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【発明の名称】 錫めっき皮膜
【発明者】 【氏名】辻本 雅宣

【氏名】梁田 勇

【要約】 【課題】

【構成】基体上に形成された錫めっき皮膜であって、該錫めっき皮膜が2層以上の多層で構成され、上記多層のうちの1層が、上記基体に接して設けられた厚さ0.1〜20μmのバリア層であり、かつ他の1層が、基体から離間する側の表面部に設けられた厚さ0.1〜20μmの表面層であり、上記バリア層と基体との界面に形成される金属間化合物の均一性の変動係数CV値が40%以下である錫めっき皮膜。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体上に形成された錫めっき皮膜であって、該錫めっき皮膜が2層以上の多層で構成され、上記多層のうちの1層が、上記基体に接して設けられた厚さ0.1〜20μmのバリア層であり、かつ他の1層が、基体から離間する側の表面部に設けられた厚さ0.1〜20μmの表面層であり、上記バリア層と基体との界面に形成される金属間化合物の均一性の変動係数CV値が40%以下であることを特徴とする錫めっき皮膜。
【請求項2】
基体上に形成された錫めっき皮膜であって、該錫めっき皮膜が2層以上の多層で構成され、上記多層のうちの1層が、上記基体に接して設けられた厚さ0.1〜20μmのバリア層であり、かつ他の1層が、基体から離間する側の表面部に設けられた厚さ0.1〜20μmの表面層であり、上記バリア層を形成する際の陰極電流密度が臨界電流密度の上限値の70〜100%であることを特徴とする錫めっき皮膜。
【請求項3】
基体上に形成された錫めっき皮膜であって、該錫めっき皮膜が2層以上の多層で構成され、上記多層のうちの1層が、上記基体に接して設けられた厚さ0.1〜20μmのバリア層であり、かつ他の1層が、基体から離間する側の表面部に設けられた厚さ0.1〜20μmの表面層であり、上記バリア層を形成する際の陰極電流密度が臨界電流密度の上限値の70〜100%であり、上記バリア層と基体との界面に形成される金属間化合物の均一性の変動係数CV値が40%以下であることを特徴とする錫めっき皮膜。
【請求項4】
上記バリア層を、光沢剤を含まない錫電気めっき浴にて形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の錫めっき皮膜。
【請求項5】
上記表面層が、良好なはんだ接合特性を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の錫めっき皮膜。
【請求項6】
上記バリア層をめっきする際の陰極電流密度を1〜100A/dm2、上記表面層をめっきする際の陰極電流密度を0.01〜50A/dm2として各々形成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の錫めっき皮膜。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、被はんだ接合部などに形成され、ウィスカの発生が効果的に抑制された錫めっき皮膜に関する。
【背景技術】
【0002】
錫、錫−銅、錫−銀、錫−ビスマス等の錫又は錫合金めっき皮膜は、はんだ濡れ性に優れていることから電子部品等に広く利用されているが、これらのめっき皮膜に内部応力があるとウィスカと呼ばれるひげ状の結晶が発生しやすいことが知られており、このウィスカによって回路がショートするなどの問題が発生する。錫合金めっき皮膜は錫めっき皮膜に比べウィスカの発生の抑制効果が見られるものの十分ではない。
【0003】
従来、ウィスカ発生を抑制するために、以下のような方法が用いられている。(三菱電機技報,vol.53,No.11,1979(非特許文献1))
・錫および錫合金めっきの下地にNiめっきを実施する。
基材の銅とめっきの錫との金属間化合物形成のバリアとなり、ウィスカの発生を抑える。ただし、必要な特性によりNiめっきができない部品が多数ある。
・錫および錫合金めっきの膜厚を厚くする(10〜20μm以上)。
膜厚を厚くすると、金属間化合物の形成により生じた内部応力の影響が、めっき表層まで及ばないためウィスカの発生が抑制される。ただし、電子部品によっては膜厚を厚くできない部品もある。
・錫および錫合金めっき後の熱処理、リフローの実施。
熱処理、リフローを実施することで金属間化合物の形成により生じためっき皮膜の内部応力を緩和し、ウィスカの発生を抑制することができる。ただし、熱処理、リフローにより錫皮膜上に酸化皮膜が形成され、はんだ濡れ性の低下が生じる。また、リフローの場合には溶融した錫皮膜が流動し、膜厚にばらつきが生じる。
【0004】
また、錫合金めっき皮膜は錫めっき皮膜に比べウィスカの抑制効果がみられるが、皮膜中の合金比率やめっき浴中の合金比率を管理することが非常に難しく、品質が安定しないという問題点がある。
【0005】
【特許文献1】特開2005−344157号公報
