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【発明の名称】 一体型流路付きアルミニウム製パネルの製造方法
【発明者】 【氏名】ドルミュ,イヴ

【氏名】ポワザ,ローラン

【氏名】エルガザル,アヤ

【要約】 【課題】機械的特性の強い片面加工のパネルの製造に適合し、また、片面加工タイプおよび両面加工タイプのパネルに対して同時に、欠陥のあるパネルの早めの検出を可能にするロールボンドパネルの連続製造方法を提供する。

【構成】製造ラインに、ストリップAおよびBを供給し、ストリップAおよびBにブシをかけ、ストリップAに、接合阻止インクを塗布し、ストリップAおよびBを予熱し、ストリップAの表面に圧延機を使ってストリップBを押し当てて、複合ストリップを獲得し、複合ストリップを、炉においてアニーリングし、複合ストリップを冷やし、複合ストリップをパネルに切り抜き、パネルを、複数の段のある膨張用プレス機に移し、導管を膨張させ、パネルをプレス機から取り出して、それらを包装のために積み重ねる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体型流路付きパネルの連続製造方法であって、以下を有する製造方法:
(a)製造ラインに、ストリップAおよびBを供給すること、
(b)オプションとして、ストリップAおよびBの反りを修正すること、(c)ストリップAおよびBにブラシをかけること、
(d)ストリップAに、接合阻止インクを塗布すること、
(e)オプションとして、この塗布の質を検査すること、
(f)ストリップAおよびBを予熱すること、
(g)ストリップAの表面に圧延機を使ってストリップBを押し当てて、複合ストリップを獲得すること、
(h)複合ストリップを、炉においてアニーリングすること、
(i)複合ストリップを冷やすこと、
(j)オプションとして、複合ストリップを平らに延ばす作業、
(k)複合ストリップをパネルに切り抜くこと、
(l)オプションとして、過程(e)の検査の際に検出された、インクの塗布の欠陥を有するパネルを除去すること、
(m)パネルを、複数の段のある膨張用プレス機に移すこと、
(n)導管を膨張させること、
(o)パネルをプレス機から取り出して、それらを包装のために積み重ねること。
【請求項2】
ストリップAおよびBの取替えが、複合ストリップの次々と続く流れを中断することなく、突合わせ接合によって行われることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
過程(h)の複合ストリップのアニーリングが、前記複合ストリップの温度がその全幅に渡って±10℃の間、また推奨されるには±5℃の間に含まれる差に保たれるようになされることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
過程(f)のストリップAおよびBの予熱が、前記ストリップのそれぞれの温度がその全幅に渡って±10℃の間、また推奨されるには±5℃の間に含まれる差に保たれるようになされることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項5】
膨張用プレス機が、少なくとも4段、また推奨されるには少なくとも8段を有することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項6】
過程(k)の複合ストリップの切り抜きが、移動可能なシャーを使ってなされることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項7】
圧延機が四段圧延機であることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項8】
圧延機から取り出される複合ストリップの速度が、毎分20メートルを超えることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項9】
少なくとも三つの金属製のストリップから形成される、一体型流路付きパネルの連続製造方法であって、以下を有する製造方法:
(a)製造ラインに、タイプAのストリップ二つと、タイプBのストリップ一つとを供給すること、
(b)タイプAおよびタイプBのストリップの反りを修正すること、
(c)タイプAおよびタイプBのストリップにブラシをかけること、
(d)タイプAのストリップに、接合阻止インクを塗布すること、
