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【発明の名称】 電着金属の移載装置
【発明者】 【氏名】牧 公一

【氏名】和田 達也

【氏名】神崎 正悟

【氏名】甲斐 志治

【氏名】釘宮 芳徳

【要約】 【課題】アイザー法によって精製された電着金属を従来の作業効率を損なうことなく且つ載せ替えの際における落下等の事故を未然に防止できる安全性の高い電着金属の移載装置を提供することを目的とする。

【解決手段】電解精錬によって精製され、陰極板1から剥ぎ取られた電着金属2を搬送コンベア7に移載する電着金属の移載装置20は、先端部23が三次元的に方向転換可能に形成された多関節形ロボット21と、多関節ロボット21の先端部23に取り付けられる電着金属2を保持する保持手段30であって、電着金属2の表面を吸着して保持する吸着チャック31と、吸着保持された電着金属2が落下するのを防止する落下防止用爪41を備えた保持手段30を含み構成されてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解精錬によって精製され、陰極板から剥ぎ取られた電着金属を搬送コンベアに移載する電着金属の移載装置において、
先端部が三次元的に方向転換可能に形成された多関節形ロボットと、そして、
前記多関節ロボットの先端部に取り付けられる前記電着金属を保持する保持手段であって、前記電着金属の表面を吸着して保持する吸着チャックと、電着金属落下防止用爪を備えた保持手段と、
を含み構成されてなる電着金属の移載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電着金属の移載装置において、
前記吸着チャックは、チャック本体と、前記電着金属を吸着する吸着パッドを備え、前記吸着パッドは前記チャック本体に対する姿勢角度が可変とされていることを特徴とする電着金属の移載装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電着金属の移載装置において、
前記吸着パッドはボールジョイントを介して前記チャック本体に連結され、それによって前記吸着パッドは前記チャック本体に対する姿勢角度が可変とされていることを特徴とする電着金属の移載装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の電着金属の移載装置において、
前記落下防止用爪は、その先端が前記電着金属の側部側方向から当該電着金属の底面を支持するように可動するようにされていることを特徴とする電着金属の移載装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電着金属の移載装置に関し、さらに詳しくは、電解精錬により精製された銅等の電着金属を陰極板から剥ぎ取り、それを搬送するコンベアに移載する際に用いられる電着金属の移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の金属の電解精錬は次第にアイザー法による電解精錬に移行しつつある。アイザー法はステンレス製の陰極板であるパーマネントカソード(PC)を用いて行う金属の電解精錬である。例えば、アイザー法による銅の電解精錬は以下のようにして行われる。すなわち、電解液が貯えられた電解槽中に多数のステンレス製の陰極板(カソード板)と、粗銅を鋳込んだ陽極板(アノード板)とを交互に浸漬し、これに電圧を印加して陰極板の両面に電気銅を電着させることによって行なわれる。そして、陰極板表面に電着した電気銅は、剥取装置によって剥ぎ取られそのままの形で又はさらに溶解炉で鋳造されて製品とされる。具体的には、図1に示すように、陰極板1はステンレス製の板状材で、その両サイド部には合成樹脂製のプロクテクタ5が嵌め込まれると共に、上端部にはクロスバー4が設けられている。また、クロスバー4の下部には2つの窓部3、3が設けられており、この窓部3、3に図示しない電極板搬送装置のフックを掛止することにより電解槽への装入及び取り出し並びに搬送が行なわれるようになっている。ステンレス製の陰極板1は、丈夫で且つ繰り返し使用が可能であると共に、平面性が良いことから電解精錬時のショートが起きにくいという利点があるため近年広く採用されるに至っている。そして、陰極板1の両面側からそれぞれ剥ぎ取られた電気銅2は搬送装置によって運ばれ、そのままの形で又はさらに溶解炉へ投入し鋳造されて製品とされる。
