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【発明の名称】 培養器具及び培養装置
【発明者】 【氏名】魚住 孝之

【要約】 【課題】コンタミを抑制することができる培養器具を提供する。

【構成】プレート31上にほぼ密閉状態の培養容器41とほぼ密閉状態の密閉容器51,52,53,54とを設ける。密閉容器51,52,53,54をチューブ91,92,93,94,95を介して培養容器41に接続する。チューブ91,92,93,94,95に、チューブ91,92,93,94,95内の流体の流通を制御する三方活栓71,72,73を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレートと、
前記プレート上に設けられ、培養液と培養細胞を収容する培養容器と、
前記プレート上に設けられると共に前記培養容器にチューブを介して接続され、前記培養液の回収あるいは新しい培養液を供給する密閉容器と、
前記チューブに設けられ、前記チューブ内の流体の流通を制御する弁と
を備えていることを特徴とする培養器具。
【請求項2】
前記密閉容器がその内部容積を変化させる伸縮部を有することを特徴とする請求項1記載の培養器具。
【請求項3】
前記密閉容器は、前記新しい培養液を供給する第1密閉容器と、古い前記培養液を回収する第2密閉容器とを有することを特徴とする請求項2記載の培養器具。
【請求項4】
前記培養容器に注射針を挿抜可能な複数の栓を設けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の培養器具。
【請求項5】
プレートと、
前記プレート上に設けられ、培養液と培養細胞を収容する培養容器と、
前記プレート上に設けられ、前記培養容器に通じた前記培養容器内の環境条件のうちの少なくとも1つの条件をほぼ一定に保つための薬剤を収容する薬剤用密閉容器と
を備えたことを特徴とする培養器具。
【請求項6】
培養容器と、この培養容器内の複数の環境条件のうちの少なくとも1つの条件をほぼ一定に保つための薬剤とを纏めて密封することを特徴とする培養器具。
【請求項7】
チャンバと、
このチャンバ内に配置された観察装置と、
前記チャンバ内に設けられた棚と、
前記観察装置と前記棚との間で請求項1〜5のいずれか1項記載の培養器具を搬送する搬送装置と、
前記チャンバ内に設けられ、前記搬送装置により前記培養器具が動くことによって前記密閉容器の一部を押圧する押圧部と、
前記チャンバ内に設けられ、前記搬送装置により前記培養器具が動くことによって前記密閉容器の一部を引っ掛けて前記密閉容器を伸長させる係合部と
を備えていることを特徴とする培養装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は培養器具及び培養装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆるコンタミ(contaminationの略語)を防止するために、培地交換、継代、回収等の作業を自動的に行う自動培養装置が知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
この自動培養装置は、インキュベータとXYZステージとロボットアームと分注ステージとを備える。
【0004】
インキュベータはその内部の環境をほぼ一定に保つ。
【0005】
XYZステージはインキュベータ内に配置され、XYZ方向へ移動可能である。XYZステージには培養容器が配置される。培養容器は培養容器本体と培養容器蓋とを有する。
【0006】
ロボットアームはXYZステージと分注ステージとの間で培養容器を搬送する。
【0007】
分注ステージ上では、分注機構によって培地交換、継代、回収等の作業が自動的に行われる。
【特許文献1】特開2004−229619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の自動培養装置では培地交換等のとき、培養容器本体から培養容器蓋を外す。このときに、微生物類が混入する虞があり、コンタミを避けられない。
【0009】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題はコンタミを抑制することができる培養器具及び培養装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の課題を解決するため請求項1の発明の培養器具は、プレートと、前記プレート上に設けられ、培養液と培養細胞を収容する培養容器と、前記プレート上に設けられると共に前記培養容器にチューブを介して接続され、前記培養液の回収あるいは新しい培養液を供給する密閉容器と、前記チューブに設けられ、前記チューブ内の流体の流通を制御する弁とを備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載の培養器具において、前記密閉容器がその内部容積を変化させる伸縮部を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2記載の培養器具において、前記密閉容器は、前記新しい培養液を供給する第1密閉容器と、古い前記培養液を回収する第2密閉容器とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1、2又は3記載の培養器具において、前記培養容器に注射針を挿抜可能な複数の栓を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明の培養器具は、プレートと、前記プレート上に設けられ、培養液と培養細胞を収容する培養容器と、前記プレート上に設けられ、前記培養容器に通じた前記培養容器内の環境条件のうちの少なくとも1つの条件をほぼ一定に保つための薬剤を収容する薬剤用密閉容器とを備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明の培養器具は、培養容器と、この培養容器内の複数の環境条件のうちの少なくとも1つの条件をほぼ一定に保つための薬剤とを纏めて密封することを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明の培養装置は、チャンバと、このチャンバ内に配置された観察装置と、前記チャンバ内に設けられた棚と、前記観察装置と前記棚との間で請求項1〜5のいずれか1項記載の培養器具を搬送する搬送装置と、前記チャンバ内に設けられ、前記搬送装置により前記培養器具が動くことによって前記密閉容器の一部を押圧する押圧部と、前記チャンバ内に設けられ、前記搬送装置により前記培養器具が動くことによって前記密閉容器の一部を引っ掛けて前記密閉容器を伸長させる係合部とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、コンタミを抑制することができる。
【0018】
また、コンタミを抑制しつつ、安価に培地交換、継代が可能な自動培養装置及びその容器を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の第1〜第4実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1はこの発明の第1実施形態に係る培養器具を示し、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側方から見た断面を示す概念図、同図(d)は同図(a)に示す小分け用取出し口の下にシャーレを配置した状態を示す図、同図(e)は同図(a)に小分け用取出し口をシャーレにセットした状態を示す図である。なお、同図(d)、(e)中に小分け用取出し口61の断面が示されている。
【0020】
図1に示すように、培養器具1はプレート31と培養容器41と第1〜第4密閉容器51〜54と小分け用取出し口61と第1〜第3三方活栓(弁)71〜73とを備えている。培養器具1の大きさは大きくとも250mm角程度の大きさであり、後述する自動培養装置内に収容して搬送等が可能な大きさである。
【0021】
プレート31は透明な合成樹脂で形成され、剛性を有する。培養容器41、第1〜4密閉容器51〜54等は後述のようにプレート31上に配置されているので、プレート31を搬送することは、培養器具1全体を搬送することになる。
【0022】
培養容器41はプレート31上に配置され、少なくともその上下部分はポリスチレン等の透明な素材で形成されている。但し、培養容器41内で細胞が呼吸活動を行うため、培養容器41の一部に疎水性のポリ四弗化エチレンのメンブランフィルタ(図示せず)を付け、ガス交換を可能としている。また、培養容器41内の底面には細胞が接着しやすいように、表面処理が施されている。
【0023】
培養容器41は接続口41a,41bを有する。また、培養容器41は孔41cを有する。孔41cは栓42で塞がれている。栓42はシリコンゴム等のゴム素材で形成されている。
【0024】
第1〜第4密閉容器51〜54はプレート31上に配置されている。第1〜第4密閉容器51〜54は柔軟性を有する合成樹脂で形成され、それぞれ蛇腹部(伸縮部)51a〜54aを有している。蛇腹部51a〜54aが伸縮することによって第1〜第4密閉容器51〜54の容積が変化する。
【0025】
第1密閉容器51は新しい培地(培養液)を保管するための容器である。第1密閉容器51は2つの接続口51b,51cを有する。
【0026】
第2密閉容器52は廃液(古い培地)を回収又は保管するための容器である。第2密閉容器52は1つの接続口52bを有する。第2密閉容器52の上面には取手52cが取り付けられている。
【0027】
第3密閉容器53は薬剤、例えばPBS(リン酸緩衝液)を保管するための容器である。第3密閉容器53は1つの接続口53bを有する。
【0028】
第4密閉容器54は薬剤、例えばトリプシンを保管するための容器である。第4密閉容器54は1つの接続口54bを有する。
【0029】
