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【発明の名称】 酸性キシロオリゴ糖の製造方法
【発明者】 【氏名】大渕 貴之

【氏名】得能 寿子

【要約】 【課題】キシロースの平均重合度が2〜5である酸性キシロオリゴ糖を大量かつ安価に製造することができる簡便な酸性キシロオリゴ糖の製造方法を提供する。

【解決手段】小麦フスマ及び/又は米糠を100〜150℃で熱水加熱処理して糖液を得、次いで、この糖液をイオン交換処理することによりウロン酸残基を有する酸性キシロオリゴ糖を得る。前記熱水加熱処理は、pH1.0〜4.0の酸性条件下又はpH9.0〜13.0のアルカリ性条件下で行われるのが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦フスマ及び/又は米糠を100〜150℃で熱水加熱処理して糖液を得、次いで、この糖液をイオン交換処理することによりウロン酸残基を有する酸性キシロオリゴ糖を得ることを特徴とする酸性キシロオリゴ糖の製造方法。
【請求項2】
前記熱水加熱処理が、pH1.0〜4.0の条件下で行われる前記請求項1に記載の酸性キシロオリゴ糖の製造方法。
【請求項3】
前記熱水加熱処理が、pH9.0〜13.0の条件下で行われる前記請求項1に記載の酸性キシロオリゴ糖の製造方法。
【請求項4】
前記熱水加熱処理の前工程及び/又は後工程において、酵素分解処理を行う前記請求項1〜3のいずれかに記載の酸性キシロオリゴ糖の製造方法。
【請求項5】
前記酵素分解処理において、アミラーゼ、セルラーゼ又はキシラナーゼの少なくとも一つを用いる前記請求項4に記載の酸性キシロオリゴ糖の製造方法。
【請求項6】
前記イオン交換処理が、糖液を陰イオン交換樹脂に通液させて酸性キシロオリゴ糖を陰イオン交換樹脂に吸着させた後、塩溶液又はアルコールを用いて酸性キシロオリゴ糖を脱着する前記請求項1〜5のいずれかに記載の酸性キシロオリゴ糖の製造方法。
【請求項7】
ウロン酸が、グルクロン酸、4−O−メチルグルクロン酸又はヘキセンウロン酸である前記請求項1〜6のいずれかに記載の酸性キシロオリゴ糖の製造方法。
【請求項8】
キシロースの平均重合度が、2〜5である前記請求項1〜7のいずれかに記載の酸性キシロオリゴ糖の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、酸性キシロオリゴ糖の製造方法に関し、さらに詳しくは、小麦フスマ及び/又は米糠から酸性キシロオリゴ糖を大量かつ安価に得ることができる簡便な製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の我が国においては、生活習慣病の増加が問題となっている。生活習慣病の原因の多くは、生活習慣の乱れによるものである。特に、食生活におけるカロリーの過剰摂取、栄養バランスの不均衡、人体に悪影響を及ぼす種々の環境汚染物質の暴露又は周囲の環境からくる精神的なストレス等が、生活習慣を悪化させる原因として近年顕著化している。このような状況の中で、少しでも生活習慣病にかかる時期を遅らせようというのが、いわゆる予防医学の概念であり、その為には日常の食生活に少なからず工夫を加えることが必要である。
【0003】
食品の栄養素は、主に生体を構成するタンパク質、脂質及び糖質の3つの栄養素に、生命活動の基本となる種々の代謝を円滑に行うのに必要なビタミン類及びミネラル類の2つの栄養素を加えた5大栄養素が基本となっている。また、近年になって認知された食物繊維は、上記栄養素を吸収する腸管機能の調節という重要な役割を担っている。現代の栄養学では、5大栄養素と食物繊維を合わせた6大栄養素を偏り無く摂取することを推奨し、いわゆる「一日30品目」といった食生活の指導の基本となっている。しかし、現代人を取り巻く環境は、必ずしもこのような理想の食生活を送ることができなくなっている。
【0004】
そこで、提唱されるのが、3次機能(代謝調節、生体防御、疾病予防、疾病回復、老化防止などの体調調節機能)を持つ食品の摂取である。例えば、特定保健用食品の関与成分として広く認知されているオリゴ糖類やヨーグルト類は、整腸作用並びに花粉症及びアトピー性皮膚炎の症状を緩和する作用等の様々な作用を有することが知られてきており、幅広い分野での利用が期待されている。中でも、オリゴ糖類は、整腸作用に代表される3次機能を持つ素材として広く認知されている。例えば、キシロオリゴ糖は、コーンコブ等の食品製造工程の副産物から比較的安価に製造でき、また、食品加工適性も良いことから、サプリメントのような健康食品だけでなく、チョコレートや清涼飲料水等の多くの食品に利用されている。また、ラフィノースにおいては、アトピー性皮膚炎の改善作用が報告されている(非特許文献1参照)。
【0005】