【特許文献2】特開2006−9039号公報
【特許文献3】特開平6−330351号公報
【特許文献4】特開2003−23123号公報
【特許文献5】特開2000−252402号公報
【特許文献6】特開2001−71023号公報
【特許文献7】特開2001−73189号公報
【非特許文献1】三菱電機技報,vol.53,No.11,1979
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、電子部品等の被はんだ接合部などに形成される錫めっき皮膜として、ウィスカの発生を効果的に抑制した錫めっき皮膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
錫皮膜、特に錫めっき皮膜におけるウィスカは、皮膜を構成する粒界が、基材から表面まで被めっき面に対して垂直に成長した繊維様組織となることで、錫皮膜と基材との界面で形成された金属間化合物が粒界に沿って成長して皮膜に内部応力が発生し、これが駆動力となって発生すると考えられている。更に、形成される金属間化合物が、不均一であることも、内部応力を増大させ、ウィスカ発生を助長する原因となっている。
【0008】
一方、ウィスカの発生が少ない錫−鉛合金の場合、錫皮膜の結晶粒界とは異なり、粒界が被めっき面に対して垂直に伸びた繊維様組織をとっておらず、結晶粒界が基材から表面に向かって被めっき面に対して垂直に伸びていない塊状(ランダム組織)となっている。
【0009】
そこで、この錫−鉛合金皮膜のような結晶粒界(即ち、ランダム組織)を形成すること、繊維様組織をとっている粒界を途中で遮断して金属間化合物が皮膜表面まで延びないような層でブロックすること、又はこれら双方によりウィスカの発生を抑制することができると考えた。
【0010】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、高い陰極電流密度下でめっきすることにより、粒界が基体から表面まで被めっき面に対して垂直に成長していないランダム組織となり、この針状または角状の粗い粒界組織を有するバリア層が、基材との界面に形成された金属間化合物によって生じた内部応力を分散して、ウィスカの発生が抑制されることを見出した。
【0011】
しかしながら、このバリア層は、被はんだ接合部として要求される例えばはんだ濡れ性等の諸特性に劣ることがわかった。そこで、錫めっき皮膜を、成膜条件を変えて形成した結晶形態が異なる2層を含むように構成し、上層(即ち、錫めっき皮膜の表面側の層)を、めっき濡れ性等の被はんだ接合部としての諸特性に優れた通常の成膜条件で形成した表面層として基体から離間する側の表面部に設け、下層(即ち、上記上層以外の層のうちの1層)を、結晶形態が上述したランダム組織となっている針状または角状の粗いバリア層として基体に接して設け、バリア層を臨界電流密度の上限値の70〜100%の陰極電流密度でめっき形成すれば、このバリア層がウィスカの発生を助長する金属間化合物の粒界に沿った成長をブロックすることができると共に、特に、この下層(バリヤ層)を基体(被めっき物)と接するように設ければ、下層と基体との界面に形成される金属間化合物が、特に、均一性の指標である変動係数CV値が40%以下という均一な状態で形成され、これらの相乗効果により、ウィスカの発生を抑制することができることを見出し、本発明をなすに至った。
【0012】
即ち、本発明は、以下の錫めっき皮膜を提供する。
[1] 基体上に形成された錫めっき皮膜であって、該錫めっき皮膜が2層以上の多層で構成され、上記多層のうちの1層が、上記基体に接して設けられた厚さ0.1〜20μmのバリア層であり、かつ他の1層が、基体から離間する側の表面部に設けられた厚さ0.1〜20μmの表面層であり、上記バリア層と基体との界面に形成される金属間化合物の均一性の変動係数CV値が40%以下であることを特徴とする錫めっき皮膜。
[2] 基体上に形成された錫めっき皮膜であって、該錫めっき皮膜が2層以上の多層で構成され、上記多層のうちの1層が、上記基体に接して設けられた厚さ0.1〜20μmのバリア層であり、かつ他の1層が、基体から離間する側の表面部に設けられた厚さ0.1〜20μmの表面層であり、上記バリア層を形成する際の陰極電流密度が臨界電流密度の上限値の70〜100%であることを特徴とする錫めっき皮膜。
[3] 基体上に形成された錫めっき皮膜であって、該錫めっき皮膜が2層以上の多層で構成され、上記多層のうちの1層が、上記基体に接して設けられた厚さ0.1〜20μmのバリア層であり、かつ他の1層が、基体から離間する側の表面部に設けられた厚さ0.1〜20μmの表面層であり、上記バリア層を形成する際の陰極電流密度が臨界電流密度の上限値の70〜100%であり、上記バリア層と基体との界面に形成される金属間化合物の均一性の変動係数CV値が40%以下であることを特徴とする錫めっき皮膜。
[4] 上記バリア層を、光沢剤を含まない錫電気めっき浴にて形成したことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の錫めっき皮膜。
