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【発明の名称】 インゴット組立体
【発明者】 【氏名】加藤 五男

【要約】 【課題】既存の設備を利用して、溶解炉にインゴット以外の材料(例えば還元屑等)を投入することができ、且つ、燃焼効率も向上させることができるインゴット組立体を提供する。

【構成】平面状に配置された縦長一定形状のインゴット2が複数段積み重ねられた略直方体のインゴット組立体であって、互いに平行に且つ隣接するように配置された複数本のインゴットからなる最下段と、該最下段の上に、互いに平行に且つ間隔を有して配置された一対のインゴットが井桁状に複数段積み重ねられた複数の上方段を有し、井桁状に組み立てられた該複数の上方段の内部空間に金属小塊3が投入されていることを特徴とするインゴット組立体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状に配置された縦長一定形状のインゴットが複数段積み重ねられた略直方体のインゴット組立体であって、
互いに平行に且つ隣接するように配置された複数本のインゴットからなる最下段と、
該最下段の上に、互いに平行に且つ間隔を有して配置された一対のインゴットが井桁状に複数段積み重ねられた複数の上方段を有し、
井桁状に組み立てられた該複数の上方段の内部空間に金属小塊が投入されていることを特徴とするインゴット組立体。
【請求項2】
前記複数の上方段の最上段における一対のインゴットの間が、該一対のインゴットと平行に配置されたインゴットにより敷き詰められていることを特徴とする請求項1記載のインゴット組立体。
【請求項3】
前記最下段が、該最下段のインゴットと直交するように間隔を有して配置された一対の脚塊上に積み重ねられていることを特徴とする請求項1又は2記載のインゴット組立体。
【請求項4】
前記金属小塊の形状が、多角錘、或いは多角錘台であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のインゴット組立体。
【請求項5】
前記金属小塊が還元屑、或いは乾燥ダライであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のインゴット組立体。
【請求項6】
前記最下段から前記上方段の上面を経由して周回するようにバンド状締結部材が巻き回され、締結されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載のインゴット組立体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、溶解炉でインゴットを溶解する際、インゴットを溶解炉まで運搬し、溶解炉に投入するのに適したインゴット組立体である。
【背景技術】
【0002】
金属を溶解するための溶解炉は、図8に示す如く、予熱塔(71)に被溶解物(75)を投入し、予熱塔(71)の底部に設けた溶解バーナー(72)にて被溶解物(75)を下方から順次溶解し、溶湯保持室(73)に送り込む構造となっている。そして、溶湯保持室(73)から、隣接するウェルに、連通路(77)を介して溶湯(74)を汲み出し、ダイカストマシン(図示せず)に順次溶湯(74)を供給する。なお、(76)は溶湯(74)の温度を一定に保つための温度保持バーナーである。
【0003】
溶解炉に投入される被溶解物(75)としては、インゴットが挙げられる。また、インゴットの溶解炉への投入方法としては、運搬されてきた状態のままベルト・コンベア(78)に載せられ、そのまま溶解炉に投入される方法が挙げられる(例えば、下記特許文献1参照)。
【0004】
この時、インゴットは、図9に示したインゴット組立体(200)のような構造を有して、運搬されてくる。
インゴット組立体(200)は、インゴット(82)を平面状に複数本並べたもの(図9では7本)を、下の段のインゴット(82)と直交するように積み重ねた構造を有している。なお、(81)はインゴット(82)を支持するための脚塊、(83)はインゴット組立体(200)を締結するためのバンド状締結部材である。
【0005】
インゴット組立体(200)のような構造を有することにより、インゴットを安定して複数本まとめることができ、運搬効率を向上させることができる。しかしながら、インゴット組立体(200)を用いた場合、以下のような問題を有することとなる。
【0006】
まず、既存の設備を使用する場合、インゴット以外の金属塊を溶解炉に投入できないといった問題を挙げることができる。
【0007】
インゴット以外の金属塊で、溶解炉に投入することのできる金属塊としては、実際に使用している原料の切削粉スクラップである還元屑や、還元屑を乾燥させた乾燥ダライ等を挙げることができる。還元屑や乾燥ダライは、もともと原料であるため、これらを利用することは、原料のリサイクル化にもつながり、好ましい。
【0008】
