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【発明の名称】 高強度金属部材及びその製造方法
【発明者】 【氏名】藤田 悦則

【氏名】高田 康秀

【氏名】我田 茂樹

【氏名】李木 経孝

【要約】 【課題】炭素含有量の少ない低炭素金属部材の強度を上げる。

【構成】本発明では、低炭素金属部材にプレス成形を施し、その後、当該プレス成形により歪みを与えた部位に熱処理を施す。これにより、低炭素金属部材、中でも、炭素含有量0.10重量%未満、さらには、炭素含有量0.05重量%未満、0.035重量%未満の低炭素金属部材であっても、強度が向上し、熱処理前の強度の1.4〜4倍程度になったプレス成形品が得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低炭素金属部材に、冷間で、加工前よりも内部応力を高める加工処理を施してなると共に、熱処理を施してなり、熱処理後の強度が、熱処理前の強度の1.4〜4倍の範囲である高強度金属部材。
【請求項2】
前記低炭素金属部材が、冷間圧延鋼板又は熱間圧延鋼板である請求項1記載の高強度金属部材。
【請求項3】
前記低炭素金属部材は、厚さ2.6mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の高強度金属部材。
【請求項4】
前記低炭素金属部材は、厚さ1.2mm以下であることを特徴とする請求項3記載の高強度金属部材。
【請求項5】
前記低炭素金属部材の熱処理を施した部位の炭素含有量が0.10重量%未満である請求項1〜4のいずれか1に記載の高強度金属部材。
【請求項6】
前記炭素含有量が0.05重量%未満である請求項5記載の高強度金属部材。
【請求項7】
前記炭素含有量が0.035重量%未満である請求項6記載の高強度金属部材。
【請求項8】
前記内部応力を高める加工処理により、断面係数の高い部位が形成されており、前記熱処理を施して強度を高める部位が、該断面係数の高い部位に隣接した部位である請求項1記載の高強度金属部材。
【請求項9】
前記内部応力を高める加工処理がプレス成形又はロール成形である請求項1又は8記載の高強度金属部材。
【請求項10】
自動車用の部品である請求項1〜9のいずれか1に記載の高強度金属部材。
【請求項11】
低炭素金属部材に、冷間で、加工前よりも内部応力を高める加工処理を施した後、熱処理を施すことを特徴とする高強度金属部材の製造方法。
【請求項12】
前記低炭素金属部材が、冷間圧延鋼板又は熱間圧延鋼板である請求項11記載の高強度金属部材の製造方法。
【請求項13】
前記低炭素金属部材は、厚さ2.6mm以下であることを特徴とする請求項11又は12記載の高強度金属部材。
【請求項14】
前記低炭素金属部材は、厚さ1.2mm以下であることを特徴とする請求項13記載の高強度金属部材。
【請求項15】
前記低炭素金属部材の熱処理を施した部位の炭素含有量が0.10重量%未満である請求項13又は14記載の高強度金属部材の製造方法。
【請求項16】
前記炭素含有量が0.05重量%未満である請求項15記載の高強度金属部材の製造方法。
【請求項17】
前記炭素含有量が0.035重量%未満である請求項16記載の高強度金属部材の製造方法。
【請求項18】
前記内部応力を高める加工処理により、断面係数の高い部位を形成し、該断面係数の高い部位に隣接した部位に前記熱処理を施すことを特徴とする請求項13〜17のいずれか1に記載の高強度金属部材の製造方法。
【請求項19】
前記内部応力を高める加工処理がプレス成形又はロール成形である請求項13又は18記載の高強度金属部材の製造方法。
【請求項20】
前記熱処理工程では、誘導加熱により焼き入れすることを特徴とする請求項13〜19のいずれか1に記載の高強度金属部材の製造方法。
【請求項21】
前記熱処理工程では、前記内部応力を高める加工処理を施した低炭素金属部材を、誘導加熱部に対して相対的に所定の移動速度で移動させながら加熱した後、急冷する工程を備えることを特徴とする請求項13〜20のいずれか1に記載の高強度金属部材の製造方法。
【請求項22】
前記熱処理工程では、移動速度が、5〜30mm/secの範囲に設定されていることを特徴とする請求項21記載の高強度金属部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、高強度金属部材及びその製造方法に関し、特に、低炭素金属部材を用いた高強度金属部材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1〜3には、冷間でプレス成形を行った後に、焼き入れ処理を行い、それにより、鋼材の強度を上げる技術が開示されている。
【特許文献1】特表2005−539145号公報
【特許文献2】特開2003−239018号公報
【特許文献3】特開平5−65531号公報
