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【発明の名称】 ジピコリン酸又はその塩の製造方法
【発明者】 【氏名】高橋 史員

【氏名】住友 伸行

【氏名】萩原 浩

【要約】 【課題】優れた生産性、且つ、低コストを達成し、ジピコリン酸の工業的生産に適用可能なジピコリン酸又はその塩の製造方法を提供する。

【構成】胞子形成能を有するか又は胞子形成能を失った微生物であって、胞子形成期におけるスポアコートタンパク沈着期より前において働くプロモーター支配下に転写されるジピコリン酸シンターゼ遺伝子を有する微生物を培養する工程と、上記微生物の培養上清及び/又は反応水溶液からジピコリン酸を回収する工程とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胞子形成能を有するか又は胞子形成能を失った微生物であって、胞子形成期におけるスポアコートタンパク沈着期より前において働くプロモーター支配下に転写されるジピコリン酸シンターゼ遺伝子を有する微生物を培養する工程と、
上記微生物の培養上清及び/又は反応水溶液からジピコリン酸を回収する工程とを含むジピコリン酸又はその塩の製造方法。
【請求項2】
回収したジピコリン酸を精製する工程を更に含む、請求項1記載のジピコリン酸又はその塩の製造方法。
【請求項3】
上記スポアコートタンパク沈着期は、枯草菌胞子形成期第V期に相当する期であることを特徴とする請求項1又は2記載のジピコリン酸又はその塩の製造方法。
【請求項4】
上記微生物が、バシラス(Bacillus)属又はクロストリジウム(Clostridium)属に属する微生物であることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載のジピコリン酸又はその塩の製造方法。
【請求項5】
上記微生物がバシラス(Bacillus)属に属する微生物である請求項4記載のジピコリン酸又はその塩の製造方法。
【請求項6】
上記バシラス(Bacillus)属に属する微生物が枯草菌(Bacillus subtilis)又はバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)である請求項5記載のジピコリン酸又はその塩の製造方法。
【請求項7】
上記プロモーターは、σA依存性プロモーター又はσH依存性プロモーターであることを特徴とする請求項1〜6いずれか一項記載のジピコリン酸又はその塩の製造方法。
【請求項8】
上記プロモーターは、S237プロモーター又はspoVGプロモーターであることを特徴とする請求項1〜7いずれか一項記載のジピコリン酸又はその塩の製造方法。
【請求項9】
胞子形成能を有するか又は胞子形成能を失った微生物であって、胞子形成期におけるスポアコートタンパク沈着期より前において働くプロモーター支配下に転写されるジピコリン酸シンターゼ遺伝子を有する微生物。
【請求項10】
上記スポアコートタンパク沈着期は、枯草菌胞子形成期第V期に相当する期であることを特徴とする請求項9記載の微生物。
【請求項11】
バシラス(Bacillus)属又はクロストリジウム(Clostridium)属に属する微生物であることを特徴とする請求項9又は10記載の微生物。
【請求項12】
バシラス(Bacillus)属に属する微生物である請求項11記載の微生物。
【請求項13】
上記バシラス(Bacillus)属に属する微生物が枯草菌(Bacillus subtilis)又はバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)である請求項12記載の微生物。
【請求項14】
上記プロモーターは、σA依存性プロモーター又はσH依存性プロモーターであることを特徴とする請求項9〜13いずれか一項記載の微生物。
【請求項15】
上記プロモーターは、S237プロモーター又はspoVGプロモーターであることを特徴とする請求項9〜14いずれか一項記載の微生物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物を用いたジピコリン酸又はその塩の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジピコリン酸(2,6-ピリジンジカルボン酸)は、天然物であり生分解性の高いキレート剤として知られており、産業用の用途として洗剤組成物(特許文献1)や金属隠蔽剤(特許文献2)、酸化防止剤(特許文献3及び4)として利用できることが報告されている。
【0003】
ジピコリン酸は、2,6-ルチジンから酸化反応によって合成されることが知られている。すなわち、ニッケル化合物の存在下で次亜ハロゲン酸塩を酸化剤として用いる方法(特許文献5)や、オゾンを用いた酸化による製造方法(特許文献6及び7)、電解酸化法(特許文献8)、空気酸化法(非特許文献1)などが開示されている。しかし、これらの方法では、反応の転化率や選択率が不十分なため、原料である2,6-ルチジンや反応中間体である6-メチル-2-ピリジンカルボン酸等のアルキルピリジンが反応液中に残存し、これらが製品である2,6-ピリジンジカルボン酸(ジピコリン酸)中に不純物として混入してしまう。すなわち、これらの方法には高純度のジピコリン酸を製造することが困難であるといった問題があった。
