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【発明の名称】 真空熱処理炉の搬送装置
【発明者】 【氏名】高堂 亮

【氏名】岩上 良行

【要約】 【課題】真空熱処理炉への被処理物搬出入を炉内搬送装置で行い、かつ加熱室の炉体下部にある昇降装置をなくし、加熱室の高温の真空シールの信頼性を高め、加熱室の炉内の熱が昇降装置を伝わり外部へ熱が逃げることのない真空熱処理炉の搬送装置を提供。

【構成】冷却室床21に固定された昇降シリンダ22のロッド23に上下移動可能に支持されたエレベータ24と、エレベータ24に支持された炉内搬送装置30とを有する。炉内搬送装置30は、エレベータ24上に固定された固定部31、固定部31に水平方向に移動可能に支持された中間フォーク32、中間フォーク32に水平方向に移動可能に支持された被処理物wを積載可能な先端フォーク33からなり、先端フォーク33は、入口扉20の外にある被処理物位置w1 、冷却室 2及び加熱室 3それぞれの被処理物位置w2 、w3 に往復動ができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ真空に密封された、熱処理を行う加熱室及び加熱室に並んで配置され熱処理後冷却する冷却室と、を有する真空熱処理炉において、前記冷却室入口に入口扉、冷却室と加熱室との間に中間扉が設けられ、前記冷却室床に固定された昇降シリンダのロッドに上下移動可能に支持されたエレベータと、エレベータに支持された炉内搬送装置とを有し、 前記炉内搬送装置は前記エレベータ上に固定された固定部、固定部に水平方向に移動可能に支持された中間フォーク、中間フォークに水平方向に移動可能に支持された被処理物を積載可能な先端フォークを有し、前記先端フォークは、入口扉の外にある被処理物位置、冷却室及び加熱室それぞれの被処理物位置に往復動ができ、炉外の被処理物搬出入および加熱室の被処理物搬出入は搬送装置の先端フォークのみで搬出入するようにし、
被処理物を載置する前記加熱室の炉床を断熱材内部に固定したことを特徴とする真空熱処理炉の搬送装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ真空に密封された、熱処理を行う加熱室及び加熱室に並んで配置され熱処理後冷却する冷却室とを有する真空熱処理炉の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の真空熱処理炉の搬送装置に関する技術としては例えば特許文献1には、それぞれ真空に密封された、冷却室及び冷却室に並んで配置された加熱室を有する真空熱処理炉において、冷却室入口に入口扉、冷却室と加熱室との間に中間扉が設けられ、冷却室には炉頂に固定された油圧シリンダのロッドに上下移動可能に支持されたエレベータ、被処理物移動台車及び加熱室下部に昇降装置を設け、冷却室と加熱室で被処理物を移動台車から設置台に乗換え可能にされたものが開示され、搬送台車から加熱室の炉床に被処理物を載置する際、炉体下部にある昇降装置の上昇動作により台車から被処理物を分離するようにされている。特許文献2には、同様に冷却室に並んで配置された加熱室を有する真空熱処理炉において、加熱室下部に昇降装置を設け、冷却室下部に昇降装置を有するものが開示されている。
【特許文献1】実公昭61-23000号公報
【特許文献2】特開平8-319512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1、2は真空熱処理炉に適用するものであるが、搬送台車から加熱室の炉床に被処理物を載置する際、炉体下部にある昇降装置の上昇動作により台車から被処理物を分離する方法である。加熱室下部に昇降装置を設けると、加熱室は高真空に加え、約1000°Cの高温であるため、昇降装置の炉体との真空シールの信頼性が課題となることと、炉内の熱が昇降装置を伝わり外部へ熱が逃げる熱ロスが発生する課題もある。また、特許文献1、2では、真空熱処理炉への被処理物搬出入は炉内搬送装置と別の炉外にある装置で行うので、被処理物の昇降装置は炉外からの搬出入装置とは別に冷却室エレベータ、および加熱室にいずれも昇降装置が必要になりコスト面から有利でない。
【0004】
本発明の課題は、真空熱処理炉への被処理物搬出入を炉内搬送装置で行い、かつ加熱室の炉体下部にある昇降装置をなくし、加熱室の高真空・高温の真空シールの信頼性を高め、かつ加熱室の炉内の熱が昇降装置を伝わり外部へ熱が逃げることのない真空熱処理炉の搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため本発明は、それぞれ真空に密封された、熱処理を行う加熱室及び加熱室に並んで配置され熱処理後冷却する冷却室と、を有する真空熱処理炉において、前記冷却室入口に入口扉、冷却室と加熱室との間に中間扉が設けられ、前記冷却室床に固定された昇降シリンダのロッドに上下移動可能に支持されたエレベータと、エレベータに支持された炉内搬送装置とを有し、
