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【発明の名称】 インジウムの回収方法
【発明者】 【氏名】秋林雅克

【氏名】志賀和治

【氏名】堀井秀樹

【氏名】山本久雄

【氏名】吉岡 明

【要約】 【課題】インジウム溶液からセメンテーションによって金属インジウムを回収する方法において、セメントテーションが円滑に進行して安定にスポンジインジウムを析出させることができるインジウムの回収方法を提供する。

【構成】インジウム溶解液に亜鉛を添加して金属インジウムを析出させた後に、さらに亜鉛に代えてアルミニウムを添加して金属インジウムを析出させることを特徴とするインジウムの回収方法であり、好ましくは、亜鉛置換によってインジウムイオン濃度が1g/L未満になるまで金属インジウムを析出させ、その後、アルミニウム置換によってインジウムイオン濃度が10mg/L未満になるまで金属インジウムを析出させ、さらに好ましくは、液中にインジウムイオンと水酸化インジウムを共存させて亜鉛置換を行うインジウムの回収方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インジウム含有物を酸浸出して得たインジウム溶解液にインジウムよりも卑な金属を添加して金属インジウムを析出させる方法において、液中に亜鉛を添加して金属インジウムを析出させた後に、さらに亜鉛に代えてアルミニウムを添加して金属インジウムを析出させることを特徴とするインジウムの回収方法。
【請求項2】
請求項1の方法において、先ず液中に亜鉛を添加してインジウムイオン濃度が1g/L未満になるまで金属インジウムを析出させ、その後、亜鉛に代えてアルミニウムを液中に添加し、インジウムイオン濃度が10mg/L未満になるまで金属インジウムを析出させるインジウムの回収方法。
【請求項3】
請求項1または2の方法において、液中にインジウムイオンと水酸化インジウムを共存させ、先ず液中に亜鉛を添加してインジウムイオン濃度が1g/L未満になるまで金属インジウムを析出させ、その後、亜鉛に代えてアルミニウムを液中に添加し、インジウムイオン濃度が10mg/L未満にまるまで金属インジウムを析出させるインジウムの回収方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載する方法において、塩化インジウム溶液を用い、該溶液のpHを2.5〜3.5に調整して水酸化インジウムを生成させ、インジウムイオン初期濃度60〜85g/L、初期の水酸化インジウム量(In換算)5〜60g/L(合計インジウム濃度90〜120g/L)の濃度範囲で、塩化インジウム溶液に亜鉛板を浸漬して、液中のインジウムイオン濃度が1g/L未満になるまで金属インジウムを析出させ、その後、塩化インジウム溶液のpHを0.5未満に調整し、亜鉛板に代えてアルミニウム板を液中に添加し、液中のインジウムイオン濃度が10mg/L未満にまるまで金属インジウムを析出させるインジウムの回収方法。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、インジウム含有物を酸浸出して得たインジウム溶解液、例えば、塩化インジウム溶液、からスポンジ状の金属インジウムを効率よく析出させるインジウムを回収する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インジウム−錫酸化物(ITO)薄膜が半導体材料として広く使用されており、この薄膜は一般にスパッタリング法によって形成されている。このスパッタリングのターゲット材としてITO高密度焼結体が用いられており、使用済みターゲット材として多量のITOスクラップが生じている。ITO焼結には高純度の材料が使用されており、価格も高いので、このようなスクラップ材からインジウムを回収することが行われている。このインジウム回収方法として、ITOスクラップを塩酸に溶解し、該溶解液に水酸化ナトリウムを添加して液中のスズを水酸化スズ沈澱にして分離した後に、インジウムを回収する方法が知られている(特許文献1、2、3)。
【0003】
