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【発明の名称】 キャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造方法
【発明者】 【氏名】サン ムン・ジョン

【氏名】チュン セオク・セオ

【氏名】スン ビン・パーク

【氏名】ジョン ヒョン・リー

【氏名】セオン ウォン・パーク

【氏名】ユン ホ・キム

【要約】 【課題】キャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造方法を提供する。

【構成】陽極、陰極及び溶融塩を含む電解還元反応器におけるキャパシター用タンタル(Ta)またはニオブ(Nb)粉末の製造方法において、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選択した少なくとも一つの金属のハロゲン化合物と、アルカリ金属酸化物からなる溶融塩中、アルカリ金属酸化物を陰極で1次電解還元し、電解還元されたアルカリ金属により五酸化タンタル(Ta2O5)または五酸化ニオブ(Nb2O5)を部分的に還元してTa2O(5-y)またはNb2O(5-y)(ここで、y=2.5〜4.5)で表示されるタンタルまたはニオブ酸化物を得る工程、及び前記アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選択した少なくとも一つの金属のハロゲン化合物を陰極で1次電解還元して、Ta2O(5-y)またはNb2O(5-y)(ここで、y=2.5〜4.5)で表示されるタンタルまたはニオブ酸化物と2次還元反応を進行してタンタルまたはニオブ粉末を得る工程を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極、陰極及び溶融塩を含む電解還元反応器におけるキャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造方法において、
アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選択した少なくとも一つの金属のハロゲン化合物と、アルカリ金属酸化物からなる溶融塩中のアルカリ金属酸化物を陰極で1次電解還元して、電解還元されたアルカリ金属によって五酸化タンタル(Ta2O5)または五酸化ニオブ(Nb2O5)を部分的に還元して、Ta2O(5-y)またはNb2O(5-y)(ここで、y = 2.5〜4.5)で表示されるタンタルまたはニオブ酸化物を得る工程、及び
前記アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選択した少なくとも一つの金属のハロゲン化合物を陰極で1次電解還元して、Ta2O(5-y)またはNb2O(5-y)(ここで、y = 2.5〜4.5)で表示されるタンタルまたはニオブ酸化物と2次還元反応を進行し、タンタルまたはニオブ粉末を得る工程を含むことを特徴とする、前記製造方法。
【請求項2】
2次還元反応後、得られたタンタルまたはニオブ粉末を無機酸で浸出、洗浄する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
2次還元反応後、得られたタンタルまたはニオブ粉末が、網状構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
Ta2O5またはNb2O5が、粉末または多孔質焼結体の形態で使用されることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
Ta2O5またはNb2O5多孔質焼結体を、Ta2O5またはNb2O5粉末を成形した後、焼結させて製造することを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
Ta2O5またはNb2O5粉末が、不純物金属含量が150ppm未満で、炭素含量は50ppm未満であることを特徴とする、請求項4または5に記載の製造方法。
【請求項7】
粉末形態のTa2O5またはNb2O5を多孔質陰極バスケットに装入することを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
【請求項8】
陰極に高伝導性コンダクター及びTa2O5またはNb2O5粉末を充填できる10乃至60%の気孔率を有する非伝導性セラミックフィルターを含む一体型陰極を使用することを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
【請求項9】
高伝導性コンダクターが、ステンレス鋼(SUS)、銅、チタニウム、タンタルの中から選択した材質からなることを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
非伝導性セラミックフィルターが、マグネシア、アルミナ、アルミン酸マグネシウム、ジルコニアの中から選択した材質からなることを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。
【請求項11】
Ta2O5またはNb2O5の多孔質焼結体に穿孔が形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
【請求項12】
Ta2O5またはNb2O5の還元温度を印加電圧によって制御することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項13】
陽極に白金または熱分解炭素またはFe3O4を使用することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項14】
陽極、陰極及び溶融塩を含む電解還元反応器におけるキャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造方法において、
