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バレルめっき装置 - 特開2008−1971 | j-tokkyo
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【発明の名称】 バレルめっき装置
【発明者】 【氏名】高橋 誠

【氏名】今野 正彦

【氏名】上林 義広

【氏名】阿部 幸希

【氏名】渋谷 和博

【氏名】長谷部 勝

【氏名】佐藤 大樹

【氏名】小池 光晴

【氏名】増田 いづみ

【氏名】杉山 智紀

【氏名】渡辺 秀利

【要約】 【課題】攪拌のために非導電性ダミーを用いなくとも、めっき厚のばらつきを小さくすることができ、かつ、めっき効率を向上させることができ、さらには、被めっき物、給電棒、陰極部、およびバレル容器の破損を防止することができるバレルめっき装置を提供すること。

【構成】本発明に係るバレルめっき装置2は、めっき槽4と、陽極部6と、自転自在であるバレル12と、バレル12を自転させるバレル用駆動部と、陰極部10が形成され、バレル12の内部へ差し込まれる給電棒8と、給電棒8に対して所定の間隔で配置され、給電棒8の長軸方向に長い形状をもつ攪拌部材11と、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
めっき槽と、
陽極部と、
自転自在であるバレルと、
前記バレルを自転させるバレル用駆動部と、
陰極部が形成され、前記バレルの内部へ差し込まれる給電棒と、
前記給電棒に対して所定の間隔で配置され、前記給電棒の長軸方向に長い形状をもつ攪拌部材と、を有することを特徴するバレルめっき装置。
【請求項2】
前記攪拌部材が、前記給電棒に対して所定間隔を維持しつつ、前記給電棒の長軸の周りを回転自在であることを特徴とする請求項1に記載のバレルめっき装置。
【請求項3】
前記バレルの自転に伴い前記バレルの内部において回転する被めっき物および/またはめっき液から受ける力によって、前記攪拌部材が、他動的に、前記バレルの自転と同じ方向に回転することを特徴とする請求項2に記載のバレルめっき装置。
【請求項4】
前記攪拌部材を、前記給電棒の長軸の周りに回転させるための攪拌部材用駆動部を有し、
前記攪拌部材用駆動部によって、前記攪拌部材が、前記バレルの自転と同じ方向または逆の方向へ回転することを特徴とする請求項2に記載のバレルめっき装置。
【請求項5】
前記攪拌部材が、前記給電棒に対して固定していることを特徴とする請求項1に記載のバレルめっき装置。
【請求項6】
前記攪拌部材が、当該攪拌部材の長軸回りに自転自在であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のバレルめっき装置。
【請求項7】
複数の前記攪拌部材を有し、
前記給電棒の長軸に対して垂直な平面において、複数の前記攪拌部材が、前記給電棒を中心とする略同心円上に配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のバレルめっき装置。
【請求項8】
前記攪拌部材の長軸方向の長さが、前記給電棒の長軸方向の長さと同等以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のバレルめっき装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ部品のバレルめっき装置に関する。
【背景技術】
【0002】
チップコンデンサ、チップインダクタ、チップバリスタなどの電子部品では、キャップ状の外部電極がセラミック素子本体の長さ方向の両端側に形成されている。このような外部電極は、通常、電解めっき法等により形成される。電解めっき法で外部電極を形成する場合、一般的に、バレルめっき法を用いる(特許文献1参照)。
【0003】
バレルめっき法では、バレル内に、被めっき物、導電性ダミー(メディア)を投入する。このバレルを、めっき槽に浸漬させた状態で回転させることによって、被めっき物をめっきする。なお、導電性ダミーは、陰極と被めっき物との間の導通を得るために用いられる。このような従来のめっき法では、バレル内の攪拌が不十分であるため、めっき厚がばらつき、めっき効率が低下する恐れがあった。この問題の対策としては、バレル内に、非導電性ダミーを投入することが挙げられる。この非導電性ダミーによって、バレル内の攪拌が促進される(特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、従来のバレルめっき法では、陰極部の形成された給電棒と、バレル容器の内壁との間に、被めっき物、導電性ダミー、あるいは非導電性ダミーが挟まることが問題となる。特に、非導電性ダミーは、被めっき物、導電性ダミーに比べて寸法が大きいため、挟まりやすい。給電棒と、バレル容器の内壁との間に、非導電性ダミー(あるいは被めっき物、導電性ダミー)が挟まると、バレルの回転速度が不安定になる。その結果、めっき厚がばらつき、めっき効率が低下する恐れがある。また、被めっき物やバレル容器が破損する恐れもある。