【特許文献4】特開平4−72010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、鋼材に熱処理を施すことにより、結晶粒が微細化し、それにより、鋼材の強度が向上することは一般に知られている。また、このときの結晶粒の微細化を促すためには、鋼材に含まれる炭素含有量が0.10重量%以上でなければならないことも、よく知られている。それよりも少ないと、結晶粒の微細化現象が生じにくく、熱処理しても鋼材の強度は、ほとんど向上しないか、逆に、結晶粒が粗大化して強度の低下を招く。このため、特許文献1では、0.18〜0.28重量%、特許文献3では、0.10〜0.30重量%というように、いずれも炭素含有量は、0.10重量%以上の数値となっている。
【0004】
一方、特許文献4は、プレス成形前に、従来一般に行われている焼き入れ処理、すなわち、誘導加熱部(コイル)もワークも動かさずに行う焼き入れ処理を施し、その後プレス成形する技術であるが、該特許文献4には、炭素含有量0.05重量%と0.03重量%の鋼材の試験片(プレス成形前)を焼き入れした実験結果が第10図及び第11図に掲載されている。第10図では引張強度を比較しているが、炭素含有量0.05重量%の試験片は、焼き入れ処理をしていない部分に対し、焼き入れ処理した部分の引張強度が10〜20%程度上がっている。これに対し、炭素含有量0.03重量%の試験片は、焼き入れ処理していない部分と焼き入れ処理した部分との引張強度の差がほとんどない。第11図の最大荷重についても同様のことが言え、炭素含有量0.05重量%の試験片では、焼き入れ処理により10〜20%程度強度が上がっているのに対し、炭素含有量0.03重量%の試験片では、焼き入れ処理していない部分と焼き入れ処理した部分とで大きな差異はない。
【0005】
以上のことから明らかなように、炭素含有量0.10重量%未満の鋼材について強度を上げることを目的として熱処理することは、現在実施されているとはいえない。特許文献4においては、確かに、0.10重量%未満の、炭素含有量0.05重量%の鋼材が、10〜20%程度の強度向上を示す旨が示されているが、炭素含有量が少ないため、炭素含有量0.10重量%以上のものと比較すれば、強度の変化率は低い。炭素含有量0.03重量%のものに至っては、熱処理しても、強度がほとんど変化しないデータしか示されていない。
【0006】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、炭素含有量の少ない低炭素金属部材、中でも、炭素含有量0.10重量%未満の低炭素金属部材、さらには、炭素含有量0.05重量%未満、0.035重量%未満の低炭素金属部材であっても、熱処理により熱処理前と比較して強度が向上した高強度金属部材及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1記載の本発明では、低炭素金属部材に、冷間で、加工前よりも内部応力を高める加工処理を施してなると共に、熱処理を施してなり、熱処理後の強度が、熱処理前の強度の1.4〜4倍の範囲である高強度金属部材を提供する。
請求項2記載の本発明では、前記低炭素金属部材が、冷間圧延鋼板又は熱間圧延鋼板である請求項1記載の高強度金属部材を提供する。
請求項3記載の本発明では、前記低炭素金属部材は、厚さ2.6mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の高強度金属部材を提供する。
請求項4記載の本発明では、前記低炭素金属部材は、厚さ1.2mm以下であることを特徴とする請求項3記載の高強度金属部材を提供する。
請求項5記載の本発明では、前記低炭素金属部材の熱処理を施した部位の炭素含有量が0.10重量%未満である請求項1〜4のいずれか1に記載の高強度金属部材を提供する。
請求項6記載の本発明では、前記炭素含有量が0.05重量%未満である請求項5記載の高強度金属部材を提供する。
請求項7記載の本発明では、前記炭素含有量が0.035重量%未満である請求項6記載の高強度金属部材を提供する。
請求項8記載の本発明では、前記内部応力を高める加工処理により、断面係数の高い部位が形成されており、前記熱処理を施して強度を高める部位が、該断面係数の高い部位に隣接した部位である請求項1記載の高強度金属部材を提供する。
請求項9記載の本発明では、前記内部応力を高める加工処理がプレス成形又はロール成形である請求項1又は8記載の高強度金属部材を提供する。
請求項10記載の本発明では、自動車用の部品である請求項1〜9のいずれか1に記載の高強度金属部材を提供する。
請求項11記載の本発明では、低炭素金属部材に、冷間で、加工前よりも内部応力を高める加工処理を施した後、熱処理を施すことを特徴とする高強度金属部材の製造方法を提供する。
請求項12記載の本発明では、前記低炭素金属部材が、冷間圧延鋼板又は熱間圧延鋼板である請求項11記載の高強度金属部材の製造方法を提供する。
請求項13記載の本発明では、前記低炭素金属部材は、厚さ2.6mm以下であることを特徴とする請求項11又は12記載の高強度金属部材を提供する。
請求項14記載の本発明では、前記低炭素金属部材は、厚さ1.2mm以下であることを特徴とする請求項13記載の高強度金属部材を提供する。