前記溶融塩が、アルカリ金属ハロゲン化合物とアルカリ土類金属ハロゲン化合物からなり、前記アルカリ土類金属ハロゲン化合物を陰極で1次電解還元して、前記電解還元されたアルカリ土類金属によって五酸化タンタル(Ta2O5)または五酸化ニオブ(Nb2O5)を間接還元させ、電位調節によって局部焼結を誘導することを特徴とする、前記製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造方法に関するものである。より詳細には、溶融塩電解還元法によるTa2O5またはNb2O5からキャパシター用高純度タンタル(Ta)またはニオブ(Nb)粉末を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タンタル粉末を製造する既存の方法としては、Ta2O5を炭素によって還元する方法、Ta2O5のカルシウム及びマグネシウム還元法、TaCl5の水素還元法、K2TaF7の溶融塩電解やナトリウムによる還元法に分けることができる。これらの中で炭素還元法は残留酸素の量が多く、カルシウム及びマグネシウム還元法は反応の制御が難しい。また、水素還元法は粒度調節が難しく、K2TaF7の溶融塩電解法は樹脂状形態の粉末が得られ、活用には制約がある。したがって、工業的なキャパシター用タンタル粉末製造工程は、K2TaF7をNaで還元する方法を多く利用してきた。しかし、この方法もまた高容量キャパシター用タンタル粉末を製造するためには反応温度を低くしなければならないので、多量の希釈剤を使用することにより未反応物が生成されて収率が低くなる短所を有していて、100,000CV以上の粉末製造は、不可能であると考えられている。したがって、高容量のキャパシター用タンタル粉末を製造するために微細なTa2O5を原料に使用したMg還元時の反応を制御するための方法が、再び研究されている。このような研究の一環として、アルカリ土類金属による重金属酸化物の還元法が、特許文献1〜4に開示されている。この還元法の最も深刻な問題点は、還元時に強い発熱反応を伴うことである。化学量論比で混合した還元される酸化物と還元剤の混合物の反応が開始されると反応が瞬く間に進行して、反応混合物の温度は1,000℃以上まで上昇する。したがって、特許文献5及び特許文献6に記載されているように、タンタル及びニオブ酸化物粉末をマグネシウム粉末によって還元時に最初の還元工程で(Nb、Ta)Ox(x=0.5〜1.5)に酸素含量が維持されるようにし、形成されたMgO及び過剰なMg粉末を除去して2次反応を通じて残留酸素を除去することになる。このような方法は、反応温度の急激な増加を防止して微細タンタル及びニオブ粉末を合成できるが、炭素汚染問題の解決が難しく、還元剤及び浸出時に多量の酸のが必要で反応が2工程でなされるので生産性が下がる短所がある。一方、最近には、下記のような反応を利用して溶融塩内でTa2O5を還元する工法が開発された。
【0003】
Ta2O5 + 10Na + 5MgCl2 → 2Ta + 5MgO + 10NaCl (1)
【0004】
前記の工法を使用する場合、100,000CV以上の容量のタンタル粉末を製造できるが、やはりNaによって還元されたMgとTa2O5の反応時の急激な反応熱を減少させるために多量の希釈剤が必要であり、反応後、タンタル及びニオブ内の残留酸素含量が約1〜3.7%程度と高いだけではなく、最終粉末が溶融塩内に分散していて回収の難しさがある。
【0005】
一方、特許文献7及び特許文献8には、溶融塩で金属酸化物を直接電解還元させて該当金属を製造する研究が報告されている。ところが、金属酸化物を直接電解するためには、電解還元電位を反応媒質に使用した溶融塩の分解電位よりは低く、金属酸化物の還元電位よりは高く設定しなければならない。したがって、印加電圧を高くすることができないので電解還元反応が徐々に進行して生産性が下がる短所があり、金属転換自体だけを目的とするのでキャパシター用タンタル及びニオブ粉末製造には適合しなかった。
【0006】
タンタル及びニオブ粉末がキャパシターに適用されるためには、陽極酸化工程及び陰極材料の充填工程で焼結体内に均一な含浸のために一定サイズ以上の開気孔(open pore)を形成しなければならない。そのために金属還元工程で還元された初期粒子間の局部的焼結による適切な網状構造の1次粒子が形成されなければならないが、既存の直接電解還元工程の場合、金属酸化物内の酸素原子をイオン化させて直接分離させることにより還元された金属粉末間の局部焼結を期待することは難しかった。また、一般的なアルカリ土類金属を単独で使用する間接電解還元工程の場合は、重金属酸化物との間接還元反応時に断熱反応熱が発生しないため網状構造の形成が不可能である。
【特許文献1】米国特許公報第2003-0110890号
【特許文献2】米国特許公報第2003-0070509号
【特許文献3】米国特許第6,136,062号
【特許文献4】米国特許第6,171,363号
【特許文献5】米国特許第6,136,062号
【特許文献6】大韓民国特許公開第2000-0028989号
【特許文献7】国際公開公報第WO99/64638号
【特許文献8】米国特許第6,540,903号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記の問題点を解決するためのもので、本発明の目的は、アルカリ土類金属ハロゲン化合物の添加量を減らすことができ、アルカリ土類金属との間接還元反応時に発生する断熱燃焼反応熱によってタンタルまたはニオブ粉末の局部焼結を誘導して、キャパシターに適用可能な網状構造のタンタルまたはニオブ粉末の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は陽極、陰極及び溶融塩を含む電解還元反応器におけるキャパシター用タンタル(Ta)またはニオブ(Nb)粉末の製造方法において、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選択した少なくとも一つの金属のハロゲン化合物と、アルカリ金属酸化物からなる溶融塩中のアルカリ金属酸化物を陰極で1次電解還元して、電解還元されたアルカリ金属によって五酸化タンタル(Ta2O5)または五酸化ニオブ(Nb2O5)を部分的に還元して、Ta2O(5-y)またはNb2O(5-y)(ここで、y=2.5〜4.5)で表示されるタンタルまたはニオブ酸化物を得る工程、及び前記アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選択した少なくとも一つの金属のハロゲン化合物を陰極で1次電解還元して、Ta2O(5-y)またはNb2O(5-y)(ここで、y=2.5〜4.5)で表示されるタンタルまたはニオブ酸化物と2次還元反応を進行し、タンタルまたはニオブ粉末を得る工程を含むことを特徴とする、前記製造方法を提供する。