(e)オプションとして、この塗布の質を検査すること、
(f)タイプAおよびタイプBのストリップを予熱すること、
(g)タイプAのストリップとタイプBのストリップを圧延機にかけて、複合ストリップを作り出すこと、
(h)複合ストリップを、炉においてアニーリングすること、
(i)複合ストリップを冷やすこと、
(j)オプションとして、複合ストリップを平らに延ばす作業、
(k)複合ストリップをパネルに切り抜くこと、
(l)オプションとして、検査(e)の際に検出された、インクの塗布の欠陥を有するパネルを除去すること、
(m)パネルを、複数の段のある膨張用プレス機に移すこと、
(n)全ての段で、パネルを好ましくは同時に膨張させること、
(o)パネルをプレス機から取り出して、それらを包装のために積み重ねること。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
(本発明の分野)
本発明は、一体型流路付きアルミニウム製パネルの製造方法に関するものであり、該方法は、一般的にロールボンドの名称で既知であって、変形加工した二面をもつ両面加工タイプまたは、平らな一面と変形加工した一面をもつ片面加工すなわちOSF(one side flat)のタイプがある。これらのパネルは、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の二枚の板から作られるものであり、そのうちの一枚は、一体型流路になることを目的とした部分に、二枚の板の間の接合を妨げることを目的としたインクを塗られるものである。二枚の板はついで同時圧延によって接合される。接合されない部分は、そのとき、主要な部分が熱交換器として、またとりわけ家庭用冷蔵庫の冷却用流路として利用される流路を形成するために、水圧もしくは空気圧の手段によって膨らまされる。
【背景技術】
【0002】
(技術の現状)
1964年、パリ、Editions Eyrolles発行の書物「L’aluminium」の第1部「Production―Proprietes―Alliages―Fabrication des demi−produits―Fabrications annexes」718〜721ページ、および、Revue de l’Aluminium、1982年2月号掲載の研究論文「Panneaux aluminium a circuits integres:deux lignes de fabrication complementaires pour de multiples produits」は、両面加工タイプのパネルを製造するためのロールボンド方法の原理を記述しており、また、連続製造ラインの仕組み、並びにパネルの製造に通常利用される合金を明らかにしている。この連続製造ラインにおいて、パネルは、個別の板(この書物の中では「platines」と呼ばれている)から形成されており、該板は、手作業で、もしくは製造ラインを構成する様々な機械を介して機械仕掛けの移送手段によって運ばれるものである。
【0003】
仏国特許発明第1347949号明細書(Olin Mathieson)は、片面加工の一体型流路付きパネルの原理を記述しており、また、それらのパネルを異なる機械的強度をもつ二枚の板から作ることを提案しているが、二枚の板とは、一つは1100合金製、そしてもう一つは0.12%のジルコニウムを添加した1100合金製である。
【0004】
仏国特許発明第2561368号明細書(Cegedur Pechiney)は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の二枚の板から、片面加工タイプのロールボンドパネルを連続製造する方法を明らかにしている。
【0005】
SAE Technical Paper Series(International Congress & Exposition、ミシガン州、デトロイト、1994年2月28日〜3月3日)に掲載の、V.J.Scott他による研究論文「High Performance Airgap Heat Shields Using Blow−Molded Roll−Bond Aluminum Technology」は、ロールボンドパネルの製造ラインを記述しており、該製造ラインは、二つのストリップの反りを修正してブラシをかけること、分離する媒質の塗布、ストリップを予熱および圧延して複合ストリップを形成することを含むものである。複合ストリップは、ついで静的炉内のコイルでアニーリングを受ける。
【0006】