小分け取出し口61はシャーレ受け62と蓋63とで構成されている。シャーレ受け62はプレート31に形成された凹部31aに配置されている。シャーレ受け62はシャーレ21を保持する。蓋63はシャーレ受け62の上方に配置されている。蓋63は接続口63a,63bを有する。蓋63はシリコンゴム等の弾性材料で形成され、接続口63a,63bは剛性のあるチューブで構成されている。蓋63はシャーレ21の開口を塞ぐ。
【0030】
第1三方活栓71は接続口71a,71b,71cを有する。第2三方活栓72は接続口72,72b,72cを有する。第3三方活栓73は73a,73b,73cを有する。
【0031】
第1三方活栓71の接続口71aはチューブ91を介して第3三方活栓73の接続口73aに接続されている。第1三方活栓71の接続口71bはチューブ92を介して第1密閉容器51の接続口51bに接続されている。第1三方活栓71の接続口71cは培養容器41の接続口41aに接続されている。
【0032】
第2三方活栓72の接続口72aはチューブ93を介して第2密閉容器52の接続口52bに接続されている。第2三方活栓72の接続口72bは培養容器41の接続口41bに接続されている。第2三方活栓72の接続口72cはチューブ94を介して蓋63の接続口63aに接続されている。
【0033】
第3三方活栓73の接続口73bはチューブ95を介して第4密閉容器54の接続口54bに接続されている。
【0034】
第3三方活栓73の接続口73cは、第3密閉容器53の接続口53bに接続される。
【0035】
プレート31上には弁81が配置されている。弁81は接続口81a,81bを有する。接続口81aは第1密閉容器51の接続口51cに接続され、接続口81bは小分け取出し口61の接続口63bに接続されている。
【0036】
細胞培養は、まず、培養容器41に培養する細胞を入れるところから始まる。培養容器41の孔41cを塞ぐ栓42に注射器針を突き刺して、培養細胞の入った培地を培養容器41内に注入する。これにより、培養容器41内にコンタミ源となる物質が混入するのを抑制できる。
【0037】
培養容器41内に撒かれた細胞は時間が経過すると培養容器41内の底面に接着し、増殖を開始する。培養容器41の少なくとも上下部は透明な素材で形成されているため、その内部の細胞の様子を位相差観察法やその他の観察方法で観察可能である。
【0038】
培養器具1を自動培養装置内の適切な環境下で保管することにより、培養容器41内の培養細胞は増殖する。その結果として培養容器41内の培地(培養液)の栄養成分は減少し、また培養細胞から排出された老廃物が培地内に増加する。これを確認したとき、培地交換を行う。
【0039】
培地交換においては、まず、第2三方活栓72を切り替えて培養容器41と第2密閉容器52とを結ぶ通路を開放し、培養容器41から古い培地(培養液)を第2密閉容器52に排出する。第2密閉容器52は蛇腹部52aを有するので、取手52cを引き上げることで、蛇腹部52aが伸長して第2密閉容器52内が陰圧となり、培養容器41内の古い培地を吸い出すことが可能である。この際、培養容器41内の古い培地を効率良く吸い出すために、培養器具1全体を第2密閉容器52側へ傾けるとよい。
【0040】
次に、第1三方活栓71を切り替えて第1密閉容器51と培養容器41とを結ぶ通路を開放し、第1密閉容器51から新しい培地を必要量だけ培養容器41内に入れる。第1密閉容器51も蛇腹部51aを有するので、外部より第1密閉容器51の上面を押すことで、蛇腹部51aが収縮して第1密閉容器51内が陽圧となり、培養容器41内に培地を供給することが可能である。
【0041】
以上の作業によって培地交換が行われる。
【0042】
培養器具1によれば、培養容器41から必要な量だけ細胞を取り出し、実験・凍結等の作業を行うことが可能である。
【0043】
実験・凍結等のために培養容器41から一定量の細胞を取り出して継代を行いたい場合、まず、第2三方活栓72を切り替えて第2密閉容器52と培養容器41とを結ぶ通路を開放し、第2密閉容器52を伸長させて培養容器41内の古い培地を吸い出す。次に、第1三方活栓71を切り替えて第3密閉容器53と培養容器41とを結ぶ通路を開放する。その後、第3密閉容器53の上面を押し込んで第3密閉容器53内を陽圧にし、PBSを培養容器41内に注入し、培地内のたんぱく質を非動化する。
【0044】
次に、培養容器41内のPBSを第2密閉容器52で吸い出す。
【0045】
その後、第3三方活栓73を切り替えて第4密閉容器54と培養容器41とを結ぶ通路を開放にする。その後、第4密閉容器54の上面を押し込んで、培養容器41内にトリプシンを注入し、培養容器41内全体をトリプシン処理する。その処理後、すぐにトリプシンを第2密閉容器52で吸い出す。
【0046】
