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【発明の名称】 単・複極式電解装置
【発明者】 【氏名】島宗 孝之

【要約】 【課題】主として電解ユニットを液中に浸漬して大規模の電解を行うための電解槽であって漏洩電流を最小限に押さえ、しかも電極上の通電構造を簡単にして電解槽を小型化すること、更に電解によって発生するミストの影響を最小限にするための電極ユニットの構造体を提供することを課題とした。

【解決手段】本発明は複数の陽極及び陰極を並べた電極群と電極枠構造体からなる電極ユニットを1つの電解浴槽内に置いて電解を行うようにした電解処理用の電解槽であって、該ユニット内の電極の接続が複極に接続された複数の単位を電気的に並列に接続するようにした単・複極型電解槽である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の陽極及び陰極を並べた電極群と電極枠構造体からなる電極ユニットを1つの電解浴槽内に置いて電解を行うようにした電解処理用の電解槽であって、該ユニット内の電極の接続が複極に接続された複数の単位を電気的に並列に接続するようにした単・複極型電解槽。
【請求項2】
電極が炭素質であることを特徴とする請求項1の単・複極電解槽。
【請求項3】
電極が導電性セラミックスであることを特徴とする請求項1の単・複極型電解槽。
【請求項4】
一体となった電極ユニットが電解浴槽内に固定されてなることを特徴とする請求項1から3の単・複極型電解槽。
【請求項5】
一体となった電極ユニットが電解浴槽内に浸漬されてなることを特徴とする請求項1から4の単・複極型電解槽。
【請求項6】
電解槽が溶融塩電解用電解槽であることを特徴とする請求項1から5の単・複極型電解槽。
【請求項7】
電解槽が溶融塩化亜鉛を電解して塩素と溶融金属亜鉛を得ることを特徴とする請求項1から6の単・複極型電解槽。
【請求項8】
電極枠構造体が盲板からなる側板と電極体の上下に設けられた電流を規制するための電極枠とからなり、漏洩電流の防止と電解部分の保温をあわせて行うようにしたことを特徴とする請求項1から7の単・複極型電解槽。
【請求項9】
電極枠が隣り合う電極間距離と同等かそれよりやや狭くした隙間を有し、該隙間が電極間の隙間と略一致するように電極の上下に置かれてなることを特徴とする請求項1から8の単・複極型電解槽。
【請求項10】
電極を電極枠とともに垂直から傾けて平行に取付け陽極生成物と陰極生成物との混合を防ぐようにしたことを特徴とする請求項1から9の単・複極型電解槽。
【請求項11】
電解槽と電解槽上部に配置するガス排出管の間に電解浴蒸気とミストを十分に除去できる大きさを有するミストキャッチャーを設けることを特徴とする請求項1から10の単・複極型電解槽。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は主として電解によって陽極からガスを陰極から金属を得るための大規模な複極型溶融塩電解装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電解による金属採取は現在亜鉛や銅に代表される硫酸塩の水溶液電解、コバルトやニッケルのような塩化物水溶液電解が広く行われている。チタン製造ではチタン塩の還元に使用して生成した塩化マグネシウムの電解還元による金属製造が溶融塩電解で行われている。又よく知られるアルミニウムは酸化アルミニウムの高温溶融塩電解により行われる。又近年ではソーラーセル需要に伴い逼迫しているシリコンの安価な製造方法として亜鉛による四塩化ケイ素の還元による製造方法の検討がなされており、そのためには使用する亜鉛のリサイクルがプロセスを決める重要な要素となっており、塩化亜鉛の溶融塩電解が必須でありそのための検討が行われている。これらの電解ではその電解条件によって種々の電解法が条件を変えて行われている。
【0003】
工業用電解槽の多くは電解液槽と電極/電解部分が一体化されておりそこでは一般に電解に伴う漏洩電流についてはシステム全体で解決されている。また小型の金属採取電解装置では電解液槽内に電極/電解部分を浸漬して電解を行う様なことがしばしば行われるがほとんどの場合は複数の電極を並列に繋いで、漏洩電流のない単極式で電解が行われている。溶融塩電解の場合は通常電解槽内に陽極は複数入っている場合でも、陰極は底部のみなどと言う比較的単純な構成を取ることがおおく、又電極間距離も比較的大きいのが特徴であった。
