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【発明の名称】 酵母宿主から真性のIGFを精製するための方法
【発明者】 【氏名】シンシア コウギル

【氏名】ルイス ジャーベ

【氏名】パトリシオ リケルメ

【氏名】グレン ドリン

【氏名】クリストファー エム. バシヌー

【氏名】ロバート ディー. カドルナ

【氏名】アスマン ジー. オッザーク

【氏名】カール スカンデラ

【氏名】ラッセル エー. ブリーリー

【氏名】ジョアン エヌ. アブラムズ

【氏名】ジョン エム. ハンソン

【氏名】フランシス シー. マスランカ

【要約】 【課題】酵母からの真性のIGFを精製するためのさらなる方法の提供。

【構成】インスリン様増殖因子(IGF)ポリペプチドを含有する酵母細胞培地から、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載されるような酵母宿主から真性のIGFを精製するための方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、概して、インスリン様増殖因子(IGF)ポリペプチドの生成に関する。より詳
細には、本発明は、組換え酵母宿主からの、真性の、正確に折り畳まれたIGFの生成に関
する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
インスリン様増殖因子(IGF)は、ソマトメジンとして知られるポリペプチドのファミリ
ーに属する。少なくとも2つのIGFが公知であり、そしてそれぞれ、IGF-IおよびIGF-IIと称されている。IGFは、その名前を、それらが構造的および機能的にインスリンに類似し
ているが、抗原性的にインスリンとは異なるという事実に由来している。
【0003】
IGF-IおよびIGF-IIは、多くの構造的特性および生物学的特性を共有する。両者は、約7,500ダルトンの分子量を有する。IGF-Iは70アミノ酸残基を有し、そしてIGF-IIは67残基
を有する。Rinderknecht,J. Biol. Chem. (1978) 253:2769; およびRinderknecht, FEBS Lett.(1978) 89:283。IGF-IおよびIGF-IIは、62%の構造的相同性を互いに有する。分子は、3つの鎖内のジスルフィド架橋を有する一本鎖のポリペプチドである。IGFは、4つ
のペプチドドメインA、B、C、およびDを含む。AドメインおよびBドメインは、対応するプロインスリンのドメインに対して相同性が高く、そしてCドメインによって連結されている。Dドメインは、カルボキシ末端伸長として存在し、そして対応するドメインは、プロインスリンには見出されない。インスリンのように、IGFは、それらが結合するレ
セプターの細胞質ドメイン内で特定のチロシン残基のリン酸化を刺激する。(例えば、WO93/98826を参照のこと)。
【0004】
IGF-IおよびIGF-IIは両方とも、ヒト血清から単離された。細菌宿主および酵母宿主中
でのIGFの組換え産生もまた、記載されている。例えば、ChangおよびSwartz,Protein Folding: in vivo and in vitro(American Chemical Society, 1993)178-188頁は、E. coli中でのIGF-Iの組換え産生を記載する。Elliottら、J.Protein Chem. (1990) 9:95-104は、培養培地中へのIGF-Iの分泌を指向するα因子プレ-プロ-リーダーを使用する、Saccharomycescerevisiae中でのIGF-Iの産生を記載する。米国特許第5,324,639号は、タンパク質産物の分泌を指向するS.cerevisiae α接合因子プレ-プロ-配列を使用する、メチロトローフ性の(methylotrophic)酵母Pichia pastoris中でのIGF-Iの組換え産生を記載する。
【0005】
しかし、組換え宿主からの真性の、正確に折り畳まれたIGFを精製する試みは、この分
子の3次元構造のために、失敗してきた。この点に関しては、組換え的に生成された分子の精製は、しばしば、大部分は不活性で、正確に折り畳まれなかった(misfold)、不溶性
のおよび/または可溶性の、ジスルフィド結合した集合体からなる、不均一な混合物を与える。フラグメント、ニック形態、酸化形態およびグリコシル化形態のような、他の異常型の分子もまた、存在し得る。従って、精製は困難であり、そして真性の単量体が生じることは、たいてい低い。例えば、Elliottら、J.ProteinChem. (1990) 9:95-104を参照のこと。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの問題を修正するための試みが行われてきた。例えば、ChangおよびSwartz, Protein Folding: in vivo and invitro(American Chemical Society, 1993)、178-188頁、
は、アルカリ緩衝液中の低濃度の尿素およびジチオスレイトール(DTT)を使用する、E.coli中で産生された凝集したIGF-Iを可溶化するための方法を記載する。米国特許第5,231,178号は、陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、および
ゲル濾過クロマトグラフィーの組み合わせを使用する、P.pastoris由来の正しく折り畳まれた、単量体のIGF-Iを精製するための方法を記載する。
【0007】
しかし、酵母からの真性のIGFを精製するためのさらなる方法が、所望される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(項目1)インスリン様増殖因子(IGF)ポリペプチドを含有する酵母細胞培地から、真性
の、正確に折り畳まれたIGFポリペプチドを生成するための方法であって、ここで、該方
法は:
(a)酵母細胞培地を用いて第1の陽イオン交換クロマトグラフィーを行って第1のIGF混合物を得る工程;
(b)第1のIGF混合物に存在するIGF種を変性し、そして再生して、第2のIGF混合物
を得る工程;
(c)第2のIGF混合物を疎水性相互作用クロマトグラフィーに供し、第3のIGF混合物を得る工程;および
(d)第3のIGF混合物に対して逆相高速液体クロマトグラフィーを行って、第4のIGF混合物を得る工程であって、ここで、該第4のIGF混合物は、第1のIGF混合物よりも大量の、真性の、正確に折り畳まれたIGFを有する、工程、
を包含する、方法。
(項目2)前記方法が、逆相高速液体クロマトグラフィーを行う前に、前記第3のIGF混
合物を用いて第2の陽イオン交換クロマトグラフィーを行う工程をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目3)前記方法が、前記第1の陽イオン交換クロマトグラフィーの前に、酵母細胞を含有する酵母細胞培地のpHを、約pH8〜約pH12まで上昇させる工程をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目4)前記方法が、前記第1の陽イオン交換クロマトグラフィーの前に、酵母細胞を含有する酵母細胞培地のpHを、約pH10〜約pH11まで上昇させる工程をさらに包含する、項目3に記載の方法。
(項目5)前記第1の陽イオン交換クロマトグラフィーが、スルホプロピル化マトリクスを使用して行われる、項目1に記載の方法。
(項目6)前記第2の陽イオン交換クロマトグラフィーが、スルホプロピル化マトリクスを使用して行われる、項目2に記載の方法。
(項目7)前記変性工程および再生工程が、尿素、ジチオスレイトール、アルコール、および塩を十分な量で含む変性緩衝液をともに使用し、かつジスルフィド結合の還元およびそれに続く酸化を可能にする条件下で行われる、項目1に記載の方法。
(項目8)前記変性緩衝液が、約1〜約4Mの尿素、約1mM〜約75mMのホウ酸ナトリウム
、約0)5M〜約3Mの塩化ナトリウム、約10%〜約30%のエタノール、および約0)5倍〜約7倍モル過剰のジチオスレイトールを含有する、項目7に記載の方法。
(項目9)前記変性緩衝液が、約1)5〜約3Mの尿素、約3mM〜約50mMのホウ酸ナトリウ
ム、約1M〜約1)5Mの塩化ナトリウム、約15%〜約25%のエタノール、および約当モル〜約5倍モル過剰のジチオスレイトールを含有する、項目8に記載の方法。
(項目10)前記疎水性相互作用クロマトグラフィーが、ポリエチレンアミンマトリクスを使用して実施される、項目1に記載の方法。
(項目11)前記疎水性相互作用クロマトグラフィーが、ブチル置換された、またはフェニル置換された、ポリ(メタクリル酸)マトリクスを使用して行われる、項目1に記載の方法。
(項目12)前記逆相高速液体クロマトグラフィーが、C3〜C8のシリカ誘導体化樹脂を使
用して行われる、項目1に記載の方法。
(項目13)前記逆相高速液体クロマトグラフィーが、スチレンポリマー樹脂を使用して行われる、項目1に記載の方法。
(項目14)前記酵母細胞が、Pichia sp)である、項目1に記載の方法。
(項目15)前記酵母細胞が、P) pastorisである、項目14に記載の方法。
(項目16)前記酵母細胞が、Saccharomyces sp)である、項目1に記載の方法。
(項目17)前記酵母細胞が、S) cerevisiaeである、項目16に記載の方法。
(項目18)前記IGFが、IGF-Iである、項目1に記載の方法。
(項目19)前記IGFが、IGF-IIである、項目1に記載の方法。
(項目20)酵母細胞培地由来のインスリン様増殖因子(IGF)ポリペプチドを再折り畳み
して、真性の、正確に折り畳まれたIGFポリペプチドを得るための方法であって、ここで
、該方法は、尿素、ジチオスレイトール、アルコール、および塩を十分な量で含む変性緩衝液を使用し、かつジスルフィド結合の還元、およびそれに続く酸化を可能にする条件下で、IGF混合物中に存在するIGF種を変性し、そして再生し、それによって真性の、正確に折り畳まれたIGFポリペプチドを生成する工程を包含する、方法。
(項目21)前記変性緩衝液が、Cu++、Mn++、Ni++、Zn++、およびFe++からなる群より選択される2価の金属の1つ以上をさらに含有する、項目20に記載の方法。
(項目22)前記変性緩衝液が、約0)5〜6μMのCu++を含有する、項目21に記載の
方法。
(項目23)前記変性および再生が、約1〜約4Mの尿素、約1mM〜約75mMのホウ酸ナト
リウム、約0)5M〜約3Mの塩化ナトリウム、約10%〜約30%のエタノール、および約0)5倍〜約7倍モル過剰のジチオスレイトールを含有する変性緩衝液をともに使用して行われる、項目20に記載の方法。
(項目24)前記変性変性緩衝液が、約9〜約11のpHを有し、かつ約1)5〜約3Mの尿素
、約3mM〜約50mMのホウ酸ナトリウム、約1M〜約1)5Mの塩化ナトリウム、約15%〜約25%のエタノール、および当モル〜約5倍モル過剰のジチオスレイトールを含有する、項目23に記載の方法。
(項目25)前記変性および再生が、ともに行われ、そして約8〜約24時間、室温で行われる、項目20に記載の方法。
(項目26)前記変性および再生が、約10〜約18時間、室温で行われる、項目25に記載の方法。
(項目27)酵母細胞培地由来のインスリン様増殖因子(IGF)ポリペプチドを再折り畳み
して、真性の、正確に折り畳まれたIGFポリペプチドを得るための方法であって、ここで
、該方法は、IGF混合物中に存在するIGF種を変性しそして再生する工程を包含し、ここで、該変性および再生が、約9〜約11のpHを有し、かつ約2Mの尿素、約50mMのホウ酸ナト
リウム、約1M〜約1)5Mの塩化ナトリウム、約15%〜約25%のエタノール、および約当モル濃度〜約5倍モル過剰のジチオスレイトールを含有する変性緩衝液をともに使用して行われ、ここで、該変性および再生が、約15〜約18時間、室温で行われ、それによって真性の、正確に折り畳まれたIGFポリペプチドを生成する工程を包含する、方法。
(項目28)前記変性緩衝液が、約0)5μM〜約6μMのCuCl2をさらに含有する、項目
27に記載の方法。
【0009】
発明の要旨
本発明は、酵母形質転換体から、真性の、正確に折り畳まれたIGFポリペプチドを精製
するための方法の発見に基づく。この方法は、種々の酵母株から高収率のIGFを提供する