【0004】
一方、微生物を使用するジピコリン酸の製造方法によれば、アルキルピリジンを含有することなくジピコリン酸を高純度に製造できることが期待される。微生物を用いたジピコリン酸の製造方法としては、胞子を形成する微生物であるバシラス(Bacillus)属を用いた発酵法による製造方法(特許文献9及び10)及びカビを用いた製造方法(特許文献11)が挙げられる。しかしながら、これらの方法は、工業的に利用可能な生産量を達成できていないといった問題があった。
【0005】
また、発酵法によるジピコリン酸の製造方法としては、遺伝子組換えリジン生産菌を利用した製造方法(特許文献12)が挙げられる。しかしながら、この方法は、生育に高価なジアミノピメリン酸を要求しているため、安価にジピコリン酸を生産できないという問題点があった。
【0006】
【特許文献1】特表2002−532616号公報、米国特許第5536625号公報
【特許文献2】特開平5−158195号公報
【特許文献3】特開平6−166621号公報
【特許文献4】特開平3−163002号公報
【特許文献5】特開平11−322716号公報
【特許文献6】特開平11−343483号公報
【特許文献7】SU943236A1
【特許文献8】EP253439B1
【特許文献9】特開2004−275075号公報
【特許文献10】DE2300056号公報
【特許文献11】米国特許第3334021号公報
【特許文献12】特開2002−371063号公報
【非特許文献1】Synthesis Commun.(1992),22,2691-6
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述したような従来のジピコリン酸の製造方法における諸問題を解決し、優れた生産性、且つ、低コストにジピコリン酸又はその塩を製造することができ、ジピコリン酸の工業的生産に適用可能なジピコリン酸又はその塩の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上述した目的を達成するために鋭意検討した結果、胞子形成能を有するか胞子形成能を喪失した微生物を宿主として用い、ジピコリン酸合成経路に関与する遺伝子の発現パターンを改変することによって、高コスト化の主要因となる特殊な培地を使用することなく、高収率でジピコリン酸を製造できることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下を包含する。
(1) 胞子形成能を有するか又は胞子形成能を失った微生物であって、胞子形成期におけるスポアコートタンパク沈着期より前において働くプロモーター支配下に転写されるジピコリン酸シンターゼ遺伝子を有する微生物を培養する工程と、上記微生物の培養上清及び/又は反応水溶液からジピコリン酸を回収する工程とを含むジピコリン酸又はその塩の製造方法。
【0010】
本発明にかかるジピコリン酸又はその塩の製造方法は、回収したジピコリン酸を精製する工程を更に含むものであってもよい。
【0011】
本発明にかかるジピコリン酸又はその塩の製造方法において、上記スポアコートタンパク沈着期は、枯草菌胞子形成期第V期に相当する期とすることができる。本発明にかかるジピコリン酸又はその塩の製造方法において、上記微生物としてはバシラス(Bacillus)属又はクロストリジウム(Clostridium)属に属する微生物であることが好ましい。本発明にかかるジピコリン酸又はその塩の製造方法においては、特に、上記微生物としてバシラス(Bacillus)属に属する微生物であることが好ましい。ここで上記バシラス(Bacillus)属に属する微生物としては枯草菌(Bacillus subtilis)やバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)であることがより好ましい。
【0012】
本発明にかかるジピコリン酸又はその塩の製造方法において、上記プロモーターとしては、σA依存性プロモーター又はσH依存性プロモーターを使用することができる。また、本発明にかかるジピコリン酸又はその塩の製造方法において、上記プロモーターとしてはS237プロモーター又はspoVGプロモーターを使用することができる。
【0013】
また、本発明は以下を包含する。
(2) 胞子形成能を有するか又は胞子形成能を失った微生物であって、胞子形成期におけるスポアコートタンパク沈着期より前において働くプロモーター支配下に転写されるジピコリン酸シンターゼ遺伝子を有する微生物。
【0014】
本発明にかかる微生物において、上記スポアコートタンパク沈着期は、枯草菌胞子形成期第V期に相当する期とすることができる。また、本発明にかかる微生物としては、バシラス(Bacillus)属又はクロストリジウム(Clostridium)属に属する微生物であることが好ましい。特に、本発明にかかる微生物としてはバシラス(Bacillus)属に属する微生物であることが好ましい。ここで上記バシラス(Bacillus)属に属する微生物としては枯草菌(Bacillus subtilis)やバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)であることがより好ましい。
【0015】