しかしながら、インゴット組立体(200)を用いる場合、溶解炉へ運搬・投入をさらに効率よくするために、ベルト・コンベア(78)等も、インゴット組立体(200)を積載するのに適した大きさ・構造に設計されている。そのため、既存のベルト・コンベアは、インゴット組立体(200)を溶解炉に投入するためには好適ではあるが、他の形状の金属塊を溶解炉に投入するのには不適となる。つまり、インゴット以外の金属塊を溶解炉に投入することができない。
【0009】
また、溶解炉の溶解効率が低下するといった問題も挙げることができる。
溶解炉でインゴット組立体(200)を溶解する場合、溶解バーナー(72)の火焔(72a)は、予熱塔(71)の底部のインゴット組立体(200)を順次溶解した後、高温排ガスとなってインゴット組立体(200)の間を通って上昇し、予熱塔(71)の原料投入口(71a)から大気に放出しようとする。
【0010】
インゴット(82)を、インゴット組立体(200)のように組み立てた場合、隣接するインゴット(82)との間に隙間が生じてしまう。その結果、高温排ガスはさしたる抵抗もなく予熱塔を短時間で上昇通過し、大気放出される。この大気放出された高温排ガスの温度は高温であるが、大気に放出するまでの時間が短いため、インゴット組立体(200)を十分に予熱することなく大気放出されてしまう。そのため、溶解炉全体の熱効率が低下し、大きな熱ロスが生しる。
【0011】
【特許文献1】特開平06−307768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、既存の設備を利用して、溶解炉にインゴット以外の材料(例えば還元屑等)を投入することができ、且つ、燃焼効率も向上させることができるインゴット組立体を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係る発明は、平面状に配置された縦長一定形状のインゴットが複数段積み重ねられた略直方体のインゴット組立体であって、互いに平行に且つ隣接するように配置された複数本のインゴットからなる最下段と、該最下段の上に、互いに平行に且つ間隔を有して配置された一対のインゴットが井桁状に複数段積み重ねられた複数の上方段を有し、井桁状に組み立てられた該複数の上方段の内部空間に金属小塊が投入されていることを特徴とするインゴット組立体に関する。
【0014】
請求項2に係る発明は、前記複数の上方段の最上段における一対のインゴットの間が、該一対のインゴットと平行に配置されたインゴットにより敷き詰められていることを特徴とする請求項1記載のインゴット組立体に関する。
【0015】
請求項3に係る発明は、前記最下段が、該最下段のインゴットと直交するように間隔を有して配置された一対の脚塊上に積み重ねられていることを特徴とする請求項1又は2記載のインゴット組立体に関する。
【0016】
請求項4に係る発明は、前記金属小塊の形状が、多角錘、或いは多角錘台であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のインゴット組立体に関する。
【0017】
請求項5に係る発明は、前記金属小塊が還元屑、或いは乾燥ダライであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のインゴット組立体に関する。
【0018】
請求項6に係る発明は、前記最下段から前記上方段の上面を経由して周回するようにバンド状締結部材が巻き回され、締結されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載のインゴット組立体に関する。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明によれば、平面状に配置された、縦長一定形状のインゴットが複数段積み重ねられた略直方体のインゴット組立体であって、互いに平行に且つ隣接するように配置された複数本のインゴットからなる最下段と、最下段の上に、互いに平行に且つ間隔を有して配置された一対のインゴットが井桁状に複数段積み重ねられた複数の上方段を有し、井桁状に組み立てられた複数の上方段の内部空間に金属小塊が投入されていることにより、既存の設備を利用して、インゴット以外の金属小塊も溶解炉に投入することができる。
また、金属小塊の大きさを小さくする等により、溶解炉で溶解する際の高温排ガスの大気への放出を時間をかけて行うことができる。それにより、溶解炉の燃焼効率を向上させることができる。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、複数の上方段の最上段における一対のインゴットの間が、一対のインゴットと平行に配置されたインゴットにより敷き詰められていることにより、金属小塊がインゴット組立体の外部に落ちることを防ぐことができる。
【0021】
請求項3に係る発明によれば、最下段が、最下段のインゴットと直交するように間隔を有して配置された一対の脚塊上に積み重ねられていることにより、インゴット組立体をフォークリフト等により容易に運ぶことができる。
【0022】