前記炉内搬送装置は前記エレベータ上に固定された固定部、固定部に水平方向に移動可能に支持された中間フォーク、中間フォークに水平方向に移動可能に支持された被処理物を積載可能な先端フォークを有し、前記先端フォークは、入口扉の外にある被処理物位置、冷却室及び加熱室それぞれの被処理物位置に往復動ができ、炉外の被処理物搬出入および加熱室の被処理物搬出入は搬送装置の先端フォークのみで搬出入するようにし、
被処理物を載置する前記加熱室の炉床を断熱材内部に固定したことを特徴とする真空熱処理炉の搬送装置によって上述の本発明の課題を解決した。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、真空熱処理炉の炉外からの被処理物搬出入は炉内搬送装置で可能になり、炉外の別の被処理物搬出入装置は不要となり、装置を簡素化し低コストにでき、かつ被処理物の炉内搬入位置へはどの方向からでも載置できる。また被処理物の昇降装置を炉内搬送装置を固定したエレベータの昇降で行い、かつエレベータは炉内真空度が加熱室より低真空でかつ炉内温度が加熱室よりはるかに低い冷却室側に付属したので、加熱室の炉体下部にある昇降装置をなくし、被処理物を載置する前記加熱室の炉床を断熱材内部に固定したので、加熱室の炉内の熱が従来技術の昇降装置を伝わり外部へ熱が逃げることのない、加熱室の高真空・高温の真空シールの信頼性を高めかつ加熱室の炉内の熱が外部へ熱が逃げることがなくエネルギーロスの改善で操業コストを低減した真空熱処理炉の搬送装置を提供するものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の実施形態の真空熱処理炉の搬送装置を、図1〜図3を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態の真空熱処理炉の搬送装置の概略側面ブロック図、図2は図1の真空熱処理炉内の被処理物移動を示す説明図、図3は図1の真空熱処理炉の搬送装置の作動を示す説明図である。
【0008】
図1に示すように、本発明の実施形態の真空熱処理炉の搬送装置は、それぞれ真空に密封された、熱処理を行う加熱室 1及び加熱室 1に並んで配置され熱処理後冷却する冷却室 2と、を有する真空熱処理炉において、冷却室 2入口に図示しない駆動手段により上下に開閉する入口扉20、冷却室 2と加熱室 1との間に図示しない駆動手段で上下する中間扉10が設けられ、それぞれ冷却室 2、冷却室 2と加熱室 1との間を真空に密封遮蔽する。冷却室床21に固定された昇降シリンダ22のロッド23に上下移動可能に支持されたエレベータ24と、エレベータ24に支持された炉内搬送装置30とを有する。エレベータ24のためのガイドは図示していない。炉内搬送装置30は本例では三段テレスコープ形構造で、エレベータ24上に固定された固定部31、固定部31に水平方向に移動可能に支持された中間フォーク32、中間フォーク32に水平方向に移動可能に支持された被処理物wを積載可能な先端フォーク33からなり炉体外部の回転手段から自在継手で連結され炉内搬送装置30へ伝達される。先端フォーク33は、入口扉20の外にある被処理物位置w1 、冷却室 2及び加熱室 3それぞれの被処理物位置w2 、w3 に往復動ができ、炉外の被処理物搬出入および加熱室 1の被処理物w搬出入は搬送装置の先端フォーク33のみで搬出入するようにし、加熱室 1は断熱材13で囲われ断熱材13は図示しない断熱枠で支えられ図示しない加熱用の熱源がある。被処理物wを載置する加熱室 1のセラミックス材質等の炉床11を断熱材13内部に図示しない断熱枠下部に固定したものである。エレベータ24は被処理物wを載置した炉内搬送装置30をわずかに上昇下降するのみである。
【0009】
図2は図1の真空熱処理炉内の被処理物移動を示す説明図で、
(a)では炉外の入口扉20の外にある被処理物位置w1 に被処理物w1 が図示しない受け台に載置された状態にある。
(b)では入口扉20を開き炉内搬送装置30が被処理物w1 を搬入に行く状態にあり、エレベータ24は下降状態で炉内搬送装置30の先端フォーク33を被処理物w1 の下面に挿入した状態にあり、このあと、被処理物w1 をわずかに上昇させ冷却室 2へ搬入する。
(c)では冷却室 2に被処理物w2 が搬入され入口扉20を閉め冷却室 2は排気状態。
(d)では中間扉10を開き加熱室 1へ被処理物w3 を搬入した状態。エレベータ24は上昇状態で炉内搬送装置30の先端フォーク33を被処理物w3 を積載して加熱室 1へ搬入し、被処理物加熱室位置w3 で下降し炉床11に被処理物w3 を置く。