本発明にかかる微生物において、上記プロモーターとしてはσA依存性プロモーター又はσH依存性プロモーターを使用することができる。また、本発明にかかる微生物において、上記プロモーターとしてはS237プロモーター又はspoVGプロモーターを使用することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、優れた生産性、且つ、低コストにジピコリン酸又はその塩を製造することができる。すなわち、本発明にかかるジピコリン酸又はその塩の製造方法によれば、生分解性の高い洗剤組成物、金属隠蔽剤及び酸化防止剤等に利用できるジピコリン酸又はその塩を大量且つ安価に提供することができる。また、本発明にかかる微生物によれば、生分解性の高い洗剤組成物、金属隠蔽剤及び酸化防止剤等に利用できるジピコリン酸を大量且つ安価に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明にかかるジピコリン酸又はその塩の製造方法では、先ず、胞子形成能を有するか又は胞子形成能を失った微生物であって、胞子形成期におけるスポアコートタンパク沈着期より前において働くプロモーター支配下に転写されるジピコリン酸シンターゼ遺伝子を有する微生物を準備する。
【0018】
ここで、胞子形成能を有する微生物とは、培地中に含まれる栄養分の枯渇や各種環境ストレスに応答して内生胞子を形成することができる微生物を意味する。胞子形成能を有する微生物としては、例えば、バシラス(Bacillus)属又はクロストリジウム(Clostridium)属に属する微生物を挙げることができる。
【0019】
バシラス属に属する微生物としては、具体的には、Bacillus subtilis、Bacillus cereus、Bacillus thuringiensis、Bacillus anthracis、Bacillus stearotheromophilus、Bacillus coagulans、Bacillus megaterium、Bacillus halodurans、Bacillus brevis(Brevibacillus brevis)、Bacillus pumilus、 Bacillus alcalophilus、Bacilus amylolyticus、Bacillus polymyxa(Paenibacillus polymyxa)、Bacillus sphaericus、 Bacillus firmus、Bacillus clausii、Bacillus macerans等を挙げることができる。クロストリジウム属に属する微生物としては、Clostridium botulinum、Clostridium difficile、Clostridium perfringens、Clostridium tetani、等を挙げることができる。なお、Bacillus brevisはBrevibacillus属に分類されてBrevibacillus brevisと記載される場合があり、Bacillus polymyxaはPaenibacillus属に分類されてPaenibacillus polymyxaと記載される場合がある。しかしながら本明細書においては、Bacillus brevis及びBacillus polymyxaは、共にBacillus属に属する細菌として定義する。すなわち、本発明において、Bacillus属に属する微生物といった場合、Brevibacillus brevisと記載される微生物及びPaenibacillus polymyxaと記載される微生物を含む意味として解釈する。
【0020】
特に、本方法においては、胞子形成能を有するバシラス属の微生物を使用することが好ましく、枯草菌(Bacillus subtilis)やバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)を使用することが好ましい。枯草菌としては、枯草菌168株、Marburg株、natto株、ISW1214株等を挙げることができる。バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)としては、American Type Culture Collectionに保存されているATCC14581株を使用することができる。
【0021】
また、胞子形成能を失った微生物とは、上述した胞子形成能を有する微生物に対して例えば突然変異を誘発することで、又は胞子形成に関与する遺伝子群の一部を機能的に欠損させることで、胞子形成能を喪失させた変異微生物を意味する。特に、本方法においては、枯草菌に対して突然変異を誘発して胞子形成能を喪失した枯草菌変異株、又は胞子形成に関連する遺伝子(spo遺伝子)の一部を欠損させて胞子形成能を喪失した枯草菌変異株を使用することが好ましい。
【0022】
一方、本方法において、上述した微生物は、胞子形成期におけるスポアコートタンパク沈着期より前において働くプロモーター支配下に転写されるジピコリン酸シンターゼ遺伝子を有している。
【0023】
