー22の内部には、溢流堰22aで区画されたオーバーフロー槽22bが設けられ、オーバーフロー槽22b内に流入した洗浄液は、三方弁138aを介して、戻り管140を介して洗浄液タンク126に戻されるか、または廃液管142から外部に排出される。洗浄液排出管130を流れる洗浄液も同様に、三方弁138bを介して、戻り管144から洗浄液タンク126に戻されるか、または廃液管146から外部に排出される。更に、洗浄液供給管128は、圧送ポンプ132の上流側で、三方弁138cを介して、リンス液としての純水を供給する純水配管148に選択的に接続され、フィルタ134の下流側で、三方弁138dを介して、廃液管150に選択的に接続される。なお、多孔質体の洗浄液として純水を用いる場合は、上記配管の切り替えは必要なく、全て純水配管148で行えばよい。
【0043】
次に、アノード部28の多孔質体110を多孔質体洗浄部120で洗浄する時の操作について説明する。先ず、アノード部28をめっき液トレー22の上方のアイドリング位置に位置させ、アノード部28を更に下降させて、アノード部28のフランジ部94cをめっき液トレー22の上面のシールリング122に圧接させることで、めっき液トレー22の外周部をシールリング122でシールする。この時、めっき液トレー22内は、めっき液を抜いた空の状態にしておき、また、めっき液導入口104a及びめっき液排出口94bを洗浄液排出管130に接続しておく。
【0044】
この状態で、圧送ポンプ132を駆動して、洗浄液タンク126内の洗浄液124をめっき液トレー22内に加圧して供給し、例えばめっき液トレー22内が洗浄液で満たされた時点で、送液ポンプ136を駆動して、ハウジング94内の最初はめっき液を含む洗浄液をハウジング94から排出する。これにより、加圧した洗浄液124が、めっき液トレー22内に流入した後、多孔質体110の内部を通過して、ハウジング94内に流入するようにして、多孔質体110の内部(ポーラス内周面)を洗浄液124で洗浄する。このように、多孔質体110の内部を通過する洗浄液124で該内部(ポーラス内周面)を直接的に洗浄することで、多孔質体110の内部における洗浄効果を上げ、例え高密度で体積の大きい多孔質体110であっても、その内部まで効率よく洗浄することができる。本発明においては、加圧した洗浄液124による洗浄に、多孔質体110、洗浄液124、多孔質体洗浄部120のいずれか1つ以上に超音波を印加させて洗浄効率を高めてもよい。
【0045】
この時、洗浄液排出管130を通して排水される洗浄液中にめっき液が含まれている場合には、三方弁138bを介して、洗浄液を廃液管146から外部に排出し、洗浄液にめっき液が含まれなくなった時点で、三方弁138bを介して、洗浄液を戻り管144から洗浄液タンク126に戻して循環させる。この洗浄時の洗浄液の流量は、例えば10〜20L/min程度である。
【0046】
そして、所定時間、多孔質体110を洗浄液124で洗浄した後、めっき液トレー22内への洗浄液124の供給を停止する。この洗浄時間は、例えば洗浄液として硫酸を使用した場合は、例えば3時間程度である。そして、めっき液トレー22内に残った洗浄液を、洗浄液供給管128及び廃液管150を通してめっき液トレー22の内部から引抜き、またオーバーフロー槽22b内の洗浄液を、戻り管140を通して洗浄液タンク126内に戻す。
【0047】
次に、三方弁138cを介して、純水配管148を洗浄液供給管128に繋ぎ、圧送ポンプ132を駆動して、めっき液トレー22内にリンス液としての加圧した純水を供給し、例えばめっき液トレー22内が純水で満たされた時点で、送液ポンプ136を駆動して、ハウジング94内の当初は洗浄液を含む純水をハウジング94から排出する。同時に、めっき液トレー22内に供給されて多孔質体110の内部を通過した純水及びオーバーフロー槽22b内に流入した純水を、廃液管142,146を通して廃液する。
【0048】
これにより、加圧した純水が、めっき液トレー22内に流入した後、多孔質体110の内部を通過して、ハウジング94内に流入するようにして、多孔質体110の内部に残った洗浄液を純水に置換する。このように、多孔質体110の内部に残った洗浄液を純水に置換することで、洗浄液がめっき処理に悪影響を及ぼすことを防止する。
【0049】