[5] 上記表面層が、良好なはんだ接合特性を有することを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載の錫めっき皮膜。
[6] 上記バリア層をめっきする際の陰極電流密度を1〜100A/dm2、上記表面層をめっきする際の陰極電流密度を0.01〜50A/dm2として各々形成したことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれかに記載の錫めっき皮膜。
【発明の効果】
【0013】
本発明の錫めっき皮膜は、錫−鉛合金めっきの代替として有用であり、錫皮膜において問題となるウィスカの発生を効果的に抑制したものである。そして、本発明の錫めっき皮膜は、一般的な錫めっき皮膜の作製工程とほとんど差がない簡便な、効率的な錫電気めっきで形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明につき、更に詳しく説明する。
本発明の錫めっき皮膜は、基体(被めっき物:例えば、銅、銅合金等の基材)上に2層以上の多層として形成され、この多層のうちの1層は、基体から離間する側の表面部に設けられた厚さ0.1〜20μmの表面層として形成され、他の1層が、上記基体に接して設けられた厚さ0.1〜20μmのバリア層として形成されている。
【0015】
バリア層は、針状又は角状の粗い(例えば、結晶粒径が1〜10μm程度)塊状の結晶形態を有するものであり、また、結晶粒界が基体から表面まで被めっき面に対して垂直に成長していないランダム組織を有しており、これによりこの層と基材との界面に形成された金属間化合物によって生じた内部応力が分散され、ウィスカの発生が抑制される。また、このようなバリア層は、基材と接して形成された場合、銅等の基材との界面に形成される金属間化合物が均一に形成されるため、内部応力が高くならず、ウィスカの発生が更に抑制される。
【0016】
一方、表面層は、基体から離間する側の表面部に設けられる。これは、上記バリア層はウィスカの発生を抑制する効果が優れているが、はんだ濡れ性などのはんだ接合部に要求される諸特性が十分でないため、これをカバーするため、はんだ接合部となる錫めっき皮膜の表面側の層をはんだ濡れ性等の特性に優れた表面層として形成するものである。
【0017】
このようなバリア層と表面層とを備える多層で構成された錫めっき皮膜としては、図1に示されるようなものを例示できる。図1(A)は、バリア層と表面層との2層で構成された錫めっき皮膜を示し、これは基体1上に、バリア層21と表面層22とが順に積層されて錫めっき皮膜2をなしている。また、図1(B)は、バリア層と表面層とを含む3層で構成された錫めっき皮膜を示し、この場合は、基体1上に、バリア層21と第3の層23と表面層22とが順に積層されて錫めっき皮膜2をなしている。
【0018】
上記第3の層は、バリア層と表面層との密着性を向上させるための層などとして形成され、例えば、バリア層と表面層との中間的な性質を有する錫めっき層を形成することができる。
【0019】
バリア層の厚さは0.1〜20μmであり、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは1〜5μmである。バリア層の厚さが0.1μm未満では、金属間化合物の成長をブロックする効果や金属間化合物による内部応力を緩和する効果が得られず、ウィスカの発生を効果的に抑制できない。一方、バリア層の厚さを20μmを超えるように形成しても、ウィスカ発生の抑制効果はこれ以上厚くても同等であり、錫めっき皮膜全体の厚さが厚くなりすぎるため不利である。
【0020】
一方、表面層の厚さは0.1〜20μmであり、好ましくは0.5〜5μmである。表面層の厚さが0.1μm未満では、十分なめっき接合特性が得られない。一方、表面層の厚さを20μmを超えるように形成しても、はんだ接合特性はこれ以上厚くても同等であり、錫めっき皮膜全体の厚さが厚くなりすぎるため不利である。
【0021】
なお、錫めっき皮膜全体の厚さは、特に制限されるものではないが、例えば1〜30μm、特に2〜20μmとすることができる。
【0022】
バリア層、表面層及び第3の層は、従来公知の錫電気めっき浴を用いて形成することができ、錫めっき皮膜は錫電気めっきにより形成することができる。上述したバリア層、表面層の結晶形態は、めっき液中の金属成分組成、遊離酸成分組成、めっき温度等を適宜選定することにより調整することが可能である。錫電気めっき浴としては、例えば、水溶性錫塩と、無機酸もしくは有機酸又はその水溶性塩と、界面活性剤とを含有するものを用いることが出来る。
【0023】