ここで、胞子形成期におけるスポアコートタンパク沈着期とは、枯草菌の胞子形成過程において第V期と呼称されている期間を意味する。枯草菌の胞子形成過程は、栄養増殖による細胞分裂が停止する第0期に始まり、隔膜が形成される第II期、隔膜で隔てられた一方にフォアスポアが形成される第III期、フォアスポア外周にコルテックス層が形成される第IV期、コルテックス層の外周にスポアコートタンパク質が沈着する第V期が含まれる。枯草菌の胞子形成における第0期においてはRNAポリメラーゼであるσA及びσHが遺伝子の転写を制御している。第II期においては、隔膜で隔てられた一方側でσFが転写を制御し、他方側でσEが転写を制御している。また、第III期においては、フォアスポア内でσGが転写を制御し、フォアスポア外でσEが転写を制御している。さらに、第IV期においては、スポアコート層に覆われた胞子内部でσGが転写を制御し、胞子外部でσKが転写を制御している。さらにまた、第V期において、スポアコートに覆われた胞子内部でσGが転写を制御し、胞子外部でσKが転写を制御している。
【0024】
したがって、枯草菌の場合、胞子形成期におけるスポアコートタンパク沈着期より前において働くプロモーターとしては、σA因子依存性プロモーター、σH因子依存性プロモーター、σE因子依存性プロモーター及びσF因子依存性プロモーターを意味することとなる。特に、構成的に作用するプロモーターを使用することがより好ましい。また、環境ストレスに応じて発現するσB因子依存性プロモーターや、ECF (extracytoplasmic function)σ因子依存性プロモーター(FEMS Microbiol Lett. (2003)14;220(1):155-60.)を使用することもできる。
【0025】
σA因子依存性プロモーターとしては、特に限定されないが、枯草菌ファージSP01プロモーター(Proc. Natl. Acd. Sci. USA. (1984) 81:439-443.)、veg遺伝子、amyE(アミラーゼ)遺伝子、aprE(ズブチリシン)遺伝子及びS237(S237セルラーゼ、特開2000-210081号公報)遺伝子のプロモーターを挙げることができる。σH因子依存性プロモーターとしては、特に限定されないが、citG遺伝子、spoVS遺伝子及びspoVG(Proc. Natl. Acd. Sci. USA. (1986) 83:9438-9442.)遺伝子のプロモーターが挙げられる。σE因子依存性プロモーターとしては、特に限定されないが、cotE遺伝子及びspoIVA遺伝子のプロモーターが挙げられる。本方法においては、特に、Bacillus subtilisのspoVG遺伝子のプロモーターが望ましい。
【0026】
ここで、所定の遺伝子のプロモーターとは、当該遺伝子におけるコーディング領域の上流に存在し、RNAポリメラーゼが相互作用して当該遺伝子の転写を制御する機能を有する領域と定義される。より具体的には、所定の遺伝子のプロモーターとは、当該遺伝子におけるコーディング領域の上流200〜600塩基程度の領域を意味する。
【0027】
より具体的に、本方法に好適に使用されるσH因子依存性プロモーターであるspoVG遺伝子プロモーターの塩基配列を配列番号1に示す。なお、本方法においては、配列番号1に示す塩基配列において1又は数個の塩基が置換、欠失、付加又は挿入された塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、σH因子依存性プロモーターとして機能するポリヌクレオチドをプロモーターとして使用することもできる。ここで、「σH因子依存性プロモーターとして機能する」とは、RNAポリメラーゼであるσH因子によって特異的に転写制御されることを意味する。この特異性は、評価対象となるポリヌクレオチドの下流にレポーター遺伝子を結合し、σH因子存在下及び不存在下でのレポーター遺伝子の発現を観察することによって評価することができる。
【0028】
また、本方法に好適に使用されるσA因子依存性プロモーターであるS237プロモーターの塩基配列を配列番号2に示す。なお、本方法においては、配列番号2に示す塩基配列において1又は数個の塩基が置換、欠失、付加又は挿入された塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、σA因子依存性プロモーターとして機能するポリヌクレオチドをプロモーターとして使用することもできる。ここで、「σA因子依存性プロモーターとして機能する」とは、RNAポリメラーゼであるσA因子によって特異的に転写制御されることを意味する。この特異性は、評価対象となるポリヌクレオチドの下流にレポーター遺伝子を結合し、σA因子存在下及び不存在下でのレポーター遺伝子の発現を観察することによって評価することができる。
【0029】
同様に、本方法において好適に使用されるσE因子依存性プロモーターであるcotE遺伝子プロモーターの塩基配列を配列番号3に示す。
【0030】
なお、例えばクロストリジウム属の微生物のように枯草菌以外の微生物であっても、枯草菌の胞子形成過程と同様な過程を経て胞子が形成される。すなわち、枯草菌以外の微生物であっても、胞子形成過程にスポアコート沈着期が含まれる。したがって、枯草菌以外の微生物であっても、スポアコート沈着期より前において働くプロモーターを一義的に同定して単離することができる。例えば、クロストリジウム属の微生物においては、σA依存性プロモーターに相当するプロモーターとしてptb遺伝子プロモーター(配列番号4)が知られている。また、クロストリジウム属の微生物においてσH依存性プロモーターに相当するプロモーターとしては、spoVG遺伝子プロモーター(配列番号5)が知られている。さらに、クロストリジウム属の微生物においてσE依存性プロモーターに相当するプロモーターとしては、flgE遺伝子プロモーター(配列番号6)が知られている(Journal of Bacteriology (2005), 187, 7103-7118及びNuclic Acids Research (2004), 32, 6, 1973-1981参照)。