この純水リンス(純水置換)に、多孔質体110の内部を通過した純水の電気伝導率をモニタし、これが所定の値に達した時に、めっき液トレー内への純水の供給を停止して、この置換作業を終了する。そして、めっき液トレー22内に残った純水を、洗浄液供給管128及び廃液管150を通してめっき液トレー22から引抜く。なお、実験等で予め求めた所定の時間が経過した後、置換作業を終了するようにしてもよい。
【0050】
次に、通常のアイドリングを行う。つまり、めっき液トレー22内にめっき液を導入し、このめっき液トレー22内のめっき液中に多孔質体110を浸漬させながら、ハウジング94内のめっき液を引抜いて循環させることで、ハウジング94内のめっき液の置換及びめっき液の泡抜きを行う。
【0051】
この例によれば、多孔質体110を備えためっき装置12に該多孔質体110を洗浄する多孔質体洗浄部120を一体に組込むことで、多孔質体110をめっき装置12から一々取外すことなく、例えば定期的または必要に応じて多孔質体110を洗浄することができる。また、アイドリングに使用されるめっき液を貯めるめっき液トレー22内に洗浄液を供給して、アイドリング位置で多孔質体110の洗浄を行うようにすることで、めっき装置が大型化してしまうことを防止することができる。
【0052】
なお、例えばめっき液トレーの側方等に洗浄液トレーを別途用意し、アノード部を洗浄液トレーの上方まで移動させ、更に下降させて、洗浄液トレーの開口部をアノード部で覆って該洗浄液トレーの内部に密封空間を形成し、しかる後、前述とほぼ同様に、この洗浄液トレー内に加圧した洗浄液と加圧した純水(リンス液)を順次供給して、アノード部の多孔質体を洗浄するようにしても良い。さらに、洗浄用の洗浄液トレーとは別に純水リンストレーを設け、洗浄液トレー内で薬液から純水に置換するのにかかる時間と液体供給量を節約したり、洗浄液の再利用をしやすくするようにしてもよい。
【0053】
次に、前記基板処理装置の操作について説明する。
先ず、ロード・アンロード部10からめっき処理前の基板を搬送ロボット14で取出し、表面(被めっき面)を上向きにした状態で、フレームの側面に設けられた基板搬出入口から一方のめっき装置12の内部に搬送する。この時、基板保持部36は、下方の基板受渡し位置Aにあり、搬送ロボット14は、そのハンドがステージ68の真上に到達した後に、ハンドを下降させることで、基板Wを支持腕70上に載置する。そして、搬送ロボット14のハンドを、前記基板搬出入口を通って退去させる。
【0054】
搬送ロボット14のハンドの退去が完了した後、カップ40を上昇させ、同時に基板受渡し位置Aにあった基板保持部36を前処理・洗浄位置Cに上昇させる。この時、この上昇に伴って、支持腕70上に載置された基板は、位置決め板72と押付け片74で位置決めされ、チャック爪76で確実に把持される。
【0055】
一方、電極アーム部30のアノード部28は、この時点では、めっき液トレー22上のアイドリング位置にあって、多孔質体110及びアノード98がめっき液トレー22内に位置しており、この状態で、カップ40の上昇と同時に、めっき液トレー22及びアノード部28にめっき液の供給を開始する。そして、基板のめっき工程に移るまで、新しいめっき液を供給し、併せてめっき液排出管106を通じた吸引を行って、多孔質体110に含まれるめっき液の交換と泡抜き(アイドリング)を行う。なお、カップ40の上昇が完了すると、フレーム側面の基板搬出入口はカップ40で塞がれて閉じ、フレーム内外の雰囲気が遮断状態となる。
【0056】
カップ40が上昇するとプレコート処理に移る。即ち、基板Wを受取った基板保持部36を回転させ、待避位置にあったプレコート・回収アーム32を基板と対峙する位置へ移動させる。そして、基板保持部36の回転速度が設定値に到達したところで、プレコート・回収アーム32の先端に設けられたプレコートノズル64から、例えば界面活性剤からなるプレコート液を基板の被めっき面に間欠的に吐出する。この時、基板保持部36が回転しているため、プレコート液は基板Wの被めっき面の全面に行き渡る。次に、プレコート・回収アーム32を待避位置へ戻し、基板保持部36の回転速度を増して、遠心力により基板Wの被めっき面のプレコート液を振り切って乾燥させる。
【0057】