本発明はまた、 2次還元反応後、得られたタンタルまたはニオブ粉末を無機酸で浸出、洗浄する工程を含むことを特徴とする、前記製造方法を提供する。
本発明はさらに、2次還元反応後、得られたタンタルまたはニオブ粉末が、網状構造を有することを特徴とする、前記製造方法を提供する。
本発明はまた、Ta2O5またはNb2O5が、粉末または多孔質焼結体の形態で使用されることを特徴とする、前記製造方法を提供する。
本発明はさらに、Ta2O5またはNb2O5多孔質焼結体を、Ta2O5またはNb2O5粉末を成形した後、焼結させて製造することを特徴とする、前記製造方法を提供する。
本発明はまた、Ta2O5またはNb2O5粉末が、不純物金属含量が150ppm未満で、炭素含量は50ppm未満であることを特徴とする、前記製造方法を提供する。
本発明はさらに、粉末形態のTa2O5またはNb2O5を多孔質陰極バスケットに装入することを特徴とする、前記製造方法を提供する。
【0009】
本発明はまた、陰極に高伝導性コンダクター及びTa2O5またはNb2O5粉末を充填できる10乃至60%の気孔率を有する非伝導性セラミックフィルターを含む一体型陰極を使用することを特徴とする、前記製造方法を提供する。
本発明はさらに、高伝導性コンダクターが、ステンレス鋼(SUS)、銅、チタニウム、タンタルの中から選択した材質からなることを特徴とする、前記製造方法を提供する。
本発明はまた、非伝導性セラミックフィルターが、マグネシア、アルミナ、アルミン酸マグネシウム、ジルコニアの中から選択した材質からなることを特徴とする、前記製造方法を提供する。
本発明はさらに、Ta2O5またはNb2O5の多孔質焼結体に穿孔が形成されていることを特徴とする、前記製造方法を提供する。
本発明はまた、Ta2O5またはNb2O5の還元温度を印加電圧によって制御することを特徴とする、前記製造方法を提供する。
本発明はさらに、陽極に白金または熱分解炭素またはFe3O4を使用することを特徴とする、前記製造方法を提供する。
本発明はまた、陽極、陰極及び溶融塩を含む電解還元反応器でキャパシター用タンタルまたはニオブ粉末を製造する方法において、前記溶融塩が、アルカリ金属ハロゲン化合物とアルカリ土類金属ハロゲン化合物からなり、前記アルカリ土類金属ハロゲン化合物を陰極で1次電解還元して、前記電解還元されたアルカリ土類金属によって五酸化タンタル(Ta2O5)または五酸化ニオブ(Nb2O5)を間接還元させて、電位調節によって局部焼結を誘導することを特徴とする、前記製造方法を提供する。
【0010】
本発明の方法は、前記2次還元反応後、得られるタンタルまたはニオブ粉末を無機酸で浸出、洗浄する工程をさらに含むことができる。前記無機酸による浸出、洗浄工程を経ると、前記2次還元反応後に得られるタンタルまたはニオブ粉末は、網状構造を有するようになる。
【0011】
前記五酸化タンタル(Ta2O5)または五酸化ニオブ(Nb2O5)は、粉末または多孔質焼結体の形態で使用できる。前記Ta2O5またはNb2O5が多孔質焼結体、例えば、パレットの形態で使用する場合、前記多孔質焼結体内への溶融塩の円滑な移動経路を確保するために前記多孔質焼結体に穿孔を形成することができる。前記Ta2O5またはNb2O5の多孔質焼結体は、原料粉末を成形して、適切な強度維持のために焼結工程を経て製造する。穿孔を形成する場合、焼結工程前に原料粉末の成形体に穿孔する。キャパシター製造に適当な金属タンタルまたはニオブ粉末を得るために、前記Ta2O5またはNb2O5粉末は不純物金属含量が150ppm未満で、炭素含量は50ppm未満のものを使用することが好ましい。
【0012】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0013】
本発明では、アルカリ金属酸化物の他にマグネシウムまたはカルシウムのようなアルカリ土類金属ハロゲン化合物を同時に添加して、アルカリ金属によって還元反応を一部進行させることによりアルカリ土類金属ハロゲン化合物の添加量を大幅に減らし、アルカリ土類金属との間接還元反応時に発生する断熱燃焼反応熱によってタンタルまたはニオブ粉末の局部焼結を誘導してキャパシターに適用可能なタンタル及びニオブ網状構造の金属粉末を製造する。650℃での塩化マグネシウム及び塩化カルシウムの還元電位は、各々-2.57V及び-3.43Vで、主還元剤のリチウムの前駆体である酸化リチウムの還元電位である-2.47Vより低い値を有しているので、1次還元反応は化学量論比以下で添加された酸化リチウムの還元による間接還元により五酸化タンタル(Ta2O5)または五酸化ニオブ(Nb2O5)の還元が一部進行されて酸化リチウムの還元が終了した後、塩化マグネシウムまたは塩化カルシウムの還元電位に至ってこれら金属による完全な還元反応が起きて網状構造を形成する。
【0014】
五酸化タンタル及び五酸化ニオブのリチウム、マグネシウム及びカルシウムによる還元反応時、650℃での断熱反応温度を下記に示す。
【0015】
Ta2O5 + 10Li→ 2Ta + 5Li2O, Tad(650℃) :25℃ (2)
Ta2O5 + 5Mg→ 2Ta + 5MgO, Tad(650℃) :2,326℃ (3)
Ta2O5 + 5Ca→ 2Ta + 5CaO, Tad(650℃) :3,294℃ (4)
Nb2O5 + 10Li→2Nb + 5Li2O, Tad(650℃) :25℃ (5)