【0010】
さらに、1つの実施態様において、本発明は、IGFポリペプチドを含有する酵母細胞培
地から、真性の、正確に折り畳まれたIGFポリペプチドを精製するための方法に関する。
本方法は、以下の工程を包含する:
(a)酵母細胞培地を用いて第1の陽イオン交換クロマトグラフィーを実施して、第1のIGF混合物を得る工程;
(b)第1のIGF混合物に存在するIGF種を変性し、そして再生して、第2のIGF混合物
を得る工程;
(c)第2のIGF混合物を疎水性相互作用クロマトグラフィーに供して、第3のIGF混合物を得る工程;および
(d)第3のIGF混合物に対して逆相高速液体クロマトグラフィーを行って、第4のIGF混合物を得る工程であって、ここで、第4のIGF混合物は、第1のIGF混合物よりも大量の、真性の、正確に折り畳まれたIGFポリペプチドを有する、工程。
【0011】
別の実施態様において、本発明は、酵母細胞培地由来のIGFポリペプチドを再折り畳み
して、真性の、正確に折り畳まれたIGFポリペプチドを得るための方法に関する。この方
法は、尿素、ジチオスレイトール、アルコール、および塩を十分な量で含む変性緩衝液を使用して、かつジスルフィド結合の還元およびそれに続く酸化を可能にする条件下で、IGF混合物中に存在するIGF種を変性し、そして再生し、それによって、真性の、正確に折り畳まれたIGFポリペプチドを生成する工程を、包含する。
【0012】
なお別の実施態様において、本発明は、酵母細胞培地由来のIGFポリペプチドを再折り
畳みして、真性の、正確に折り畳まれたIGFポリペプチドを得るための方法に関する。こ
の方法は、 IGF混合物中に存在するIGF種を変性し、そして再生する工程を包含し、ここ
で、この変性および再生が、変性緩衝液(約9〜約11のpHを有し、かつ約1.5M〜約3Mの尿素、約3〜約50mMのホウ酸ナトリウム、約1M〜約1.5Mの塩化ナトリウム、約15%〜約25
%のエタノール、および約当モル〜約5倍モル過剰のジチオスレイトールを含有する)を
ともに使用して行われる。この変性および再生は、約15〜約18時間、室温で行われ、それによって、真性の、正確に折り畳まれたIGFポリペプチドを生成する。
【0013】
本発明のこれらの実施態様および他の実施態様は、本明細書の開示を考慮すれば当業者に容易に想到される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明の詳細な説明
本発明の実施は、他に示さない限り、当業者の範囲内の、タンパク質化学、微生物学、分子生物学、および組換えDNA技術の従来の方法を使用する。このような技術は、文献に
十分に説明されている。例えば、Protein PurificationMethods: A Practical Approach,
(E. L. V. HarrisおよびS. Angal編、1989);Protein Purification Applications: APractical Approach, (E. L. V. HarrisおよびS.Angal編、1990); T. E. Creighton,Proteins: Structures and Molecular Properties(W. H. FreemanおよびCompany, 1993);Sambrookら、MolecularCloning: A LaboratoryManual (第2版、1989)、Methods In Enzymology (S. ColowickおよびN.Kaplan編、AcademicPress, Inc.); Biology and Activities
of Yeast (F. A. Skinner, S. M.PassmoreおよびR. R. Davenport編);Biochemistry andGenetics of Yeast (M.Bacila, B. L. HoreckerおよびA. O. M. Stoppani編);The Yeasts(A. H. RoseおよびJ.S. Harrison編);およびThe Molecular Biology of the YeastSaccharomyces(Strathernら編)を参照のこと。
【0015】
I.定義
本発明の記載において、以下の用語を使用し、そして以下に示すように規定することを意図する。
【0016】
本明細書および添付の請求の範囲において使用するように、単数形態「a」、「an」、
および「the」は、趣意が他に明らかに示されない限り、複数の指示対象を含むことが留
意されなければならない。従って、例えば、「ポリペプチド」を参照すると、2つ以上のポリペプチドの混合物などを含む。
【0017】
本明細書中で使用される用語「インスリン様増殖因子」または「IGF」は、IGF-IおよびIGF-IIの両方を包含し、そして、例えば、欧州特許公開公報第135,094号、同第123,228号、同第128,733号;国際特許公開公報第WO85/00831号および同第WO92/04363号; および米国特許第4,738,921号および同第5,158,875号に記載されるように、IGF活性および/またはIGFレセプターに結合する能力を保持する、生物学的に活性なフラグメントおよびアナロ
グ(C-末端欠失変異体を含む)、ならびにその誘導体を包含する。
【0018】
IGFのアナログまたはそのフラグメントのアナログは、天然のIGF、または実質的にIGF
活性を影響しない1つ以上のアミノ酸の挿入、欠失、または置換により改変されている天然のIGFのフラグメントを含む。好ましくは、アナログは少なくとも天然の分子と同じ活
性を有する。IGFアナログはまた、国際特許公開公報第WO91/04282号に記載されるような
、1つ以上のアミノ酸模倣物(「ペプトイド」)を有するペプチドを含む。さらに、アナログは、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化などを含む翻訳後修飾、ならびにさらなるアミノの酸置換、欠失、または付加のような、活性を影響しないさらなる改変を含み得る。
【0019】
「真性の、正確に折り畳まれたIGF」は、選択された参照分子と同じ3次元構造を有す
る、酵母宿主中で産生される生物学的に活性なIGFポリペプチドを意味する。従って、参
照分子が全長の、野生型IGF-Iである場合、真性の、正確に折り畳まれた、組換え的に産
生されるIGF-Iは、この野生型分子中で見出されるものと同じ3つの鎖内ジスルフィド架
橋を有する。同様に、参照分子がIGFのアナログである場合、真性の、正確に折り畳まれ
た、組換え的に産生される分子は、このアナログにおいて見出されるものと同じ鎖内架橋を有する。活性は、上記のように決定され得る。
【0020】
IGFをコードする遺伝子を発現し得る任意の酵母種は、「酵母」により意味される。こ
のような酵母として、子嚢胞子類の(ascosporogenous)酵母(Endomycetales)、担子胞子菌類の(basidiosporogeneous)酵母、および不完全菌類(Fungiimperfecti)(Blastomycetes)
群に属する酵母が挙げられるが、これらに限定されない。子嚢胞子類の酵母は、2つのファミリー、SpermophthoraceaeおよびSaccharomycetaceaeに分類される。後者は4つのサ
ブファミリー、Schizosaccharomycoideae(例えば、Schizosaccharomyces属)、Nadsonioideae,Lipomycoideae、およびSaccharomycoideae(例えば、Pichia属、Kluyveromyces属、およびSaccharomyces属)を含む。担子胞子菌類の酵母は、Leucosporidium属、Rhodosporidium属、Sporidiobolus属、Filobasidium属、およびFilobasidiella属を含む。FungiImperfectiに属する酵母は、2つのファミリー、Sporobolomycetaceae(例えば、Sporobolomyces属およびBullera属)、およびCryptococcaceae(例えば、Candida属)に分類される。
【0021】
本発明で使用するのための特定の目的のものは、Pichia、Kluyveromyces、Saccharomyces、Schizosaccharomyces、Hansenula、Torulopsis、およびCandidaの属に含まれる種で
ある。これらの種としては、P. pastoris、P. guillerimondii、S. cerevisiae、S. carlsbergensis、S.diastaticus、S.douglansii、S. kluyveri、S. norbensis、S. oviformis、K. lactis、K.fragilis、C.albicans、C. maltosa、およびH. polymorphaを含むが、これらに限定されない。
【0022】
「酵母宿主」または「酵母宿主細胞」は、組換えベクター、または他のトランスファーDNAのレシピエントとして使用され得るか、または使用されてきた、酵母をいう。この用
語は、トランスフェクトされている元の酵母細胞の子孫を含む。1つの親細胞の子孫は、偶発的な、または故意の変異に起因して、形態において、またはゲノムもしくは全DNA相
補物において、必ずしも元の親と完全に同一ではなくてもよいことが理解される。IGFポ
リペプチドをコードするヌクレオチド配列の存在のような、明らかな特性によって特徴づけられる親と十分に類似している親細胞の子孫は、この定義によって意図される子孫に含まれる。
【0023】
「形質転換された」酵母細胞は、挿入のために使用される方法(例えば、直接取り込み
、形質導入、またはf-接合)に関わらず、外因性のポリヌクレオチドを含む細胞である。
外因性ポリヌクレオチドは、組み込まれていないベクター(例えば、プラスミド)として維持され得るか、あるいは宿主ゲノムに組み込まれ得る。
【0024】
「酵母細胞培地」は、酵母細胞を含有するか、または酵母細胞成分を含有する、任意の培養培地または溶液を意味する。従って、この用語は、酵母細胞が増殖する培地(例えば
、発酵工程の前または後の両方の培地を含む、IGFポリペプチドが分泌される培地)を包含する。この用語はまた、IGFポリペプチドが細胞内で産生され、そして酵母細胞が溶解ま
たは破壊されてIGFポリペプチドを放出する場合のように、酵母細胞の溶解物を含む緩衝
液または試薬を包含する。
【0025】
Aを含む組成物は、組成物中の全A+Bの少なくとも80重量%が、Aである場合は、「実質的に」Bを「含まない」。好ましくは、Aは、組成物中の全A+Bの少なくとも約85重量%〜90重量%を含む。
II.本発明の実施の様式
本発明は、形質転換した酵母宿主から、真性の、正確に折り畳まれたIGFポリペプチド
の単離を可能にする精製手順の発見に基づく。これによってタンパク質収率は、正確に折り畳まれなかったIGF形態の排除によって、増加する。本発明は、再折り畳み工程を含む
一連の単離の工程を包含し、ここで、混合物中に存在する種々のIGF形態のジスルフィド
結合が還元され、次いで再酸化され、存在する異常なIGF形態の量を減少させる。従って
、最終産物は、出発物質に存在するIGFよりもより真性のIGFを有する。
【0026】
本発明のIGFは、当該分野において周知の技術を使用して、酵母中で組換え的に産生さ
れる。例えば、Sambrookら、MolecularCloning: A Laboratory Manual (第2版、1989); Elliottら、J.Protein Chem. (1990) 9:95-104;および米国特許第5,231,178号、および