したがって、この方法は連続した方法ではない。静的炉を利用することによって、連続炉を利用する方法よりもより正確にアニーリングの条件を制御することができるが、しかし、コイルでのアニーリングが有する中断によって、経済的な次元での不都合が示され、商業の需要に対する生産ラインの応答時間が減り、また中間製品のストックの管理が必要となってしまう。
【0007】
ロールボンド方法における特有の問題は、形成される導管の質と耐久性である。欧州特許第0703427号明細書(Showa Aluminium)は、膨張の際の欠陥(導管の切断または変形加工の局所的欠如)の数を減らすことを目指す方法を提案している。
【特許文献1】仏国特許発明第1347949号明細書
【特許文献2】仏国特許発明第2561368号明細書
【特許文献3】欧州特許第0703427号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本出願人の確認によると、既存の製造ラインでは、機械的特性の強いパネル、またとりわけ片面加工のパネルの製造は不可能である。別の面では、形成されるパネルが、膨張の前に、重大な障害となる欠陥のないことを保証することが望ましい。
【0009】
本発明の目的は、ロールボンドパネルの連続製造方法を提供することであって、該方法は、機械的特性の強い片面加工のパネルの製造に適合したものであり、また、片面加工タイプおよび両面加工タイプのパネルに対して同時に、欠陥のあるパネルの早めの検出を可能にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(本発明の対象)
本発明は、片面加工の一体型流路付きアルミニウム製パネルの製造方法を対象としており、該方法は、アルミニウム合金製の二枚の板の表面を準備すること、板の一枚の、流路の模様に対応して割り当てられた部分に接合阻止のインクを堆積させること、板を、一枚の上にもう一枚を重ねて圧延によって接合すること、そして、接合されない部分に対応する導管を、加圧流体を使って拡張させることを有するものであって、該方法において、板のうちの一枚は1000系の合金製であり、また、もう一枚は鉄とマンガンとを含有する合金製で、かつFe+Mn>0.8(重量%)、また好ましくは1%を超え、さらには1.5%を超えるようなものである。鉄およびマンガンの合金は、好ましくは、二つの冷えたロールの間でのストリップの連続鋳造によって獲得される。
【0011】
本発明はまた、一体型流路付きアルミニウム合金製パネルの連続製造方法も対象としており、該方法は、以下の過程を有する:
(a)製造ラインに、アルミニウム合金の二つのストリップAおよびBを供給すること、
(b)オプションとして、ストリップAおよびBの反りを修正すること、
(c)ストリップAおよびBにブラシをかけること、
(d)ストリップAに、接合阻止インクを塗布すること、
(e)オプションとして、この塗布の質を検査すること、
(f)ストリップAおよびBを予熱すること、
(g)ストリップAの表面に圧延機を使ってストリップBを押し当てて、複合ストリップを獲得すること、
(h)複合ストリップを、炉においてアニーリングすること、
(i)複合ストリップを冷やすこと、
(j)オプションとして、複合ストリップを平らに延ばす作業、
(k)複合ストリップをパネルに切り抜くこと、
(l)オプションとして、過程(e)の検査の際に検出された、接合阻止インクの塗布の欠陥を有するパネルの除去を可能にする装置、
(m)パネルを、複数の段のある膨張用プレス機に移すこと、
(n)導管を膨張させること、
(o)パネルをプレス機から取り出して、それらを包装のために積み重ねること。
【0012】
(図の説明)
唯一の図は、合金1050、3003、8040、および連続鋳造から獲得される8006でできた板についての再結晶率を、アニーリングの温度の変化に応じて表している。
【0013】
(本発明の詳細)
