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【発明の名称】 電気分解装置
【発明者】 【氏名】佐々木 耕司

【要約】 【課題】電力消費効率に優れた電気分解装置を提供する。

【解決手段】電気分解装置1は、電解液中に浸漬される電極対および当該電極対を流れる電流を蓄電するコンデンサを直列に接続した直列回路並びに当該直列回路に直列接続された主電路を有するサイリスタをそれぞれが含んで互いに縦続接続された4段の電解回路E1〜E4と、電解液中に浸漬される電極対および当該電極対に直列に接続された主電路を有するサイリスタを含み、4段の電解回路E1〜E4のさらに後段に接続された最終段の電解回路E5と、を備える。トリガー制御回路19は、5つの電解回路E1〜E5のうちの初段の電解回路E1に含まれるサイリスタ41から順次後段の電解回路E2,E3,E4に含まれるサイリスタ42,43,44を導通させ、最後に最終段の電解回路E5に含まれるサイリスタ45を導通させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解液の電気分解を行う電気分解装置であって、
電解液を収容する電解槽と、
電気分解のための電力を供給する直流電源と、
前記電解液中に浸漬された電極対および当該電極対を流れる電流を蓄電するコンデンサを直列に接続した直列回路並びに当該直列回路に直列接続された主電路を有するサイリスタをそれぞれが含んで互いに縦続接続された複数の電解回路と、
前記電解液中に浸漬された電極対および当該電極対に直列に接続された主電路を有するサイリスタを含み、前記複数の電解回路のさらに後段に接続された最終電解回路と、
前記複数の電解回路および前記最終電解回路に含まれるサイリスタを順次導通させるトリガー制御回路と、
を備えることを特徴とする電気分解装置。
【請求項2】
請求項1記載の電気分解装置において、
前記複数の電解回路のそれぞれに含まれるコンデンサの一端および前記最終電解回路に含まれる電極対の一端を前記直流電源の帰路端に接続し、
縦続接続された前記複数の電解回路のうちの初段の電解回路におけるサイリスタの主電路の一端を前記直流電源の出力端に接続するとともに、前記複数の電解回路のうちの残余の電解回路におけるサイリスタの主電路の一端を直前の電解回路における電極対とコンデンサとの接続点に接続し、
前記最終電解回路に含まれるサイリスタの主電路の一端を前記複数の電解回路のうちの最後段の電解回路における電極対とコンデンサとの接続点に接続し、
前記トリガー制御回路は、前記複数の電解回路のうちの前記初段の電解回路に含まれるサイリスタから順次後段の電解回路に含まれるサイリスタを導通させ、最後に前記最終電解回路に含まれるサイリスタを導通させることを特徴とする電気分解装置。
【請求項3】
電解質を溶解した電解液の電気分解を行う電気分解装置であって、
電解液を収容する電解槽と、
電気分解のための電力を供給する直流電源と、
前記電解液中に浸漬された第1電極対および当該第1電極対を流れる電流を蓄電するコンデンサを直列に接続した直列回路並びに当該直列回路に直列接続された主電路を有する第1サイリスタを含む第1の電解回路と、
前記電解液中に浸漬された第2電極対および当該第2電極対に直列に接続された主電路を有する第2サイリスタを含む第2の電解回路と、
前記第1サイリスタから前記第2サイリスタの順に順次導通させるトリガー制御回路と、
を備え、
前記コンデンサの一端および前記第2電極対の一端を前記直流電源の帰路端に接続し、
前記第1サイリスタの主電路の一端を前記直流電源の出力端に接続し、
前記第2サイリスタの主電路の一端を前記第1の電解回路における前記第1電極対と前記コンデンサとの接続点に接続することを特徴とする電気分解装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電解液の電気分解を行う電気分解装置に関し、例えば水の電気分解や金属の電解精錬に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
電解質を溶解した水溶液などの電解液に電極を接触させて所定の電圧を印加することにより、電気化学的に酸化還元反応が生じ、その結果電流が流れる現象は電気分解(電解)として広く知られている。電気分解を工業分野に応用した例としては金属の電解精錬が挙げられ(例えば、特許文献1)、例えばアルミニウムはボーキサイトを原料として電気分解によって生産するのが一般的である。
【0003】