同第5,324,639号を参照のこと。例えば、IGFは、タンパク質産物の分泌およびタンパク質分解性のプロセッシングを指向するシグナル配列に連結したIGFコード配列を有する、プ
ロテアーゼ欠損P.pastoris株(例えば、米国特許第5,324,639号を参照のこと)のような、
メチロトローフ性の酵母形質転換体中で産生され得る。例として、本発明は、P.pastorisおよびS. cerevisiaeに関して記載する。しかし、本発明は、これらの酵母に限定されな
い。
【0027】
発現ベクターおよび形質転換ベクターは、染色体外レプリコン、または組み込まれたベクターのいずれかであり、多くの酵母宿主への形質転換のために開発されてきた。例えば、特に、以下の酵母について開発されてきた:Hinnenら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1978) 75:1929; Itoら、J.Bacteriol. (1983)153:163に記載されるような、Saccharomyces cerevisiae; Kurtzら、Mol. cell. Biol. (1986) 6:142に記載されるような、Candida
albicans; Kunzら、J. BasicMicrobiol. (1985)25:l41に記載されるような、Candida maltosa;Gleesonら、J. Gen.Microbiol. (1986) 132:3459およびRoggenkampら、Mol. Gen.
Cenet. (1986) 202:302に記載されるような、Hanenulapolymorpha; Dasら、J. Bacteriol . (1984)158:ll65に記載されるような、Kluyveromycesfragilis; De Louvencourtら、J. Bacteriol.(1983)154:737およびVan den Bergら、Bio/Technology(1990) 8:135に記
載されるような、Kluyveromyces lactis; Kunzeら、J. Basic Microbiol.(1985) 25:141
に記載されるような、Pichia guillerimondii; Creggら、Mol. Cell. Biol.(1985) 5:337
6および米国特許第4,837,148号、同第4,929,555号、同第5,324,639号に記載されるような、Pichiapastoris; BeachおよびNurse,Nature (1981) 300:706に記載されるような、Schizosaccharomycespombe;ならびに、Davidowら、Curr.Genet. (1985) lO:380およびGaillardinら、Curr.Genet. (1985) 10:49に記載されるような、Yarrowialipolytica; Ballanceら、Biochem.Biophys. Res. Commun. (1983) 112:284-289; Tilburnら、Gene(1983) 26:205-221およびYeltonら、Proc.Natl. Acad. Sci. USA (1984) 81:1470-1474に記載されるような、A.nidulansならびにKellyおよびHynes,EMBO J.(1985) 4:475479に記載されるような、A. nigerのようなAspergillus宿主、;EP 244,234に記載されるような、Trichodermareesia、ならびに、WO 91/00357に記載されるような、例えば、Neurospora、Penicillium、Tolypocladiumのような糸状菌。
【0028】
酵母ベクターについての制御配列は公知であり、そして以下のような遺伝子由来のプロモーター領域が挙げられる:EP 284,044に記載されるような、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)、EP329,203に記載されるような、エノラーゼ、グルコキナーゼ、グルコース-6-ホスフェートイソメラーゼ、グリセルアルデヒド-3-ホスフェート-デヒドロゲナーゼ(GAPまたはGAPDH)、ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、およびピルべートキナーゼ(Pyk)。Myanoharaら、ProcNatl.Acad. Sci.USA (1983) 80:1に記載されるように、酵母PH05遺伝子は酸ホスファターゼをコードし、また、有用な
プロモーター配列を提供する。酵母宿主での使用に適切な他のプロモーター配列としては、Hitzemanら、J.Biol. Chem. (1980)255:2073に記載されるような、3-ホスホグリセレ
ートキナーゼ、 またはHessら、J. Adv.Enzyme Reg. (1968) 7:149およびHollandら、Biochemistry (1978)17:4900に記載されるような、ピルベートデカルボキシラーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、およびホスホグルコースイソメラーゼのような他の解糖酵素が挙げられる。増殖条件によって制御される転写のさらなる利点を有する誘導性酵母プロモーターとしては、上記に列記したもの、およびその他、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸ホスファターゼ、窒素代謝に関連する分解酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ、およびマルトースお
よびガラクトース利用を担う酵素のプロモーター領域が挙げられる。酵母発現における使用のために適切なベクターおよびプロモーターは、Hitzeman、EP073,657にさらに記載さ
れる。
【0029】
酵母エンハンサーはまた、酵母プロモーターとともに有利に使用される。さらに、天然には存在しない合成プロモーターもまた、酵母プロモーターとして機能する。例えば、酵母プロモーターの上流活性化配列(UAS)は、別の酵母プロモーターの転写活性化領域と連
結され得、合成ハイブリッドプロモーターが作製される。このようなハイブリッドプロモーターの例としては、米国特許第4,876,197号および同第4,880,734号に記載されるような、GAP転写活性化領域に連結したADH調整配列が挙げられる。ハイブリッドプロモーターの他の例としては、EP164,556に記載されるような、GAPまたはPyKのような解糖酵素の転写
活性化領域と組み合わされるADH2、GAL4、GAL10、またはPHO5のいずれかの調節領域から
なるプロモーターが挙げられる。さらに、酵母プロモーターは、酵母RNAポリメラーゼに
結合し、そして転写を開始する能力を有する非酵母起源の天然に存在するプロモーターを包含し得る。
【0030】
酵母発現ベクターに含まれ得る他の制御エレメントは、例えば、Hollandら、J. Biol. Chem. (1981) 256:1385に記載されるような、GAPDHおよびエノラーゼ遺伝子由来のターミネーター、ならびに分泌のためのシグナル配列をコードするリーダー配列である。分泌される酵母タンパク質の遺伝子(例えば、適切なシグナル配列をコードするDNAは、EP012,873、およびJP62,096,086に記載されるような酵母インベルターゼ遺伝子、ならびに米国特許第4,588,684号、同第4,546,083号、および同第4,870,008号;EP324,274;およびWO 89/02463に記載されるようなα因子遺伝子)、ならびに酸ホスファターゼリーダーに由来し得
る。あるいは、インターフェロンリーダーのような非酵母起源のリーダーはまた、EP060,057に記載されるように、酵母中での分泌を提供する。
【0031】
2μプラスミド起源からの複製起点は、酵母について適切である。酵母における使用のために適切な分泌遺伝子は、Kingsmanら、Gene (1979)7:141、または Tschemperら、Gene (1980)10:157に記載される、酵母プラスミドに存在するtrp1遺伝子である。trp1遺伝子は、トリプトファン中で増殖する能力を欠損する酵母の変異株についての選択マーカーを提供する。同様に、Leu-2欠損酵母株(ATCC20,622または38,626)は、Leu2遺伝子を有する
公知のプラスミドによって相補される。
【0032】
酵母宿主へ外因性DNAを導入する方法は、当該分野において周知であり、そして代表的
には、スフェロプラストの形質転換、またはアルカリ陽イオンで処理したインタクトな酵母細胞の形質転換のいずれかを包含する。例えば、酵母への形質転換は、VanSolingenら
、J. Bact. (1977) 130:946およびHsiaoら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1979) 76:3829に記載される方法に従って実施され得る。しかし、核注入、エレクトロポレーション、またはプロトプラスト融合によるような、細胞へDNAを導入するための他の方法もまた、Sambrookら、前出、に一般に記載されるように使用され得る。次いで、酵母細胞を標準的な
技術を使用して培養する。
【0033】
IGFは、分泌される(適切なリーダー配列が使用される場合)か、または細胞内で産生さ
れるかのいずれかであり、そして細胞はIGF含有産物の正確な単離を可能にするように操
作される。
【0034】
組換えIGFの最適な生成のために、一般に、発酵工程を細胞増幅のために使用する。こ
の点に関して、本発明での使用のために形質転換された酵母株を、標準的な流加発酵法を使用して、増幅段階の間、発酵槽内で増殖させ得る。これらの方法は、適切な量の炭素、窒素、基底塩、リン、および他の微量栄養素(ビタミン、微量のミネラル、および塩など)を含むように設計される発酵培地のような、使用される酵母株に依存しない特定の共通の特性を有する。さらに、増殖を制限する栄養物質(典型的には炭素)が、最大の増殖を可能にするために、増幅期の間、発酵槽に添加される。
【0035】
このような方法は、その炭素利用経路の差異または発現制御の様式に起因して、特定の酵母株に適合され得る。例えば、Saccharomyces酵母発酵は、単一のグルコース栄養、複
数の窒素供給源(例えば、カゼイン加水分解物)、および複数のビタミン補充物を必要とし得る。これは、最適な増殖および発現のために、グリセロール、メタノール、および微量のミネラル栄養物を必要とし得るが、単一のアンモニウム(窒素)塩のみを必要とし得るメチロトローフ性の酵母Pichiapastorisと対照をなす。例えば、Elliottら、J.Protein Chem. (1990) 9:95-104、米国特許第5,324,639号およびFieschkoら、Biotechnol.Bioeng.(1987) 29:1113-1121を参照のこと。
【0036】
例えば、Saccharomycesでの使用のために適切な発酵培地は、実施例の表1および表2
に記載される。Pichiaでの使用のために適切な培地は、米国特許第5,231,178号、および
同第5,324,639号、ならびに以下の表に記載される。
【0037】
塩は、発酵を通して存在し得るか、または好ましくは、発酵手順の開始時点で単回用量として添加され得る。Pichia発酵のために特に好ましい基底塩および微量の塩培地を以下に示す。この処方物を使用する場合、塩の単回用量が与えられ得、一般に、発酵培地の出発容量1リットルあたり約1〜5mlの基底塩処方物が添加され、より好ましくは培地1リットルあたり約1〜3ml、そして最も好ましくは1リットルあたり2mlが、発酵の開始の時点で添加される。
【0038】
【表1A−1】