プレコート完了後にめっき処理に移る。先ず、基板保持部36を、この回転を停止、若しくは回転速度をめっき時速度まで低下させた状態で、めっきを施すめっき位置Bまで上昇させる。すると、基板Wの周縁部は、カソード接点88に接触して通電可能な状態となり、同時に基板Wの周縁部上面にシール材90が圧接して、基板Wの周縁部が水密的にシールされる。
【0058】
一方、搬入された基板Wのプレコート処理が完了したという信号に基づいて、電極アーム部30をめっき液トレー22上方からめっき処理を施すプロセス位置の上方にアノード部28が位置するように水平方向に旋回させ、この位置に到達した後に、アノード部28をカソード部38に向かって下降させる。この時、多孔質体110を基板Wの被めっき面に接触することなく、0.1mm〜3mm程度に近接した位置とし、アノード部28の下降が完了した時点で、めっき電源の陰極をカソード接点88に、陽極をアノード98にそれぞれ接続してめっき処理を開始する。このめっき時に、必要に応じて、基板保持部36を低速で回転させる。
【0059】
そして、めっき処理が完了すると、電極アーム部30を上昇させ旋回させて、アノード部28をめっき液トレー22上方へ戻し、アイドリング位置へ下降させる。次に、プレコート・回収アーム32を待避位置から基板Wに対峙する位置へ移動させて下降させ、めっき液回収ノズル66から基板W上のめっき液の残液を回収する。この残液の回収が終了した後、プレコート・回収アーム32を待避位置へ戻し、基板のめっき面のリンスのために、純水用の固定ノズル34から基板Wの中央部に純水を吐出し、同時に基板保持部36をスピードを増して回転させて基板Wの表面の被めっき液を純水に置換する。このように、基板Wのリンスを行うことで、基板保持部36をめっき位置Bから下降させる際に、めっき液が跳ねて、カソード部38のカソード接点88が汚染されることが防止される。
【0060】
リンス終了後に水洗工程に入る。即ち、基板保持部36をめっき位置Bから前処理・洗浄位置Cへ下降させ、純水用の固定ノズル34から純水を供給しつつ基板保持部36及びカソード部38を回転させて水洗を実施する。この時、カソード部38に直接供給した純水、又は基板Wの面から飛散した純水によってシール材90及びカソード接点88も基板と同時に洗浄することができる。
【0061】
水洗完了後にドライ工程に入る。即ち、固定ノズル34からの純水の供給を停止し、更に基板保持部36及びカソード部38の回転スピードを増して、遠心力により基板表面の純水を振り切って乾燥させる。併せて、シール材90及びカソード接点88も乾燥される。ドライ工程が完了すると基板保持部36及びカソード部38の回転を停止させ、基板保持部36を基板受渡し位置Aまで下降させる。すると、チャック爪76による基板Wの把持が解かれ、基板Wは、支持腕70の上面に載置された状態となる。これと同時に、カップ40も下降させる。
【0062】
以上でめっき処理及びそれに付帯する前処理や洗浄・乾燥工程の全て工程を終了し、搬送ロボット14は、そのハンドを基板搬出入口から基板Wの下方に挿入し、そのまま上昇させることで、基板保持部36から処理後の基板Wを受取る。そして、搬送ロボット14は、この基板保持部36から受取った処理後の基板Wをロード・アンロード部10に戻す。
【0063】
そして、例えば所定の枚数の基板をめっき処理した後または定期的に、アノード部28の多孔質体110を多孔質体洗浄部120も用いて洗浄する。つまり、めっき処理完了後、電極アーム部30を上昇させ旋回させて、アノード部28をめっき液トレー22上方へ戻し、アイドリング位置へ下降させる際、アノード部28を更に下降させて、アノード部28の外周部をシールリング122でシールする。この時、めっき液トレー22内のめっき液を抜いておく。そして、前述と同様に、めっき液トレー22内に多孔質体洗浄部120から高圧な洗浄液と純水を順次導入して、アノード部28の多孔質体110の内部を洗浄液で洗浄し、多孔質体110の内部に残った洗浄液を純水(リンス液)に置換する。そして、多孔質体110の洗浄を完了した後、通常のめっき処理に戻る。
【0064】