【0004】
しかしながら、化学プロセスの中に入れる電解プロセスの場合には化学プロセスそれ自身は比較的小型であるが、電解槽がどうしても大型になり場所的なアンバランスと共に、送液距離が大きくなりポンプの大型化や、特に高温溶融塩電解では送液区間の保温、ポンプ選択など大きな問題が出ており、現実にはエネルギーのロスなどが大きいが、電解は電解単独で行っており、他のプロセスと接続して連続運転をすることは行われていない。
【0005】
本発明者らはこれらに対して溶融塩化亜鉛の電解に新たな電解方法を取り入れた複極型の電解装置を提案している。特許文献(1)ここでは複極電解槽で問題となる漏洩電流を電極周囲に電極枠を取り付けることによって防ぐと共に該電極枠が保温材となり、電解部分の温度が実質的に上昇して電解液の電解部分の液抵抗を低減すると共に、電解液表面温度を相対的に低下することによって溶融塩電解で最も問題となる電解質の蒸気とミストを最小限に抑えることが可能となった。複極型電解装置では通電体の形状が比較的簡単になる一方、電極にかかる電圧が大きくなり、漏洩電流が複極の電極数の増加に伴って、急激に増加すると言う問題点があり、それを防ぐためには必然的に電極枠が大きくなり、条件によっては電極それ自身より大きくなると言う問題を抱えることとなった。
【0006】
このために液槽内に電極部分を浸漬するようなケースでは大きな複極式は行われなかった。特に、水溶液電解では金属電極を使用する場合が多く、給電体が比較的簡単な為に給電は複雑にはなるが、単極法が広く使われていた。一方、溶融塩電解でも通常は規模が小さいために単極法ですませる場合が多く、一部複極式があるものの、極数はせいぜい2から3であり、本格的な複極式といえるものではなかった。上記に示した本発明者等による技術として電極枠をつけることにより漏洩電流を減少させているがこれによっても漏洩電流を最小にするには電極の大きさ、電流とのかねあいがあるが、通常10段以下にしておく必要があり、そこでも両端部の電極間の電圧がしばしば30V以上になってしまい、漏洩電流を押さえるためには電極枠を大きくしなければならないという問題点があった。
【0007】
また溶融塩電解では電解と共に発生する電解液ミストの制御が重要であり、本発明者等は特に溶融塩電解で電極が密に存在する場合について大型のミストキャッチャーを取り付けると共にそこに対応するガスの上昇速度を制御するように提案している。(特許文献2)この技術を使うことは特に重要であり、特に多数の電極を集中的におく場合には多量のガスがミストを巻き込みながら発生するためにこのような技術が必須となる。しかしながらこのようなミストキャッチャーを使うためには電極周辺、特に電極上方での導電部材を出来るだけ簡単にしておくことが必要でありそのためには電極への通電構造を簡単化する必要があっ
た。
【0008】
【特許文献1】特開2005−200759公報
【特許文献2】特開2005−200758公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明では主として電解ユニットを液中に浸漬して大規模の電解を行うための電解槽であって漏洩電流を最小限に押さえ、しかも電極上の通電構造を簡単にして電解槽を小型化すること、更に電解によって発生するミストの影響を最小限にするための電極ユニットの構造体を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は複数の陽極及び陰極を並べた電極群と電極枠構造体からなる電極ユニットを1つの電解浴槽内に置いて電解を行うようにした電解処理用の電解槽であって、該ユニット内の電極の接続が複極に接続された複数の単位を電気的に並列に接続するようにした単・複極型電解槽であって、導電体の接続を単純化しながら、1つの電解浴槽に複極的に多数の電極を設置した場合に問題となる漏洩電流を最小とすると共に、電解槽自身をコンパクトにし、しかも大規模な電解を可能にすることが出来た。
【0011】
以下詳細に説明する。