ここで、錫塩としては第1錫塩と第2錫塩があり、第1錫塩(錫塩(II))としては、イセチオン酸錫(II)等のアルカノールスルホン酸錫(II)、メタンスルホン酸錫(II)等のアルカンスルホン酸錫(II)などの有機スルホン酸錫(II)、硫酸錫(II)、塩化錫(II)、臭化錫(II)、ヨウ化錫(II)、酸化錫(II)、リン酸錫(II)、ピロリン酸錫(II)、酢酸錫(II)、クエン酸錫(II)、グルコン酸錫(II)、酒石酸錫(II)、乳酸錫(II)、コハク酸錫(II)、スルファミン酸錫(II)、ホウフッ化錫(II)、ギ酸錫(II)、ケイフッ化錫(II)等が挙げられ、第2錫塩(錫塩(IV))としては、錫酸ナトリウム、錫酸カリウム等が挙げられるが、特にイセチオン酸錫(II)等のアルカノールスルホン酸錫(II)、メタンスルホン酸錫(II)等のアルカンスルホン酸錫(II)などの有機スルホン酸錫(II)が好ましく挙げられる。
【0024】
この場合、上記水溶性錫塩のめっき浴中での含有量は、錫として5〜100g/L、特に10〜70g/Lであることが好ましい。
【0025】
次に、無機酸もしくは有機酸又はその水溶性塩としては、硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素酸、リン酸、ピロリン酸、縮合リン酸、スルファミン酸、有機スルホン酸(脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸)、カルボン酸(脂肪族飽和カルボン酸、芳香族カルボン酸、アミノカルボン酸等)、ホスホン酸から選ばれる酸又はそれらの塩又はラクトン化合物が挙げられる。
【0026】
ここで、脂肪族スルホン酸又は芳香族スルホン酸としては、置換又は未置換のアルカンスルホン酸、ヒドロキシアルカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などが挙げられる。未置換アルカンスルホン酸は、Cn2n+1SO3H(但し、nは1〜5の整数、好ましくは1又は2である。)で示されるものが使用できる。
【0027】
未置換のヒドロキシアルカンスルホン酸は、下記式で示されるものが使用できる。
【0028】
【化1】


(但し、mは0,1又は2、kは1,2又は3である。)
【0029】
置換のアルカンスルホン酸、ヒドロキシアルカンスルホン酸は、そのアルキル基の水素原子の一部がハロゲン原子、アリール基、アルキルアリール基、カルボキシル基、スルホン酸基などで置換されたものが使用できる。
【0030】
一方、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸は、下記式で示されるものである。
【0031】
【化2】


【0032】
置換ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸は、ベンゼン環、ナフタレン環の水素原子の一部が水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、メルカプト基、アミノ基、スルホン酸基などで置換されたものが使用できる。
【0033】
具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸、1−プロパンスルホン酸、2−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、2−ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、クロルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−プロパンスルホン酸、2−ヒドロキシブタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシペンタンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−スルホ酢酸、2−スルホプロピオン酸、3−スルホプロピオン酸、スルホコハク酸、スルホマレイン酸、スルホフマル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホサリチル酸、ベンズアルデヒドスルホン酸、p−フェノールスルホン酸などが例示される。
【0034】
一方、カルボン酸は、具体的に脂肪族飽和カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、グルコン酸等のモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸等のジカルボン酸、クエン酸、トリカルバリル酸等のトリカルボン酸などを挙げることができ、芳香族カルボン酸としては、フェニル酢酸、安息香酸、アニス酸などが挙げられる。また、アミノカルボン酸としては、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸などが挙げられる。
【0035】
縮合リン酸としては、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ポリリン酸(重合度5以上)、ヘキサメタリン酸などが挙げられ、ホスホン酸としては、アミノトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸などが挙げられる。
【0036】
塩としては、上記酸のアルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム、リチウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム、カルシウム、バリウム塩等)、2価の錫塩、4価の錫塩、アンモニウム塩、有機アミン塩(モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等)などが挙げられる。また、ラクトン化合物としては、グルコノラクトン、グルコノヘプトラクトンなどが挙げられる。
【0037】
これらの無機酸、有機酸及びその水溶性塩のめっき浴中の含有量は10〜400g/L、特に100〜200g/Lが好ましい。少なすぎるとめっき浴の安定性が悪くなり、多すぎると効果のない過剰量となる傾向となる。
【0038】
また、めっき浴には非イオン性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤の1種又は2種以上を配合することができる。特に発泡性が低い非イオン界面活性剤を配合することにより、めっき処理の作業性が向上する。
【0039】
非イオン界面活性剤としては、アルキレンオキサイド系のものが好適であり、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロックコポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコールエーテル、ポリエチレングリコールなどを使用することができるが、特にポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが好ましく用いられる。
【0040】
陽イオン界面活性剤としては、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルジメチルアンモニウム塩、オクタデセニルジメチルエチルアンモニウム塩、ドデシルジメチルエチルアンモニウムベタイン、オクタデシルジメチルアンモニウムベタイン、ジメチルベンジルドデシルアンモニウム塩、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、ヘキサデシルピリジニウム塩、ドデシルピリジニウム塩、ドデシルピコリニウム塩、ドデシルイミダゾリニウム塩、オレイルイミダゾリニウム塩、オクタデシルアミンアセテート、ドデシルアミンアセテートなどが挙げられる。
【0041】
陰イオン界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸、(ポリ)アルキルナフタレンスルホン酸塩等が挙げられる。アルキル硫酸塩としては、ドデシル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。ポリオキシエチレン(EO12)ノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EO15)ドデシルエーテル硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0042】
両性界面活性剤としては、ベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。また、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドとアルキルアミン又はジアミンとの縮合生成物の硫酸化あるいはスルホン化付加物も使用できる。
【0043】
これらの界面活性剤の配合量は0.01〜100g/L、特に5〜50g/Lが好ましく、少なすぎると高電流密度でヤケやコゲが発生する場合があり、多すぎるとめっき皮膜が黒っぽくなったり、色むらが発生するなどの不良を生じる場合がある。
【0044】
めっき浴は酸性であることが好ましく、特にpHが1未満であることが好ましい。
【0045】
バリア層は、粉状めっき、樹枝上めっきといわれるいわゆるヤケ状態となる直前の条件で形成され、この条件は、通常の錫めっき皮膜を形成するときの陰極電流密度より高い陰極電流密度が適用される。具体的には、バリア層をめっきする際の陰極電流密度は、用いるめっき浴及び適応される陰極電流密度以外のめっき条件によって異なるが、そのめっき浴及び陰極電流密度以外のめっき条件において決定される臨界電流密度の上限値の70〜100%、特に70〜90%の陰極電流密度で形成するとよい。この場合、臨界電流密度は、JIS H 0400において規定され、電気めっきにおいて正常な皮膜を生成する電流密度の上限値及び下限値である。
【0046】
