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【発明の名称】 連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造方法
【発明者】 【氏名】耳塚 孝

【氏名】澤井 秀樹

【氏名】山田 勝成

【要約】 【課題】簡便な操作条件で、長時間にわたり安定して高生産性を維持する連続発酵法による1,3−プロパンジオールの製造方法を提供すること。

【構成】本発明は、培養液を分離膜によって濾液と未濾過液に分離し、濾液から所望の発酵生産物である1,3−プロパンジオールを回収するとともに、未濾過液を培養液に保持または還流する連続発酵方法において、分離膜として、高い透過性と高い細胞阻止率を持ち閉塞しにくい多孔性膜を用い、低い膜間差圧で濾過処理することで、安定に低コストで、発酵による1,3−プロパンジオールの生産効率を著しく向上させることが可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物もしくは培養細胞の培養液を、分離膜で濾過し、濾液から生産物を回収するとともに未濾過液を培養液に保持または還流し、かつ、発酵原料を培養液に追加する連続発酵であって、分離膜として平均細孔径が0.01μm以上1μm未満の多孔性膜を用い、膜間差圧を0.1から20kPaの範囲で濾過処理することを特徴とする連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造方法。
【請求項2】
多孔性膜の純水透過係数が、2×10−9/m/s/pa以上6×10−7/m/s/pa以下であることを特徴とする請求項1に記載の連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造方法。
【請求項3】
多孔性膜が有機高分子膜であって、その平均細孔径が、0.01μm以上0.2μm未満の範囲内にあり、かつ、該細孔径の標準偏差が0.1μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造方法。
【請求項4】
多孔性膜が有機高分子膜であって、その膜表面粗さが0.1μm以下の多孔性膜であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造方法。
【請求項5】
多孔性膜が多孔性樹脂層を含む多孔性膜である請求項1から4のいずれかに記載の1,3−プロパンジオールの製造方法。
【請求項6】
多孔性膜の膜素材にポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造方法。
【請求項7】
微生物または培養細胞の培養液および発酵原料が、糖類を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造方法。
【請求項8】
微生物が(a)グリセロールデヒドラターゼ活性を有するポリペプチドをコードする少なくとも1つの遺伝子;(b)グリセロールデヒドラターゼ再活性化因子をコードする少なくとも1つの遺伝子;及び (c)3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドを1,3−プロパンジオールに転換する非−特異的触媒活性をコードする少なくとも1つの遺伝子を含み、グリセロールから1,3−プロパンジオールを合成する能力を有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造方法。
【請求項9】
グリセロールから1,3−プロパンジオールを合成する能力を有する微生物が、クレブシエラ(Klebsiella)、クロスツリジウム(Clostridium)、ラクトバシルス(Lactobacillus)、シトロバクテル(Cytrobacter)、エンテロバクテル(Enterobacter)、アエロバクテル(Aerobacter)、アスペルギルス(Aspergillus)、サッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)、チゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)、ピチア(Pichia)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)、カンジダ(Candida)、ハンセヌラ(Hansenula)、デバリオミセス(Debaryomyces)、ムコル(Mucor)、トルロプシス(Torulopsis)、メチロバクテル(Methylobacter)、サルモネラ(Salmonella)、バシルス(Bacillus)、アエロバクテル(Aerobacter)、ストレプトミセス(Streptomyces)、エッシェリシア(Eschericia)及びシュードモナス(Pseudomonas)より成る群から選ばれる微生物または組換え微生物であることを特徴とする請求項8に記載の1,3−プロパンジオールの製造方法。
【請求項10】
組換え微生物が、さらに: (a)グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする少なくとも1つの遺伝子;及び (b)グリセロール−3−ホスファターゼ活性を有するポリペプチドをコードする少なくとも1つの遺伝子を含む組換え微生物であることを特徴とする請求項9に記載の連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造方法。
【請求項11】
グリセロールデヒドラターゼ再活性化因子がdhaレギュロンから単離されるorfX及びorfZによりコードされる組換え微生物であることを特徴とする請求項10に記載の連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造方法。
【請求項12】
組換え微生物が、さらにグリセロールキナーゼ活性および/またはグリセロールデヒドロゲナーゼ活性および/またはトリオースリン酸イソメラーゼ活性を欠失した組換え微生物であることを特徴とする請求項11に記載の連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、培養を行いながら、微生物又は培養細胞の培養液より、目詰まりが生じにくい多孔性分離膜を通して生産物を含む液を効率よく濾過・回収すること及び未濾過液を培養液に戻すことで発酵に関与する微生物濃度を向上させることで、高い生産性を得ることを特徴とする1,3−プロパンジオールの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1,3−プロパンジオールの製造法に関する技術背景に関して説明する。1,3−プロパンジオールは合成繊維の分野において用いられている化学品であり、極めて有用である。この1,3−プロパンジオールを効率的に製造できれば、上記の繊維の供給が更に容易になることが期待できる。一方、現在、1,3−プロパンジオールは3−ヒドロキシプロパノールから触媒を用いた化学合成法(特許文献1)などが知られているが、石油価格の高騰、石油依存型の社会からの脱却、カーボンニュートラルな原料への転換等の社会的ニーズから石油非依存型の原料から製造の検討が行われている。グリセロールから1,3−プロパンジオールをクレブシエラの菌体によって変換させる休止菌体法(特許文献2)がある。この方法では安価な発酵原料であるグルコースから生産できないため、グリセロールまでを酵母で発酵生産し、グリセロールから1,3−プロパンジオールまでをクレブシエラで生産させるといった供培養の検討(特許文献3)も行われている。