【特許文献1】特開2004−197124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、金属を電気分解によって精錬する手法は大量の電力を消費する。このため、例えば日本のように安価な電力供給が困難な立地においては、電気分解によってアルミニウムなどの金属を量産することは極めて困難であった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電力消費効率に優れた電気分解装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、電解液の電気分解を行う電気分解装置において、電解液を収容する電解槽と、電気分解のための電力を供給する直流電源と、前記電解液中に浸漬された電極対および当該電極対を流れる電流を蓄電するコンデンサを直列に接続した直列回路並びに当該直列回路に直列接続された主電路を有するサイリスタをそれぞれが含んで互いに縦続接続された複数の電解回路と、前記電解液中に浸漬された電極対および当該電極対に直列に接続された主電路を有するサイリスタを含み、前記複数の電解回路のさらに後段に接続された最終電解回路と、前記複数の電解回路および前記最終電解回路に含まれるサイリスタを順次導通させるトリガー制御回路と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る電気分解装置において、前記複数の電解回路のそれぞれに含まれるコンデンサの一端および前記最終電解回路に含まれる電極対の一端を前記直流電源の帰路端に接続し、縦続接続された前記複数の電解回路のうちの初段の電解回路におけるサイリスタの主電路の一端を前記直流電源の出力端に接続するとともに、前記複数の電解回路のうちの残余の電解回路におけるサイリスタの主電路の一端を直前の電解回路における電極対とコンデンサとの接続点に接続し、前記最終電解回路に含まれるサイリスタの主電路の一端を前記複数の電解回路のうちの最後段の電解回路における電極対とコンデンサとの接続点に接続し、前記トリガー制御回路は、前記複数の電解回路のうちの前記初段の電解回路に含まれるサイリスタから順次後段の電解回路に含まれるサイリスタを導通させ、最後に前記最終電解回路に含まれるサイリスタを導通させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明は、電解質を溶解した電解液の電気分解を行う電気分解装置において、電解液を収容する電解槽と、電気分解のための電力を供給する直流電源と、前記電解液中に浸漬された第1電極対および当該第1電極対を流れる電流を蓄電するコンデンサを直列に接続した直列回路並びに当該直列回路に直列接続された主電路を有する第1サイリスタを含む第1の電解回路と、前記電解液中に浸漬された第2電極対および当該第2電極対に直列に接続された主電路を有する第2サイリスタを含む第2の電解回路と、前記第1サイリスタから前記第2サイリスタの順に順次導通させるトリガー制御回路と、を備え、前記コンデンサの一端および前記第2電極対の一端を前記直流電源の帰路端に接続し、前記第1サイリスタの主電路の一端を前記直流電源の出力端に接続し、前記第2サイリスタの主電路の一端を前記第1の電解回路における前記第1電極対と前記コンデンサとの接続点に接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電気分解反応によって流れた電流を一旦コンデンサに蓄電し、その蓄電による電圧を新たな電極対に印加することによって再度電気分解反応を生じさせることとなるため、電力を再利用して電気分解を行うことができ、電力消費効率を格段に優れたものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。本明細書中において「電解液」とは、電気伝導性を有する液体の総称であり、電解質が溶媒中に溶解した溶液の他に、溶媒を含まずにイオンのみからなる液体であるいわゆる溶融塩(またはイオン液体)をも含む。また、溶液の溶媒は、水に限定されるものではなく、有機溶媒であっても良い。なお、電解液としては単なる水であっても良いが、その水には意図的或いは不可避的に電解質が溶解しており、電解質が溶媒中に溶解した溶液の一種である。
【0011】
図1は、本発明に係る電気分解装置1の回路構成を示す図である。また、図2は、電極を配置した電解セル(電解槽)の一例を示す斜視図である。電気分解装置1は、電解セル10、直流電源15、複数の電解回路E1〜E5およびトリガー制御回路19を備える。