【0039】
【表1A−2】


【0040】
発酵の間、種々のIGF形態(アナログ、分解された形態またはニック化された単量体形態、酸化およびグリコシル化単量体、2量体、3量体などのような多くの多量体形態、ならびにIGFのジスルフィド結合されたイソ型である主要な正確に折り畳まれなかった種を含
む)が、培地中へ分泌される。真性の、正確に折り畳まれた単量体IGFもまた存在する。従って、この混合物からの真性のIGFポリペプチドの収率および純度をさらに増強するため
に、以下の手順を続いて行われ得る。
【0041】
発酵槽を採集し、そして遠心分離または精密濾過、あるいはこの2つの組み合わせのような当該分野に公知の標準的な技術を使用して、細胞を発酵した培地から取り出す。例えば、適切なフィルターを使用する精密濾過は、所望でない細胞残渣を除去するに十分である。
【0042】
細胞除去の前に、アルカリショック工程が包含されることが所望され得る。アルカリショック処理は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、または組換えタンパク質の産生に対して有害でない他の適切な水酸化物のようなアルカリの添加を包含する。培養培地の最終pHを、約pH8〜12、好ましくは約pH10〜11の間にまで上昇させるに十分な量のアルカリを添加する。細胞を、約30分間〜約10時間、好ましくは約1時間〜約8時間、そしてより好ましくは約2時間〜4時間にわたる期間、アルカリショックに曝す。培養温度を、約25℃〜約35℃の範囲内で維持し得る。アルカリショック工程の前、またはその
間にチオールを添加することによって、IGFの収率が増加し得る。添加するチオールの量
は、約0.05mM〜約50mMの間の範囲であり得る。
【0043】
一旦細胞および残渣が除去されると、細胞を含まない発酵ブロスのpHを約pH3〜7、より好ましくは約pH3〜4に調整し得、そして陽イオン交換カラム上にロードして、発酵培地中に存在するIGF種(異常型および真性形態を含む)を捕獲する。陽イオン交換はまた、
いくらかの酵母混入物を排除するために役立つ。さらなる濾過工程(例えば、ポリプロピ
レンデプスフィルターを使用する)を、陽イオン交換クロマトグラフィーの前に使用し得
る。
【0044】
適切な陽イオン交換体は、当該分野に公知の広範な種々の材料を包含する。特に好ましいのは、広範なpH範囲にわたりIGFポリペプチドに結合し得る強力な陽イオン交換体であ
る。例えば、カルボキシメチル化およびスルホン化陽イオン交換マトリクスは、本明細書中での使用に特に有用である。有用なマトリクス材料として、繊維性マトリクス、微細顆粒状マトリクス、およびビーズ状マトリクスのようなセルロースマトリクス;アガロース、デキストラン、ポリアクリレート、ポリビニル、ポリスチレン、シリカ、およびポリエステルマトリクス;および複合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で特に好ましいのは、機能的リガンドR-SO3-を含むマトリクス、好ましくはスルホプロピル樹脂である。代表的なマトリクスとして、TosoHaasToyopearlSP550CおよびMerck Fractogel EMD SO3--650(m)が挙げられる。
【0045】
発酵培地をロードする前に、数カラム容量の希釈した弱酸(例えば、4カラム容量の20mM酢酸、pH3)を使用して、陽イオン交換マトリクスを平衡化し得る。平衡化に続いて、発酵培地を添加し、そして弱酢酸溶液またはリン酸溶液のような弱酸溶液をまた使用して、IGF種の溶出の前に、カラムを1〜数回洗浄し得る。例えば、約2〜4カラム容量の20mM
酢酸(pH3)を、カラムを洗浄するために使用し得る。例えば、2〜4カラム容量の0.05M
酢酸ナトリウム(pH5.5)、または0.1Mの塩化ナトリウムと混合した0.05M酢酸ナトリウム(pH5.5)を用いて、さらなる洗浄をまた使用し得る。
【0046】
陽イオン交換体ヘのIGF分子の吸収に続いて、IGFポリペプチドを、マトリクスと、十分に高いpHまたはイオン強度を有する緩衝液とを接触させることによって溶出し、マトリクスからIGFポリペプチドを取り出す。例えば、pH5.5で、0.05M酢酸ナトリウム、0.4M塩化
ナトリウム溶液を使用し得る。別の例の溶出緩衝液としては、0.1Mホウ酸カリウム、0.6M塩化カリウム、0.1mMEDTA(pH8.7)を有する緩衝液が挙げられる。しかし、当業者に公知の他の緩衝液はまた、本明細書での使用を見出す。溶出緩衝液の量は広範に変化し得、そして一般に、約2〜10カラム容量の範囲である。溶出に続いて、溶出物を全IGF濃度につい
てアッセイし得る。
【0047】
陽イオン交換工程に続いて、または必要に応じて、発酵の間または直後に、再折り畳み工程を行って異常型の多量体のIGF形態を真性のIGFに変換し得、それによって真性のIGF
の収率を、2〜3倍またはそれ以上増加させる。再折り畳み工程によって、凝集した正確に折り畳まれなかった形態から、真性の、正確に折り畳まれたIGFを産生するためのいく
つかの方法は、当業者に公知である。例えば、Hartら、Biotechnol.Appl. Biochem. (1994) 20:217-234; ChangおよびSwartz、ProteinFolding: invivo and in vitro (American
Chemical Society, 1993) 178-188頁;Millerら、Biochemistry(1993) 32:5203-5213; Newaら、Ann.NY Acad. Sci. (1986) 469: 31-52;およびMengら、J.Chromatog. (1988) 443:183-192を参照のこと。このような方法は、一般に、変性緩衝液(例えば、ホウ酸ナト
リウム緩衝液または炭酸ナトリウム緩衝液)の使用を含み、これらは、尿素、または塩酸
グアニジン、および/またはチオール(例えば、DDT、グルタチオン、β-メルカプトエタ
ノール、モノチオグリセロール、およびメルカプト酢酸)のような、存在するジスルフィ
ド架橋を還元するための変性剤を含有する。ジスルフィド結合交換に適合する他の緩衝液をまた、使用し得る。任意の従来の塩溶液(塩化ナトリウム、塩化カリウムなどを含む)のような塩、およびエタノール、プロパノール、ブタノールなどのようなアルコールもまた存在する。
【0048】
Cu++、Mn++、Ni++、Zn++、および/またはFe++のような、一価またはそれ以上の価の
金属を、再折り畳み混合物に添加して、真性の、正確に折り畳まれたIGFの収率を増加し
得る。Cu++の添加が特に好ましい。金属は、約0.1μM〜10μM、より好ましくは約0.2μM
〜約8μM、そして最も好ましくは、約0.5μM〜約6μMの最終濃度を与えるように添加される。
【0049】
異常なジスルフィド結合を還元するために特に好ましい方法は、約1mM〜約75mMのホウ酸ナトリウム、より好ましくは約3mM〜約50mMのホウ酸ナトリウム、最も好ましくは50mMのホウ酸ナトリウム;0.5〜約3Mの塩化ナトリウム、より好ましくは1〜約1.5Mの塩化ナトリウム;10%〜約30%のエタノール、より好ましくは15%〜約25%のエタノール;約0.5倍〜約7倍モル過剰のDTT、より好ましくは約当モル〜約6倍モル過剰、および好ましくは当モル〜約5倍モル過剰のDTT、と組み合わせた高濃度(例えば、約1M〜約4M、好ましくは約1.5M〜約3M、そして最も好ましくは2M)の尿素を含有する緩衝液の使用を包含す
る。還元剤の量は重要ではないが、しかし、より多くの薬剤が添加されると、より長期の再酸化が起こる。CuCl2をCu++の供給源として緩衝液に添加して、約0.1μM〜約10μM、より好ましくは約0.2μM〜約8μM、および最も好ましくは約0.5μM〜約6μMの最終濃度を生じ得る。
【0050】
緩衝液の最終的なpHは、約8〜12、より好ましくは約9〜約11である。ホウ酸ナトリウム緩衝液の代わりに炭酸緩衝液をまた、使用し得る。室温で数時間、例えば、約8時間〜約24時間、より好ましくは約10時間〜約18時間、および最も好ましくは約10〜約12時間、またはCN-HPLCによって測定されるように再折り畳みが完了するまで、反応を進行させ、
この間に変性、ジスルフィド結合の再編成(reshuffling)、および再生が生じる。
【0051】
産物を、例えば、ダイアフィルトレーションを使用して透析して、再折り畳み試薬を除去し、そしてpHが調整される場合、特に再折り畳みが炭酸緩衝液中で行われた場合、沈澱を防止する。ダイアフィルトレーションは、通常、例えば、ホウ酸ナトリウム緩衝液または炭酸緩衝液を使用して実施される。溶液のpHは、例えば塩酸を使用して、酸性になるように調整される(例えば、pH1.5〜約5、好ましくは2〜約4に調整される)。再折り畳み
に続いて(または、再折り畳みが陽イオン交換の前に行われた場合は陽イオン交換に続い
て)、さらなる限外濾過、ダイアフィルトレーション、および塩沈澱工程を行って、高分
子量の混入物を除去し得、そして疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)マトリクスへIGFの結合親和性を増強し得る。一般に、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどを含むがこれらに限定されない任意の種々の塩を使用して、約0.2M〜約2M
、より好ましくは約0.3M〜約1Mの塩濃度を使用して、塩沈澱を行う。約0.5M〜約1Mの濃度での硫酸アンモニウムは、特に好ましい。
【0052】
次いで、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)を、回収した産物に対して行う。こ
の工程により、グリコシル化種およびオリゴマー種が減少し、そして実質的に酵母混入物が減少される。適切なHICマトリクスとしては、アガロース、架橋したアガロース、セフ
ァロース、セルロース、シリカ、デキストラン、ポリスチレン、ポリ(メタクリレート)マトリクスなどを含む、ブチル、ヘキシル、オクチル、またはフェニル置換マトリクスのような、アルキルまたはアリール置換マトリクスが挙げられる。特に好ましいHICマトリク
スとして、Amiconcilica-PAE 1000L顆粒マトリクス、50ミクロンビーズマトリクスのよう
な、ポリエチレンアミン樹脂のような、混合様式の樹脂、または、それぞれ、TosoHaasToyopearl Butyl 650Mマトリクス、およびTosoHaasToyopearl Phenyl 65μ樹脂のような、ブチルまたはフェニル置換ポリ(メタクリレート)マトリクスが挙げられる。
【0053】
ロードの前に、酢酸/塩化ナトリウム溶液、または硫酸アンモニウムを含有するHEPESのような標準的な緩衝液を使用して、カラムを平衡化し、そしてカラムをサンプルでロードする。次いで、カラムを標準的な緩衝液を使用して、そして上記のような条件下で洗浄する。IGFを、約3〜約10カラム容量の標準的な緩衝液(例えば、特に、EDTAおよび平衡緩衝液よりも低い濃度の硫酸アンモニウムを含有するHEPES緩衝液、または酢酸/塩化ナトリウム緩衝液)で溶出し得る。例えば、硫酸アンモニウムの勾配を用いる、減少する塩の一次
勾配をまた、IGF分子を溶出するために使用し得る。次いで、例えば、ダイアフィルトレ