請求項4に係る発明によれば、金属小塊の形状が、多角錘、或いは多角錘台であることにより、高温排ガスの大気への放出を、より時間をかけて行うことができる。そのため、溶解炉の燃焼効率をさらに向上させることができる。
【0023】
請求項5に係る発明によれば、金属小塊が還元屑、或いは乾燥ダライであることにより、原料のリサイクル化を図ることができる。
【0024】
請求項6に係る発明によれば、最下段から上方段の上面を経由して周回するようにバンド状締結部材が巻き回され、締結されていることにより、インゴット組立体を安定して保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係るインゴット組立体の実施例について説明する。但し、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0026】
図1は本発明の実施例に係るインゴット組立体(100)を示す斜視図であり、図2(a)は正面図(図1の矢印α方向から見た図)、(b)は側面図である。
インゴット組立体(100)は、間隔を有して配置された一対の脚塊(1)の上に形成される。
また、インゴット組立体(100)は、インゴット(2)を井桁状に順次積み重ねることで略直方体の箱状に組み立てたものに、金属小塊(3)を投入したものであり、本実施例では、インゴット(2)を20段積み重ねたものを示している。
ここで、インゴットとは、溶解した金属又は合金等を鋳型に流し込んで固めたものをいい、本実施例で用いられるインゴット(2)は、すべて同じ形状を有している。具体的には、断面が台形の縦長の四角柱である。
なお、便宜上、脚塊(1)上の最下段を1段目とし、最上段を20段目とする。そして、最下段より上の段を上方段(最上段を含む)と称す。また、k段目を構成するインゴット(2)をインゴット(2−k)とし、特に、20段目については、両端のインゴットをインゴット(2−20a)、その間のインゴットをインゴット(2−20b)とする。
【0027】
また、図3は金属小塊(3)が視認できるように、インゴット組立体(100)の最上段のインゴット(2−20b)を取り除いた斜視図、図4は四角錘台の金属小塊(3)を示す拡大概略図である。
以下、図1乃至4を用いて、本発明の実施例に係るインゴット組立体(100)について説明する。また、インゴット組立体(100)が投入される溶解炉としては、従来使用していた溶解炉を使用することができるため、溶解炉の説明には、図8を用いる。
【0028】
脚塊(1)は、インゴット組立体(100)を支持するものであり、インゴット組立体(100)の下に間隔を有して2本配置されている。脚塊(1)を有することにより、例えば、フォークリフトのフォーク部を最下段の下に容易に挿入することができ、運搬の際に好適な形態となる。
この時、脚塊(1)の間隔は、一対の脚塊(1)の外側端同士の間隔(L)が、脚塊(1)上に載せるインゴット(2)の長さと略同等であることが好ましい。これにより、脚塊(1)がインゴット組立体(100)の両端部を支持することになるため、インゴット組立体(100)を安定して支持することができる。
【0029】
1段目のインゴット(2−1)は、脚塊(1)上に、複数本(本実施例では7本)、脚塊(1)に対して井桁状に(2本の脚塊(1)を架橋するように)配置される。
また、複数本のインゴット(2−1)は、脚塊(1)の一端部から他端部までを敷き詰めるように、互いに隣接させて平行に配置される。これにより、1段目が、インゴット組立体(100)の底となる。
【0030】
上方段(2≦k≦20)は、各段が、互いに平行に、且つ間隔を有して配置された一対のインゴットにより構成されている。また、1つ下の段に対して直交するように、井桁状に積み重ねられている。
【0031】
また、最上段(k=20)では、一対のインゴット(2−20a)の間が、一対のインゴット(2−20a)と平行に配置された他のインゴット(2−20b)(本実施例では5本)により敷き詰められている。つまり、本実施例では、最上段のインゴット(2−20)は計7本となる。これにより、最上段のインゴット(2−20)は、インゴット組立体(100)の蓋としての機能も果たす。
最上段が、このように複数本配置されていることで、金属小塊(3)が運搬中にインゴット組立体(100)外部に落ちてしまうことを防ぐことができる。
【0032】
このように、インゴット(2)を井桁状に配置して組み立てることにより、インゴット(2)に囲まれた内部空間(A)を有する箱状の構造となる(図3参照)。
【0033】
そして、内部空間(A)には、金属小塊(3)が投入されている。
【0034】
このように、金属小塊(3)がインゴット(2)間の内部空間(A)に存在するため、外形上は、図9に示すような従来のインゴット組立体と同様の直方体形状となる。そのため、既存の設備(ベルト・コンベア等)を用いて、インゴット組立体(100)を溶解炉に投入することができる。