【特許文献1】登録実用新案公報第3049355号
【特許文献2】特開平10−212596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、攪拌のために非導電性ダミーを用いなくとも、めっき厚のばらつきを小さくすることができ、かつ、めっき効率を向上させることができ、さらには、被めっき物、給電棒、陰極部、およびバレル容器の破損を防止することができるバレルめっき装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るバレルめっき装置は、
めっき槽と、
陽極部と、
自転自在であるバレルと、
前記バレルを自転させるバレル用駆動部と、
陰極部が形成され、前記バレルの内部へ差し込まれる給電棒と、
前記給電棒に対して所定の間隔で配置され、前記給電棒の長軸方向に長い形状をもつ攪拌部材と、を有することを特徴する。
【0007】
攪拌部材によって、給電棒の近傍のみならず、バレル内部全体を充分に攪拌することができる。よって、攪拌促進のために非導電性ダミーを用いる必要がない。その結果、給電棒とバレル容器との間に、非導電性ダミーが挟まることがなく、バレルの回転速度が安定する。このように、攪拌部材によって攪拌を促進し、かつバレル回転速度を安定させることによって、めっき厚のばらつきを防止し、めっき効率を向上させることができる。また、被めっき物、陰極部、バレル容器の破損、および給電棒の折れ曲がりを防止することもできる。さらには、非導電性ダミーが不要であるため、めっき工程に必要とされる部材、およびめっき工程の作業工数を削減することができる。
【0008】
好ましくは、前記攪拌部材が、前記給電棒に対して所定間隔を維持しつつ、前記給電棒の長軸の周りを回転自在であることを特徴とする。あるいは、前記攪拌部材が、前記給電棒に対して固定していても良い。
【0009】
攪拌部材を回転自在とすることによって、攪拌効果が向上する。その結果、めっき厚のばらつきを防止し、めっき効率を向上させることができる。また、被めっき物、陰極、給電棒、およびバレル容器の破損を防止することもできる。なお、攪拌部材が、給電棒に対して固定している場合であっても、従来のめっき法に比べて、バレル内部の攪拌を促進することができる。
【0010】
好ましくは、前記バレルの自転に伴い前記バレルの内部において回転する被めっき物および/またはめっき液から受ける力によって、前記攪拌部材が、他動的に、前記バレルの自転と同じ方向に回転する。
【0011】
攪拌部材を他動的に回転させることによって、バレル内部の攪拌を促進することができ、給電棒あるいは攪拌部材と、バレル容器との間に、比めっき物または導電性ダミーが挟まることを防止できる。
【0012】
好ましくは、バレルめっき装置が、めっき前記攪拌部材を、前記給電棒の長軸の周りに回転させるための攪拌部材用駆動部を有し、
前記攪拌部材用駆動部によって、前記攪拌部材が、前記バレルの自転と同じ方向または逆の方向へ回転する。
【0013】
攪拌部材を駆動部によって強制的に回転させることによって、バレル容器内の攪拌を促進することができる。
【0014】
好ましくは、前記攪拌部材が、当該攪拌部材の長軸回りに自転自在であることを特徴とする。
【0015】
攪拌部材が自転自在であることによって、バレル内部の攪拌を促進することができる。また、攪拌部材と給電棒との間に、被めっき物または導電性ダミーが挟まることを防止できる。
【0016】
好ましくは、バレルめっき装置が、複数の前記攪拌部材を有し、
前記給電棒の長軸に対して垂直な平面において、複数の前記攪拌部材が、前記給電棒を中心とする略同心円上に配置されることを特徴とする。
【0017】
攪拌部材を、給電棒を中心とする略同心円上に配置ことによって、バレルの内部全体を均一に攪拌することができる。
【0018】
好ましくは、前記攪拌部材の長軸方向の長さが、前記給電棒の長軸方向の長さと同等以下である。
【0019】
