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【発明の名称】 ニッケル基超合金を熱処理する方法
【発明者】 【氏名】モハメド ユーセフ ナズミー

【氏名】マルクス シュタウプリ

【氏名】アンドレアス キュンツラー

【要約】 【課題】それ自体問題のない完全な溶体化処理(析出された成分を溶解するための灼熱)を可能にし、かつ単結晶構成要素(SX合金)または一方向に凝固した組織を有する構成要素(DS合金)の製造に利用される、1つの化学組成を有するような公知のニッケル基超合金を熱処理するのに適した方法を開発する。

【構成】第1の工程で残留共晶中の溶解されていないγ’相を5〜10%に調節する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それ自体完全な溶体化処理を温度T1で可能にする化学組成を有する、殊に単結晶構成要素または一方向凝固構成要素を製造するためのニッケル基超合金を熱処理する方法であって、この場合この合金を第1の工程で部分的にのみ制御して温度T2<T1で溶体化処理し、第2の工程で2工程の自体公知の老化処理をそれぞれ低い温度で実施することにより、上記ニッケル基超合金を熱処理する方法において、第1の工程で残留共晶中の溶解されていないγ’相を5〜10%に調節することを特徴とする、上記ニッケル基超合金を熱処理する方法。
【請求項2】
次の化学組成(質量%での記載):Al5.6、Co9.0、Cr6.5、Hf0.1、Mo0.6、Re3、Ta6.5、Ti1.0、W6.0、残分Niを有するニッケル基超合金の場合、第1の工程は、1280℃/8時間/送風機を用いてのAr急速冷却での灼熱を含み、第2工程は、1140℃/4時間/送風機を用いてのAr急速冷却および引続く870℃/20時間/空気冷却での灼熱を含む、請求項1記載の熱処理法。
【請求項3】
次の化学組成(質量%での記載):Co5、Cr8、Mo2、W8、Al5、Ti1.5、Ta6、残分Niを有するニッケル基超合金の場合、第1の工程は、1210℃/8時間/送風機を用いてのAr急速冷却での灼熱を含み、第2工程は、1080℃/6時間/送風機を用いてのAr急速冷却および引続く870℃/16時間/空気冷却での灼熱を含む、請求項1記載の熱処理法。
【請求項4】
次の化学組成(質量%での記載):Co9.7、Cr6.5、Mo0.6、W6.4、Al5.6、Ti1.0、Ta6.5、Hf0.2、Re3.0、C350ppm、B70ppm、残分Niを有するニッケル基超合金の場合、第1の工程は、1270℃/8時間/送風機を用いてのAr急速冷却での灼熱を含み、第2工程は、1140℃/2.5時間/送風機を用いてのAr急速冷却および引続く870℃/22時間/空気冷却での灼熱を含む、請求項1記載の熱処理法。
【請求項5】
次の化学組成(質量%での記載):Co5.1、Cr8.0、Mo2.0、W8.1、Al5.0、Ti1.3、Ta6.0、Hf0.12、Si0.12、C225ppm、B70ppm、残分Niを有するニッケル基超合金の場合、第1の工程は、1230℃/8時間/送風機を用いてのAr急速冷却での灼熱を含み、第2工程は、1080℃/6時間/送風機を用いてのAr急速冷却および引続く870℃/16時間/空気冷却での灼熱を含む、請求項1記載の熱処理法。
【請求項6】
サーマルターボマシンの回転羽根または案内羽根において、これら回転羽根または案内羽根が鋳造後に請求項1から5までのいずれか1項に記載の熱処理法で処理されていることを特徴とする、サーマルターボマシンの回転羽根または案内羽根。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、原材料技術の分野に関する。本発明は、それ自体完全に熱処理(溶体化処理)されることができ、かつ単結晶構成要素(SX合金)または一方向に凝固した組織を有する構成要素(DS合金)、例えばガスタービン動翼の製造に利用される、ニッケル基超合金を熱処理する方法に関する。本発明による熱処理法により、記載された合金の性質は、小角での粒界に対して許容される許容度を高め、鋳造歩留り、ひいては鋳造の有効性を高めることにより、殊に高い温度でプラスの影響を及ぼされるはずである。