(e)では中間扉10を閉め被処理物w3 を加熱している状態。
(f)では加熱が完了し搬送装置が被処理物w3 を取りに行く状態。エレベータ24は下降状態で先端フォーク33を加熱室位置被処理物w3 の下面に挿入し、そのあと上昇し被処理物w3 をリフトし冷却室 2へ搬出する。
(g)被処理物w2 を冷却室 2で窒素等の不活性ガスで冷却している状態。冷却室 2上部の攪拌ファン29を回転させる。
(h)では冷却が完了し入口扉20を開き炉内搬送装置30が被処理物w2 を炉外へ搬出した状態。エレベータ24は上昇位置から被処理物炉外位置w1 で下降し炉外の図示しない被処理物受け台に置く。
【0010】
図3は図1の真空熱処理炉の搬送装置の作動を示す説明図で、
(a)では三段テレスコープ形構造の炉内搬送装置30が、原位置(図2(a)、(c)、(g)の位置)にある状態を示し、図示しないエレベータ上に固定された固定部31、固定部31に水平方向に移動可能に支持された中間フォーク32、中間フォーク32に水平方向に移動可能に支持された被処理物を積載可能な先端フォーク33が折りたたまれた状態にある。85、85bはチェイン、86、87はスプロケット、88、90は固定部31に固定したチェイン85、85b端部を止める支柱、89は中間フォーク32に固定したチェイン85端部を止める支柱、91は先端フォーク33に固定したチェイン 85b端部を止める支柱である。炉外の2個の駆動装置からの図示しない2個の連結装置がそれぞれスプロケット86、87を駆動する。原位置からの前進、後退にいずれかのチェイン85、85bが引っ張り側で力を伝達するよう、相互に補完しあう。スプロケット86、87の各軸は中間フォーク32に図示しない連結部で連結されている。チェイン85の1端部は支柱90で固定部31に連結され他端部は支柱89で先端フォーク33に連結されている。チェイン85b の1端部は支柱88で固定部31に連結され他端部は支柱91で先端フォーク33に連結されている。
(b)では炉内搬送装置30が、炉外搬出入位置(図2(b)の位置)にある状態を示し、スプロケット86が回転され、チェイン85が引っ張られ、中間フォーク32、先端フォーク33が後退した状態にある。
(c)では加熱室 1へ被処理物w3 を搬入した、加熱室搬出入位置(図2(f)の位置)にある状態を示し、スプロケット87が回転され、チェイン85b が引っ張られ、中間フォーク32、先端フォーク33が前進した状態にある。
(d)では炉内搬送装置30が焼入待避位置(図2(g)の位置)にある状態を示す。
【0011】
本発明の実施形態の真空熱処理炉の搬送装置により、真空熱処理炉の炉外からの被処理物搬出入は炉内搬送装置で可能になり、炉外の別の被処理物搬出入装置は不要となり、装置を簡素化し低コストにでき、かつ被処理物の炉内搬入位置へはどの方向からでも載置できる。また被処理物の昇降装置を炉内搬送装置を固定したエレベータの昇降で行い、かつエレベータは炉内真空度が加熱室より低真空でかつ炉内温度が加熱室よりはるかに低い冷却室側に付属したので、加熱室の炉体下部にある昇降装置をなくし、被処理物を載置する前記加熱室の炉床を断熱材内部に固定したので、加熱室の炉内の熱が従来技術の昇降装置を伝わり外部へ熱が逃げることがなく、加熱室の高真空・高温の真空シールの信頼性を高めかつエネルギーロスの改善で操業コストを低減したた真空熱処理炉の搬送装置を提供するものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態の真空熱処理炉の搬送装置の概略側面ブロック図。
【図2】図1の真空熱処理炉内の被処理物移動を示す説明図。
【図3】図1の真空熱処理炉の搬送装置の作動を示す説明図である。
【符号の説明】
【0013】
1:加熱室熱処理炉、2:冷却室、10:中間扉、11:炉床、13:断熱材、20:入口扉
21:冷却室床、22:昇降シリンダ、23:ロッド、24:エレベータ
30:炉内搬送装置、31:固定部、32:中間フォーク、33:先端フォーク
22:第1シリンダのピストン 23:第2シリンダのピストン
w1 :入口扉の外にある被処理物位置、w2 :冷却室にある被処理物位置
w3 :加熱室にある被処理物位置
【出願人】 【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100077997
【弁理士】
【氏名又は名称】河内 潤二


【公開番号】 特開2008−7829(P2008−7829A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−180875(P2006−180875)