請求項15記載の本発明では、前記低炭素金属部材の熱処理を施した部位の炭素含有量が0.10重量%未満である請求項13又は14記載の高強度金属部材の製造方法を提供する。
請求項16記載の本発明では、前記炭素含有量が0.05重量%未満である請求項15記載の高強度金属部材の製造方法を提供する。
請求項17記載の本発明では、前記炭素含有量が0.035重量%未満である請求項16記載の高強度金属部材の製造方法を提供する。
請求項18記載の本発明では、前記内部応力を高める加工処理により、断面係数の高い部位を形成し、該断面係数の高い部位に隣接した部位に前記熱処理を施すことを特徴とする請求項13〜17のいずれか1に記載の高強度金属部材の製造方法を提供する。
請求項19記載の本発明では、前記内部応力を高める加工処理がプレス成形又はロール成形である請求項13又は18記載の高強度金属部材の製造方法を提供する。
請求項20記載の本発明では、前記熱処理工程では、誘導加熱により焼き入れすることを特徴とする請求項13〜19のいずれか1に記載の高強度金属部材の製造方法を提供する。
請求項21記載の本発明では、前記熱処理工程では、前記内部応力を高める加工処理を施した低炭素金属部材を、誘導加熱部に対して相対的に所定の移動速度で移動させながら加熱した後、急冷する工程を備えることを特徴とする請求項13〜20のいずれか1に記載の高強度金属部材の製造方法を提供する。
請求項22記載の本発明では、前記熱処理工程では、移動速度が、5〜30mm/secの範囲に設定されていることを特徴とする請求項21記載の高強度金属部材の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、低炭素金属部材に、プレス成形などの内部応力を高める加工処理を施し、その後、熱処理を施す。これにより、低炭素金属部材、中でも、炭素含有量0.10重量%未満、さらには、炭素含有量0.05重量%未満、0.035重量%未満の低炭素金属部材であっても、強度が向上し、熱処理前の強度の1.4〜4倍程度になった高強度金属部材が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明で用いる低炭素金属部材としては、自動車のボディーなどに用いられる安価で加工性のよい圧延鋼板が適する。自動車用圧延鋼板には、冷間圧延鋼板と熱間圧延鋼板があるが、そのいずれも含む。しかしながら、この自動車用圧延鋼板は、炭素含有量が低いため、そのまま熱処理を行っただけでは、上記したように焼き入れ効果が得られない。例えば、後述の試験例で用いた熱間圧延鋼板(住友金属工業(株)製)の炭素含有量は0.04重量%、冷間圧延鋼板(住友金属工業(株)製)の炭素含有量は0.02重量%であり、このまま熱処理しただけでは焼き入れ効果は得られないが、本発明によれば、このような炭素含有量の少ない鋼材でも好適な焼き入れ効果が得られる。
【0010】
本発明で適用可能な低炭素金属部材には、炭素含有量0.10重量%未満のもの、さらには、0.05重量%未満のものが含まれる。また、後述の試験例で示したように、炭素含有量0.04重量%以下、さらには、0.035重量%未満のものにも本発明は好適に用いることができる。すなわち、「鋼」は、通例、炭素含有量0.035重量%以上の鉄として定義されるが、本発明によれば、「鋼」の概念に含まれない0.035重量%未満の低い金属でも強化可能である。本発明では、炭素含有量の低いものでも強度を上げるという焼き入れ効果を得ることが可能であるため、使用目的にもよるが、炭素含有量がより低い、より安価な材料を用いることで、自動車等の製造コストの低減を図ることができる。さらに言えば、本発明は、このように炭素含有量が低くても強度を上げることができるため、従来のように、鋼材成分の均質性の高い材料を用いなくてもよく、より安価な材料、例えば、炭素含有量の多い部分や少ない部分が混在していている、品質面で劣る材料を用いても、強度を向上させることができる。この結果、材料の有効利用を図ることができ、リサイクル性が向上する。
【0011】
本発明における低炭素金属部材の加工処理は、冷間で行われ、低炭素金属部材の熱処理部周辺部位の内部応力を高めることができる加工手段であればよく、例えば、冷間で(常温で)、低炭素金属部材に塑性変形を与える加工が挙げられる。典型例としては、プレス成形が挙げられる。プレス成形の種類は限定されるもではなく、使用目的に合わせて、曲げ加工、絞り加工、深絞り加工などが用いられ、加工処理対象の低炭素金属部材は、板状のもの、パイプ状のもののいずれも含む。プレス成形以外にも、ロール成形による圧延加工などを適用することもできる。
【0012】