【背景技術】
【0002】
ニッケル基超合金は、公知である。この合金からの単結晶構成要素は、高い温度の際に特に極めて良好な材料強度を有するが、その上良好な耐蝕性および酸化安定性ならびに良好なクリープ強さも有する。前記の性質のために、この種の材料を、例えばガスタービンに使用する場合には、ガスタービンの吸気温度を高めることができ、それによってガスタービン装置の有効性は、上昇する。
【0003】
簡単に言えば、2つのタイプの単結晶ニッケル基超合金が存在する。
【0004】
本発明にも関連する第1のタイプは、完全に熱処理(溶体化処理)されることができ、したがって全部のγ相は、溶液で存在する。これは、例えば次の化学組成を有する公知の合金CMSX4の場合には(質量%での記載):Al5.6、Co9.0、Cr6.5、Hf0.1、Mo0.6、Re3、Ta6.5、Ti1.0、W6.0、残分Niであり、または次の化学組成を有する合金PWA1484の場合には(質量%での記載):Cr5、Co10、W6、Mo2、Re3、Ta8.7、Al5.6、Hf0.1であり、ならびに前記合金とは異なりレニウムで合金化されていない公知の合金MC2の場合には、次の化学組成(質量%での記載)を有する:Co5、Cr8、Mo2、W8、Al5、Ti1.5、Ta6、残分ニッケル。
【0005】
CMSX4のための典型的な標準熱処理は、例えば次の通りである:1320℃/2時間/保護ガスでの溶体化処理、送風機での急速冷却。
【0006】
単結晶ニッケル基超合金の第2のタイプは、完全には熱処理することができない。即ち、この場合には、γ‐相の全含量が溶体化処理の際に溶解せずに一定の部分だけが溶解する。これは、例えば次の化学組成(質量%での記載):C0.07、Cr6、Co9、Mo0.5、W8、Ta3、Re3、Al5.7、Ti0.7、Hf1.4、B0.015、Zr0.005、残分Niを有する公知の超合金CMSX186の場合および次の化学組成(質量%での記載):C0.07、B0.015、Al5.7、Co9.3、Cr5、Hf1.2、Mo0.7、Re3、Ta4.5、Ti0.7、W8.6、Zr0.005、残分Niを有する合金CMSX486の場合である。
【0007】
第2のタイプのニッケル基超合金は、多くの場合に2工程の熱処理(低温での老化処理)に晒される。それというのも、第1のタイプの合金の場合のように典型的には溶体化処理に使用されるようなよりいっそう高い温度で既に開始温度の融点は、達成され、それによって合金は、不所望にも溶解を開始するからである。
【0008】
合金CMSX186の典型的な2工程の熱処理は、例えば次の通りである:
第1工程:1080℃/4時間/送風、
第2工程:870℃/20時間/送風。
【0009】
第1のタイプのニッケル基超合金のクリープ強さは、通常、同世代の合金に属するという前提で第2のタイプよりも高い。これは、なかんずく溶解されたγが達成可能な強度の主要源であるという事実に基づく。
【0010】
米国特許第4643782号明細書、欧州特許第0208645号明細書および米国特許第5270123号明細書の記載から公知であるような単結晶構成要素のためのニッケル基超合金は、混晶硬化合金成分、例えばRe、W、Mo、Co、Crならびにγ相を形成する元素、例えばAl、TaおよびTiを含有する。基本マトリックス(オーステナイト系γ相)中の高融点合金元素(W、Mo、Re)の含量は、合金の応力温度が増加するにつれて連続的に増加する。即ち、例えば単結晶のための通常のニッケル基超合金は、W6〜8%、Re6%までおよびMo2%までを含有する(質量%での記載)。上記の刊行物中に開示された合金は、高いクリープ強さ、良好なLCF(低い応力繰返し数の場合の疲労)特性およびHCF(高い応力繰返し数の場合の疲労)特性ならびに高い酸化抵抗を有する。
【0011】