つまり、既存の設備を用いて、インゴット(2)とともに、インゴットと異なる形状を有する金属塊である金属小塊(3)も溶解炉に投入し、溶解することができる。
【0035】
金属小塊(3)としては、還元屑、乾燥ダライ等が挙げられる。還元屑や乾燥ダライは、原料屑であるため、これらを金属小塊(3)とすることで、原料のリサイクル化を図ることができ、コストの低減といった効果を奏することができる。
【0036】
さらに、還元屑等の金属小塊(3)において、個々の塊を小さいものとする等すれば、内部空間(A)における隙間を極めて小さく、密集した状態とすることができる。これにより、溶解炉の燃焼効率を向上させることができる。以下、燃焼効率の向上について詳しく説明する。
【0037】
インゴット組立体(100)を溶解するための溶解炉としては、図8に示す如く、予熱塔(71)の投入口(71a)から投入されて、予熱塔(71)の底部の溶解バーナー(72)により、インゴット組立体(100)を下方から順次溶解し、溶湯保持室(73)に送り込む構造が挙げられる。
【0038】
この時、インゴット組立体(100)は、金属小塊(3)を内部に有しているため、密集した状態とすることができる。そのため、予熱塔(71)底部の溶解バーナー(72)でインゴット組立体(100)を下方から順次溶解していく際、発生した高温排ガスは予熱塔内を時間をかけて上昇していくこととなる。それにより、インゴット組立体(100)を十分に予熱し、高温排ガス自体も完全燃焼する。そして、溶解バーナー(72)から噴出した火焔(72a)に含まれるCO、NOx、SOx等は金属小塊(3)間の隙間を通過中に完全に燃焼し、且つ予熱塔(71)の原料投入口(71a)から排出される排ガスは金属小塊(3)を十分予熱することで低温度になり、且つ略二酸化炭素だけで、NOx、SOxも非常に少ないクリーンなものとなる。その結果、燃料消費量を大幅に削減することができ、加えて、環境への悪影響も低減することができる。
【0039】
また、このような燃焼状態にあっては、溶解炉内部は還元状態に保たれ、且つ予熱塔(71)内をゆっくりと高温排ガスが上昇して予熱塔内を正圧に保つため、予熱塔(71)を通って外気が溶解炉内に侵入せず、予熱塔(71)内で予熱されているインゴット組立体(100)の酸化も防止される。
【0040】
また、金属小塊(3)としては多角錘、或いは多角錘台の金属塊も挙げることができる。図4は、金属小塊(3)に四角錘台の金属塊を用いた場合の拡大概略図であり、(a)が正面図、(b)が平面図である。図4に示す如く、金属小塊(3)を四角錘台とすることで、均一に且つ高密度で金属小塊(3)を充填することができることが分かる。これにより、溶解炉の燃焼効率をさらに向上させることができる。
なお、金属小塊(3)の形状は四角錐台に限られるわけではなく、三角錐や四角錐或いは三角錐台等でも、同様の効果を得ることができる。
【0041】
金属小塊(3)としては、アルミニウム、亜鉛、銅、若しくはこれらの合金等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0042】
また、インゴット組立体(100)は、バンド状締結部材(4)により、最下段から最上段の上面を経由して周回するように巻き回され、締結されている。バンド状締結部材(4)により、インゴット(2)が崩れないように安定して保持することができる。
具体的には、2本の脚塊(1)夫々について、長さ方向の一端部から最上段を周回して他端部までを巻き回して締結しているものが2本(図中の4a)、当該2本のバンド状締結部材(4a)と最上面で直交するように、最下段の両端のインゴット(2−1)夫々について、長さ方向の一端部から他端部までを最上段を周回して巻き回して締結しているものが2本(図中の4b)、計4本のバンド状締結部材(4)を用いて締結している。
バンド状締結部材(4)としては、PPバンド(ポリプロピレン製の梱包用バンド)やエステルバンド等が挙げられるが、これに限定されるわけではなく、また、締結の方法も本実施例に限定されるものではない。
【0043】
なお、本実施例では、インゴット組立体(100)を20段として説明したが、20段に限られるわけではなく、ベルト・コンベア等の重量制限や運搬作業効率等を考慮して決定すればよい。
【0044】
次いで、本発明に係るインゴット組立体(100)の組み立て方法について説明する。
図5乃至7は、本発明の実施例に係るインゴット組立体(100)の組み立て方法を説明するための図であり、組み立てを経時的に示した図である。
【0045】
まず、図5(a)に示す如く、脚塊(1)を2本、平行に、間隔を有して配置する。この時、脚塊(1)は、幅方向における外側端部間の間隔(L)が、インゴット(2)の長さと略同等となるように配置する。
これにより、脚塊(1)がインゴット組立体(100)の両端に配置され、インゴット組立体(100)を安定して支持することができる。
【0046】
次いで、図5(b)に示す如く、一対の脚塊(1)上に、脚塊(1)と直交するようにインゴット(2−1)を配置する。この時、インゴット(2−1)は、脚塊(1)の長さ方向一端部から他端部まで、互いに平行に且つ隣接するように配置する。