熱処理方法は任意であるが、好ましくは、高周波焼き入れ(誘導加熱)を用いて行う。また、熱処理の際には、熱処理装置の加熱部(誘導加熱装置の場合には、誘導加熱部を構成するコイル)に対し、熱処理対象の上記低炭素金属部材を、相対的に所定の移動速度で移動させながら加熱した後、急冷することが好ましい。誘導加熱部を構成するコイルの磁力が処理対象である低炭素金属部材に作用するが、誘導加熱部と低炭素金属部材を相対移動させることにより、磁力の影響を受ける部位が時間と共に変化していき、熱処理された部分全体に磁力の影響が及ぶ。この磁力は、加熱している低炭素金属部材をせん断変形させる力として作用するが、せん断変形は、プレス成形などによって内部応力を高めた低炭素金属部材において、均一に生じるわけではない。すなわち、内部応力の高い部位(断面係数の高い部位)におけるせん断変形よりも、この内部応力の高い部位(断面係数の高い部位)に対して隣接した部位に形成されている、相対的に内部応力の低い部位(断面係数の低い部位)におけるせん断変形の方が大きくなる。逆に言えば、断面係数の低い部位では、誘導加熱部のコイルの磁力によりせん断変形しやすいが、断面係数の高い部位ではせん断変形しにくい。
【0013】
プレス成形などの内部応力を高める加工処理を行うと、結果として、低炭素金属部材に、断面係数の高い部位が一部に生じ、それに隣接する部位には相対的に断面係数の低い部位が生じる。例えば、断面係数の高い部位(折り曲げ部など)が複数箇所に形成されていれば、その間の部位(すなわち、断面係数の高い部位に隣接する部位)は、相対的に断面係数の低い部位となる。そのことが、誘導加熱時にけるせん断変形を生じにくい部位と生じやすい部位を作る要因となるのであるが、この点が、後述の試験例で示すように、低炭素金属部材であるにも拘わらず、せん断変形を生じやすい部位において結晶粒が微細化され、強度が高まっている理由と考えられる。すなわち、断面係数の高い、せん断変形を生じにくい部位が、いわば、磁力の反力に耐える固定端の如く機能し、隣接するせん断変形を生じやすい部位における金属組織の結晶粒の粗大化を抑制し、微細化を促すものと考えられる。
【0014】
なお、プレス成形などの内部応力を高める加工処理を行った低炭素金属部材に、上記のようなせん断変形を生じさせるためには、熱処理装置の加熱部(誘導加熱装置の場合には、誘導加熱部を構成するコイル)は、移動速度5〜30mm/secの範囲に設定することが好ましい。より好ましい移動速度は、10〜18mm/secの範囲である。
【0015】
また、本発明では、上記のように熱処理によって低炭素金属部材にせん断変形を生じさせることを利用しているが、かかるせん断変形を生じさせるには、低炭素金属部材は、厚さ2.6mm以下、さらには、厚さ1.2mm以下の厚みの薄い材料を用いることが好ましい。加工性、強度等を考慮すると、より好ましい厚みは、0.35〜1.2mmの範囲である。
【0016】
(試験例)
住友金属工業(株)製の冷間圧延鋼板(SPC鋼板)及び熱間圧延鋼板(SPH鋼板)を40cm角に切り出し、これにプレス成形、熱処理を施して試験片を製作した。プレス成形は、300Tプレス機を用いて行い、40cm角の各試験片を厚み方向に2kgf/mmでプレスした。熱処理は、高周波焼き入れ(誘導加熱)を用いた。具体的には、950〜1000℃を目標温度として2分間加熱した後、水冷した。加熱の際には、誘導加熱装置の誘導加熱部を構成するコイルを所定の速度で試験片に対して移動させた。移動速度は、試験片の片側のみにおいてコイルを移動させて加熱した片面焼き入れの場合は、16mm/secに設定し、試験片の両側にコイルを配置し、移動させながら加熱した両面焼き入れの場合は、12mm/secに設定した。プレス成形時、熱処理時のその他の加工処理条件は、各試験片とも同じである。
【0017】
なお、以下の説明及び図面中に示す試験片記号中、「SPC」は、冷間圧延鋼板(SPC鋼板)からなることを示し、「SPH」は、熱間圧延鋼板(SPH鋼板)からなることを示す。また、「SPC」又は「SPH」の記号の次のかっこ書きは各試験片の厚みを示しており、例えば、(t1.0)は厚み1.0mmという意味である。かっこ書きで示した厚みの後に続く記号のうち「N」はプレス成形及び熱処理のいずれも施していない試験片であることを意味し、「P」はプレス成形を施したことを意味し、「SH」は、試験片の片面のみを熱処理したことを意味し、「DH」は、試験片を両面から熱処理したことを意味する。
各試験片の化学組成は次表のとおりである。
【表1】


【0018】
図1は、上記各試験片のいくつかの例を示す図である。図1(a)は、SPC(t1.2)の鋼板をプレスしないで片面焼き入れした試験片(SPC(t1.2)−SH)を、図1(b)は、SPC(t1.2)の鋼板をプレスしないで両面焼き入れした試験片(SPC(t1.2)−DH)を、図1(c)は、SPC(t1.0)の鋼板をプレスした後、両面焼き入れした試験片(SPC(t1.0)−P−DH)を、図1(d)は、SPC(t1.0)の鋼板をプレスした後、片面焼き入れした試験片(SPC(t1.0)−P−SH)を、図1(e)は、SPH(t1.2)の鋼板をプレスした後、両面焼き入れした試験片(SPH(t1.2)−P−DH)を、図1(f)は、SPH(t1.2)の鋼板をプレスした後、片面焼き入れした試験片(SPH(t1.2)−P−DH)を、それぞれ示す。図中、「Hardening region」は、焼き入れした部分の中で硬度測定を行った部位を示し、「Non-hardening region」は、試験片の中で焼き入れしなかった部分において硬度測定を行った部位を示す。