本出願人は、両面加工のロールボンドパネルを製造するために通常利用される合金を利用することができることを確認したが、それら合金はまたとりわけ、上記の書物「L’aluminium」の第1部「Production―Proprietes―Alliages―Fabrication des demi−produits―Fabrications annexes」で明らかにされている合金である。片面加工のパネルの製造については、仏国特許発明第1347949号明細書が示しているように、導管の膨張の際、パネルの面のうちの一面が、もう一面よりもより容易に変形加工できることが必要である。したがって、複合ストリップの二つの面に対して、二つの異なる合金を利用するが、一つは、より硬く、平らな面を形成するもので、そしてもう一つは、さほど硬くなく、膨張の際に変形加工されて、流路の導管を形成するものである。例えば、合金1050および8040(アルミニウム協会の呼び名に従う)の組合わせを利用することは既知である。しかしながら、本出願人はその試験の際に、平らな面については、鉄およびマンガンを含有する合金製のストリップを利用することが好ましいことを確認したのであり、そしてその合金はFe+Mn>0.8(重量%)、また好ましくは1%を超え、さらには1.5%を超えるようなものである。このタイプの合金の例は8006合金であり、アルミニウム協会に記録されているその組成は、以下である(重量%):
Si<0.40、Fe:1.2〜2.0、Cu<0.30、Mn:0.30〜1.0、Mg<0.10、Zn<0.10。
【0014】
鉄およびマンガンの合金製ストリップは、好ましくはストリップの連続鋳造によって、またとりわけ二つの冷えたロールの間での連続鋳造によって、例えば、Pechiney Aluminium Engineeringの機械Jumbo 3C(登録商標)によって製錬される。連続鋳造によって獲得された、マンガンおよび/または鉄を含有する合金が、鋳造の直後に行われる一通りの冷間圧延の後、つまり鋳造されたストリップの均質化を行ってないとき、圧延板から獲得された同じ合金よりも再結晶に対してより強い抵抗力をもたらす細かい粒のミクロ組織を呈することは既知である。連続鋳造によって獲得されたそのようなストリップのミクロ組織の特性は、文献に、とりわけM.Slamova他著の記事において記述されており、それら記事は:雑誌Materials Science Forum、第331〜337巻(2000年)、829〜834ページ掲載の「Differences in Structure Evolution of Twin−Roll Cast AA8006 and AA8011 Alloys during Annealing」;雑誌Materials Science Forum、第331〜337巻(2000年)、161〜166ページ掲載の「Impact of As―Cast Structures on Structure and Properties of Twin−Roll Cast AA8006 Alloy」;ICAA6会議の議事録、第2巻、1287〜1292ページに掲載の「Response of AA 8006 and AA 8111 strip−cast cold rolled alloys to high temperature annealing」;ICAA6会議の議事録、第2巻、897〜902ページに掲載の「Phase Transformation Study of Two Aluminum Strip−Cast Alloys」であるが、しかし、連続鋳造を、片面加工タイプのロールボンドパネルを形成するために利用することは、まだ検討されていない。
【0015】
本発明はまた、両面加工もしくは片面加工タイプの一体型流路付きアルミニウム合金製パネルの、改善された製造方法にも関するものである。詳細な説明の続きにおいて、「ストリップA」は、接合阻止のインクが塗布されるアルミニウムあるいはアルミニウム合金製のストリップを、「ストリップB」は、ストリップAに押し当てられるアルミニウムあるいはアルミニウム合金製のストリップを、「複合ストリップ」は、ストリップAおよびBから形成されるストリップを、そして「パネル」は、複合ストリップの切り抜きによって形成されるパネルを指すことになる。
【0016】
本発明による連続方法は、以下の過程を有する:
(a)製造ラインに、ストリップAおよびBを供給すること、
(b)ストリップAおよびBの反りを修正すること
(c)オプションとして、ストリップAおよびBにブラシをかけること、
(d)ストリップAに、接合阻止インクを塗布すること、
(e)この塗布の質を検査すること、
(f)ストリップAおよびBを予熱すること、
(g)インクを有するストリップA、およびストリップBを圧延機にかけて、複合ストリップを作り出すこと、
(h)複合ストリップを、炉においてアニーリングすること、
(i)複合ストリップを冷やすこと、
(j)オプションとして、複合ストリップを平らに延ばす作業、
(k)複合ストリップをパネルに切り抜くこと、