トリプシン処理によって細胞が培養容器41から剥がれるのを確認したら、第1三方活栓71を切り替えて第1密閉容器51と培養容器41とを結ぶ通路を開放し、第1密閉容器51の上面を押し込んで、培地を培養容器41内に注入する。剥がれた細胞が培地中に浮遊したら、第2三方活栓72を切り替えて培養容器41と小分け用取出し口63とを結ぶ通路を開放し、培養容器41の上面を押圧し、小分け用取出し口63に取り付けたシャーレ21に細胞を含んだ培地を小分けする(培養容器41を押圧する代わりに、第1密閉容器51を押圧して新たな培地を供給するとともに、この培地によって細胞が浮遊した培地を小分け用取り出し口63へ押し出すようにしてもよい。)。その後、弁8を開きシャーレ21に培地を追加する。
【0047】
この後、すぐにシャーレ21を取り出し、改めて多くの他の容器に小分けし、それを冷凍してもよいし、そのままシャーレ21に接着するのを待ってから実験に用いてもよい。
【0048】
この実施形態では、第3密閉容器53にPBSを入れ、第4密閉容器54にトリプシンを入れたが、もちろんこれらの第3、第4密閉容器53,54には細胞の薬効確認のためにさまざまな薬剤を入れ、自動投与させることも可能である。
【0049】
上述の第1、第3、第4密閉容器51,53,54の上面を押圧する作業や、第2密閉容器52の取手52cを引き上げる作業は次に説明する培養装置では自動的に実行される。
【0050】
図2は図1に示す培養器具を用いる培養装置の概念図である。
【0051】
この培養装置は恒温及び恒湿の雰囲気に維持されるチャンバ211を有している。
【0052】
チャンバ211内には、スタッカー213、搬送装置215及び観察装置217が
配置されている。
【0053】
スタッカー213は基台219上に配置され、棚213aにより上下方向に仕切られている。棚213aにはホルダ221が載置されている。各ホルダ221は同一の形状及び大きさである。各ホルダ221には、細胞を培養する第1実施形態の培養器具1が保持部材(図示せず)を介して保持されている。
【0054】
搬送装置215は基台219上に配置されるフレーム225を有している。フレーム225の中心には上下方向へ延びる螺子軸227が配置されている。螺子軸227には移動部材229が螺合されており、第1のモータ231により螺子軸227を回転させると、移動部材299が上下方向へ移動する。移動部材229の下側には、移動部材229とともに上下方向へ移動する搬送アーム233が配置されている。この搬送アーム233は第2のモータ235により作動される駆動機構(図示せず)により水平方向へ移動可能である。
【0055】
観察装置217は基台237上に配置される顕微鏡239を有している。この顕微鏡239は比較的倍率の低い簡易型の顕微鏡である。基台237上には搬送アーム233により搬送されたホルダ221を載置する試料台241が配置されている。この試料台241は水平方向(X及びY方向)へ移動できる。この試料台241に培養器具1をホルダ221とともに載置することにより、培養器具1の培養容器41内の細胞を観察することができる。
【0056】
チャンバ211の側面の顕微鏡239の上方となる位置には、搬出入口243が形成されている。この搬出入口243には第3のモータ245により開閉されるドア247が設けられている。搬出入口243にはホルダ221を載置する載置部249が設けられている。この載置部249にはホルダ221の有無を検出するセンサ251が設けられている。このセンサ251は載置部249にホルダ21が載置されたとき検出信号を出力する。
【0057】
チャンバ211の外部には、搬出入口243から搬入される培養容器の種類、培養容器で培養される細胞の種類、状態等を入力する情報入力部253が設置されている。この情報入力部253は液晶表示部255及びタッチセンサ(図示せず)を有している。また、情報入力部253には搬送アーム233の搬送速度等を制御する制御部257が接続されている。この制御部257は第1及び第2のモータ231,235の回転数を制御して搬送アーム233の搬送速度を制御する。また、第の3モータ245を駆動してドア247の開閉を行う。
【0058】
搬送装置215のフレーム225には棒(押圧部)261と鉤(係合部)262とが設けられている。
【0059】
上述のように、培養器具1の第1密閉容器51の上面を押圧するには、まず、搬送アーム233により、第1密閉容器51を棒261の下方に位置させる。その後、移動部材229を上方に移動させる。その結果、棒261は相対的に下方へ移動し、第1密閉容器51の上面を押圧し、第1密閉容器51の蛇腹部51aは収縮する。
【0060】
第3、第4密閉容器53,54の上面も第1密閉容器51と同様にして押圧することができる。
【0061】
第2密閉容器52を伸長させるには、搬送アーム233により、第2密閉容器52の取手52cを鉤262に引っ掛ける。その後、移動部材229を下方へ移動させる。その結果、鉤262は相対的に上方へ移動し、取手52cが引き上げられ、第2密閉容器52の蛇腹部52aが伸長する。
【0062】
第1〜3三方活栓71〜73も棒261や鉤262の相対的な動きにより、切り替えることができる。
【0063】