【0031】
一方、本方法において、上述したプロモーターにより転写制御されるジピコリン酸シンターゼ遺伝子とは、下記の化学反応を進行させる活性を有するジピコリン酸シンターゼをコードする遺伝子である。
【0032】
【化1】


【0033】
枯草菌におけるジピコリン酸シンターゼ遺伝子は、ジピコリン酸シンターゼ・サブユニットAをコードするspoVFAと、ジピコリン酸シンターゼ・サブユニットBをコードするspoVFBとから構成されている。spoVFA遺伝子の塩基配列及びspoVFA遺伝子によりコードされるジピコリン酸シンターゼ・サブユニットAのアミノ酸をそれぞれ配列番号7及び8に示す。また、spoVFB遺伝子の塩基配列及びspoVFB遺伝子によりコードされるジピコリン酸シンターゼ・サブユニットBのアミノ酸配列をそれぞれ配列番号9及び10に示す。なお、野生型の枯草菌において、spoVFA及びspoVFBはこの順で配置されてオペロンを形成しており、共にσK因子依存性プロモーターにより転写制御されている。したがって、野生型の枯草菌において、spoVFA遺伝子及びspoVFB遺伝子は枯草菌胞子形成過程における第V期に発現し、内生胞子中にジピコリン酸が蓄積することとなる。
【0034】
また、本方法においては、枯草菌由来のジピコリン酸シンターゼ遺伝子に限定されず、枯草菌以外の微生物由来のジピコリン酸シンターゼ遺伝子を使用することもできる。ジピコリン酸シンターゼ遺伝子としては、Bacillus licheniformis由来のspoVFA(配列番号11)、spoVFB(配列番号12)、Bacillus clausii由来のspoVFA(配列番号13)、spoVFB(配列番号14)、Clostridium thermocellum由来のCtheDRAFT_2170(配列番号15)、CtheDRAFT_2171(配列番号16)等を挙げることができる。本方法においては、上述した如何なる微生物由来のジピコリン酸シンターゼ遺伝子をも使用することができる。
【0035】
上述した、胞子形成期におけるスポアコートタンパク沈着期より前において働くプロモーター及びジピコリン酸シンターゼ遺伝子は、当該プロモーターの制御下に当該遺伝子が発現されるように配置するとともに宿主ゲノムとの相同領域を結合してDNA断片とし、このDNA断片を使用して上述した微生物を形質転換することができる。形質転換法としては、宿主となる微生物に応じて適切な、且つ一般的な方法を採用することができる。例えば、宿主微生物として枯草菌を使用する場合、spoVFAの上流に上述したプロモーター(例えば、spoVG遺伝子プロモーター)を配置し、枯草菌ゲノムの一部との相同領域を結合してDNA断片を調製する。得られたDNA断片を用いて、例えば、枯草菌168株を形質転換する。
【0036】
遺伝子の増幅にはPCR法などを用いることができる。PCR反応は、例えばPyrobest DNAポリメラーゼ(タカラバイオ)を用いることができ、反応条件はその説明書に従って行えばよい。
【0037】
また、上述した、胞子形成期におけるスポアコートタンパク沈着期より前において働くプロモーター及びジピコリン酸シンターゼ遺伝子は、当該プロモーターの制御下に当該遺伝子が発現されるように所望のベクターに組み込まれ、得られた組換えベクターを定法に従って上述した微生物を形質転換することができる。
【0038】
さらにまた、上述したDNA断片で形質転換した組換え微生物を、上述した組換えベクターを用いて再度、形質転換することによって、上述したジピコリン酸シンターゼ遺伝子を高発現できる組換え微生物を取得することができる。形質転換された組換え微生物においては、胞子形成期におけるスポアコートタンパク沈着期より前において働くプロモーター支配下にジピコリン酸シンターゼ遺伝子が転写されることとなる。よって、得られた組換え微生物を培養する(増殖させる)ことによって、微生物内にジピコリン酸を生産することができる。
【0039】
微生物を増殖させる方法に特に制限はなく、通常の微生物の培養方法を用いることができる。すなわち、使用する培地は、炭素源、窒素源、無機イオン及び必要に応じその他の有機成分を含む通常の培地である。炭素源としては、グルコース、ラクトース、ガラクトース、フラクトースやでんぷん及びセルロースの加水分解物、糖蜜等の糖類、グリセロール、エタノール、ソルビトール等のアルコール類、フマール酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸を用いることができる。窒素源として硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機アンモニウム塩、大豆加水分解物等の有機窒素、アンモニアガス、アンモニア水、尿素、グルタミン酸、リジン、グリシン、アラニン、メチオニン、アスパラギン酸、アルギニン酸等を用いることができる。有機微量栄養源として、ビタミン類、アミノ酸等の要求物質、又は、必要に応じて酵母エキス、コーンスティープリカー等を含有させることが望ましい。これらの他に、必要に応じて、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、銅イオン、鉄イオン、マンガンイオン等を添加することが望ましい。場合によっては、消泡剤等も添加される。