この公知の合金は、航空機用タービンのために開発されたものであり、したがって短時間の使用および中程度の時間の使用に最適であり、即ち応力時間は、20000時間にまで設計されている。これとは異なり、工業用ガスタービン構成要素は、75000時間にまで、またはそれ以上の応力時間に設計されなければならない。
【0012】
300時間の応力時間後、例えば、米国特許第4643782号明細書に記載の合金CMSX−4は、ガスタービンへの試験的使用の際に1000℃上廻る温度でγ相の強い粗大化を示し、この粗大化は、不利なことに合金のクリープ速度の上昇を伴なう。
【0013】
更に、公知のニッケル基超合金、例えば、米国特許第5435861号明細書の記載から公知の合金の問題は、大きな構成要素の場合、例えば80mmを上廻るガスタービン動翼の場合の鋳造性が不十分なことである。ニッケル基超合金からの完全な比較的大型の一方向凝固単結晶構成要素の鋳造は、極めて困難である。それというのも、大抵の場合この構成要素は、欠陥、例えば小角での粒界、"そばかす"、即ち高い含量の共晶を有する同方向に向いた粒子の鎖によって必然的に引き起こされる欠陥位置、等軸降伏点、ミクロポロシティ等を有する。この欠陥は、構成要素を高い温度で弱体化し、したがってタービンの望ましい寿命または運転温度は、達成されない。しかし、完全に鋳造された単結晶構成要素は、極端に高価であるので、工業的には、寿命または運転温度が損なわれることがないようにできるだけ多くの欠点を容認する傾向にある。
【0014】
最も頻度の高い欠陥の1つは、単結晶製品の高温特性に対して特に有害である粒界である。小型の構造部材の場合、小角での粒界は、前記特性に対して比較的僅かな影響を及ぼすにすぎないけれども、この小角での粒界は、高い温度での鋳造性および酸化挙動に関連して大型のSX−またはDS構造部材の場合には、著しく重要である。
【0015】
粒界は、結晶格子の局部的な欠陥秩序が高い領域である。それというのも、この領域内で隣接粒子は、衝突し、それによって結晶格子間で一定の配向度の減少が存在するからである。脱配向(Desorientierung)が大きくなればなるほど、欠陥秩序は、ますます大きくなる。即ち、必要とされる粒界内でのずれの数は、ますます大きくなり、それによって双方の粒子は、調和する。この欠陥秩序は、高い温度の場合には、材料の挙動に直接に関連する。この欠陥秩序は、温度が等擬温度(=0.5×融点K)を超えて上昇する場合に材料を弱体化する。
【0016】
この効果は、英国特許第2234521号明細書Aの記載から公知である。即ち、粒子の脱配向が6゜を上廻るとすれば、常用のニッケル基単結晶合金の場合に、例えば871℃の試験温度で破壊強度は、極端に減少する。これは、一方向に凝固した組織を有する単結晶構成要素の場合にも確認され、したがって一般には、脱配向が6゜を上廻ることは許されないという見解であった。
【0017】
小角での粒界中でのずれまたは粒界の脱配向が許容されることは、一般にニッケル基超合金の第2のタイプ、即ち完全には、熱処理することができないニッケル基超合金にとって重要なことである。
【0018】
また、英国特許第2234521号明細書Aの記載から、ニッケル基超合金の硼素または炭素の含量を増加させることによって、一方向凝固で等軸またはプリズム状の粒子構造を有する組織が形成されることは、公知である。炭素および硼素は、粒界を硬化させる。それというのも、CおよびBは、炭化物の析出および高い温度で安定である粒界での結合を惹起するからである。更に、前記元素の存在は、粒界内で粒界に沿って、粒界の弱さの主要な原因である拡散プロセスを減少させる。従って、脱配向を10゜〜12゜に高めるにも拘わらず、高い温度で材料の良好な性質を達成させることが可能である。
【0019】
しかし、殊に、ニッケル基超合金からの大きな単結晶構成要素の場合には、前記の小角での粒界は、性質に不利な影響を及ぼす。更に、BおよびCを有するマイクロアロイは、C数百ppmに制限され、さらにB数ppmに制限される。それというのも、記載された元素は、一面でマトリックス中で僅かな溶解度のみを有し、他面、前記合金の初期融点の望ましくない低下に著しい影響を及ぼすからである。
【0020】