ーションまたは限外濾過のような濾過によって、溶出物を最適に濃縮する。ダイアフィルトレーションは、アンモニウム塩を排除し、そして伝導率を減少させる。
【0054】
次いで、さらなる陽イオン交換クロマトグラフィー工程を行い、グリコシル化種の量をさらに減少させ得る。しかし、この工程は、特に、酵母宿主がP. pastorisである場合は
、必要ではない。適切な陽イオン交換マトリクスは上記のようである。ロードの前に、これも上記のように、カラムを平衡化する。50〜100mMのバイシン(bicine)、より好ましく
は約75mMのバイシン;25〜約100mMの塩化ナトリウム、好ましくは約50mMの塩化ナトリウ
ム、および約0.05〜約0.5のEDTA、好ましくは約0.1mMのEDTA(pH7.5)を含むバイシン緩衝
液のような、標準的な緩衝液を使用して、IGF種を溶出する。
【0055】
次いで、混合物に対して逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)を行い、メト-酸化種、グリコシル化種、ニック化種、分解種、および正確に折り畳まれなかった種(des2-IGF種を含む)のような混入物を除去する。この点に関しては、アルキル官能基(代表的には
、C3〜C10、より好ましくはC3〜C9、および最も好ましくはC3〜C8)を有するシリカ誘導体樹脂は使用を見出す。スチレンポリマー樹脂である、TosoHaasAmberchromeCG1000sd樹脂のような、ポリマー性樹脂をまた使用し得る。カラムを、例えば、15%〜約25%濃度のエタノールのような溶媒で洗浄し得る。
【0056】
メタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、またはエタノールのような有機溶媒を含む適切な溶出緩衝液は、真性のIGFポリペプチドを溶出するための
使用を見出す。1つ以上の勾配条件または定組成条件を使用して分離時間を減少させ、そして再溶解を改善するために好ましい勾配条件で、溶出を実施し得る。一般に、勾配は、水中の約5%〜約80%溶媒(v/v)であり、より好ましくは約5%〜約60%(v/v)、および最も好ましくは水中の約10%〜約50%(v/v)溶媒である。特に好ましい方法は、2つの勾配
の使用であり、1つ目は約10%〜約25%溶媒、より好ましくは約14%〜約22%溶媒である。2つ目の勾配は、約20%〜約30%溶媒、より好ましくは約22%〜約26%溶媒である。本明細書での使用のために特に好ましい溶出緩衝液としては、酢酸アンモニウム溶液、アセトニトリル溶液(pH6.7)が挙げられる。
【0057】
最終の濾過工程は、例えば、ゲル濾過、限外濾過などを使用して、RP-HPLC産物に対し
て行われ、適切な緩衝液と置き換える。濾過産物をまた、ダイアフィルトレーション、凍結乾燥などを使用して濃縮し得る。
【0058】
真性のIGFポリペプチドを含むIGFポリペプチドの収率は、シアノRP-HPLC、C4RP-HPLC、C8RP-HPLCのような、いくつかの逆相高速液体クロマトグラフィーカラムのいずれか;ならびに陽イオン交換HPLC、およびサイズ排除HPLCを使用して、上述の各工程でモニターし得る。SDS-PAGEのような標準的な技術を使用するか、またはウエスタンブロットおよびELISAアッセイを使用して非IGFタンパク質を測定することによって、純度を決定し得る。例
えば、ポリクローナル抗体を、ネガティブコントロール酵母発酵物から単離したタンパク質および陽イオン交換回収物に対して作製し得る。この抗体を、宿主細胞タンパク質の混入物の存在をプローブするために使用し得る。
【0059】
代表的には、各工程でのIGFポリペプチドの収率は約50%以上であり、より好ましくは
約60%〜80%以上である。例えば、第1の陽イオン交換工程により、代表的には、その約10%が真性の、正確に折り畳まれたIGFである、全てのIGF種を含む約90%の回収率が提供される。再折り畳み工程は、代表的には、真性のIGFの量を2〜3倍増加させる。疎水性
相互作用クロマトグラフィー工程は、一般に、約80〜90%の回収率を提供し、第2の陽イオン交換工程は、約80%の回収率であり、そしてRP-HPLCカラムは、約90%〜約95%の回
収を提供する。
【0060】
一旦精製されると、真性の正確に折り畳まれたIGFを、種々の目的のために使用し得る
。この点に関して、 例えば、種々の組織および細胞型においてインビトロで細胞の増殖
を刺激するために、IGFを使用し得る。精製IGFをまた、薬学的組成物中に処方し得、そして、例えば、骨粗鬆症を処置するための骨修復および置換療法のために、炎症性反応、虚血性創傷、および移植の際の組織の拒絶反応を阻害するために、およびウシおよび他の農場動物における乳汁分泌および肉の産生を増加させるために使用し得る。
【0061】
以下は、本発明を行うための特定の実施態様の例である。実施例は、例示の目的のために提供されるにすぎず、そして本発明の範囲をいかなるようにも限定しないことを意図する。
【実施例】
【0062】
実施例I
S.cerevisiae中での組換えIGFの産生
組換えヒトIGF-Iタンパク質(rhIGF-I)を、プラスミドpYLUIGF1-24で形質転換したS.cerevisiae株JSC417中で発現させた。酵母株JSC417を、12301Parklawn Drive, Rockville, Maryland20852にあるアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)に、1994年8月2
日に、ATCC受託番号74295で寄託した。株JSC417は、株AB110に由来した。JSC417は、以下の遺伝子型を有する:Matα、ura3-52、leu2、pep4-3、his4-580、[cir]。
【0063】
S.cerevisiae株JSC417中でのrhIGF-Iの発現は、 構成的ではなくそしてBeier, Nature(1982) 300:724に記載されるような酵母アルコールデヒドロゲナーゼのプロモーター配列
とEP120,551に記載されるような、グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼのプロモーター配列とに由来するハイブリッドADH2-GAPプロモーターの制御下にあった。さらに、rhIGF-I配列を、分泌を可能にする酵母α因子リーダーおよび酵母α因子ターミ
ネーターに融合した(共にBrake,Proc. Natl. Acad. Sci.(USA) (1984) 81:4642に記載さ
れる)。rhIGF-I発現の誘導を、発酵の間、増殖培地中のグルコースを低濃度に保つことによって達成した。
【0064】
プラスミドpYLUIGF1-24は、ベクターpAB24のBamHI部位にクローン化されたrhIGF-Iをコードする配列(Barr,Bio/Technology(1987)5:486に記載される)、ならびにアンピシリン
耐性(ampR)遺伝子含むpBR322配列、2-ミクロン(2μ)配列、ならびに酵母LEU2およびURA3遺伝子を含む、酵母発現ベクターである。rhIGF-Iについての発現カセットは、EP123,228に記載されるように、(5'〜3')ADH2調整配列、GAPプロモーター、α因子リーダー、rhIGF-I合成遺伝子、およびαターミネーターからなる。
【0065】
発現カセット中にクローン化されたrhIGF-I遺伝子を、Urdea, Proc. Natl. Acad. Sci.(USA) (1983) 80:7461に記載されるように、ホスホルアミダイト手順を使用して、および
Dayhoffアミノ酸配列に従って、化学的に合成した。
【0066】
Hinnen,Proc. Natl. Acad. Sci.(USA) (1978) 75:1929に記載されるような標準的なプロトコルに従って、S.cerevisiae細胞をプラスミドpYLUIGF1-24で形質転換した。簡潔に述べると、形質転換混合物を、2%グルコースを含むアミノ酸を有するイーストナイトロジェンベースであるウラシル欠損選択プレート上にプレーティングした。プレートを、30℃で4日間インキュベートした。形質転換体コロニーを、8%グルコースを有する、ロイシン欠損の選択培地に移して、30℃で増殖させた。rhIGF-Iの発現を、酵母形質転換体を
4%グルコースを有するウラシル欠損培地中で30℃で48時間増殖させることによって達成した。48時間での培地中でのrhIGF-Iの発現を、RP-HPLC、SDS-PAGE、RIA、または放射標
識レセプターアッセイを含むいくつかの方法によって分析した。
【0067】
rhIGF-Iの生成は、種ストックアリコート内に含まれる酵母細胞を首尾良く増幅するこ
とを含む。増幅の第1段階は、回転振盪インキュベーターにおいて、約30℃に制御された温度で、振盪フラスコ内で行った。約107個の細胞を、上記の、5〜8%グルコースを含
む、約500mlのウラシルおよびロイシン欠損培地中に溶解した。約35±2時間後、フラス
コの内容物を、細胞増幅の第2段階のために、小さな発酵容器に移した。この培養物を、第I段階で使用した同じ培地10L中で、曝気(1vvm)および攪拌(400〜600rpm)しながら温度制御下で、約24±4時間、増殖させた。10〜30Lの第II段階の培養物を、最終増殖および
増殖のrhIGF-I発現期のために、より大規模の、産生スケール発酵容器(10,000L)に移した。第III段階で、カゼイン加水分解物、基底塩、ビタミン、微量元素、および消泡剤を含
む半規定(semi-defined)増殖培地を利用した。使用したカゼイン加水分解物は、少なくとも5%のアミノ窒素、少なくとも10%の全窒素、20%を超えない灰分の組成を有する任意の市販の品質であり得るが、好ましくはN-Z-AmineHD(Quest)の組成と同等の組成を有する。使用した消泡剤は、任意のいくつかの市販のポリアルコールベースの化合物またはシリコンベースの化合物であり得る。使用した培地を、以下の表1および表2に列記する。発酵を、一定に攪拌しながら、30℃、pH6(50%水酸化ナトリウム、または75%リン酸の添
加による)、曝気(0.8vvm)、圧力(5〜12psig)、およびグルコース供給速度で、一定して
行った。発酵は、操作の流加様式として当業者に公知である。いわゆる、発酵槽は最初にその容量に満たない(例えば約50%)ように満たされ、約25〜50%(w/v)の濃度を有する適
切な量のグルコース供給溶液の添加が可能であるからである。表1および表2において低範囲として記載する培地組成に対して、例えば、800〜900kgのグルコースを、酵母細胞密度および残留グルコース濃度に依存する添加速度で、培養(run)の継続期間にわたって発
酵槽に添加した。代表的には、グルコースを、最初の約26時間は約500g/分で、次の約24
時間は約1000g/分で、そして最後は完了するまで約500g/分で、添加した。生成物発現に
付随する細胞増殖は、一旦培地が過剰のグルコースの涸渇状態になると生じ、そして培養物が約35gDCW/L(グラム乾燥細胞重量/リットル)の所望の細胞密度に達するまで続き得る
。培地組成が表1および表2の低い範囲に与えた組成よりも大きい場合、グルコースの添加速度を、例えば、発酵の最初の24時間後、約1500g/分に増加させ得る。高い範囲の培地組成によって、約100gDCW/Lのより高い細胞密度が維持され得る。
【0068】
【表1】