【0003】
また、最もシンプルな方法である一種類の菌体での発酵法も検討されており、組換え大腸菌による発酵法(非特許文献1、特許文献4)がある。
【0004】
しかし、1,3−プロパンジオールの発酵法生産においては、供培養や流加式(フェドバッチ式)に関わるもののみであり、いずれの1,3−プロパンジオールの生産方法も、生産速度が十分ではなく、更に効率的な生産方法が望まれていた。
【特許文献1】特開平11−515021号公報
【特許文献2】特開2005−304362号公報
【特許文献3】特表平10−507082号公報
【特許文献4】特公表2003−507022号公報
【非特許文献1】Charles E Nakamura et.al.(チャーリーズ イー ナカムラら)、Current Opinion in Biotechnology(カレント オピニオン イン バイオテクノロジー),14,454−459(2003)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明における課題は、簡便な操作方法で、長時間にわたり安定して高生産性を維持する連続発酵法による1,3−プロパンジオールの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者らは、鋭意研究の結果、微生物や細胞の分離膜内への侵入が少なく、微生物や細胞を膜間差圧が低い条件で濾過した場合に、膜の目詰まりが著しく抑制されることを見出し、課題であった高濃度の微生物の濾過が長期間安定に維持できることを可能とし、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、培養液を分離膜によって濾液と未濾過液に分離し、濾液から所望の発酵生産物を回収するとともに、未濾過液を培養液に保持または還流させる連続発酵方法による1,3−プロパンジオールの製造方法において、分離膜として、平均細孔径が、0.01μm以上1μm未満の範囲にある多孔性膜を用い、低い膜間差圧で濾過処理することで、安定に低コストで、発酵生産効率を著しく向上させる1,3−プロパンジオールの製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡便な操作条件で、長時間にわたり安定して所望の発酵生産物の高生産性を維持する連続発酵が可能となり、広く発酵工業において、発酵生産物である1,3−プロパンジオールを低コストで安定に生産することが可能となる。
【0009】
本発明の1,3−プロパンジオールの製造法により得られた1,3−プロパンジオールは、例えば、合成繊維の原料として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、微生物もしくは培養細胞の培養液を、分離膜で濾過し、濾液から生産物を回収するとともに未濾過液を培養液に保持または還流し、かつ、発酵原料を培養液に追加する連続発酵であって、分離膜として平均細孔径が0.01μm以上1μm未満の多孔性膜を用い、膜間差圧を0.1から20kPaの範囲で濾過処理することを特徴とする連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造方法である。
【0011】
本発明で用いられる多孔性膜は、発酵に使用する微生物および培養細胞による目詰まりが起こりにくく、かつ濾過性能が長期間安定に継続することが望ましい。
【0012】
本発明で使用される多孔性膜は、平均細孔径が、0.01μm以上1μm未満である。多孔質樹脂層が多孔性膜の両面に存在する場合、少なくとも一方の多孔質樹脂層が、この条件を満たしていればよい。平均孔径がこの範囲内にあると、菌体や汚泥などがリークすることのない高い排除率と、高い透水性を両立でき、さらに目詰まりしにくく、透水性を長時間保持することが、より高い精度と再現性を持って実施することができる。平均細孔径が、この範囲内にあれば、動物細胞、酵母、糸状菌などを用いた場合、目詰まりが少なく、また、細胞の濾液への漏れもなく安定に連続発酵が実施可能である。また、動物細胞、酵母、糸状菌より小さな細菌類を用いた場合は、0.4μm以下の平均細孔であればよりよく、0.2μm未満の平均細孔であればなお好適に実施可能である。平均孔径は、小さすぎると透水量が低下することがあるので、通常は、0.01μm以上が好ましく、より好ましくは、0.02μm以上、さらに好ましくは、0.04μm以上である。ここで、平均細孔径は、倍率10,000倍の走査型電子顕微鏡観察における、9.2μm×10.4μmの範囲内で観察できる細孔すべての直径を測定し、平均することにより求めることができる。細孔径の標準偏差σは、0.1μm以下であることが好ましい。細孔径の標準偏差σは、上述の9.2μm×10.4μmの範囲内で観察できる細孔数をNとして、測定した各々の直径をXk、細孔直径の平均をX(ave)とした以下式(1)より算出した。
【0013】
【数1】


【0014】
本発明で用いられる多孔性膜において、培養液の透過性が重要点の一つであり、透過性の指標として、使用前の多孔性膜の純水透過係数を用いることができる。多孔性膜の純水透過係数が、逆浸透膜による25℃の精製水を用い、ヘッド高さ1mで透水量を測定し算出したとき、2×10−9/m/s/pa以上であることが好ましく、2×10以上6×10−7/m/s/pa以下であれば、実用的に十分な透過水量が得られる。
【0015】
本発明で用いられる多孔性膜の表面粗さは、分離膜の目詰まりに影響を与える因子であり、好ましくは、表面粗さが0.1μm以下の時に分離膜の剥離係数や膜抵抗を低下させることができ、より低い膜間差圧で連続発酵が実施可能である。また、表面粗さが低いことで、微生物、培養細胞の濾過において、膜表面で発生する剪断力を低下させることが期待でき、微生物または培養細胞の破壊が抑制され、多孔性膜の目詰まりも抑制されることにより、長期間安定な濾過が可能になると考えられる。ここで、表面粗さは、以下の原子間力顕微鏡装置(AFM)を使用して以下の条件で測定することができる。
【0016】
装置 原子間力顕微鏡装置(Digital Instruments(株)製Nanoscope IIIa)
条件 探針 SiNカンチレバー(Digital Instruments(株)製)
走査モード コンタクトモード(気中測定)
水中タッピングモード(水中測定)
走査範囲 10μm,25μm 四方(気中測定)
5μm,10μm 四方(水中測定)
走査解像度 512×512
試料調製 測定に際し膜サンプルは常温でエタノールに15分浸漬後RO水中に24時間浸漬し洗浄した後風乾し用いた。
【0017】
膜の表面粗さdroughはAFMにより各ポイントのZ軸方向の高さから以下式(2)より算出した。
【0018】
【数2】


【0019】
本発明における多孔性膜の材質は、被処理水の水質や用途に応じた分離性能と透水性能が得られれば特に限定はされないが、阻止性能、透水性能や耐汚れ性といった分離性能の点からは多孔質樹脂層を含む多孔性膜であることが好ましく採用できる。
