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【発明の名称】 電着応力が大きな金属の電解採取方法
【発明者】 【氏名】安藤 孝治

【要約】 【課題】電着応力が大きな金属を含む酸性水溶液から該金属をカソード上に電着させて電解採取する際に、電解時に電着金属が自然剥離して落下することを防止し、電解後の分別作業においてカソードから電着金属を容易に剥ぎ取ることができる電解採取方法を提供する。

【解決手段】カソードと不溶性アノードを備えた電解槽を用いて、電着応力が大きな金属を含む酸性水溶液から該金属をカソード上に電着させて電解採取する方法であって、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソードと不溶性アノードを備えた電解槽を用いて、電着応力が大きな金属を含む酸性水溶液から該金属をカソード上に電着させて電解採取する方法であって、
下記(1)〜(3)の要件を満足するカソード用い、電解後に、貫通孔内部に形成された連結を切断してカソードから電着金属を分別することを特徴とする電解採取方法。
(1)カソード材質は、酸性水溶液中で耐食性に優れている。
(2)カソードの表面粗さが、5点標準粗さ(Rz)で表した値で10〜20μmになるように粗さ調整する。
(3)カソードの周辺部の少なくとも四隅に貫通孔を設け、電解時にカソード両面の電着金属の連結を図る。
【請求項2】
前記カソード材質は、チタン又はステンレススチールであることを特徴とする請求項1に記載の電解採取方法。
【請求項3】
前記電解槽は、隔膜によりカソードと不溶性アノードが仕切られた構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電解採取方法。
【請求項4】
電着金属を分別する際に、ドリルによる貫通孔部分の研削により貫通孔内部に形成された連結を切断することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電解採取方法。
【請求項5】
前記金属は、ニッケル、コバルト又は鉄であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電解採取方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電着応力が大きな金属の電解採取方法に関し、さらに詳しくは、カソードと不溶性アノードを備えた電解槽を用いて、電着応力が大きな金属を含む酸性水溶液から該金属をカソード上に電着させて電解採取する際に、電解時に電着金属が自然剥離して落下することを防止し、一方電解後の分別作業において、カソードから電着金属を容易に剥ぎ取ることができる電解採取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属を含む水溶液から高純度金属を回収する方法として、電解採取法が広く用いられている。このとき、電解槽内に、不溶性アノードと精製金属を電着させるカソードとを装入し、これに金属を含む水溶液からなる電解液を通液しながら、電極に通電することによって電解反応が行われる。この際に、カソードとして、チタンなど耐食性に優れた材質を用いると、カソードを繰り返して利用することができるので生産性の向上に寄与することが知られている。
【0003】
しかしながら、上記のような繰り返し利用することができるカソードを用いて、ニッケル、コバルト、鉄等、引っ張り又は圧縮の内部応力など電着応力の大きな金属を電解採取する方法では、電解液の液性、液温などの電解条件によっては電着応力が更に加速され、通電中に電着物が自然剥離する場合がある。このため、電着応力が大きな金属を含む酸性水溶液から該金属をカソード上に電着させて電解採取する際には、通電中に電着物が自然剥離して落下することを避けなければならない。
【0004】
この対策として、電着応力の大きな金属をカソードに密着させるために、カソードの表面を粗くして応力による電着物の反りや跳ね返りを防止することが広く行なわれている。例えば、ニッケルの電解精製で用いるカソード用のニッケル種板の製造方法において、ステンレススチール板、チタン板、鉛板等の母板と呼ばれるカソードを用いて、母板上にニッケル薄板を電着させる際に、剥離の防止のために、母板表面をブラスト処理により表面粗さ(Rz)を5〜40μmとする方法(例えば、特許文献1参照。)、或いは、剥ぎ取り性と密着性が悪化しない母板として、電着面の周辺部の表面粗さを15〜30μmとし、周辺部を除く電着面の表面粗さを10μ以下とし、かつ周辺部の面積の電着面積に対する割合が10〜30%であるもの(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの方法を通常の電解採取方法に応用した場合、通常の電解採取方法では、その生産性を上げるため、カソード上の電着物を種板の製造の場合よりもより厚くすることが望まれるので、その際に、電解時に電着金属が自然剥離したり、またカソードの表面粗さが必要以上に大きい場合には、かえって剥ぎ取り時の障害となったり、電着物にカソード材質が食い込んだり新たなコンタミの原因となるなどの問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開平5−106077号公報(第1頁、第2頁)