【0012】
電解セル10には電気分解の対象となる電解液11が収容されている。電解液11が高温の溶融塩である場合には、電解セル10に塩を融解するための加熱機構が付設されていても良い。
【0013】
直流電源15は、通常、交流電源に接続された整流回路およびその整流回路の出力を平滑化して直流を得る平滑回路によって構成されており、電解液11を電気分解するための電力(直流)を供給する。
【0014】
5つの電解回路E1〜E5は互いに縦続接続された回路であり、それぞれは電解セル10に貯留された電解液11の電気分解を行う。これらのうち4つの電解回路E1〜E4は、電極対21〜24、コンデンサ31〜34およびサイリスタ41〜44をそれぞれ備え、縦続接続の初段から第4段を構成する。また、電解回路E5は、電極対25およびサイリスタ45を備え、縦続接続の最終段を構成する。
【0015】
初段の電解回路E1は、電極対21とコンデンサ31とを直列に接続した直列回路およびその直列回路に直列接続された主電路を有するサイリスタ41を有する。サイリスタ41の主電路の一端(アノード側)は直流電源15のプラス端(出力端)に接続され、他端(カソード側)は電極対21の陽極21aと接続される。また、コンデンサ31の一端は直流電源15のマイナス端(帰路端)に接続され、他端は電極対21の陰極21bと接続される。酸化反応が生じる陽極21aおよび還元反応が生じる陰極21bにて構成される電極対21は電解セル10の電解液11中に浸漬される。
【0016】
縦続接続のうちの第2段〜第4段を構成する電解回路E2,E3,E4は、それぞれ電極対22,23,24とコンデンサ32,33,34とを直列に接続した直列回路およびその直列回路に直列接続された主電路を有するサイリスタ42,43,44を有する。サイリスタ42〜44の主電路の一端(アノード側)は、上記縦続接続における直前の電解回路における電極対とコンデンサとの接続点に接続される。すなわち、電解回路E2のサイリスタ42の一端は直前の電解回路E1における電極対21とコンデンサ31との接続点に接続され、電解回路E3のサイリスタ43の一端は直前の電解回路E2における電極対22とコンデンサ32との接続点に接続され、同様に電解回路E4のサイリスタ44の一端は直前の電解回路E3における電極対23とコンデンサ33との接続点に接続される。また、サイリスタ42,43,44の主電路の他端(カソード側)は、それぞれ電極対22,23,24の陽極22a,23a,24aと接続される。さらに、コンデンサ32,33,34の一端は直流電源15のマイナス端(帰路端)に接続され、他端は電極対22,23,24の陰極22b,23b,24bとそれぞれ接続される。電解回路E2,E3,E4の電極対22,23,24は全て電解セル10の電解液11中に浸漬される。
【0017】
縦続接続の最終段を構成する電解回路E5は、電極対25および電極対25に直列に接続された主電路を有するサイリスタ45を有する。サイリスタ45の主電路の一端(アノード側)は直前の電解回路E4(つまり、コンデンサを有する電解回路E1〜E4の最後段の電解回路)における電極対24とコンデンサ34との接続点に接続される。サイリスタ45の主電路の他端(カソード側)は電極対25の陽極25aと接続される。また、電極対25の陰極25bは直流電源15のマイナス端(帰路端)に直接接続される。電解回路E5の電極対25も電解セル10の電解液11中に浸漬される。
【0018】
電解回路E1〜E5におけるサイリスタ41,42,43,44,45のそれぞれのゲートにはトリガー制御回路19の出力端が個別に接続されている。トリガー制御回路19は、サイリスタ41,42,43,44,45のそれぞれのゲートに個別にトリガー信号を印加することができる。
【0019】
次に、上記の構成を有する電気分解装置1の動作について説明する。直流電源15がオンの状態にて、トリガー制御回路19が最初に電解回路E1に含まれるサイリスタ41のゲートのみにトリガー信号を印加する。そうすると、直流電源15からサイリスタ41の主電路を介して電極対21の陽極21aと陰極21bとの間に所定の電圧が印加される。その結果、陽極21aでは酸化反応が生じる一方、陰極21bでは還元反応が生じ、これらの電気分解反応が進行することによって陽極21aと陰極21bとの間に電流が流れる。なお、陽極21aと陰極21bとの間に印加される電圧は直流電源15の端子間電圧に等しく、電解液11の電気分解が生じる電圧(例えば、電解液11が水であれば1.23V)よりも高いことは勿論である。
【0020】