【0020】
多孔質樹脂層を含む多孔性膜は、好ましくは、多孔質基材の表面に、分離機能層として作用とする多孔質樹脂層を有している。多孔質基材は、多孔質樹脂層を支持して分離膜に強度を与える。
【0021】
本発明で用いられる多孔性膜が、多孔質基材の表面に多孔質樹脂層を有している場合、多孔質基材に多孔質樹脂層が浸透していても、多孔質基材に多孔質樹脂層が浸透していなくてもどちらでも良く、用途に応じて選択される。
【0022】
多孔質基材の平均厚みは、好ましくは50μm以上3000μm以下である。
【0023】
本発明における多孔性膜の材質は、セルロース繊維、セルローストリアセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維などの有機繊維を用いてなる織布や不織布や、無機材料からなる多孔質基材と多孔質樹脂層とから形成されたものでも良い。本発明を実現するための分離膜として、有機高分子膜を使用することができるが、有機高分子膜は、基本的に有機ポリマー材料から構成される分離膜のことであり、例えば、有機繊維の不織布やマクロポア構造多孔質有機基材と当該多孔質有機基材の孔径より小さな孔径を有する多孔質樹脂層が複合化された構造を持つ場合が多い。
【0024】
多孔質樹脂層の材質としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、セルロース系樹脂、セルローストリアセテート系樹脂などからなれば良く、これらの樹脂を主成分とする樹脂の混合物であってもよい。中でも、溶液による製膜が容易で、物理的耐久性や耐薬品性にも優れているポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂が好ましい。ポリフッ化ビニリデン系樹脂またはそれを主成分とするものが最も好ましい。ここで、ポリフッ化ビニリデン系樹脂としては、フッ化ビニリデンの単独重合体が好ましく用いられるが、フッ化ビニリデンの単独重合体の他、フッ化ビニリデンと共重合可能なビニル系単量体との共重合体も好ましく用いられる。かかるビニル系単量体としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、三塩化フッ化エチレンなどが例示される。
【0025】
本発明の多孔性膜は、平膜であっても中空糸膜であっても良い。
【0026】
多孔性膜が平膜の場合、その厚みは用途に応じて選択されるが、例えば、20μm以上5000μm以下、好ましくは50μm以上2000μm以下の範囲で選択される。上述したように、多孔質基材と多孔質樹脂層とから形成されていても良い。その際、多孔質基材に多孔質樹脂層が浸透していても、多孔質基材に多孔質樹脂層が浸透していなくてもどちらでも良く、用途に応じて選択される。多孔質基材の厚みは、50μm以上3000μm以下の範囲で選択される。
【0027】
多孔性膜が中空糸膜の場合、内径は200μm以上5000μm以下の範囲で選択され、膜厚は20μm以上2000μm以下の範囲で選択される。また、有機繊維または無機繊維を筒状にした織物や編み物を含んでいても良い。
【0028】
まず、多孔性膜のうち、平膜の作成法の概要の一例を例示して説明する。
【0029】
多孔質基材の表面に、樹脂と溶媒とを含む原液の被膜を形成すると共に、その原液を多孔質基材に含浸させる。その後、被膜を有する多孔質基材の被膜側表面のみを、非溶媒を含む凝固浴と接触させて樹脂を凝固させると共に、多孔質基材の表面に多孔質樹脂層を形成する。
【0030】
原液は、樹脂を溶媒に溶解させて調整する。原液の温度は、製膜性の観点から、通常、5〜120℃の範囲内で選定することが好ましい。溶媒は、樹脂を溶解するものであり、樹脂に作用してそれらが多孔質樹脂層を形成するのを促すものである。溶媒としては、N−メチルピロリジノン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N −メチル− 2− ピロリドン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、テトラメチル尿素、リン酸トリメチル、シクロヘキサノン、イソホロン、γ −ブチロラクトン、メチルイソアミルケトン、フタル酸ジメチル、プロピレングリコールメチルエーテール、プロピレンカーボネート、ジアセトンアルコール、グリセロールトリアセテート、アセトンおよびメチルエチルケトンなどを用いることができる。なかでも、樹脂の溶解性の高いN−メチルピロリジノン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO)が好ましく用いられる。これらの溶媒は、単独で用いても良いし2種類以上を混合して用いても良い。
【0031】
また、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびグリセリンなどの溶媒以外の成分を溶媒に添加しても良い。溶媒に非溶媒を添加することもできる。非溶媒は、樹脂を溶解しない液体である。非溶媒は、樹脂の凝固の速度を制御して細孔の大きさを制御するように作用する。非溶媒としては、水や、メタノールおよびエタノールなどのアルコール類を用いることができる。なかでも、非溶媒として、価格の点から水やメタノールが好ましく用いられる。溶媒以外の成分および非溶媒は、混合物であってもよい。
【0032】
原液には、開孔剤を添加することもできる。開孔剤は、凝固浴に浸漬された際に抽出されて、樹脂層を多孔質にする作用を持つものである。開孔剤を添加することにより、平均細孔径の大きさを制御することができる。開孔剤は、凝固浴への溶解性の高いものであることが好ましい。開孔剤としては、例えば、塩化カルシウムや炭酸カルシウムなどの無機塩を用いることができる。また、開孔剤として、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレン類や、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールおよびポリアクリル酸などの水溶性高分子化合物や、グリセリンを用いることができる。
【0033】
次に、多孔性膜のうち、中空糸膜の作成法の概要の一例を例示して説明する。
【0034】
中空糸膜は、樹脂と溶媒からなる原液を二重管式口金の外側の管から吐出すると共に、中空部形成用流体を二重管式口金の内側の管から吐出して、冷却浴中で冷却固化して作製することができる。
【0035】
原液は、上述の平膜の作成法で述べた樹脂を20重量%以上60重量%以下の濃度で、上述の平膜の生成法で述べた溶媒に溶解させることにより調整することができる。また、中空部形成用流体には、通常気体もしくは液体を用いることができる。また、得られた中空糸膜の外表面に、新たな多孔性樹脂層をコーティング(積層)することもできる。積層は中空糸膜の性質、例えば、親水・疎水性あるいは細孔径等を所望の性質に変化させるために行うことができる。積層される新たな多孔性樹脂層は、樹脂を溶媒に溶解させた原液を、非溶媒を含む凝固浴と接触させて樹脂を凝固させることによって作製することができる。その樹脂の材質は、例えば、上述有機高分子膜の材質と同様のものが好ましく用いられる。また、積層方法としては、原液に中空糸膜を浸漬してもよいし、中空糸膜の表面に原液を塗布してもよく、積層後、付着した原液の一部を掻き取ったり、エアナイフを用いて吹き飛ばしすることにより積層量を調整することもできる。