【0040】
また、培地のpHは6.0〜8.0に調節することが適当であり、pHの調整は、無機又は有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニア等を用いて行えばよい。培養は、15〜45℃、好ましくは25〜45℃で、6〜96時間、更に好ましくは24〜72時間行い、必要により通気や攪拌を加えてもよい。なお、組換え枯草菌の場合は、培地のpHは用いる枯草菌が生育し得る範囲、例えば、pH6.0〜8.0に調整するのが好適である。また、培養条件は、15〜42℃、好ましくは28〜37℃で2〜4日間振盪、又は通気撹拌培養すればよい。
【0041】
以上のように、組換え微生物を培養する(増殖させる)ことによって、培養上清中にジピコリン酸を生産することができ、公知の方法によってジピコリン酸を回収することができる。なお、上記のように増殖させた微生物を、アスパラギン酸及び/又はピルビン酸を含む水溶液中に懸濁させることで、反応上清液中にジピコリン酸を産生させることも可能である。この時、エネルギー源として上記培地に添加されるような物質を共存させることでさらに効率よくジピコリン酸を産生させることが可能である。
【0042】
組換え微生物の培養上清又は反応上清液から、ジピコリン酸を単離採取するには公知の方法を組み合わせることで実施できる。例えば、イオン交換樹脂による吸脱着、晶析による固液分離、膜処理による不純物の除去などを組み合わせることで、容易にジピコリン酸の結晶または沈殿を得ることができる。
【0043】
ここで、イオン交換樹脂処理などによって得られたジピコリン酸を含有する溶液に、目的に応じた量のアルカリを添加することで、ジピコリン酸の塩を得ることができる。具体的には、NaOHを添加することにより、ジピコリン酸ナトリウム塩を得ることができる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1-1)
枯草菌168株から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、PsVFA FW(5’-CCCTTCCGGCAATATGCC-3’)(配列番号17)及びPsVFA/Cm RV(5’-ATGGGTGCTTTAGTTGAAGATCTAAACGTTCACCTTC-3’)(配列番号18)のプライマーを用いて0.6kb断片(A)をPCRにより増幅した。この0.6kb断片(A)はspoVFA遺伝子(配列番号1)の開始コドンの上流に隣接する0.6kbの領域である。また、同ゲノムDNAを鋳型とし、spoVG/spoVFA FW(5’-GGTGGTGAACTACTATGTTAACCGGATTGAAAATTGC-3’)(配列番号19)及びspoVFA RV(5’-GATGCGCTGAACTTCTTGC-3’)(配列番号20)のプライマーを用いて0.6kb断片(B)をPCRにより増幅した。この0.6kb断片(B)は、spoVFA遺伝子の開始コドンから下流の0.6kbの領域である。さらに、同ゲノムDNAを鋳型とし、Cm/spoVG FW(5’-CTGCCCCGTTAGTTGAAGGTTAGTCGAGATCGAAGTTA-3’)(配列番号21)、spoVG RV(5’-CATAGTAGTTCACCACC-3’)(配列番号22)のプライマーを用いてspoVGプロモーター配列を含む0.2kb断片(C)をPCRにより増幅した。さらに、プラスミドpC194(入手先:Staphylococcus aureus由来)を鋳型とし、Cat F(5’-TCTTCAACTAAAGCACCCAT-3’)(配列番号23)及びCm RV (5’-CTTCAACTAACGGGGCAG-3’)(配列番号24)のプライマーを用いてクロラムフェニコール耐性遺伝子を含む0.9kb断片(D)をPCRにより増幅した。
【0045】
次に、得られた断片(A)、断片(D)、断片(C)及び断片(B)をこの順となる様にPsVFA FW2(5’-CCCCATAATGGAGCAGGC-3’)(配列番号25)及びspoVFA RV2(5’-GCGCGGCAAATGTACGG-3’)(配列番号26)のプライマーを用いてSOE-PCR法(splicing by overlap extension PCR:Gene, 77, 61, 1989)によって結合させ、2.2kbのDNA断片を得た。得られたDNA断片を用いて、コンピテント法(J. Bacteriol., 81, 741, 1960)により枯草菌168株の形質転換を行い、クロラムフェニコールを含むLB寒天培地上に生育したコロニーを形質転換体として分離した(以下、168VGspoVF株と称する)。
【0046】