【特許文献2】特開平6−336688号公報(第1頁、第2頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、電着応力が大きな金属を含む酸性水溶液から該金属をカソード上に電着させて電解採取する際に、電解時に電着金属が自然剥離して落下することを防止し、一方電解後の分別作業において、カソードから電着金属を容易に剥ぎ取ることができる電解採取方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記目的を達成するために、電着応力が大きな金属を含む酸性水溶液から該金属をカソード上に電着させて電解採取する方法について、鋭意研究を重ねた結果、特定の要件を満足するカソード用い、電解後に、特定の手段でカソードから電着金属を分別したところ、電解時に電着金属が自然剥離して落下することを防止し、一方電解後の分別作業において、カソードから電着金属を容易に剥ぎ取ることができることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、カソードと不溶性アノードを備えた電解槽を用いて、電着応力が大きな金属を含む酸性水溶液から該金属をカソード上に電着させて電解採取する方法であって、
下記(1)〜(3)の要件を満足するカソード用い、電解後に、貫通孔内部に形成された連結を切断してカソードから電着金属を分別することを特徴とする電解採取方法が提供される。
(1)カソード材質は、酸性水溶液中で耐食性に優れている。
(2)カソードの表面粗さが、5点標準粗さ(Rz)で表した値で10〜20μmになるように粗さ調整する。
(3)カソードの周辺部の少なくとも四隅に貫通孔を設け、電解時にカソード両面の電着金属の連結を図る。
【0010】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記カソード材質は、チタン又はステンレススチールであることを特徴とする電解採取方法が提供される。
【0011】
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記電解槽は、隔膜によりカソードと不溶性アノードが仕切られた構造であることを特徴とする電解採取方法が提供される。
【0012】
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3いずれかの発明において、電着金属を分別する際に、ドリルによる貫通孔部分の研削により貫通孔内部に形成された連結を切断することを特徴とする電解採取方法が提供される。
【0013】
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4いずれかの発明において、前記金属は、ニッケル、コバルト又は鉄であることを特徴とする電解採取方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電着応力が大きな金属の電解採取方法は、電着応力が大きな金属を含む酸性水溶液から該金属をカソード上に電着させて電解採取する際に、電解時に電着金属が自然剥離して落下することを防止し、一方電解後の分別作業において、カソードから電着金属を容易に剥ぎ取ることができるので、その工業的価値は極めて大きい。これによって、電解作業での作業効率と安全性が向上するとともに、カソードの繰り返し使用を効率的に行うことができるので、生産性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の電着応力が大きな金属の電解採取方法を詳細に説明する。
本発明の電着応力が大きな金属の電解採取方法は、カソードと不溶性アノードを備えた電解槽を用いて、電着応力が大きな金属を含む酸性水溶液から該金属をカソード上に電着させて電解採取する方法であって、下記(1)〜(3)の要件を満足するカソード用い、電解後に、貫通孔内部に形成された連結を切断してカソードから電着金属を分別することを特徴とする。
(1)カソード材質は、酸性水溶液中で耐食性に優れている。
(2)カソードの表面粗さが、5点標準粗さ(Rz)で表した値で10〜20μm、好ましくは12〜20μmになるように粗さ調整する。
(3)カソードの周辺部の少なくとも四隅に貫通孔を設け、電解時にカソード両面の電着金属の連結を図る。
【0016】
本発明において、上記(1)〜(3)の要件を満足するカソード用いて電解を行なうこと、及び電解後に貫通孔内部に形成された連結を切断してカソードから電着金属を分別することが重要である。これによって、電解時に電着金属が自然剥離して落下することを防止すること、及び電解後の分別作業において、カソードから電着金属を容易に剥ぎ取ることが達成される。
【0017】
(1)の要件
上記(1)の要件は、カソード材質は、酸性水溶液中で耐食性に優れていることである。
上記(1)の要件を満足することにより、電着応力が大きな金属を含む酸性水溶液から電解採取する際に、長期に渡って繰り返し利用することができるカソードを得ることができる。これに対して、酸性水溶液中で耐食性に劣る材質では、電解毎にカソード表面の粗さが変動するため、表面粗さの調整を頻繁に行なう必要があり、作業効率が悪化する。
【0018】