最近になって、オリゴ糖の1種であるキシロオリゴ糖にウロン酸残基が付加した酸性キシロオリゴ糖が開発され(特許文献1参照)、酸性キシロオリゴ糖が有する種々な生理作用についての提案がなされている。酸性キシロオリゴ糖の生理作用としては、例えば、アトピー性皮膚炎改善作用(特許文献2参照)、骨粗鬆症改善作用(特許文献3参照)、高脂血症抑制作用(特許文献4参照)等が挙げられる。酸性キシロオリゴ糖が持つこれらの作用は、予防医学の観点から重要視されており、一つの化合物が多岐に渡る生理作用を持つという点で、酸性キシロオリゴ糖は非常に優れた化合物ということができる。
【0006】
酸性キシロオリゴ糖が有する生理作用の発現メカニズムについては、腸内細菌を介した作用に加え、キシロースの重合度が2〜7程度の低分子の酸性キシロオリゴ糖が血中に取り込まれた後、標的部位で作用する薬理効果が作用している可能性も示唆されている(非特許文献2参照)。酸性キシロオリゴ糖の薬理効果を期待する場合、キシロースの重合度が小さい低分子の酸性キシロオリゴ糖を多く含む組成物の利用が望ましい。
【0007】
低分子の酸性キシロオリゴ糖を製造する方法としては、キシロースの平均重合度が2である酸性キシロオリゴ糖(UX−2)の製造方法(特許文献5参照)及びキシロースの平均重合度が5である酸性キシロオリゴ糖(UX−5)の製造方法(特許文献6参照)が提案されている。しかし、これらの製造方法は、キシロースの平均重合度が10である酸性キシロオリゴ糖を調製した後、キシラナーゼによる分解を行って、キシロースの平均重合度を2又は5にする処理が必要であるため、製造コスト及び収率の面で問題があった。
【0008】
一方、小麦フスマ又は米糠を熱水処理して有効成分を製造する方法が、いくつか知られている。小麦フスマ又は米糠の熱水処理を採用した方法としては、例えば、小麦フスマを爆砕処理した後、処理物に、90〜100℃の熱水を加えて加熱攪拌し、次いで、ガラスフィルターを用いて固液分離して得られた濾液を凍結乾燥することにより、血清コレステロール上昇抑制物質を得る方法(特許文献7参照)、又は、イネ科植物を水存在下、100〜145℃で加熱処理した後、植物細胞壁崩壊分解酵素を作用させることにより、水溶性アラビノキシランを得る方法(特許文献8参照)等がある。
【0009】
しかしながら、これらの方法で得られる酸性キシロオリゴ糖は低収率であったり、又は低純度であったりするという問題があり、キシロースの平均重合度が2〜5の酸性キシロオリゴ糖を簡便に大量かつ安価に製造する方法が望まれていた。
【特許文献1】特開2003−183303号公報
【特許文献2】特開2004−210666号公報
【特許文献3】特開2004−182621号公報
【特許文献4】特開2004−182615号公報
【特許文献5】特開2003−221339号公報
【特許文献6】特開2003−183133号公報
【特許文献7】特開平2−169594号公報
【特許文献8】特開平5−219976号公報
【非特許文献1】「アレルギーの臨床」18巻、p.1092〜1095、1998年
【非特許文献2】Journal of Applied Glycoscience Vol.52 Suppl、p.37、2005年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、キシロースの平均重合度が2〜5である酸性キシロオリゴ糖を大量かつ安価に製造することができる簡便な製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは前記課題を解決する為、鋭意研究した結果、小麦フスマ及び/又は米糠を原料とすることにより、キシロースの平均重合度が2〜5である酸性キシロオリゴ糖を簡便な方法で、大量かつ安価に製造できることを見いだした。
上記課題を解決する為、以下の構成を採用する。
即ち、本発明の第1は、「小麦フスマ及び/又は米糠を100〜150℃で熱水加熱処理して糖液を得、次いで、この糖液をイオン交換処理することによりウロン酸残基を有する酸性キシロオリゴ糖を得ることを特徴とする酸性キシロオリゴ糖の製造方法。」である。
本発明の第2は、前記第1発明において、「前記熱水加熱処理が、pH1.0〜4.0の条件下で行われる酸性キシロオリゴ糖の製造方法。」である。
本発明の第3は、前記第1発明において、「前記熱水加熱処理が、pH9.0〜13.0の条件下で行われる酸性キシロオリゴ糖の製造方法。」である。
本発明の第4は、前記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、「前記熱水加熱処理の前工程及び/又は後工程において、酵素分解処理を行う酸性キシロオリゴ糖の製造方法。」である。
本発明の第5は、前記第4発明において、「前記酵素分解処理において、アミラーゼ、セルラーゼ又はキシラナーゼの少なくとも一つを用いる酸性キシロオリゴ糖の製造方法。」である。
本発明の第6は、前記第1乃至第5発明のいずれかにおいて、「前記イオン交換処理が、糖液を陰イオン交換樹脂に通液させて酸性キシロオリゴ糖を陰イオン交換樹脂に吸着させた後、塩溶液又はアルコールを用いて酸性キシロオリゴ糖を脱着する酸性キシロオリゴ糖の製造方法。」である。