従来の上記インジウム回収方法は、電解採取によって金属インジウムを回収する方法と、置換析出によってスポンジインジウムを回収する方法とが知られている。電解採取法は、液中のスズを水酸化スズ沈澱にして分離した塩化インジウム液のpHを調整して水酸化インジウムを沈澱させ、これを濾過回収して硫酸に溶解し、この硫酸インジウム溶液を電解して金属インジウムを採取する方法であり、塩化インジウム溶液のpHを中性(pH5〜6)に調整して水酸化インジウムを沈澱させる方法(特許文献1)、塩化インジウム溶液のpHをアルカリ性(pH7〜9)に調整して水酸化インジウムを凝集させて沈澱させる方法(特許文献2)が知られている。一方、スポンジインジウムの回収方法は、水酸化スズを除去した塩化インジウム溶液に亜鉛を添加してスポンジ状の金属インジウムを置換析出させる方法である(特許文献3)。
【0004】
従来の上記インジウム回収方法において、水酸化インジウムを沈澱させて濾別する方法はこの沈澱の濾過性が悪く、また回収した水酸化インジウムを硫酸に溶解して電解する工程が続き、処理工程が煩雑である。
【0005】
一方、置換析出によってスポンジインジウムを析出させる従来のインジウム回収方法は、インジウム含有物を酸浸出したインジウム溶解液について、pHを1.5〜2.5に調整して水酸化インジウム沈澱が生じないようにし、亜鉛末を添加してスポンジ状の金属インジウムを析出させる方法(特許文献4)、pHを0.5〜1.5に調整してアルミニウム板を浸漬し、スポンジ状の金属インジウムを析出させる方法(特許文献5)が知られている。
【0006】
しかし、従来の置換析出法は何れも液中のインジウム濃度が高いと円滑に反応が進まないと云う問題がある。すなわち、亜鉛置換を行う従来法は、インジウム濃度が100g/L以上では、亜鉛板の表面に薄いインジウム膜が生じて亜鉛の溶出が妨げられ、亜鉛とインジウムの置換反応の阻害されるため、セメンテーションが進行しなくなる。また、アルミニウム置換では、インジウム濃度が高いと反応が激しく、アルミニウム片がスポンジインジウムに巻き込まれるので、不純物の少ない金属インジウムを得ることができないと云う問題がある。
【特許文献1】特開2002−69684号公報
【特許文献2】特開2002−201025号公報
【特許文献3】特開2002−69544号公報
【特許文献4】特開平11−269570号公報
【特許文献5】特開平09−268334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、スポンジインジウムを回収する方法において、従来の上記問題を解決したものであり、液中のインジウムイオン濃度に応じて亜鉛置換とアルミニウム置換を切り替えることによって、高濃度のインジウム溶解液を出発原料として短時間で効率よくスポンジ状の金属インジウムを回収する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、以下の構成によって上記課題を解決したインジウムの回収方法が提供される。
(1)インジウム含有物を酸浸出して得たインジウム溶解液にインジウムよりも卑な金属を添加して金属インジウムを析出させる方法において、液中に亜鉛を添加して金属インジウムを析出させた後に、さらに亜鉛に代えてアルミニウムを添加して金属インジウムを析出させることを特徴とするインジウムの回収方法。
(2)上記(1)の方法において、先ず液中に亜鉛を添加してインジウムイオン濃度が1g/L未満になるまで金属インジウムを析出させ、その後、亜鉛に代えてアルミニウムを液中に添加し、インジウムイオン濃度が10mg/L未満になるまで金属インジウムを析出させるインジウムの回収方法。
(3)上記(1)または上記(2)の方法において、液中にインジウムイオンと水酸化インジウムを共存させ、先ず液中に亜鉛を添加してインジウムイオン濃度が1g/L未満になるまで金属インジウムを析出させ、その後、亜鉛に代えてアルミニウムを液中に添加し、インジウムイオン濃度が10mg/L未満にまるまで金属インジウムを析出させるインジウムの回収方法。