上記カソード材質としては、酸性水溶液中で耐食性に優れているものが用いられるが、耐久性、ハンドリング性等から、チタン又はステンレススチールが好ましい。その形状としては、両面に電着させることができる板状のものが用いられる。
【0019】
(2)の要件
上記(2)の要件は、カソードの表面粗さが、5点標準粗さ(Rz)で表した値で10〜20μm、好ましくは12〜20μmになるように粗さ調整することである。
上記(2)の要件を満足することにより、製品として満足の得られる1mm以上、好ましくは2mm以上の電着厚さを持つ電着金属が得られる。ここで、表面粗さが5点標準粗さ(Rz)で表した値で10μm未満では、電解時に自然剥離が生じて1mm以上の厚さの電着金属が得られない。一方、表面粗さが5点標準粗さ(Rz)で表した値で20μmを超えると、より厚い電着が可能であるが、カソードの全面に渡り電着金属との密着性が強固になるので、電解後のカソードからの分別作業において、剥ぎ取りが困難となり作業性が悪化する。
【0020】
これらの点に関して、表面粗さと自然剥離が生じる電着厚さの関係について、ニッケル電解と鉄電解の場合を例として具体的に説明する。
(イ)ニッケル電解
図1は、カソードの表面粗さと電着金属の自然剥離が生じる電着厚さの関係を表す。この関係は、以下の条件のニッケル電解で得られたものである。
カソードとして、厚さ3mmのチタン板を用いた。この表面粗さは、5点標準粗さ(Rz)で表した値で3μmの材料を用い、サンドブラスト処理により変更した。なお、電解反応に寄与する電極面積としては、縦350mm、及び横350mmとした。
このカソードに、クロスビームを取り付け、同サイズの不溶性アノードと共に塩化ビニール製の電解槽に装入した。
電解液としては、ニッケル濃度が250g/Lとなるように塩化ニッケルを溶解して調製した。
液温を55℃に維持しながら、電流密度400A/mで通電し、通電を継続しながら一定時間ごとにカソードを引き揚げて電着状態を観察し、電着物がカソードから自然剥離した時点で、その電着厚さをマイクロメータで測定し、剥離時の電着厚さを求めた。
図1より、カソードの表面粗さが5点標準粗さ(Rz)で表した値で10μm以上、好ましくは12μm以上であるとき、実用的な1mm以上、好ましくは2mm以上の電着厚さが得られることが分かる。
【0021】
(ロ)鉄電解
ニッケル電解と同様の設備を用い、同一の条件で通電した。
電解液は、塩化第1鉄を鉄濃度が100g/Lとなるように溶解し、これに食塩を200g/Lの濃度となるように添加し、塩酸を用いてpHが0.5〜1の範囲となるように調整した。その結果、表面粗さと自然剥離が生じる電着厚さの関係としては、ニッケル電解の場合とほぼ同一の関係が得られた。
【0022】
上記カソードの表面粗さの調整方法としては、特に限定されるものではないが、製造時に加工するか、又はサンドブラスト処理等が用いられる。例えば、通常入手されるチタン板は、表面粗さが5点標準粗さ(Rz)で表した値で2〜3μmであることが多いので、粗さ調整が必要とされる。なお、カソードの表面粗さの調整は、その両面に行なう。
【0023】
(3)の要件
上記(3)の要件は、カソードの周辺部の少なくとも四隅に貫通孔を設け、電解時にカソード両面の電着金属の連結を図ることである。
上記(3)の要件を満足することにより、電解時に貫通孔内部に析出する電着金属によって、カソード両面の電着金属が連結され、自然剥離が防止される。一方、電解後のカソードからの分別作業においては、この電着金属の連結を切断することにより、カソードから容易に分別することができる。ここで、貫通孔としては、カソードの周辺部の少なくとも四隅に設けることにより、その効果が達成される。また、必要に応じて、さらにカソードの周辺部に50mmの距離毎に貫通孔を設けることにより、連結を強化することができる。
【0024】
この際、貫通孔の大きさとしては、特に限定されるものではなく、貫通孔内部に形成される電着金属で、カソードの両面の電着金属が十分な強度で連結がなされる直径3〜6mmが好ましい。すなわち、直径3mm未満では、強度不足である。一方、直径が6mmを超えると、それ以上の強度が必要とされず、また切断しにくくなる。
【0025】
上記方法において、電解後に貫通孔内部に形成された連結を切断してカソードから電着金属を分別する際、電着金属の連結を切断する方法としては、特に限定されるものではなく、ドリルによる貫通孔部分の研削により行うことができる。例えば、貫通孔部分に析出された電着金属を直径3mmのドリルで穿孔する。この際、穿孔するのは、平均的な電着厚さの深さまでで十分であり、後は電着金属自身の電着応力で剥離するので、貫通するまで穿孔する必要はない。さらに、連結している部分を削除できる他の方法、例えばタガネ等で連結部分を横方向から切断することも行なえる。
【0026】
上記方法に用いる電着応力が大きな金属を含む酸性水溶液としては、特に限定されるものではなく、酸性水溶液としては、塩酸、硫酸又は硝酸からなる水溶液が、また、金属としては、ニッケル、コバルト又は鉄が好ましく用いられる。
【0027】
上記方法に用いる電解槽としては、特に限定されるものではなく、例えば、カソードと不溶性アノードを備え、かつ隔膜によりカソードと不溶性アノードが仕切られた構造であるものが好ましく用いられる。ここで、不溶性アノードは、カソードの両面に対面するように配置される。
【0028】