図13は、例えば前記めっき装置12に備えられている多孔質体110をめっき装置12から取出して洗浄するのに使用される、本発明の実施の形態の多孔質体洗浄装置の概要を示す。この多孔質体洗浄装置は、上方に開放した密封可能な密封容器200と、この密封容器200の上部に取付けたリング状の保持体202と、着脱自在または開閉自在で密封容器200の上方を水密的に覆う蓋体204を有している。
【0065】
保持体202は、内部の開口部内に多孔質体110を落し込んで保持して、密封容器200の開口部を該多孔質体110で閉塞するためのもので、保持体202の上面の多孔質体110を囲繞する位置にはシールリング206が取付けられている。そして、このシールリング206と保持体202で保持した多孔質体110の外周部に跨る幅を有するリング状の押え板208が備えられている。これにより、保持体202の開口部内に多孔質体110を落し込んだ後、押え板208でシールリング206を押し潰しながら、押え板208を多孔質体110の外周部上面に圧接させて、ボルト等の取付け具210で押え板208を保持体202に固定することで、密封容器200の内部に、外周部をシールリング206でシールされ開口部を多孔質体110で閉塞された密封空間が形成される。
【0066】
密封容器200の底部には、内部に洗浄液212を溜める洗浄液タンク214から延びる加圧流体注入部として洗浄液供給管216が接続され、この洗浄液供給管(加圧流体注入部)216には、圧送ポンプ218とフィルタ220が設置されている。洗浄液供給管216は、圧送ポンプ218の上流側で、三方弁222aを介して、純水配管224と選択的に接続できるようになっている。更に、密封容器200の底部には、密封容器200内の液体(洗浄液及び/または純水)に、例えばN等の不活性ガスをバブリングする気体供給管226が接続されている。
【0067】
蓋体204には、流体排出部としての洗浄液排出管228が接続されている。この洗浄液排出管(流体排出部)228は、三方弁222bを介して、洗浄液タンク214に戻る戻り管230と廃液管232の一方に接続されるようになっている。
【0068】
次に、この多孔質体洗浄装置で多孔質体110を洗浄する時の操作について説明する。
先ず、蓋体204を取外すか、または蓋体204を開いた状態で、多孔質体110を保持体202の開口部内に落し込み、更に取付け具210を介して、押え板208を保持体202に固定することで、密封容器200の内部に、シールリング206で外周部をシールされて、開口部に多孔質体110を配置した密封空間を形成する。そして、蓋体204を取付けるか、または蓋体204を閉じる。
【0069】
この状態で、圧送ポンプ218を駆動して、洗浄液タンク214内の洗浄液212を加圧して密封容器200内に順次送込む。この洗浄液の流量は、前述の例と同様に、例えば10〜20L/minである。同時に、気体供給管226から密封容器200内に送込まれた洗浄液にN等の不活性ガスをバブリングする。これによって、加圧した洗浄液が多孔質体110の内部を通過して、多孔質体110の上方に達するようにして、多孔質体110の内部を洗浄液で洗浄する。特に、この例では、気体をバブリングした洗浄液が多孔質体110の内部を通過するようにすることで、多孔質体110の内部、つまりポーラス内周面に付着したパーティクル等を該内周面からより確実に剥がして除去することができる。
【0070】
この洗浄に伴って、多孔質体110の上方に達して蓋体204の内部に溜まった洗浄液は、洗浄液排出管228から外部に排出されるのであるが、この洗浄液排出管228を通して排水される洗浄液中にめっき液が含まれている場合には、三方弁222bを介して、洗浄液を廃液管232から外部に排出し、洗浄液にめっき液が含まれなくなった時点で、三方弁222bを介して、洗浄液を戻り管230から洗浄液タンク214に戻して循環させる。そして、所定時間、多孔質体110を洗浄液212で洗浄した後、密封容器200内への洗浄液212の供給を停止する。
【0071】
次に、三方弁222aを介して、純水配管224を洗浄液供給管216に繋いで、密封容器200内へ流量10〜20L/minで加圧したリンス液としての純水を供給し、この加圧した純水が多孔質体110の内部を通過して多孔質体110の上方に達するようにして、多孔質体110の内部に残った洗浄液を純水に置換する。この時、前述と同様に、気体供給管226から密封容器200内に送込まれた純水にN等の不活性ガスをバブリングするようにしてもよい。この純水置換時に蓋体204の内部から排出される液体は、廃液管146から外部に排出される。