Nb2O5 + 5Mg→2Nb + 5MgO, Tad(650℃) :2,393℃ (6)
Nb2O5 + 5Ca→2Nb + 5CaO, Tad(650℃) :3,101℃ (7)
【0016】
したがって、リチウムによる間接還元時にはタンタルまたはニオブ1次粒子の局部焼結を期待することは難しく、初期酸化リチウムの添加量を調節することにより2次還元反応の温度を調節できる。即ち1次還元反応で残留酸化タンタルまたはニオブの量が多すぎたりMgまたはCaの析出速度が速すぎる場合、過熱による金属粉末の過融着及び過成長が生じ得るため、添加モル比及び析出速度を注意深く制御しなければならない。本発明の方法によると、溶融塩の構成成分のアルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化合物を電解還元させて、電解還元されたアルカリ金属及びアルカリ土類金属を電解装置の還元電極部にある粉末または多孔質焼結体状態のTa2O5またはNb2O5と順次に化学反応させてキャパシター製造に適合なタンタルまたはニオブ金属粉末に製造できる。
【0017】
図1は、本発明のキャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造方法を遂行する際に使用される溶融塩電解還元反応器100の構成を概略的に示した図面で、Ta2O5またはNb2O5装入のために陰極バスケットを使用した場合である。図2は、図1に図示した溶融塩電解還元反応器100で陰極バスケットの代わりにTa2O5またはNb2O5パレットを反応器下部に装入した溶融塩電解還元反応器200を示している。図3は,図1に図示した溶融塩電解還元反応器100で陰極バスケットの代わりにTa2O5またはNb2O5パレットを溶融塩内に装入した溶融塩電解還元反応器300を示している。
【0018】
図1に示すように、溶融塩電解還元反応器100は、電気炉1、反応容器3、陽極5、陰極6及びその他周辺装置からなっている。溶融塩電解還元反応器100は、反応器チェンバー内に不活性ガス雰囲気を造成して反応容器3が外部と絶縁できる絶縁体2で構成され、直流電源を独立的に供給できる直流電源供給装置9と600〜1000℃の範囲で反応温度を制御できる構造であればいかなる形態でも構わない。
【0019】
溶融塩電解還元反応器100の反応容器3内部には、反応物近くに熱電対10が位置する。前記熱電対10は、還元反応中の原料の温度変化を測定して反応開始点を観察して、過熱を防止するためにデータ収集器を経てコンピュータに連結される。反応器チェンバー上端11には反応器チェンバー内に真空を造成するための真空ポンプ8を連結する。前記真空ポンプ8は、反応器チェンバー内の空気を抜いて真空を造成して連結された別途のバルブを通じて不活性ガスをチェンバー内に供給する。反応器チェンバーは、真空、大気圧下または10気圧以下の圧力で維持することもできる。
【0020】
前記陽極5は、電解還元反応中の酸素発生による腐蝕環境に耐えられる白金、熱分解炭素(Pyro-carbon)等が利用でき、高伝導性セラミック材質のFe3O4等の使用が好ましい。
【0021】
Ta2O5またはNb2O5原料粉末は、反応容器3の陰極6に装入し、陰極バスケット(basket)を使用する。陰極バスケット6を使用する場合、粉末形態の原料を使用できる。また、生産効率を高めるために原料粉末を成形して適切な強度維持のために焼結工程を経て使用することもできる。Ta2O5またはNb2O5焼結体、例えばパレットを使用する場合、図2に示すように、反応容器3を陰極として使用でき、原料パレット16は反応容器3の下部に位置させる。ここで、均一な電流を印加するために複数の陽極を使用することができる。図3に示すように、原料パレット26を直列に連結して溶融塩4内に浮揚させて還元反応を促進することもできる。
【0022】
陰極バスケット、成形パレットを使用する場合、還元反応終了後、溶融塩から生成物の分離が容易で、溶融塩を再使用することができ、生産性及び経済性が増大する。
【0023】
図4は、本発明のキャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造方法を遂行する溶融塩電解還元反応器に使用される陰極バスケットの構成を概略的に示した図面である。図5は、本発明のキャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造方法を遂行する溶融塩電解還元反応器に使用されるTa2O5またはNb2O5パレットの構成を概略的に示した図面である。図6は、本発明のキャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造方法を遂行する溶融塩電解還元反応器に使用される陰極の構成を概略的に示した図面である。
【0024】
図4に示すように、陰極バスケット400は多孔質セラミック容器41と内部電極42と外部電極43を含む。多孔質セラミック容器41は、粉末状態の原料を使用する場合、溶融塩内への粉末の拡散を防止できる。前記多孔質セラミック容器41には電極締結用ボルト44を具備する。Ta2O5またはNb2O5粉末を前記多孔質セラミック容器41に充填する時、スチールウール(steel wool)またはスチールメッシュ(steel mesh)45等を混合して使用して、内部電極42から原料粉末への通電を容易にできる。
【0025】
図5に示すように、陰極バスケットを使用しないでパレット状態の原料を装入する場合、パレット51内への溶融塩の浸透が容易なように焼結前に穿孔52をする。空隙の間隔及び個数は成形体の密度により調節でき、高密度成形体の場合は稠密な多数の穿孔が必要である。
【0026】
図6に示すように、陰極に高伝導性コンダクター65とTa2O5またはNb2O5粉末64を充填できる非伝導性セラミックフィルター63を含む一体型陰極600を使用できる。前記一体型陰極600は、電極の上端部に原料粉末注入部61を具備していて、前記注入部61は外部管62と連結されていて、前記外部管62は非伝導性セラミックフィルター63と連結されている。したがって、前記注入部61から注入されたTa2O5またはNb2O5粉末64は、非伝導性セラミックフィルター63内に充填される。前記外部管62は、Ta2O5またはNb2O5粉末64が飛散しないで非伝導性セラミックフィルター63内に充填されるように密閉機能を遂行する。