【0069】
実施例II
真性の、正確に折り畳まれたIGF-Iの生成
A.組換えIGF-Iをまた、以下の技術を使用して、S.cerevisiaeおよびP. pastorisから回収した。IGF-Iタンパク質を、上記のように、S.cerevisiae株JSC417中で発現させた。P.pastorisを、例えば、米国特許第5,324,639号に記載のような標準的な技術を使用して
、IGF-Iをコードするプラスミドで形質転換した。発酵に続いて、培地を、ブロスを遠心
分離することによって回収し、そして上清のpHをpH4に調整し、次いで精密濾過/ダイア
フィルトレーションした。得られた濾液を、EMDFractogel SO3-650カラム(10〜20mg/ml樹
脂)にロードして、第1の陽イオン交換クロマトグラフィーを行った。カラムを予め4CV(カラム容量)の20mM酢酸(pH3)で平衡化した。ロードの終了後、カラムを、A280シグナル
がベースラインに下がるまで、20mM酢酸(pH3)(約2〜3CV)で洗浄した。
【0070】
IGF-I種を、120〜200cm/時間の一次流速で、0.1Mホウ酸カリウム、0.6M塩化カリウム、0.1mMEDTA(pH8.7)洗浄液で溶出した。全ピークを、A280がベースラインに下がるまで回収した(約3〜4CV)。溶出に続いて、カラムを1Mの水酸化カリウム溶液(2CV)で清浄にし
、そして1〜2時間保持した。次いでカラムを、4〜6CVの水で洗浄し、そして20mM酢酸(pH3)で再平衡化した。溶出物を直ちに全IGF-I濃度についてアッセイし、そして再折り
畳み反応のために調製した。
【0071】
このカラムのためのロードはまた、pHショックした、標準的な密度の細胞培養物上清であり得る。その場合、pHショックを、全培養物のpHを上昇させるために50%の水酸化ナトリウムを使用して、2〜4時間の間、pH10.5で行った。全酵母を連続的な遠心分離によって、生成物を含む消費培地から分離した。回収後、上清のpHを約75%のリン酸でpH4に再調整し、次いでカラムへのロードの前に精密濾過/ダイアフィルトレーションした。
【0072】
次いで、再折り畳みを以下のように行った。フラクトゲルカラムからのプールを、還元HPLCアッセイに基づき、以下の緩衝液中へ1.5mg/mlの全IGF(0.067mM)に対して希釈した:50mMホウ酸ナトリウム(pH10.5)、2M尿素、1M塩化ナトリウム、10mMEDTA、20%エタノー
ル、および5倍モル過剰のDTT(0.335mM)。反応混合物を、室温で15〜18時間、非常に穏やかに攪拌した。より低いモル過剰のDDTを、より純粋なP.pastoris供給原料について使用
し得る。
【0073】
再折り畳みに続いて、ダイアフィルトレーションを行って再折り畳み塩を排除し、そしてpH低下の際の沈澱を防止した。ダイアフィルトレーションを、Filtronメンブレンアセ
ンブリ、3×0.75ft2、1kMWCOを使用して行った。(わずかに収率を増加(5から10%)す
るので、3Kのメンブレンを1Kの代わりに使用し得る)。再折り畳みプールを10倍に濃縮
した。プールを、50mMホウ酸ナトリウム(pH10〜10.5)中に、4容量の等価物を用いて、ダイアフィルトレーションした。pHを6NのHClで2.5〜3に調整し、次いでプールを、4容
量の等価物を使用して、100mM酢酸(pH4)中にダイアフィルトレーションした。最終的な
ダイアフィルトレーションしたプールは、安定に保持されたプールとして4℃で保存され得るか、またはHIC工程のためのロードとして調整され得る。
【0074】
ダイアフィルトレーションしたプール(100mM酢酸(pH4))を、最終の50mM HEPES濃度を
有するプールの最終の4中1希釈を得るために、1容量(part)の200mMHEPES、10mM EDTA(pH8)、および2容量の水と合わせた。(ダイアフィルトレーションしたプールロードは、硫酸アンモニウムの添加の前に4中1のかわりに3中1に希釈され得、そしてなおカラムベッドへの類似の結合を有する。)硫酸アンモニウムを1Mの最終濃度になるまで添加し、そして混合物を室温で少なくとも1時間攪拌した。沈澱を、遠心分離によって除去した。