この陰極電流密度条件は、ハルセル試験により決定することができ、具体的には、めっき処理したハルセル試験板と、ハルセルスケール(ハルセルテストを実施した電流値で試験板上の各ポイントの陰極電流密度が推定できる)とを合わせ、ヤケ状態が生じた範囲の下限の陰極電流密度(即ち、臨界電流密度の上限値)を決定する。そして実際に適用する陰極電流密度は、臨界電流密度の上限値の70〜100%、特に70〜90%の範囲内で設定する。臨界電流密度の上限値の70%未満だと、結晶形態が針状又は角状の粗い皮膜とならずウィスカを抑制するバリア層の役目を果たさず、100%を超えると、粉状めっき、樹枝状めっきといわれるヤケ状態となり、金属薄膜とならず素材との密着性も得られない。
【0047】
一方、表面層は、良好なはんだ接合性を与えるめっき条件が必要とされ、この場合は臨界電流密度の上限値の1〜70%、特に5〜70%の範囲で設定される。臨界電流密度の上限値の1%未満だと、析出速度が遅く効率的でなく、70%を超えると析出形態が針状、角状となり良好なはんだ濡れ性が得られない。
【0048】
バリア層と表面層とを形成する際の陰極電流密度は、用いる錫めっき浴の種類によって異なるが、例えば、バリア層形成時の陰極電流密度は1〜100A/dm2、特に1〜50A/dm2とすることが好ましく、表面層形成時の陰極電流密度は0.1〜50A/dm2、特に0.2〜20A/dm2とすることが好ましい。
【0049】
なお、バリア層及び表面層を形成するために用いるめっき浴は、同じものでも異なるものでも良いが、バリア層を形成する場合は、光沢剤を含有しないめっき浴又は光沢剤を含有するものであれば少量、例えば0.01〜0.5g/Lで含有するめっき浴を用いることが好ましい。光沢剤に由来する層中の炭素含有量が0.05質量%以下の場合、皮膜が粗くなりやすいことから、光沢剤を含有しないめっき浴を用いると、バリア層に要求される結晶形態を形成しやすく好適である。一方、表面層は光沢剤を含有しないめっき浴でも光沢剤を含有するめっき浴でも形成可能である。
【0050】
また、バリア層を形成する際のめっき浴の錫イオン濃度を、表面層を形成するめっき浴より低く、例えば20〜75%程度低く設定することが好ましく、また、バリア層を形成する際のめっき浴の遊離酸濃度を、表面層を形成するめっき浴より高く、例えば150〜300%程度高く設定することが好ましい。これは、このような濃度条件とすることにより、カソード近傍の錫イオン濃度が減少し、結晶形態の粗化が可能となるためである。
【0051】
本発明のめっき浴を用いて電気めっきする方法としては常法が採用し得、ラック法でもバレル法でもよく、ラックレスやリール・ツー・リール等の高速めっき法を採用することもできる。めっき温度は10〜60℃、特に20〜50℃とすることができるが、バリア層形成時の温度は、表面層形成時の温度より低く、例えば5〜20℃程度低く設定することが好ましい。これは、温度を低く設定することにより、カソード近傍の錫イオン濃度が減少し、結晶形態の粗化が可能となるためである。
【0052】
撹拌は無撹拌でもよいが、カソードロッキング、スターラーによる撹拌、自動搬送装置による素材走行、ポンプによる液流動などの方法が採用し得る。陽極としては、可溶性陽極、即ち、通常錫を用いることが好ましいが、炭素、白金等の不溶性陽極でもよい。
【0053】
また、各層を形成する間に水洗等の処理を行ってもよいが、水洗等の処理を行わずに、めっき浴に浸漬したまま、電流値の切り替えを行うことで結晶形態の異なる多層で構成された錫めっき皮膜を形成することも可能である。
【0054】
一方、基体(被めっき物)の種類は、特に制限されず、電気めっき可能な導電性部分を有するものであればよく、銅、銅合金等の金属等の導電性材料、又はこのような導電性材料とセラミック、鉛ガラス、プラスチック、フェライト等の絶縁性材料とが複合したものであってもよい。これら基体は、その材質に応じた適宜な前処理を施した後、めっきに供される。
【0055】
具体的には、基体として、チップ部品、水晶発振子、バンプ、コネクタ、リードフレーム、フープ材、半導体パッケージ、プリント基板の回路等のあらゆる電子機器構成部品やその他の製品のはんだ材料を必要とする部分にウィスカ抑制効果の高い錫めっき皮膜を形成し得る。
【0056】
上記のようにして形成された錫多層皮膜は、熱処理、リフロー処理を実施することなくウィスカ発生を効果的に抑制できることから、熱処理、リフロー処理によりはんだ濡れ性が劣化する懸念がない。
【実施例】
【0057】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0058】
[実施例1〜6]
りん青銅材(C5191)に、下記処理工程に従い、錫電気めっき浴にて2層の錫めっき皮膜を形成した。各々の層を形成する際に用いためっき浴及びめっき条件、並びに各層及び錫めっき皮膜全体の厚さは表1に示すとおりである。
【0059】
めっき処理工程
電解脱脂(2分)→水洗(15秒)×3回→酸洗(20秒)→水洗(15秒)×3回→下層錫電気めっき(温度25℃)→水洗(15秒)×3回→酸洗(20秒)→水洗(15秒)×3回→上層錫電気めっき(温度25℃)→水洗(15秒)×3回→イオン交換水→乾燥