(l)オプションとして、検査(e)の際に検出された、分離する媒質の塗布の欠陥を有するパネルを除去すること、
(m)パネルを、複数の段のある膨張用プレス機に移すこと、
(n)全ての段で、パネルを好ましくは同時に膨張させること、
(o)パネルをプレス機から取り出して、それらを包装のために積み重ねること。
【0017】
ストリップAおよびBの供給は、二つのコイル展開によってなされることができる。本発明の好ましい実施例において、二つのコイル展開のそれぞれに、突合わせ接合用の可動式装置を備え付け、製造ラインにおいてストリップが次々と続いて行くのを中断することなく、ストリップAおよびBのそれぞれを取り替えることを可能にする。
【0018】
ストリップを製造ラインに導入する前に、ストリップの表面を脱脂することが有利であり、例えば、火炎式の方法、あるいは当業者に既知の他のあらゆる方法が用いられる。
【0019】
接触することを目的としたストリップAおよびBの表面にブラシをかけることが有利である。鋼線を備え付けた回転式ブラシが、この目的に適している。
【0020】
ストリップAへの接合阻止インクの塗布は、当業者に既知のシルクスクリーン印刷の技術を用いて行われることができる。このシルクスクリーン印刷の品質検査は、熟練したオペレータによってなされることができる。本発明の好ましい実施例において、この塗布の質は、好ましくは工業監視用の自動装置によって検査されるが、この装置は、重大な障害となる欠陥を検出し、またストリップA上で欠陥のある流路の位置を探知することができるものである。この装置は、印刷されるイメージを収集し、そして、そのイメージを、完璧と考えられる基準と比較する。そのとき、このシステムによって、重大な障害となる欠陥が検出されたパネルを、流路の膨張の前に除去することが可能となる。
【0021】
予熱炉として、当業者に既知のどんな連続炉でも、例えば直接炎式炉を、利用することができる。本発明の好ましい実施例において、この炉は、ストリップAおよびBの全幅にわたって温度を一定のままに保つように温度の調節を可能にし、その温度は、最大で±10℃の間、好ましくは±7℃の間に含まれる差、そしてさらに、より推奨されるには±5℃の間に含まれる差におけるものである。
【0022】
ストリップBのストリップAへの押し当ては、従来の圧延機、また推奨されるには四段圧延機においてなされることができる。本発明の推奨実施例において、ストリップと接触する二つのロールは、圧延の最中にブラシをかけられる。仏国特許発明第2568495号明細書において明らかにされているブラッシング装置は、この目的に適している。
【0023】
複合ストリップのアニーリングには、当業者に既知のどんな連続炉も利用することができる。本発明の好ましい実施例において、この炉は、ストリップの全幅にわたって温度を一定のままに保つように温度の調節を可能にし、その温度は、±10℃の間、好ましくは±7℃の間に含まれる差、そしてさらに、より推奨されるには±5℃の間に含まれる差におけるものである。複合ストリップの冷却は、あらゆる冷却液を液体あるいは気体で振りかけることによってなされることができ、また推奨されるには水の散水が用いられる。
【0024】
もしこの段階で複合ストリップを平らに延ばす作業を行う必要があるなら、この平らに延ばす作業は、例えば機械的に、金属ローラーの二層の間でストリップを多かれ少なかれ多数に重ね合わせることよってなされることができる。
【0025】
複合ストリップのパネルへの切り抜きは、固定シャーを使って行うことができる。この場合、ストリップの連続した次々と続く流れを中断しないで切り抜きを実行することを可能にする、ストリップのアキュムレータを付け加える必要がある。本発明の好ましい実施例においては、移動可能なシャーが利用されるが、それによって、複合ストリップ上に欠陥を誘発する可能性のあるストリップのアキュムレータは不必要となる。
【0026】
本発明の好ましい実施例においては、ついで、検査の際に流路に欠陥があると検出されたパネルを除去してから、質が納得できると考えられたパネルを膨張用プレス機に移す。この移動は、有利には、パネルを昇降機に積んでなされる。ついでパネルは、ロボットを使って、例えば六軸ロボットによってプレス機に移される。
【0027】