つまり主として溶融塩電解、特に金属採取電解で生成する金属が電解浴より比重が大きい場合には、電解によって生成する金属は液中を下方に落ち、陽極で生成する気体は上方に抜けていくために電極周辺には電解生成物が全く残らない。また溶融塩の直接電解では電解浴そのものが電解質であるために、このように生成物が上下に抜けても常に電解質が供給されるために電解反応それ自身は変化しないという特徴がある。もちろん支持電解質を使用した場合は一般に液の粘性が小さくなるために電解物質の供給が非常に早くなり、電解物質の電極間への供給の問題はほとんど起こらない。また水溶液電解でもたとえば銅粉製造のような場合では陰極生成物である銅粉が、陰極表面にとどまることなく下に落ちてしまい、また陽極発生ガスは上に抜けるので溶融塩電解と同じように取り扱うことが出来る。これらについて電解を最も効率よくおこなうためには、電解電流密度を最適化し、しかも電圧を最小限にすることが必要である。そのためには電極間距離を最小とし、適正な電流密度によって電解電圧を低く保持し、しかも電解生成物の再反応を最小にして電解効率を高めることが必須になってくる。
【0012】
これらを達成するために本発明の電解槽では多数の小型電極を入れて電解電流密度を適正に保持すること、また電極への導電構造を最も簡単にすること、更に多くの電極を入れることによっても電解槽サイズの拡大を最小にして特に高温溶融塩電解の場合にも熱の逃げを最小限とすることを可能としてエネルギー効率の向上を図ることを目指した。また当然のことながら漏洩電流を最小として電流効率のより一層の向上を目指した。この達成のために、ここでは電極間距離を小さくした多数の電極を1つの電解槽に組み込むようにした。つまり電極の周辺の電極枠を小型としながら漏洩電流を最小とする様に電極の接続について複極数を制限した複数の複極式接続と、該複数の複極ユニットを単極接続し、しかも1つの電解槽内に配置するようにして、簡単な導電構造とすることにより本発明の電解槽構造が完成した。
【0013】
たとえば溶融塩化亜鉛直接電解の場合で総電流が4500Aであり、1つの電極の大きさが幅10cm、高さ30cmに規制された場合を仮定する。この能力は塩素製造45トン/年に相当し、亜鉛還元法シリコン製造では、シリコン製造能力9トン/年に相当する。この時電流密度を50A/dm2とすると30段の電解が必要である。
ここで、塩化亜鉛の温度が550℃では塩化亜鉛の電気抵抗が8Ωcm程度であり、電極の高さを30cm,電極間距離を5mmとした場合、電流密度が50A/dm2では電解電圧が2.5−2.7Vである。この時に10段の複極で考えると、電極の上下に隙間5mm、電極枠高さ10cm、つまり上下で合計20cmの枠を設けることによって漏洩電流を3%程度とすることが出来る。この時に全体を一体として30段の複極とした場合に同じ高さの電極枠を使うと漏洩電流が10%程度あるいはそれ以上になってしまう。この漏洩電流を10段の場合と同じにするには枠高さを上下で60cm程度と電極よりも遙かに大きな電極枠を必要とするようになり、今度は電解生成物の移動や電解浴供給に問題を有することになってしまう。これをさけるためには電極枠を10cm程度にしなおかつ多くの電極を入れて実質的に大電流の電解をおこなうことが必要である。このためには10段からなる複極のユニットを端部の導電体を有する電極(端部電極)を共通となるように3組配置することによって問題の解決がはかれるようになる。つまりここのように30段であれば10段複極ユニットを3つ並列につなぐことによって、端部電極の二つは二つのユニットに共通するので端部電極がつまり導電体を有する電極は4つですんでしまいしかも電極枠は十分に小さくて良いと言うことになる。一方すべてを単極とすると電極数は31であり、31個の導電体を必要とする。また30段の複極とした場合は導電体を有する端部電極は2個であり、構造は簡単にはなるが前記のように電極枠をつけた電極体が極めて大きくなってしまい、事実上取り扱いが非常に困難になるという問題を有している。ここでは10段複極x3単極接続としたがこれは一例であって、段数、また単極への分割は必要に応じて行えばよいことは言うまでもない。
【0014】