攪拌部材の長さを、給電棒の長さ以下とすることによって、陰極部と、被めっき物および導電性ダミーとの接触を妨げることなく、バレル内部の攪拌を促進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るバレルめっき装置の概略断面図、
図2は、図1に示すバレルめっき装置の有する給電棒および攪拌部材の斜視図(概略図)、
図3(A)は、図2に示す給電棒および攪拌部材を、給電棒の長軸方向D1から観察した概略図、
図3(B)、図4は、本発明の他の実施形態に係るバレルめっき装置の有する給電棒および攪拌部材を、給電棒の長軸方向から観察した概略図である。
【0021】
バレルめっき装置の構成
図1に示すように、本実施形態に係るバレルめっき装置2は、主に、めっき槽4、陽極部6、給電棒8、陰極部10、攪拌部材11、およびバレル12から構成される。陽極部6および陰極部10は、電源3に電気的に接続される。
【0022】
バレル12は、その少なくとも一部が、めっき槽4を満たすめっき液14に浸漬されるように設置される。バレル12には、その外部から内部へめっき液14が浸透する構造を備えている。本実施形態においては、バレル12の側面に、複数の通孔16(開口部)が貫通している。この通孔16を通じて、めっき液14が、めっき槽4と、バレル12の内部との間を移動することができる。通孔16の代わりとして、バレル12の側面がメッシュ構造を有しても良い。
【0023】
バレル12、ギア18、および回転軸20は連結され、連動する。回転軸20は、回動自在となるようにフレーム22に取り付けられている。よって、回転軸20と連動するバレル12も、自転自在となる。また、ギア18と噛み合うギア24、回転軸26、およびギア28は連結され、連動する。回転軸26は、回動自在となるようにフレーム22に取り付けられている。ギア28と噛み合うギア30、およびギア30と連結する回転軸32は、モーター34によって回転させることができる。
【0024】
このように、バレル12、ギア18,24,28,30,回転軸20,26,32は、モーター34によって駆動され、連動する。すなわち、ギア18,24,28,30,回転軸20,26,32、およびモーター34は、バレル12を自転させるための駆動機構(以下、バレル用駆動部)を構成する。このバレル用駆動部によって、バレル12を自転させることができる。また、バレル自転制御装置35によって、バレル12の回転速度(自転速度)を自在に制御することができる。
【0025】
バレル12の形状は、特に限定されないが、通常、回転軸20を対称軸とする回転対称な形状を有する。つまり、バレル12の断面(回転軸20に対して垂直方向の断面)は、通常、正多角形となる。このバレル内部には、被めっき物、導電性ダミー等が投入される。
【0026】
給電棒8は、フレーム36に取り付けられている。給電棒8は、フレーム36に対して固定されていても良く、あるいは、自転自在となるように取り付けられていても良い。この給電棒8は、バレル12のワーク出入口から、バレル12の内部へ差し込まれる。給電棒8の先端(バレル12の内部に位置する側)には、陰極部10が形成されている。
【0027】
ギア37の側面(バレル12側)には、攪拌部材11が取り付けられる。給電棒8と、攪拌部材11との間には、両者が接触しないように所定の間隔が設けられる。
【0028】
給電棒8、陰極部10、および攪拌部材11は、バレル12の内部に浸透するめっき液、被めっき物、および導電性ダミーと、常に接触するように配置される。また、給電棒8、陰極部10、および攪拌部材11は、バレル12の内壁と接触しないように配置される。
【0029】
ギア37は、給電棒8を回転軸として、回転自在となるように設置されている。よって、ギア37に取り付けられた攪拌部材11も、給電棒8に対して所定の間隔を維持しつつ、給電棒8の長軸の周りを回転自在である。すなわち、図3(A)に示すように、攪拌部材11およびギア37は、給電棒8の周りを、方向R1に回転することができる。
【0030】
図1に示すように、ギア37と噛み合うギア38は、回転軸40と連動する。回転軸40は、回転自在となるようにフレーム36に取り付けられる。ギア38と噛み合うギア42、ギア42と連結する回転軸44は、モーター46によって回転させることができる。
【0031】
このように、攪拌部材11、ギア37,38,42、回転軸40,44は、モーター46によって駆動され、連動する。すなわち、ギア37,38,42、回転軸40,44、およびモーター46は、攪拌部材11を回転させるための駆動機構(以下、攪拌部材用駆動部)を構成する。この攪拌部材用駆動部によって、攪拌部材11を、給電棒8の長軸の周りに強制的に回転させることができる。また、攪拌部材用駆動部によって、攪拌部材11の回転速度を、自在に制御することができる。さらに、攪拌部材11は、バレル12の自転方向と同じ方向、あるいは逆の方向のいずれかの方向へ回転させることができる。