本発明の第7は、前記第1乃至第6発明のいずれかにおいて、「ウロン酸が、グルクロン酸、4−O−メチルグルクロン酸又はヘキセンウロン酸である酸性キシロオリゴ糖の製造方法。」である。
本発明の第8は、前記第1乃至第7発明のいずれかにおいて、「キシロースの平均重合度が2〜5である前記請求項1乃至7に記載の酸性キシロオリゴ糖の製造方法。」である。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、キシロースの平均重合度が2〜5の酸性キシロオリゴ糖を大量かつ安価に得ることができる簡便な製造方法を提供することができる。その結果、前記酸性キシロオリゴ糖を大量かつ安価に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の構成について詳述するが、本発明は、これにより限定されるものではない。
本発明の酸性キシロオリゴ糖の製造方法は、小麦フスマ及び/又は米糠を100〜150℃で熱水加熱処理して糖液を得ることを特徴の一つとする。小麦フスマ及び/又は米糠を100〜150℃で熱水加熱処理することにより、キシロースの平均重合度が2〜5の酸性キシロオリゴ糖を高収率で得ることができる。
【0014】
本発明で言うキシロオリゴ糖とは、キシロースの2量体であるキシロビオース、3量体であるキシロトリオース、あるいは4量体〜20量体程度のキシロースの重合体を言う。本発明で言う酸性キシロオリゴ糖とは、キシロオリゴ糖1分子中に少なくとも1つ以上のウロン酸残基を有するものであり、全糖質中のウロン酸含有量が2質量%以上のものを言う。また、本発明における酸性キシロオリゴ糖は、キシロースの重合度が異なるオリゴ糖の混合組成物であってもよい。一般的には、天然物から製造するために、このような組成物として得られることが多い。
【0015】
本発明の方法によって得られた酸性キシロオリゴ糖は、平均重合度が2以上のキシロースからなるのが好ましく、なかでも、2〜10であるのが好ましく、特に、2〜5であるのが好ましい。キシロースの重合度としては、2〜7であるのが好ましい。キシロースの重合度及び平均重合度が、前記範囲内であると、酸性キシロオリゴ糖が腸管からすばやく吸収されるので、薬理効果を促進することができる。
【0016】
ウロン酸は、種々の生理活性を持つペクチン、ペクチン酸、アルギン酸、ヒアルロン酸、ヘパリン、コンドロイチン硫酸又はデルタマン硫酸等の天然物由来の多糖の構成成分として知られている。ウロン酸としては、特に制限はないが、グルクロン酸、4−O−メチル−グルクロン酸又はヘキセンウロン酸であることが好ましい。
【0017】
本発明における小麦フスマとしては、通常の小麦製粉過程で生じる一般フスマを用いることができる。また、米糠としては、精米時に発生する糠を用いることができる。米糠を用いる場合、熱水加熱処理の前段階で、エタノール、メタノール及びクロロホルム等の適当な有機溶媒を用いて脱脂しておくのが望ましい。
【0018】
小麦フスマ及び米糠の粒度としては、特に制限はないが、糖質分解酵素や繊維質分解酵素の作用を効率よく利用するために、予め、粉砕して、粒度を細かくしておくのが好ましい。しかしながら、過度の粉砕は残渣を固液分離によって除去する際に悪影響、例えば、篩の目詰まり等を生ずるので好ましくない。
【0019】
粉砕方法としては、乾式粉砕又は湿式粉砕のいずれであってもよい。粉砕機としては、公知の粉砕機を用いることができ、例えば、ジョークラッシャー、コーンクラッシャー、ロールクラッシャー又はインパクトクラッシャー等を挙げることができる。
【0020】
本発明においては、酸性キシロオリゴ糖の抽出効率を高める為に、熱水加熱処理前及び/又は熱水加熱処理後に酵素分解処理を行うことが好ましい。酵素分解処理に用いる酵素としては、糖質分解酵素又は繊維質分解酵素を用いることが好ましく、特に、アミラーゼ、セルラーゼ又はキシラナーゼの少なくとも一つの酵素を用いるのが好ましい。
【0021】
熱水加熱処理前に、前記酵素を小麦フスマ及び/又は米糠に作用させておくと、小麦フスマ及び米糠中のセルロース、ヘミセルロース及びデンプン等を加水分解した状態で熱水加熱処理を行うことができるので、効率的に酸性キシロオリゴ糖を得ることができる。一方、熱水加熱処理して得られた糖液に前記酵素を作用させると、糖液中の水溶性多糖類が加水分解されるので、キシロースの平均重合度が2〜5の酸性キシロオリゴ糖の収率を上げることができる。
【0022】