たとえば、ここでは溶融塩化亜鉛で示したが、これにより電気抵抗の小さなアルカリを支持電解質としたような場合では漏洩電流は電気抵抗がちいさい分だけ大きくなってしまうので電極枠を大きくするか複極単位を小さくすることが必要となるが、これは使用する電解浴や電極規模によって決めれば良い。一例として塩化カリウムと塩化ナトリウムの混合体をこれに加えた場合電解浴の電気抵抗が4Ωcm程度と半減させることが出来る。この時漏洩電流を防ぐには枠の高さを2倍にするか、電極ユニット数を半分に減らす様にすれば目的が達成できる。
通常の電解では電解浴抵抗の小さい方が望ましいが、このように漏洩電流という点からは適当な電気抵抗のあった方が望ましいという結果にも繋がる。
もちろんこれらは水溶液電解でも同じであり、液抵抗との関係をうまく使うことによって漏洩電流を最小とする電解が出来るようになる。
【0015】
なおこのような接続は電極がグラファイトや導電性セラミックスのように導電性の比較的低く、導電部材が大きくて複雑になりやすい場合に特に有効である。
もちろんこのような場合でも電解単位の一つずつは通常の電解条件を満たしていることが必要であり、たとえば陽極生成ガスと陰極生成物が互いに接触して逆反応を起こすことを防ぐために陽極を上側にして電極全体を垂直から5−10度程度傾けることも有用である。また電解槽上部には大型のミストキャッチャーを取り付けておき、上昇ガスに伴われる電解浴成分のガスを液化して浴に戻すと共に、発生ガスに共存するミストが外に出ないようにする。特にこれは高温溶融塩電解では重要であり、しばしば上に上がった蒸気やミストが温度低下と共に固化してガスパイプ閉塞の原因になることがある。このミストキャッチャーについては特に指定はされないが、可能であれば電解槽開口部の1/2から1/1の断面積を有する大型で電解槽の上部に被さるように直接取り付けることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明により多くの金属採取、特に溶融塩電解による金属生成に用いられる電解浴中に電解ユニットを浸漬あるいは浴中に取り付けておこなわれる電解槽中で複極型と単極型を組みあわせることによって小型の電解槽内に多数の電極を最小の導電構造で組み込むことが出来、高効率を保持しながら最小の電解槽規模で最大の生産をおこなうことが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面により説明する。つまり図1は電解槽内においた電極ユニットの配置の一例であり、30の電解単位を有しそれを10ずつに区分けして複極として接続、それに導電体を有する端部電極を共通にしながら3つの部分として単極型に接続した場合である。この場合単極部は3であるがこれが更に増加しても良いし、また必要に応じては複極の接続部の数を増減しても良いことは言うまでもない。ここではこの図に沿って説明する。
【0018】
ここで、1は電解槽の本体を示し、この中に複数の電極を含む電解ユニットが置かれている。この電解ユニットは薄い電極群2と厚みがあり導電体5がついた端部電極3との組みあわせからなっており、薄い電極群2にはそれぞれ9枚の複極電解用電極が入っており端部電極と合わせて10段の電解の単位となり複極式に接続されている。中央の端部電極はその両面を電解用として使用しており両端にある端部電極の倍の電流が流れるために導電体5の数を増加している。
【0019】
ここで端部電極は相互に配線6で接続されており、それぞれ電源4に接続されている。この場合は総計で30の電解部分を有することになるが、電解電圧は電解部分10セル分に相当している。つまり1セル3Vとすれば30Vになる。このような配置にしておき、各電極に漏洩電流防止用の電極枠を取り付ける。電極枠の高さは同じ漏洩電流の場合を考えるとそのまま複極とした場合に比較して両端のみでも1/3以下にすることが出来る。しかも危険な高圧の直流を取り扱う必要が無くなる。確かに導電体の配置は複雑になるが、その程度は僅かであり許容できる範囲である。もちろんここでは10セルを複極としてそれを3つ並べたモデル図としているが、電解液の液抵抗によっては複極数を増減することが出来るし、規模によって端部電極の数を増減できる。たとえば溶融塩化亜鉛の直接電解では電解液の液抵抗が8Ωcm程度で比較的大きくこのような10段程度が適当であるが、これに塩化カリウムと塩化ナトリウムの混合塩などの支持電解質を入れると格段に液抵抗が下がるので、それに合わせて複極数を減らして端部電極数を増加するあるいはより大きな電極枠をつけるなどの方法を講じる必要がある。