第1実施形態は、第1〜第4の密閉容器51〜54を一つのプレート31上に全て配置した例であるが、必ずしも全ての密閉容器をプレート上に配置する必要はなく、必要に応じて少なくとも一つの密閉容器を配置すればよい。
【0064】
第1実施形態によれば、培地交換や継代等のときに、培養容器41が外界に曝されることがないので、コンタミを抑制することができる。
【0065】
(第2実施形態)
図3はこの発明の第2実施形態に係る培養器具を示し、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側方から見た断面を示す概念図である。
【0066】
第1実施形態と共通する部分については同一符号を付してその説明を省略する。以下、主な相違部分についてだけ説明する。
【0067】
第2実施形態では、培養容器241の上面にほぼ等間隔に栓241dを設けた。栓241dはシリコンゴムで形成されており、注射針(図示せず)を刺すことができ、また、注射針を抜けば、注射針によって開けられた孔は自然と閉じる。
【0068】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、継代のときに、任意の栓241dに注射針(図示せず)を刺し、この注射針を通じて培養容器241の特定の場所に接着した細胞(図示せず)に必要な量だけトリプシンを投与することができる。これにより、所望の細胞を必要な量だけ継代することができる。
【0069】
(第3実施形態)
図4はこの発明の第3実施形態に係る培養器具を示し、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側方から見た断面を示す概念図である。
【0070】
第1実施形態と共通する部分については同一符号を付してその説明を省略する。以下、主な相違部分についてだけ説明する。
【0071】
第3実施形態では、プレート331上に第5密閉容器(薬剤用密閉容器)355を配置した。第5密閉容器355は通路355aを介して培養容器341に通じている。第5密閉容器355には二酸化炭素供給剤322が収容されている。
【0072】
第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、培養容器341内のCo2の濃度をほぼ一定に保つことができる。
【0073】
(第4実施形態)
図5はこの発明の第4実施形態に係る培養器具を示し、同図(a)は平面図、同図(b)は正面から見た断面を示す概念図である。
【0074】
培養器具401は筐体423と蓋424とを備える。筐体423内には仕切り423aが設けられ、仕切り423aにより筐体423の内部は培養容器収容室423bと薬剤収容室423cとに仕切られる。培養容器収容室423b内には4つのシャーレ(培養容器)421が収容されている。薬剤収容室423cには二酸化炭素供給剤(図示せず)が収容されている。
【0075】
蓋424は筐体423の開口を密閉する。
【0076】
第4実施形態では、培地交換、継代等をできないが、細胞の生存に必要な環境を維持することができ、第1実施形態と同様に、コンタミを抑制することができる。
【0077】
なお、上述の各実施形態では、第3密閉容器53にPBSを収容し、第4密閉容器54にトリプシンを収容したが、これらの密閉容器53,54には他の薬剤を収容してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態に係る培養器具を示す図である。
【図2】図2は図1に示す培養器具を用いる培養装置の概念図である。
【図3】図3はこの発明の第2実施形態に係る培養器具を示す図である。
【図4】図4はこの発明の第3実施形態に係る培養器具を示す図である。
【図5】図5はこの発明の第4実施形態に係る培養器具を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1,201,301,401:培養器具、31,331:プレート、41:培養容器、51,52,53,54:密閉容器、71,72,73:三方活栓(弁)、91,92,93,94,95:チューブ、355:第1密閉容器(薬剤用密閉容器)、423:筐体、423b:培養容器収容室、423c:薬剤収容室、421:シャーレ(培養容器)、211:チャンバ、217:観察装置、213a:棚、215:搬送装置、261:棒(押圧部)、262:鉤(係合部)。
【出願人】 【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
【出願日】 平成18年8月23日(2006.8.23)
【代理人】 【識別番号】100091557
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 修


【公開番号】 特開2008−48644(P2008−48644A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−226556(P2006−226556)