【0019】
また、図2(a)〜(f)として示した図は、それぞれ、図1(a)〜(f)のA−A’、B−B’、C−C’、D−D’、E−E’、F−F’における断面図である。この断面図から明らかなように、図1(c)〜(f)、図2(c)〜(f)ではプレス成形の影響によって形状が変化しており、残留応力が生じていることがわかる。
【0020】
各試験片のビッカーズ硬度の測定結果の一例を図3に示す。ビッカーズ硬度は、「Hardening region (H. region)」と、「Non-hardening region (N.H. region)」の各部分で、試料表面から0.1mmおきに厚み方向に測定したものである。この図から、SPC(t1.0)の鋼板についてプレス成形後、両面から焼き入れしたSPC(t1.0)−P−DHと、焼き入れしなかったSPC(t1.0)−P−Nとの間で、大きな差があることがわかる。これに対し、プレス成形を施していない、SPC(t1.2)の鋼板において、両面から焼き入れしたSPC(t1.2)−DHと、焼き入れしなかったSPC(t1.2)−Nとの間では大きな差はないことがわかる。ここで、深さ方向に得られた硬度は、いずれも、ほぼ一定の値を示すと考えられる。そこで、深さ方向についての平均硬度を計算し、各試験片の平均ビッカーズ硬度を求め、次表に示した。
【表2】


【0021】
表2から明らかなように、プレス成形を行っていないSPC(t1.2)の試験片の場合、両面及び片面のいずれの焼き入れ処理を行っても、硬度がほとんど変化しないことがわかる。一般に、鉄鋼材に焼き入れ処理すると硬度が増加することが知られているが、プレス成形を行っていないSPC(t1.2)の試験片では、それに反し、硬度が上がっていない。これは、炭素含有量が0.02重量%と極めて低いためと考えられる。
【0022】
これに対し、炭素含有量がSPC(t1.2)と同じ0.02重量%しか含まれていないがプレス成形を施したSPC(t1.0)の試験片の場合には、焼き入れ処理前後で硬度が約1.5〜1.8倍程度に上がっており、炭素含有量が低くても焼き入れ処理前にプレス成形を施すことにより、炭素含有量0.10重量%以上の炭素鋼と同様の焼き入れ効果が得られることがわかる。また、上記表から、炭素含有量0.04重量%のSPH(t1.2)の試験片も、焼き入れ処理前後で、硬度が約1.4〜1.7倍程度に向上したことがわかる。なお、上記試験では、試験片を両面焼き入れした場合と片面焼き入れした場合について測定しているが、両面焼き入れと片面焼き入れとの間では、硬度変化の顕著な差は見られなかった。
【0023】
次に、各試験片について引張試験を行った。試験は、島津製作所製の精密万能試験機(AG−250kNG)を使用し、ロードレンジ(感度)を10kN、クロスヘッド移動速度を5mm/minに設定して行った。結果を図4及び図5に応力−ひずみ曲線で示す。図4は、冷間圧延鋼板(SPC鋼板)に関する試験結果であり、図5は、熱間圧延鋼板(SPH鋼板)に関する試験結果である。
【0024】
図4から明らかなように、プレス成形及び熱処理のいずれも行っていない試験片(SPC(t1.0)−N、SPC(t1.2)−N)の引張り強さ(応力)約300MPaに対し、プレス成形のみ又は熱処理のみを行った試験片は、引張り強さの点でほとんど差がないか、若干低下している。これに対し、プレス成形と両面焼き入れを行った試験片(SPC(t1.0)−P−DH)、及びプレス成形と片面焼き入れを行った試験片(SPC(t1.0)−P−SH)は、いずれも約560〜600MPaに上昇し、引張り強さ(応力)が、約1.8〜2倍になっており、伸びは約15%程度に減少していた。なお、請求項で定義した「強度」とは、この引張り強さ(応力)を意味する。本発明では、炭素含有量の低い低炭素金属部材を用いているため、1.4倍以上の強度上昇が実現できれば十分であるが、プレス成形条件、熱処理条件、材料によっては、熱処理前の4倍の強度を持たせることも可能である。但し、本発明は、低炭素金属部材の強度を上げる技術に関するものであり、公知の炭素鋼を用いた技術のように、大幅な強度上昇を期待するものではない。従って、用途にもよるが、例えば、自動車のボディーに用いる鋼板であれば、1.4〜2倍の強度上昇が図れれば十分であり、この範囲の強度であれば、本発明を適用することによって、炭素含有量のより少ない、あるいは不均質な安価な材料を用いて実現できる。
【0025】
図5においても、プレス成形及び熱処理のいずれも行っていない試験片(SPH(t1.2)−N)の引張り強さ(応力)約350MPaに対し、プレス成形のみを行った試験片(SPH(t1.2)−P)は、引張り強さの点でほとんど差がないか、若干低下している。これに対し、プレス成形と両面焼き入れを行った試験片(SPH(t1.2)−P−DH)、及びプレス成形と片面焼き入れを行った試験片(SPH(t1.2)−P−SH)は、約590〜620MPaに上昇しており、伸びは約15%程度に減少していた。
【0026】