【0003】
電解精錬が終了したPC板からの電気銅板の回収システムとしては、例えば、特開2005−240146号(特許文献1)がある。この電気銅板回収システムは、電解精錬が終了し、表面に電気銅が析出したSUS板(陰極板)との合板が搬入される合板搬入部と、これら合板を洗浄する洗浄装置と、SUS板から電気銅板を引き剥がす剥取装置と、引き剥がし後のSUS板を回収するSUS搬出部と、剥取工程中に引き剥がしに失敗した不良品を摘出する不良品摘出部と、引き剥がし後の電気銅板を接合する接合装置と、接合された電気銅板を積載して保持する積載装置と、積層された電気銅板を梱包する梱包装置と、梱包後の電気銅板を回収する銅板搬出部とを含み、それぞれの装置又は搬入・搬出部の間には、搬送コンベアが設けられて構成されている。
【0004】
上述した電気銅板回収システムは、まず、合板搬入部に搬入された合板は、吊下された状態で洗浄装置まで搬送され、所定の枚数毎に同時に洗浄が行われる。洗浄された合板は搬送コンベアによってトラバースコンベアまで搬送され、トラバースコンベアによって合板の搬送方向を合板面に平行な方向(すなわちクロスバー4の軸方向)に偏向させた状態で1枚ずつ連続的に剥取装置まで搬送される。剥取装置が1枚ずつ合板を受け取るとSUS板から電気銅板を引き剥がし、SUS板及び電気銅板をそれぞれ搬送コンベアによって搬送する。搬送された電気銅板は梱包装置によって梱包され、銅板搬出部から回収される。
精製された電気銅は、そのまま市販もされるが、特開平9−269191号公報にも示されているように、溶解炉で溶解し、適当な鋳型に鋳込んで電線製造用の棹銅、型銅として市販される。
【0005】
【特許文献1】特開2005―240146号公報
【特許文献2】特開平9−269191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまで行われてきた従来の金属の電解精錬において使用される陰極板は、目的とする金属を精製して形成した薄板を用いて行っていたため、アイザー法のように陰極板に電着した精製金属を引き剥がす必要はなく、そのまま製品又は溶解炉で鋳込んでケークに形成することが可能であった。
しかし、アイザー法では、上述したように、丈夫で繰り返し使用が可能であると共に平面性が良くショートが起きにくいという利点から陰極板としてSUS板を使用するようになったことから陰極板に電着した精製金属は陰極板の両表面から引き剥がす必要があり、そのため、精製金属を陰極板として使用していた従来法の場合に比べて電解精錬後の精製金属(電着金属)の重量が約半分の重量となった。また、精製金属の陰極板からの剥ぎ取りは精製金属と陰極板との境目にチゼルを装入することによって行われるが、その際に加わる力によって精製金属の上部側が反り曲がる等の変形を起こし平面性が阻害されるため、従来方法によって精製された電気銅の場合に比べて搬送性が悪くなるという問題があった。さらに、従来の電気銅に比べて剥ぎ取り後の精製金属の重量が1枚あたり約半分になったので従来と同様の搬送を行っていたのでは従来の半分の量しか処理できないということになる。
【0007】
そこで、本発明は、アイザー法によって精製され、陰極板から剥ぎ取られた電着金属を従来の作業効率を損なうことなく溶解炉へ投入する投入装置まで搬送する搬送コンベアに載せ替える際の電着金属の移載装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、アイザー法によって精製された電着金属を搬送コンベアに載せ替える際に落下等の事故を未然に防止できる安全性の高い電着金属の移載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、電解精錬によって精製され、陰極板から剥ぎ取られた電着金属を搬送コンベアに移載する電着金属の移載装置において、先端部が三次元的に方向転換可能に形成された多関節形ロボットと、そして、多関節ロボットの先端部に取り付けられる電着金属を保持する保持手段であって、電着金属の表面を吸着して保持する吸着チャックと、電着金属落下防止用爪を備えた保持手段とを含み構成されてなる。
【0009】