【0036】
本発明の多孔性膜は、支持体と組み合わせることによって膜分離エレメントとすることができる。支持体として支持板を用い、該支持板の少なくとも片面に、本発明の多孔性膜を配した多孔性膜エレメントは、本発明の膜エレメントの好適な形態の一つである。この形態では、膜面積を大きくすることが困難なので、透水量を大きくするために、支持板の両面に多孔性膜を配することも好ましい。
【0037】
本発明において、微生物や細胞を濾過処理する際の膜間差圧は、微生物や細胞および培地成分が容易に目詰まりしない条件であればよいが、膜間差圧を0.1kPa以上20kPa以下の範囲とする。濾過の駆動力としては、培養液と多孔性膜処理水の液位差(水頭差)を利用したサイホンにより多孔性膜に膜間差圧を発生させることが可能であり、また、濾過の駆動力として多孔性膜処理水側に吸引ポンプを設置してもよいし、多孔性膜の培養液側に加圧ポンプを設置することも可能である。膜間差圧は培養液と多孔性膜処理水の液位差を変化させることで制御することができる、またポンプを使用する場合には吸引圧力により制御することができ、更に培養液側の圧力を導入する気体または液体の圧力によって制御することができる。これら圧力制御を行う場合には培養液側の圧力と多孔性膜処理水側の圧力差をもって膜間差圧とし、膜間差圧の制御に用いることができる。
【0038】
また、本発明において使用する多孔性膜は、0.1kPa以上20kPa以下の範囲で濾過処理することができるものが好ましい。また、使用前の純水透過係数が、逆浸透膜による25℃の精製水を用い、ヘッド高さ1mで透水量を測定し算出したとき、2×10/m/s/pa以上であることが好ましく、さらに2×10−9/m/s/pa以上6×10−7/m/s/pa以下の範囲にあることが好ましい。
【0039】
本発明で使用する発酵原料としては、培養する微生物の生育を促し、目的とする発酵生産物である1,3−プロパンジオールを良好に生産させうるものであればよいが、炭素源、窒素源、無機塩類、及び必要に応じてアミノ酸、ビタミンなどの有機微量栄養素を適宜含有する通常の液体培地が良い。炭素源としては、グルコース、シュークロース、フラクトース、ガラクトース、ラクトース等の糖類、これら糖類を含有する澱粉糖化液、甘藷糖蜜、甜菜糖蜜、ハイテストモラセス、更には酢酸等の有機酸、エタノールなどのアルコール類、グリセリンなども使用される。窒素源としてはアンモニアガス、アンモニア水、アンモニウム塩類、尿素、硝酸塩類、その他補助的に使用される有機窒素源、例えば油粕類、大豆加水分解液、カゼイン分解物、その他のアミノ酸、ビタミン類、コーンスティープリカー、酵母または酵母エキス、肉エキス、ペプトン等のペプチド類、各種発酵菌体およびその加水分解物などが使用される。無機塩類としてはリン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩等を適宜添加することができる。本発明に使用する微生物が生育のために特定の栄養素を必要とする場合にはその栄養物を標品もしくはそれを含有する天然物として添加する。また、消泡剤も必要に応じて使用する。本発明において、培養液とは、発酵原料に微生物または培養細胞が増殖した結果得られる液のことを言い、追加する発酵原料の組成は、目的とする1,3−プロパンジオールの生産性が高くなるように、培養開始時の発酵原料組成から適宜変更しても良い。
【0040】
本発明では、培養液中の糖類濃度は5g/l以下に保持される様にするのが好ましい。その理由は、培養液の引き抜きによる糖類の流失を最小限にするためである。微生物の培養は通常pH4−8、温度20−40℃の範囲で行われる。培養液のpHは無機あるいは有機の酸、アルカリ性物質、さらには尿素、炭酸カルシウム、アンモニアガスなどによって上記範囲内のあらかじめ定められた値に調節する。酸素の供給速度を上げる必要があれば、空気に酸素を加えて酸素濃度を21%以上に保つ、あるいは培養を加圧する、攪拌速度を上げる、通気量を上げるなどの手段を用いることができる。
【0041】
本発明の培養初期にBatch培養またはFed−Batch培養を行って微生物濃度を高くした後に連続培養(引き抜き)を開始しても良いし、高濃度の菌体をシードし、培養開始とともに連続培養を行っても良い。適当な時期から原料培養液の供給及び培養物の引き抜きを行うことが可能である。原料培養液供給と培養物の引き抜きの開始時期は必ずしも同じである必要はない。また、原料培養液の供給と培養物の引き抜きは連続的であってもよいし、間欠的であってもよい。原料培養液には上記に示したような菌体増殖に必要な栄養素を添加し、菌体増殖が連続的に行われるようにすればよい。培養液中の微生物または培養細胞の濃度は、培養液の環境が微生物または培養細胞の増殖にとって不適切となって死滅する比率が高くならない範囲で、高い状態で維持することが効率よい生産性を得るのに好ましく、一例として、乾燥重量として5g/L以上に維持することで良好な生産効率が得られる。
【0042】
発酵生産能力のあるフレッシュな菌体を増殖させつつ行う連続培養操作は、通常、単一の発酵槽で行うのが、培養管理上好ましい。しかしながら、菌体を増殖しつつ生産物を生成する連続培養法であれば、発酵槽の数は問わない。発酵槽の容量が小さい等の理由から、複数の発酵槽を用いることもあり得る。この場合、複数の発酵槽を配管で並列または直列に接続して連続培養を行っても発酵生産物の高生産性は得られる。
【0043】
本発明で使用される微生物や培養細胞は、1,3−プロパンジオールを生産可能であれば特に制限はないが、例えば、野生型株ではグリセロールから1,3−プロパンジオールを合成する能力を有するクレブシエラ(Klebsiella)属、クロスツリジウム(Clostridium)属、ラクトバシルス(Lactobacillus)属に属する微生物が挙げられる。
【0044】
本発明では、微生物は、(a)グリセロールデヒドラターゼ活性を有するポリペプチドをコードする少なくとも1つの遺伝子;(b)グリセロールデヒドラターゼ再活性化因子をコードする少なくとも1つの遺伝子;及び (c)3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドを1,3−プロパンジオールに転換する非−特異的触媒活性をコードする少なくとも1つの遺伝子を含んでいることが好ましい。本発明では、更に好ましくは、微生物は、組換え微生物で1,3−プロパンジオールを生産可能にすることが挙げられる。
【0045】
本発明では、グリセロールから1,3−プロパンジオールを合成する能力を有する微生物は、
好ましくは、クレブシエラ(Klebsiella)、クロスツリジウム(Clostridium)、ラクトバシルス(Lactobacillus)、シトロバクテル(Cytrobacter)、エンテロバクテル(Enterobacter)、アエロバクテル(Aerobacter)、アスペルギルス(Aspergillus)、サッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)、チゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)、ピチア(Pichia)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)、カンジダ(Candida)、ハンセヌラ(Hansenula)、デバリオミセス(Debaryomyces)、ムコル(Mucor)、トルロプシス(Torulopsis)、メチロバクテル(Methylobacter)、サルモネラ(Salmonella)、バシルス(Bacillus)、アエロバクテル(Aerobacter)、ストレプトミセス(Streptomyces)、エッシェリシア(Eschericia)及びシュードモナス(Pseudomonas)より成る群から選ばれる組換え微生物で、更に好ましくはエッシェリシア コリである。