前記糖質分解酵素としては、食品添加物として一般的に用いられている糖質分解酵素であれば、特に制限はない。糖質分解酵素としては、例えば、液化酵素T、リクィファーゼL45、フクタミラーゼ50、フクタミラーゼ10L、液化酵素6T、オリエンターゼAO10、オリエンターゼAOG、プライマーゼLC、プライマーゼHT、ハイマルトシンG、ハイマルトシンGL、グルターゼ6000、グルターゼAN(以上、HBI(株)社製)、スタラーゼF(キッコーマン(株)社製)、スペザイムAA、ピュラスターOxAm、オプチサイズFLEX、オプチマルトBBA、オプチデックスL、オプチマックス4060VHP、トランスグルコシダーゼL−500(以上、ジェネンコア協和(株)社製)、ソフターゲン3H、ソフターゲン3、ソフターゲン7(以上、(株)タイショーテクノス社製)、グリンドアミルAG、グリンドアミルS、グリンドアミルXV、グリンドアミルEB77、グリンドアミルFD、グリンドアミルMAX−LIFE、グリンドアミルA(以上、ダニスコ カルター ジャパン(株)社製)、ビオテックスL#3000、ビオテックスTS、スピターゼHS.、スピターゼCP−40FG、スピターゼXP−404、β−アミラーゼ#1500、β−アミラーゼL、β−アミラーゼ#1500S、XL−4、グルコチーム#20000、長瀬酵素剤T−50、ビオプラーゼ3LAP、ビオプラーゼAPS、ビオプラーゼAP(以上、ナガセケムテックス(株)社製)、BAN、ファンガミル、ターマミル、バイオフィードアルファ、ノバミル、マルトゲナーゼ、ステインザイム、アクアザイム、サーモザイム、デュラミル、AMG、サンスーパー、プロモザイム、デキストロザイム、トルザイム、ファンガミルスーパー、セレミックス、デキストラナーゼ(以上、ノボザイムズ(株)社製)、ユニアーゼBM−8、ユニアーゼL、ユニアーゼK、2K、ユニアーゼ30、ユニアーゼ60F、ユニアーゼS(以上、ヤクルト薬品工業(株)社製)、GODO−GBA、GODO−ANG(以上、合同酒精(株)社製)コクラーゼ、コクラーゼ・G2、コクラーゼ・M、デキストラナーゼ2F(以上、三共ライフテック(株)社製)、スミチームL、スミチームA−10、スミチームAS、スミチーム、スミチームSG、スミチームS(以上、新日本化学工業(株)社製)、クライスターゼ、クライスターゼT、コクゲン、コクゲンT、ネオマルツ、ネオマルツH、ビオクライスターゼ、ビオクライスターゼT、クライスターゼY、クライスターゼPLF(以上、大和化成(株)社製)、ビオザイムF10SD、アミラーゼS「アマノ」35G、ビオザイムA 、ビオザイムL 、グルクSG、グルクザイムAF6、グルクザイムNL4.2、酒造用グルコアミラーゼ「アマノ」SD、プルラナーゼ「アマノ」3、グルクSBG、AMT1.2L、トランスグルコシダーゼL「アマノ」、コンチザイム、アミラーゼAY「アマノ」2、デキストラナーゼL「アマノ」(以上、天野エンザイム(株)社製)、ベイクザイムP500、ベイクザイムAN301、ベイクザイム AG800、ベイクザイムH1000(以上、日本シイベルヘグナー(株)社製)VERON AX、VERON GX、VERON M4、VERON ESL(以上、(株)樋口商会社製)、ラタターゼ SR、ラクトーゼRCS、SVA、マグナックスJW−121、マグナックスJW−201、マグナックスJW−101(以上、洛東化成工業(株)社製)等を挙げることができる。
【0023】
前記繊維質分解酵素としては、食品添加物として一般的に用いられている繊維質分解酵素であれば、特に制限はなく、例えば、セルラーゼ又はヘミセルラーゼ等を挙げることができる。セルラーゼとしては、例えば、セルロシンAC40、セルロシンAL、セルロシンT2(以上、HBI(株)社製)、キタラーゼ(ケイアイ化成(株)社製)、スペザイム CP、GC220、マルチフェクト CL、マルチフェクト BGL、β−グルカナーゼ 750L(以上、ジェネンコア協和(株)社製)、ソフィターゲンC−1((株)タイショーテクノス社製)、セルラーゼXL−531、セルチームC(以上、ナガセケムテックス(株)社製)、ウルトラフロ、ビスコザイム、フィニザイム、グルカネックス、バイオフォードプラス、エネルジェックス、セルクラスト(以上、ノボザイムズ(株)社製)、セルラーゼ”オノズカ”3S、セルラーゼY−NC、パンセラーゼBR(以上、ヤクルト薬品工業(株)社製)、スミチームAC、スミチームC(以上、新日本化学工業(株)社製)、ツニカーゼ(大和化成(株)社製)、セルラーゼA「アマノ」3、セルラーゼT「アマノ」4、YL−NL「アマノ」(以上、天野エンザイム(株)社製)、ベイクザイムXE(日本シイベルヘグナー(株)社製)、エンチロンMCH、フェドラーゼ(以上、洛東化成工業(株)社製)等を挙げることができる。また、ヘミセルラーゼとしては、例えば、セルロシンHC100、セルロシンHC、セルロシンTP25、セルロシンB、ヘミセルラーゼM(以上、HBI(株)社製)、マルチフェクト720(ジェネンコア協和(株)社製)、グリンドアミルH(ダニスコ カルター ジャパン(株)社製)、ペントパン、ペントパンモノ、パルプザイム、シーアザイム(以上、ノボザイムズ(株)社製)、スミチームX(新日本化学工業(株)社製)、ヘミセルラーゼ「アマノ」90(天野エンザイム(株)社製)、ベイクザイムHS2000、ベイクザイム l Conc(以上、日本シイベルヘグナー(株)社製)、VERON 191、VERON 393、Xylanase Conc(以上、(株)樋口商会社製)、エンチロンLQ(洛東化成工業(株)社製)等を挙げることができる。