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の電着金属の移載装置において、吸着チャックは、チャック本体と、電着金属を吸着する吸着パッドを備え、吸着パッドはチャック本体に対する姿勢角度が可変とされていることを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の電着金属の移載装置において、吸着パレットはボールジョイントを介してチャック本体に連結され、それによって吸着パレットはチャック本体に対する姿勢角度が可変とされていることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の電着金属の移載装置において、落下防止用爪は、その先端が電着金属の側部側方向から電着金属の底面を支持するように可動するようにされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る電着金属の移載装置によれば、多関節ロボットによって電着金属を搬送コンベアに移載することとしたので高速で移載動作が行われても電着金属を正確に移載位置へ載置することができるという効果がある。そのため、電着金属を移載位置で2枚重ねにすれば従来の場合と同じ効率で溶解炉まで搬送することが可能となる。
【0013】
また、本発明に係る電着金属の移載装置によれば、電着金属を吸着によって保持すると共に、さらに落下防止用爪によっても保持するようにしたので、万が一吸着チャックの真空が破られた場合でも支持用爪が電着金属を確実に支持するため電着金属の落下による事故を未然に防ぐことができ高い安全性が確保されるという効果がある。
【0014】
さらに、本発明に係る電着金属の移載装置によれば、電着金属を吸着保持する吸着パレットはチャック本体に対する姿勢角度を可変とすることとしたので反り曲がって平面性が悪い電着金属であっても確実に吸着保持することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る電着金属の移載装置について図面を参照しつつ詳細に説明する。図2は陰極板から剥ぎ取られた電着金属を溶解炉まで搬送するまでの搬送経路を示す説明図、図3は本発明に係る電着金属の移載装置の一実施形態の側面図である。
【0016】
初めに、電着金属の一例として陰極板から剥ぎ取られた電気銅を溶解炉へ投入するまでの概略の流れを図2を参照しつつ説明する。電解精錬が終了し、陰極板1の両表面からそれぞれ引き剥がされた高純度の電気銅2は、中間コンベア6によって運ばれ、本発明に係る移載装置の一実施形態である移載装置20によって予熱炉8が設けられた搬送コンベア7に移載されて搬送され予熱乾燥が行われるようになっている。電気銅2は移載装置20によって2枚一組に重ね合わせた状態となるようにして搬送コンベア7に移載される。そして、予熱炉8では電気銅2を約800℃で加熱して予熱乾燥を行い水分を十分に除去する。溶解炉50で溶解状態となっている銅は約1,200℃の高温となっており、投入する電着金属2に水分が付着していると溶解炉50に投入した際その高温によって一気に水分が加熱されて爆発的に水蒸気となって極めて危険だからである。また、HSOを加熱分解し、除去する目的がある。搬送コンベア7は、図示されているように、中間コンベア6に近い側のWS(ワークサイド)搬送路と中間コンベア6から遠い側のDS(ドライブサイド)搬送路の2列の搬送路を有するローラコンベアであり、WS及びDSの各搬送コンベア7上にそれぞれ2枚一組に載置して加熱乾燥した電気銅2をそれぞれ投入装置10へ向かって搬送するようになっている。そして、電気銅2は投入装置10によって投入口51から溶解炉50内へ投入され、所定形状のケークに鋳造される。
【0017】
移載装置20は、図3〜図6に示すように、概略として、中間コンベア6と搬送コンベア7の近接部に配置され、その先端部23が三次元的に方向転換可能に形成された多関節形ロボット21と、多関節形ロボット21の先端部23に取り付けられる電気銅2を保持する保持手段である保持装置30を備えている。保持装置30は、図6に最も良く示されているように、電気銅2の表面を吸着して保持する吸着チャック31と、吸着保持された電気銅2が落下することを防ぐ落下防止用爪41を有して構成されている。
【0018】