【0046】
また、組換え微生物は、グルコースから効率よく1,3−プロパンジオールを生産する事ができるようにする改良を行ったほうが好ましい。組換え微生物は、例えば、(a)グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする少なくとも1つの遺伝子;及び (b)グリセロール−3−ホスファターゼ活性を有するポリペプチドをコードする少なくとも1つの遺伝子を含んだ組換え微生物であることが好ましく。 更にグリセロールデヒドラターゼ再活性化因子がdhaレギュロンから単離されるorfX及びorfZによりコードされる遺伝子を含んだ組換え微生物であることが更に好ましい。更には、組換え微生物は、グリセロールキナーゼ活性および/またはグリセロールデヒドロゲナーゼ活性および/またはトリオースリン酸イソメラーゼ活性を欠失した組換え微生物であることが更に好ましい。
【0047】
本発明の製造方法により製造された濾過・分離発酵液に含まれる1,3−プロパンジオールの分離・精製は、濃縮、晶析させて行うことができる。例えば、特開平−35785号公報に示される減圧濃縮・晶析を用いた精製法を好適に用いることができる。
【0048】
本発明の製造方法で用いる連続発酵装置1つの例は、主に、微生物もしくは培養細胞を保持し1,3−プロパンジオールを製造するための発酵反応槽、及び微生物もしくは培養細胞と発酵液を濾過分離するための多孔性膜を含む膜分離エレメントから構成される。膜分離エレメントは、発酵反応槽の内部または外部のいずれに設置されてもよい。本発明の製造方法は、平均細孔径が0.01μm以上1μm未満の多孔性膜を使用し、濾過圧力である膜間差圧が0.1から20kPaの範囲で濾過処理することを特徴としている。そのため、特別に発酵槽内を加圧状態に保つ必要がないことから、濾過分離装置と発酵槽間で発酵液を循環させる動力手段が不要となり、膜分離エレメントを発酵槽内部に設置して発酵装置をコンパクト化することが可能である。
【0049】
本発明の製造方法で用いる連続発酵装置のうち、分離エレメントは、発酵反応槽の内部に設置された代表的な一例を図1の概要図に示す。図1において、1は発酵反応槽、2は膜分離エレメントである。ここで、膜分離エレメント2には多孔性膜が組み込まれている。この多孔性膜としては、例えば、国際公開第2002/064240号パンフレットに開示されている膜、及び膜エレメントを使用することができる。
【0050】
次に、図1の連続発酵装置による連続発酵の形態について説明する。
【0051】
培地供給ポンプ7によって培地を発酵反応槽1に連続的もしくは断続的に投入する。培地は投入前に必要に応じて加熱殺菌、あるいは加熱滅菌、あるいはフィルターを用いた滅菌を行うことができる。発酵生産時には、必要に応じて攪拌機5で発酵反応槽1内の発酵液を攪拌し、また必要に応じて気体供給装置4によって必要とする気体を供給し、また必要に応じてpHセンサ・制御装置9、及びpH調整溶液供給ポンプ8によって発酵液のpHを調整し、また必要に応じて温度調節器10によって発酵液の温度を調節することで生産性の高い発酵生産を行うことができる。ここでは、計装・制御装置による発酵液の物理化学的条件の調節に、pH、および温度を例示したが、必要に応じて溶存酸素、ORPの制御、更にはオンラインケミカルセンサーなどの分析装置により発酵液中の1,3−プロパンジオールの濃度を測定し、それを指標とした物理化学的条件の制御を行うことができる。また、培地の連続的もしくは断続的投入の形態に関しては、特に限定されるものではないが、上記計装装置による発酵液の物理化学的環境の測定値を指標として、培地投入量および速度を適宜調節することができる。
【0052】
発酵液は発酵反応槽1内に設置された膜分離エレメント2によって微生物もしくは培養細胞と発酵生産物に濾過・分離され、装置系から取り出すことができる。また、濾過・分離された微生物もしくは培養細胞は装置系内にとどまることで装置系内の微生物もしくは培養細胞濃度を高く維持でき、生産性の高い発酵生産を可能としている。ここで、膜分離エレメント2による濾過・分離には発酵反応槽1の水面との水頭差圧によって行い、特別な動力は必要ない。また、必要に応じてレベルセンサ6、及び水頭差圧制御装置3によって膜分離エレメント2の濾過・分離速度、及び発酵反応槽内の発酵液量を適当に調節することができる。上記、膜分離エレメントによる濾過・分離には水頭差圧によって行うことを例示したが、必要に応じてポンプ等による吸引濾過、あるいは装置系内を加圧することにより濾過・分離することもできる。
【0053】
図2は、本発明の1,3−プロパンジオールの製造方法で用いられる他の連続発酵装置の例を説明するための概要側面図である。図2は、膜分離エレメントが、発酵反応槽の外部に設置された連続発酵装置の代表的な例である。
【0054】
図2において、連続発酵装置は、発酵反応槽1と、膜分離膜エレメント2を備えた膜分離槽12と、水頭差制御装置3とで基本的に構成されている。ここで、分離膜エレメント2には、多孔性膜が組み込まれている。この多孔性と膜分離エレメントとしては、例えば、国際公開第2002/064240号パンフレットに開示されている分離膜および膜分離エレメントを使用することが好適である。また、膜分離槽12は、培養液循環ポンプ11を介して発酵反応槽1に接続されている。
【0055】
図2において、培地供給ポンプ7によって培地を発酵反応槽1に投入し、必要に応じて、攪拌機5で発酵反応槽1内の培養液を攪拌し、また必要に応じて、気体供給装置4によって必要とする気体を供給することができる。このとき、供給された気体を回収リサイクルして再び気体供給装置4で供給することができる。また必要に応じて、pHセンサ・制御装置9およびよびpH調整溶液供給ポンプ8によって発酵液のpHを調整し、また必要に応じて、温度調節器10によって発酵液の温度を調節することにより、生産性の高い発酵生産を行うことができる。さらに、装置内の培養液は、培養液循環ポンプ11によって発酵反応槽1と膜分離槽12の間を循環する。発酵生産物を含む培養液は、膜分離エレメント2によって微生物と発酵生産物に濾過・分離され、発酵生産物を装置系から取り出すことができる。また、濾過・分離された微生物は、装置系内にとどまることにより装置系内の微生物濃度を高く維持することができ、生産性の高い発酵生産を可能としている。
【0056】
ここで、膜分離エレメント2による濾過・分離は、膜分離槽12の水面との水頭差圧によって行うことができ、特別な動力を必要としない。必要に応じて、レベルセンサ6および水頭差圧制御装置3によって、膜分離エレメント2の濾過・分離速度および装置系内の培養液量を適当に調節することができる。必要に応じて、気体供給装置4によって必要とする気体を膜分離槽12内に供給することができる。このとき、供給された気体を回収リサイクルして再び気体供給装置4で膜分離槽12内に供給することができる。