膨張用プレス機は複数の段を有しており、推奨されるには少なくとも四段、そして、またさらに推奨されるには少なくとも八段である。このプレス機において、流路は、各パネルの二つの面の間で、膨張用導管に挿入される針を介して、加圧流体を使って膨らまされる。プレス機におけるパネルは、一つ一つ、あるいは、好ましくは同時に、膨張されることができる。本発明の推奨される実施例において、このプレス機は、片面加工のパネル、つまりただ一面だけに膨張する流路を有し、もう一面は平らであるパネル、および、両面加工のパネル、つまり二面に膨張する流路を含むパネル、の膨張を可能にするように製造されている。片面加工のパネルの製造については、平らな面に向かい合う面に、逆圧力が印加されるが、これは当業者に既知の、例えば上述の仏国特許発明第2561368号明細書に記述されている技術に従うものである。
【0028】
プレス機からパネルを取り出すのは、有利にはロボット、例えば六軸ロボットによって行われるが、該ロボットは、膨張したパネルをプレス機からシュートの方に降ろすものであり、発送用に包装される準備が整ったパネルの山を作り上げることができる積み上げ機に、パネルを移すものである。
【0029】
本発明の好ましい変形例において、ストリップAおよびBと複合ストリップとの中心合わせが行われる。例として、ストリップが圧延機の中に入る前の中心合わせが有益である。図1に、本発明の好ましい実施例が示されている。
【0030】
上述のような本発明は、有利には、既存の冷却装置のための、もしくは、その他の熱交換あるいは熱伝達の応用のための、全てのロールボンドパネルの製造に適用されることができる。
【0031】
本発明はまた、自動車のボディ用の補強材のような、構造上の応用のあるパネルの製造のためにも活用することができる。本出願人は、特定の場合において、二つ以上のタイプAのストリップから製造される複合パネルを利用することが有利である可能性があることを確認したのであり、該複合パネルは、唯一の流路または、同一もしくは同一でない複数の流路を含むことができる。この場合、「タイプAのストリップ」は、接合阻止のインクが塗布されるアルミニウムあるいはアルミニウム合金製の一つまたは複数のストリップを意味する。「タイプBのストリップ」は、一つまたは複数のタイプAのストリップに押し当てられることになる、またシルクスクリーン印刷を有さないアルミニウムあるいはアルミニウム合金製の一つまたは複数のストリップを意味する。例として、二つの重ね合わされた流路を含む、重ね合わされた三つのストリップから成るロールボンドパネルは、タイプAのストリップ二つと、タイプBのストリップ一つとから成る。「複合ストリップ」は、タイプAとタイプBのストリップとから形成されるストリップを、そして「パネル」は、複合ストリップの切り抜きによって形成されるパネルを意味する。
【0032】
この場合、本発明による連続した方法は、そのとき以下の過程を有する:
(a)製造ラインに、タイプAのストリップ二つと、タイプBのストリップ一つを供給すること、
(b)タイプAおよびタイプBのストリップの反りを修正すること、
(c)タイプAおよびタイプBのストリップにブラシをかけること、
(d)タイプAのストリップに、分離する媒質を塗布すること、
(e)オプションとして、この塗布の質を検査すること、
(f)タイプAおよびタイプBのストリップを予熱すること、
(g)分離する媒質を有するタイプAのストリップと、タイプBのストリップを圧延機にかけて、複合ストリップを作り出すこと、
(h)複合ストリップを、炉においてアニーリングすること、
(i)複合ストリップを冷やすこと、
(j)オプションとして、複合ストリップを平らに延ばす作業、
(k)複合ストリップをパネルに切り抜くこと、
(l)オプションとして、検査(e)の際に検出された、インクの塗布の欠陥を有するパネルを除去すること、
(m)パネルを、複数の段のある膨張用プレス機に移すこと、
(n)全ての段で、パネルを好ましくは同時に膨張させること、
(o)パネルをプレス機から取り出して、それらを包装のために積み重ねること。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
(実施例1)
製造ラインへの供給は、突合わせ接合の可動式装置によってなされ、この装置によって、製造ラインにおいてストリップが次々と続いて行くのを中断することなく、ストリップAおよびBのそれぞれを取り替えることができる。この移動部分は、可動式の接合機の装備が整っているが、この接合機は、二つの金属コイルから出てくるストリップの間を金属補給材なしで接合することを可能にするものである。
【0034】