(4)上記(1)〜上記(3)の何れかに記載する方法において、塩化インジウム溶液を用い、該溶液のpHを2.5〜3.5に調整して水酸化インジウムを生成させ、インジウムイオン初期濃度60〜85g/L、初期の水酸化インジウム量(In換算)5〜60g/L(合計インジウム濃度90〜120g/L)の濃度範囲で、塩化インジウム溶液に亜鉛板を浸漬して、液中のインジウムイオン濃度が1g/L未満になるまで金属インジウムを析出させ、その後、塩化インジウム溶液のpHを0.5未満に調整し、亜鉛板に代えてアルミニウム板を液中に添加し、液中のインジウムイオン濃度が10mg/L未満にまるまで金属インジウムを析出させるインジウムの回収方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の方法は、金属インジウムの置換析出において、液中に亜鉛を添加して金属インジウムを析出させた後に、さらに亜鉛に代えてアルミニウムを添加して金属インジウムを析出させる亜鉛置換とアルミニウム置換の二段置換を行うことによって、液中のインジウムイオン濃度に応じて比較的短時間で効率よくスポンジ金属インジウムを析出させることができる。
【0010】
具体的には、例えば、先ず液中に亜鉛を添加してインジウムイオン濃度が1g/L未満になるまで亜鉛によるセメンテーションを進め、その後、亜鉛に代えてアルミニウムを液中に添加し、インジウム濃度が低下した後半ではインジウムイオン濃度が10mg/L未満になるまでアルミニウムによるセメンテーションを行うことによって、前半の亜鉛置換工程において高濃度域での金属インジウムの析出を迅速に進め、後半のアルミニウム置換工程において低濃度域での金属インジウムの析出を安定に進めることができる。
【0011】
本発明の方法は、液中にインジウムイオンと水酸化インジウムを共存させた状態で金属インジウムを析出させる方法と組み合わせて実施することができる。具体的には、インジウム溶解液のpHを調整して液中のインジウムイオンの一部を水酸化インジウムにし、液中にインジウムイオンと水酸化インジウムが共存した状態で、先ず液中に亜鉛を添加してインジウムイオン濃度が1g/L未満になるまで金属インジウムを析出させ、その後、亜鉛に代えてアルミニウムを液中に添加し、インジウムイオン濃度が10mg/L未満にまるまで金属インジウムを析出させる。この方法によれば、前半の亜鉛置換において、液中のインジウムイオン濃度をセメンテーションに適した範囲に保持しながら溶液全体のインジウム濃度を高くすることができ、亜鉛板の不溶化を防止して安定にインジウムを析出させることができる。
【0012】
本発明の方法によって回収したスポンジ状の金属インジウムには、前半の亜鉛置換工程での水酸化インジウムおよび水酸化亜鉛は殆ど含まれておらず、また、後半のアルミニウム置換工程においても、アルミニウムの巻き込みが少なく、不純物の少ない金属インジウムを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施例と共に具体的に説明する。
本発明の方法は、インジウム含有物を酸浸出して得たインジウム溶解液にインジウムよりも卑な金属を添加して金属インジウムを析出させる方法において、液中に亜鉛を添加して金属インジウムを析出させた後に、さらに亜鉛に代えてアルミニウムを添加して金属インジウムを析出させることを特徴とするインジウムの回収方法である。
【0014】
インジウム溶解液は、インジウム含有物を硫酸、塩酸、硝酸などに溶解したものであり、例えば、ITOスクラップを塩酸に溶解し、液中のズスを水酸化スズ沈澱などにして濾過分離した溶液である。具体的には、ITOスクラップを加熱下で塩酸に溶解する。この溶解液にアルカリ(水酸化ナトリウム等)を添加してpH1.5〜2.5に調整して水酸化スズ沈澱を生成させ、固液分離して水酸化スズ沈澱を除去して得ることができる。以下、塩化インジウム溶液を例にして説明する。
【0015】
本発明の方法は、例えば、塩化インジウム溶液について、先ず液中に亜鉛を添加してインジウムイオン濃度が1g/L未満になるまで金属インジウムを析出させ、その後、亜鉛に代えてアルミニウムを液中に添加し、インジウムイオン濃度が10mg/L未満になるまで金属インジウムを析出させる。
【0016】
前半のインジウム濃度が高い段階でアルミニウム置換を行うと、反応が激しいためアルミニウムが析出したスポンジ状の金属インジウムに巻き込まれて不純物が多くなる。先ず亜鉛置換を行い、インジウムイオン濃度が1g/L未満になるまで金属インジウムを析出させ、その後に亜鉛置換からアルミニウム置換に切り替えることによって、金属インジウムの析出を安定に進めることができる。アルミニウム置換はインジウムイオン濃度が10mg/L未満になるまで行うと良い。なお、このインジウムイオン濃度になるまで亜鉛置換を行うと、亜鉛はアルミニウムよりもイオン化傾向が小さく、置換反応が遅いので析出時間がかなり長くかかり、実用的ではない。