以上の試験例から、炭素含有量の少ない低炭素金属部材であっても、プレス成形と熱処理を施すことにより、炭素鋼と同様の強度上昇を達成できることがわかった。次に、炭素含有量が少ないにも拘わらず、このような強度上昇が生じるメカニズムを調べるため、プレス成形と両面焼き入れを行った部位を有する炭素含有量0.02重量%の試験片(SPC(t1.0)−P−DH)について、部分的に電子顕微鏡写真をとって金属組織の様子を調べた。電子顕微鏡写真をとった部位は、図6において、「No.1フレーム」として示した平面図のa〜e点である。なお、図6は、「No.1フレーム」と「No.2フレーム」として示した2つの試験片の平面図と、幅の広い端部側における断面図とをそれぞれ示している。「No.1フレーム」と「No.2フレーム」は、いずれも、同じ材料から加工され、平面から見た際には、幅の狭い端部方向に向かうに従って、内方に曲がる円弧状部を有すると共に、外側縁部付近は、各断面図に示したように、所定の角度曲げられるようにプレス成形されたものである。また、プレス成形した際に同じ大きさで、線対称の同形状となるように形成されている。「No.1フレーム」と「No.2フレーム」との違いは、前者が、幅の広い端部側から幅の狭い端部側へと誘導加熱部を移動させて焼き入れされたものであるのに対し、後者が、その逆方向、すなわち、幅の狭い端部側から幅の広い端部側へと誘導加熱部を移動させて焼き入れされたものであるという点である。なお、この焼き入れ方向の違いによる硬度への影響については後述する。ここでは、「No.1フレーム」を用いて行った硬度測定、金属組織の様子についてまず説明する。
【0027】
図7は、「No.1フレーム」において、焼き入れを開始した部位(a点)を0mmとして、焼き入れを行った部位の長手方向に沿って、a点からの距離と硬度との関係を詳細に調べた図である。図7に示したように、焼き入れ開始点のa点の硬度は108HVであった。これに対し、誘導加熱部がさらに移動していった部位は、a点の硬度よりも上がっており、a点から20mm〜230mmの範囲では、150〜240HVと高くなっていた。但し、硬度が最も高かったのは、150〜180mmの範囲であった。
【0028】
電子顕微鏡写真をとった部位a〜e点の位置は次のとおりである。すなわち、a点を基準として、a点から60mm離れた位置がb点、a点から90mm離れた位置がc点、a点から150mm離れた位置がd点、a点から180mm離れた位置がe点である。各点における電子顕微鏡写真が図8〜図12であるが、金属の結晶粒子の直径が10μm以下の微細粒については黒色のインクで塗りつぶして示した。まず、図8では、微細粒の分布率が39%であり、黒く塗りつぶされた微細粒は、大きな結晶粒子の中に点在しているに過ぎない。これに対し、図9のb点では、微細粒が群になって現れ、さらに、隣接する微細粒群同士がつながっているように分布しており、微細粒の分布率が53%になっている。図10のc点になると、微細粒群同士のつながっている面積がより大きくなり、分布率が58%となっている。さらに、図11のd点では、微細粒の分布率が78%、図12のe点では、微細粒の分布率が93%と、硬度に比例して高くなっている。
【0029】
すなわち、これらの電子顕微鏡写真から、炭素含有量が0.02重量%と極めて低いにも拘わらず、金属組織の微細化現象が起こっていることがわかる。炭素含有量がこのように低いと、通常は、焼き入れ処理しても金属組織が粗大化するだけであるが、プレス成形を行うことにより生じる残留応力の影響によって、粗大化が抑え込まれ、微細化が促進されるものと考えられる。
【0030】
その一方、硬度が最も高かったのは、上記のように150〜180mmの範囲である。この試験片は、図6及び図14の断面図に示したように、平板状の鋼板の一方の側縁の近辺を斜めに折り曲げた傾斜片Aとなるようにプレス成形したものであり、プレス成形した段階で、焼き入れする前の焼き入れ予定の部位(以下、単に、「焼き入れ部位」)Bより、外側の傾斜片Aを含む部分の断面係数Z3は、焼き入れ部位Bにおける断面係数Z1よりも高くなっている。図6に示した試験片のうち「No.1フレーム」は、図6の左側の幅広の端部から右側の幅狭の端部へと誘導加熱部のコイルを移動して加熱しているが、200〜230mmの範囲で焼き入れした部分は、丁度、図14の傾斜片Aに相当する。これに対し、硬度の最も高い150〜180mmの範囲の焼き入れ部位Bは、ほとんどが図14の平板部Cの中に位置し、傾斜片Aよりも、相対的に、断面係数の低い、磁力によるせん断変形を生じやすい部位に相当する。従って、この断面係数の低い部位の方が、プレス成形によって断面係数の高くなった傾斜片Aを含む部位よりも、熱処理により硬度が高くなることがわかる。しかしながら、誘導加熱部のコイルを移動させた場合、図7に示したように、平板部Cの中に位置しながら、20〜150mmまでの部位と、150〜180mmまでの部位とでは、硬度が大きく異なっている。この点については、誘導加熱部のコイルの移動方向が関連し、移動開始端よりも移動終了端の方が、試験片に蓄えられた熱の影響によって、微細化がより促進されるものと予想される。