ストリップAおよびBの反り修正は、ローラー付きの動力化された反り修正機によってなされる。接触することを目的としたストリップAおよびBの表面のブラッシングは、動力化された金属ブラシによってなされる。
【0035】
孔版を用いたシルクスクリーン印刷は、加圧した、閉じられた囲いの中でなされ、ストリップの上への塵の積もりおよび欠陥の現れを最小限に抑えることを可能にする。布地の構造および糸の密度が希望する印刷に応じて調整されるスクリーンを利用する;シルクスクリーン印刷は、当業者に既知の技術によって行われる。接着阻止インクの布地への供給は自動的であり、また、インクの量の優れた均質性を可能にする。シリーズ交換の際のスクリーンの取替えは、ラインを止めることなくなされ、また、半自動式である。シルクスクリーン印刷の後、補足のインクの染みが、ストリップA上のモチーフの端に付け加えられる;前記染みは、複合ストリップをパネルに切り分ける際に印付けとして役立つ。
【0036】
シルクスクリーン印刷の質は、ラインカメラを備えた工業用監視装置によって検査される。全てのモチーフは、収集され、処理され、そして基準の模範的なイメージと比較される。この装置は、モチーフの機能的評価を確認し、また全ての欠陥(不必要な染み、インクの不足または不明確な精細度の縁など)を探知することを可能にする。欠陥のあるモチーフの位置は検査用コンピュータによって探知され、これら欠陥のあるモチーフを有するパネルを、膨張の過程の前に取り除くことが可能となる。
【0037】
予熱炉は、連続ガス炉である。それは、二つの部分から成り、ストリップBおよびストリップAを次々に加熱することを可能にする。予熱炉の出力は、1800kWである。炉内のストリップの温度は、典型的にはおよそ400℃であるが、500℃までになることができ、利用される合金に応じる。炉は、三つの加熱ゾーンを二度有する。温度は、調節システムによって、±7℃で一定のままに保たれる。
【0038】
利用される圧延機は、四段圧延機であって、およそ1400トンの圧延応力に達することを可能にするものであるが、そのバランスは異なることができる。
【0039】
アニーリング炉は、連続ガス炉で、出力1220kWである。炉内の複合ストリップの温度は、典型的にはおよそ400℃であるが、500℃までになることができ、利用される合金に応じる。炉は、四つの加熱ゾーンを有する。温度は、調節システムによって、±7℃で一定のままに保たれる。
【0040】
複合ストリップを平らに延ばす作業は、さまざまな重ね合わせ用に17のローラーを有する、当業者に既知の平らに延ばす装置によってなされる。
【0041】
超音波式センサは、シルクスクリーン印刷の過程で堆積されるインクの染みの検出を可能にし、また、移動可能なシャーによる複合ストリップのパネルへの切り抜きを始動させる。パネルは、昇降機に載せられ、そして、六軸ロボットを使って膨張用プレス機に八ロットごとに積まれる。
【0042】
膨張用プレス機は、2500トンの水圧のプレス機で、全ての段のパネルを同時に膨張させることを可能にするものである。プログラムされたサイクルは、両面加工および片面加工のパネルをラインで膨張させることを可能にする。片面加工のパネルについては、膨張用圧力に加えて、全ての段で逆圧力が印加される。膨張のサイクルは、コンピュータによって操作される。プレス機は、膨張の際に漏れを検出する装置を備えており、そしてこのように探知された欠陥のあるパネルの除去を可能にする。
【0043】
導管が膨張したパネルは、第二の六軸ロボットによって、プレス機からシュートに降ろされる。本方法のパラメータは、ラインの複数のポイントで測定される次々と続く流れの速度の変化に応じて調整される。ストリップAおよびBの速度は、15m/分に達することができる。複合ストリップの速度は、圧延率2に対して、30m/分に達することができる。ラインのさまざまな調整は、製品のデータベースに基づいて自動的に管理される。利用されるストリップの幅は、700mmに達することができる。
【0044】
(実施例2)
実施例1の方法に従って、片面加工のロールボンドパネルを製造した。ストリップAは、以下を組成とする8006合金製であり(重量%):
Si=0.28、Fe=1.20、Cu=0.024、Mn=0.37、Mg=0.0013、Ti=0.017、
そして、ロールの間での連続鋳造に基づいて製錬され、鋳造されたストリップの圧延前の均質化は行われなかった。鋳造の厚みは7mmで、そして、鋳造されたストリップは1.2mmになるまで冷間圧延され、それから220℃で2時間の焼き戻しを受けた。
【0045】