【0027】
前記非伝導性セラミックフィルター63は、Ta2O5またはNb2O5粉末が溶融塩に円滑に移動できるように10乃至60%の気孔率を有することが好ましい。前記非伝導性セラミックフィルター63は、マグネシア、アルミナ、マグネシウムアルミネート、ジルコニア等からなり得る。
【0028】
前記外部管62及び非伝導性セラミックフィルター63内部まで延長された高伝導性コンダクター65が形成されている。前記高伝導性コンダクター65は、前記フィルター63内部に充填されるTa2O5またはNb2O5粉末64と接して電極連結部として機能し、その材質としては、ステンレス鋼(SUS)、銅、チタニウム、タンタル等を使用できる。
【0029】
図7は本発明の実施例のキャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造工程図を示している。
【0030】
図7に示すように、本発明のキャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造工程は、電気化学的還元が容易な形態にTa2O5またはNb2O5粉末を予備処理する工程(S10)、Ta2O5またはNb2O5の電気化学的還元のために選定された溶融塩及び前記予備処理された原料を還元反応器に装入する工程(S11)、反応器の温度を上げて温度を維持する工程(S12)、電流を印加して反応器内で原料と還元剤の反応速度を制御しながら電解還元を開始する工程(S13)、前記工程(S13)で作られた反応生成物を取り出す工程(S14)、溶融塩を冷却する工程(S15)、反応生成物を粉砕する工程(S16)、反応生成物に含まれた不純物を浸出及び洗浄する工程(S17)、真空乾燥(S18)、分級(S19)及び凝集熱処理する工程(S20)、脱酸及び不動態処理工程(S21)、浸出及び水洗工程(S22)、真空乾燥及び真空包装工程(S23)を含む。
【0031】
本発明の溶融塩は、Li、Na、K等のアルカリ金属及びMg、Ca等のアルカリ土類金属から選択した少なくとも一つの金属のハロゲン化合物と、アルカリ金属酸化物からなる。前記ハロゲン化合物としては、アルカリ金属ハロゲン化合物、アルカリ土類金属ハロゲン化合物、Li-K、Li-Ca、Li-Mgのような共融ハロゲン化合物が使用でき、いかなる組合せ及び造成も可能で、そこに前記アルカリ金属酸化物を該当塩の溶解範囲以内の量だけ添加して溶融塩として使用する。
【0032】
溶融塩内で五酸化タンタルまたは五酸化ニオブの還元反応は、下記の工程で進行される。
【0033】
第 1工程で陰極で溶融塩内のアルカリ金属イオンが還元される。
【0034】
M+ + e- ⇔ M (8)
ここで、MはLi、Na、K等アルカリ金属である。
【0035】
第2工程で陰極に位置したTa2O5またはNb2O5表面でのアルカリ金属による反応が進行する。
Ta2O5(またはNb2O5) + 2yM → Ta2O(5-y)(またはNb2O(5-y)) + yM2O (9)
【0036】
第3工程で陰極で溶融塩内のアルカリ土類金属イオンが還元される。
【0037】
MAE2+ + 2e- ⇔ MAE (10)
ここで、MAEは、MgまたはCa等のアルカリ土類金属である。
【0038】
第4工程で陰極に位置したTa2O(5-y)(または、Nb2O(5-y))表面でのアルカリ土類金属による還元反応が進行される。
【0039】
Ta2O(5-y)(または、Nb2O(5-y)) + (5-y)MAE → 2Ta(または、Nb) + (5-y)MAEO(5-y) (11)
【0040】
前記還元反応をより円滑に進行させるために、溶融塩中での局部的な過熱を防止するためにy値は2.5〜4.5の間に調節し、特に、再酸化されたアルカリ金属酸化物の溶融塩への再溶解を助けるために溶融塩を撹拌させることが好ましい。
【0041】
本発明の長所の一つは、アルカリ金属酸化物の含量と印加電流を調節することによって反応温度を制御できる点である。溶融塩の成分のアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンが金属に還元されるための特定還元電位で電流の印加時間を調節すると、原料酸化物と反応する還元金属の量を調節できる。より詳細には溶融塩内に埋没した熱電対から還元時の温度をリアルタイムで観察して温度の急激な上昇が検出されると電流を遮断または下げて操業できる。
【0042】
さらに高い還元反応温度が、許容されるなら理論的にアルカリ金属及びアルカリ土類金属による酸化物原料の還元反応が速く完全になされ得るが、そのような場合、急激な粒子成長よって微細なタンタル及びニオブ粉末の製造が難しくなり得る。
【0043】
本発明の製造工程で、出発原料としては、高純度の五酸化タンタル(Ta2O5)または五酸化ニオブ(Nb2O5)粉末、及びアルカリ金属酸化物とアルカリ土類金属ハロゲン化合物が溶解した溶融塩を使用することが好ましい。キャパシター製造に適合した最も好ましい金属タンタル及びニオブ粉末は、酸化物原料粉末内の金属不純物の総含量が150ppm未満の時に得られる。したがって、各不純物含量が150ppm未満の酸化物原料粉末及びアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属ハロゲン化合物を使用することが好ましい。金属不純物の一部及び非金属性不純物は、電解還元反応、浸出及び真空熱処理途中に一部除去できる。しかし、五酸化タンタル及び五酸化ニオブ内の炭素含量は50ppm未満、好ましくは10ppm未満のものを使用するのが良い。
【0044】