【0057】
膜分離エレメント2による濾過・分離は、必要に応じて、ポンプ等による吸引濾過あるいは装置系内を加圧することにより、濾過・分離することもできる。また、別の培養槽(図示せず)で連続発酵に微生物または培養細胞を培養し、それを必要に応じて発酵反応槽内に供給することができる。別の培養槽で連続発酵に微生物または培養細胞を培養し、得られた培養液を必要に応じて発酵槽内に供給することにより、常にフレッシュで1,3−プロパンジオールの生産能力の高い微生物または培養細胞による連続発酵が可能となり、高い生産性能を長期間維持した連続発酵が可能となる。
【0058】
次に、本発明の1,3−プロパンジオールの製造方法で用いられる連続発酵装置で、好ましく用いられる膜分離エレメントについて説明する。
【0059】
図3に示す膜分離エレメントについて説明する。図3は、本発明で用いられる膜分離エレメントを例示説明するための概略斜視図である。本発明の1,3−プロパンジオールの製造方法で用いられる連続発酵装置では、好ましくは、国際公開第2002/064240号パンフレットに開示されている分離膜および膜分離エレメントを用いることができる。膜分離エレメントは、図3に示されるように、剛性を有する支持板13の両面に、流路材14と前記の分離膜15(多孔性膜)をこの順序で配し構成されている。支持板13は、両面に凹部16を有している。分離膜15は、培養液を濾過する。流路材14は、分離膜15で濾過された透過水を効率よく支持板13に流すためのものである。支持板13に流れた透過水は、支持板13の凹部16を通り、集水パイプ17を介して連続発酵装置外部に取り出される。透過水を取り出すための動力として、水頭差圧、ポンプ、液体や気体等による吸引濾過、あるいは装置系内を加圧するなどの方法を用いることができる。
【0060】
図4に示す膜分離エレメントについて説明する。図4は、本発明で用いられる別の分離膜エレメントを例示説明するための概略斜視図である。膜分離エレメントは、図4に示すように、中空糸膜(多孔性膜)で構成された分離膜束18と上部樹脂封止層19と下部樹脂封止層20によって主に構成される。分離膜束18は、上部樹脂封止層19および下部樹脂封止層20よって束状に接着・固定化されている。下部樹脂封止層20による接着・固定化は、分離膜束18の中空糸膜(多孔性膜)の中空部を封止しており、培養液の漏出を防ぐ構造になっている。一方、上部樹脂封止層19は、分離膜束18の中空糸膜(多孔性膜)の内孔を封止しておらず、集水パイプ22に透過水が流れる構造となっている。この分離膜エレメントは、支持フレーム21を介して連続発酵装置内に設置することが可能である。分離膜束18によって濾過された透過水は、中空糸膜の中空部を通り、集水パイプ22を介して連続発酵装置外部に取り出される。透過水を取り出すための動力として、水頭差圧、ポンプ、液体や気体等による吸引濾過、あるいは装置系内を加圧するなどの方法を用いることができる。
【0061】
本発明の1,3−プロパンジオールの製造方法で用いられる連続発酵装置の膜分離エレメントを構成する部材は、高圧蒸気滅菌操作に耐性の部材であることが好ましい。連続発酵装置内が滅菌可能であれば、連続発酵時に好ましくない微生物による汚染の危険を回避することができ、より安定した連続発酵が可能となる。膜分離エレメントを構成する部材は、高圧蒸気滅菌操作の条件である、121℃で15分間に耐性であることが好ましい。膜分離エレメント部材は、例えば、ステンレスやアルミニウムなどの金属、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、PVDF、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂およびポリサルホン系樹脂等の樹脂を好ましく選定できる。
【0062】
本発明の1,3−プロパンジオールの製造方法で用いられる連続発酵装置では、膜分離エレメントは、図1のように発酵反応槽内に設置しても良いし、図2のように発酵反応槽外に設置しても良い。膜分離エレメントを発酵反応槽外に設置する場合には、別途、膜分離槽を設けてその内部に膜分離エレメントを設置することができ、発酵反応槽と膜分離槽の間を培養液を循環させながら、膜分離エレメントにより培養液を連続的に濾過することができる。
【0063】
本発明の1,3−プロパンジオールの製造方法で用いられる連続発酵装置では、膜分離槽は、高圧蒸気滅菌可能であることが望ましい。膜分離槽が高圧蒸気滅菌可能であると、雑菌による汚染回避が容易である。
【0064】
上記、本発明に従って、連続発酵をおこなった場合、従来のバッチ発酵と比較して、高い体積生産速度が得られ、極めて効率のよい発酵生産が可能となる。ここで、連続培養における生産速度は、次の式(3)で計算される。
【0065】
【数3】


【0066】
また、バッチ培養での発酵生産速度は、原料炭素源をすべて消費した時点の生産物量(g)を、炭素源の消費に要した時間(h)とその時点の培養液量(L)で除して求められる。
【実施例】
【0067】
以下、本発明の1,3−プロパンジオールの製造方法をさらに具体的に説明するために、図1および図2の概要図に示す連続発酵装置を用いることによる連続的な1,3−プロパンジオールの発酵生産について、実施例を挙げて説明する。また、下記に示す1,3−プロパンジオールの製造に関する実施例においては、1,3−プロパンジオールを生産させる微生物として、クレブシエラ・ニューモニアエATCC 25955株を用いた。
【0068】
(参考例1)多孔性膜の作製(その1)
樹脂としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂を、また溶媒として、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)をそれぞれ用い、これらを90℃の温度下に十分に攪拌し、下記組成を有する原液を得た。
[原液]
・PVDF:13.0重量%
・DMAc:87.0重量%
次に、上記の原液を25℃の温度に冷却した後、あらかじめガラス板上に貼り付けて置いた、密度が0.48g/cm3で、厚みが220μmのポリエステル繊維製不織布(多孔質基材)に塗布し、直ちに下記組成を有する25℃の温度の凝固浴中に5分間浸漬して、多孔質基材に多孔質樹脂層が形成された多孔性膜を得た。
[凝固浴]
・水 :30.0重量%
・DMAc:70.0重量% 。
【0069】
この多孔性膜をガラス板から剥がした後、80℃の温度の熱水に3回浸漬してDMAcを洗い出し、分離膜を得た。多孔質樹脂層表面の9.2μm×10.4μmの範囲内を、倍率10,000倍で走査型電子顕微鏡観察を行ったところ、観察できる細孔すべての直径の平均は0.1μmであった。次に、上記分離膜について純水透水透過係数を評価したところ、50×10-93/m2/s/Paであった。純水透水量の測定は、逆浸透膜による25℃の温度の精製水を用い、ヘッド高さ1mで行った。また、平均細孔径の標準偏差は0.035μmで、膜表面粗さは0.06μmであった。
【0070】
(参考例2)多孔性膜の作製(その2)