なお、得られた形質転換体168VGspoVF株のゲノムを用いたPCR及びそれに続くサンガー法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA,, 74:5463 (1982))によるシークエンシングによって、ゲノム上のspoVFAプロモーターとspoVFA遺伝子の間にクロラムフェニコール耐性遺伝子及びspoVG遺伝子プロモーターが挿入されていることを確認した。
【0047】
(1-2)
一方、Bacillus sp. KSM-S237株由来(入手先:特開2000-210081号公報)のセルラーゼ遺伝子を含む組換えプラスミドpHYEglSを鋳型とし、S237UB1(5’-GCAGGATCCGATTTGCCGATGCAACAGGCTTATATTTAG-3’)(配列番号27)及びS237sVFABd1(5’-CGGTTAACATATTACCTCCTAAATATTTTTAAAG-3’)(配列番号28)のプライマーを用いてS237プロモーターを含む0.6kb断片(E)をPCRにより増幅した。また、枯草菌168株から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、S237sVFABu2(5’-AGGAGGTAATATGTTAACCGGATTGAAAATTGC-3’)(配列番号29)、S237sVFABd2(5’-GCTTCTAGAATTAGTCATTTCCCTGATAATTCTCAAC-3’)(配列番号30)を用いてジピコリン酸シンターゼ構造遺伝子を含む1.5kb断片(F)をPCRにより増幅した。
【0048】
次に、得られた断片(E)及び断片(F)をこの順となる様にS237UB1及びS237sVFABd2を用いたSOE-PCR法によって結合させ、2.1kbのDNA断片を得た。得られたDNA断片をシャトルベクターpHY300PLKのEcoRI、XbaI制限酵素切断点に挿入し、組換えプラスミドpH237sVFABを構築した。プラスミドpH237sVFABに対するサンガー法によるシークエンシングによって目的のプロモーター及び遺伝子が挿入されていることを確認した。
【0049】
次に、上記(1-1)で作製された168VGspoVF株から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、PsVFA FW及びCm RVのプライマーを用いて、spoVFA遺伝子の開始コドン上流に隣接する0.6kbのDNA断片とクロラムフェニコール耐性遺伝子を含む1.5kb断片(G)をPCRにより増幅した。また、プラスミドpH237sVFABを鋳型とし、Cm/PS237FW(5’-CTGCCCCGTTAGTTGAAGGATTTGCCGATGCAACAGG-3’)(配列番号31)及びspoVFA RVのプライマーを用いて、S237プロモーター配列及びspoVFAの開始コドンから下流の0.6kbのDNA断片を含む1.1kb断片(H)をPCRにより増幅した。得られた断片(G)及び(H)をこの順となる様にPsVFA FW2及びspoVFA RV2のプライマーを用いたSOE-PCR法によって結合させ、2.5kbのDNA断片を得た。得られたDNA断片を用いて、コンピテント法により枯草菌168株の形質転換を行い、クロラムフェニコールを含むLB寒天培地上に生育したコロニーを形質転換体として分離した(以下、168S237spoVF株と称する)。
【0050】
なお、得られた形質転換体168S237spoVF株のゲノムを用いたPCR及びそれに続くシークエンシングによって、ゲノム上のspoVFAプロモーターとspoVFA遺伝子の間にクロラムフェニコール耐性遺伝子及びS237プロモーターが挿入されていることを確認した。
【0051】
(1-3)
上記(1-1)で得られた168VGspoVF株及び上記(1-2)で得られた168S237spoVF株を、それぞれ20mLの2%(w/v)酵母エキス(ディフコ社製)、4%コーンスティーブリカー(オリエンタル酵母社製)、0.05%硫酸マグネシウム7水塩、0.001%硫酸マンガン、0.20%L-トリプトファン、0.50%リジン塩酸塩、4.0%アスパラギン酸ナトリウム塩、0.15%リン酸1カリウム、0.35%リン酸2カリウム及び14%マルトース1水和物を含む培地を用いて、30℃で72時間振盪培養を行った。培養後、遠心分離によって菌体を除き、培養上清のジピコリン酸量をHPLC法によって測定し、培養によって菌体外に分泌生産されたジピコリン酸の量を求めた。HPLC法による分析は、カラムとしてHigh Performance Carbohydrate Column 60(Å) 4μm 4.6×250mm HPLC Column {Aminopropylmethylsilyl bonded amorphos silica} (Waters社製)を使用し、溶離液として20mM EDTAを含む水を濃リン酸でpH3.4に合わせた水溶液とアセトニトリル溶液を1:1に混合した溶液を用いた。測定条件としては、検出波長を270nmとし、流速を1ml/分とした。測定結果を表1に示す。
【0052】
【表1】


【0053】