多関節形ロボット21は、図3に示すように、垂直多関節形ロボットであり、基台28上に設置され、縦、横、斜めの3次元曲面動作範囲を有している。本実施形態における多関節形ロボット21は、多関節形ロボット21全体を旋回させるS軸と、下腕を動かすL軸と、上腕を回転させるU軸の基本3軸と、手首を旋回させるR軸と、手首を振るB軸と、手首を回転させるT軸の手首3軸の計6軸を備えたいわゆる「6軸ロボット」である。可動機構が人間の腕に良く似ており、複雑な動きにもよく対応することができる。もちろんアームの先端部が中間コンベア6と搬送コンベア7の各所定位置の間を移動可能であれば本実施形態におけるような6軸ロボットに限らず、5軸ロボット等を用いてもかまわない。
【0019】
多関節形ロボット21の各関節はそれぞれ図示しないサーボモータによって動作されるようになっており、その制御は図示しないサーボモータに組み込まれたエンコーダによるフィードバック制御によって行われる。サーボモータは各軸の素早い動作を可能とし、これによって電気銅2の移載作業のスピードアップを図ることができる。
【0020】
また、多関節形ロボット21はその動作を制御するための制御盤29と接続されており、多関節形ロボット21の動作位置の指定を行うティーチング作業は制御盤29に組み込まれた制御プログラムに基づいて行われるようになっている。尚、多関節形ロボット21の制御管理は、操作性やプログラム管理の容易性を考慮して汎用のコンピュータ(パソコン)を用いて行う構成とすることも可能である。
【0021】
一方、多関節形ロボット21の先端部23に取り付けられる電気銅2の保持手段である保持装置30は、図6に示すように、電気銅2の表面を吸着して保持する吸着チャック31と、吸着保持された電気銅2が落下することを防ぐ落下防止用爪41を有して構成されている。
吸着チャック31は、多関節形ロボット21の先端部23に取り付けられるチャック本体33と、吊下部材34によってチャック本体33から吊り下げ支持される吸着パッド35を備えている。吊下部材34は、チャック本体33の底面の4箇所に配置されており、これにより吸着パッド35を均等に保持する。また、吊下部材34はコイルバネによって形成されていると共に吸着パッド35との接続部分がボールジョイント34aによって連結されており、これにより吸着パッド35はチャック本体33に対して動揺し、その姿勢角度が可変とされている。これにより、上部側が反り曲がる等の変形を起こし平面性が阻害された電気銅2であっても吸着パッド35がその形状に即してその角度を適宜変化させて確実に吸着することができる。吸着パッド35は図示しない真空ポンプユニットと連結されており、真空ポンプユニットの吸引によって電気銅2を吸着保持するようになっている。尚、吸引力は調整可能となっており、電気銅2の重量や形状によって適宜調整することで確実に保持搬送を行うことができるようになっている。
【0022】
一方、チャック本体33の両側部近傍にはそれぞれエアシリンダ43が配置されており、そのエアシリンダ43の可動端45には掴持部材40の端部と連結されている。掴持部材40は側面形状が柄杓型をした部材であり、柄杓の柄に相当する部分に上記エアシリンダ43の可動端45が連結されている。そして、柄の付根に相当する部分はその部分を中心に揺動可能に軸止された軸止部41aとされている。さらに可動端45とは反対側の端部が吸着パッド35によって吸着保持された電気銅2をその両側方向から抱えるようにして電気銅2の底部を掛止する落下防止用爪41が形成されている。エアシリンダ43は図示しないエア供給装置から送られる加圧エアによって可動端45が前進後退し、それに伴って掴持部材40が軸止部41aを中心として揺動し、それによって電気銅2の落下を防止ようになっている。尚、電気銅2移動は主として吸着チャック31によって行われ、万が一、吸着チャック31の真空が損なわれた場合に電気銅2が落下することがないように掴持部材40の支持用爪41で保持するようになっている。これにより、電着金属2の移し変え作業の安全性が十分に確保される。
【0023】
上述のように構成された移載装置20は、図4に示すように、中間コンベア6によって搬送され、所定の高さに積層された電気銅2を2列に並んで設けられた搬送コンベア7のWD及びDS搬送路のそれぞれに載せ替えを行う。この載せ替えは、搬送コンベア7のWD及びDS搬送路の各列について2枚を重ねになるようしにて行われる。これにより、電着金属2は2枚一組となって搬送コンベア7を移送され、投入装置10によって溶融炉50内へ投入されることとなり、従来法によって精製された電気銅の場合と同じ効率で溶解炉50への投入を行うことが可能となる。