【0024】
小麦フスマ及び/又は米糠の酵素処理は、小麦フスマ及び/又は米糠のスラリーを酵素の至適pH付近に調整した後、酵素を添加することによって行う。pHの調整には、公知のpH調整剤を用いればよい。pH調整剤としては、食品製造に一般的に用いられている酸又はアルカリを挙げることができる。酸又はアルカリとしては、酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、重曹又は苛性ソーダ等を挙げることができる。また、酵素反応時のスラリー濃度としては、1〜30質量%が好ましく、特に、5〜10質量%が好ましい。
【0025】
小麦フスマ及び/又は米糠から酸性キシロオリゴ糖を熱水加熱処理する際における熱水の温度は、50℃以上であればよいが、中でも、100℃以上であるのが好ましい。また、熱水加熱処理は、加圧下で行ってもよい。このときの圧力としては、0.1M〜0.5MPaであるのが好ましい。
【0026】
加熱時間としては、特に制限はなく、温度又は圧力等により、適宜選択することができる。例えば、100℃で熱水加熱処理する場合には、少なくとも30分であるのが好ましく、加圧条件下で100℃の過熱水を用いて熱水加熱処理する場合には、少なくとも15分であるのが好ましい。また、加熱処理中に攪拌機などを用いて攪拌しながら抽出してもよい。加熱中に攪拌することにより、抽出効率を高め、加熱時間を短縮することが出来る。
【0027】
熱水加熱処理時の小麦フスマ及び/又は米糠のスラリー濃度としては、特に制限はないが、1〜30質量%程度であるのが好ましい。
【0028】
本発明における熱水加熱処理は、過熱水又は過熱水蒸気を用いて、回分式又は連続式の抽出装置で行うことができる。過熱水を用いる方法の具体的な例としては、小麦フスマ及び/又は米糠のスラリーを耐圧容器に入れて間接加熱によって過熱水処理する方法、又はジェットクッカーのように連続的に過熱水処理できる装置を利用する方法などが挙げられる。一方、過熱水蒸気を用いる方法の具体的な例としては、小麦フスマ及び/又は米糠のスラリーを耐圧容器に入れて過熱水蒸気を導入する方法、又は連続式の蒸煮装置や蒸解装置を利用する方法などが挙げられる。
【0029】
熱水加熱処理時にpHを酸性側又はアルカリ側に調整することで、抽出効率を高めることが出来る。pHの範囲としては、酸性側では、1.0〜4.0が好ましく、2.5〜3.5がより好ましい。また、アルカリ側では9.0〜13.0が好ましく、10.0〜11.0がより好ましい。pH調整剤としては、酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、重曹又は苛性ソーダ等の食品添加物として食品製造に一般的に用いられている酸又はアルカリを用いることができる。
【0030】
本発明においては、原料の小麦フスマや米糠を加熱処理する際の処理条件、温度、圧力及びpH等を、所望に応じて、適宜変更することができる。処理条件を適宜変更することにより、キシロースの平均重合度を自由に調節可能になり、任意の酸性キシロオリゴ糖を得ることができる。
【0031】
熱水抽出処理で得られた処理液に、必要に応じて加水やpH調製を行った後、固液分離して酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を得る。固液分離には、濾過、遠心分離又は湿式分級等の一般的な方法を用いることができる。なお、必要に応じて、得られた糖液について、脱色処理、脱塩処理、分画処理、精製処理、濃縮処理又は乾燥処理等の各処理をしてもよい。
【0032】
本発明の酸性キシロオリゴ糖の製造方法は、酸性キシロオリゴ糖を含む糖液をイオン交換処理することを特徴の一つとする。酸性キシロオリゴ糖を含む糖液をイオン交換処理することにより、酸性キシロオリゴ糖のみを得ることができる。
本発明において、酸性キシロオリゴ糖は、次のようにして得ることができる。すなわち、酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を陰イオン交換樹脂が装填されたカラムに通液して、陰イオン交換樹脂に糖液中の酸性キシロオリゴ糖を吸着させる。次いで、酸性キシロオリゴ糖が吸着した陰イオン交換樹脂に塩溶液又はアルコールを通液して、陰イオン交換樹脂に吸着した酸性キシロオリゴ糖を塩溶液又はアルコールに溶出させる。この様にして得られた溶出液には、酸性キシロオリゴ糖のみが含まれる。
【0033】
陰イオン交換樹脂としては、強塩基性陰イオン交換樹脂又は弱塩基性陰イオン交換樹脂のいずれも用いることができる。強塩基性陰イオン交換樹脂としては、例えば、アンバーライトIRA410J CL、アンバーライトIRA411 CL若しくはアンバーライト910CT CL(以上、オルガノ(株)社製)又はダイヤイオンSA10A、ダイヤイオンNSA100、ダイヤイオンPA308、ダイヤイオンPA408若しくはダイヤイオンHPA25(以上、三菱化学(株)社製)を挙げることができる。弱塩基性陰イオン交換樹脂としては、例えば、アンバーライトIRA67、アンバーライトIRA96SB、アンバーライトXT6050RF若しくはアンバーライトXE583(以上、オルガノ(株)社製)又はダイヤイオンWA10、ダイヤイオンWA20、ダイヤイオンWA21J若しくはダイヤイオンWA30(以上、三菱化学(株)社製)等を挙げることができる。