【0075】

次いで、HICクロマトグラフィーを、Amiconsilica-PAE 1000L顆粒樹脂、50ミクロンビ
ーズを使用して、上清に対して行った(ロードは5〜15mg/ml樹脂であった)。(樹脂の他の改変(300L-40ミクロンの球状樹脂および高圧10ミクロン1000L樹脂を含む)もまた試みた。)カラムを、50mMHEPES、2.5mMEDTA、1M硫酸アンモニウム(pH8)(6CV)で予め平衡化し
た。カラムを、10CVの平衡化緩衝液で洗浄した。一次流速は、100〜150cm/時間であった
。生成物を、5〜7CVの50mMHEPES、2.5mM EDTA、0.5M硫酸アンモニウム(pH8)で溶出し
た(A280がベースラインに下がるまで)。カラムを4CVの水で洗浄し、そしてカラムをpH8
の緩衝液(50mMトリスまたはHEPES)中の2MNaClでストリップした。カラムをまた、0.1M水酸化ナトリウムでストリップし得るが、シリカ骨格の保護のためには、5mM硝酸アンモニウムまたは塩化アンモニウムの添加が必要である。
【0076】
プロトコルにおける改変は、異なる場合に対する高圧滴下、より高い選択性、またはより高い結合能に適応させる必要がある。天然のIGF-Iからのグリコシル化種のより高い分
離のためには、溶出工程を用いる代わりに勾配を行った。これはより高い緩衝液の利用性、より長いプロセシング時間、およびわずかによりよく改良された手順を必要とした。
【0077】
生成物をまた、次のカラム工程のロード緩衝液(100mM酢酸、0.1mM EDTA)で溶出し得、
続くダイアフィルトレーションを避け得るが、そのため溶出物の純度が減少し得る。
【0078】
上述からのPAEプールを、Filtronメンブレンアセンブリ、3×0.75ft2、1kMWCOを、4容量の等価物と共に使用して、100mM酢酸、0.1mMEDTA中に、ダイアフィルトレーション
した。PAEカラムを0.5M硫酸アンモニウム緩衝液の代わりにSP-650Sロード緩衝液(以下を
参照のこと)で溶出する場合、この工程は削除され得る。
【0079】
ダイアフィルトレーション後、第2の陽イオン交換カラムをS. cerevisiae産物に対し
て行った。この工程は、P. pastoris産物では使用しなかった。使用した樹脂は、ToyopearlSP-650S、35ミクロンビーズであり、そして一次流速は77cm/時間であった。ロードは16mg/mlであった。ロードの前に、カラムを、10CVの100mM酢酸、0.1mMEDTAで平衡化した。
カラムを5CVの100mM酢酸、0.1mM EDTAで洗浄した(伝導率がベースラインに下がるまで)
。pH洗浄を、5CVの75mMバイシン、0.1mMEDTA(pH7.5)を用いて行い、そして10CVの75mMバイシン、50mM塩化ナトリウム、0.1mMEDTA(pH7.5)を用いて、IGF-Iを溶出した。(等しく
有効な分離を用いて、溶出緩衝液(50mM塩化ナトリウム)中の塩の濃度を25mMまで低下し得る。)0.25CV画分を回収し、そして純度についてシアノRP-HPLCによって分析した(得られる全グリコシル化IGF-Iレベルが8%以下であるように、画分をプールした。)カラムを
、5CVの75mMバイシン、1M塩化ナトリウム、0.1mMEDTA(pH7.5)で洗浄し、そしてカラム
を、5CVの0.15N水酸化ナトリウム、続いて5CVの水で清浄化した。
【0080】
プールする基準(criteiria)は、この工程について、収率の増加または減少に随伴して
、それぞれプール中のグリコシル化種のレベルを増加または減少させるように改変し得る。
【0081】
次いで、SP-650Sプール(またはP.pastoris生成産物の場合、ダイアフィルトレーションしたPAEプール)を、0.2ミクロンのフィルターを通して濾過し、そして等容量の緩衝液A(緩衝液Aは、0.18M酢酸アンモニウム、10%アセトニトリル(pH6.7)である)でロードを稀
釈することによって、RP-HPLCのために調製した。緩衝液を有機物添加の前にpHについて
調整した。ロードを、2時間、室温で有機溶媒で平衡化させた。使用した樹脂は、EkaNobel Kromasil C8(10ミクロンビーズ)であった。ロードは15mg/mlであった。
【0082】
カラムを、1.5〜2CVの緩衝液A、次いで3〜4CV以上の90%緩衝液A/10%緩衝液B(
緩衝液Bは、010M酢酸アンモニウム、50%アセトニトリル(pH6.7)である)で平衡化した。緩衝液Bを、有機物添加の前にpHについて調整した。緩衝液Bの最終pHは、代表的には6.7より高かった。SP-650Sプールをロードした。ロードラインを緩衝液Aで流し、続いて勾配を行い、0.25CVの画分を回収した:
NMT25分中10%B〜NMT30%B
%Bを5分間維持する;
%Bを0.1%/分で、100分間増加する;
ピーク溶出後、80%Bにする;
そして
5〜10分間維持する。
シアノRP-HPLCによって算出したように、純度に基づき画分をプールした(>95%の全体の純度を目標)。カラムを2〜4Vの80%アセトニトリルで洗浄することによって清浄にした。
【0083】
ロード内のメト-酸化/グリコシル化種のレベルは、プールの最終的な全体の純度およびカラムの容量に影響を与える。最大50mg/mlまでの容量が、これらの種のレベルが約5%
まで下がった場合に観察された。
【0084】
発酵後の全IGF滴定濃度は、S.cerevisiaeを使用して150〜200mg/Lであり、そしてP. pastorisを使用して800〜1200mg/Lであった。このプロセスを使用した真性のIGF-1の最終的な収率は、S.cerevisiae単離産物については約40mg/L発酵培地であり、そしてP.pastoris単離産物については約100〜120mg/L発酵培地であった。全体の純度(真性のIGF-1/全IGF-1種)は、95〜97%であった。
【0085】
B.真性のIGF-1をまた、以下の改変を伴う上記の手順を使用して、P.pastorisから回
収した。
【0086】
発酵に続いて、TosoHaasToyopearl SP550C樹脂において行った第1の陽イオン交換反応において、濾過を使用した。ロード後、カラムを約3.5CVの0.02M酢酸で洗浄し、次いで3.5CVの0.05M酢酸ナトリウム、0.1M塩化ナトリウム(pH5.5)で洗浄した。生成物を、約4CV
の0.05M酢酸ナトリウム(pH5.5)を使用して溶出した。
【0087】
陽イオン交換回収プールを緩衝液中に希釈し、2M尿素、1.5M塩化ナトリウム、15%エ
タノール、5mMホウ酸ナトリウム、および0.2mM DTT(pH9〜9.5)の最終濃度を与えることにより再折り畳みを行った。再折り畳みを、室温で15〜20時間行った。
【0088】
沈澱より生じ得る可能性のある問題を避けるために、硫酸アンモニウムを使用しない
で、TosoHaas Toyopearl Butyl 650Mカラムを使用してHICを行った。再折り畳みプールのpHを酢酸で約4.2まで低下させ、そしてロードの前に、等容量の1Mの塩化ナトリウムで希釈した。ロード後、カラムを約3CVの0.2M酢酸、0.5M塩化ナトリウム(pH3.0)で洗浄した
。次いでカラムを、約10CVの0.2M酢酸、0.25M塩化ナトリウム(pH3.0)で洗浄した。カラムを約4CVの0.2M酢酸、0.2M塩化ナトリウム(pH3.0)で溶出した。
【0089】
第2の陽イオン交換工程を、TosoHaas Toyopearl SP550S樹脂を使用して行った。カラ