【0060】
次に、得られた錫めっき皮膜を評価試料として、以下の方法でウィスカ発生抑制効果を評価した。結果を表1に併記する。
ウィスカ発生抑制効果の評価
評価試料を、温度30℃、相対湿度60%RH下で1ヶ月放置した後、走査型電子顕微鏡(SEM)によってウィスカを観察した。
【0061】
1ヶ月放置した試料について、めっきと素材界面に形成された金属間化合物層を観察し、耐ウィスカ性との相関性を確認するため収束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)で断面加工した箇所について走査イオン像(SIM:Scanning Ion Microscope)を観察した。実施例1のSIM像を図2に示す。観察したSIM像について以下の手順で金属間化合物層の厚さの均一性を評価するため変動係数(CV値)を算出した。
【0062】
CV値の評価
断面写真(SIM像)における15μmの任意の領域での金属間化合物層の膜厚を等間隔に9点、及び最大厚さ、最小厚さの計11点の実測値により平均値、標準偏差を算出し、それを基にして変動係数を算出した。結果を表1に併記する。
変動係数(CV値):サンプル値の標準偏差を平均値で割ることによって、実質的なデータのばらつきの大きさ(ばらつき度)を評価する尺度
CV値(%)=標準偏差÷平均値×100
CV値が40%以下の場合 金属間化合物が均一に生成
CV値が40%を超える場合 金属間化合物が不均一に生成
【0063】
また、上記錫めっき皮膜と素材界面に形成された金属間化合物層の断面のSEM像を観察すると共に、金属間化合物層の均一性をさらに評価するためEPMA分析で、評価試料断面の錫及び銅分布を観察した。実施例1の結果を図3に示す。なお、測定条件は以下のとおりである。
【0064】
EPMA測定条件
測定機器:分析走査電子顕微鏡JXA−8600MX(日本電子(株)製)−EPMA(波長分散型X線分析装置)
加速電圧:15kV、照射電流:1.0×10-8
【0065】
一方、銅材(C1020)端子に、上記処理工程に従い、上記錫めっき浴にて2層の錫めっき皮膜を形成した。
【0066】
得られた錫めっき皮膜を評価試料として、以下の方法ではんだ濡れ性を評価した。結果を表1に併記する。
はんだ濡れ性の評価
加速劣化促進試験条件(PCT):温度105℃、相対湿度100%RH、時間8時間
測定機器:タルチンケスター(株)製SWET−2100
はんだ:錫−3.0銀−0.5銅(千住金属工業(株)製M705)
フラックス:CF−110VH−2A(タムラ化研(株)製)
はんだ温度:255℃
浸漬温度:2mm/sec
浸漬深さ:2mm
保持時間:10sec
【0067】
[実施例7]
りん青銅材(C5191)に、下記処理工程に従い、錫電気めっき浴にて3層の錫めっき皮膜を形成した。各々の層を形成する際に用いためっき浴及びめっき条件、並びに各層及び錫めっき皮膜全体の厚さは表1に示すとおりである。
【0068】
めっき処理工程
電解脱脂(2分)→水洗(15秒)×3回→酸洗(20秒)→水洗(15秒)×3回→下層錫電気めっき(温度25℃)→水洗(15秒)×3回→酸洗(20秒)→水洗(15秒)×3回→中間層錫電気めっき(温度25℃)→水洗(15秒)×3回→酸洗(20秒)→水洗(15秒)×3回→上層錫電気めっき(温度25℃)→水洗(15秒)×3回→イオン交換水→乾燥
【0069】
次に、得られた錫めっき皮膜を評価試料として、実施例1と同様の方法でウィスカ発生抑制効果を評価した。結果を表1に併記する。
【0070】
1ヶ月放置した試料について、実施例1と同様の方法でSIM像を観察し、変動係数(CV値)を算出した。
【0071】
一方、銅材(C1020)端子に、上記処理工程に従い、上記錫めっき浴にて3層の錫めっき皮膜を形成した。
【0072】
得られた錫めっき皮膜を評価試料として、実施例1と同様の方法ではんだ濡れ性を評価した。結果を表1に併記する。
【0073】
[比較例1、6、7]
りん青銅材(C5191)に、下記処理工程に従い、錫電気めっき浴にて2層の錫めっき皮膜を形成した。各々の層を形成する際に用いためっき浴及びめっき条件、並びに各層及び錫めっき皮膜全体の厚さは表2に示すとおりである。
【0074】
めっき処理工程
電解脱脂(2分)→水洗(15秒)×3回→酸洗(20秒)→水洗(15秒)×3回→下層錫電気めっき(温度25℃)→水洗(15秒)×3回→酸洗(20秒)→水洗(15秒)×3→上層錫電気めっき(温度25℃)→水洗(15秒)×3回→イオン交換水→乾燥
【0075】
次に、得られた錫めっき皮膜を評価試料として、実施例1と同様の方法でウィスカ発生抑制効果を評価した。結果を表2に併記する。
【0076】
1ヶ月放置した試料について、実施例1と同様の方法でSIM像を観察し、変動係数(CV値)を算出した。
【0077】
一方、銅材(C1020)端子に、上記処理工程に従い、上記錫めっき浴にて2層の錫めっき皮膜を形成した。
【0078】
得られた錫めっき皮膜を評価試料として、実施例1と同様の方法ではんだ濡れ性を評価した。結果を表2に併記する。