【0034】
陰イオン交換樹脂に吸着した酸性キシロオリゴ糖を回収する際に用いられる塩溶液及びアルコールとしては、塩化ナトリウム水溶液又はエタノールを挙げることができる。塩化ナトリウム水溶液の濃度としては、特に制限はないが、50〜100mMであるのが好ましい。
【0035】
陰イオン交換樹脂に酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を通液する際の通液速度としては、2.0〜5.0ml/minであるのが好ましい。
【0036】
粉末状の酸性キシロオリゴ糖を得たい場合には、陰イオン交換樹脂に塩溶液又はアルコールを通液して得られた溶出液をスプレードライ処理又は凍結乾燥処理等をすることができる。
【実施例】
【0037】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。まず、各測定法の概要を以下に示す。なお、特に断りのない限り、「%」は、「質量%」を表す。
【0038】
<測定法の概要>
(1)全糖量の定量
全糖量は、検量線をD−キシロース(和光純薬工業(株)製)を用いて作製し、フェノール硫酸法(「還元糖の定量法」、学会出版センター発行)にて定量した。
(2)還元糖量の定量
還元糖量は、検量線をD−キシロース(和光純薬工業(株)製)を用いて作製し、ソモジ−ネルソン法(「還元糖の定量法」、学会出版センター発行)にて定量した。
(3)ウロン酸量の定量
ウロン酸量は、検量線をD−グルクロン酸(和光純薬工業(株)製)を用いて作製し、カルバゾール硫酸法(「還元糖の定量法」、学会出版センター発行)にて定量した。
(4)キシロースの平均重合度の計算方法
全糖量を還元糖量で割った値をキシロースの平均重合度とした。
(5)酸性キシロオリゴ糖1分子あたりに含まれるウロン酸量の計算方法
ウロン酸量を還元糖量で割った値を酸性キシロオリゴ糖1分子あたりに含まれるウロン酸量とした。
(6)キシロースの重合度が2〜5の酸性キシロオリゴ糖の定量
キシロースの重合度が2〜5の酸性キシロオリゴ糖の定量には、LC/MS(HPLC:Agilent Technology(株)社製、ESI−TOF−MS:Applied Biosystems(株)社製)を用いた。カラムは、カプセルパックUG80 NH22×150mm((株)資生堂社製)を用いた。MSの検出は、ネガティブイオンモードで行った。検量線には、キシロースの重合度が2〜5の酸性キシロオリゴ糖の混合物であるAldo−Uronic Acids(日本バイオコン(株)社製)を用いた。キシロースの重合度が2〜5の酸性キシロオリゴ糖のm/z値はそれぞれ471、603、735、999、1131である。Aldo−Uronic Acidsの濃度と、それぞれのm/z値のクロマトグラムにおけるピーク面積の和から求めた検量線を用いてキシロースの重合度2〜5の酸性キシロオリゴ糖量を定量した。
(7)酵素力価の定量
酵素として用いたキシラナーゼの活性測定には、カバキシラン(シグマ(株)社製)を用いた。酵素力価の定義は、キシラナーゼがキシランを分解することで得られる還元糖の還元力をDNS法(「還元糖の定量法」、学会出版センター発行)を用いて測定し、1分間に1マイクロモルのキシロースに相当する還元力を生成させる酵素量を1ユニットとした。
(8)イオン交換処理によるオリゴ糖の精製
イオン交換処理には、4塔構成のイオン交換塔を用いた。各塔には、200ml容のイオン交換樹脂を充填した。第1塔には、強力カチオン交換樹脂 200CT(オルガノ(株)社製)、第2塔には、弱アニオン交換樹脂 IRA96SB(オルガノ(株)社製)、第3塔には、前記200CT、第4塔には、前記IRA96SBをそれぞれ充填した。糖液を第1塔から順に3.5ml/minの流速で通液し、中性糖画分を素通りさせ、酸性キシロオリゴ糖を第2塔及び第4塔の弱アニオン交換樹脂に吸着させた。続いて、第2塔及び第4塔にそれぞれ75mMのNaCl水溶液を3.5ml/minの流速で通液して、溶出液を得た。得られた溶出液を、スプレードライ処理して、酸性キシロオリゴ糖を回収した。
【0039】
<実施例1>
米糠に5倍量のクロロホルム−メタノール(2:1)を加えてホモジナイズした後、遠心分離によってクロロホルム−メタノール層を除去した。更に、沈殿に等量のクロロホルム−メタノール(2:1)を加え、良く撹拌した後、遠心分離によってクロロホルム−メタノール層を除去した。得られた沈殿を40℃の恒温槽中で加熱し、クロロホルム−メタノール(2:1)を完全に除去して、脱脂米糠を得た。
【0040】
<実施例2>