ストリップBは、1050合金製で、厚さは1.26mmであり、圧延板の熱間圧延、ついで冷間圧延によって獲得される。
【0046】
予熱炉から取り出されると、ストリップAの温度は480℃、そしてストリップBの温度は380℃であった。適用された圧延率は2であった。複合ストリップは、ついで、表1に記載されているさまざまな温度で、アニーリング炉においてアニーリングされた。表1では、アニーリング後の二つの面のビッカース硬さもまた示されている。
【0047】
【表1】


【0048】
本出願人の確認によると、アニーリング温度400℃が、平らの面の表面の平面性および外観の要請(ストリップAの側の強い硬さによって助長されるもの)と、切断のない導管の膨張を可能にするのに十分なパネルの加工性の要請(ストリップBの側の弱い硬さによって助長されるもの)との間の、最良の中庸状態を表している。いずれにせよ、ストリップA側のパネルの硬さがビッカース40を超えること、また推奨されるにはビッカース43あるいはさらにビッカース45をも超えることが好ましい。
【0049】
(実施例3)
実施例1の方法に従って、片面加工のロールボンドパネルを製造した。ストリップAは、圧延板から製錬される8040合金製である。ストリップAの厚さは1.26mmで、そして、250℃で10時間の焼き戻しを受けた。
【0050】
ストリップBは、1050合金製で、厚さは1.26mmであり、圧延板の熱間圧延、ついで冷間圧延によって獲得される。
【0051】
予熱炉から取り出されると、ストリップAの温度は480℃、そしてストリップBの温度は380℃であった。適用された圧延率は2であった。複合ストリップは、ついで、それぞれ400と440℃の温度で、アニーリング炉においてアニーリングされた。アニーリング後の二つの面の硬さは、表2に示されている。
【0052】
【表2】


【0053】
同等の条件に対して、実施例2におけるよりも、獲得されるストリップA側の硬さがより低いことが確認される。複合ストリップのストリップA側の硬さを増すために、著しい仕方でアニーリングの温度を下げることは検討されない、なぜなら、膨張プレス機における適切な加工性を複合ストリップの硬さに付与する1050の再結晶が、実施例1に従った方法の条件において、少なくとも370℃から380℃の温度を必要とするからである。
【0054】
(実施例4)
連続鋳造によって獲得される8006合金製のストリップが、片面加工のロールボンドパネルの製造用に通常利用される他のストリップに比べて、再結晶に対してより強い抵抗力を呈することを確認するために、実験用試験が行われた。再結晶されたストリップの硬さが、再結晶されていないストリップの硬さよりも低いことは既知である;片面加工のロールボンドパネルの平らな面としてストリップを利用することができるのに十分な硬さが必要であることから考えて、この試験は、したがって、この用途に利用可能なストリップの事前選択を可能にする。
【0055】
ロールボンドパネルの製造のために利用されるのに適した、合金8040、8006、3003および1050製のストリップおよび板を、冷間圧延によって準備した。8006合金は、連続鋳造によって、均質化なしで準備された。冷間圧延の際の縮小は2であった。ついで、板を、ソルトバス炉において、380℃と440℃の間の変動する温度で15秒間アニーリングして、ついで、再結晶された部分を、当業者に既知の金属組織の観測技術によって測定した。
【0056】
図のグラフで、1050合金製の板は比較的低い温度(400℃未満)で強く再結晶する一方、8006合金製の板は、取扱われた温度の全範囲に渡って全く再結晶化しないことが確認されており、これは、実施例1に従った方法の実施に特に適している。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】合金1050、3003、8040、8006でできた板についての再結晶率を、アニーリングの温度の変化に応じて表している図。
【出願人】 【識別番号】500092697
【氏名又は名称】アルカン レナリュ
【出願日】 平成19年6月8日(2007.6.8)
【代理人】 【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一


【公開番号】 特開2008−1987(P2008−1987A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2007−152581(P2007−152581)