【0072】
そして、この置換作業終了後、圧送ポンプ218の駆動を停止させ、蓋体204の内部に残った液体を除去した後、蓋体204を取外すか、または蓋体204を開く。しかる後、押え板208を取外し、洗浄後の多孔質体110を保持体202から取出して、めっき装置等に再使用する。
【0073】
図14は、本発明の他の実施の形態の多孔質体洗浄装置を示す。この例の図13に示す例と異なる点は、蓋体204側に洗浄液供給管(加圧流体供給部)216を、密封容器200側に洗浄液排出管(流体排出部)228をそれぞれ接続し、これによって、多孔質体110、保持体202及び蓋体204で囲まれた領域(密封空間)内に加圧した洗浄液と加圧した純水を順次供給して多孔質体110の内部を通過させ、多孔質体110の内部を通過して密封容器200内に溜まった洗浄液または純水を廃液または再利用するようにした点にある。その他の構成は、図13に示す例とほぼ同様であるので、ここではその説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態のめっき装置を備えた基板処理装置の全体を示す平面図である。
【図2】図1に示すめっき装置を示す平面図である。
【図3】図1に示すめっき装置の基板保持部及びカソード部の拡大断面図である。
【図4】図1に示すめっき装置のプレコート・回収アームを示す正面図である。
【図5】図1に示すめっき装置の基板保持部の平面図である。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【図7】図5のC−C線断面図である。
【図8】図1に示すめっき装置のカソード部の平面図である。
【図9】図8のD−D線断面図である。
【図10】図1に示すめっき装置の電極アーム部の平面図である。
【図11】図1に示すめっき装置のめっき時における要部を概略的に示す断面図である。
【図12】図1に示すめっき装置の多孔質体洗浄時における要部を概略的に示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態の多孔質体洗浄装置を示す概要図である。
【図14】本発明の他の実施の形態の多孔質体洗浄装置を示す概要図である。
【図15】従来の多孔質体洗浄装置を示す概要図である。
【符号の説明】
【0075】
12 めっき装置
20 基板処理部
22 めっき液トレー
28 アノード部
30 電極アーム部
36 基板保持部
38 カソード部
88 カソード接点
90 シール材
94 ハウジング
98 アノード
100 めっき液室
102 めっき液供給管
104 めっき液導入管
106 めっき液排出管
110 多孔質体
120 多孔質体洗浄部
122 シールリング
124 洗浄液
126 洗浄液タンク
128 洗浄液供給管
130 洗浄液排出管
148 純水配管
200 密封容器
202 保持体
204 蓋体
206 シールリング
212 洗浄液
214 洗浄液タンク
216 洗浄液供給管(加圧流体注入部)
224 純水配管
226 気体供給管
228 洗浄液排出管(流体排出部)
【出願人】 【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
【出願日】 平成18年7月14日(2006.7.14)
【代理人】 【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇

【識別番号】100092406
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 信太郎

【識別番号】100093942
【弁理士】
【氏名又は名称】小杉 良二

【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏

【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也


【公開番号】 特開2008−19495(P2008−19495A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−194361(P2006−194361)