【0032】
図2に示すように、攪拌部材11は、給電棒8の長軸方向D1に長い形状を有する。攪拌部材11の長軸方向の長さは、給電棒8の長軸方向D1の長さ以下であることが好ましい。好ましくは、攪拌部材11の長さは、給電棒8の長さの70〜95%である。攪拌部材11の長さを、この範囲内とすることによって、陰極部と、被めっき物および導電性ダミーとの接触を妨げることなく、バレル内部の攪拌を促進することができる。
【0033】
攪拌部材11は、給電棒8に対して平行に位置しても良く、あるいは、給電棒8に対して傾いていても良い。換言すれば、攪拌部材11と、給電棒8との間隔は、一定であっても良く、一定でなくとも良い。給電棒8と攪拌部材11との間隔d(図3(A))は、被めっき物および導電性ダミーの寸法に合わせて、適宜設定すればよい。すなわち、給電棒8と、攪拌部材11との間に、被めっき物あるいは導電性ダミーが挟まることを防止できるように、間隔dを設定することが好ましい。
【0034】
図3(A)に示すように、好ましくは、複数の攪拌部材11が、給電棒8の長軸方向D1に対して垂直な平面において、給電棒8を中心とする略同心円50の上に位置する。その結果、バレル12の内部全体を均一に攪拌することができる。また、図3(B)に示すように、複数の攪拌部材11が、給電棒8を中心とする2重の同心円52,54の上に位置してもよい。なお、攪拌部材11の数は、特に限定されない。
【0035】
攪拌部材11の形状は、図1,2に示すような棒状に限定されない。例えば、図4に示すように、攪拌部材11が板状であって良い。または、めっき液中での抵抗を軽減するような流線形状であっても良い。あるいは、攪拌部材11が曲がっていても良い。
【0036】
攪拌部材11の材質としては、特に限定されないが、好ましくは、硬化ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等を用いる。
【0037】
バレルめっき工程
次に、本実施形態に係るバレルめっき装置2(図1)を用いためっき工程について概説する。一具体例として、積層セラミックコンデンサの製造について説明する。
【0038】
まず、チタン酸バリウム等の誘電体粒子を含むペーストから、グリーンシートを形成する。次に、グリーンシートの表面に、Ni等を含む内部電極ペーストを印刷する。次に、内部電極ペーストが印刷されたグリーンシートを複数積層し、積層方向の両端面に保護用グリーンシートを積層して、積層体を得る。次に、積層体を所定のチップ形状に切断して、グリーンチップを得る。このグリーンチップに対して、脱バインダ処理、焼成処理、熱処理を行って、コンデンサ素子本体が得られる。
【0039】
次に、コンデンサ素子本体の長手方向の両端部に、外部電極を形成する。各外部電極は、通常、下地層、中間めっき層、および外側めっき層の3層から構成される。下地層は、コンデンサ素子本体の両端部に、電極ペースト膜(Ag,Cu等)を塗布し、これに焼き付け処理を行うことで形成される。中間めっき層は、NiまたはNi合金膜等で構成され、無電解めっき法により形成される。外側めっき層は、電解めっき法により形成され、SnあるいはSn合金のめっき層で構成される。
【0040】
以下では、本実施形態に係るバレルめっき装置2(図1)を用いて、外側めっき層を形成する工程について説明する。
【0041】
まず、下地層および中間めっき層が既に形成されたコンデンサ素子本体(被めっき物)と、導電性ダミーとを、バレル12のワーク出入口から、バレル12の内部へ投入する(図示省略)。
【0042】
コンデンサ素子本体(被めっき物)の寸法は、特に限定されないが、通常、縦(0.6〜5.6mm、)×横(0.3〜5.0mm)×厚み(0.1〜5.0mm)程度である。
【0043】
導電性ダミーとしては、特に限定されないが、Feボール、Niボール等(球状の金属粒子)を用いる。導電性ダミーの球径は、特に限定されないが、好ましくは、0.3〜3.0mm程度である。
【0044】
上記の寸法を有する被めっき物および導電性ダミーを用いる場合、給電棒8と攪拌部材11との間隔d(図3)は、好ましくは、10〜100mmである。
【0045】
次に、給電棒8および攪拌部材11を、バレル12のワーク出入口から、バレル12の内部へ差し込む。このとき、陰極部10および攪拌部材11は、バレル内部に浸透しためっき液14、コンデンサ素子本体、および導電性ダミーと、常に接触するように配置される。また、給電棒8、陰極部10、および攪拌部材11は、バレル12の内壁と接触しないように配置される。なお、メッキ液14の具体的な組成は、特に限定されない。