【0031】
一方、図6の「No.2フレーム」において、焼き入れを開始した部位(a’点)を0mmとして、焼き入れを行った部位の長手方向に沿って、a’点からの距離と硬度との関係と直径が10μm以下の微細粒の分布率をまとめて示したのが図13である。
【0032】
図13から、測定距離100mm以降において、硬度の高い部分(特に、130〜200mm付近)が生じているが、これと微細粒の分布率が対応していることがわかる。すなわち、a’点では分布率34%、b’点では分布率43%であるが、測定距離100mm付近のc’点では分布率97%になり、d’点では62%、e’点では56%と、硬度の高い範囲では、微細粒の分布率は高くなっており、上記した「No.1フレーム」と同様の傾向であった。
【0033】
図15及び図16は、誘導加熱部であるコイルの移動方向(焼き入れ方向)と微細化が促進される部位(強度が向上する部位)との関連を検証するため、硬度と断面係数比との関係を調べた図である。図15が、図6の「No.1フレーム」の試験片(SPC(t1.0)−P−DH−No.1)に関するデータで、図16が、図6の「No.2フレーム」の試験片(SPC(t1.0)−P−DH−No.2)のデータである。硬度のデータは、図15は図7に示したデータと同じであり、図16は図13に示したデータと同じである。なお、ビッカース硬度(HV)と引張り強さ(MPa)は、換算可能な対応関係を有するため、図15及び図16の左側の縦軸には、両方の値を示した。
【0034】
また、断面係数は、図14に示したように、試験片の中で傾斜片Aを含む焼き入れ部Bよりも外側の部位の断面係数をZ3、焼き入れ部位Bにおける断面係数をZ1、試験片全体の断面係数をZ2としたときに、Z3/Z1及びZ2/Z1の各比を求め、測定距離との関係で、図15及び図16にそれぞれにプロットした。
【0035】
図15から明らかなように、幅広の端部側から幅狭の端部側へと誘導加熱部を移動させて加熱した場合の硬度及び引張り強さ(SPC(t1.0)−P−DH−No.1)は、Z2/Z1の比のグラフに対応している。つまり、Z2/Z1の比の高い部位が現れる測定距離170mmから180mm付近において、硬度も高くなっている。一方、幅狭の端部側から幅広の端部側へと誘導加熱部を移動させて加熱した場合の硬度及び引張り強さ(SPC(t1.0)−P−DH−No.2)は、図16から明らかなように、Z3/Z1の比のグラフに対応しており、Z3/Z1の比の高い範囲である測定距離100mm以降において、硬度の高い部分(特に、130〜200mm付近)が生じている。
【0036】
すなわち、図15及び図16から、試験片の形状に拘わらず、誘導加熱部のコイルの移動開始端よりも移動終了端に近い方が硬度が高くなっており、微細化の促進に、試験片に蓄えられていく熱が大きく影響していることがわかる。
【0037】
より詳細には、図6の「No.1フレーム」のように、幅広の端部側から幅狭の端部側へ焼き入れした場合、幅広端寄りの部位(主に、0〜150mmまでの部位)は、本来、せん断変形が生じやすい形状であるが、面積が大きいことから熱が逃げやすい。この結果、温度の上昇が抑えられ、加熱によるせん断変形が十分には生じにくい。そのため、微細化が促進されない。その一方、200mm以降の部位では、断面係数が高くなっているため、せん断変形が生じにくいが、面積が小さく熱はたまりやすい。これに対し、両者の間の150〜180mmの熱処理部は、断面係数が低くくて、熱処理部以外の周辺部位は断面係数が高く、熱によるせん断変形が生じやすい。また、熱もたまりやすいことから、微細化が促進されると考えられる。
【0038】
一方、図6の「No.2フレーム」のように、幅狭の端部側から幅広の端部側へ焼き入れした場合、幅狭端寄りの部位(主に、0〜100mmまでの部位)は、本来、面積が小さく熱がたまりやすいが、断面係数が高くなっているため、せん断変形が生じにくく、微細化が生じにくい。幅広端寄りの200mm以降の部位は、本来、せん断変形が生じやすい形状であるが、面積が大きいことから焼き入れ方向の移動終了端付近であっても、逃げる熱の方が多く、十分な熱量が確保されず、微細化しにくい。これに対し、100〜200mmの範囲では、面積が大きくなってきているが、200mm以降の部位よりも面積は小さく、また、焼き入れ方向では、コイルの移動範囲のほぼ中間以降となるため、たまる熱の方が勝り、これに断面係数が低くなっていることが加味されてせん断変形が生じやすく、微細化が促進されると考えられる。
【0039】
また、幅広の端部から幅狭の端部へと移動させた場合には、硬度分布が断面係数比Z2/Z1の変化に対応し、逆方向へ移動させた場合の硬度分布が断面係数比Z3/Z1の変化に対応している。従って、試験片の一端が狭くて他端が広いような形状の場合、誘導加熱部の移動方向をいずれの方向にするかによって、移動方向に対応する断面係数比Z2/Z1又はZ3/Z1を利用し、どの位置で断面係数比が高くなるかを特定すれば、加熱する前に、より高硬度化される部位を知ることができる。例えば、自動車用シートのフレーム部品として使用する際、熱処理前の鋼材の各断面係数比を利用することにより、熱処理後に硬度が高くなる部位をフレーム中のどの位置に設定するか容易に判断することができる。