【0024】
ここで、従来の移載機と本発明に係る移載装置との比較を表1に示す。表1に示されているように、従来の移載機では1枚目の電気銅2を2列に形成された搬送コンベア7の一方側へ移載するのに26秒、2枚目の電気銅2を搬送コンベア7の他方側へ移載するのに26秒を要していた。尚、表中の「予熱炉ローラー」という項目は、移載した電気銅2が予熱炉8に向けて移動して従来の移載機又は多関節形ロボット21が次の電気銅2を取りに行くまでの待機時間を示している。このように、従来の移載機ではトータル74秒で次の電気銅2の移載が繰り返されるようになっている。
【0025】
【表1】


【0026】
これに対し、本発明に係る移載装置では、1枚目の電気銅2を14.5秒で搬送コンベア7のDS搬送路へ移載し、2枚目の電気銅2を14秒でWS搬送路へ移載可能となっている。電気銅2は2枚重ねにして搬送するのでDS搬送路及びWS搬送路共に電気銅2の移載はそれぞれの移載時間の2倍の時間が必要となる。従って、2枚の電気銅2をDS搬送路へ移載するのに29秒、WS搬送路へ移載するのに28秒を要することとなる。そして、多関節形ロボット21が次の電気銅2を取りに行くまでの待機時間を17秒とすればトータル74秒で次の電気銅2の移載が繰り返され、少なくとも従来と同じ搬送効率を確保することが可能となる。
【0027】
次に、電気銅2の移載に際して多関節形ロボット21が稼動するエリアを座標で表したものを図7に示す。保持装置30による電気銅2の移載は、図7(a)(b)に示すように、まず多関節形ロボット21が移載原点位置(スタート位置)(X=1500 Y=−1610 Z=675(単位mm))にある保持装置30を低速でZ軸方向に下降させ、吸着位置検出リミットが電気銅に接触し作動すると下降停止、電気銅を吸着する。この際、高速で下降させると、中間コンベアで積載された山の高さがまちまちで激突するおそれがあるため、一番上にある電気銅だけは、原点位置から吸着位置まで低速で下降させる。そして、一旦移載原点位置へ高速で戻りDS(X=1540 Y=1640 Z=−800)又はWD(X=1540 Y=445 Z=−800)へ高速で運搬して電気銅2を移載する。そして再び高速で移載原点位置へ戻る。ここで、「移載原点位置」とは、中間コンベア6上における保持装置30の待機位置をいう。2枚目の以降は、その前の板の吸着位置を記憶させており、前の板を吸着した位置までは高速で下降する。それ以降は低速で下降、吸着させる。これにより迅速な移載作業を継続することが可能となる。
【0028】
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】表面に金属が電着した状態のアイザー法における陰極板である。
【図2】電着金属の搬送経路における移載装置の配置位置を示す説明図である。
【図3】本発明に係る電着金属の移載装置の一実施形態の側面図である。
【図4】図3に示す電着金属の移載装置の平面図である。
【図5】保持装置の可動状態を示す正面図である
【図6】保持装置の拡大正面図である。
【図7】(a)(b)は移載装置の稼動エリアを座標で表した図である。
【符号の説明】
【0030】
1 陰極板
2 電着金属
3 窓部
4 クロスバー
5 プロクテクタ
6 中間コンベア
7 搬送コンベア
8 予熱炉
10 投入装置
20 移載装置
21 多関節形ロボット
23 先端部
28 基台
29 制御盤
30 保持装置
31 吸着チャック
33 チャック本体
34 吊下部材
34a ボールジョイント
35 吸着パッド
40 掴持部材
41 落下防止用爪
41a 軸止部
43 エアシリンダ
45 可動端
50 溶解炉
51 投入口
55 溶湯
【出願人】 【識別番号】500483219
【氏名又は名称】パンパシフィック・カッパー株式会社
【出願日】 平成19年4月27日(2007.4.27)
【代理人】 【識別番号】100110722
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 誠一


【公開番号】 特開2008−274354(P2008−274354A)
【公開日】 平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願番号】 特願2007−119554(P2007−119554)