ムを、0.05M酢酸ナトリウム(pH5.5)緩衝液で平衡化した。ロード後、カラムを約1CVの0.05M酢酸ナトリウム(pH5.5)緩衝液で洗浄し、次いで約7CVの0.05M酢酸ナトリウム、0.1M
塩化ナトリウム(pH5.5)緩衝液で洗浄した。生成物を、約7CVの0.05M酢酸ナトリウム、0.4M塩化ナトリウム(pH5.5)緩衝液で溶出した。
【0090】
RP-HPLCを、TosoHaasAmberchrome CG1000sd樹脂を使用して行った。生成物を、水性条
件下でカラムにロードし、そして0.2M酢酸緩衝液で洗浄した。生成物を、19%エタノール等定組成条件の洗浄、続いて25%エタノールに対する勾配を使用して溶出した。真性のIGFからのあまり疎水性でないIGF形態(すなわち、酸化、グリコシル化、およびいくつかの
分解したIGF形態)の分離は、19%エタノール洗浄の間に生じ、そして生成物の残りは、より疎水性の形態(すなわち、多量体および他の分解したIGF形態)がカラムに残っている間
は勾配においてカラムから溶出される。次いでカラムを、高濃度のエタノール(70〜100%)でストリップした。
【0091】
次いで生成物を、Filtron1000MWポリスルホンフラットメンブレンおよび0.1M酢酸を使
用して濃縮した。生成物をまた、AG Technology 5000MWポリスルホン中空線維を使用して濃縮し得る。このようなメンブレンは、フラットメンブレンよりもより高い流速およびより良好なIGF保持能を有する。
【0092】
このプロセスで使用した全IGFの滴定濃度は、800〜1200mg/Lであった。このプロセスを使用した真性のIGF-1の最終的な収率は、約100mg/L発酵培地であった。全純度(真性のIGF-1/全IGF-1種)は94%であった。
【0093】
C.真性のIGF-1をまた、CuCl2を再折り畳み緩衝液に添加して再折り畳み反応の間に2μMのCu++の最終濃度を与えることを除いては上述の実施例IIBに記載の手順を使用して、P.pastorisから回収した。反応を、10〜12時間、またはCN-HPLCにより測定されるように
再折り畳みが完了するまで、進行させた。Cu++の添加により、再折り畳みの割合が、2〜3倍以上増強された。
【0094】
D.真性のIGF-1をまた、再折り畳み工程を含まない以下の手順を使用して、S.cerevisiaeから回収した。IGF-Iタンパク質を、上記のように、S.cerevisiae株JSC417中で発現
させた。発酵およびpHショック反応を、上記の実施例IIAに記載のように行った。回収後
、上清のpHを、約75%のリン酸で再調整し、そして陽イオン交換樹脂へ吸収させる前に、微細孔接線流濾過(microporoustangential fowfiltration)を使用して濾過した。カラムを、20mM酢酸、および100mMホウ酸カリウム/0.1mM EDTA緩衝液で洗浄し、そして100mMホ
ウ酸カリウム/0.1mMEDTA/300mM塩化カリウム緩衝液(pH8.7)で溶出した。
【0095】
陽イオン交換工程に続いて、溶出物のpHをpH4に調整し、そして塩沈澱を行って高分子量の混入物を除去した。沈澱を、0.5M硫酸アンモニウム、5%アセトニトリル、2.5mMEDTAを使用して、4〜24時間、冷気中で行った。次いで、濾過を、Waukeshaポンプと並列し
たAG Tech 23 sq. ft、0.22ミクロン中空線維フィルターを使用して行った。浸透物(permiate)を、元のタンク中に保持されている沈澱した物質とともに、1つのタンクに回収し
た。最終的な塩の洗浄を、約10Lの0.5M硫酸アンモニウムの溶液、50mM酢酸ナトリウム、2.5mMEDTA(pH4)を使用して行った。
【0096】
次いで、HICを、Sepragen50L Superflow Radial FlowカラムおよびTosoHaas, Phenyl 65ミクロン、HIC樹脂において、先の予備沈澱工程からのサンプルを使用して、流速10L/分で以下のように行った。溶出を、0.9M硫酸アンモニウムから0.5M硫酸アンモニウムまでの一次勾配を使用して行った。
【0097】
限外濾過およびダイアフィルトレーションを、上記のカラムからのプールに対して行った。限外濾過については、出発物質を0.7M 硫酸アンモニウム(pH6.7)中で希釈した。ロードを、氷酢酸で、pH4より低くなるまで滴定することによって調製した。使用した濾過システムは、Waukeshaポンプと並列しそして窒素で覆った、AGTech.36 sq. ft、5,000MWCO中空線維フィルターであった。最大の作動プロセス回路の容量は8Lであった。代表的に
は、6リットルを使用した。ダイアフィルトレーションを、注入のための約20リットルの水(WFI)で行い、続いて浸透物のpHが3.5になるまで20mM酢酸(約30リットル)で行った。
【0098】
次いで、RP-HPLCを、6リットル容量の直径15センチメートルの高圧カラムであるProchromLC150、およびKromasil、C8、10ミクロン樹脂を使用して行った。流速は、1L/分であった。カラムを、緩衝液A(これは、0.18M酢酸アンモニウム、10%アセトニトリル(pH6.7)からなる)および緩衝液B(これは、0.10M酢酸アンモニウム、50%アセトニトリル(pH6.7)からなる)を混合することによって、14%アセトニトリル中で平衡化した。ロードを、緩衝液Aで1:1に希釈することによって調製した。溶出を、14%〜22%のアセトニトリル
緩衝溶液の一次勾配を使用して行った。カラムを、生成物を溶出した22%〜26%までのアセトニトリルで第2の一次勾配を行う前に、22%で一定に保持した。
【0099】
最終的に、別の限外濾過/ダイアフィルトレーション工程を行った。限外濾過を、Waukeshaポンプと並列しそして窒素で覆ったHoescht 50sq.ft,4,000MWCO中空線維フィルター
を使用して、RP-HPLCプールに対して行った。最大の作動プロセス回路の容量は8リット
ルであった。代表的には、6リットルを使用した。ロードを、3パートの20mM酢酸で希釈することによって調製した。ダイアフィルトレーションを、約40リットルの20mM酢酸を使用して行った。
【0100】
このプロセスを使用した全IGFの滴定濃度は、25〜40mg/Lであった。このプロセスを使
用した真性のIGF-1の最終的な収率は、約5mg/Lの発酵培地であった。
【0101】
従って、酵母宿主から、真性の、正確に折り畳まれたIGFポリペプチドを精製するため
の方法が開示された。本発明の好ましい実施態様がいくらか詳細に開示されたが、明らかな改変が、添付の請求の範囲に規定される本発明の精神および範囲を逸脱することなくなされ得ることが理解される。
【出願人】 【識別番号】591076811
【氏名又は名称】カイロン コーポレイション
【識別番号】398055451
【氏名又は名称】セファロン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CEPHALON,INCORPORATED
【出願日】 平成19年11月16日(2007.11.16)
【代理人】 【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策

【識別番号】100062409
【弁理士】
【氏名又は名称】安村 高明

【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹


【公開番号】 特開2008−54693(P2008−54693A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2007−298684(P2007−298684)