米国特許第2004/0055669号明細書A1、欧州特許出願公開第0155827号明細書A2、WO 2004/038056A1およびドイツ連邦共和国特許出願公開第19617093号明細書A1の記載から、ニッケル基超合金のための熱処理法は、公知であり、この場合、この合金は、第1の熱処理工程で部分的にのみ溶体化処理され、第2の処理工程で自体公知の2段階の老化処理はそれぞれ低い温度で実施される。
【特許文献1】米国特許第4643782号明細書
【特許文献2】欧州特許第0208645号明細書
【特許文献3】米国特許第5270123号明細書
【特許文献4】米国特許第5435861号明細書
【特許文献5】英国特許第2234521号明細書A
【特許文献6】米国特許第2004/0055669号明細書A1
【特許文献7】欧州特許出願公開第0155827号明細書A2
【特許文献8】WO 2004/038056A1
【特許文献9】ドイツ連邦共和国特許出願公開第19617093号明細書A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、公知技術水準の記載された欠点を回避することである。本発明は、それ自体問題のない完全な溶体化処理(析出された成分を溶解するための灼熱)を可能にし、かつ単結晶構成要素(SX合金)または一方向に凝固した組織を有する構成要素(DS合金)の製造に利用される、1つの化学組成を有するような公知のニッケル基超合金を熱処理するのに適した方法を開発するという課題に基づく。本発明による熱処理法により、記載された合金の性質は、殊に高い温度でさらにプラスの影響を及ぼされるはずである。殊に、小角での粒界または粒界の脱配向に対して許容される許容度を高め、それによって鋳造歩留り、ひいては鋳造の有効性が高められるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明によれば、これは、記載されたニッケル基超合金を多工程の熱処理法に掛け、その際この合金を第1の工程で部分的にのみ制御して温度T2<T1で溶体化処理し、第2の工程で2工程の老化処理をそれぞれ低い温度で実施することによって達成される。この場合、記載された第1の工程(部分的に溶体化処理)で好ましくは溶解されていないγ相5〜10%は、残留共晶中で調節され、これは、部分溶体化処理熱処理の際にそれぞれの温度の高さに依存して調節される。
【0023】
この結果、溶解されていないγ/γ’残留共晶により、小角での粒界または粒界の強度は、上昇され、それによって前記粒界の許容度は、12゜またはそれ以上の脱配向に関連して使用された材料組成に応じて上昇するという利点を有する。小角での粒界/粒界と比較して前記の高い許容度の結果は、大型の鋳造された構成要素、例えばサーマルターボマシン(thermische Stroemungsmaschinen)の単結晶回転羽根または単結晶案内羽根の場合の鋳造歩留りが高いことにある。この場合、高い鋳造歩留りは、有利に付加的な費用なしに有効性の上昇を生じる。
【0024】
この場合、残留共晶中の溶解されていないγ’相の想定された上昇は、溶体化処理温度の高さに依存して調節されうる。工業用ガスタービン中に使用されるSX−ニッケル基超合金は、多くの場合に高いクリープ強さ(Zeitstandfestigkeit)を有するので、前記クリープ強さの或る程度の減少は、許容することができ、小角での粒界または粒界の脱配向に対して高い許容度を達成することができる。
【0025】
本発明による熱処理法は、ニッケル基超合金を使用し、大型の単結晶構成要素、殊にガスタービン動翼を製造するのに特に好適である。
【0026】
更に、本発明の好ましい変法は、従属請求項中に記載されている。
図には、本発明の実施例が示されている。
【実施例】
【0027】
次に、本発明を実施例および図につき詳説する。
【0028】
第1表中に記載された化学組成(質量%での記載)を有する、公知技術水準から公知のニッケル基超合金CMSX4およびSXMC2、ならびに粒界固定性元素の炭素および硼素でマイクロアロイ化されたニッケル基超合金SX MK4HCおよびSX MD2を試験した。
【表1】