本発明の方法によると、Ta2O5またはNb2O5をアルカリ金属(Li、Na、K中の択一または混合可能)酸化物が溶解したアルカリ金属またはアルカリ土類金属(Li、Na、K、Mg、Ca中の択一または混合可能)のハロゲン溶融塩内への装入後、電流を印加して電気化学的に還元されたアルカリ金属がTa2O5またはNb2O5を一部還元させてアルカリ金属酸化物の還元が終了した後、アルカリ土類金属の2次還元が開始され未反応タンタルまたはニオブ酸化物の化学的還元を完了させ純粋なTaまたはNb粉末及びアルカリ金属及び土類金属酸化物を得て、それを約20%の硫酸で浸出、洗浄してアルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物及び溶融塩を除去して高純度タンタルまたはニオブ粉末が得られる。本発明で使用する溶融塩還元法は、一般的な重金属酸化物がアルカリ金属によって還元される原理を利用してアルカリ金属塩から調節された条件下でアルカリ酸化物をアルカリ金属に1次還元させて還元されたアルカリ金属と重金属酸化物を化学反応させ、2次還元反応を進行させる電気化学的還元工程である。
【0045】
本発明で使用するTa2O5またはNb2O5原料粉末としては、最終目的によって0.05μm〜100μmまで多様に選択できる。原料粉末の初期粒度は、最終タンタル及びニオブ粉末の静電容量に最も大きな影響を及ぼす変数である。陰極バスケットを使用する場合には、粉末状の原料を別途の加工処理なしに使用可能であるが、パレット状態で装入する場合には成形及び焼結工程を経る。成形時には、Ta2O5またはNb2O5粉末を気孔率40〜90%で成形した後、必要により、穿孔をして500℃〜1500℃で5分〜48時間焼結する。焼結温度が低い場合、焼結時間を長く、焼結温度が高い場合焼結時間を短く維持する。気孔形成を容易にするためにアルカリ土類金属塩を粉砕して原料粉末と混合後、成形体を製造することもできる。
【0046】
溶融塩の選定時には、各アルカリ及びアルカリ土類金属化合物の融点を考慮する。即ち、LiClは融点が613℃、NaClは804℃、KClは773℃、MgCl2は712℃、CaCl2は772℃である。特に、LiCl-KClの共融点造成での融点は425℃に低下するので操業温度をより下げることができ、より微細なタンタル及びニオブ粉末の製造が可能であるが、残留酸素が増加し得るため適切な条件設定が必要である。
【0047】
このように準備した原料及び塩を図1乃至3に示した反応容器3に装入後、真空を維持して不活性ガスで充填した後、電気炉1の温度を溶融塩の種類により500℃〜1000℃まで加熱維持させる。
【0048】
還元反応は、溶融塩内に装入された陽極と陰極に電流を印加しながら開始される。電流印加のための電源供給装置の容量は、陽極及び陰極が溶融塩と接触する面積により変り、アルカリ金属及びアルカリ土類金属酸化物の還元電位範囲の-3V以上、100mA/cm2の電流密度以上で印加できれば無難である。
【0049】
間接還元反応により、式(10)〜(11)を適用してアルカリ金属酸化物の添加を排除し、アルカリ土類金属ハロゲン化合物を単独で添加して溶融塩内で直接アルカリ土類金属を陰極で1次還元してTa2O5またはNb2O5を2次還元する。ここで、急激な発熱反応熱を制御するために電圧を調節してアルカリ土類金属の析出速度を調節しなければならない。ここで、急激な発熱反応及び多量の塩素ガス発生を最小化するために、下記の順次間接還元法を適用する。
【0050】
式(9)でy値に3を適用する場合、LiCl 1kg、Li2O 20.3g、MgCl2またはCaCl2各々45g及び55g、Ta2O5またはNb2O5 100gを650℃に加熱して、Li2Oの分解電位以上の-2.5〜-3.0Vの電圧が維持されるように電流を2時間維持させて、MgCl2またはCaCl2の分解電位以上の-2.8〜-3.0Vで3時間維持させた後、溶融塩から陰極バスケットまたはパレットを取り出す。溶融塩を冷却させないでTa2O5またはNb2O5を装入して半連続作業を遂行することもでき、バッチ式の場合、生成物を取り出し後に溶融塩を冷却する。取り出した生成物は常温まで冷却させて粗粉砕した後、20%の無機酸、特に硫酸水溶液を40℃〜80℃に加熱して浸出を遂行し、過酸化水素水を1〜10%添加してタンタル及びニオブ金属粉末と水素との反応を防止する。
【0051】
浸出は、不純物金属イオンが除去されるまで数回実施することができ、浸出が終わった粉末は、40〜80℃に加熱された純水で中性になるまで洗浄して真空乾燥させる。キャパシター用タンタル及びニオブ粉末は、取扱い及び金型への充填性向上のために20μm〜300μm範囲の凝集体を形成する。凝集体の大きさは粉砕作業や分級過程で調節できる。
【0052】
群集化したタンタルまたはニオブ凝集体は、タンタル容器に装入して真空焼結炉で真空度10-5torr以上に維持した状態で1次粒子の大きさにより900℃〜1500℃の温度で30分〜2時間まで熱処理を遂行する。熱処理を終了して常温まで冷却後、Ar-1%O2混合ガスで2時間以上不動態化させた後、取り出し、粉末内の残留酸素除去により325メッシュ以下のMg粉末を1〜5%均一混合して800℃〜1000℃で2時間〜4時間脱酸反応を進行する。真空乾燥した粉末は、即時に真空包装して保管する。
【発明の効果】
【0053】
本発明のタンタル(Ta)及びニオブ(Nb)粉末の製造方法では、アルカリ金属酸化物が溶解したアルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン溶融塩内でTa2O5またはNb2O5をアルカリ金属酸化物及びアルカリ金属ハロゲン化合物の還元電位差を利用して電気化学的に順次間接還元させることにより、キャパシター用タンタルまたはニオブ粉末製造時に使用されてきた従前のアルカリ土類金属または水素化物による重金属還元法で惹起された爆発的反応、反応熱放散、2工程反応等の短所を克服し、所望する粒度を再現可能に調節できる還元法を開発することによりキャパシター用の高純度タンタルまたはニオブ粉末を経済的に生産できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。
【0055】
[実施例1]