【0017】
本発明の方法では、好ましくは、塩化インジウム溶液に水酸化ナトリウム等のアルカリを添加して該溶液のpHを2.5〜3.5に調整して水酸化インジウムを生成させる。このpHが2.5より低いと水酸化インジウム沈澱が十分に生成しない。またこのpHが3.5より高いとインジウムイオンの多くが水酸化インジウム沈澱となり、液中のインジウムイオン濃度が低くなり過ぎる。上記pH範囲の液性下で、インジウムイオンと水酸化インジウムが共存した状態で前半の亜鉛によるセメンテーションを行う。
【0018】
塩化インジウム溶液に亜鉛板を浸漬してセメンテーションを行う場合、インジウムイオンの初期濃度は70g/L前後の範囲が好ましい。インジウムイオンの初期濃度がこれより高いと、例えば150g/L程度で、亜鉛板の表面に薄いインジウム膜が生成して亜鉛の溶出が妨げられ、亜鉛とインジウムの置換反応の阻害されるため、セメンテーションが進行しなくなる。一方、液中のインジウムイオン濃度が上記初期濃度より大幅に低いと金属インジウムの析出に時間がかかり、効率が低下する。
【0019】
また、金属インジウムの析出が進行すると液中のインジウムイオン濃度が次第に減少するので、インジウムイオンの初期濃度が70g/L前後の範囲でセメンテーションを行う場合、インジウムイオンを補充せずに十分な量の金属インジウムを得るには、初期の液量を多く必要とし、最終工程でのインジウムロスが多くなる。
【0020】
本発明の回収方法は、塩化インジウム溶液のpHを2.5〜3.5調整して水酸化インジウムを生成させ、液中にインジウムイオンと水酸化インジウムを共存させた状態で金属インジウムを析出させるので、水酸化インジウムを含めた溶液全体のインジウム濃度を高くしながら、しかも液中のインジウムイオン濃度をセメンテーションに適した濃度範囲に保持してセメンテーションを行うことができるので、亜鉛板の不溶化を防止して安定にインジウムを析出させることができる。
【0021】
具体的には、セメンテーションに用いる塩化インジウム溶液のインジウム初期濃度は、インジウムイオン濃度60〜100g/L、好ましくは60〜85g/Lの範囲、液中の水酸化インジウム量(In換算)5〜60g/Lの範囲、従って合計のインジウム濃度90〜120g/Lの範囲であるのが好ましい。この濃度範囲の塩化インジウム溶液に亜鉛板を浸漬してインジウムと亜鉛の置換反応を行わせる。置換反応が進行して液中のインジウムイオン濃度が減少すると、液中の水酸化インジウムが溶解してインジウムイオンを液中に供給し、インジウムイオン濃度の平衡が保たれる。
【0022】
なお、セメンテーションを行うpH範囲下(pH2.5〜3.5)では、液中に溶出した亜鉛イオンが水酸基と結合して水酸化亜鉛を生じる反応は進行しないので、回収したスポンジ状の金属インジウムには水酸化亜鉛が含まれない。
【0023】
塩化インジウム溶液に水酸化ナトリウム等を添加してpHを上記範囲に調整することによって水酸化インジウムが生成して液が白濁する。これに亜鉛板を浸漬すると置換反応が進行し、スポンジ状の金属インジウムが析出して容器の底に溜まり、一方、インジウムイオンが置換反応に消費されるに従って、液中の水酸化インジウムは化学平衡から解離して次第に溶液が透明になる。水酸化インジウムは全量消費され、亜鉛イオンは水酸化亜鉛を生じないので、析出した金属インジウムには水酸化インジウムおよび水酸化亜鉛は含まれない。
【0024】
以上のように、塩化インジウム溶液のpHを調整して水酸化インジウムを生成させ、インジウムイオン初期濃度および水酸化インジウム量を上記範囲に調整して、塩化インジウム溶液に亜鉛板を浸漬し、液中のインジウムイオン濃度が1g/Lになるまで金属インジウムを析出させる。この状態では水酸化インジウムはほぼ全量消費されている。
【0025】