上記不溶性アノードとしては、特に限定されるものではなく、市販されている黒鉛、白金被覆チタン、酸化ルテニウム被覆チタン、イリジウム酸化物系被覆チタン等が用いられる。また、板状、穿孔板状、棒状、簾状、エキスパンドメタル状等の形状ものが用いられる。
【0029】
上記隔膜としては、特に限定されるものではなく、濾布、イオン交換膜等が用いられるが、安価な濾布が好ましい。前記濾布としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル樹脂、モダアクリル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニリデン等の材質からなるものが用いられ、この中でも、特に目が細かく、通水度が低くなるように織られた濾布が好ましい。
【実施例】
【0030】
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた金属の分析及び表面粗さの評価方法は、以下の通りである。
(1)金属の分析:ICP発光分析法で行った。
(2)表面粗さの測定:触針式表面粗さ計((株)ミツトヨ製、SURFTEST 211型)を用いて、5点標準粗さ(Rz)を求めた。
【0031】
(実施例1)
濾布製の隔膜によりカソードとアノードに仕切った電解槽を用いて、ニッケル濃度が30g/L、及び遊離塩酸濃度が290g/Lの組成で調製し、液温を60℃に調整した電解液を通液して、ニッケルの電解採取を行なった。
前記電解槽は、塩化ビニール製のサイズが100mm長さ×150mm深さ×120mm幅のものであった。この電解槽内に、カソード1枚と不溶性アノード2枚を設置した。ここで、電着面の有効サイズは65mm×60mmとした。また、カソードと濾布の間が40mmで、濾布とアノードの間が20mmとなる位置になるように、濾布により仕切りを設けた。
前記カソードは、厚さ3mmのチタン板を用い、その表面をサンドブラスト処理により、表面粗さが5点標準粗さ(Rz)で表した値で平均15μmに加工したものである。さらに、カソードの電着部分の4隅に直径3mmの貫通孔を開けた。
【0032】
電解条件としては、電解液の通液を、アノード側とカソード側の両方とも電解槽と貯液槽の間をポンプで毎分15mLの流量で循環しながら、電流密度400A/mとなる電流で通電した。
通電開始後、48時間経過後に停電し、カソードを引き揚げ、その表面を純水で洗浄し乾燥した後、外観を目視で観察した。その結果、自然剥離は生じていないことが確認された。参考のため、得られた通電後のカソードの外観を図2に示す。図2より、通電後のカソード上の電着金属の剥離は見られないことが分かる。その後、直径3mmのドリルを用いて、4隅の貫通孔の上部から電着金属を穿孔したところ、完全に貫通するまで穿孔する前に、電着金属がカソードから剥離し回収することができた。
【0033】
(比較例1)
カソードの周辺部に貫通孔を開けなかったこと以外は実施例1と同様に行なったところ、通電開始後24時間が経過した時点で通電ができなくなった。そのときのカソードを引き揚げ、その表面を純水で洗浄し乾燥した後、外観を目視で観察した。その結果、自然剥離は生じていることが確認された。参考のため、得られた通電後のカソードの外観を図3に示す。図3より、通電後のカソード上の電着金属の剥離が生じていることが分かる。
【0034】
以上より、実施例1では、材質がチタンで、表面粗さが5点標準粗さ(Rz)で表した値で15μmで、及び四隅に貫通孔を設けたカソードを用い、電解後に、貫通孔内部に形成された連結を切断してカソードから電着金属を分別する本発明の方法に従って行われたので、電解時に電着金属が自然剥離して落下することを防止し、一方電解後の分別作業において、カソードから電着金属を容易に剥ぎ取ることができることが分かる。これに対して、比較例1では、カソードがこれらの条件に合わないので、電解時に電着金属が自然剥離し、満足すべき結果が得られないことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上より明らかなように、本発明の電着応力が大きな金属の電解採取方法は、特にニッケル、コバルト又は鉄のように電着応力が大きな金属を含む酸性水溶液からこれら金属をカソードに電着させて電解採取する際に、電解時に電着金属が自然剥離して落下することを防止し、一方電解後の分別作業において、カソードから電着金属を容易に剥ぎ取ることができる電解採取方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】カソードの表面粗さと電着金属の自然剥離が生じる電着厚さの関係を表す図である。
【図2】実施例1で得られた通電後のカソードの外観を表す写真である。
【図3】比較例1で得られた通電後のカソードの外観を表す写真である。
【出願人】 【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
【出願日】 平成19年6月15日(2007.6.15)
【代理人】 【識別番号】100106596
【弁理士】
【氏名又は名称】河備 健二


【公開番号】 特開2008−308741(P2008−308741A)
【公開日】 平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願番号】 特願2007−158695(P2007−158695)