脱脂米糠50gに水500mlを加え、オートクレーブ装置を用いて105℃で30分間加熱した。室温にまで冷却した後、遠心分離によって酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を得た。この糖液をイオン交換処理して酸性キシロオリゴ糖を精製した。
【0041】
<実施例3>
脱脂米糠50gに水500mlを加え、希硫酸を用いてpH5に調整した後、Xylanase Conc((株)樋口商会社製)を最終酵素力価が50U/mlとなるように添加した。次いで、50℃で30分反応させた後、オートクレーブ装置を用いて105℃で30分間加熱した。次いで、室温まで冷却した後、遠心分離によって酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を得た。この糖液をイオン交換処理して酸性キシロオリゴ糖を精製した。
【0042】
<実施例4>
脱脂米糠50gに水500mlを加え、希硫酸を用いてpH5に調整した後、Xylanase Conc((株)樋口商会社製)を最終酵素力価が50U/mlとなるように添加し、50℃で30分反応させた。次いで、希硫酸を用いてpH3に調整した後、オートクレーブ装置を用いて105℃で30分間加熱した。次いで、室温まで冷却した後、遠心分離によって酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を得た。この糖液をイオン交換処理して酸性キシロオリゴ糖を精製した。
【0043】
<実施例5>
脱脂米糠50gに水500mlを加え、希硫酸を用いてpH5に調整した後、Xylanase Conc((株)樋口商会社製)を最終酵素力価が50U/mlとなるように添加し、50℃で30分反応させた。次いで、希硫酸を用いてpH3に調整した後、オートクレーブ装置を用いて105℃で30分間加熱した。次いで、室温まで冷却した後、苛性ソーダを用いてpH5に調整し、更に、Xylanase Conc((株)樋口商会社製)を最終酵素力価が50U/mlとなるように添加した後、50℃で30分反応させた。その後、遠心分離によって酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を得た。この糖液をイオン交換処理して酸性キシロオリゴ糖を精製した。
【0044】
<実施例6>
脱脂米糠50gに水500mlを加え、希硫酸を用いてpH5に調整した後、Xylanase Conc((株)樋口商会社製)を最終酵素力価が50U/mlとなるように添加し、50℃で30分反応させた。次いで、苛性ソーダを用いてpH10に調整した後、オートクレーブ装置を用いて105℃で30分間加熱した。次いで、室温まで冷却した後、遠心分離によって酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を得た。この糖液をイオン交換処理して酸性キシロオリゴ糖を精製した。
【0045】
<実施例7>
脱脂米糠50gに水500mlを加え、希硫酸を用いてpH5に調整した後、Xylanase Conc((株)樋口商会社製)を最終酵素力価が50U/mlとなるように添加し、50℃で30分反応させた。次いで、苛性ソーダを用いてpH10に調整した後、オートクレーブ装置を用いて105℃で30分間加熱した。次いで、室温まで冷却した後、希硫酸を用いてpH5に調整し、更に、Xylanase Conc((株)樋口商会社製)を最終酵素力価が50U/mlとなるように添加した後、50℃で30分反応させた。その後、遠心分離によって酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を得た。この糖液をイオン交換処理して酸性キシロオリゴ糖を精製した。
【0046】
<実施例8>
小麦フスマ50gに水500mlを加え、オートクレーブ装置を用いて105℃で30分間加熱した。次いで、室温まで冷却した後、遠心分離によって酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を得た。この糖液をイオン交換処理して酸性キシロオリゴ糖を精製した。
【0047】
<実施例9>
小麦フスマ50gに水500mlを加え、希硫酸を用いてpH5に調整した後、Xylanase Conc((株)樋口商会社製)を最終酵素力価が50U/mlとなるように添加した。次いで、50℃で30分反応させた後、オートクレーブ装置を用いて105℃で30分間加熱した。次いで、室温まで冷却した後、遠心分離によって酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を得た。この糖液をイオン交換処理して酸性キシロオリゴ糖を精製した。
【0048】
<実施例10>