このインゴット(2−1)が、インゴット組立体(100)の最下段となる。
【0047】
そして、図5(c)に示す如く、2段目として、最下段上に、一対のインゴット(2−2)を、最下段のインゴット(2−1)と直交するように、且つ最下段の両端部に配置する。
3段目としては、2段目上に、一対のインゴット(2−3)を2段目のインゴット(2−2)と直交するように、且つインゴット(2−2)の両端部に配置する(図6(a)参照)。
【0048】
このように、インゴット(2)を井桁状に積み重ねていく。そして、目的の段数(本実施例では20段)まで積み重ねる。
図6(b)は、インゴット(2)を20段目まで積み重ねた後に、バンド状締結部材(4a)を、脚塊(1)から最上段のインゴット(2−20)の上面を経由して周回するように巻き回し、締結した図である。図6(b)に示す如く、インゴット(2)が、最下段を底とした、内部空間(A)を有する箱状となる。
【0049】
その後、図7(a)に示す如く、金属小塊(3)を、内部空間(A)の最上段のインゴット(2−20)の下面まで投入する。
この時、インゴット(2)がバンド状締結部材(4a)で締結されているため、金属小塊(3)を投入するときの衝撃等で、インゴット(2)が崩れたりすることを防ぐことができる。
【0050】
そして、一対のインゴット(2−20a)の間を、他のインゴット(2−20b)により敷き詰めることにより蓋をする。最後に、図7(b)に示す如く、図6(b)で締結したバンド状締結部材(4a)と最上面で直行するように、最下段の両端のインゴット(2−1)夫々について、長さ方向の一端部から他端部までを最上段を周回してバンド状締結部材(4b)で巻き回して締結することで、インゴット組立体(100)が完成する。
【0051】
このように組み立てたインゴット組立体(100)は、外形上、従来のインゴット組立体(図9参照)と同様の直方体であるため、既存の設備を使用して溶解炉に投入することができる。それにより、インゴット(2)だけでなく、インゴット(2)と異なる形状を有する金属塊である金属小塊(3)も溶解炉に投入することができる。
【0052】
また、内部空間(A)に金属小塊(3)が投入されていることにより、内部空間(A)内の隙間を小さくすることができる。そのため、溶解炉により溶解する際、高温排ガスがインゴット組立体(100)内をゆっくりと上昇するので、インゴット組立体(100)を十分に予熱し、高温排ガス自体も完全燃焼する。それにより、溶解炉の燃料効率を向上させることができる。
【0053】
なお、最終段にインゴット(2−20a)を2本積み重ねた後(図6(b)の時点)、インゴット組立体の蓋となるインゴット(2−20b)5本と合わせて重量を計測しておくことが好ましい。これにより、後に金属小塊(3)を入れたとき(図7(b)の時点)の全体を重量を計測し、予め計測した金属小塊(3)投入前の重量を減算することにより、金属小塊(3)の重量のみを求めることができるからである。金属小塊(3)の重量が分かることにより、燃焼効率等を容易に計算することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係るインゴット組立体は、インゴットを溶解するために、溶解炉に投入する場合に好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例に係るインゴット組立体を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係るインゴット組立体を示す図であり、(a)が正面図、(b)が側面図である
【図3】本発明の実施例にかかるインゴット組立体の金属小塊を示すための斜視図である。
【図4】四角錘台の金属小塊を示す拡大概略図である。
【図5】本発明の実施例に係るインゴット組立体の組立方法を経時的に示した図である。
【図6】本発明の実施例に係るインゴット組立体の組立方法を経時的に示した図であり、図5の続きを示す。
【図7】本発明の実施例に係るインゴット組立体の組立方法を経時的に示した図であり、図6の続きを示す。
【図8】溶解炉を示す図である。
【図9】従来のインゴット組立体を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1 脚塊
2 インゴット
3 金属小塊
4 バンド状締結部材
100 インゴット組立体
【出願人】 【識別番号】500548839
【氏名又は名称】アサヒセイレン株式会社
【出願日】 平成18年9月15日(2006.9.15)
【代理人】 【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博


【公開番号】 特開2008−69441(P2008−69441A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−251668(P2006−251668)