【0029】
この合金は、単結晶構成要素のためのニッケル基超合金であり、ガスタービン構成要素の製造に使用される。この合金は、上記の第1のタイプのニッケル基超合金に属し、即ちこの合金は、温度T1を上廻る溶体化処理の際に、例えばCMSX−4のための約1320℃で完全に熱処理可能であり、組織は、完全に溶体化処理されており、即ち沈殿物は、マトリックス中に完全に溶解されている。これは、図2、4、6および8中に示された標準熱処理に関する。
【0030】
ところで、合金CMSX4が本発明による熱処理法に掛けられる場合には、第1工程で制御されてT2<T1の温度、この場合には、1280℃/8時間/アルゴンブロア下での冷却で(図2参照)部分的にのみ溶体化処理され、第2工程で2工程の老化処理をそれぞれ低い温度、この場合には、1140℃/4時間/アルゴンブロア下での冷却および870℃/20時間/空気冷却で実施され、それによって図1に図示されているように、小角での粒界の脱配向の上昇が達成される。溶解されていないγ’相は、小角での粒界を硬化し、したがってBまたはCの添加によって達成される硬化メカニズムと比較して新しい硬化メカニズムが生じる。最も最高の性質は、γ’残留共晶5〜10%が存在する場合に生じる。
【0031】
図3には、合金CMSX4に関する図2に記載の双方の熱処理法に関する小角での粒界/粒界の脱配向の大きさへの高温クリープ強さ(相対的記載)の依存性が記載されている。本発明による熱処理後になお約12°の脱配向が許容されうるけれども、欠陥のない構成成分と比較して、標準の熱処理(完全な溶体化処理)後に既に約6°の脱配向からクリープ強さは、約80%に減少することが確認される。
【0032】
同様の記載は、第2の実施例2(図4および図5)にも当てはまる。
【0033】
合金SX MC2を、本発明により、第1の工程(1210℃/8時間/送風機を用いてのアルゴン急速冷却での部分的溶体化処理)および第2の工程(1080℃/6時間/送風機を用いてのアルゴン急速冷却での2工程の灼熱)および引続き870℃/16時間/空気冷却で熱処理した。引続き、クリープ強さを測定し、結果を標準熱処理法(1300℃での完全な溶体化処理)による結果を比較した。相対的クリープ強さは、標準熱処理法により既に6°を上廻る脱配向の際に重大な減少を示し、一方で、これは、本発明による熱処理によれば、約12°の脱配向角度で初めて生じた。
【0034】
小角での粒界と比較して前記の高い許容度の結果は、大型の鋳造された成分、例えばサーマルターボマシン(thermische Stroemungsmaschinen)の単結晶回転羽根または単結晶案内羽根の場合の鋳造歩留りが高いことにある。この場合、高い鋳造歩留りは、有利に付加的な費用なしに有効性の上昇を生じる。
【0035】
図6および7は、本発明の他の実施例を示す。
【0036】
図6の単結晶合金MK4HCに関する時間−温度図には、標準の溶体化処理(1290℃/8時間/送風機を用いてのアルゴン急速冷却)および引続く2工程の灼熱処理(1140℃/2.5時間/送風機を用いてのアルゴン急速冷却および870℃/22時間/空気冷却)と本発明による変性された熱処理(270℃/8時間/送風機を用いてのアルゴン急速冷却での部分溶体化処理、引続き標準処理と同様のパラメーターを有する2工程での灼熱)とが対比されている。
【0037】
図7には、合金SXMK4HCに関連して図6に記載の双方の熱処理法に対して小角での粒界/粒界の脱配向の大きさへの高温クリープ強さ(相対的記載)の依存性が記載されている。欠陥のない構成成分と比較して、標準の熱処理(完全な溶体化処理)後に約12°の脱配向からクリープ強さは、約80%に減少しており、一方で、本発明による熱処理後に粒界の約20°の脱配向で初めてこの減少が起こることが確認される。即ち、この場合には、それによってなお約20°の脱配向を許容することができる。この強化された粒界の硬化は、一面で合金化された粒界硬化部CおよびBから生じ、他面、不完全な溶体化処理法のために存在する残留共晶(γ’5〜10%)から生じる。
【0038】