重量平均分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとγ-ブチロラクトンとを、それぞれ38重量%と62重量%の割合で170℃の温度で溶解し原液を作製した。この原液をγ-ブチロラクトンを中空部形成液体として随拌させながら口金から吐出し、温度20℃のγ-ブチロラクトン80重量%水溶液からなる冷却浴中で固化して中空糸膜を作製した。
【0071】
次いで、重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを14重量%、セルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル社、CAP482−0.5)を1重量%、N-メチル-2-ピロリドンを77重量%、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(三洋化成株式会社、商品名イオネットT−20C)を5重量%、および水を3重量%の割合で95℃の温度で混合溶解して原液を調整した。この原液を、上記で得られた中空糸膜の表面に均一に塗布し、すぐに水浴中で凝固させた本発明で用いる中空糸多孔性膜を製作した。得られた中空糸多孔性膜の被処理水側表面の平均細孔径は、0.05μmであった。次に、上記の分離膜である中空糸多孔性膜について純水透水量を評価したところ、5.5×10-93/m2・s・Paであった。透水量の測定は、逆浸透膜による25℃の温度の精製水を用い、ヘッド高さ1mで行った。また、平均細孔径の標準偏差 は0.006μmであった。
【0072】
1,3−プロパンジオールの単離及び同定
HPLCによりグリセロールの1,3−プロパンジオールへの転換を確認した。分析は標準的方法及びクロマトグラフィーの技術分野における熟練者に利用可能な材料を用いて行われた。1つの適した方法は、UV(210nm)及びRI検出を用いるWaters Maxima 820 HPLCシステムを使用した。Shodex SH−1011P プレカラム(6mmx50mm)が備えられ、50℃で温度制御されたShodex SH−1011カラム(8mmx300mm、Waters,Milford,MAから購入)上に、移動相として0.01N H2SO4を用い、0.5mL/分の流量で試料を注入した。定量的分析が望まれている場合、外部標準として既知量のトリメチル酢酸を用いて試料を調製した。グルコース(RI検出)、グリセロール、1,3−プロパンジオール(RI検出)及びトリメチル酢酸(UV及びRI検出)の保持時間は、およそそれぞれ15分、20分、26分及び35分であった。
【0073】
GC/MSにより1,3−プロパンジオールの生産を確認した。分析は標準的方法及びGC/MSの技術分野における熟練者に利用可能な材料を用いて行われた。例えば、Hewlett Packard 5971 Series質量選択的検出器(EI)及びHP−INNOWaxカラム(長さ30m、内径0.25mm、フィルム厚さ0.25ミクロン)に連結されたHewlett Packard 5890 Series IIガスクロマトグラフを用いた。生成した1,3−プロパンジオールの保持時間及び質量スペクトルを基準の1,3−プロパンジオール(m/e:57,58)のそれに比較した。
【0074】
また、試料の誘導体化を行った。1.0mLの試料(例えば培養上澄み液)に30μLの濃(70%v/v)過塩素酸を加えた。混合の後、試料を凍結乾燥した。ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド:ピリジンの1:1混合物(300μL)を凍結乾燥された材料に加え、激しく混合し、65℃において1時間置いた。遠心により不溶性材料を除いて試料を透明にした。得られる液体は2相に分かれ、その上相を分析に用いた。試料をDB−5カラム(48m、内径0.25mm、フィルム厚さ0.25μm;J&W Scientificから)上でクロマトグラフィーにかけ、培養上澄み液から得た1,3−プロパンジオール誘導体の保持時間及び質量スペクトルを基準の標準試料から得たそれに比較した。TMS−誘導体化1,3−プロパンジオールの質量スペクトルは205、177、130及び115AMUの特徴的イオンを含有する。
【0075】
実施例1 連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造(その1)
図1の膜一体型連続発酵装置を稼働させることにより、1,3−プロパンジオール連続発酵系が得られるかどうかを調べるため、表1に示す組成の1,3−プロパンジオール生産培地を用い、この装置の連続発酵試験を行った。尚、図1の膜一体型連続発酵装置は本発明の一実施の形態を示す概要側面図であり、本発明はこの形態になんら限定されるものではない。該培地は高圧蒸気滅菌(121℃、15分)して用いた。膜分離エレメント部材としては、ステンレス、及びポリサルホン樹脂の成型品を用いた。分離膜としてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を主成分とする多孔性膜を用いた。該多孔質膜の特性を調べたところ、平均細孔径が0.1μm、純水透過係数が50×10-9/m/s/paであった。本実施例における運転条件は、特に断らない限り、以下のとおりである。
【0076】
発酵反応槽容量:1.5(L)
使用分離膜:PVDF濾過膜
膜分離エレメント有効濾過面積:120平方cm
温度調整:37(℃)
発酵反応槽通気量:0.6(L/min)窒素ガス
発酵反応槽攪拌速度:800(rpm)
pH調整:5N NaOHによりpH7.0に調整
滅菌:分離膜エレメントを含む培養槽、および使用培地は総て121℃、20minの
オートクレーブにより高圧蒸気滅菌
膜透過水量制御:膜間差圧による流量制御(0.1kPa以上20kPa以下で制御した。(膜間差圧20kPa以下は、水頭差制御では、2m以内に相当する)。
【0077】
微生物としてクレブシエラ・ニューモニアエATCC 25955株を用い、培地として表1に示す組成の1,3−プロパンジオール生産培地を用い、生産物である1,3−プロパンジオールの濃度の評価はHPLC法により測定した。
【0078】
また、グルコース濃度の測定にはグルコーステストワコーC(和光純薬)を用いた。
【0079】
【表1】


【0080】
まず、クレブシエラ・ニューモニアエATCC 25955株を試験管で5mlの1,3−プロパンジオール生産培地で一晩振とう培養した(前々々培養)。得られた培養液を新鮮な1,3−プロパンジオール生産培地50mlに植菌し、500ml容坂口フラスコで24時間、30℃で振とう培養した(前々培養)。前々培養液を、図1に示した膜一体型連続発酵装置の1.5Lの1,3−プロパンジオール生産培地に植菌し、発酵反応槽1を付属の攪拌機5によって800rpmで攪拌し、発酵反応槽1の通気量の調整、温度調整、pH調整を行い、24時間培養を行った(前培養)。前培養完了後直ちに、1,3−プロパンジオール生産培地(グリセロール濃度は100g/L)の連続供給を行い、膜一体型連続発酵装置の発酵液量を1.5Lとなるよう膜透過水量の制御を行いながら連続培養し、連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造を行った。連続発酵試験を行うときの膜透過水量の制御は、水頭差制御装置6により、発酵反応槽水頭を最大2m以内、すなわち膜間差圧が0.1kPa以上20kPa以下となるように適宜水頭差を変化させることで行った。適宜、膜透過発酵液中の生産された1,3−プロパンジオール濃度および残存グルコース濃度を測定した。また、該1,3−プロパンジオール、及び投入グリセロールから算出された1,3−プロパンジオール生産速度を表4に示した。264時間の発酵試験を行った結果、本膜一体型連続発酵装置を用いることで、安定した1,3−プロパンジオールの連続発酵による製造が可能であることが確認できた。