亜鉛置換の後、塩化インジウム溶液のpHを0.5未満に調整し、亜鉛板に代えてアルミニウム板を液中に添加し、液中のインジウムイオン濃度が10mg/L未満にまるまで金属インジウムを析出させる。このアルミニウム置換工程では、塩化インジウム溶液のpHを0.5未満に調整する。pHが0.5より高いとセメンテーションに時間が掛かり過ぎ工業的でない。このことは液中のインジウムが低濃度域で顕著である。
【0026】
アルミニウム置換は比較的短時間で液中のインジウムイオン濃度が10mg/L未満になるまで進行するので、亜鉛置換からアルミニウム置換に切り替えることによってインジウムの回収率を高めることができる。一方、インジウムイオン濃度が高い段階からアルミニウム置換を行うと、置換反応が激しいため、析出するスポンジ状金属インジウムに取り込まれるアルミニウム量が多くなるので好ましくない。このアルミニウム含有量が1%を上回ると、次工程のアルカリ溶融において、爆発を生じる虞がある。
【0027】
回収した金属インジウムは、次のアルカリ溶融工程において、金属インジウムと苛性ソーダを混合して加熱溶融し、金属インジウム中の不純物を苛性ソーダ相に移行させて、99.9%以上のインジウムを回収する。このアルカリ溶融で、金属インジウムにアルミニウムが約1%以上含まれていると、苛性ソーダとアルミニウムからアルミン酸ソーダが生成し、溶融物の粘性を高くする。もともとこの溶融物には揮発性不純物も含まれており、これは溶融時に少しづつガスとして抜けていく。ところが、溶融物の粘性が高いとガス抜きがその内圧で抑えられ、これが限界を超えると一気にガス抜きが噴出して、いわゆる爆発を生じる。この対応としては使用する苛性ソーダ量を極端に増量するか、インジウム量を減量しなければならず、工業的ではない。従って、アルミニウム置換によって回収される金属インジウム中には出来るだけアルミニウム含有量が少ないことが好ましい。本発明の方法によれば、最初に亜鉛置換を進め、その後にアルミニウム置換に切り替えることによって、アルミニウム含有量が1%以下の金属インジウムを得ることができる。
【実施例】
【0028】
本発明の実施例を比較例と共に以下に示す。
〔実施例1〕
塩化インジウム溶液6500リットルに水酸化ナトリウムを添加し、pH2.8にして水酸化インジウムを生成させ、液中の水酸化インジウム量(In換算)25g/L、遊離のインジウムイオン量69g/L(合計インジウム濃度94g/L)の白濁溶液とした。この溶液に上記pH下で亜鉛板(面積1200cm2)を複数枚浸漬し、72時間放置したところ透明溶液となり、容器底部に沈殿物が堆積した。溶液のインジウムイオン濃度は0.8g/Lであった。これを濾過して沈澱物を回収した後に、亜鉛板に代えてアルミニウム板を濾液に浸漬し、溶液のインジウムイオン濃度が7mg/Lになるまで放置し、容器底部に堆積した沈殿物を脱水回収した。これらの堆積物を脱水乾燥してスポンジ状の金属インジウム611Kgを得た。この金属インジウムに含まれる水酸化インジウムおよび水酸化亜鉛は検出限界以下であり、アルミニウムは0.3%であった。この結果を表1に示した。
【0029】
〔実施例2、比較例1、2〕
塩化インジウム溶液のpHを表1に示す値に調整した以外は実施例1と同様にしてスポンジ状の金属インジウムを得た。この結果を表1に示した。
【0030】
表1に示すように、本発明の実施例1〜2は金属インジウムの回収量が多く、回収した金属インジウムに含まれる不純物も少ない。一方、比較例1はインジウム回収率が実施例に比べて約1%低い。比較例2は当初置換反応が激しく、アルミニウム板から再三スポンジ状の金属インジウムを剥離する必要があった。また、回収金属インジウム中にアルミニウム片が点在し、平均濃度でアルミニウムを1.2%含まれていた。
【0031】
【表1】


【出願人】 【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
【出願日】 平成18年8月31日(2006.8.31)
【代理人】 【識別番号】100088719
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 博史


【公開番号】 特開2008−56999(P2008−56999A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−235774(P2006−235774)