五酸化タンタル(Ta2O5)は、不純物金属含量が総150ppm未満、炭素含量が10ppm未満の粉末を使用した。図1の溶融塩電解還元反応器にLiCl 1kg、MgCl2 200gを装入して、陰極バスケットに平均粒度0.3μmのTa2O5 100gをスチールウールと共に投入して700℃に加熱してMgCl2の分解電位以上の-2.8〜-3.0 Vの電圧が維持されるよう電流を5時間維持した。ここで、挿入した熱電対の温度変化を観察して急激な温度上昇が見られる場合、電圧を減少させた。反応が終了した後、生成物を溶融塩から分離させて溶融塩が冷却した後、反応物の取り出しを容易にした。取り出した生成物は、常温まで冷却させて粗粉砕して浸出及び洗浄工程の時間を短縮させた。浸出時には、20%の無機酸特に硫酸水溶液を40℃〜80℃に加熱して浸出を遂行した。過酸化水素水を1〜10%添加してタンタル金属粉末と水素との反応を防止するようにした。
【0056】
電解キャパシター用タンタル粉末は、焼結工程で過焼結を防止するために、窒素、リン、ホウ素またはイオウ等の焼結抑制剤でドーピングを遂行した。本発明では、NH4H2PO4の形態でタンタル粉末対比リン含量が100ppmになるように混合して、凝集熱処理前タンタル粉末に投入した。
【0057】
粉末の取扱いを容易にするためにリンドーピングされた粉末を150メッシュで分級して群集化させた後、タンタル群集体をタンタル容器に装入して真空焼結炉で真空度10-5torr以上に維持した状態で1250℃の温度で30分間熱処理を遂行した。熱処理終了後、常温まで冷却後、Ar-1%O2混合ガスで2時間以上不動態化させた後、取り出して粉末内の残留酸素除去のために325メッシュ以下のMg粉末を1〜5%均一混合して900℃で4時間脱酸反応を進行させた。脱酸後、粉末は40〜80℃、20%硫酸溶液でMgイオンが除去されるまで浸出を遂行して過酸化水素水を1〜10%添加してタンタルと水素が反応するのを防止した。浸出が終わった粉末は、40〜80℃に加熱した純水で中性になるまで洗浄して真空乾燥させた。
【0058】
静電容量測定のために真空乾燥が終わった粉末を直方形の金型でタンタルワイヤーを挿入して4.5〜5g/cm3の密度に成形した後、高真空焼結炉を利用し、1200℃で30分間焼結した。焼結が終了した焼結体は、60℃に加熱した0.1vol%のリン酸(H3PO4)溶液で直流電圧40Vで化成させ非晶質酸化タンタル層を形成させた。製造したタンタル粉末に対する不純物含量及び電気的特性結果を下記の表1及び2に示した。
【0059】
[実施例2]
五酸化タンタル(Ta2O5)は不純物金属の総含量が150ppm未満、炭素含量が10ppm未満の粉末を使用した。図1の溶融塩電解還元反応器にLiCl 1kg、Li2O 20.3g、MgCl2 45gを装入して陰極バスケットに平均粒度0.3μmのTa2O5 100gをスチールウールと共に投入して650℃に加熱し、Li2Oの分解電位以上の-2.5〜-3.0Vの電圧を維持して電流を2時間維持させて、MgCl2分解電位以上の-2.8〜-3.0Vで3時間維持させた。ここで、挿入した熱電対の温度変化を観察し、急激な温度上昇が見られる場合は電圧を減少させた。反応が終了した後、生成物を溶融塩から分離させ溶融塩が冷却した後の反応物の取り出しを容易にした。取り出した生成物は、常温まで冷却して粗粉砕して浸出及び洗浄工程の時間を短縮させた。浸出時には、20%の無機酸、特に硫酸水溶液を40℃〜80℃に加熱して浸出を遂行し、過酸化水素水を1〜10%添加してタンタル金属粉末と水素との反応を防止した。
【0060】
電解キャパシター用タンタル粉末は、焼結工程で過焼結を防止するために窒素、リン、ホウ素またはイオウ等の焼結抑制剤でドーピングを遂行した。本発明では、NH4H2PO4の形態でタンタル粉末対比リン含量が100ppmになるように混合して凝集熱処理前にタンタル粉末に投入した。
【0061】
粉末の取扱いを容易にするためにリンドーピングしたタンタル粉末を150メッシュで分級して群集化させた後、タンタル群集体をタンタル容器に装入して真空焼結炉で真空度10-5torr以上に維持した状態で1250℃の温度で30分間熱処理を遂行した。熱処理終了後、常温まで冷却後、Ar-1%O2混合ガスで2時間以上不動態化させた後、取り出し粉末内の残留酸素除去のために325メッシュ以下のMg粉末を1〜5%均一に混合して900℃で4時間脱酸反応を進行させた。脱酸後、粉末は40〜80℃、20%硫酸溶液でMgイオンが除去されるまで浸出を遂行し、過酸化水素水を1〜10%添加してタンタルと水素が反応するのを防止した。浸出が終わった粉末は、40〜80℃に加熱した純水で中性になるまで洗浄して真空乾燥した。
【0062】
静電容量測定のために真空乾燥が終了した粉末を直方形の金型でタンタルワイヤーを挿入して4.5〜5g/cm3の密度で成形した後、高真空焼結炉を利用して1200℃で30分間焼結した。焼結が終了した焼結体は、60℃に加熱した0.1vol%のリン酸(H3PO4)溶液で直流電圧40Vで化成をさせ非晶質酸化タンタル層を形成させた。製造したタンタル粉末に対する不純物含量及び電気的特性の結果を下記の表1及び2に示した。
【0063】
[実施例3]
五酸化ニオブ(Nb2O5)は、不純物金属総含量が150ppm未満、炭素含量が10ppm未満の粉末を使用した。図1の溶融塩電解還元反応器にLiCl 1kg、Li2O 33.7g、MgCl2 75gを装入して陰極バスケットに平均粒度0.1μmのNb2O5 100gをスチールウールと共に投入して650℃に加熱し、Li2Oの分解電位以上の-2.5〜-3.0Vの電圧が維持されるよう電流を2時間維持させて、MgCl2分解電位以上の-2.8〜-3.0Vで3時間維持させた。ここで、挿入した熱電対の温度変化を観察して急激な温度上昇がみられる場合は、電圧を減少させた。反応が終了した後、生成物を溶融塩から分離させて溶融塩が冷却した後の反応物の取り出しを容易にした。取り出した生成物は、常温まで冷却させて粗粉砕して浸出及び洗浄工程の時間を短縮させた。浸出時には、20%の無機酸、特に硫酸水溶液を40℃〜80℃に加熱して浸出を遂行し、過酸化水素水を1〜10%添加してニオブ金属粉末と水素との反応を防止した。