【0081】
(実施例2) 連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造(その2)
微生物もしくは培養細胞としてATCC25955株を用い発酵培地として表1に示す組成の1,3−プロパンジオール発酵培地を用い、図2に示す連続発酵装置用いて連続発酵試験を行った。また上記1,3−プロパンジオール発酵培地は121℃の温度で15分間高圧蒸気滅菌して用いた。分離膜エレメント部材には、ステンレスおよびポリサルホン樹脂の成型品を用いた。分離膜としてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を主成分とする多孔性膜を用いた。分離膜には、参考例2で作成したポリフッ化ビニリデン(PVDF)を主成分とする多孔性膜を用いた。この実施例2における運転条件は、特に断らない限り下記のとおりである。
【0082】
[運転条件]
・発酵反応槽容量:1.5(L)
・膜分離槽容量:0.5(L)
・使用分離膜:PVDF濾過膜
・分離膜エレメント有効濾過面積:4000平方cm
・温度調整:37(℃)
・発酵反応槽通気量:0.6(L/min)窒素ガス
・発酵反応槽攪拌速度:800(rpm)
・pH調整:5N NaOHによりpH7.0に調整
・培養液循環速度:100ml/min
・滅菌:分離膜エレメントを含む培養槽および使用培地は、総て121℃の温度で20分間のオートクレーブにより高圧蒸気滅菌した。
・膜透過水量制御:膜間差圧による流量制御(0.1kPa以上20kPa以下で制御)。
【0083】
1,3−プロパンジオールおよびグルコース濃度は、実施例1と同様の方法を用いて評価した。
【0084】
まず、クレブシエラ・ニューモニアエATCC 25955株を試験管で5mlの1,3−プロパンジオール発酵培地で一晩振とう培養した(前々々培養)。得られた培養液を、新鮮な1,3−プロパンジオール発酵培地50mlに植菌し、500ml容坂口フラスコで24時間、30℃で振とう培養した(前々培養)。前々培養液を、図2に示した連続発酵装置の2.0Lの1,3−プロパンジオール発酵培地に植菌し、発酵反応槽1を付属の攪拌機5によって800rpmで攪拌し、発酵反応槽1の通気量の調整、温度調整、pH調整、培養液循環速度調整を行い、24時間培養を行った(前培養)。前培養完了後直ちに、1,3−プロパンジオール発酵培地(グリセロール濃度は100g/L)の連続供給を行い、連続発酵装置の発酵液量を2.0Lとなるよう膜透過水量の制御を行いながら連続培養し、連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造を行った。連続発酵試験を行うときの膜透過水量の制御は、水頭差制御装置3により、膜間差圧として0.1kPa以上20kPa以下となるように適宜水頭差を変化させることにより行った。適宜、膜透過発酵液中の生産された1,3−プロパンジオール濃度および残存グルコース濃度を測定した。また、該1,3−プロパンジオール、及び投入グリセロールから算出された1,3−プロパンジオール発酵生産性を表2に示した。
【0085】
比較例1 フェドバッチ発酵による1,3−プロパンジオールの製造
微生物を用いた発酵形態として最も典型的なフェドバッチ発酵を2L容のジャーファーメンターを用いて行い、その1,3−プロパンジオール生産性を評価した。該培地は高圧蒸気滅菌(121℃、15分)して用いた。本比較例では、微生物としてクレブシエラ・ニューモニアエATCC 25955株を用い、生産物である1,3−プロパンジオールの濃度の評価はHPLCを用いて評価し、グルコース濃度の測定にはグルコーステストワコーC(和光純薬)を用いた。比較例1の運転条件を以下に示す。
【0086】
発酵反応槽容量(1,3−プロパンジオール生産培地量):1.0(L)
温度調整:37(℃)
発酵反応槽通気量:0.4(L/min)窒素ガス
発酵反応槽攪拌速度:300(rpm)
pH調整:5N NaOHによりpH7.0に調整。
【0087】
まず、クレブシエラ・ニューモニアエATCC 25955株を試験管で5mlの1,3−プロパンジオール生産培地で一晩振とう培養した(前々培養)。前々培養液を新鮮な1,3−プロパンジオール生産培地50mlに植菌し500ml容坂口フラスコで24時間振とう培養した(前培養)。前培養液をジャーファーメンターの1.5Lの1,3−プロパンジオール生産培地に植菌した。1,3−プロパンジオール生産培地(グリセロール濃度は500g/L)を用い、グリセロール濃度を0g/Lから10g/Lになるように連続的に供給し、フェドバッチ発酵を行った。その結果を実施例1と実施例2の連続発酵試験で得られた1,3−プロパンジオール発酵生産性を比較して表2に示す。
【0088】
【表2】


【0089】
これら比較の結果、図1および図2に示す連続発酵装置を用いることで、1,3−プロパンジオールの生産速度が大幅に向上することを明らかにできた。すなわち、本発明によって開示された多孔性膜を組み込んだ連続発酵装置を用い、膜間差圧を制御することで、培養液を分離膜によって濾液と未濾過液に分離し、濾液から所望の発酵生産物を回収するとともに、未濾過液を培養液に戻す連続発酵方法を可能とし、微生物量を高く維持しながら、連続発酵による1,3−プロパンジオールの製造が可能であることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】図1は、本発明で用いられる膜一体型連続発酵装置の例を説明するための概要側面図である。
【図2】図2は、本発明で用いられる他の連続発酵装置の例を説明するための概要側面図である。
【図3】図3は、本発明で用いられる膜分離エレメントの例を説明するための概略斜視図である。
【図4】図4は、本発明で用いられる他の膜分離エレメントの例を説明するための断面説明図である。
【符号の説明】
【0091】
1 発酵反応槽
2 膜分離エレメント
3 水頭差制御装置
4 気体供給装置
5 攪拌機
6 レベルセンサ
7 培地供給ポンプ
8 NaOH溶液供給ポンプ
9 pHセンサ・制御装置
10 温度調節器
11 培養液循環ポンプ
12 膜分離槽
13 支持板
14 流路材
15 分離膜
16 凹部
17 集水パイプ
18 分離膜束
19 上部樹脂封止層
20 下部樹脂封止層
21 支持フレーム
22 集水パイプ
【出願人】 【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
【出願日】 平成19年7月18日(2007.7.18)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−43329(P2008−43329A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2007−187074(P2007−187074)