電極対21を流れた電流はコンデンサ31に蓄電される。コンデンサ31の両端間の電圧が所定値を超えるとサイリスタ41の導通が停止する。この時点ではコンデンサ31に電荷が蓄積されており、それによって第2段の電解回路E2に電圧が印加されることとなる。
【0021】
次に、トリガー制御回路19が電解回路E2に含まれるサイリスタ42のゲートのみにトリガー信号を印加する。そうすると、コンデンサ31が電源として機能し、コンデンサ31からサイリスタ42の主電路を介して電極対22の陽極22aと陰極22bとの間に所定の電圧が印加される。その結果、陽極22aおよび陰極22bにて電気分解反応が生じ、両極間に電流が流れる。電極対22を流れた電流はコンデンサ32に蓄電される。コンデンサ32の両端間の電圧が所定値を超えるとサイリスタ42の導通が停止する。この時点ではコンデンサ32に電荷が蓄積されており、それによって第3段の電解回路E3に電圧が印加されることとなる。
【0022】
続いて、トリガー制御回路19が電解回路E3に含まれるサイリスタ43のゲートのみにトリガー信号を印加する。そうすると、コンデンサ32が電源として機能し、コンデンサ32からサイリスタ43の主電路を介して電極対23の陽極23aと陰極23bとの間に所定の電圧が印加される。その結果、陽極23aおよび陰極23bにて電気分解反応が生じ、両極間に電流が流れる。電極対23を流れた電流はコンデンサ33に蓄電される。コンデンサ33の両端間の電圧が所定値を超えるとサイリスタ43の導通が停止する。この時点ではコンデンサ33に電荷が蓄積されており、それによって第4段の電解回路E4に電圧が印加されることとなる。
【0023】
その後同様に、トリガー制御回路19は電解回路E4に含まれるサイリスタ44のゲートのみにトリガー信号を印加する。そうすると、コンデンサ33が電源として機能し、コンデンサ33からサイリスタ44の主電路を介して電極対24の陽極24aと陰極24bとの間に所定の電圧が印加される。その結果、陽極24aおよび陰極24bにて電気分解反応が生じ、両極間に電流が流れる。電極対24を流れた電流はコンデンサ34に蓄電される。コンデンサ34の両端間の電圧が所定値を超えるとサイリスタ44の導通が停止する。この時点ではコンデンサ34に電荷が蓄積されており、それによって最終段の電解回路E5に電圧が印加されることとなる。
【0024】
最後に、トリガー制御回路19は電解回路E5に含まれるサイリスタ45のゲートのみにトリガー信号を印加する。そうすると、コンデンサ34が電源として機能し、コンデンサ34からサイリスタ45の主電路を介して電極対25の陽極25aと陰極25bとの間に所定の電圧が印加される。その結果、陽極25aおよび陰極25bにて電気分解反応が生じ、両極間に電流が流れる。最終段の電解回路E5にはコンデンサが設けられていないため、電極対25を流れた電流が蓄電されることはない。なお、コンデンサ34によって電極対25に印加される電圧も電解液11の電気分解が生じる電圧より高い。
【0025】
以上のように、本実施形態において、電気分解装置1は、電解液11を収容する電解セル10と、電気分解のための電力を供給する直流電源15と、電解液11中に浸漬された電極対および当該電極対を流れる電流を蓄電するコンデンサを直列に接続した直列回路並びに当該直列回路に直列接続された主電路を有するサイリスタをそれぞれが含んで互いに縦続接続された4段の電解回路E1〜E4と、電解液11中に浸漬された電極対および当該電極対に直列に接続された主電路を有するサイリスタを含み、4段の電解回路E1〜E4のさらに後段に接続された最終段の電解回路E5と、電解回路E1〜E4および電解回路E5に含まれるサイリスタを順次導通させるトリガー制御回路19と、を備えて構成される。また、4段の電解回路E1〜E4のそれぞれに含まれるコンデンサの一端および最終の電解回路E5に含まれる電極対25の一端を直流電源15の帰路端に接続し、縦続接続された4段の電解回路E1〜E4のうちの初段の電解回路E1におけるサイリスタ41の主電路の一端を直流電源15の出力端に接続するとともに、残余の電解回路E2〜E4におけるサイリスタの主電路の一端を直前の電解回路における電極対とコンデンサとの接続点に接続し、最終の電解回路E5に含まれるサイリスタ45の主電路の一端を上記4段の電解回路のうちの最後段の電解回路E4における電極対24とコンデンサ34との接続点に接続している。
【0026】