【0040】
本発明によれば、上記各試験例から明らかなように、炭素含有量の低い低炭素金属部材であっても、プレス成形などの内部応力を高める部位を形成する加工処理と熱処理(焼き入れ処理)とを組み合わせることで、金属部材の強度を上げることができる。従って、本発明は、自動車のボディーなどに用いられる炭素含有量の低い冷間圧延鋼板や熱間圧延鋼板の強化に好適に用いられる。その結果、バンパーなどに用いられるレインフォースメントの省略、あるいは使用数・使用箇所の低減を図ることができ、ボディーの軽量化に資する。また、炭素含有量が低くても強度を高めることができるため、炭素含有量が均質でない素材、例えば、炭素含有量が0.10重量%以上である部位とそうでない部位とが混在していたり、他の構成成分も一様でないような素材であったとしても、全体として強度の向上を図ることができ、本発明は、自動車のボディー等に限らず、各種の用途に適用可能である。
【0041】
本発明は、低炭素金属部材について強度を上げるものであるが、低炭素金属部材としては、上記に例示したもののほか、低炭素ステンレス鋼などが挙げられる。また、本発明は、実質的に炭素を含んでいない金属部材をも対象とし、プレス成形などの内部応力を高める部位を形成する加工処理と熱処理(焼き入れ処理)とを組み合わせることによって、それらについても強度を高めることができる。実質的に炭素を含んでいない金属部材には、例えば、アルミニウム等がある。但し、アルミニウムのような非磁性体金属の場合には、誘導加熱時の磁力が、ワークをせん断変形させる力として作用しない。そこで、アルミニウムなどの場合には、熱処理前に、シート状、薄板状、テープ状などの強磁性体を一体化させた複合材に加工するなどの前処理を施した後、熱処理を行うようにする必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1(a)〜(f)は、試験例で使用した各試験片を示す図である。
【図2】図2(a)〜(f)は、それぞれ、図1(a)〜(f)のA−A’、B−B’、C−C’、D−D’、E−E’、F−F’における断面図である。
【図3】図3は、各試験片のビッカーズ硬度の測定結果の一例を示す図である。
【図4】図4は、冷間圧延鋼板(SPC鋼板)に関する引張試験の結果を示す応力−ひずみ曲線である。
【図5】図5は、熱間圧延鋼板(SPH鋼板)に関する引張試験の結果を示す応力−ひずみ曲線である。
【図6】図6は、炭素含有量0.02重量%の試験片(SPC(t1.0)−DH)であって、焼き入れ方向の異なる、「No.1フレーム」と「No.2フレーム」として示した2つの試験片の平面図と、幅の広い端部側における断面図とを比較して示した図である。
【図7】図7は、図6の「No.1フレーム」において、焼き入れを開始した部位(a点)を0mmとして、焼き入れを行った部位の長手方向に沿って、a点からの距離と硬度との関係並びに微細粒の分布率を調べた図である。
【図8】図8は、図6の「No.1フレーム」のa点における電子顕微鏡写真を示す図である。
【図9】図9は、図6の「No.1フレーム」のb点における電子顕微鏡写真を示す図である。
【図10】図10は、図6の「No.1フレーム」のc点における電子顕微鏡写真を示す図である。
【図11】図11は、図6の「No.1フレーム」のd点における電子顕微鏡写真を示す図である。
【図12】図12は、図6の「No.1フレーム」のe点における電子顕微鏡写真を示す図である。
【図13】図13は、図6の「No.2フレーム」において、焼き入れを開始した部位(a’点)を0mmとして、焼き入れを行った部位の長手方向に沿って、a’点からの距離と硬度との関係並びに微細粒の分布率を調べた図である。
【図14】図14は、図6の「No.1フレーム」、「No.2フレーム」として示した試験片の断面係数比を測定した部位を示した図である。
【図15】図15は、図6の「No.1フレーム」の試験片(SPC(t1.0)−P−DH−No.1)に関し、焼き入れ方向と微細化が促進される部位(強度が向上する部位)との関連を検証するため、硬度と断面係数比との関係を調べた図である。
【図16】図16は、図6の「No.2フレーム」の試験片(SPC(t1.0)−P−DH−No.1)に関し、焼き入れ方向と微細化が促進される部位(強度が向上する部位)との関連を検証するため、硬度と断面係数比との関係を調べた図である。
【出願人】 【識別番号】594176202
【氏名又は名称】株式会社デルタツーリング
【出願日】 平成18年7月8日(2006.7.8)
【代理人】 【識別番号】100101742
【弁理士】
【氏名又は名称】麦島 隆


【公開番号】 特開2008−13835(P2008−13835A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−188730(P2006−188730)