【0079】
[比較例2、3]
りん青銅材(C5191)に、下記処理工程に従い、錫電気めっき浴にて1層の錫めっき皮膜を形成した。層を形成する際に用いためっき浴及びめっき条件、並びに層(錫めっき皮膜全体)の厚さは表2に示すとおりである。
【0080】
めっき処理工程
電解脱脂(2分)→水洗(15秒)×3回→酸洗(20秒)→水洗(15秒)×3回→上層又は下層錫電気めっき(温度25℃)→水洗(15秒)×3回→イオン交換水→乾燥
【0081】
次に、得られた錫めっき皮膜を評価試料として、実施例1と同様の方法でウィスカ発生抑制効果を評価した。結果を表2に併記する。
【0082】
1ヶ月放置した試料について、実施例1と同様の方法でSIM像を観察した。比較例2のSIM像を図4、比較例3のSIM像を図6に示す。観察したSIM像について実施例1と同様の方法で金属間化合物層の厚さの均一性を評価するため変動係数(CV値)を算出した。
【0083】
また、上記錫めっき皮膜と素材界面に形成された金属間化合物層の断面のSEM像を観察すると共に、金属間化合物層の均一性をさらに評価するため、EPMA分析で評価試料断面の錫及び銅分布を観察した。比較例2の結果を図5、比較例3の結果を図7に示す。なお、測定条件は実施例1と同様である。
【0084】
一方、銅材(C1020)端子に、上記処理工程に従い、上記錫めっき浴にて1層の錫めっき皮膜を形成した。
【0085】
得られた錫めっき皮膜を評価試料として、実施例1と同様の方法ではんだ濡れ性を評価した。結果を表2に併記する。
【0086】
[比較例4、5]
りん青銅材(C5191)に、下記処理工程に従い、錫電気めっき浴にて多層の錫めっき皮膜を形成した。各々の層を形成する際に用いためっき浴及びめっき条件、並びに錫めっき皮膜全体の厚さは表2に示すとおりである。
【0087】
めっき処理工程
電解脱脂(2分)→水洗(15秒)×3回→酸洗(20秒)→水洗(15秒)×3回→錫電気めっき(温度25℃)→水洗(15秒)×3回→イオン交換水→乾燥
(但し、錫電気めっきは、電流値の切り替えにより、表2に示される下層めっき条件及び上層めっき条件を交互に適用し、比較例4は31.5回(下層32回、上層31回)、比較例5は315回(下層315回、上層315回)繰り返した。
【0088】
次に、得られた錫めっき皮膜を評価試料として、実施例1と同様の方法でウィスカ発生抑制効果を評価した。結果を表2に併記する。
【0089】
1ヶ月放置した試料について、実施例1と同様の方法でSIM像を観察し、変動係数(CV値)を算出した。
【0090】
【表1】


【0091】
【表2】


【0092】
ウィスカ抑制効果
○:ウィスカ発生本数ゼロ
△:ウィスカが観察されたが、その長さが10μm未満
×:ウィスカが観察され、その長さが10μm以上
はんだ濡れ性
○:ゼロクロスタイム3秒未満
×:ゼロクロスタイム3秒以上
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】基体上に形成された本発明の錫めっき皮膜を示す断面図であり、(A)は2層で構成された錫めっき皮膜の一例、(B)は3層で構成された錫めっき皮膜の一例を各々示す。
【図2】実施例1で得られた錫めっき皮膜のFIB加工後の断面SIM像を示す。
【図3】実施例1で得られた錫めっき皮膜断面の(A)SEM像、(B)EPMAによる銅分布像、及び(C)EPMAによる錫分布像を示す。
【図4】比較例2で得られた錫めっき皮膜のFIB加工後の断面SIM像を示す。
【図5】比較例2で得られた錫めっき皮膜断面の(A)SEM像、(B)EPMAによる銅分布像、及び(C)EPMAによる錫分布像を示す。
【図6】比較例3で得られた錫めっき皮膜のFIB加工後の断面SIM像を示す。
【図7】比較例3で得られた錫めっき皮膜断面の(A)SEM像、(B)EPMAによる銅分布像、及び(C)EPMAによる錫分布像を示す。
【符号の説明】
【0094】
1 基体
2 錫めっき皮膜
21 バリア層
22 表面層
23 第3の層
【出願人】 【識別番号】000189327
【氏名又は名称】上村工業株式会社
【出願日】 平成18年7月12日(2006.7.12)
【代理人】 【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司

【識別番号】100114513
【弁理士】
【氏名又は名称】重松 沙織

【識別番号】100120721
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 克成

【識別番号】100124590
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 武史


【公開番号】 特開2008−19468(P2008−19468A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−191093(P2006−191093)