【0064】
電解キャパシター用ニオブ粉末は、焼結工程で過焼結を防止するために、窒素、リン、ホウ素またはイオウ等の焼結抑制剤でドーピングを遂行した。本発明では、NH4H2PO4の形態でニオブ粉末対比リン含量が100ppmになるように混合して凝集熱処理前にニオブ粉末に投入した。
【0065】
粉末の取扱いを容易にするためにリンドーピングしたニオブ粉末を150メッシュで分級して群集化させた後、ニオブ群集体をタンタル容器に装入して真空焼結炉で真空度10-5torr以上に維持した状態で1200℃の温度で20分間熱処理を遂行した。熱処理を終了して常温まで冷却後、Ar-1%O2混合ガスで2時間以上不動態化させた後、取り出して粉末内の残留酸素除去のために325メッシュ以下のMg粉末を1〜5%均一混合して800℃で4時間脱酸反応を進行させた。脱酸後、粉末は40〜80℃、20%硫酸溶液でMgイオンが除去されるまで浸出を遂行し、過酸化水素水を1〜10%添加してニオブと水素が反応するのを防止した。浸出が終わった粉末は、40〜80℃に加熱した純水で中性になるまで洗浄して真空乾燥させた。乾燥が終了した粉末は、図8のように150μm以下の群集体形状を有し、1次ニオブ粒子は0.3μm内外の網状構造を有する。
【0066】
静電容量測定のために真空乾燥が終了した粉末を直方形の金型でタンタルワイヤーを挿入し4.5〜5g/cm3の密度で成形した後、高真空焼結炉を使用し1150℃で30分間焼結した。焼結が終了した焼結体は、60℃に加熱した0.1vol%のリン酸溶液で直流電圧20Vで化成をさせ非晶質酸化ニオブ層を形成させた。製造したニオブ粉末に対する不純物含量及び電気的特性結果を下記の表1及び2に示した。
【0067】
【表1】


【0068】
【表2】


【産業上の利用可能性】
【0069】
上述したように、本発明のタンタル(Ta)及びニオブ(Nb)粉末の製造方法では、アルカリ金属酸化物が溶解したアルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン溶融塩内でTa2O5またはNb2O5をアルカリ金属酸化物及びアルカリ金属ハロゲン化合物の還元電位差を利用して電気化学的に順次間接還元させることにより、キャパシター用タンタルまたはニオブ粉末製造時に使用されてきた従前のアルカリ土類金属または水素化物による重金属還元法で惹起された爆発的反応、反応熱放散、2工程反応等の短所を克服し、所望する粒度を再現可能に調節できる還元法を開発することによりキャパシター用の高純度タンタルまたはニオブ粉末を経済的に生産できる。
【0070】
本発明について、前記実施例を参考に説明したが、それらは例示的なものに過ぎず、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者であるなら、本実施例から多様な変形及び均等な他実施例が可能であることを理解できる。したがって、本発明の技術的保護範囲は添付の特許請求の範囲の技術的思想によって決定される。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】Ta2O5またはNb2O5装入のために陰極バスケットを使用した場合に本発明のキャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造方法を遂行するのに使用される溶融塩電解還元反応器の構成を概略的に示した図面である。
【図2】図1に図示した溶融塩電解還元反応器で陰極バスケットの代わりにTa2O5またはNb2O5パレットを反応器下部に装入した溶融塩電解還元反応器を示した図である。
【図3】図1に図示した溶融塩電解還元反応器で陰極バスケットの代わりにTa2O5またはNb2O5パレットを溶融塩内に装入した溶融塩電解還元反応器を示した図である。
【図4】本発明のキャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造方法を遂行する溶融塩電解還元反応器に使用される陰極バスケットの構成を概略的に示した示した図である。
【図5】本発明のキャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造方法を遂行する溶融塩電解還元反応器に使用されるTa2O5またはNb2O5パレットの構成を概略的に示した図である。
【図6】本発明のキャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造方法を遂行する溶融塩電解還元反応器に使用される陰極の構成を概略的に示した図である。
【図7】本発明の実施例によるキャパシター用タンタルまたはニオブ粉末の製造工程図である。
【図8】本発明の一実施例により製造したニオブ粉末の形状を示した図である。
【符号の説明】
【0072】
1:電気炉
2:絶縁体
3:SUSまたはTi反応容器
4:溶融塩
5:陽極
6、16、26:陰極(Ta2O5またはNb2O5原料のバスケット装入または焼結体パレット)
7:撹拌機
8:真空ポンプ
9:電源供給装置
10:熱電対
41:多孔質セラミック容器
42:内部電極
43:外部電極
44:電極締結用ボルト
45:スチールウールまたはスチールメッシュ
51:多孔質Ta2O5またはNb2O5焼結体パレット
52:穿孔
61:注入部
62:外部管
63:非伝導性セラミックフィルター
64: Ta2O5またはNb2O5粉末
65:高伝導性コンダクター
【出願人】 【識別番号】501399968
【氏名又は名称】韓国原子力研究院
【識別番号】501305501
【氏名又は名称】韓国水力原子力株式会社
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】 【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司


【公開番号】 特開2008−13793(P2008−13793A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−183974(P2006−183974)