表1に示すように、168VGspoVF株及び168S237spoVF株ともに野生株(168株)と比較して顕著に高いジピコリン酸の分泌生産が認められた。この結果から、胞子形成期におけるスポアコートタンパク沈着期より前において働くプロモーターの支配下にジピコリン酸シンターゼ遺伝子オペロン{spoVFA、spoVFB、asd(配列番号32)、dapG(配列番号33)、dapA(配列番号34)}を転写させることによって、胞子形成過程における特定の段階にあるか否かに拘わらず、胞子形成能を有する微生物においてジピコリン酸を生産できることが明かとなった。
【0054】
しかも、本実施例の方法は、従来公知の発酵法によるジピコリン酸の生産性と比較して非常に優れた生産性を達成しており、かつジアミノピメリン酸等に代表される高価な添加物等を必要としていない。このことから、本実施例により、生産性に優れ、且つ低コストなジピコリン酸又はその塩の製造方法を新たに確立できたと結論付けられる。
【0055】
〔実施例2〕
実施例1(1-2)で得られた組換えプラスミドpH237sVFABをプロトプラスト法によって、実施例1(1-1)で得られた遺伝子組換え株168VGspoVF株に導入した。得られた組換え株を168VGspoVF-AB株とした。
【0056】
168VGspoVF-AB株を20mLの2%(w/v)酵母エキス(ディフコ社製)、0.20%コーンスティーブリカー(オリエンタル酵母社製)、0.05%硫酸マグネシウム7水塩、2%ウレア、0.20%L-トリプトファン、0.50%リジン塩酸塩、4.0%アスパラギン酸ナトリウム塩、0.15%リン酸1カリウム、0.35%リン酸2カリウム及び10%マルトース1水和物を含む培地を用いて、30℃で72時間振盪培養を行った。培養後、遠心分離によって菌体を除き、培養上清のジピコリン酸量をHPLC法によって測定し、培養によって菌体外に分泌生産されたジピコリン酸の量を求めた。HPLC法による分析は、カラムとしてHigh Performance Carbohydrate Column 60Å 4μm 4.6×250mm HPLC Column {Aminopropylmethylsilyl bonded amorphos silica} (Waters社製)を使用し、溶離液として20mM EDTAを含む水を濃リン酸でpH3.4に合わせた水溶液とアセトニトリル溶液を1:1に混合した溶液を用いた。測定条件としては、検出波長を270nmとし、流速を1ml/分とした。測定結果を表2に示す。
【0057】
【表2】


【0058】
表2に示すように、168VGspoVF-AB株では、実施例1(1-1)で得られた168VGspoVF株と比較して約2倍のジピコリン酸の分泌生産が認められた。本実施例により、培養初期のジピコリン酸シンターゼの高発現と、リジン生合成系が低下する培養中期〜後期におけるジピコリン酸合成オペロンの高発現の組み合わせにより、ジピコリン酸の生産性を更に向上させることができることが明かとなった。
【0059】
〔実施例3〕
実施例1(1-2)で得られた組換えプラスミドpH237sVFABをプロトプラスト法によって、Bacillus megaterium ATCC 14581株(以下14581株)に導入した。得られた組換え株を14581-AB株とした。
【0060】
14581株、14581-AB株を20mLの2%(w/v)酵母エキス(ディフコ社製)、4%コーンスティーブリカー(オリエンタル酵母社製)、0.05%硫酸マグネシウム7水塩、0.001%硫酸マンガン、0.20%L-トリプトファン、0.50%リジン塩酸塩、4.0%アスパラギン酸ナトリウム塩、0.15%リン酸1カリウム、0.35%リン酸2カリウム及び14%マルトース1水和物を含む培地を用いて、30℃で72時間振盪培養を行った。培養後、遠心分離によって菌体を除き、培養上清のジピコリン酸量をHPLC法によって測定し、培養によって菌体外に分泌生産されたジピコリン酸の量を求めた。HPLC法による分析は、カラムとしてHigh Performance Carbohydrate Column 60Å 4μm 4.6×250mm HPLC Column {Aminopropylmethylsilyl bonded amorphos silica} (Waters社製)を使用し、溶離液として20mM EDTAを含む水を濃リン酸でpH3.4に合わせた水溶液とアセトニトリル溶液を1:1に混合した溶液を用いた。測定条件としては、検出波長を270nmとし、流速を1ml/分とした。測定結果を表3に示す。
【0061】
【表3】


【0062】
表3に示すように、14581-AB株において、元株の14581株と比較して顕著に高いジピコリン酸の分泌生産が認められた。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成19年7月25日(2007.7.25)
【代理人】 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔

【識別番号】100096183
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 貞次

【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節


【公開番号】 特開2008−48732(P2008−48732A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2007−193418(P2007−193418)