図8および9には、合金SX MD2のための前記傾向が図示されている。図8の時間−温度図には、再び合金SX MD2のための標準熱処理および本発明による熱処理が図示されており、この場合本発明による部分溶体化処理は、1230℃/8時間/送風機を用いてのアルゴン急速冷却で実施され、他方、標準の溶体化処理は、1270℃/8時間/送風機を用いてのアルゴン急速冷却で行なわれた。引続く2工程の灼熱処理は、2つの処理とも次のように同様に行なわれる:1080℃/6時間/送風機を用いてのアルゴン急速冷却および870℃/16時間/空気冷却。
【0039】
図9には、合金SXMD2に関連して図8に記載の双方の熱処理法に対して小角での粒界/粒界の脱配向の大きさへの高温クリープ強さ(相対的記載)の依存性が記載されている。この場合も、既に先行する実施例の記載と同様に、欠陥のない構成成分と比較して、標準の熱処理(完全な溶体化処理)後に粒界の約12°の脱配向からクリープ強さは、約80%に減少しており、一方で、本発明による熱処理後に粒界の約20°の脱配向で初めてこの減少が起こる。即ち、この場合には、それによってなお約20°の脱配向を許容することができる。この強化された粒界の硬化は、この合金の場合に、一面で合金化された粒界硬化部CおよびBから生じ、他面、不完全な溶体化処理法のために存在する残留共晶(γ’5〜10%)から生じる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】溶解されていないγ’相を有する小角での粒界の範囲内での組織を示す略図。
【図2】標準熱処理および本発明による熱処理による合金CMSX4に関する時間−温度を示す略図。
【図3】図2に記載の双方の熱処理法に関する小角での粒界/粒界の脱配向の大きさへの高温クリープ強さ(相対的記載)の依存性を示す略図。
【図4】標準熱処理および本発明による熱処理による合金SX MC2に関する時間−温度を示す略図。
【図5】図4に記載の双方の熱処理法に関する小角での粒界/粒界の脱配向の大きさへの高温クリープ強さ(相対的記載)の依存性を示す略図。
【図6】標準熱処理および本発明による熱処理による合金SX MK4HCに関する時間−温度を示す略図。
【図7】図6に記載の双方の熱処理法に関する小角での粒界/粒界の脱配向の大きさへの高温クリープ強さ(相対的記載)の依存性を示す略図。
【図8】標準熱処理および本発明による熱処理による合金SX MD2に関する時間−温度を示す略図。
【図9】図8に記載の双方の熱処理法に関する小角での粒界/粒界の脱配向の大きさへの高温クリープ強さ(相対的記載)の依存性を示す略図。
【出願人】 【識別番号】503416353
【氏名又は名称】アルストム テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland
【出願日】 平成19年9月7日(2007.9.7)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄

【識別番号】100094798
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 利臣

【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也

【識別番号】100110593
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 博司

【識別番号】100128679
【弁理士】
【氏名又は名称】星 公弘

【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康

【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト


【公開番号】 特開2008−63661(P2008−63661A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2007−233005(P2007−233005)