【0046】
次に、バレル用駆動部によって、バレル12を自転させる。また、攪拌部材用駆動部によって、攪拌部材11を回転させる。この状態で、陽極部6および陰極部10を電源3と接続する。その結果、コンデンサ素子本体にめっき膜(外側めっき層)が形成される。
【0047】
本実施形態においては、非導電性ダミーを用いなくとも、攪拌部材11によって、給電棒8の近傍のみならず、バレル12の内部全体を充分に攪拌することができる。よって、非導電性ダミーを用いる必要がない。その結果、給電棒10とバレル12との間に、非導電性ダミーが挟まることがない。よって、バレルの回転速度が安定する。このように、攪拌部材11によってバレル内部の攪拌を促進し、かつバレル回転速度を安定させることによって、めっき厚のばらつきを防止し、めっき効率を向上させることができる。また、被めっき物、給電棒8、陰極部10、あるいはバレル12の破損を防止することもできる。
【0048】
従来のめっき装置においては、非導電性ダミー(攪拌用ダミー)を用いずにめっきを行った場合、給電棒(陰極部)の近傍以外は充分に攪拌されない。その結果、めっき厚がばらつき、めっき効率が低下してしまう。一方、本願発明のバレルめっき装置2は、攪拌部材11を有するため、非導電性ダミーを用いなくとも、バレル12の内部全体を充分に攪拌することができる。よって、めっき厚のばらつきを防止し、めっき効率を向上させることができる。
【0049】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0050】
例えば、バレル12の自転に伴いバレル12の内部において回転する被めっき物および/またはめっき液から受ける力によって、攪拌部材11を、他動的に、バレル12の自転と同じ方向に回転させても良い。この場合も、上述の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
また、攪拌部材11の位置が、給電棒8に対して固定されても良い。この場合も、従来のめっき装置に比べて、バレル内部全体の攪拌が促進され、めっき厚のばらつきを防止し、めっき効率を向上させることができる。
【0052】
また、攪拌部材11を、当該攪拌部材11の長軸回りに自転自在となるように設置してもよい。さらには、攪拌部材11を自転させるための駆動部(図示省略)を有しても良い。図3(A)に示すように、攪拌部材11が、方向R2へ自転自在であることによって、バレル内部の攪拌を促進することができる。また、攪拌部材11と給電棒8との間に、被めっき物または導電性ダミーが挟まることを防止できる。
【0053】
本発明のバレルめっき装置は、積層セラミックコンデンサの他に、チップインダクタ、チップバリスタ等の電子部品の製造に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は 本発明の一実施形態に係るバレルめっき装置の概略断面図である。
【図2】図2は、図1に示すバレルめっき装置の有する給電棒および攪拌部材の斜視図(概略図)である。
【図3】図3(A)は、図2に示す給電棒および攪拌部材を、給電棒の長軸方向D1から観察した図、図3(B)は、本発明の他の実施形態に係るバレルめっき装置の有する給電棒および攪拌部材を、給電棒の長軸方向D1から観察した図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施形態に係るバレルめっき装置の有する給電棒および攪拌部材を、給電棒の長軸方向D1から観察した図である。
【符号の説明】
【0055】
2… バレルめっき装置
4… めっき槽
6… 陽極部
8… 給電棒
10… 陰極部
11… 攪拌部材
12… バレル
【出願人】 【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100097180
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 均

【識別番号】100099900
【弁理士】
【氏名又は名称】西出 眞吾

【識別番号】100135404
【弁理士】
【氏名又は名称】圓尾 龍哉


【公開番号】 特開2008−1971(P2008−1971A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−175868(P2006−175868)