そして、トリガー制御回路19が5つの電解回路E1〜E5のうちの初段の電解回路E1に含まれるサイリスタ41から順次後段の電解回路E2,E3,E4に含まれるサイリスタ42,43,44を導通させ、最後に最終段の電解回路E5に含まれるサイリスタ45を導通させている。これにより、電解回路E1〜E5が順次動作することとなり、電極対21〜25において順次断続的に電気分解反応が進行する。このことは、前段の電極対にて生じた電気分解反応によって流れた電流をコンデンサに蓄電し、その蓄電による電圧をサイリスタを導通して後段の電極対に印加することによって再度電気分解反応を生じさせるという現象を繰り返していることに他ならない。要するに、電気分解反応によって流れた電流をコンデンサに蓄電し、それをサイリスタによって順次後段の電極対に送ることを繰り返すことによって一度電気分解に使用された電力の再利用を行っているのである。よって、従来の電気分解に比較して電力消費効率を格段に優れたものとすることができる。
【0027】
本発明に係る電気分解装置1を水の電気分解に適用した場合には、少ない消費電力にて安価に水素を得ることができる。水素は次世代のパワー源として期待されている燃料電池の燃料となりうるものであり、安価な水素の提供は燃料電池の普及促進に繋がる。また、電気分解装置1をアルミニウムやチタンなどの精錬に適用した場合には、少ない消費電力にて電気分解反応を進行させることができ、安価な電力供給が困難な立地においてもアルミニウムなどの金属を生産することが可能となる。
【0028】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、電解回路E1〜E5を5段に縦続接続していたが、これに限定されるものではなく、縦続接続する電解回路の段数は2段以上であれば良い。但し、縦続接続する電解回路の最終段はコンデンサを備えていない上記電解回路E5と同様のものとする。従って、上記実施形態の初段の電解回路E1に直接電解回路E5を接続する2段構成としても良い。この場合、電解回路E5に含まれるサイリスタ45の主電路の一端は電解回路E1における電極対21とコンデンサ31との接続点に接続される。なお、電解回路を多段に縦続接続すると後段の電解回路における電極対ほど印加電圧が低下することとなるが、少なくとも最終段における電極対の印加電圧が電解液11の電気分解が生じる電圧より高くなる段数および直流電源15を選択する必要がある。
【0029】
また、上記実施形態においては、電解回路E1〜E5の電極対21〜25を相互に異なるものとしていたが、これを電解回路E1〜E5に共通の1つの電極対としても良い。また、電極の形状は平板状や棒状など任意の形状とすることができる。
【0030】
また、上記実施形態においては、サイリスタ41〜45の導通によって電極対21〜25に電圧を印加するようにしていたが、サイリスタに代えて回路の一部をON/OFF可能な他のスイッチング素子を使用するようにしても良い。この場合、各スイッチング素子を制御する導通制御回路が前段の電解回路に含まれるスイッチング素子から順次後段の電解回路に含まれるスイッチング素子を導通させるとともに、各電解回路に含まれるコンデンサの電圧が所定値を超えた時点で導通を遮断するようにする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る電気分解装置の回路構成を示す図である。
【図2】電極を配置した電解セルの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
1 電気分解装置
10 電解セル
11 電解液
15 直流電源
19 トリガー制御回路
21〜25 電極対
21a〜25a 陽極
21b〜25b 陰極
31〜34 コンデンサ
41〜45 サイリスタ
E1〜E5 電解回路
【出願人】 【識別番号】506155705
【氏名又は名称】佐々木 耕司
【出願日】 平成19年4月4日(2007.4.4)
【代理人】 【識別番号】100089233
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 茂明

【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊

【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘


【公開番号】 特開2008−255409(P2008−255409A)
【公開日】 平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願番号】 特願2007−98326(P2007−98326)