小麦フスマ50gに水500mlを加え、希硫酸を用いてpH5に調整した後、Xylanase Conc((株)樋口商会社製)を最終酵素力価が50U/mlとなるように添加し、50℃で30分反応させた。次いで、希硫酸を用いてpH3に調整した後、オートクレーブ装置を用いて105℃で30分間加熱した。次いで、室温まで冷却した後、遠心分離によって酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を得た。この糖液をイオン交換処理して酸性キシロオリゴ糖を精製した。
【0049】
<実施例11>
小麦フスマ50gに水500mlを加え、希硫酸を用いてpH5に調整した後、Xylanase Conc((株)樋口商会社製)を最終酵素力価が50U/mlとなるように添加し、50℃で30分反応させた。次いで、希硫酸を用いてpH3に調整した後、オートクレーブ装置を用いて105℃で30分間加熱した。次いで、室温まで冷却した後、苛性ソーダを用いてpH5に調整した後、更に、Xylanase Conc((株)樋口商会社製)を最終酵素力価が50U/mlとなるように添加し、50℃で30分反応させた。その後、遠心分離によって酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を得た。この糖液をイオン交換処理して酸性キシロオリゴ糖を精製した。
【0050】
<実施例12>
小麦フスマ50gに水500mlを加え、希硫酸を用いてpH5に調整した後、Xylanase Conc((株)樋口商会社製)を最終酵素力価が50U/mlとなるように添加し、50℃で30分反応させた。次いで、苛性ソーダを用いてpH10に調整した後、オートクレーブ装置を用いて105℃で30分間加熱した。次いで、室温まで冷却した後、遠心分離によって酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を得た。この糖液をイオン交換処理して酸性キシロオリゴ糖を精製した。
【0051】
<実施例13>
小麦フスマ50gに水500mlを加え、希硫酸を用いてpH5に調整した後、Xylanase Conc((株)樋口商会社製)を最終酵素力価が50U/mlとなるように添加し、50℃で30分反応させた。次いで、苛性ソーダを用いてpH10に調整した後、オートクレーブ装置を用いて105℃で30分間加熱した。次いで、室温まで冷却した後、希硫酸を用いてpH5に調整した後、更に、Xylanase Conc((株)樋口商会社製)を最終酵素力価が50U/mlとなるように添加し、50℃で30分反応させた。その後、遠心分離によって酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を得た。この糖液をイオン交換処理して酸性キシロオリゴ糖を精製した。
【0052】
<比較例1>
国内産広葉樹チップ70%、ユーカリ材30%からなる混合広葉樹チップを原料として用い、クラフト蒸解を行い、カッパー価20.1、パルプ粘度41cpsの工場製の未晒パルプを得た。次いで、酸素脱リグニンを行い、カッパー価9.6、パルプ粘度25.1cpsの酸素脱リグニンパルプを得た。このパルプの10%スラリー500mlに希硫酸を添加してpH5に調整した後、Xylanase Conc((株)樋口商会社製)を最終酵素力価が50U/mlとなるように添加し、50℃で30分反応させた。反応終了後、パルプをプレス機で圧搾して250mlの抽出液を得た。次に、抽出液に希硫酸を添加してpH3に調整した後、オートクレーブ装置を用いて105℃で30分間加熱した。次いで、室温まで冷却した後、遠心分離によって酸性キシロオリゴ糖を含む糖液を得た。この糖液をイオン交換処理して酸性キシロオリゴ糖を精製した。
【0053】
以上の結果を表1、表2に示す。表1、表2から明らかなように、小麦フスマ又は米糠を熱水加熱処理すると、脱リグニンパルプを熱水加熱処理するのに比べて、キシロースの重合度の小さい酸性キシロオリゴ糖を高収率で得ることができた。また、熱水加熱処理時のpHを最適条件にすると、pH調整しないのに比べて、更に、収率を向上できるのが分かった。更には、熱水加熱処理前に酵素処理をすると、酵素処理しないのに比べて、収率が向上できること、熱水過熱処理後に酵素処理をすると、キシロース重合度の小さい酸性キシロオリゴ糖を得ることができることが分かった。
【0054】
【表1】


【0055】
【表2】


【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明により、キシロースの重合度が2〜5である酸性キシロオリゴ糖を、安く大量に提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子製紙株式会社
【出願日】 平成18年11月30日(2006.11.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−136376(P2008−136376A)
【公開日】 平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願番号】 特願2006−323594(P2006−323594)