以下に実施例で詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
「実施例1」
図1に示すように配置された電解槽を作製した。つまり電解槽本体は30mm厚みの緻密質のグラファイト板で作り、内部に絶縁用のムライト粉末と水ガラスを混練して作製したセラミックスセメントを塗布し、600℃で焼成して絶縁被覆とした。電解用電極にはCIP法で作製した緻密質グラファイトを加工して用いた。
その大きさは高さ30cm 幅10cmとして10段の複極組み合わせを端部電極を間において3つ並列に接続した。またこの電極の上下に高さ10cmで電極間距離である5mmの隙間を有する電極枠を設けた。電解浴は溶融塩化亜鉛の単味とし、温度は550℃に保持した。これについて電流密度50A/dm2で電解をおこなったところ、槽電圧は26V(10段分)であり、発生する塩素効率から漏洩電流を推定したところ、漏洩電流が約5%となることがわかった。また対比用として電極はこのままにして導電体をはずしてしまい、両端から通電をして事実上30段の複極として電解をおこなったところ、電解電圧は78−79Vとなり、同様にして測定した漏洩電流は約30%と大きくなった。計算上はより低くなるはずであるが中間での槽数増加による漏洩と電圧上昇による漏洩が加わって大きな漏洩電流となったことが推定された。これにより適当な複極段数とそれをいくつかに分けて単極として接続することにより、導電体を簡単にしながら、また電極枠を大きくしないで十分に低い漏洩電流での電解が出来ることがわかった。
【0021】
「実施例2」
塩化亜鉛に支持電解質としてKCl:NaCl=1:1(モル)の混合アルカリ塩化物を加えた電解浴を使用して電解を行った。この電解質の電気抵抗は500℃で4Ωcmであり、実施例1の条件では漏洩電流が大きくなりすぎる可能性があったために小型で10段の複極となる小型電解槽を作り漏洩電流の検討を行った。10段までの電解は実施例1と同じ条件として漏洩電流防止用の電極枠の高さを15cmとして電解をおこなった。電極は同じ大きさを用い電流密度を40A/dm2として電解をおこなった。電極間距離は5mmとした。この電解槽電流は120Aであった。
槽電圧は電気抵抗が低くなった分やや低く10段で24Vであった。これについての漏洩電流は両端のみで上下各2A程度の漏洩が認められ合計では上下でこの約3倍の2x2x3=12Aで、漏洩電流が10%程度となった。これに対して中央の電極を端部電極と同じものに変え、両側に5段づつの複極となるように電極を配置し直したところ、電解電圧が半分となり、これに合わせて漏洩電流も低下し、約3%となった。更にここでは電極枠の高さをより低い10cmのものに交換して測定をしたが、その場合でも漏洩電流は4%程度と実用になることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0022】
金属採取電解、特に溶融塩電解による金属採取、さらには塩化亜鉛電解による融体亜鉛と塩素ガスの採取に最も適した、小型、高効率、大容量の電解槽であり、電解での省エネルギー化を達成し、亜鉛還元法高純度シリコン製造のための亜鉛のリサイクル用として連続ライン内に接続することにより完全連続運転を達成することが出来るようになり、エネルギー問題が議論される中、広く活用されるようになると考える。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】 本発明の電解槽電極配置の一例で、平面の模式図である。
【符号の説明】
【0024】
1 電解槽缶体
2 複極電極部分
3 端部電極(導電体付き電極)
4 電解用直流電源
5 導電体接続構造
6 電解電極と電解用電源との導電体接続構造
【出願人】 【識別番号】504323238
【氏名又は名称】有限会社シーエス技術研究所
【出願日】 平成18年11月7日(2006.11.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−115455(P2008−115455A)
【公開日】 平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願番号】 特願2006−327534(P2006−327534)